JP5004699B2 - スライド蝶番、それを用いたキャビネット及びスライド蝶番における規制部材の装着方法 - Google Patents

スライド蝶番、それを用いたキャビネット及びスライド蝶番における規制部材の装着方法 Download PDF

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Description

本発明は、スライド蝶番、スライド蝶番を用いたキャビネット及びスライド蝶番における規制部材の装着方法に関するものである。
図1に示されるように、箱状のキャビネット200の筐体1と、その開口を塞ぐための扉2とがスライド蝶番100(スライドヒンジともいう)によって連結される場合がある。この種のスライド蝶番は、扉を閉じたときにキャビネット内に隠れ、外部から視認されなくなるため外観もよく、広く用いられている(特許文献1を参照)。このスライド蝶番100は、キャビネット200の筐体1に固定された断面アーチ状の本体部3と、本体部3に2つのリンク部材6,7を介して連結されたカップ部5本体部3とを備えている。2つのリンク部材6,7は、扉2の閉状態及び開状態を保持するために、ターンオーバー式に連結されている。
通常のキャビネット200の場合、物品の出し入れの利便性を図るため、その扉2は、90°を超えて開くように設けられている(例えば、105°まで開く)。その状態のキャビネット200の扉2を、図1において二点鎖線で示す。ところが、キャビネット200の筐体1の側壁部が、該キャビネット200が設置される室内壁の壁面や床の床面に近接している場合、扉2を最大開き角まで開かせると壁面や床面と干渉し、扉2を損傷させてしまうおそれがある。しかも、スライド蝶番100の本体部3とリンク部材6,7との間には、ばね(図示せず)が装着されている。このばねの弾発力により、扉2は最大開き角まで開いた状態で安定保持されるようになっているため、扉2を途中で停止させることは困難である。
スライド蝶番100の最大開き角を小さくするためには、スライド蝶番100の構成部材の設計変更が必要になる。しかし、各種の開き角を有するスライド蝶番100を用意することは、スライド蝶番100のコストアップに繋がるとともに、管理上の問題が生じてしまう。
特開平7−82945号公報
本発明は、上記した事情に鑑み、簡単な操作でスライド蝶番の最大開き角が調整できるようにすることを課題としている。
課題を解決するための手段及び効果
上記課題を解決するための第1の発明は、
キャビネットの扉の内面側に埋設されるとともにフランジ部を介してその扉に固定されることが予定されたカップ部と、そのキャビネットの固定壁の内面側に取付部を介して固定されることが予定された本体部と、それらカップ部と本体部とをターンオーバー式に連結する一対のリンク部材と、その一対のリンク部材を前記カップ部に回動可能に支持するための回動軸とを備えるスライド蝶番であって、
前記扉が閉鎖位置にあるとき、前記一対のリンク部材に関して、前記カップ部の底壁側に位置する第1リンクのカップ開口側に形成された平坦状の第1主表面と、前記カップ部の開口側に位置する第2リンクのカップ底壁側に形成された平坦状の第2主表面とが対向配置されるとともに、
前記第1リンクの第1主表面に沿って当接配置される板状の当接部と、その当接部から起立し前記第1リンクの回動軸である第1回動軸に当接保持される保持部とを有し、前記リンク部材よりも軟質の高分子材料で構成された規制部材が、前記第2リンクの第2主表面との間の離間距離の一部を減少させる形で固定配置され、
前記扉が前記閉鎖位置から最大開放位置に移行する途中には、前記規制部材が前記第1及び第2主表面で挟まれることによって、前記一対のリンク部材により予め設定された前記扉の最大開き角を縮小規制し、前記最大開放位置の手前にて前記扉の開放を停止させるための停止位置が追加設定されることを特徴としている。
第1の発明に係るスライド蝶番は、上記したように構成されていて、規制部材が第1リンクの第1主表面及び第2リンクの第2主表面で挟まれることによって、扉の最大開き角が縮小する方向に規制される。そして、扉が閉鎖位置から最大開放位置に移行する途中に停止位置が追加設定され、扉は、最大開放位置の手前に存する停止位置で停止する。即ち、スライド蝶番に規制部材を装着するだけで、扉の最大開き角を縮小方向に調整することができる。この結果、このスライド蝶番を取り付けたキャビネットを、狭いスペースに設置したときであっても、最大開放状態の扉と設置場所の室内壁の壁面や床の床面とが干渉するおそれはない。
この規制部材は、組付け途中のスライド蝶番に装着すること、スライド蝶番をキャビネットに固定するときに装着すること、キャビネットに固定された状態のスライド蝶番に装着することのいずれの場合も可能である。このため、スライド蝶番の使用可能性が広げられるとともに、スライド蝶番の種類を多くする必要がないため、コストアップや管理の手間の増大に繋がることが回避される。
この規制部材を高分子材料製の規制板とし、第1リンクの第1主表面に接着固定することができる。また、この規制板を第2リンクの第2主表面に接着固定してもよい。更に、規制板を第1リンク及び第2リンクの双方の主表面に接着固定してもよい。
この規制部材は、リンク部材よりも軟質の高分子材料で構成され、第1リンクの第1主表面に沿って当接配置される板状の当接部と、その当接部から起立し第1リンクの回動軸である第1回動軸に当接保持される保持部とを有している。そして、第1リンクに、規制部材と第2リンクの第2主表面との間の離間距離の一部を減少させる形で固定配置される。
規制部材がリンク部材よりも軟質の高分子材料で構成されているため、規制部材と第2リンクの第2主表面とが当接しても、衝突音が生じたり、リンク部材を損傷させたりすることが回避される。
具体的には、キャビネットの扉が閉鎖位置から最大開放位置に移行する途中に、規制部材の当接部が、カップ部の底壁に貫通形成された窓孔を介して、第1リンクの第1主表面と第1回動軸との間に形成された挿入隙間へ挿入された後、規制部材の保持部が第1回動軸に当接保持されることによって、規制部材を第1リンクと第1回動軸とに固定するための挿入位置が設定される。規制部材が装着された扉の停止位置は、挿入位置にて挿入された規制部材によってその挿入位置と扉の最大開放位置との間に設定される。
即ち、規制部材は、キャビネットの扉が閉鎖位置から最大開放位置に移行する途中に設定される挿入位置において、その当接部を、カップ部の底壁に貫通形成された窓孔を介して、第1リンクの第1主表面と第1回動軸との間に形成された挿入隙間へ挿入させることによって装着される。
挿入位置において規制部材の当接部が挿入隙間へ挿入されるとき、規制部材の保持部の起立先端部は第1回動軸との接触により挿入隙間内にあって当接部側に弾性変形するとともに、規制部材の当接部が挿入隙間への挿入を完了したとき、規制部材の保持部の起立先端部が挿入隙間を通過することにより弾性復帰し、第1回動軸に突き当て保持されることによって、規制部材の戻りが阻止される。また、規制部材の当接部の挿入方向終端部において規制部材の保持部の起立側とは反対側に突出する突起部が、第1リンクの第1回動軸寄りの端縁に形成された切欠部に係合しているようにすることができる。
規制部材の保持部によって、挿入隙間に挿入された規制部材の戻りが阻止される。また、規制部材の突起部により、挿入隙間に挿入された規制部材がそれ以上挿入されて、位置ずれを生じることが防止される。この結果、規制部材の外れやずれ、がたつきが防止される。この保持部は、規制部材の当接部の挿入方向終端部から始端部へ向かう一対の平行状の切れ目によって囲まれた舌片を、第1回動軸側に起立させることにより形成される。
また、挿入位置において規制部材の当接部が挿入隙間へ挿入されるとき、規制部材の保持部の起立先端部は第1回動軸との接触により挿入方向終端部側に弾性変形するとともに、規制部材の当接部が挿入隙間への挿入を完了したとき、規制部材の保持部の起立先端部が挿入方向始端部側に弾性復帰し、第1回動軸に巻き付き保持されることによって、その第1回動軸からの外れが防止される。
また、規制部材の保持部の起立先端部を、挿入方向始端部側が開口した円弧状に形成し、規制部材を、起立先端部の開口から第1回動軸に入り込ませ、巻き付き保持することによって、規制部材が第1回動軸から外れることを阻止できる。
規制部材の保持部の起立先端部が、第1回動軸に巻き付き保持されているため、規制部材の外れが防止される。また、第1リンクの第1回動軸寄りの端縁から規制部材が露出(突出)しないので、扉の開閉によるリンク部材(特に第1リンク)の移動軌跡をカップ部の底壁に接近させても、規制部材の移動軌跡がカップ部の底壁や扉と干渉して第1リンクから外れたり損傷したりするおそれが少なく、各種のスライド蝶番に規制部材を装着することができる(即ち、規制部材の汎用性が高められる)。これによって、近年のキャビネットやスライド蝶番の全体的な小型化(ミニサイズ化)傾向、あるいはキャビネットの軽量化(特に扉の薄型化)傾向に伴う浅底タイプのカップ部の採用要請にも応えることができる。
第2の発明は、上記したスライド蝶番を備えたキャビネットであって、
キャビネットの扉の内面側において、カップ部が埋設されるとともにそのカップ部がフランジ部を介して固定される一方、キャビネットの固定壁の内面側において、本体部が取付部を介して固定されることを特徴としている。
規制部材により、キャビネットの扉の最大開き角を縮小規制し、停止位置を追加設定できるので、狭い場所に設置した場合であっても、キャビネットの扉と設置場所の壁面や床面との干渉が回避され、キャビネットの設置場所が広げられる。
第3の発明は、上記したスライド蝶番における規制部材の装着方法であって、
挿入位置において、窓孔を介し規制部材の当接部を挿入隙間へ挿入して第1リンクの第1主表面に沿って当接配置させるとともに、規制部材の保持部を第1回動軸に当接保持させることにより、規制部材を第1リンクと第1回動軸とに固定することを特徴としている。
スライド蝶番とは別体の規制部材が、扉の最大開き角を縮小規制し、停止位置を追加設定する。このため、スライド蝶番の規制部材の装着作業がスライド蝶番の組立後であっても、容易に行うことができる。即ち、規制部材を通常のスライド蝶番に装着するだけで、その最大開き角を縮小規制することができ、スライド蝶番の種類を増やさなくても済む。
本発明の実施例を説明する。図1は本発明の実施例のスライド蝶番100が固定されたキャビネット200の斜視図、図2は扉2の閉状態におけるスライド蝶番100の正面図、図3は図2のX矢視図、図4はスライド蝶番100の平面図、図5は同じく背面図、図6の(a)は扉2が開く途中の状態を示す図であり、(b)は全開状態を示す図、図7の(a)は規制板21の上方からの斜視図、(b)は同じく下方からの斜視図である。
図1に示されるように、本発明の実施例のスライド蝶番100が取り付けられるキャビネット200は、前面が開口された筐体1と、筐体1の開口を閉塞するための扉2とを備えている。そして、高さ方向に所定の間隔をおいて取り付けられた2個のスライド蝶番100により、扉2が筐体1に対して回動可能に支持されている。
本実施例のスライド蝶番100について説明する。図2ないし図5に示されるように、本実施例のスライド蝶番100は、キャビネット200の筐体1の固定壁の内面側に固定することが予定される本体部3と、キャビネット200の扉2の内面側に埋設されるとともに、第1フランジ部4(後述)を介してキャビネット200の扉2に固定することが予定されるカップ部5と、本体部3とカップ部5とをターンオーバー式に連結する一対のリンク部材(スライド蝶番100の組付け状態で表面に露出して配置される上リンク6と、上リンク6よりも奥側に配置される下リンク7)と、上下のリンク6,7を回動可能に支持するための各回動軸8,9,11,12(後述)とを備えている。
図2ないし図4に示されるように、カップ部5には、扉2の閉状態で上下のリンク6,7及び本体部3の先端部を収容するための凹部13が形成されているとともに、凹部13の開口の周縁部から外側に向かって延設される長方形状の第1フランジ部4と、第1フランジ部4に連続して形成される半円形状の第2フランジ部14とを備えている。第1フランジ部4には、長手方向に所定の間隔をおいて2個の皿ねじ用のねじ孔15が設けられている。また、凹部13の底壁13aで、第2フランジ部14と対応する部分には、長方形状の窓孔16が設けられている。本実施例のスライド蝶番100のカップ部5は、凹部13がキャビネット200の扉2の内面側に埋設されて、第1フランジ部4の各ねじ孔15に挿通された皿ねじ(図示せず)により、キャビネット200の扉2に固定される。
スライド蝶番100の本体部3は断面略逆U字状の金属板より成るフレーム17であり、その内面側に取り付けられた取付部18を介して、キャビネット200の筐体1の内面側に固定される。
図4及び図5に示されるように、スライド蝶番100の本体部3とカップ部5とは、上リンク6と下リンク7とにより、ターンオーバー式に回動可能に連結されている(図6参照)。即ち、本体部3のフレーム17の先端部(カップ部5に近い側の端部)には、フレーム17の長手方向と直交する方向に、2本の回動軸8,9が取り付けられている。また、カップ部5における凹部13の周壁13bの後端部(本体部3に近い側の端部)には、第1フランジ部4の長手方向にU字ピン19が取り付けられている。このU字ピン19の各先端部が、回動軸11,12となっている。そして、上リンク6の後端部が本体部3の回動軸8と回動可能にピン連結されているとともに、上リンク6の先端部がカップ部5のU字ピン19の一方の先端部(回動軸11)と回動可能にピン連結されている。同様に、下リンク7の後端部が本体部3の回動軸9と回動可能にピン連結されているとともに、下リンク7の先端部がカップ部5のU字ピン19の他方の先端部(回動軸12)と回動可能にピン連結されている。これにより、キャビネット200の扉2(カップ部5)は、筐体1(本体部3)に対して回動可能に連結される。この結果、図6に示されるように、筐体1に対して扉2を開閉することが可能となる。
図4に示されるように、上リンク6の先端部における幅方向の両端部が切除されていて、段付き状の切欠部20が形成されている。そして、図2に示されるように、上下のリンク6,7の間(上リンク6の主表面6aと下リンク7の主表面7aとの間)に形成される空間部Vには、第1実施例の規制板21が装着されている。図7に示されるように、規制板21は樹脂材(高分子材料)より成り、基板部22と、基板部22の幅方向の両端部から同じ方向に延設された一対の引掛け部23と、基板部22における一対の引掛け部23の間の部分から、一対の引掛け部23と同じ方向に延設された舌片状の保持部24とを備えている。一対の引掛け部23の先端部はほぼ直角に屈曲されていて、当該屈曲部分にそれぞれ突起部23aが形成されている。また、一対の引掛け部23と保持部24との間には、基板部22に食い込む切れ目25が設けられていて、保持部24は、一対の突起部23aと反対の方向に斜めに屈曲されている。保持部24は、基板部22との接続部を起点として回動(弾性変形)可能である。
図8に示されるように、スライド蝶番100の本体部3に対してカップ部5を回動させ、カップ部5を所定の角度で停止させる。本実施例のスライド蝶番100の場合、この停止位置は、上リンク6が、カップ部5の凹部13の底壁13aに対してほぼ直角に配置される位置である。上リンク6の先端部(切欠部20)が、凹部13の底壁13aの窓孔16に近接配置される。この状態で、上リンク6の主表面6aと下リンク7の主表面7aとの間に形成された空間部Vに、基板部22の側から凹部13の底壁13aに形成された窓孔16を介して規制板21を差し込む。規制板21の基板部17は、上リンク6の主表面6aに沿って空間部Vに挿入される。規制板21には、保持部24が斜めに突出されている。規制板21の基板部22の底面(主表面6aと対向する面)から保持部24の起立先端部24aまでの高さ(規制板21の最大厚み)は、上リンク6の主表面6aとU字ピン19の回動軸12との間の隙間よりも少し大きい。このため、規制板21が空間部Vに挿入されるとき、その保持部24の起立先端部24aと回動軸12とが接触し、保持部24が弾性変形する。保持部24の起立先端部24aが回動軸12の部分を通過すると、保持部24が弾性復帰する。これにより、規制板21の保持部24の起立先端部24aが回動軸12に突き当て保持され、規制板21の戻りが阻止される。しかも、この状態で、一対の引掛け部23の突起部23aが、上リンク6の先端部に設けられた切欠部20に引っ掛けられる。これにより、規制板21の挿入が阻止される。上記した結果、規制板21が上リンク6に保持される。図8において、上リンク6に装着された状態の規制板21を二点鎖線で示す。なお、本体部3と下リンク7との間には、ばねが弾装されているが、本明細書ではその図示を省略している。
本実施例のスライド蝶番100の作用について説明する。図1に示されるように、スライド蝶番100の本体部3がキャビネット200の筐体1の内面側に固定されるとともに、カップ部5がキャビネット200の扉2の裏面側に固定される。上リンク6には、予め規制板21が装着されている。この状態で、キャビネット200の扉2が開けられる。図6に示されるように、スライド蝶番100の本体部3とカップ部5とを連結する上リンク6と下リンク7の端部が、回動軸8,9,11,12の軸線を中心に、ターンオーバー式に回動される。下リンク7の主表面7aと規制板21の基板部22とが、それらの離間距離を減少させていく形で徐々に接近する。
通常のスライド蝶番100(即ち、規制板21が装着されていないスライド蝶番100)の場合、扉2が閉状態から開状態に移行する際に、上下のリンク6,7の主表面6a,7aが接近し、当接することによって、スライド蝶番100の最大開き角(例えば、105°)が決定される。しかし、本実施例のスライド蝶番100には、上下のリンク6,7の間に規制板21が装着されているため、扉2が全開状態(最大開放位置)に達する手前で、下リンク7の主表面7aと規制板21の基板部22とが当接する。これにより、スライド蝶番100の最大開き角は、規制板21が装着されていないときと比べて小さくなる(例えば、85°になる)。この結果、扉2が勢いよく開けられても、キャビネット200が設置されている室内壁の壁面と衝突することが防止され、扉2を損傷するおそれが小さくなる。
上記したように、本実施例のスライド蝶番100では、規制板21を装着することにより、カップ部5の最大開き角を縮小規制することができる。この規制板21は、スライド蝶番100を組み付けた後であっても装着することができる。このため、図9に示されるように、規制板21が装着されていないスライド蝶番100を、通常のスライド蝶番100(最大開き角が縮小規制されていないスライド蝶番)として使用することができる。そして、規制板21における基板部22の厚みを調整することにより、扉2の最大開き角を調整することができる。
次に、第2実施例の規制板26について説明する。図10に示されるように、第2実施例の規制板26は樹脂材(高分子材料)より成り、基板部27と、基板部27の一方側に設けられた略円筒状の軸支持部28とを備えている。軸支持部28の外周面の一部(先端部28aの部分)には開口が設けられている。軸支持部28の内径は、U字ピン19の一方の先端部(回動軸12)の外径よりも僅かに大きい。また、軸支持部28における開口の開口幅Wは、回動軸12の外径よりも少し小さい。この規制板26は、第1実施例の規制板21と同様に、上リンク6と下リンク7との間に形成される空間部Vに装着される。図10においては、規制板26の正面図と平面図の双方を図示してある。
この規制板26は、図10に示されるように、その基板部27の側を、凹部13の底壁13aに形成された窓孔16を介して空間部Vに差し込まれる。規制板26の基板部27は、上リンク6の主表面6aに沿って挿入される。規制板26の軸支持部28が、U字ピン19の回動軸12に当接する。軸支持部28の先端部28aの開口幅Wは回動軸12の外径よりも少し狭いため、規制板26を更に押し込むと、軸支持部28の先端部28aが弾性変形して拡開し、回動軸12をくわえ込んで把持する。軸支持部28が回動軸12を外嵌すると、軸支持部28の先端部28aが弾性復帰する。これにより、回動軸12と規制板26とが分離することと、規制板26がそれ以上押し込まれることが防止される。規制板26は、回動軸12の軸線を中心に回動可能な状態で上リンク6に保持され、上リンク6の変位に追随して回動する。なお、図10において、上リンク6に装着された状態の規制板26を二点鎖線で示す。
第2実施例の規制板26の場合、上リンク6の先端部(切欠部20が設けられている部分)に規制板26が露出しないため、キャビネット200の扉2の開閉に伴って上リンク6が変位したときに、上リンク6の先端部とカップ部5の凹部13の底壁13aとが干渉しにくくなるという利点がある。特に、全体の大きさが小さくなった小型のスライド蝶番では凹部13の深さも浅いため、上リンク6の先端部と凹部13の底壁13aとが干渉し易い。しかし、第2実施例の規制板26が装着されたスライド蝶番100では、上リンク6の先端部と凹部13の底壁13aとが干渉しないという利点を損なうことなく、最大開き角を縮小規制できる。このため、近年のキャビネット200やスライド蝶番100の全体的な小型化(ミニサイズ化)傾向にも対応することができる。
第2実施例の規制板26において、軸支持部28の先端部28aを櫛歯状に形成してもよい。
上記した第1実施例の規制板21は、上リンク6に引っ掛けられて装着される形態であり、第2実施例の規制板26は、U字ピン19の回動軸11に巻き付けられて装着される形態である。しかし、図11に示されるように、平板形状の規制板29を上リンク6の主表面6a及び/又は下リンク7の主表面7aに接着剤で貼り付けてもよい。第3実施例の規制板29は平板形状であるため、その製作が極めて簡単なものとなる。
上記した各実施例の規制板21,26,29は、スライド蝶番100とは別体のものであり、必要に応じて上リンク6と下リンク7との間(空間部V)に装着することができる。即ち、規制板21,26,29が装着されていない場合には、通常のスライド蝶番として使用することができ、最大開き角を小さくしたいときにのみ、規制板21,26,29を取り付けるだけで済む。このため、スライド蝶番100の種類が1つで済み、多種類のスライド蝶番を用意する必要がない。
いずれの実施例の規制板21,26,29であっても、スライド蝶番100における本体部3に対するカップ部5の最大開き角を調整したいときには、規制板21の基板部22,規制板26の基板部27及び規制板29の厚みを調整するだけで済む。
本発明の実施例のスライド蝶番100が固定されたキャビネット200の斜視図である。 扉2の閉状態におけるスライド蝶番100の正面図である。 図2のX矢視図である。 スライド蝶番100の平面図である。 同じく背面図である。 (a)は扉2が開く途中の状態を示す図であり、(b)は全開状態を示す図である。 (a)は規制板21の上方からの斜視図であり、(b)は同じく下方からの斜視図である。 上リンク6に規制板21を取り付ける状態の作用説明図である。 規制板21が装着されていないスライド蝶番100の全開状態を示す図である。 第2実施例の規制板26を装着する状態の作用説明図である。 第3実施例の規制部材29を装着する状態の作用説明図である。
符号の説明
100 スライド蝶番
200 キャビネット
1 筐体(キャビネットの固定壁)
2 扉
3 本体部
4 第1フランジ部(フランジ部)
5 カップ部
6 上リンク(第1リンク部材)
6a 主表面(第1主表面)
7 下リンク(第2リンク部材)
7a 主表面(第2主表面)
8,9,11 回動軸
12 第1回動軸(回動軸)
13a 底壁(カップ底壁)
14 第2フランジ部(フランジ部)
16 窓孔
20 切欠部
21,26,29 規制板(規制部材)
22,27 基板部(当接部)
23a 突起部
24 保持部
24a 起立先端部
25 切れ目
V 空間部(挿入隙間)

Claims (8)

  1. キャビネットの扉の内面側に埋設されるとともにフランジ部を介してその扉に固定されることが予定されたカップ部と、そのキャビネットの固定壁の内面側に取付部を介して固定されることが予定された本体部と、それらカップ部と本体部とをターンオーバー式に連結する一対のリンク部材と、その一対のリンク部材を前記カップ部に回動可能に支持するための回動軸とを備えるスライド蝶番であって、
    前記扉が閉鎖位置にあるとき、前記一対のリンク部材に関して、前記カップ部の底壁側に位置する第1リンクのカップ開口側に形成された平坦状の第1主表面と、前記カップ部の開口側に位置する第2リンクのカップ底壁側に形成された平坦状の第2主表面とが対向配置されるとともに、
    前記第1リンクの第1主表面に沿って当接配置される板状の当接部と、その当接部から起立し前記第1リンクの回動軸である第1回動軸に当接保持される保持部とを有し、前記リンク部材よりも軟質の高分子材料で構成された規制部材が、前記第2リンクの第2主表面との間の離間距離の一部を減少させる形で固定配置され、
    前記扉が前記閉鎖位置から最大開放位置に移行する途中には、前記規制部材が前記第1及び第2主表面で挟まれることによって、前記一対のリンク部材により予め設定された前記扉の最大開き角を縮小規制し、前記最大開放位置の手前にて前記扉の開放を停止させるための停止位置が追加設定されることを特徴とするスライド蝶番。
  2. 前記扉が閉鎖位置から最大開放位置に移行する途中には、前記当接部が、前記カップ部の底壁に貫通形成された窓孔を介して、前記第1リンクの第1主表面と前記第1回動軸との間に形成された挿入隙間へ挿入された後、前記保持部が前記第1回動軸に当接保持されることによって、前記規制部材を前記第1リンクと第1回動軸とに固定するための挿入位置が設定され、
    前記停止位置は、前記挿入位置にて挿入された規制部材によってその挿入位置と前記最大開放位置との間に設定されることを特徴とする請求項に記載のスライド蝶番。
  3. 前記挿入位置において前記当接部が前記挿入隙間へ挿入されるとき、前記保持部の起立先端部は前記第1回動軸との接触により前記挿入隙間内にあって前記当接部側に弾性変形するとともに、
    前記当接部が前記挿入隙間への挿入を完了したとき、前記保持部の起立先端部が前記挿入隙間を通過することにより弾性復帰し、前記第1回動軸に突き当て保持されることによって戻りを阻止するとともに、前記当接部の挿入方向終端部において前記保持部の起立側とは反対側に突出する突起部が、前記第1リンクの第1回動軸寄りの端縁に形成された切欠部に係合していることを特徴とする請求項に記載のスライド蝶番。
  4. 前記保持部は、前記当接部の挿入方向終端部から始端部へ向かう一対の平行状の切れ目によって囲まれた舌片を前記第1回動軸側に起立させることにより形成されていることを特徴とする請求項又はに記載のスライド蝶番。
  5. 前記挿入位置において前記当接部が前記挿入隙間へ挿入されるとき、前記保持部の起立先端部は前記第1回動軸との接触により挿入方向終端部側に弾性変形するとともに、
    前記当接部が前記挿入隙間への挿入を完了したとき、前記保持部の起立先端部が挿入方向始端部側に弾性復帰し、前記第1回動軸に巻き付き保持されることによって、その第1回動軸からの外れを防止していることを特徴とする請求項に記載のスライド蝶番。
  6. 前記保持部の起立先端部は、挿入方向始端部側が開口した円弧状に形成され、その開口から前記第1回動軸に入り込んで巻き付き保持されることによって、その第1回動軸からの外れを阻止していることを特徴とする請求項に記載のスライド蝶番。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のスライド蝶番を備え、
    前記扉の内面側において、前記カップ部が埋設されるとともにそのカップ部が前記フランジ部を介して固定される一方、
    前記固定壁の内面側において、前記本体部が前記取付部を介して固定されることを特徴とするキャビネット。
  8. 請求項ないしのいずれか1項に記載のスライド蝶番における規制部材の装着方法であって、
    前記挿入位置において、前記窓孔を介し前記当接部を前記挿入隙間へ挿入して前記第1リンクの第1主表面に沿って当接配置させるとともに、前記保持部を前記第1回動軸に当接保持させることにより、前記規制部材を前記第1リンクと第1回動軸とに固定するスライド蝶番における規制部材の装着方法。
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