JP2009069214A - レンズユニット、赤外線レンズ、赤外線レンズの製造方法及び赤外線撮像装置 - Google Patents

レンズユニット、赤外線レンズ、赤外線レンズの製造方法及び赤外線撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】組立工程で赤外線レンズを鏡筒に容易に挿入することができる小型及び低コストのレンズユニット及び赤外線撮像装置を提供する。
【解決手段】硫化亜鉛原料粉体をホットプレス法にて焼結して成形される複数の第1乃至第3赤外線レンズ21,22,23を鏡筒1内に挿嵌してなるレンズユニットAにおいて、レンズ挿嵌時にレンズ間で圧縮される空気を逃がす溝部22a,23aを第2及び第3赤外線レンズ22,23の鍔部22b,23bに形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の赤外線レンズを鏡筒に挿嵌してなるレンズユニット、該レンズユニットを構成する赤外線レンズ、赤外線レンズの製造方法及び前記レンズユニットを備える赤外線撮像装置に関する。
近年、赤外線撮像装置にて車両周辺を撮像し、衝突可能性のある歩行者を検出した場合、運転者に警告を発するナイトビジョンシステムが開発されている。
赤外線撮像装置はレンズユニットを備えている。該レンズユニットは、複数の赤外線レンズを鏡筒内に順次挿入することによって組み立てられている。赤外線撮像装置のような光学機器においては、各赤外線レンズ間の僅かな位置ずれ、偏芯等によって光学性能が著しく低下するため、鏡筒の内径寸法及び赤外線レンズの外径寸法が略一致するように高精度に形成されている。
ところが、鏡筒及び赤外線レンズを高精度に製造すると、鏡筒の内周面及び赤外線レンズ間の隙間がほとんどなくなるため、組立工程において赤外線レンズ間の空気が抜けにくくなり、赤外線レンズの挿入が困難になる。
上記問題を解決するために、切削加工によって螺旋状のエア逃がし溝を鏡筒に形成したレンズユニットが提案されている。該レンズユニットにおいては、レンズ挿入時にレンズ間で圧縮された空気はエア逃がし溝から外部に逃げるため、挿入するレンズが押し返されて挿入が困難になることはなく、効率的にレンズユニットを組み立てることができる。
特開平10−068859号公報
しかしながら、鏡筒にエア逃がし溝を形成するためには鏡筒をその分厚く形成する必要があり、レンズユニットが大形化するという問題があった。特に自動車分野ではエレクトロニクス化が進む一方で車両の小型化、車内空間の拡大が求められている。このため、各種車載装置にも省スペース化が要求されており、レンズユニットの大型化も深刻な問題となる。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、組立工程で赤外線レンズを鏡筒に容易に挿入することができ、しかも鏡筒を小型化することができるレンズユニット、該レンズユニットを構成する赤外線レンズ、赤外線レンズの製造方法及び該レンズユニットを備えた赤外線撮像装置を提供することを目的とする。
第1発明に係るレンズユニットは、複数の赤外線レンズを鏡筒内に挿嵌してなるレンズユニットにおいて、前記赤外線レンズの少なくとも一つは、レンズ挿嵌時に該赤外線レンズの裏表の空間が連通するように設けられた溝部又は切り欠きを備えることを特徴とする。
第2発明に係るレンズユニットは、前記鏡筒に内嵌する筒状をなし、その両端が隣り合う前記赤外線レンズに夫々当接して、該赤外線レンズの光軸方向の位置決めを行う位置決め部材を備え、該位置決め部材は、前記溝部又は切り欠きを封ずるような径方向寸法を有することを特徴とする。
第3発明に係るレンズユニットは、前記赤外線レンズが鍔部を備えており、該鍔部に溝部又は切り欠きが形成されていることを特徴とする。
第4発明に係るレンズユニットは、前記溝部は、側面視が前記赤外線レンズの光軸に対して斜めになるように形成されていることを特徴とする。
第5発明に係るレンズユニットは、前記赤外線レンズが、粉体を焼結してなる焼結体であることを特徴とする。
第6発明に係る赤外線レンズは、周縁に溝部又は切り欠きを備えることを特徴とする。
第7発明に係る赤外線レンズの製造方法は、レンズ表面が保護膜で覆われており、周縁に溝部又は切り欠きを備える赤外線レンズの製造方法であって、前記溝部又は切り欠きを赤外線レンズに形成し、該赤外線レンズのレンズ表面を保護膜で覆うことを特徴とする。
第8発明に係る赤外線撮像装置は、第1発明乃至第5発明のいずれか一つに記載のレンズユニットと、前記赤外線レンズにて撮像する撮像部とを備えることを特徴とする。
第1、第6、第8発明にあっては、鏡筒内に挿嵌される赤外線レンズは、レンズ挿嵌時において該赤外線レンズの裏表の空間が連通するように設けられた溝部又は切り欠きを備えている。従って、鏡筒の内径寸法及び赤外線レンズの外径寸法を略同一に製造した場合であっても、鏡筒に赤外線レンズを順次挿嵌する際に赤外線レンズ間で圧縮された気体を溝部又は切り欠きから外部に逃がすことができ、赤外線レンズを容易に挿嵌することができる。
また、鏡筒に溝部又は切り欠きを形成する必要が無いため、鏡筒の厚み、即ち径方向寸法を小さくすることができ、レンズユニットを小型化することができる。
なお、切り欠きは溝部に比べて容易に成形することができる。
溝部とは、正面視、つまり光軸方向から見た場合に、赤外線レンズの径方向中心側に凹形状をなすように形成された部分である。
切り欠きとは、正面視、つまり光軸方向から見た場合に、赤外線レンズの外周縁の一部を直線状に削り取ったように形成された部分である。
また、溝部又は切り欠きは、少なくともレンズ挿嵌時において裏表の空間が連通する構成であれば良い。言い換えれば、レンズユニット組立後に溝部又は切り欠きが封じられるように構成しても良い。裏表の空間とは、レンズの挿嵌方向側の空間と、挿嵌方向逆側の空間を意味している。
第2及び第8発明にあっては、赤外線レンズ間の光軸方向における位置決めを行う位置決め部材が、赤外線レンズに形成された溝部又は切り欠きを封ずるため、溝部又は切り欠きから埃、光等が赤外線レンズ間及び鏡筒内部に侵入することを防止することができる。また、溝部又は切り欠きを封ずる特別の部材を必要としないため、低コストで溝部又は切り欠きを封ずることができる。
なお、鏡筒に溝部を形成した場合、該溝部から埃が入り易くなり、光学系に悪影響を及ぼす。また、埃の侵入を防止するためには溝部を封ずる専用部品が必要になり、コスト増となる。
第3及び第8発明にあっては、赤外線レンズは鍔部を備えており、鍔部に溝部又は切り欠きが形成されている。従って、該溝部又は切り欠きによってレンズ特性が低下することはない。
第4及び第8発明にあっては、側面視が赤外線レンズの光軸に対して斜めになるように溝部が形成されている。このため、光軸方向に一致するように溝部が形成されている場合に比べて、赤外線レンズの表面側から溝部に侵入した埃、光等は、溝部の途中で遮断される可能性が高い。従って、溝部から埃、光等が赤外線レンズ間及び鏡筒内部に侵入することを防止することができる。
第5及び第8発明にあっては、赤外線レンズは粉体を焼結して形成することができるため、溝部又は切り欠きを有するレンズ形状の金型を用いることにより、工数増加を招くことなく、溝部又は切り欠きを備えた赤外線レンズを簡易に製造することができる。
粉体の焼結により赤外線レンズを形成する場合、鏡筒に溝を切る工程を追加するよりも、溝部又は切り欠きを有するレンズ形状の金型を用いて赤外線レンズを形成するように工程を変更する方が、工数の増加を抑えることができ、工程に組み込み易い。
第7発明にあっては、鏡筒へのレンズ挿嵌時に赤外線レンズの裏表の空間が連通するように溝部又は切り欠きを赤外線レンズに形成し、次いで、レンズ表面を保護膜で覆うため、保護膜と、溝部又は切り欠きとの製造が容易である。赤外線レンズの表面側を保護膜で覆った後に溝部又は切り欠きを形成する方法もあるが、この場合、溝部又は切り欠きの形成工程で保護膜が損傷する虞があるため、製造が困難である。
本発明によれば、レンズ挿嵌時に赤外線レンズの裏表の空間が連通するように設けられた溝部又は切り欠きを備えることにより、赤外線レンズ挿入工程において赤外線レンズ間で圧縮された空気を溝部又は切り欠きから外部に逃がすことができるため、赤外線レンズを鏡筒に容易に挿入することができ、しかもレンズユニットを小型化することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るレンズユニットAを模式的に示す側断面図、図2はレンズユニットAの分解斜視図、図3はレンズユニットAの斜視図、図4はレンズユニットAの側面図、図5はレンズユニットAの正面図、図6はレンズユニットAの図5のVI−VI線断面図である。
本発明の実施の形態1に係るレンズユニットAは、鏡筒1、第1乃至第3赤外線レンズ21,22,23、第1及び第2位置決め環31,32、並びにレンズ押さえ4を備えており、鏡筒1に第1赤外線レンズ21、第1位置決め環31、第2赤外線レンズ22、第2位置決め環32、第3赤外線レンズ23が順次挿嵌されて構成されている。
本実施の形態1に係るレンズユニットAは、第1乃至第3赤外線レンズ21,22,23を鏡筒1に容易に挿入することができ、しかも低コストで小型化を図ることもできるように構成されている。
第1乃至第3赤外線レンズ21,22,23は、硫化亜鉛原料粉末を後述するホットプレス法にて焼結してなる焼結体であり、8〜12μm帯の赤外線に対して透過性を有している。第1赤外線レンズ21は正面側に凸面を有するメニスカスレンズ、第2赤外線レンズ22は背面側に凸面を有するメニスカスレンズ、第3赤外線レンズ23は、正面側に凸面を有するメニスカスレンズである。なお、正面側は図1中左側を、背面側は図1中右側を示している。また第1乃至第3赤外線レンズ21,22,23は、正面視又は背面視が環状の鍔部21b,22b,23bを外周に備えている。鍔部21b,22b,23bは、第1乃至第3赤外線レンズ21,22,23を鏡筒1内の所定箇所に保持するためのものである。
また、第2赤外線レンズ22の鍔部22bには、レンズ挿入時に第1及び第2赤外線レンズ21,22間で圧縮される空気を逃がすべく、第1及び第2赤外線レンズ21,22間の裏表の空間が連通するように溝部22aが形成されている。溝部22aは、図2に示すように、凹面側(正面側)及び凸面側(背面側)に亘り、径方向外側から見て矩形状をなしている。
同様に、第3赤外線レンズ23の鍔部23bには、レンズ挿入時に第2及び第3赤外線レンズ22,23間で圧縮される空気を逃がすための溝部23aが形成されている。溝部23aの形状も、第2赤外線レンズ22の溝部22aと同様の形状である。
第3赤外線レンズ23の正面側の面は、図示しない中間層及びDLC膜23cにて被覆することもできる。DLC膜23cを形成することにより、第3赤外線レンズ23の耐環境性を向上させることができる。
DLC膜23cは、ダイヤモンドに類似した構造を有するアモルファスの炭素薄膜である。DLC膜23cは、表面硬度がヌープ硬度で2000以上であり、化学的に安定で、可視から赤外域まで優れた透過性を有している。また、DLC膜23cは、膜厚が0.2μm以上20μm以下であり、屈折率は2.0〜2.4である。なお、DLC膜23cの膜厚は、赤外線透過率を考慮すると、2μm以下とすることが好ましい。
中間層は、DLC膜23cと第3赤外線レンズ23との密着力を増加させるものである。中間層は、例えば、酸化イットリウムY2 3 、酸化アルミニウムAl2 3 、酸化チタンTiO3 等の酸化物、フッ化マグネシウムMgF2 、フッ化イットリウムYF3 、フッ化ランタンLaF3 、フッ化ゲルマニウムGeF3 等のフッ化物、ゲルマニウムGe、珪素Si、リン化ガリウムGaP、リン化ホウ素BP等であり、膜厚は0.02μm以上25μm以下である。該中間層は、DLC膜23c及び第3赤外線レンズ23との密着性に優れている。なお、中間層の膜厚は、赤外線透過率を考慮すると、0.2μm以下とすることが好ましい。
なお、DLC膜23c及び中間層は、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、プラズマCVD法等によって成膜される。
以下、ホットプレス法を説明する。第1乃至第3赤外線レンズ21,22,23は、上述のような溝部22a,23aを有するレンズ形状の金型を用い、硫化亜鉛原料粉末を非酸化性雰囲気中、例えば真空、アルゴン等の不活性ガス中で熱間圧縮成形することにより、多結晶硫化亜鉛焼結体の赤外線レンズとして製造される。より詳細には、硫化亜鉛原料粉末としては、平均粒径0.5〜2μmで純度98%以上の粉末を用いる。また、熱間圧縮成形の諸条件は、温度900〜1100度、圧力150〜800kg/cm2 が適当である。圧力保持時間は、平均的には0.05〜1.5時間であり、温度及び圧力条件との組み合わせに応じて適宜調節される。
このように第1乃至第3赤外線レンズ21,22,23の形状を金型で成形することができるため、切削、研磨等により溝部22a,23aを形成する場合に比べて製造工数、製造コストを削減することができる。
次いで溝部23a及びDLC膜23cを有する第3赤外線レンズ23の製造方法を説明する。まず、中間体である赤外線レンズに溝部23aを形成する。ホットプレス法を用いる場合、赤外線レンズのレンズ部分、溝部23a及び鍔部23bを一時に形成する。次いで、赤外線レンズの表面にDLC膜23cを形成する。
前記製造方法によれば、先に溝部23aを形成し、次いでレンズ表面をDLC膜23cで覆う手順であるため、DLC膜23c及び溝部23aの製造が容易となる。DLC膜23cを成膜し、次いで溝部23aを形成する逆の手順も考えられるが、この場合、溝部23aの形成工程でDLC膜23cが損傷する虞があり、製造が困難である。
鏡筒1は略円筒状のアルミ製であり、背面側の内周面に段部11が形成され、第1赤外線レンズ21が段部11に保持されている。より詳細には、段部11は、背面側端部から正面側にかけて内径が大きくなった階段状部分であり、段部11の内周面部分11aは、内径が鍔部21bの外径と略等しくなるように形成されている。なお、第1乃至第3赤外線レンズ21,22,23の光軸Lがずれると光学性能が著しく低下するため、鍔部21bの外径寸法及び内周面部分11aの内径寸法が略同一になるように高精度に形成されている。例えば鏡筒1及び第1赤外線レンズ21の公差は夫々30μm、10μmである。
従って、第1赤外線レンズ21が鏡筒1に挿入されて、内周面部分11aに第1赤外線レンズ21の鍔部21bが内嵌した場合、径方向の位置が正確に位置決めされる。そして、第1赤外線レンズ21が更に背面側に挿入されると、鍔部21bが段部11に当接して、光軸L方向についても位置決めされる。
また、鏡筒1は、段部11よりも正面側内周面の適宜箇所に段部12及び段部13がこの順で形成されており、第1位置決め環31が段部12及び段部13に保持されている。段部12及び段部13は、背面側から正面側にかけて更に内径が大きく広がった階段状部分である。第1位置決め環31は、段部12及び段部13に内嵌するように拡径した外径を有する筒状である。第1位置決め環31の背面側端部は第1赤外線レンズ21の鍔部21bに当接し、正面側端部は鏡筒1に挿入された第2赤外線レンズ22の鍔部22bに当接しており、第1赤外線レンズ21及び第2赤外線レンズ22は、光軸L方向で位置決めされている。
段部13の内周面部分13aの内径は、第2赤外線レンズ22を構成する鍔部22bの外径と略等しくなるように形成されている。なお、寸法精度は第2赤外線レンズ22と同様である。従って、第2赤外線レンズ22が鏡筒1に挿入されて、内周面部分13aに第2赤外線レンズ22の鍔部22bが内嵌した場合、径方向の位置が正確に位置決めされる。
第2赤外線レンズ22の正面側には第2位置決め環32が内嵌しており、更にその正面側には第3赤外線レンズ23が内嵌している。第2位置決め環32及び鍔部23bの外径は、内周面部分13aの内径と略等しい。また、第1位置決め環31及び第2位置決め環32は、アルミ製であり、径方向の厚みは、第2及び第3赤外線レンズ22,23の溝部22a,23aを封ずることができるような寸法を有している。
レンズ押さえ4は、鏡筒1の正面側端部の外周面に螺刻された雄ねじ1aに螺合する雌ねじ4aを内周面に有している。レンズ押さえ4は、第3赤外線レンズ23に当接して、第3赤外線レンズ23を背面側へ押圧するとともに、第3赤外線レンズ23の溝部23aを封ずる正面視略環状の当接部4bを備えており、鏡筒1の正面側先端部に螺合して、第3赤外線レンズ23は光軸L方向で位置決めされている。
次に、レンズユニットAの組立方法を説明する。
図7乃至図9は、レンズユニットAの組立方法を模式的に示す組立工程図である。まず、図7(a)に示すように、第1赤外線レンズ21を鏡筒1に挿入し、第1赤外線レンズ21の鍔部21bを内周面部分11aに内嵌させ、鍔部21bが段部11に当接するまで、背面側へ押し込む。そして、図7(b)に示すように、第1位置決め環31を鏡筒1に挿入して、第1位置決め環31が第1赤外線レンズ21の鍔部21bに当接するまで背面側に押し込む。
次いで、図8(c)に示すように、第2赤外線レンズ22を鏡筒1に挿入し、鍔部22bが第1位置決め環31の正面側端部に当接するまで、背面側へ押し込む。第1赤外線レンズ21、第2赤外線レンズ22及び鏡筒1は高精度に製造されているため、第2赤外線レンズ22と内周面部分13aとの隙間はほとんどない。このため、鍔部22bを完全な環状形に構成した場合、第1赤外線レンズ21及び第2赤外線レンズ22間の空気が抜けずに圧縮され、第2赤外線レンズ22は正面側に押し返されるため、第2赤外線レンズ22の挿入が困難になる。ところが、第2赤外線レンズ22は空気を逃がすための溝部22aを有しているため、第1及び第2赤外線レンズ21,22間の圧縮された空気は、溝部22aを通じて外部に逃げる。従って、第2赤外線レンズ22は圧縮された空気によって正面側に押し返されることはなく、容易に挿入することができる。
そして、図8(d)に示すように、第2位置決め環32を鏡筒1に挿入して、第2位置決め環32が第2赤外線レンズ22の鍔部22bに当接するまで背面側に押し込む。
次いで、図9(e)に示すように、第3赤外線レンズ23を鏡筒1に挿入し、鍔部23bが第2位置決め環32の正面側端部に当接するまで、背面側へ押し込む。第3赤外線レンズ23を挿入する場合も、第2赤外線レンズ22及び第3赤外線レンズ23間の空気が溝部23aを通じて外部に逃げるため、第3赤外線レンズ23を容易に挿入することができる。
図10は、本実施の形態1に係るレンズユニットAを備えた赤外線撮像装置の構成を模式的に示す側断面図である。赤外線撮像装置はレンズユニットA及び撮像部5と、レンズユニットA及び撮像部5を収容した筐体7とを備えている。筐体7は、レンズユニットAが螺嵌されて取り付けられる筒状のレンズ取付部6を備えている。
撮像部5はレンズユニットAが備える第1乃至第3赤外線レンズ21,22,23の背面側の適宜箇所に配設されており、サーモパイルのような撮像素子を備えている。撮像部5は、第1乃至第3赤外線レンズ21,22,23にて結像した像をアナログの電気信号に変換及び増幅し、外部出力する。なお、撮像部5が光電変換したアナログの電気信号をデジタルの輝度信号に変換して出力するように構成しても良い。
このように構成された実施の形態1に係るレンズユニットA及び赤外線撮像装置にあっては、溝部22a,23aを第2及び第3赤外線レンズ22,23の鍔部22b,23bに形成しているため、レンズ挿入工程において第1乃至第3赤外線レンズ21,22,23間で圧縮された空気を溝部22a,23aから鏡筒1の外部に逃がすことができるため、赤外線レンズを鏡筒1に容易に挿入することができる。
また、溝部22a,23aを第2及び第3赤外線レンズ22,23に形成しているため、溝部を鏡筒1に形成する場合に比べてレンズユニットAを小型化することができる。例えば、鏡筒1の厚みを1mm程度に形成することもでき、小型化することができる。
更に、第2赤外線レンズ22に形成された溝部22aを第2位置決め環32にて封ずることができるため、埃、光等が第1及び第2赤外線レンズ21,22間に侵入することを防止することができる。
なお、鏡筒に溝部を形成した場合、該溝部から埃が入り易くなり、光学系に悪影響を及ぼす。また、埃の侵入を防止するためには溝部を封ずる専用部品が必要になり、コスト増となる。
更にまた、溝部22a,23aを有する第2及び第3赤外線レンズ22,23を、粉体の焼結によって成形することができるため、切削工程等を追加することなく、低コストで溝部22a,23aを形成することができる。
粉体の焼結により第1乃至第3赤外線レンズ21,22,23を形成する場合、鏡筒1に溝を切る工程を追加するよりも、溝部22a,23aを有するレンズ形状の金型を用いて赤外線レンズ21,22,23を形成するように工程を変更する方が、工数の増加を抑えることができ、工程に組み込み易く、低コストでレンズユニットAを製造することができる。
更にまた、溝部22a,23aは、第2及び第3赤外線レンズ22,23の鍔部22b,23bに形成されているため、レンズ特性の低下を最小限に抑えることができる。
図11は、第1の変形例に係るレンズユニットAを模式的に示す分解斜視図である。第1の変形例に係る第2赤外線レンズ22は、空気を逃がすための4個の溝部22aを鍔部22bに備えている。また、各溝部22aは周方向に略等配されている。つまり、各溝部22aは、光軸Lに関して回転対称となるような位置に形成されている。第3赤外線レンズ23も、第2赤外線レンズ22同様、4つの溝部23aを備えている。
第1の変形例に係るレンズユニットAにあっては、複数の溝部22aが等配されているため、第1赤外線レンズ21及び第2赤外線レンズ22間の空気を、周方向から均等に逃がすことができる。従って、第2赤外線レンズ22の挿入時に空気の逃げ道が偏ることにより、第2赤外線レンズ22が光軸Lに対して傾き、鏡筒1に引っ掛かることを防止することができ、より効率的に第2赤外線レンズ22を鏡筒1に挿入することができる。第3赤外線レンズ23についても同様である。
図12は、第2の変形例に係るレンズユニットAを模式的に示す分解斜視図である。第2の変形例に係る第2赤外線レンズ122及び第3赤外線レンズ123は、側面視が光軸Lに対して斜めになるように形成された溝部122a,123aを鍔部122b,123bに備えている。つまり、第2赤外線レンズ122の径方向外側から見て、溝部122aは光軸L方向に対し斜め方向になるように形成されている。溝部123aも同様であり、第3赤外線レンズ123の表面はDLC膜123cで覆われている。
溝部122a,123aは光軸Lに対して斜め方向であるため、不要な光、埃等が溝部122a,123aを経由して第1乃至第3赤外線レンズ21,122,123間に侵入しにくくなり、より効果的に光、埃等の侵入を防止することができる。
なお、実施の形態1にあっては、硫化亜鉛原料粉末を焼結してなる赤外線レンズを説明したが、他の粉体を焼結して赤外線レンズを構成しても良い。例えば、波長3〜5μm帯の光学材料としてフッ化マグネシウム(MgF2 )、スピネル(MgAl2 4 )、波長8〜12μm帯の光学材料としてフッ化バリウム(BaF2 )、カルコゲナイド系の光学材料を用いて赤外線レンズを成形しても良い。また、ポリエチレン等のポリオレフィン系有機材料にて赤外線レンズを成形しても良い。
また、本実施の形態1及び変形例で示した溝部の形状、数、配置等は一例であり、赤外線レンズ間の気体を逃がすことができるような構成であればこれに限定されない。
更に、赤外線撮像装置の用途はナイトビジョンシステムを構成する車載用に限定される訳ではなく、プラント、製造ラインのオンラインモニタ用、昼夜侵入者監視又は火災監視等の防犯・防災用、家電用等に適用しても良い。
更にまた、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(実施の形態2)
図13は、本発明の実施の形態2に係るレンズユニットAを模式的に示す分解斜視図である。実施の形態2に係るレンズユニットAは、実施の形態1に係るレンズユニットAと同様の鏡筒1、第1乃至第3赤外線レンズ21,222,223、第1及び第2位置決め環31,32、並びにレンズ押さえ4を備えている。実施の形態2に係るレンズユニットAは、第1乃至第3赤外線レンズ21,222,223の構成のみが実施の形態1に係るレンズユニットAと異なるため主に上記相違点を説明する。
第1乃至第3赤外線レンズ21,222,223は、実施の形態1同様、硫化亜鉛原料粉末を焼結してなる赤外線透過性の赤外線レンズである。第2赤外線レンズ222及び第3赤外線レンズ223は、溝部に代えて、空気を逃がすための切り欠き部222a,223aを鍔部222b,223bに備えている。
また、第3赤外線レンズ223の表面はDLC膜223cで覆われている。
切り欠き部222a,223aの形状は、溝部に比べて単純なため、より容易に成形することができ、実施の形態1で述べた効果を有するレンズユニットA及び赤外線撮像装置をより低コストで構成することができる。
また、切り欠き部222a,223aは、第2及び第3赤外線レンズ222,223の鍔部222b,223bに形成されているため、レンズ特性の低下を最小限に抑えることができる。
本発明の実施の形態1に係るレンズユニットを模式的に示す側断面図である。 レンズユニットの分解斜視図である。 レンズユニットの斜視図である。 レンズユニットの側面図である。 レンズユニットの正面図である。 レンズユニットの図5のVI−VI線断面図である。 レンズユニットの組立方法を模式的に示す組立工程図である。 レンズユニットの組立方法を模式的に示す組立工程図である。 レンズユニットの組立方法を模式的に示す組立工程図である。 本実施の形態1に係るレンズユニットを備えた赤外線撮像装置の構成を模式的に示す側断面図である。 第1の変形例に係るレンズユニットを模式的に示す分解斜視図である。 第2の変形例に係るレンズユニットを模式的に示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態2に係るレンズユニットを模式的に示す分解斜視図である。
符号の説明
1 鏡筒
4 レンズ押さえ
5 撮像部
6 レンズ取付部
7 筐体
21 第1赤外線レンズ
22 第2赤外線レンズ
23 第3赤外線レンズ
22a,23a 溝部
21b,22b,23b,122b,123b 鍔部
222a,223a 切り欠き部
23c,123c,223c DLC膜
31 第1位置決め環
32 第2位置決め環
L 光軸
A レンズユニット

Claims (8)

  1. 複数の赤外線レンズを鏡筒内に挿嵌してなるレンズユニットにおいて、
    前記赤外線レンズの少なくとも一つは、
    レンズ挿嵌時に該赤外線レンズの裏表の空間が連通するように設けられた溝部又は切り欠きを備える
    ことを特徴とするレンズユニット。
  2. 前記鏡筒に内嵌する筒状をなし、その両端が隣り合う前記赤外線レンズに夫々当接して、該赤外線レンズの光軸方向の位置決めを行う位置決め部材を備え、
    該位置決め部材は、前記溝部又は切り欠きを封ずるような径方向寸法を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
  3. 前記赤外線レンズは鍔部を備えており、該鍔部に溝部又は切り欠きが形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレンズユニット。
  4. 前記溝部は、
    側面視が前記赤外線レンズの光軸に対して斜めになるように形成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のレンズユニット。
  5. 前記赤外線レンズは、粉体を焼結してなる焼結体である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のレンズユニット。
  6. 周縁に溝部又は切り欠きを備えることを特徴とする赤外線レンズ。
  7. レンズ表面が保護膜で覆われており、周縁に溝部又は切り欠きを備える赤外線レンズの製造方法であって、
    前記溝部又は切り欠きを赤外線レンズに形成し、
    該赤外線レンズのレンズ表面を保護膜で覆う
    ことを特徴とする赤外線レンズの製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のレンズユニットと、
    前記赤外線レンズにて撮像する撮像部と
    を備えることを特徴とする赤外線撮像装置。
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