JP2009067166A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブーツが破損した場合においてもボールネジ機構を外部から進入した異物から保護することが可能なステアリング装置を提供すること。
【解決手段】 ラック部11とネジ軸部12との間の位置に設けられた第1シールリング51により、ブーツ32Lが破れた場合にその破損箇所から進入した異物がネジ軸部12およびボールナットを備えるボールネジ機構にまで進入することが防止される。また、ラックブッシュ21に取付けられた第2シールリング52によって、ブーツ32Rが破れた場合にその破損箇所から進入した異物がボールネジ機構にまで進入することが防止される。このように、どちらのブーツが破れても、その破損箇所から進入した異物がボールネジ機構にまで到達することはなく、異物からボールネジ機構を保護することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ステアリング装置に関し、特にラックバーなどの転舵軸を支持するハウジング内に電動パワーステアリング用の電動モータおよびこの電動モータの回転駆動を転舵軸の軸方向移動に変換するボールネジ機構が配されたステアリング装置に関する。
ラックバーなどの転舵軸を軸方向移動可能に支持するハウジング内に電動モータおよびボールネジ機構を組み込んだラックアシストタイプの電動パワーステアリング装置が知られている。このラックアシストタイプの電動パワーステアリング装置に用いられる電動モータやボールネジ機構は、車輪から跳ね上げられた泥や汚水などの異物が付着すると、駆動時の摺動抵抗の増加や、機能障害などを引き起こすおそれがある。そこで、ハウジングの両端にブーツを装着してハウジング内部空間を外部空間から遮蔽することにより、上記電動モータやボールネジ機構などのハウジング内の構成物品に外部から異物などが付着しないようにしている。
しかし、車輪から跳ね上げられた小石などがブーツに衝突し、これによりブーツが破損した場合には、その破損箇所から異物が進入することがある。こうして進入した異物はハウジング内の物品に付着するおそれがある。これに対し、特許文献1には、ハウジング内に組み込まれる電動モータの構成部品であるモータシャフトをシールドベアリングにより回転可能にハウジング内壁に支持するステアリング装置が記載されている。これによれば、モータシャフトがシールドベアリングを介してハウジングに回転可能に支持されているため、ブーツの破損箇所からハウジング内に進入した異物はシールドベアリングにより電動モータ内への進入が阻止される。よって、電動モータへの異物付着を防止することができるというものである。
特開2003−335249号公報
しかしながら、特許文献1に記載のステアリング装置においてはシールドベアリングにより電動モータへの異物付着を防止することができるものの、このシールドベアリングはモータシャフトとハウジングとの間に配されるため、モータシャフトよりも内側にある物品、具体的にはモータシャフトの内周側に位置するボールネジ機構などの物品への異物付着を防止することはできない。したがって、ブーツの破損箇所から進入した異物はモータシャフトの内周側に進入してボールネジ機構に付着するおそれがある。これによりボールネジ機構の駆動時の摺動抵抗の変化などが起こるという問題がある。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、ラックアシストタイプの電動パワーステアリング装置において、ハウジング内に配されるボールネジ機構を外部から進入した異物から保護することが可能なステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明に係るステアリング装置は、転舵軸と、ハウジングと、ブーツと、電動モータと、ナット部材とを備える。転舵軸は、両端に連結したタイロッドを介して車輪に連結し、外周にネジ溝が形成されたネジ軸部およびラック歯が形成されたラック部を有するとともに、軸方向移動することにより車輪を転舵させるものである。ハウジングは、車体に固定されており、転舵軸の外周を覆うように転舵軸の軸方向に延びて形成され、転舵軸を軸方向移動可能に支持する筒状部材である。また、ハウジングの両端は、転舵軸が突出可能となるように開口している。ブーツは、筒状に形成され、一端がハウジングの開口端側に連結され他端がタイロッドの外周に連結され、ハウジングから突出する転舵軸の端部を覆うようにハウジングの両端に装着されてハウジング内部の空間を密閉する部材である。電動モータはモータシャフトとステータ部とを備える。モータシャフトは、筒状であり転舵軸の外周、好ましくはネジ軸部の外周を覆うようにハウジング内に配設され、転舵軸の軸回りを回転可能となるようにハウジングに支持されている。ステータ部はモータシャフトの外周側に対向するように配置しており、ハウジングの内壁に固定されている。ナット部材は、モータシャフトに一体回転可能に連結され、ボールを介してネジ軸部に螺合している部材である。このような構成を有するステアリング装置においては、電動モータが駆動してモータシャフトが回転した場合に、この回転力が、モータシャフトに一体回転可能に配設されたナット部材とこのナット部材にボールを介して螺合したネジ軸部とを含んで構成されるボールネジ機構により転舵軸の軸方向移動力に変換される。
さらに、本発明のステアリング装置は、第1シール部材と、第2シール部材と、連通路とを備える。第1シール部材は、転舵軸のネジ軸部とラック部との間の位置に配設され、その配設位置における転舵軸とモータシャフトとの間の隙間を封止するシール部材である。第2シール部材は、転舵軸のネジ軸部を挟んで上記第1シール部材の配設位置とは反対側の位置に配設されて、その配設位置における転舵軸とハウジングとの間の隙間を封止する部材である。連通路は、ハウジングの一方の開口端に装着されたブーツに覆われた空間と他方の開口端に装着されたブーツに覆われた空間とを連通する通路である。
本発明のステアリング装置によれば、上記第1シール部材が転舵軸のラック部とネジ軸部との間の位置にて転舵軸とモータシャフトとの間の隙間を封止しているために、転舵軸のラック部側に進入した異物のネジ軸部側への進入を阻止することができる。さらに、上記第2シール部材が転舵軸のネジ軸部を挟んで上記第1シール部材の配設位置と反対側の位置にて転舵軸とハウジングとの間の隙間を封止しているために、転舵軸のネジ軸部を挟んで上記ラック部が形成されている側とは反対側に進入した異物もこの第2シール部材によりネジ軸部への進入が阻止される。このように、転舵軸のどちらの側から異物が進入してきた場合においても、両シール部材により異物がネジ軸部に到達することが阻止されるので、ネジ軸部を含んで構成されるボールネジ機構に外部からの異物が付着することはない。このようにして、ブーツが破損した場合においてもボールネジ機構を外部から進入した異物から保護することができる。
上記第1シール部材は、転舵軸のネジ軸部とラック部との間の位置にて転舵軸とモータシャフトとの間の隙間を封止するものであれば、転舵軸側に設けられていてもよいし、モータシャフト側に設けられていてもよい。好ましくは、転舵軸のネジ軸部とラック部との間に連結部が形成されており、第1シール部材はこの連結部に設けられ、連結部にて転舵軸の外周壁とモータシャフトの内周壁との間の隙間を封止するものであると良い。
上記第2シール部材は、転舵軸のネジ軸部を挟んで第1シール部材の配設位置とは反対側の位置にて転舵軸とハウジングとの間の隙間を封止するものであれば、転舵軸側に設けられていてもよいし、ハウジング側に設けられていてもよい。ここで、ハウジングは、通常は、転舵軸のネジ軸部を挟んでラック部とは反対側の端部が突出可能な端部付近であって転舵軸の軸方向移動によりネジ軸部と干渉しない位置に筒状のブッシュ部材(ラックブッシュ)が設けられており、このブッシュ部材を介して転舵軸を支持している。上記第2シール部材はハウジング側の部材であるこのブッシュ部材の内周側に設けられていて、転舵軸の外周壁とブッシュ部材の内周壁との間の隙間を封止するように構成してもよい。この部分に第2シール部材を設けることにより、転舵軸が軸方向移動して第2シール部材による封止位置がネジ軸部と干渉することを避けることができる。
上記第2シール部材による転舵軸とハウジングとの間の隙間の封止により、ハウジングの一方の開口端に装着したブーツに覆われた空間と他方の開口端に装着したブーツに覆われた空間が遮断される。この遮断状態にて転舵軸が軸方向移動した場合、それぞれのブーツに覆われた空間の容積が変動し、一方のブーツが膨れるとともに他方のブーツが潰れてしまうおそれがある。これに対し本発明のステアリング装置は、ハウジングの一方の開口端に装着されたブーツに覆われた空間と他方の開口端に装着されたブーツに覆われた空間とを連通する連通路を備えている。したがって、転舵軸が軸方向移動した場合に連通路を通じて両ブーツに覆われた空間内の空気が流通するため、ブーツの膨れや潰れを防止することができる。
上記連通路は、転舵軸の内部に形成されているのがよい。そして、連通路の一端はハウジングの一方の開口端に装着されたブーツに覆われた空間に連通する位置に開口し、他端はハウジングの他方の開口端に装着されたブーツに覆われた空間に連通する位置に開口するものであるのがよい。これによれば、転舵軸の内部を通過するように連通路を形成することにより、装置の大型化を招くことなく本発明を実現することができる。
また、上記モータシャフトは、その軸方向の両端側の外周であってステータ部を挟んだ位置にてベアリングを介して回転可能にハウジングに支持されているのがよい。さらに、上記ベアリングのうち、ステータ部を挟んで第2シール部材の配設位置とは反対側に位置する側のモータシャフト端部外周、すなわち第2シール部材の配設位置からより遠い位置におけるモータシャフト端部外周に取付けられるベアリングがシールドベアリングであるのがよい。これによれば、転舵軸のラック部側から進入した異物はシールドベアリングにより電動モータ内への進入が阻止され、その反対側から進入した異物は第2シール部材により電動モータ内への進入が阻止される。したがって、上記第1シール部材、上記第2シール部材および上記シールドベアリングを全て備えることにより、異物が電動モータおよびボールネジ機構の双方に進入することを確実に阻止することができる。
以下、本発明の実施形態に係るステアリング装置について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るステアリング装置1を平面(上面)から見た場合の部分断面図である。このステアリング装置1は、転舵軸としてのラックシャフト10とラックハウジング20を備える。なお、ラックシャフト10には操舵ハンドルに連結したステアリングメインシャフトがインターミディエイトシャフトおよびピニオンシャフトを介して連結されるが、斯かる構成は周知であるので、ラックシャフト10よりも上流側(操舵ハンドル側)の構成については省略する。
ラックシャフト10は、その両端がボールジョイント30R,30Lを介してそれぞれタイロッド31R,31Lに連結されている。タイロッド31R,31Lは図示を省略するナックルアームを介して車輪に連結されている。ラックシャフト10は図に示すように棒状に形成されており、その両端間にラック部11およびネジ軸部12が形成されている。ラック部11にはラック歯11aが外周に形成されており、このラック歯11aはピニオンシャフトに形成されたピニオンギヤ17に噛合していて、このピニオンギヤ17とともにラックアンドピニオン機構を構成している。したがって、操舵ハンドルの操舵操作が図示しないステアリングメインシャフトやインターミディエイトシャフトを介してピニオンシャフトに伝達され、ピニオンシャフトが回転すると、上記ラックアンドピニオン機構によりこの回転がラックシャフト10の軸方向移動に変換される。この軸方向移動により車輪が転舵される。
ラックハウジング20は車体に固定されており、図に示すようにラックシャフト10の外周側を覆うようにラックシャフト10の軸方向に延びて筒状に形成されて、ラックシャフト10を軸方向移動可能に支持する。ラックハウジング20はその両端が開口しており、各開口端20R,20Lからは内部に配置するラックシャフト10の端部が突出可能とされている。開口端20R,20Lにはゴム製のブーツ32R,32Lがそれぞれ装着されている。ブーツ32R,32Lは筒状に形成され、一端がラックハウジング20の開口端20R,20L側の外周に気密的に連結され、他端がタイロッド31R,31Lの外周に気密的に連結されており、それぞれ開口端20R,20Lから突出したラックシャフト10の端部およびその端部に連結したボールジョイント30R,30Lを覆うようにラックハウジング20の両端に装着されている。これらのブーツ32R,32Lによって、ラックハウジング20内部の空間が密閉されて外部と遮蔽される。
ラックハウジング20の内部には、電動モータ40が組み込まれている。電動モータ40は、モータシャフト41とステータ部42とを備えて構成されている。モータシャフト41はラックシャフト10の外周を覆うように筒状に形成されている。モータシャフト41はその内周の少なくとも一部がラックシャフト10のネジ軸部12に対面するように配置しており、その外周の軸方向両端側にて第1ベアリング61および第2ベアリング62により回転可能にラックハウジング20に支持されている。ステータ部42は、モータシャフト41を回転支持する第1ベアリング61および第2ベアリング62の間の軸方向位置にてモータシャフト41に対面するようにモータシャフト41の外周に配置しており、ラックハウジング20の内壁に固定されている。このステータ部42にはコイルが巻回されており、このコイルに通電されることによりステータ部42は電磁力を発生してモータシャフト41に回転力を与える。
ラックシャフト10のネジ軸部12の外周には螺旋状の雄ネジ溝が形成されている。このネジ軸部12の外周側にはナット部材としてのボールナット14が配置している。ボールナット14は、電動モータ40のモータシャフト41の内周壁に固定されており、ボール15を介してネジ軸部12に螺合している。したがって、電動モータ40が駆動してモータシャフト41が回転すると、それに伴いボールナット14もモータシャフト41と一体的にラックシャフト10の軸回りを回転する。ボールナット14が回転すると、ボールナット14およびネジ軸部12ならびにこれらの間に配設される複数のボール15を含んで構成されるボールネジ機構によりラックシャフト10がネジ送りされ、ネジ軸部12が軸方向移動する。このときに発生するラックシャフト10の軸方向移動力が操舵ハンドルの操舵操作を助勢する。
電動モータ40の駆動によるラックシャフト10の軸方向移動は、操舵ハンドルから入力される操舵トルク量に関連付けて行われるように制御される。これにより、電動モータ40は、操舵ハンドルの操舵操作に基づいてラックアンドピニオン機構を介して行われるラックシャフト10の軸方向移動を助勢する。すなわち本実施形態におけるステアリング装置1は、ラックアシストタイプの電動パワーステアリング機構を搭載しているものである。電動モータ40の具体的制御については省略する。
図2は、図1のA部拡大図である。図2に示すように、ラックシャフト10には、ラック部11とネジ軸部12との間にこの両者を両端にて連結するように円柱状に形成された連結部13が形成されている。連結部13は、ラックシャフト10が軸方向移動する範囲において常にモータシャフト41の内周側に位置する部分である。そして、連結部13にはその外周面に周方向に溝13aが形成されており、この溝13a内に第1シールリング51が取付けられている。この第1シールリング51によって、ラック部11とネジ軸部12との間の位置におけるラックシャフト10の外周壁とモータシャフト41の内周壁との間の隙間が封止されている。本実施形態ではこの第1シールリング51はゴム製のOリングである。また、モータシャフト41の回転やラックシャフト10の軸方向移動があっても上記封止がなされるようにモータシャフト41の内周壁は平滑に仕上げられている。
図3は、図1のB部拡大図である。図に示すように、ラックハウジング20の開口端20R付近には内径が小さくなっている縮径部分20aが形成されており、この縮径部分20aの内周にはラックブッシュ21が取付けられている。このラックブッシュ21は樹脂製であり、筒形状を呈していて、外周側が縮径部分20aの内壁に密着している。ラックシャフト10はその外周がラックブッシュ21の内周に接することにより軸方向移動可能にラックハウジング20に支持される。またラックシャフト10は、ラック歯11aとピニオンギヤ17との噛合部位とは反対側の部分に配されるラックガイド22(図1、図2参照)によりラック歯11aがピニオンギヤ17に噛み合う方向に押圧力を受けている。ラックシャフト10はラックブッシュ21による摺接およびラックガイド22による押圧により、その両端にてラックハウジング20に支持されていることになる。
ラックブッシュ21の内周面には図3に示すように周方向に溝21aが形成されている。この溝21a内には第2シールリング52が配設されている。本実施形態において第2シールリング52はOリングとされている。この第2シールリング52によって、ラックシャフト10の外周壁とラックハウジング20の内壁(ラックブッシュ21の内周壁)との間の隙間が封止される。なお、ラックブッシュ21の配設位置は、図1からわかるようにラックシャフト10のネジ軸部12を挟んで第1シールリング51の配設位置とは反対側の位置である。よって、第2シールリング52は、ラックシャフト10のネジ軸部12を挟んで第1シールリング51の配設位置とは反対側の位置にてラックシャフト10の外周壁とラックハウジング20の内壁(ラックブッシュ21の内周壁)との間の隙間を封止していることになる。
図1に示すように、モータシャフト41は第1ベアリング61および第2ベアリング62によって回転可能にラックハウジング20に支持されているが、これらのベアリングのうち、第1ベアリング61はシールドベアリングとされている。具体的には、図2に示すように第1ベアリング61の外輪と内輪との間にシールド部材61aが組み込まれていて、このシールド部材61aにより水分などの異物が第1ベアリング61を通過することが妨げられている。シールド部材61aは、本実施形態においては、鋼板に合成ゴムを固着したリング状のシール板を外輪側に固定し、先端側(内周側)にリップを形成してこのリップが内輪側に接触した接触タイプのシールドベアリングを採用している。なお、このシールド部材61aは、第1ベアリング61の両面に配設されていてもよいが、特に図2において左側の面にのみ設けられているものでもよい。
また、ラックシャフト10の内部には、その軸芯を通るように軸方向に沿って連通路16が形成されている。この連通路16は、図3によく示すようにラックシャフト10の右側端面に形成されボールジョイント30Rを螺合するためのネジ孔10aの底面に連通している。また、ラックシャフト10にはネジ孔10aに連通して平行にスリット状の溝16aが形成されており、このスリット状の溝16aはラックシャフト10の右端の側周面に形成された一端開口部16bにて開口している。したがって、連通路16の一端側は、ネジ孔10aおよびスリット状の溝16aを通じて右側のブーツ32Rに覆われた空間に連通した位置に開口していることになる。
連通路16の他端は図2に示すように、ラックシャフト10の連結部13の側周面に形成された他端開口部16cにて開口している。他端開口部16cは、連結部13に設けられた第1シールリング51を挟んでネジ軸部12とは反対側の軸方向位置に設けられる。この開口位置は、左側のブーツ32Lに覆われた空間に連通している。よって、連通路16の他端側は、左側のブーツ32Lに覆われた空間に連通した位置に開口していることになる。なお、ラックシャフト10内に形成された連通路16は、その一方の開口がブーツ32Rに覆われた空間に連通し、他方の開口がブーツ32Lに覆われた空間に連通するのであれば、どのような位置に開口していてもよい。
上記構成のステアリング装置1においては、ブーツ32R,32Lによってラックハウジング20内の空間が密閉されているために、ラックハウジング20内に水分などの異物が進入することはない。しかし、車輪からの飛び石などによりブーツ32R,32Lが破れることもある。ブーツ32R,32Lが破れると、その破損箇所から異物がラックハウジング20内に進入することもある。
例えば図1において左側のブーツ32Lが破れると、その破損箇所から異物がラックハウジング20内に進入してくる。進入した異物はラックシャフト10のラック部11に付着し、さらにネジ軸部12に進入しようとする。しかし、ラック部11とネジ軸部12との間に設けられた第1シールリング51がその位置にてラックシャフト10の外周壁とモータシャフト41の内周壁との間の隙間を封止している。このため異物がネジ軸部12およびボールナット14ならびにボール15からなるボールネジ機構に進入することが阻止される。
また、上記のようにして進入した異物は、第1ベアリング61を通過してステータ部42が配置した電動モータ40内に進入しようとする。しかし、第1ベアリング61はシールドベアリングであるので、異物はこの第1ベアリング61を通過することができない。このため異物が電動モータ40内に進入することも阻止される。
また、図1において右側のブーツ32Rが破れると、その破損箇所から異物がラックハウジング20内に進入してくる。進入した異物はラックシャフト10を支持するラックブッシュ21を通過してその奥に位置するネジ軸部12および電動モータ40に進入しようとする。しかし、ラックブッシュ21には第2シールリング52が取付けられており、この第2シールリング52によりその位置におけるラックシャフト10の外周壁とラックハウジング20の内壁(ラックブッシュ21の内周壁)との間の隙間が封止されている。このため異物がラックブッシュ21よりも奥に進入することが阻止される。
ここで、本実施形態の構成においては、第1ベアリング61および第1シールリング51によって、ラックシャフト10のネジ軸部12が形成されている部分を覆うラックハウジング20内の空間と、図1において左側のブーツ32Lにより覆われた空間との連通が遮断されている。また、第2シールリング52によって、ラックシャフト10のネジ軸部12が形成されている部分を覆うラックハウジング20内の空間と、図1において右側のブーツ32Rにより覆われた空間との連通が遮断されている。このため両方のブーツ32R,32Lに覆われた空間はそれぞれ密閉空間とされ、両空間の連通は遮断されている。このような状態において、ラックシャフト10が軸方向移動し、ラックシャフト10の出し入れによってブーツ32R,32Lに覆われた空間容積が変動すると、一方のブーツが膨張して膨れ、他方のブーツが収縮して潰れるおそれがある。このような変形はブーツの機能上好ましくない。
これに対し、本実施形態のステアリング装置1においては、一端開口部16bが右側のブーツ32Rに覆われた空間に連通し、他端開口部16cが左側のブーツ32Lに覆われた空間に連通した連通路16がラックシャフト10内に形成されている。したがって、ラックシャフト10が軸方向移動した場合にブーツ32Rに覆われた空間の容積変動とブーツ32Lに覆われた空間の容積変動とが相殺される。よって、上記のようなブーツの膨れや潰れが起こることはない。
以上のように、本実施形態のステアリング装置1によれば、ラックシャフト10のラック部11とネジ軸部12との間の位置に設けられた第1シール部材としての第1シールリング51がその位置におけるラックシャフト10とモータシャフト41との間の隙間を封止している。この第1シールリング51により、ブーツ32Lが破れてその破損箇所から進入した異物が第1シールリング51よりも奥側に位置するネジ軸部12、ボールナット14およびボール15からなるボールネジ機構に進入することを阻止できる。また、ラックブッシュ21に取付けられた第2シール部材としての第2シールリング52がその位置におけるラックシャフト10とラックハウジング20(ラックブッシュ21)との間の隙間を封止している。この第2シールリング52により、ブーツ32Rが破れてその破損箇所から進入した異物が第2シールリング52よりも奥側に位置するボールネジ機構にまで進入することを阻止できる。このように、ブーツ32R,32Lのどちらが破れても、その破損箇所からラックハウジング20内に進入した異物がボールネジ機構にまで到達することはなく、異物からボールネジ機構を保護することができる。
また、第1ベアリング61がシールドベアリングとされている。第1ベアリング61は、図1においてモータシャフト41の左側端部外周を支持するベアリングであり、すなわち電動モータ40のステータ部42を挟んで第2シールリング52の配設位置とは反対側に位置するモータシャフト41の端部の外周に取付けられるベアリングである。この第1ベアリング61をシールドベアリングとすることにより、ブーツ32Lから進入した異物が第1ベアリング61よりも奥に(図1において右側に)位置するステータ部42を含む電動モータ40にまで進入することを阻止できる。また、第2シールリング52によって、ブーツ32Rが破れてそこから進入した異物が第2シールリング52よりも奥に(図1において左側に)位置する電動モータ40に進入することを阻止できる。このように、どちらのブーツが破れても、その破損箇所からラックハウジング20内に進入した異物が電動モータ40にまで到達することはなく、ラックハウジング20内に進入した異物から電動モータ40を保護することができる。
また、連通路16によりブーツ32Rに覆われた空間とブーツ32Lに覆われた空間とを連通している。このため、ラックシャフト10が軸方向移動した場合に連通路16を通じて両空間の空気が流通することにより、ラックシャフト10の軸方向移動によるブーツの膨れや潰れを防止することができる。また、第2シールリング52をラックブッシュ21に取付けたので、第2シールリング52によるシール位置がネジ軸部12に干渉することを避けることができる。
第1実施形態に係るステアリング装置を平面から見た部分断面図である。 図1におけるA部拡大図である。 図1におけるB部拡大図である。
符号の説明
1…ステアリング装置、10…ラックシャフト(転舵軸)、11…ラック部、11a…ラック歯、12…ネジ軸部、13…連結部、13a…溝、14…ボールナット(ナット部材)、16…連通路、16a…スリット状の溝、16b…一端開口部、16c…他端開口部20…ラックハウジング、20R,20L…開口端、21…ラックブッシュ、21a…溝、31R,31L…タイロッド、32R,32L…ブーツ、40…電動モータ、41…モータシャフト、42…ステータ部、51…第1シールリング、52…第2シールリング、61a…シールド部材、61…第1ベアリング(シールドベアリング)、62…第2ベアリング

Claims (3)

  1. 両端に連結したタイロッドを介して車輪に連結し、外周にネジ溝が形成されたネジ軸部およびラック歯が形成されたラック部を有するとともに、軸方向移動することにより車輪を転舵させる転舵軸と、
    車体に固定され、前記転舵軸の外周を覆うように前記転舵軸の軸方向に延びて筒状に形成され、前記転舵軸を軸方向移動可能に支持するとともに、前記転舵軸が突出可能となるように両端が開口したハウジングと、
    筒状に形成され、一端が前記ハウジングの開口端側に連結され他端が前記タイロッドの外周に連結されて、前記ハウジングから突出する前記転舵軸の端部を覆うように前記ハウジングの両端に装着されるブーツと、
    筒状であり前記転舵軸の外周を覆うように前記ハウジング内に配設され、前記転舵軸の軸回りを回転可能となるように前記ハウジングに支持されたモータシャフトと、前記モータシャフトの外周側に配置し前記ハウジングの内壁に固定されたステータ部とを有する電動モータと、
    前記モータシャフトに一体回転可能に連結され、ボールを介して前記ネジ軸部に螺合したナット部材と、を備えるステアリング装置において、
    前記転舵軸の前記ネジ軸部と前記ラック部との間の位置に配設され、その配設位置における前記転舵軸と前記モータシャフトとの間の隙間を封止する第1シール部材と、
    前記転舵軸の前記ネジ軸部を挟んで前記第1シール部材の配設位置とは反対側の位置に配設され、その配設位置における前記転舵軸と前記ハウジングとの間の隙間を封止する第2シール部材と、
    前記ハウジングの一方の開口端に装着された前記ブーツに覆われた空間と他方の開口端に装着された前記ブーツに覆われた空間とを連通する連通路と、
    を備えることを特徴とする、ステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のステアリング装置において、
    前記連通路は、前記転舵軸の内部に形成されており、前記連通路の一端は前記ハウジングの一方の開口端に装着された前記ブーツに覆われた空間に連通する位置に開口し、他端は前記ハウジングの他方の開口端に装着された前記ブーツに覆われた空間に連通する位置に開口することを特徴とする、ステアリング装置。
  3. 請求項1または2に記載のステアリング装置において、
    前記モータシャフトは、その両端側の外周であって前記ステータ部を挟んだ位置にてベアリングを介して回転可能に前記ハウジングに支持されており、且つ、前記ベアリングのうち、前記ステータ部を挟んで前記第2シール部材の配設位置とは反対側に位置する前記モータシャフトの端部の外周に取付けられるベアリングがシールドベアリングであることを特徴とする、ステアリング装置。
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