JP2009067721A - 温感皮膚化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の温感皮膚化粧料は、皮膚に接触させることにより温感が生じる、クリーム状又はゲル状の化粧料であって、水和発熱性無機粉体、カチオン性高分子、油成分、非イオン性界面活性剤及び非水系媒体を含むことを特徴とする。該非水系の温感皮膚化粧料は、クリーム状の基礎化粧料、スキンケア料、洗顔料等に有用である。
【選択図】 なし
Description
特許文献1には、水と接触して発熱する多価アルコール類と、トウガラシチンキやカンフル等の皮膚刺激剤とを併用する方法が提案されている。
しかし、多価アルコール類の水和反応熱のみを利用した上記方法では、発熱量が不十分であった。
そこで、特許文献2等において、ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲル等の水と反応して発熱する水和発熱性無機粉体を、非水系媒体と組合わせた化粧料が提案されている。
また、このような無機粉体を、非水系媒体中で安定化させる技術として、例えば、特許文献3には、高分子化合物等の増粘剤を利用して系の粘度を調整して安定化させる技術が提案されている。
しかし、この文献に挙げられる技術では、安定性が十分とは言えない。そこで、特許文献4には、安定性を更に向上させるために、カルボキシビニルポリマー及び/又は脂肪酸石鹸を配合する技術が提案されている。
該特許文献4に記載された技術の利用により、製品を市販可能な程度に安定化することが可能になった。しかし、この技術を利用した製品も、50℃程度の高温下における安定性が、必ずしも十分ではなく、更なる安定化技術の開発が望まれている。
また、化粧料の使用感を更に向上させるために、通常、油成分の配合が望まれる。しかし、特許文献3及び4に記載された高分子化合物等の増粘剤と、油成分と、油成分の通常の乳化剤として使用される非イオン性界面活性剤とを用いても、上記高温下における安定性が悪化する傾向にある。
すなわち本発明によれば、皮膚に接触させることにより温感が生じる、クリーム状又はゲル状の化粧料であって、水和発熱性無機粉体、カチオン性高分子、油成分、非イオン性界面活性剤及び非水系媒体を含む、非水系の温感皮膚化粧料が提供される。
従って、本発明の温感皮膚化粧料は、例えば、クリーム状の基礎化粧料、スキンケア料、洗顔料等の各種化粧料に有用である。
本発明の温感皮膚化粧料は、例えば、皮膚に塗布し、マッサージ等して皮膚に接触させることにより、含有される水和発熱性無機粉体が、皮膚等における水分と水和し、十分な温感を示す。温感皮膚化粧料の粘度は、水和発熱性無機粉体の製剤中における沈降等を防止し、使用感の悪化を抑制するために、通常、200000mPa・s〜500000mPa・s程度が好ましい。
本発明の温感皮膚化粧料において非水系は、使用される各成分に不可避的に含まれる微量な水分までをも排除する意ではなく、通常、温感皮膚化粧料中に1質量%未満、特に0.1質量%以下、更には0.01質量%以下の水を含む場合であっても本発明における非水系の範囲に含まれる。
前記活性化ゼオライトは、pH10以下、好ましくはpH8.0〜10.0に調整されたゼオライトであって、例えば、ゼオライトをイオン交換樹脂により処理したり、酸により中和処理する方法等により得ることができる。また、市販品を用いることもでき、例えば、商品名「ゼオラムA−4 LPH」(東ソー(株)製)等が挙げられる。
活性化ゼオライトのpHが10を超える場合には、経時的に変色が生じるのを抑制できない恐れがある。ここで、活性化ゼオライトのpHは、活性化ゼオライトに20倍量の水を加えて混合して測定した値を意味する。
活性化ゼオライトの粒径は、目的の温感皮膚化粧料の種類やその粘度等に応じて適宜選択できるが、通常、使用感や発熱性を良好にするために、50μm以下が好ましい。
水和発熱性無機粉体の配合割合は、目的の温感皮膚化粧料の種類等に応じて適宜選択することができる。十分な温感が得られ、使用感を悪化させないために、温感皮膚化粧料全量に対して、通常5〜40質量%、特に5〜30質量%が好ましい。
ポリクオタニウムとしては、例えば、ポリクオタニウム−5、ポリクオタニウム−6、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−11、ポリクオタニウム−16、ポリクオタニウム−22、ポリクオタニウム−28、ポリクオタニウム−32、ポリクオタニウム−33、ポリクオタニウム−37、ポリクオタニウム−39、ポリクオタニウム−43、ポリクオタニウム−44、ポリクオタニウム−46、ポリクオタニウム−47、ポリクオタニウム−49、ポリクオタニウム−51、ポリクオタニウム−52、ポリクオタニウム−53、ポリクオタニウム−55、ポリクオタニウム−57、ポリクオタニウム−61、ポリクオタニウム−64、ポリクオタニウム−65、ポリクオタニウム−68又はこれら2種以上の混合物が好適に挙げられる。
天然物由来のカチオン性高分子としては、例えば、塩化o−(2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル)ヒドロキシエチルセルロース等のカチオン化セルロース;塩化o−(2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル)グァーガム等のカチオン化グァーガム;デキストラン塩化ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムエーテル等のカチオン化デキストラン;カエサルピニアスピノサヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド等のカチオン化タラガム又はこれら2種以上の混合物が好適に挙げられる。
カチオン性高分子の配合割合は、目的の温感皮膚化粧料の種類等に応じて適宜選択することができる。水和発熱性無機粉体の製剤中における安定性、特に、高温下における安定性を長期間保持し、且つ製剤の使用感の改善を十分なものにするために、温感皮膚化粧料全量に対して、通常0.1〜5.0質量%、好ましくは0.3〜3.0質量%である。
油成分の配合割合は、目的の温感皮膚化粧料の種類等に応じて適宜選択することができる。温感皮膚化粧料の使用感及び安定性の点で、温感皮膚化粧料全量に対して、通常0.2〜5.0質量%、好ましくは0.3〜3.0質量%が好ましい。
非イオン性界面活性剤の配合割合は、目的の温感皮膚化粧料の種類や上記油成分の含有割合等に応じて適宜選択することができる。使用感や安定性の点で、温感皮膚化粧料全量に対して、通常0.05〜1.0質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%である。特に、上記油成分100質量部に対して、20〜30質量部が好ましい。
非水系媒体の配合割合は、各成分や非水系媒体の種類に応じて、温感皮膚化粧料の粘度が、上述の200000mPa・s〜500000mPa・s程度となるように適宜選択できるが、温感皮膚化粧料全量に対して、通常58〜93質量%、好ましくは68〜92質量%である。
他の成分としては、製剤安定化作用及び使用感改良作用を示す、前記発熱性無機粉体以外の無機粉体、例えば、シリカ、タルク、カオリン、セリサイト、クレー、シリコン、シリコン樹脂、セラミック化雲母又はこれらの2種以上の混合物を含有させることができる。また、温感を更に向上させるために、例えば、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、カンフル、ノナン酸バニリルアミド、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、ニコチン酸ベンジル又はこれらの2種以上の混合物等の皮膚刺激剤を含有させることができる。
他の成分として、上記以外に、例えば、保湿剤、上記以外の他の界面活性剤、酸化防止剤、植物エキス、防腐剤、油脂類、アルコール、殺菌剤、香料、色素、顔料、プロテアーゼ、リパーゼ、塩化リゾチーム、パパイン、パンクレアチン等の酵素を含有させることもできる。
他の成分を含有させる場合の配合割合は、その種類や目的に応じて適宜選択することができる。温感皮膚化粧料全量基準で、通常5質量%以下、好ましくは3質量%以下である。
実施例1〜4及び比較例1〜4
表1に示す各成分を常法により混合調製し、スキンケアクリームを製造した。尚、活性化ゼオライトは、商品名「ゼオラムA−4 LPH」(東ソー(株)製)を使用した。また、ポリクオタニウム−37、ジ(カプリル/カプリン酸)PG(プロピレングリコールの略)及びポリオキシエチレン(6)ポリオキシプロピレン(1)トリデシルエーテルは、他の成分と混合する前に予め混合し乳化させてから使用した。得られた各スキンケアクリームを用いて以下に示す各種評価を行った。結果を表1に示す。
<温感評価>
得られたスキンケアクリームを、5人のパネルにより、手の甲に塗布しマッサージしてもらった後に評価した。評価は、非常に温感があるを5点、温感があるを3点、温感がないを1点とし、5人の平均点で評価した。
<使用感評価>
得られたスキンケアクリームを、5人のパネルにより、手の甲に塗布してマッサージしてもらった後に評価した。評価は、使用感が良いを5点、使用感が普通を3点、使用感が悪いを1点とし、5人の平均点で評価した。
<高温安定性評価>
得られたスキンケアクリームを、ポリエチレン製のチューブに充填し、50℃の恒温室で4週間放置した後に評価した。評価は、放置前後において粘度変化が無く、分離が生じていないものを○、粘度が低下し、わずかに分離したものを△、粘度が著しく低下し、分離したものを×とした。
表2に示す各成分を常法により混合調製し、ゲル状の洗浄料を製造した。尚、活性化ゼオライトは、商品名「ゼオラムA−4 LPH」(東ソー(株)製)を使用した。また、ポリクオタニウム−37、ジ(カプリル/カプリン酸)PG及びポリオキシエチレン(6)ポリオキシプロピレン(1)トリデシルエーテルは、他の成分と混合する前に予め混合し乳化させてから使用した。得られた各洗浄料を用いて以下に示す各種評価を行った。結果を表2に示す。
<温感評価>
得られた洗浄料を、5人のパネルにより、手の甲に塗布しマッサージしてもらった後に評価した。評価は、非常に温感があるを5点、温感があるを3点、温感がないを1点とし、5人の平均点で評価した。
<使用感評価>
得られた洗浄料を、5人のパネルにより、手の甲に塗布してマッサージしてもらい、その後水で洗浄した後に評価した。評価は、使用感が良いを5点、使用感が普通を3点、使用感が悪いを1点とし、5人の平均点で評価した。
<高温安定性評価>
得られたスキンケアクリームを、ポリエチレン製のチューブに充填し、50℃の恒温室で4週間放置した後に評価した。評価は、放置前後において粘度変化が無く、分離が生じていないものを○、粘度が低下し、わずかに分離したものを△、粘度が著しく低下し、分離したものを×とした。
Claims (4)
- 皮膚に接触させることにより温感が生じる、クリーム状又はゲル状の化粧料であって、
水和発熱性無機粉体、カチオン性高分子、油成分、非イオン性界面活性剤及び非水系媒体を含む、非水系の温感皮膚化粧料。 - 水和発熱性無機粉体が活性化ゼオライトを含み、カチオン性高分子がポリクオタニウムを含む請求項1記載の温感皮膚化粧料。
- 非水系媒体が、多価アルコールを含む請求項1又は2記載の温感皮膚化粧料。
- 温感皮膚化粧料全量基準における、水和発熱性無機粉体の配合割合が5〜40質量%、カチオン性高分子の配合割合が0.1〜5.0質量%、油成分の含有割合が0.2〜5.0質量%、非イオン性界面活性剤の含有割合が0.05〜1.0質量%及び非水系媒体の配合割合が58〜93質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の温感皮膚化粧料。
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