JP2009066934A - 光学素子成形型、これを用いて成形した成形品、及び光学素子成形型の製造方法 - Google Patents

光学素子成形型、これを用いて成形した成形品、及び光学素子成形型の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス型と型部材との間のクリアランスを小さくして、ガラス型の偏芯精度の劣化と面精度の劣化を防止する。
【解決手段】光学素子成形型10は、円柱状で成形面27a(及び46a)を有するガラス型26(及び44)を、固定型12(及び可動型14)に形成された孔18(及び34)に配置したものであり、ガラス型26(及び44)は、固定型12(14)の線膨張率αよりも大きい線膨張率αを有し、成形面27a(及び46a)を有する成形部27(及び46)と、この成形部27(及び46)と一体で加熱時に固定型12(14)に一体的に嵌合される嵌合部28(及び48)とを有し、加熱したときに成形部27(及び46)と固定型12(14)との間には隙間(g)を有し、嵌合部28(及び48)と固定型12(14)との間には隙間がなくなるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レンズ等の光学素子を成形する光学素子成形型、これを用いて成形した成形品、及び光学素子成形型の製造方法に関する。
従来、射出成形に用いるインサート型としてガラス製の型を用いたものが知られている。ガラス製の型は、超硬合金等からなる型と比較して、成形により精度の均一なガラス型を多量に得ることができる等の利点を有している。
このようなガラス製の成形型として、例えば特許文献1に記載された技術が公知である。この特許文献1によれば、複数のインサート型を、母型(マスタ型)によりガラス材料を押圧成形して作製している。これにより、精度の均一なインサート型を安価にして同時に多数個得られるというものである。
特開2005−305797号公報
しかしながら、特許文献1によれば、ガラス型を挿入する金属製の型部材と、この型部材とは線膨張率が異なるガラスとを組み合わせるのは困難である。例えば、ガラスの線膨張率が型部材の線膨張率よりも小さい場合は、型部材を加熱することによりガラス型と型部材との嵌合クリアランスが大きくなり、偏芯精度が低下してしまうからである。
本発明は斯かる課題を解決するためになされたもので、ガラス型と型部材との嵌め合いによる誤差を小さくして、ガラス型の偏芯精度の劣化と面精度の劣化を防止することができる光学素子成形型及びこれを用いて成形した成形品を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
柱状で成形面を有するガラス型を、型部材に形成された孔に配置した光学素子成形型において、
前記ガラス型は、前記型部材の線膨張率よりも大きい線膨張率を有し、成形面を有する成形部と、この成形部と一体で加熱時に前記型部材と一体的に嵌合される嵌合部と、を備え、
加熱したときに前記成形部と前記型部材との間には隙間を有し、前記嵌合部と前記型部材との間には隙間がなくなるように、前記ガラス型の外形及び前記型部材の前記孔の内径と、前記ガラス型及び前記型部材のそれぞれの線膨張率とが選択されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の光学素子成形型において、
前記ガラス型は円柱状であり、前記型部材の孔は円筒状であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の光学素子成形型において、
前記ガラス型は、前記型部材への挿入方向に対して垂直な前記嵌合部の断面形状が、前記型部材への挿入方向に対して垂直な前記成形部の断面形状よりも大きい段付き状に形成され、
前記型部材は、前記ガラス型の前記嵌合部に対応する部分と前記成形部に対応する部分とが段付き状に形成されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の光学素子成形型において、
前記ガラス型は、前記型部材への挿入方向に対して垂直な前記嵌合部の断面形状が、前記型部材への挿入方向に対して垂直な前記成形部の断面形状よりも大きい段付き状に形成され、
前記型部材は、前記ガラス型の前記嵌合部に対応する部分の孔の断面形状と前記成形部に対応する部分の孔の断面形状とが同一であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の光学素子成形型において、
前記ガラス型は、前記型部材への挿入方向に対して垂直な前記成形部の断面形状と、前記型部材への挿入方向に対して垂直な前記嵌合部の断面形状とが一定であり、
前記型部材は、前記ガラス型の前記成形部に対応する部分の孔の断面形状が、前記嵌合部に対応する部分の孔の断面形状よりも大きい段付き状に形成されていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の光学素子成形型の製造方法において、
請求項1〜5のいずれかに記載された前記ガラス型の前記成形面は、加熱、押圧によりマスタ型の形状を転写させて成形されることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の光学素子成形型の製造方法において、
請求項1〜5のいずれかに記載された前記ガラス型の外形は、加熱、押圧によりマスタ型の形状を転写させて成形されることを特徴とする。
請求項8に係る成形品の発明は、請求項1〜請求項5に記載の光学素子成形型を用いて成形されることを特徴とする。
本発明によれば、ガラス型と型部材との間のクリアランスを小さくして、ガラス型の偏芯精度の劣化を防止することができる。また、成形部と型部材との間で嵌合応力が発生しないようにしたので、面精度の劣化を防止することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第2の実施の形態の光学素子成形型の加熱前の断面図である。
この光学素子成形型10は、パーティングラインPLを挟んで対向配置された型部材としての固定型12と、可動型14とを有している。光学素子成形型10の略中央には、樹脂の注入口としてのスプルー16が形成されている。固定型12には、このスプルー16を挟んで略対称位置に、2対の段付き円筒状の段付き孔18が形成されている。
この段付き孔18は、大径の孔20と小径の孔22とが段差面24で接続されている。また、大径の孔20には、円柱状の固定側スペーサ25が嵌入されている。さらに、大径の孔20及び小径の孔22には、段差面24を挟んで段付き円柱状の固定側ガラス型26が嵌挿されている。
可動型14には、スプルー16を挟んで略対称位置に2対の貫通孔30が形成されている。この貫通孔30は、固定型12に形成された小径の孔22と略同一径の丸孔に形成されている。この貫通孔30には、型部材としての可動スリーブ32が摺動自在に嵌挿されている。この可動スリーブ32には、大径の孔36と小径の孔38とが段差面40で接続された段付き円筒状の段付き孔34が形成されている。
この大径の孔36には、円柱状の可動側スペーサ42が嵌挿されている。また、大径の孔36及び小径の孔38には、段差面40を挟んで段付き円柱状の可動側ガラス型44が嵌入されている。
そして、対向する固定型12の固定側ガラス型26と、可動型14の可動側ガラス型44と、の間には、キャビティ50が形成されている。このキャビティ50とスプルー16とは、溶融樹脂の流れの路にあたるゲート52及びランナ54を介して接続されている。これにより、スプルー16から溶融樹脂が射出されると、この溶融樹脂はランナ54及びゲート52を介してキャビティ50に注入される。
図2(a)(b)は、図1の要部拡大図を示すもので、図2(a)は、固定側ガラス型26と可動側ガラス型44との対向状態(型加熱前)を示し、図2(b)は、そのA−A方向の矢視図である。
同図2に示すように、固定側ガラス型26は、成形面27aを有する成形部27と、加熱時に固定型12の大径の孔20に一体的に嵌合される嵌合部28とを有している。ここで、嵌合部28は、固定側ガラス型26が固定型12へ挿入する挿入方向に対して垂直な断面形状が、成形部27の断面形状よりも大きく形成されている。
また、可動側ガラス型44は、成形面46aを有する成形部46と、加熱時に可動スリーブ32の大径の孔36に一体的に嵌合される嵌合部48とを有している。
この場合、固定側ガラス型26及び可動側ガラス型44は同じ材質が用いられ、例えばL−TIM28(オハラ製)を用いている。このガラスの線膨張率αはα=13×10−6である。
また、固定型12、可動スリーブ32、及び可動型14は、例えばマルテンサイト系ステンレスが用いられている。このマルテンサイト系ステンレスの線膨張率αはα=10×10−6である。
すなわち、固定側ガラス型26及び可動側ガラス型44の線膨張率αは、固定型12及び可動スリーブ32の線膨張率αよりも大きい。なお、固定型12、可動スリーブ32、及び可動型14は、同じ材質として説明したが、これに限らない。固定側ガラス型26及び可動側ガラス型44に対して所定の線膨張率を満たしていればよい。
そして、型の加熱前は、固定側ガラス型26にあっては、その成形部27と固定型12の段付き孔18の小径の孔22との間には隙間gを有し、固定側ガラス型26の嵌合部28と固定型12の段付き孔18の大径の孔20との間には隙間g’を有している。ここで、成形部27に対応する部分である小径の孔22は、固定側ガラス型26が固定型12へ挿入する挿入方向に対して垂直な断面形状が、嵌合部28に対応する部分である大径の孔20の断面形状よりも小さく形成されている。
同様に、型の加熱前は、可動側ガラス型44にあっては、その成形部46と可動スリーブ32の小径の孔38との間には隙間hを有し、可動側ガラス型44の嵌合部48と可動スリーブ32の大径の孔36との間には隙間h’を有している。
そして、後述する図3に示すように、型を加熱したときに、固定側ガラス型26にあっては、その成形部27と固定型12の段付き孔18の小径の孔22との間には隙間gを有し、固定側ガラス型26の嵌合部28と固定型12の段付き孔18の大径の孔20との間には隙間がないようにした。
同様に、型を加熱したときに、可動側ガラス型44にあっては、その成形部46と可動スリーブ32の段付き孔34の小径の孔38との間には隙間gを有し、可動側ガラス型44の嵌合部48と可動スリーブ32の段付き孔34の大径の孔36との間には隙間がないようにした。
すなわち、例えば固定側ガラス型26の場合、その嵌合部28の径を20mmとし、固定型12の大径の孔20との隙間(大径の孔20の径が大きい)を5μmで組み立てる。すると、150℃に加熱した時点で、嵌合部28と大径の孔20との間の締め代は3μmのしまり嵌めとなる。
一方、固定側ガラス型26の成形部27と固定型12の小径の孔22との間には、十分な隙間を有するようにする。このため、加熱時においても、固定側ガラス型26の成形部27と固定型12の小径の孔22との間は、しまり嵌めとはならない。このため、成形部27の成形面27aのエッジ部が欠けたり、面精度が劣化したりすることはない。
図3は、光学素子成形型10に溶融樹脂56を射出した状態を示す図である。
すなわち、パーティングラインPLを挟んで固定型12と可動型14とを対向配置した状態(型締め状態)で、不図示の射出機構によりスプルー16から溶融樹脂を射出する。射出された溶融樹脂は、ランナ54及びゲート52を通ってキャビティ50に注入される。射出後は、溶融樹脂に所定圧力を付与した状態で冷却する。製品にヒケが生じないようにするためである。
図4は、光学素子成形型10を型開きした状態を示す図である。
すなわち、冷却後、固定型12に対し可動型14を射出方向(図の左右方向)に移動させて型開きを行う。
これにより、成形品58が取り出されるが、この成形品58にはスプルー16、ランナ54、及びゲート52に注入されて固化した部分が一体的に連結されている。よって、最終的にこれらの部分を切除すれば、成形品58のみを得ることができる。こうして、光学素子成形型10を用いて成形された成形品58を得ることができる。
本実施形態によれば、線膨張率の関係で固定側ガラス型26(又は可動側ガラス型44)と固定型12(又は可動スリーブ32)との間のクリアランスを小さくするため、線膨張率が大きいガラスを用いることにより、ガラス型26,44の偏芯精度の劣化を防止することができる。
また、ガラス型26(又は44)を嵌合部28(又は48)と成形部27(又は46)に分けることにより、成形部27(又は46)には嵌合応力が発生しないので、成形面27a(又は46a)の面精度の劣化を防ぐことができる。
なお、本実施の形態では、ガラス型の形状を段付き円柱状としたが、これに限らず角柱状等にしても良い。このとき、型部材の孔の形状は、ガラス型の外形に対応するように形成すると良い。
(第2の実施の形態)
図5(a)〜図5(c)は、夫々第2の実施の形態の光学素子の成形型の固定型の加熱前の断面図、加熱後の断面図、側面図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
また、以下の各実施形態では、固定型12及び可動型14は同じ技術思想からなるので、可動型14については図示を省略して、固定型12についてのみ説明する。
固定側ガラス型26は、嵌合部28が大で成形部27が小の断面小判形の段付き状に形成されている。また、型部材としての固定型12は、固定側ガラス型26の嵌合部28に対応する部分の径が大で、成形部27に対応する部分の径が小の断面小判形の段付き状に形成されている。
本実施形態では、固定側ガラス型26としてS−BAL41(オハラ製)を用い、その線膨張率αはα=9.1×10−6、また、固定型12としてニッケルタングステン合金を用い、その線膨張率αはα=5.5×10−6である。
こうして、型の加熱前では、図5(a)に示すように、固定側ガラス型26の嵌合部28と固定型12との間、及び成形部27と固定型12との間には、いずれも所定の隙間g,g’が形成されている。
しかし、型の加熱後は、図5(b)に示すように、成形部27と固定型12との間には隙間gを有するようにし、嵌合部28と固定型12との間には隙間がないようにしている。これは、固定側ガラス型26の線膨張率α(大きい)と固定型12の線膨張率α(小さい)との差を利用したものである。
そして、型の加熱後は、嵌合部28と固定型12とはしまり嵌めの状態となっている。
また、型の加熱後の成形部27と固定型12との間の隙間gは、
0<g≦10μm
とするのがよい。
なお、隙間gが10μmよりも大きいと、ここに樹脂が入り込んでバリが生じるおそれがある。
本実施形態によれば、固定側ガラス型26と固定型12との間のクリアランスを小さくして、固定側ガラス型26の偏芯精度の劣化と面精度の劣化を防止することができる。また、固定側ガラス型26を嵌合部28と成形部27とに分けることにより、成形面27aの面精度の劣化を防止することができる。なお、可動側ガラス型44についても同様である。
また、固定側ガラス型26は段付き状になっていて、その段部が固定型12の段差面24に当接しているので、該固定側ガラス型26のキャビティ50側への飛び出しが防止される。また、固定側ガラス型26の段部を用いて軸方向(射出方向)の位置決めを行うことができる。
さらに、型の加熱後は、嵌合部28と固定型12とはしまり嵌めの状態となるので、接着剤や固定具等を用いて嵌合部28と固定型12とを接続する必要がなくなる。
また、成形部27には嵌合応力が発生しないので、成形面27aの面精度の劣化を防止することができる。
さらに、固定型12と固定側ガラス型26との線膨張率の差を利用して、嵌合部28と固定型12とをしまり嵌め状態としているので、固定側ガラス型26の嵌合部28が小径であってもしまり嵌めとすることができる。
(第3の実施の形態)
図6(a)〜図6(c)は、夫々第3の実施の形態の光学素子の成形型の固定型の加熱前の断面図、加熱後の断面図、側面図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
本実施形態では、固定型12に形成された孔18’は一定の孔径(ストレート孔)を有している。また、固定側ガラス型26は、嵌合部28が大で成形部27が小の断面小判形の段付き状に形成されている。
本実施形態では、固定側ガラス型26としてS−BAL41(オハラ製)を用い、その線膨張率αはα=9.1×10−6、また、固定型12としてニッケルタングステン合金を用い、その線膨張率αはα=5.5×10−6である。
こうして、型の加熱前では、図6(a)に示すように、固定側ガラス型26の嵌合部28と固定型12との間、及び成形部27と固定型12との間には、いずれも所定の隙間g,g’が形成されている。
しかし、型の加熱後は、図6(b)に示すように、成形部27と固定型12との間には隙間g1を有するようにし、嵌合部28と固定型12との間には隙間がないようにしている。これは、固定側ガラス型26の線膨張率α1(大きい)と固定型12の線膨張率α2(小さい)との差を利用したものである。
すなわち、型の加熱後は、嵌合部28と固定型12とはしまり嵌めの状態となっている。
また、型の加熱後の成形部27と固定型12との間の隙間gは、
0<g≦10μm
とするのがよい。
本実施形態によれば、固定側ガラス型26と固定型12との間のクリアランスを小さくして、固定側ガラス型26の偏芯精度の劣化を防止することができる。また、固定型12に形成された孔18’を一定の孔径とし、固定側ガラス型26は段付き状にしたので、固定型12の加工が容易となる。
また、成形部27には嵌合応力が発生しないので、成形面27aの面精度の劣化を防止することができる。
さらに、型の加熱状態では、固定型12と固定側ガラス型26との線膨張率の差を利用して、嵌合部28と固定型12とをしまり嵌め状態としているので、固定側ガラス型26が固定型12から飛び出すことはない。なお、可動側ガラス型44についても同様である。
(第4の実施の形態)
図7(a)〜図7(c)は、夫々第4の実施の形態の光学素子の成形型の固定型の加熱前の断面図、加熱後の断面図、側面図である。なお、第1の実施の形態と同一又は相当する部材には同一の符号を付して説明する。
本実施形態では、固定側ガラス型26は一定の外形(小判形の柱状)を有している。このストレートの固定側ガラス型26は、説明の便宜上、成形部27’と嵌合部28’とを有するものとする。また、固定型12は、固定側ガラス型26の成形部27’に対応する孔部分22’の孔径が大で、嵌合部28’に対応する孔部分20’の孔径が小の断面小判形の段付き状に形成されている。
本実施形態では、固定側ガラス型26としてS−BAL41(オハラ製)を用い、その線膨張率αはα=9.1×10−6、また、固定型12としてニッケルタングステン合金を用い、その線膨張率αはα=5.5×10−6である。
以上により、型の加熱前では、図7(a)に示すように、固定側ガラス型26の嵌合部28’と固定型12との間、及び成形部27’と固定型12との間には、いずれも所定の隙間g,g’が形成されている。
しかし、型の加熱後は、図7(b)に示すように、固定側ガラス型26の成形部27’と固定型12の孔部分22’との間には隙間gを有するようにし、固定側ガラス型26の嵌合部28’と固定型12の孔部分20’との間には隙間がないようにしている。これは、固定側ガラス型26の線膨張率α(大きい)と固定型12の線膨張率α(小さい)との差を利用したものである。
すなわち、型の加熱後は、嵌合部28’と固定型12の孔部分20’とはしまり嵌めの状態となっている。
また、型の加熱後の固定側ガラス型26の成形部27’と固定型12の孔部分22’との間の隙間gは、
0<g≦10μm
とするのがよい。
本実施形態によれば、固定側ガラス型26と固定型12との間のクリアランスを小さくして、固定側ガラス型26の偏芯精度の劣化を防止することができる。また、固定側ガラス型26は一定の外形とし、固定型12は段付き状にしたので、固定側ガラス型26の加工が容易となる。
また、成形部27’には嵌合応力が発生しないので、成形面27aの面精度の劣化を防止することができる。
さらに、型の加熱状態では、固定型12と固定側ガラス型26との線膨張率の差を利用して、嵌合部28’と固定型12とをしまり嵌め状態としているので、固定側ガラス型26が固定型12から飛び出すことはない。なお、可動側ガラス型44についても同様である。
(第5の実施の形態)
図8は、ガラス型の成形装置の部分断側面図である。
同図において、この成形装置60は、スライドシャフト61で連結された下ベース62と上ベース63を有している。スライドシャフト61には、下ベース62及び上ベース63と平行にプレス軸ベース64と加熱炉ベース65がスライドブッシュ66,67を介して連結されている。プレス軸ベース64と加熱炉ベース65は、上下に摺動自在に組み込まれている。
下ベース62には、下型68、マスタ型70、スリーブ72を含む型基材が載置可能な台座71が設けられている。この台座71は、ガラス型材料69を収容した型基材を保持可能に形成されている。
また、加熱炉ベース65には、加熱炉73が配設されている。この加熱炉73は、ガラス管74及びランプヒータ75を取り付けたリフレクタ(反射器)76を有し、このリフレクタ76の上部には、中心部にプレス軸77が挿通可能で気密な孔78aが設けられた加熱炉蓋78が取り付けられている。
この加熱炉73は、加熱炉ベース65とともに昇降自在に配置されている。すなわち、下降して台座71の外周に嵌合された状態では、型基材を気密に収容し、上昇して台座71から離間した状態では型基材が外気に露出される。
プレス軸ベース64の上面中心部は、フローティングジョイント79を介して上ベース63に取り付けられているプレスシリンダ80に取り付けられている。下面中心部には、プレス軸77が取り付けられており、プレス軸ベース64が上下に摺動することにより、マスタ型70を押圧可能に取り付けられている。
ガラス型材料69としては、S−BAL41(オハラ製)を用いる。そして、成形の際に、型基材を装置に装着するには、まず加熱炉73を上昇させた状態で、下型68にガラス型材料69を載置する。次に、これら下型68及びガラス型材料69をスリーブ72に挿入する。さらに、スリーブ72に下型68の反対側からマスタ型70を挿入する。次いで、このガラス型材料69を収容した型基材を台座71に載置する。
その後、加熱炉73を下降させて型基材を包囲し、炉の内部を窒素置換する。これは、型基材やガラス型材料69の酸化を防止するためである。その後、ランプヒータ75に通電し600℃に加熱する。この加熱後、プレスシリンダ80を駆動し、マスタ型70をガラス型材料69に接近移動させて該ガラス型材料69を押圧成形する。
その後、炉内を所定温度に冷却する。この冷却中は炉内を545℃で一定時間保持し、その後、さらに低温で冷却する。
これにより、図9(a)に示すように、マスタ型70の形状をガラス型材料69に反転転写したガラス型81が得られる。このガラス型81は軸方向の一端側に成形面69aを有している。そして、このガラス型81が、前述した固定側ガラス型26や可動側ガラス型44として用いられる。
こうして得られたガラス型81は、外径精度はスリーブ72の径に依存し、同じ条件で成形するため寸法のばらつきは非常に小さい。また、成形面の精度もマスタ型70の形状が転写されているため、ガラス型としてそのまま利用することができる。
なお、成形時のうねりが発生した場合、面精度がだしにくい材料に関しては、概略形状を成形により形成し、その後、機械加工で成形面を加工してもよい。
また、段付きのガラス型82を得るには、図9(b)に示すように、図8の装置を用いた成形の際に、下型68としてガラスを用い、このガラス製の下型68とガラス型材料69とを接合すればよい。
本実施形態によれば、ガラス型81(又は82)の成形面69aは、マスタ型70の形状を加熱、押圧することにより反転転写させて形成される。このため、マスタ型70の転写面と略同じ均一な成形面69aを有するガラス型81(又は82)を得ることができる。
また、ガラス型81(又は82)の外形は、マスタ型70の形状を加熱、押圧することにより反転転写させて形成される。このため、マスタ型70と略同一の形状のガラス型81(又は82)を得ることができる。
第2の実施の形態の光学素子成形型の加熱前の断面図である。 (a)は、固定側ガラス型と可動側ガラス型との対向状態(型加熱前)を示す図、(b)は、そのA−A方向の矢視図である。 光学素子成形型に溶融樹脂を射出した状態を示す図である。 光学素子成形型を型開きした状態を示す図である。 (a)(b)(c)は、夫々第2の実施の形態の光学素子の成形型の固定型の加熱前の断面図、加熱後の断面図、側面図である。 (a)(b)(c)は、夫々第3の実施の形態の光学素子の成形型の固定型の加熱前の断面図、加熱後の断面図、側面図である。 (a)(b)(c)は、夫々第4の実施の形態の光学素子の成形型の固定型の加熱前の断面図、加熱後の断面図、側面図である。 ガラス型の成形装置の部分断側面図である。 (a)(b)は、夫々成形装置により得られたガラス型の断面図である。
符号の説明
10 光学素子成形型
12 固定型
14 可動型
16 スプルー
18 段付き孔
18’ 一定の孔
20 孔(大径)
22 孔(小径)
24 段差面
25 固定側スペーサ
26 固定側ガラス型
27 成形部
27a 成形面
28 嵌合部
30 貫通孔
32 可動スリーブ
34 段付き孔
36 孔(大径)
38 孔(小径)
40 段差面
42 可動側スペーサ
44 可動側ガラス型
46 成形部
46a 成形面
48 嵌合部
50 キャビティ
52 ゲート
54 ランナ
56 溶融樹脂
58 成形品
60 成形装置
68 下型
69 ガラス型材料
70 マスタ型
81 ガラス型
81a 成形面
82 ガラス型

Claims (8)

  1. 柱状で成形面を有するガラス型を、型部材に形成された孔に配置した光学素子成形型において、
    前記ガラス型は、前記型部材の線膨張率よりも大きい線膨張率を有し、成形面を有する成形部と、この成形部と一体で加熱時に前記型部材と一体的に嵌合される嵌合部と、を備え、
    加熱したときに前記成形部と前記型部材との間には隙間を有し、前記嵌合部と前記型部材との間には隙間がなくなるように、前記ガラス型の外形及び前記型部材の前記孔の内径と、前記ガラス型及び前記型部材のそれぞれの線膨張率とが選択されている
    ことを特徴とする光学素子成形型。
  2. 前記ガラス型は円柱状であり、前記型部材の孔は円筒状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子成形型。
  3. 前記ガラス型は、前記型部材への挿入方向に対して垂直な前記嵌合部の断面形状が、前記型部材への挿入方向に対して垂直な前記成形部の断面形状よりも大きい段付き状に形成され、
    前記型部材は、前記ガラス型の前記嵌合部に対応する部分と前記成形部に対応する部分とが段付き状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子成形型。
  4. 前記ガラス型は、前記型部材への挿入方向に対して垂直な前記嵌合部の断面形状が、前記型部材への挿入方向に対して垂直な前記成形部の断面形状よりも大きい段付き状に形成され、
    前記型部材は、前記ガラス型の前記嵌合部に対応する部分の孔の断面形状と前記成形部に対応する部分の孔の断面形状とが同一である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子成形型。
  5. 前記ガラス型は、前記型部材への挿入方向に対して垂直な前記成形部の断面形状と、前記型部材への挿入方向に対して垂直な前記嵌合部の断面形状とが一定であり、
    前記型部材は、前記ガラス型の前記成形部に対応する部分の孔の断面形状が、前記嵌合部に対応する部分の孔の断面形状よりも大きい段付き状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子成形型。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の光学素子成形型の製造方法において、
    請求項1〜5のいずれかに記載された前記ガラス型の前記成形面は、加熱、押圧によりマスタ型の形状を転写させて成形される
    ことを特徴とする光学素子成形型の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の光学素子成形型の製造方法において、
    請求項1〜5のいずれかに記載された前記ガラス型の外形は、加熱、押圧によりマスタ型の形状を転写させて成形される
    ことを特徴とする光学素子成形型の製造方法。
  8. 請求項1〜請求項5に記載の光学素子成形型を用いて成形される
    ことを特徴とする成形品。
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