JP2009067238A - ヘッドレスト作動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シートバック2の内部には車両後突の発生を着座者の背部によって押し動かされる機械的な操作移動量として検知する受圧機構20が配設されている。受圧機構20はシートバック2の内部に互いに上下に離間して配設された二本の受圧部材21,22を有する。上側の受圧部材21は後方側に押し動かされることによりヘッドレスト4を着座者の頭部に近接した位置まで移動させることのできる操作構造となっている。下側の受圧部材22はその後方側に押し動かされる前の初期状態では、上側の受圧部材21と係わり合って後方側への移動を規制した状態とされている。上側の受圧部材21の移動規制状態は下側の受圧部材22が後方側に押し動かされることで解除される。
【選択図】図1
Description
この開示では、車両後突発生時に、受圧機構が着座者の背部によって押し動かされることにより、ヘッドレストが作動操作される構造となっている。詳しくは、受圧機構は、シートバックの上下二箇所に受圧部材が配設された構成となっており、この両部材がそれぞれに押し動かされないと、ヘッドレストが正常に作動操作されない構成となっている。これにより、例えば、着座者が通常の着座使用時に過って肘を後方側に押し当ててしまいシートバックに局所的な強い負荷を与えてしまっても、ヘッドレストが誤作動しない構成とされている。
先ず、第1の発明は、車両後突を検知した時にヘッドレストを着座者の頭部に向けて近接移動させられるように作動するヘッドレスト作動装置である。シートバックの内部には、車両後突の発生を着座者の背部によって押し動かされる機械的な操作移動量として検知する受圧機構が配設されている。受圧機構は、シートバックの内部に互いに上下に離間して配設された上側の受圧部材と下側の受圧部材とを有する。上側の受圧部材は、着座者の背部によって後方側に押し動かされることにより、ヘッドレストを着座者の頭部に近接した位置まで移動させることのできる操作構造となっている。下側の受圧部材は、その後方側に押し動かされる前の初期状態では、上側の受圧部材と係わり合って上側の受圧部材の後方側への移動を規制した状態とされている。しかし、下側の受圧部材が後方側に押し動かされることによって、上側の受圧部材の移動規制状態が解除される。
この第1の発明によれば、車両後突が発生し、着座者の背部がその弾みによってシートバックに凭れ掛かることにより、各受圧部材が後方側に押し動かされる。これにより、ヘッドレストが作動操作されて着座者の頭部に近接した位置まで移動する。このとき、着座者の背部は、その着座部位に近い腰部の辺りから順にシートバックに凭れ掛かるように動作するため、下側の受圧部材が上側の受圧部材に先行して後方側に押し動かされ易くなる。したがって、上側の受圧部材は、その移動規制状態が解除された状態で後方側に押し動かされ易くなるため、移動規制された状態で偏向した強い力を受けるといった事態が起こり難くなる。このように、受圧機構に誤作動を防止する構造を設定しても、受圧機構に対して異常な負荷がかかり難くなるようにすることができる。
この第2の発明によれば、受圧機構の動力伝達経路内にダンパーを設けたことにより、通常時、着座者がシートバックに凭れ掛かる時のような比較的遅い速度で入力される負荷の伝達を遮断することができる。また、ダンパーを設けたことにより、受圧機構に異常な負荷が入力された際に、この負荷をダンパーの空振り回転によって逃がすことができる。したがって、受圧機構に異常な負荷がかからないようにすることができる。
この第3の発明によれば、下側の受圧部材の動力伝達経路内にダンパーを設けたことにより、この受圧部材に異常な負荷が入力された際、この負荷をダンパーの空振り回転によって逃がすことができる。したがって、上側の受圧部材が下側の受圧部材によって移動規制された状態において、上側の受圧部材が後方側に押圧されて下側の受圧部材に異常な負荷が入力されても、この下側の受圧部材に異常な負荷がかからないようにすることができる。
ここで、図1には、車両用シート1の概略構成が斜視図によって示されている。この車両用シート1は、着座者の背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、頭置きとなるヘッドレスト4と、から成る。なお、図1などの各図では、シートバック2やヘッドレスト4の内部構造を分かり易く示すために、これらの表皮構造が省略されて示されている。
ここで、上述したサポート2S,2Sや昇降装置70は、シートバック2の骨格を成すバックフレーム2FのアッパフレームFuに一体的に取り付けられて固定されている。このアッパフレームFuは、バックフレーム2Fの両サイドフレームFs,Fsの上端部間に架け渡されてこれらと一体的に結合されている。
詳しくは、ベース板71は、図2に示されるように、その上縁側の部位が、アッパフレームFuに結合された取付板72に対して、ボルトB・・(・・は複数を表す)の締結によって一体的に結合されている。これにより、ベース板71は、バックフレーム2Fと一体的に結合された状態となっている。
そして、昇降体73は、ベース板71の前面側の部位に配設されており、その背面側の部位が、ベース板71の両サイドの縁部に形成された上下方向に延びるガイド部71G,71Gにスライド移動可能に嵌め込まれている。これにより、昇降体73は、ガイド部71G,71Gの案内形状に沿って、ベース板71に対して昇降移動可能な状態とされている。そして、昇降体73の両サイドの端部には、前述したヘッドレスト4のステー4B,4Bをそれぞれ挿し込んで装着することのできる筒状の嵌筒部73S,73Tが形成されている。
これら係止リングR,Rは、図8〜図10に示されるように、各嵌筒部73S,73Tの筒内にステー4B,4Bがそれぞれ挿し込まれることにより、各ステー4B,4Bのテーパーのついた下端部によって外側に押し退けられた後、その弾発力によって各ステー4B,4Bに形成された係止溝Bk,Bkの内部に入り込む。これにより、各係止リングR,Rは各ステー4B,4Bに係着した状態となり、これらの軸方向の抜差し移動を規制する。これにより、各ステー4B,4Bが昇降体73に対して一体的に装着された状態となり、昇降体73の昇降移動に伴ってヘッドレスト4の設置高さが変えられるようになる。
具体的に説明すると、セクターギア75は、その図示右側の端部に形成された操作アーム75Aの先端部に、昇降体73から延びるスライドピンP2が挿通されて連結されている。このスライドピンP2は、昇降体73に対して図示左右方向にスライド移動可能に設けられたスライド駒73Kと連結されており、前述したセクターギア75の操作アーム75Aに板厚方向に挿通されていると共に、ベース板71に貫通形成された円弧形状の長孔71H内にも挿通されている。これにより、昇降体73は、スライドピンP2が長孔71Hの形状内部をスライド可能する範囲内において、セクターギア75の回転移動に伴って昇降操作されるようになっている。
このセクターギア75は、ベース板71の背面部に設置された電動モータ74により回転駆動するピニオンギア76と噛合した状態とされている。これにより、セクターギア75は、電動モータ74の駆動回転に伴って、その駆動力の伝達を受けて回動操作されるようになっている。この電動モータ74は、常時はその作動を制止させた状態として、セクターギア75の回動を留めた状態に保持している。そして、電動モータ74は、例えば車両用シート1の側部に配設された図示しないスイッチの操作を行うことにより、正転・逆転の切換え操作がなされて、ヘッドレスト4を昇降動させるようになっている。
このプッシュロッド50は、図2に示されるように、その上端部が、ヘッドレスト移動機構10の操作部材として設けられた係脱部材15と連結されている。そして、プッシュロッド50の下端部は、シートバック2の内部から配索された操作ケーブル40の上端部と連結されている。
そして、プッシュロッド50が図示上方側に押し上げ操作されることにより、係脱部材15が図示反時計回り方向に押し回されて、支承部4Aの初期位置での保持状態が解除されるようになっている。
すなわち、図4に示されるように、受圧機構20は、シートバック2内部の中腹部に配設されており、互いに上下に離間した位置に、幅方向に延びる一対の棒状の受圧部材21,22を有して構成されている。
ここで、上側の受圧部材21は、その図示向かって右側の端部が、シートバック2の同右側のサイドフレームFsに固定設置された支持ブラケット61に回動可能に軸支連結されている。そして、受圧部材21の左側の端部は、同左側のサイドフレームFsに軸支連結されたロータリー式のダンパー23と連結されている。この受圧部材21は、その軸支連結された両端部に対して、着座者の背凭れ荷重を受ける中央部分が下方側に偏心した折れ曲がった形状に形成されている。なお、受圧部材21の両端部は、互いに同軸線上の位置で軸支されている。
この受圧部材21は、上記した初期位置の状態では、その中央部分が両端部に対して下方側に折れ曲がった姿勢状態に保持されている。これにより、受圧部材21は、図5及び図6に示されるように、着座者の背凭れ荷重を受けることによって、その中央部分が後方側に押し動かされる格好で回動操作されるようになっている。
このように、受圧部材21は、車両後突の発生を、着座者がその弾みで後傾する動きを後方側に押し回される動きとして、機械的に検知することのできる構成とされている。
しかし、図4に戻って、ダンパー23は、着座者が通常の着座使用時にシートバック2に普通に凭れ掛かる遅い速度の動きに対しては、受圧部材21から遅い速度の回動力の伝達を受けるため、その内部で回動力の伝達を遮断する。よって、この場合には、インナーケーブル41の下端部の牽引操作は行われず、図2に示されるプッシュロッド50の押し上げ操作は行われない。
この受圧部材22は、上記した初期位置の状態では、その中央部分が両端部に対して上方側に折れ曲がった姿勢状態に保持されている。これにより、受圧部材22は、図5及び図6に示されるように、着座者の背凭れ荷重を受けることによって、その中央部分が後方側に押し動かされる格好で回動操作されるようになっている。
このように、受圧部材22は、前述した上側の受圧部材21と同様に、車両後突の発生を、着座者がその弾みで後傾する動きを後方側に押し回される動きとして、機械的に検知することのできる構成とされている。
この下側のダンパー24は、そのケース24Bの内部に挿通された入力軸24Aが、図示左側のサイドフレームFsに固定設置された支持ブラケット64に回動可能に軸支連結されている。そして、この入力軸24Aには、受圧部材22の図示左側の端部が一体的に連結されている。そして、ケース23Bに形成された出力腕23Cには、連結軸25Aによって図示上方側へと延びる連結リンク25の下端部が回動可能に軸支連結されている。
このストッパリンク26は、図5に示されるように、常時は下側の受圧部材22が附勢によって初期位置の状態に保持される作用力を受けて、上述した支持部26Bを上側のダンパー23の出力腕23Cに下方側からあてがわれた状態に保持されている。
具体的には、例えば車両後突発生時に上側のダンパー23の出力腕23Cが同受圧部材21と一体的となって速い速度で図5の反時計回り方向に回動しようとすると、この回動力はダンパー23の出力腕23Cからストッパリンク26を伝って、下側のダンパー24の出力腕24Cへと入力される。これにより、下側のダンパー24も、下側の受圧部材22と一体的となって速い速度で図示時計回り方向に回動しようとする。しかしこのとき、下側の受圧部材22は、図4において前述した捩りばね22Sの附勢力によって、上記の回動に抗した方向に附勢されている。したがって、この附勢によってストッパリンク26の回動が留められることから、上側のダンパー23の出力腕23Cの回動が規制されるため、この場合にはインナーケーブル41の下端部の牽引操作は行われない。
これにより、上側のダンパー23の図示時計回り方向の回動が許容される。したがって、この状態で、上側の受圧部材21が後方側に押し回されることにより、インナーケーブル41の下端部が上側のダンパー23の出力腕23Cによって牽引操作される。
ここで、操作ケーブル40は、可撓性を有した管状のアウターケーブル42の内部に、アウターケーブル42よりも撓み易く構成された線状のインナーケーブル41が挿通された二重構造となっている。そして、この操作ケーブル40の下端部は、図4において前述したように、インナーケーブル41の下端部が前述したダンパー24の出力腕24Cと連結されており、アウターケーブル42の下端部が支持ブラケット62の取付部62Aと連結されている。
詳しくは、図3に示されるように、操作ケーブル40は、インナーケーブル41の上端部に形成されたT字形状の係合突起41P,41Pが、アウターケーブル42の上端側の周壁に貫通形成された長孔42S,42Sからそれぞれ半径方向の外方に突出した構成となっている。
これにより、インナーケーブル41は、T字状に突出している係合突起41P,41Pが長孔42S,42S内で移動可能とされる範囲内において、アウターケーブル42に対して軸方向に相対移動可能とされている。これら係合突起41P,41Pや長孔42S,42Sは、インナーケーブル41やアウターケーブル42の軸対称となる周方向の二箇所に形成されている。そして、アウターケーブル42の上端部には、その管状の端部形状を塞ぐかたちで頭部42Hが形成されている。
そして、このように操作ケーブル40がステー4Bに吊り下げられた状態となることにより、操作ケーブル40は、その下端側が牽引される操作力をステー4B内部のプッシュロッド50に押し操作力として逆転させて伝達できる状態となる。
すなわち、上記した構成を図3を用いて詳しく説明すると、先ず、嵌筒部73Sの周壁には、その下端部から上方に向けて軸方向に延びるスリット状の挿入溝Sd,Sdが貫通して形成されている。これら挿入溝Sd,Sdは、嵌筒部73Sの周方向の二箇所の位置に互いに軸対称となる形状に形成されており、インナーケーブル41に形成された各係合突起41P,41Pを各溝形状の内部に受け入れてこれらを軸方向に挿通させられるようになっている。
これら周方向に湾曲した挿入溝Sd,Sdの各終端部形状は、水平よりも下方に垂れ下がった形状に形成されている。これにより、各挿入溝Sd,Sdの終端位置まで挿通された各係合突起41P,41P(操作ケーブル40)は、その自重によって下方に落下してしまうことがないように、嵌筒部73Sに吊り下げられた状態として安定して保持されるようになっている。
このとき、各係合突起41P,41Pは、各挿入溝Sd,Sdの軸方向に延びる形状部位に位置しているために、それらの周方向への移動が規制された状態となっている。これにより、各係合突起41P,41Pが、各挿入溝Sd,Sdの軸方向に延びる溝形状によってガイドされ、各受入溝Bd,Bdの終端位置に保持された状態となっている。これにより、インナーケーブル41とステー4Bとが互いに軸方向に一体的に連結された状態として、共に一体的となって嵌筒部73Sに対して軸方向に移動可能な状態とされている。
すなわち、ステー4Bを挿し込む1アクションの操作によって、インナーケーブル41とステー4Bとの軸連結を確実に完了させてからステー4Bを昇降体73に装着させることが可能となっている。
なお、厳密には、両者の間には僅かな隙間が形成されており、ステー4Bの挿し込み操作時において、プッシュロッド50が誤ってアウターケーブル42の頭部42Hによってプッシュ操作されないようになっている。
そして、このアウターケーブル42の頭部42Hとプッシュロッド50の下端部とが軸方向に近接した配置状態では、操作ケーブル40が下端側から牽引操作された操作力を、アウターケーブル42の頭部42Hによってプッシュロッド50に押し操作力として逆転させて伝達することのできる状態として、両者が互いに軸連結された状態となっている。
このヘッドレスト移動機構10は、ヘッドレスト基部4Cに対して支承部4Aを連結するかたちで設けられており、幅方向に一対で設けられた連結リンク12,12と、支持部材13,13と、フック14,14と、係脱部材15と、引張ばね16と、レバー部材17,17と、を有する。
ここで、ヘッドレスト基部4Cは、合成樹脂によって形成されており、板状の後面部11Bと底面部11Dと両側面部11S,11Sと上面部11Uとが一体的に形成された構成となっている。詳しくは、底面部11Dは、後面部11Bの下端縁から前方に延びて形成されている。そして、側面部11S,11Sは、ヘッドレスト基部4Cの幅方向の両サイドにそれぞれ立設されるかたちで形成されている。そして、上面部11Uは、両側面部11S,11Sの上縁同士を繋ぐかたちで形成されている。
このヘッドレスト基部4Cの底面部11Dには、ステー4B,4Bの上端部分がそれぞれ挿し込まれて一体的に固定されている。これらステー4B,4Bは、管状に形成されており、その上端側の開口部分を底面部11Dの上面側に露出させた格好で固定されている。
また、ヘッドレスト基部4Cの両側面部11S,11Sには、板厚方向に波状に刳り貫かれてなる長孔11Hが形成されている。これら長孔11H,11Hには、それらの下端部H0,H0と上端部H3,H3との間に、後方側(紙面内右側)に波状に段々に窪んだ形状の第1ストッパ溝H1と第2ストッパ溝H2とがそれぞれ形成されている。
詳しくは、各連結リンク12,12は、その後方側の端部が、ヘッドレスト基部4Cの両側面部11S,11Sに貫通して設けられた連結軸12Aにそれぞれ回動可能に軸支連結されている。ここで、各連結リンク12,12は、図18に示されるように、それらの後方側の端部が、両側面部11S,11Sとそれらの内側にあるリブ11R,11Rとの間に挟まれて配置されている。そして、各連結リンク12,12は、両側面部11S,11Sの間に架け渡された連結軸12Aにそれぞれ回動可能に軸支連結されている。
上記した連結リンク12,12は、その後端部を軸支連結する連結軸12Aを中心に、図示時計回り方向に回動させることにより、ヘッドレスト基部4Cの上面部11Uと当接し、その時計回り方向への回動が規制されるようになっている。
これら支持部材13,13は、互いの後端部同士が、幅方向に延びる連結軸13Aによって互いに連結されている。詳しくは、図18に示されるように、各支持部材13,13は、それらの後端部が、それらの両外側に配置されている各リブ11R,11Rとその内側にあるリブ11R,11Rとの間に挟まれて配置されている。そして、これら支持部材13,13の後端部同士を繋ぐ連結軸13Aは、前述した連結軸12Aや連結軸12Bと互いに平行向きに配設されている。
詳しくは、各フック14,14は、図18に示されるように両側面部11S,11Sとそれらの内側にあるリブ11R,11Rとの間に挟まれて配置されており、この間に架け渡された各連結軸14A,14Aによってそれぞれが回動可能に軸支されている。
そして、図13に戻って、これらフック14,14には、その外周縁部の周方向の二箇所に、半径方向の外方に突出する爪形状の上顎部位14Bと下顎部位14Cとが形成されている。これにより、各上顎部位14B,14Bと下顎部位14C,14Cとの間には、半径方向内方に窪んだ凹みが形成されている。この上顎部位14Bと下顎部位14Cとの間の凹みには、前述した連結軸13Aをその内部に収められるようになっている。ここで、各連結軸14A,14Aは、前述した各連結軸12A,12Bや連結軸13Aと互いに平行向きに配設されている。
そして、これらフック14,14の外周縁部には、段差状に窪んだ形状の係止溝14Dがそれぞれ形成されている。これら係止溝14D,14Dには、後述する係脱部材15に設けられた一対の係合腕部15C,15Cがそれぞれ係着されている。これにより、各フック14,14の附勢による反時計回り方向への回動が規制された状態として保持されている。
ここで、図12に示されるように、連結軸13Aは、連結軸12Aとの間に掛着された引張ばね16によって、常時は連結軸12Aに引き寄せられる方向に附勢されており、長孔11H,11Hの形状に沿って上端部H3,H3に向けて附勢された状態とされている。したがって、連結軸13Aは、常時はこの引張ばね16の附勢に抗して、フック14,14により長孔11H,11Hの各下端部H0,H0に係止された状態(初期位置の状態)として保持されている。
この支承部4Aの前方かつ上方への動きは、図15に示されるように、連結軸13Aが長孔11H,11Hの各上端部H3,H3に到達することで規制されて制止される。そして、この支承部4Aの動きが止まった状態では、支承部4Aは、着座者の頭部から荷重を受けても後方側には押し戻されないようになっている。
詳しくは、図18に示されるように、レバー部材17,17は、その後方側の端部が、両外側に配置された各リブ11R,11Rとそれらの内側にあるリブ11R,11Rとの間に挟まれて配置されており、これらの間に架け渡された連結軸17A,17Aによってそれぞれ回動可能に軸支されている。
そして、これらレバー部材17,17とヘッドレスト基部4Cとの間には、捩りばね17S,17Sがそれぞれ掛着されている。これら捩りばね17S,17Sは、図12に示されるように、連結軸17A,17Aに巻回されて設けられており、その一端がレバー部材17,17に掛着され、他端がヘッドレスト基部4Cにそれぞれ掛着されている。これにより、レバー部材17,17は、その自由状態では、各捩りばね17S,17Sのばね力の作用によって、長孔11H,11Hの孔内に露出した姿勢位置に保持されている。
そして、受部17B,17Bは、図16に示されるように、連結軸13Aが長孔11H,11H内を上端部H3,H3から下方に向けて移送される時には、これを先端のさじ形状で受けてキャッチする。そして、この状態から連結軸13Aが更に下方に移送されることにより、各レバー部材17,17は、受部17B,17Bにキャッチされた連結軸13Aに押圧されながら図示反時計回り方向に押し回される。
そして、フック14,14は、上記の姿勢状態となったところで各係合腕部15C,15Cと係合し、再び連結軸13Aを初期位置に保持した状態としてロックされる。これにより、支承部4Aが、再び、前方移動する前の初期位置の姿勢に戻された状態として保持される。
すなわち、図1を参照して、車両用シート1は、その車両後突が発生する前の常時は、ヘッドレスト4の支承部4Aが初期位置の姿勢に保持された状態となっている。そして、車両後突が発生することにより、着座者がシートバック2に圧し掛かる背凭れ荷重によって受圧機構20の各受圧部材21,22が後方側に押動され、この操作力が操作ケーブル40及びプッシュロッド50によって伝達されて係脱部材15が回動操作される。
これにより、支承部4Aの初期位置での保持状態が解除され、支承部4Aは図15に示されるように引張ばね16の附勢力によって図示された衝突対応位置まで移動する。そして、この衝突対応位置に移動した支承部4Aによって、後突時の勢いで後傾してくる着座者の頭部が後方側から受け止められる。
例えば、特開2005−104259号公報等の文献に開示されているように、ヘッドレスト移動機構を両ケーブルがケーブル操作された操作移動量によって、直接、ヘッドレストの支承部がその移動量相当分だけ進行方向に移動操作されるように構成することもできる。
また、ストッパリンクが上側のダンパーに形成された出力腕と当接することで上側の受圧部材の回動を規制するようにした構成を例示したが、ストッパリンクが直接、受圧部材と当接してその回動を規制するようになっていてもよい。
また、ダンパーは、上記実施例で示した設置箇所のほかにも、受圧機構の動力伝達経路内の様々な位置に設定することができる。また、ダンパーが直線的な運動によって動力が伝達される箇所に設定される場合には、リニア式のダンパーを用いることもできる。
2 シートバック
2F バックフレーム
Fu アッパフレーム
Fs サイドフレーム
Ft 補強板
2S サポート
3 シートクッション
4 ヘッドレスト
4A 支承部
4B ステー
Bk 係止溝
Bd 受入溝
4C ヘッドレスト基部
10 ヘッドレスト移動機構
11B 後面部
11D 底面部
11S 側面部
11U 上面部
11R リブ
11H 長孔
H0 下端部
H1 第1ストッパ溝
H2 第2ストッパ溝
H3 上端部
12 連結リンク
12A 連結軸
12B 連結軸
13 支持部材
13A 連結軸
14 フック
14A 連結軸
14B 上顎部位
14C 下顎部位
14D 係止溝
14S 捩りばね
15 係脱部材
15A 操作腕部
15B 連結軸
15C 係合腕部
15S 捩りばね
16 引張ばね
17 レバー部材
17A 連結軸
17B 受部
17S 捩りばね
20 受圧機構
21 受圧部材
21S 捩りばね
22 受圧部材
22S 捩りばね
23 ダンパー
23A 入力軸
23B ケース
23C 出力腕
24 ダンパー
24A 入力軸
24B ケース
24C 出力腕
25 連結リンク
25A 連結軸
25B 連結軸
26 ストッパリンク
26A 支軸
26B 支持部
40 操作ケーブル
41 インナーケーブル
41P 係合突起
42 アウターケーブル
42S 長孔
42H 頭部
50 プッシュロッド
61 支持ブラケット
62 支持ブラケット
62A 取付部
63 押えブラケット
64 支持ブラケット
65 支持ブラケット
70 昇降装置
71 ベース板
71H 長孔
71G ガイド部
72 取付板
73 昇降体
73S,73T 嵌筒部
Sh,Th 切欠孔
Sd 挿入溝
73K スライド駒
74 電動モータ
75 セクターギア
75H ガイド孔
75A 操作アーム
76 ピニオンギア
R 係止リング
P1 連結ピン
P2 スライドピン
P3 係止ピン
B ボルト
Claims (3)
- 車両後突を検知した時にヘッドレストを着座者の頭部に向けて近接移動させられるように作動するヘッドレスト作動装置であって、
シートバックの内部には車両後突の発生を着座者の背部によって押し動かされる機械的な操作移動量として検知する受圧機構が配設されており、該受圧機構は前記シートバックの内部に互いに上下に離間して配設された上側の受圧部材と下側の受圧部材とを有し、
該上側の受圧部材は着座者の背部によって後方側に押し動かされることにより前記ヘッドレストを着座者の頭部に近接した位置まで移動させることのできる操作構造となっており、前記下側の受圧部材はその後方側に押し動かされる前の初期状態では前記上側の受圧部材と係わり合って該上側の受圧部材の後方側への移動を規制した状態とされているが、該下側の受圧部材が後方側に押し動かされることによって前記上側の受圧部材の移動規制状態が解除される構成となっていることを特徴とするヘッドレスト作動装置。 - 請求項1に記載のヘッドレスト作動装置であって、
前記受圧機構の動力伝達経路内にダンパーが設けられていることを特徴とするヘッドレスト作動装置。 - 請求項2に記載のヘッドレスト作動装置であって、
前記ダンパーは前記下側の受圧部材の動力伝達経路内に設けられていることを特徴とするヘッドレスト作動装置。
Priority Applications (1)
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