JP2009068272A - 開閉扉のヒンジ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】開閉扉を確実に装着するとともに、必要なときに取り外しを可能とし、しかも安価で見栄えのよい開閉扉のヒンジ構造を提供する。
【解決手段】筐体2に対してヒンジ軸4を介して取り付けられて上記ヒンジ軸4を軸にして回動して開閉する開閉扉3のヒンジ構造であって、上記筐体2と開閉扉3のいずれかに、ヒンジ軸4を回動可能に軸支する軸支部15と、上記軸支部15と連通することによってヒンジ軸4を通過させて取り外し可能とする軸通過開口部16と、上記軸支部15と軸通過開口部16の間において軸支部15に軸支されたヒンジ軸4の抜けを防止する変形可能な切り起し片からなる抜け防止部17とが設けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、主として消火設備収納箱や配電盤収納箱のようなスチール製やステンレス製の収納箱等に適用可能な開閉扉のヒンジ構造に関するものである。
消火設備収納箱や配電盤収納箱のようなスチール製やステンレス製の収納箱に適用される開閉扉は、一般に、筐体と開閉扉の双方に蝶番を溶接した開閉構造を採用することが行なわれている。このように、筐体と開閉扉の双方に蝶番を溶接したのでは、例えば開閉扉だけが破損したような場合に開閉扉の交換ができず、筐体ごと取り替えなければならないという問題があった。開閉扉の取り付け取り外しが可能な蝶番も存在するが、コスト的に高価なものとなる問題がある。また、蝶番を使用した構造では、どうしても筐体と開閉扉に蝶番を溶接しなければならないので、溶接痕を消すための研磨仕上げや塗装仕上げが必要になり、それだけ工程が増えてしまうという問題もある。
そこで、蝶番を溶接することなく筐体から開閉扉を着脱可能にした開閉扉のヒンジ構造として、下記の特許文献1〜3に示すものが開示されている。特許文献1記載の開閉扉のヒンジ構造は、ヒンジ軸を拡径可能な弾性軸として、軸穴よりも幅の小さいスリットに弾性軸を通過させることにより、開閉扉を取り外し可能としたものである。特許文献2記載の開閉扉のヒンジ構造は、軸支部にスリットを設け、ヒンジ軸に上記軸支部に軸支させる太径部と、上記スリットを通過させる細径部とを設けることにより、開閉扉を取り外し可能としたものである。特許文献3記載の開閉扉のヒンジ構造は、ピボット軸を上下動可能とすることにより、開閉扉を取り外し可能としたものである。
実開平2−130977号公報 実開平2−130978号公報 特開平11−350823号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の開閉扉のヒンジ構造では、ヒンジ軸を拡径可能な弾性軸とする必要があることから、ヒンジ軸の加工に手間がかかるうえ、ヒンジ軸自体が耐久性に劣り、着脱を繰り返しているとヒンジ軸が損耗してきていずれは開閉扉をきちんと取り付けられなくなり、少しの外力で誤って外れてしまうおそれがある。また、上記特許文献2記載の開閉扉のヒンジ構造では、細径部がスリットを通過できる状態にするために開閉扉を上下にずらせることが必要となることから、筐体側に開閉扉を上下させるだけの無駄なスペースを確保する必要があり、それだけ無駄に筐体の寸法が大型化してしまうという問題がある。また、上記特許文献3記載の開閉扉のヒンジ構造では、ピボット軸を上下動可能とするための構造が複雑で、コスト的に高価なものになってしまうという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、開閉扉を確実に装着するとともに、必要なときに取り外しを可能とし、しかも安価で見栄えのよい開閉扉のヒンジ構造の提供をその目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の開閉扉のヒンジ構造は、筐体に対してヒンジ軸を介して取り付けられて上記ヒンジ軸を軸にして回動して開閉する開閉扉のヒンジ構造であって、上記筐体と開閉扉のいずれかに、ヒンジ軸を回動可能に軸支する軸支部と、上記軸支部と連通することによってヒンジ軸を通過させて取り外し可能とする軸通過開口部と、上記軸支部と軸通過開口部の間において軸支部に軸支されたヒンジ軸の抜けを防止する変形可能な切り起し片からなる抜け防止部とが設けられたことを要旨とする。
すなわち、本発明の開閉扉のヒンジ構造は、ヒンジ軸を回動可能に軸支する軸支部と、上記軸支部と連通することによってヒンジ軸を通過させて取り外し可能とする軸通過開口部と、上記軸支部と軸通過開口部の間において軸支部に軸支されたヒンジ軸の抜けを防止する変形可能な切り起し片からなる抜け防止部とが設けられている。このため、通常の開閉扉の取り付け状態では、ヒンジ軸が軸支部に軸支されるとともに、軸支されたヒンジ軸は切り起し片からなる抜け防止部によって抜けが防止されるため、開閉扉は確実に筐体に取り付けられて少々の外力が加わっても誤って外れてしまうようなことがなくなる。また、開閉扉の取り外しが必要なときは、切り起し片からなる抜け防止部を変形させて軸支部と軸通過開口部を連通状態とし、ヒンジ軸を軸通過開口部に通過させて軸支部から容易に取り外し、開閉扉を筐体から取り外すことができる。さらに、再び開閉扉を筐体に取り付けるときも、あらかじめ切り起し片からなる抜け防止部を変形させて軸支部と軸通過開口部を連通させた状態で、ヒンジ軸を軸通過開口部に通過させて軸支部に軸支させ、その後抜け防止部の変形を元に戻して軸支部からのヒンジ軸の抜けを防止することにより、確実に開閉扉を筐体に取り付けることができる。
そして、このようなヒンジ構造によれば、従来のように、ヒンジ軸に加工を施したり、ヒンジ軸を上下動可能な構造を採用したりする必要がなくなり、軸支部と軸通過開口部と切り起し片からなる抜け防止部とを、従来軸支穴を形成していたのと同じように例えばプレス加工等により1回の加工で形成することができる。また、軸支部、軸通過開口部および切り起し片からなる抜け防止部は、ともにヒンジ軸が軸支される面に形成されることから、開閉扉が閉まった状態では筐体の開閉扉取り付け面に面していて外から見え難いため、外観的にも見栄えがよい。このように、工程を増やす必要も無く、仕上げ処理等を行わなくても見栄えがよくなり、コスト面においても極めて有利である。
本発明において、上記軸支部、軸通過開口部および抜け防止部は、開閉扉側に形成されている場合には、開閉扉を交換する際に変形させる抜け防止部を交換する開閉扉側に形成することにより、抜け防止部が損傷するまで繰り返し変形されることがないため、抜け防止部の損傷による故障や不具合が発生するのを防止することができる。
つぎに、本発明の開閉扉のヒンジ構造を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明の開閉扉のヒンジ構造が適用されたスチール製やステンレス製の収納箱1を示す正面図である。この例では、上記収納箱1は、消火器等の消火設備や配電盤を収納するものであり、スチールやステンレス等の金属板を屈曲して形成した筐体2と上記筐体2の正面に取り付けられた開閉扉3とを備えて構成されている。
上記筐体2は、この例では、正面に収納品を出し入れする開口部5を有する直方体状である。上記筐体2には、長方形の開口部5の図示の右端寄りの上部と下部にそれぞれヒンジ軸4を介して開閉扉3が取り付けられている。上記開閉扉3は、上記ヒンジ軸4を軸にして回動して開閉するようになっている。図において、符号13は開閉扉3を開閉する際に把持する把手である。
図2は、図1における右上のヒンジ部Aを拡大して示した図であり、図2(A)はB−B断面における分解図、図2(B)は正面図である。また、図3は、開閉扉3のヒンジ部Aを形成する部分を上側から見た図、図4は同様の箇所の斜視図である。
上記筐体2は、この例ではスチール板を屈曲して接合部を溶接することにより形成されている。上記筐体2の前面の周辺部には、天井面、左右側壁面および底面に連続して屈曲形成された所定幅の枠状部6が形成されている。また、上記筐体2には、上記枠状部6に連続して奥側へ屈曲形成された所定幅の内壁部7が形成され、上記内壁部7の内側に開閉扉3で開閉される開口部5が形成されている。言い換えると、天井面、左右側壁面および底面の正面側の一部と、上記枠状部6および内壁部7とで袋状部が形成され、上記袋状部の内側に開口部5が形成されている。
上記内壁部7すなわち袋状部の内側面には、筐体2の正面から見て右端寄りの箇所において、上部と下部に対面するようヒンジ軸4が回転可能に嵌合する一対の軸穴8が穿設されている。そして、上記軸穴8にヒンジ軸4が嵌合した状態で、両ヒンジ軸4に開閉扉3がヒンジ結合され、開閉扉3を回動させることで開口部5を開閉しうるように構成される。
上記ヒンジ軸4は、軸長方向の略中央部にフランジ部9が形成され、上記フランジ部9を境にして一端側に第1軸部11が、他端側に第2軸部12がそれぞれ形成されている。上記第1軸部11と第2軸部12とは同軸状であり、この例では、第1軸部11が上述した筐体2の軸穴8に嵌合し、第2軸部12が開閉扉3を軸支するようになっている。
上記開閉扉3には、正面側に位置して開口部5を蓋する平板状の扉板10の外周部に、奥側へ屈曲形成された所定幅で帯状の側面部14が形成されている。上記側面部14は、開閉扉3が閉じた状態で、筐体2の開口部5周辺の内壁部7と対面する。
そして、上記開閉扉3には、ヒンジ軸4を回動可能に軸支する軸支部15と、上記軸支部15と連通することによってヒンジ軸4を通過させて取り外し可能とする軸通過開口部16と、上記軸支部15と軸通過開口部16の間において軸支部15に軸支されたヒンジ軸4の抜けを防止する切り起し片からなる抜け防止部17とが設けられている。
上記軸通過開口部16は、開閉扉3の側面部14の奥側の端縁から扉板10側に向かって延びる切欠部として形成され、ヒンジ軸4の第2軸部12が通過するよう少なくともヒンジ軸4の第2軸部12の直径以上の幅寸法に設定されている。上記軸支部15は、この例では、上記軸通過開口部16の両端部を扉板10側に延長した位置に両端部が配置されたU字状の切欠部として形成されており、U字状の湾曲部の頂が扉板10側に配置されている。上記軸支部15のU字状の湾曲部は、ヒンジ軸4の第2軸部12の外形に略沿うR寸法に設定されている。
上記軸通過開口部16と軸支部15との間には、切り起し片からなる抜け防止部17が形成されている。上記抜け防止部17は、軸通過開口部16と軸支部15との間を横切るように配置された短冊状に形成され、長手方向の一端が側面部14と一体化した根元部18になっており、他端側が遊端部19に形成されている。
この例では、上記軸支部15のU字状の幅寸法Dと、軸支部15の湾曲部の頂から抜け防止部17の端面までの距離Dは等しく、ヒンジ軸4の第2軸部12の直径よりも若干大きめに設定されている。これにより、ヒンジ軸4が軸支部15に軸支された状態でヒンジ軸4がガタつかないようになっている。
このような構造により、通常時すなわち開閉扉3が筐体2にヒンジ軸4を介して取り付けられた状態では、軸通過開口部16と軸支部15との間には抜け防止部17が横切るように存在するため、軸支部15に軸支されたヒンジ軸4の第2軸部12は抜け防止部17に阻まれて外れず、開閉扉3は筐体2に確実に取り付けられて容易に外れないようになっている。
一方、開閉扉3を筐体2から取り外す際には、上記抜け防止部17を、例えば根元部18を基点に遊端部19側を押し下げるように変形させることにより、抜け防止部17があったところに空間20が形成され、当該空間20を介して軸通過開口部16と軸支部15とが連通する。これにより、軸支部15に軸支されていたヒンジ軸4の第2軸部12を、上記空間20および軸通過開口部16に通過させることにより、ヒンジ軸4の第2軸部12を開閉扉3から取り外して開閉扉3を筐体2から容易に取り外すことができる。
反対に、開閉扉3を筐体2に取り付けるときは、あらかじめ抜け防止部17を上述したように変形させておき、ヒンジ軸4の第2軸部12を上記軸通過開口部16および空間20を通過させて軸支部15に嵌め込む。その状態で、抜け防止部17を元に戻すように変形させることにより、ヒンジ軸4の第2軸部12の抜け止めを行なう。
また、上記抜け防止部17の根元部18の両側には、若干外向きに切れ込みが形成されており、抜け防止部17を根元部を基点にして変形させるときに曲げやすいようになっている。
以上のように、上記開閉扉3のヒンジ構造によれば、通常の開閉扉3の取り付け状態では、ヒンジ軸4が軸支部15に軸支されるとともに、軸支されたヒンジ軸4は切り起し片からなる抜け防止部17によって抜けが防止されるため、開閉扉3は確実に筐体2に取り付けられて少々の外力が加わっても誤って外れてしまうようなことがなくなる。また、開閉扉3の取り外しが必要なときは、切り起し片からなる抜け防止部17を変形させて軸支部15と軸通過開口部16を連通状態とし、ヒンジ軸4を軸通過開口部16に通過させて軸支部15から容易に取り外し、開閉扉3を筐体2から取り外すことができる。さらに、再び開閉扉3を筐体2に取り付けるときも、あらかじめ切り起し片からなる抜け防止部17を変形させて軸支部15と軸通過開口部16を連通させた状態で、ヒンジ軸4を軸通過開口部16に通過させて軸支部15に軸支させ、その後抜け防止部17の変形を元に戻して軸支部15からのヒンジ軸4の抜けを防止することにより、確実に開閉扉3を筐体2に取り付けることができる。
そして、このようなヒンジ構造によれば、従来のように、ヒンジ軸に加工を施したり、ヒンジ軸を上下動可能な構造を採用したりする必要がなくなり、軸支部15と軸通過開口部16と切り起し片からなる抜け防止部17とを、従来軸支穴を形成していたのと同じように例えばプレス加工等により1回の加工で形成することができる。また、軸支部15、軸通過開口部16および切り起し片からなる抜け防止部17は、ともにヒンジ軸4が軸支される面に形成されることから、開閉扉3が閉まった状態では筐体2の開閉扉3取り付け面すなわち内壁部7に面していて外から見え難いため、外観的にも見栄えがよい。このように、工程を増やす必要も無く、仕上げ処理等を行わなくても見栄えがよくなり、コスト面においても極めて有利である。
また、上記軸支部15、軸通過開口部16および抜け防止部17は、開閉扉3側に形成されているため、開閉扉3を交換する際に変形させる抜け防止部17を交換する開閉扉3側に形成することにより、抜け防止部17が損傷するまで繰り返し変形されることがないため、抜け防止部17の損傷による故障や不具合が発生するのを防止することができる。
なお、上記実施形態では、上記軸支部15、軸通過開口部16および抜け防止部17を開閉扉3側に形成するようにしたが、これに限定するものではなく、筐体2側に形成することもできるし、開閉扉3と筐体2の両方に形成することもできる。
本発明の開閉扉のヒンジ構造が適用された収納箱を示す正面図である。 ヒンジ部を拡大した図であり、(A)は断面による分解図、(B)は正面図である。 開閉扉のヒンジ部を構成する箇所を上から見た図である。 開閉扉のヒンジ部を構成する箇所の斜視図である。
符号の説明
1 収納箱
2 筐体
3 開閉扉
4 ヒンジ軸
5 開口部
6 枠状部
7 内壁部
8 軸穴
9 フランジ部
10 扉板
11 第1軸部
12 第2軸部
13 把手
14 側面部
15 軸支部
16 軸通過開口部
17 抜け防止部
18 根元部
19 遊端部
20 空間

Claims (1)

  1. 筐体に対してヒンジ軸を介して取り付けられて上記ヒンジ軸を軸にして回動して開閉する開閉扉のヒンジ構造であって、上記筐体と開閉扉のいずれかに、ヒンジ軸を回動可能に軸支する軸支部と、上記軸支部と連通することによってヒンジ軸を通過させて取り外し可能とする軸通過開口部と、上記軸支部と軸通過開口部の間において軸支部に軸支されたヒンジ軸の抜けを防止する変形可能な切り起し片からなる抜け防止部とが設けられたことを特徴とする開閉扉のヒンジ構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016065423A (ja) * 2014-09-26 2016-04-28 株式会社福山製作所 開閉扉のヒンジ構造およびヒンジ軸

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