JP2009065209A - 光センサ、光センサの読取方法、マトリクス型光センサ回路および電子機器 - Google Patents
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Abstract
映した値をより正確に得る。
【解決手段】走査線131と読出線121との交差部に設けられるセル回路100は、入
射光量に応じて流れる電流が変化するフォトダイオード112と、ゲートがフォトダイオ
ード112のカソードに接続され、ソースが走査線131に接続され、ドレインが読出線
121に接続されたTFT114とを有する。走査線131が選択される初期化期間では
、フォトダイオード112は順バイアスとなり、TFT114のゲートを所定の電圧に初
期化する。
【選択図】図1
Description
関する。
、液晶素子や有機EL素子などをマトリクス状に配列させた表示パネルが広く用いられて
いる。この表示パネルは、日光のように極めて明るい状態から夜間のように外光がほとん
どない状態まで様々な環境下で使用される。このため、外光にかかわらず表示素子の明る
さや画質が一定であると、ある条件では見易いが、他の条件では非常に見辛くなってしま
う、という不具合が発生する。そこで、このような表示パネルでは、外光を検出するとと
もに、その検出結果に合わせて明るさや画質を制御するのが望ましい、と考えられる。
このような制御において、外光の検出にはフォトダイオードのような受光素子が用いら
れるが、受光素子を表示パネルとは別に設けると、電子機器において受光素子を実装する
スペースが余計に必要となったり、受光素子において外光を検出するための開口部を設け
る必要が生じたりするなどの問題が生じる。
スタと共通プロセスによって、受光素子と、当該受光素子を選択するためのトランジスタ
との組を形成して、表示パネル自体で外光を検出する技術が考えられる。具体的には、走
査線と読出線との交差部分に受光素子とトランジスタとの組を配置させるとともに、いず
れか1つの走査線を選択して、選択した走査線に位置する組のトランジスタをオンさせ、
当該組の受光素子の出力を、読出線を介し読み取る技術が考えられる。
この技術では、走査線の選択に伴うノイズが読出線に混入して光量検出の精度を低下さ
せるので、当該ノイズを検出するとともに、検出したノイズを反転し読出線に供給するこ
とによって、当該読出線に現れるノイズを相殺する技術も提案されている(特許文献1参
照)。
にトランジスタのゲートや読出線に多くの容量が寄生する。このため、受光素子の出力信
号を読み取る際に、ゲート容量や読出線において寄生容量に対する充放電のために、読取
側で受光素子の出力を正確に抽出することができない、といった問題が生じた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、寄生容量
の影響を少なくして、受光素子の出力を反映した値を正確に得ることが可能な光センサ、
光センサの読取方法、マトリクス型光センサ回路および電子機器を提供することにある。
られた光センサであって、両端子間に流れる電流が入射光量に応じて変化する受光素子と
、ゲートが前記受光素子の一端に接続され、ソースまたはドレインの一方が前記走査線に
接続され、ソースまたはドレインの他方が前記読出線に接続されたトランジスタとを有し
、前記走査線が選択される初期化期間において前記ゲートに所定の初期化電圧が印加され
、当該初期化電圧の印加が解除された後、前記読出線の電圧に基づいて前記受光光量に応
じた結果を出力することを特徴とする。この構成によれば、読み取りの前に、トランジス
タのゲートに初期化電圧を印加して初期化するので、当該トランジスタのゲートに寄生す
る容量の影響を少なくすることができる。
本発明に係る光センサにおいて、前記初期化電圧の印加が解除されてから、前記読出線
の電圧が予め設定されたしきい値電圧に達するまでの時間を前記受光光量に応じた結果と
して出力する構成としても良い。
本発明に係る光センサにおいて、前記受光光量に応じた結果として出力する前に、前記
読出線に所定の電圧を印加する第1スイッチング素子を有する構成としても良い。この構
成によれば、当該読出線に寄生する容量の影響も少なくすることができる。
本発明に係る光センサにおいて、前記受光素子は、前記初期化期間では順バイアスとな
って、前記トランジスタのゲートに前記初期化電圧を印加する一方、前記初期化期間終了
後では逆バイアスとなるダイオード素子である構成が好ましい。この構成では、順バイア
スされた受光素子によりトランジスタのゲートに電圧が印加されて初期化されるので、構
成の簡易化を図ることができる。
イオード接続させるとともに、前記トランジスタのゲートに、当該トランジスタのしきい
値電圧に応じた電圧を印加する第2スイッチング素子を有する構成としても良い。この構
成によれば、トランジスタのしきい値電圧特性の影響も少なくすることができる。
この第2スイッチング素子は、走査線に供給される電圧レベルに応じてオンまたはオフ
する構成が好ましい。
本発明に係る光センサにおいて、前記読出線に一端が接続された容量と、前記初期化期
間にて容量の両端を短絡させる第3スイッチング素子とを有し、当該初期化電圧の印加が
解除された後において、前記容量の他端に現れる電圧を前記測定結果として出力する構成
としても良い。
また、上記光センサは、光センサの読取方法としても概念することができる。
複数の読出線とに対応して設けられたセル回路と、複数の走査線のうち、初期化期間では
一の走査線を選択し、続く検出期間では走査線のすべてを非選択とし、次の初期化期間で
は別の走査線を選択する走査回路と、選択された走査線に位置する光センサの出力信号を
、検出期間における読出線の電圧または前記読出線に流れる電流を読み取る読取回路とを
有し、前記セル回路の各々は、両端子間に流れる電流が入射光量に応じて変化する受光素
子と、ゲートが前記受光素子の一端に接続され、ソースまたはドレインの一方が前記走査
線に接続され、ソースまたはドレインの他方が前記読出線に接続されたトランジスタとを
有することを特徴とする。この構成によれば、上記光センサと同様にして、トランジスタ
のゲートに寄生する容量の影響を少なくすることができる。
また、本発明に係る電子機器は、前記光センサ、または、前記マトリクス光センサ回路
を有するので、表示パネル内に作り込むことが容易となる。
まず、本発明の第1実施形態に係る光センサについて説明する。図1は、この光センサ
の要部構成を示す図である。
この図に示される光センサ10に含まれるセル回路100は、例えば図3(a)に示さ
れるように、液晶パネルや有機ELパネルの基板上において、表示領域50の外側周縁に
位置する額縁52の四隅のうちの2箇所に設けられたものである。ここで、表示領域50
とは、表示に寄与する画素の配列領域である。なお、この表示パネルは、TFTで画素を
スイッチングするアクティブマトリクス型であるが、その構成については、本発明と特に
関係ないので説明を省略する。
応して設けられ、フォトダイオード112およびTFT114を有する。このうち、TF
T(トランジスタ)114はpチャネル型であり、上記表示パネルにおいて画素をスイッ
チングするTFTと同一プロセスにて形成されたものである。このTFT114のドレイ
ン(D)は、走査信号Scan-iが供給される走査線131に接続される一方、TFT11
4のソース(S)は、読出線121に接続されている。なお、走査信号Scanのサフィッ
クス(-i)の意味については後述する。
一方、TFT114のゲートは、フォトダイオード112のカソードに接続されている
。このフォトダイオード112は例えばPIN型であり、TFT114や、上記表示パネ
ルにおいて画素をスイッチングするTFTと共通プロセスにて形成される。また、フォト
ダイオード112のアノードは、走査線131に接続されている。
ノードNと表記するとともに、このノードNに寄生する容量を、図1において破線で示さ
れるようにCbと表すことにする。
また、フォトダイオード112は受光素子の一例であり、受光光量に応じて流れる電流
が変化する素子であれば適用可能である。
いる。ここで、読出線121は、表示パネルに形成されているので、容量が寄生する。図
1では、この寄生容量が破線のCaで示されている。
電圧計123は、電圧の基準となる電位Gndと読出線121の電位差(電圧)を計測
して、その計測結果Read-jを、図示しない制御系に出力するものである。なお、計測結
果Read-jのサフィックス(-j)の意味については後述する。
スイッチ125(第1スイッチング素子)は、制御信号RstがHレベルの場合のみ一端
および他端間においてオンするものであり、当該他端は電圧V1を供給する基準電圧源1
25の正極端子に接続されている。
なお、基準電圧源125の負極端子は電位Gndに接地されている。また、制御信号R
stは、図示しない構成から供給され、走査信号Scan-iが電圧V1(Hレベル)となった場
合に、Hレベルとなる。
するための各部の電圧波形図である。
この図に示されるように光センサ10では、まず、初期化期間において、走査信号Sca
n-iがHレベルとなる。このため、フォトダイオード112は順バイアスとなる。ここで
、フォトダイオード112の順バイアス方向のしきい値電圧をVthphで表すと、ノードN
(TFT114のゲート、フォトダイオード112のカソード)には、Hレベルに相当す
る電圧V1からしきい値電圧Vthphを減じた電圧(V1−Vthph)が初期化電圧として印加
される。なお、この初期化電圧(V1−Vthph)は、寄生容量Cbによって保持される。
一方、初期化期間において走査信号Scan-iがHレベルになると、制御信号RstもHレ
ベルとなるので、スイッチ125がオンする。このため、読出線121も電圧V1となる
。
すると、フォトダイオード112は逆バイアスとなる。このため、フォトダイオード11
2には、受光光量に応じた電流が流れて、容量Cbに蓄積された電荷がリークする結果、
ノードNは、初期化電圧(V1−Vthph)から低下する。この際、フォトダイオード11
2への入射光量が多くなるにつれて、ノードNの電圧低下率が大きくなる。
ノードNの電圧が低下するにつれて、pチャネルTFT114のソース・ドレイン間の
抵抗が小さくなる。このため、読出線121には、容量Caによって保持された電荷が読
出線121→TFT114→走査線131という経路でリークするので、読出線121は
、電圧V1から、フォトダイオード112への受光光量が多いほど、時間的に速く低下す
ることになる。
したがって、初期化期間後における読出線121の電圧変化を解析することで、フォト
ダイオード112への入射光量を反映した値を取得することができる。例えば制御系にお
いて、計測結果Read-jと予め設定したしきい値電圧Vthとの大小関係を比較するととも
に、初期化期間終了後から、電圧Read-jがしきい値電圧Vthに達するまでの時間を計測
することにより、フォトダイオード112への入射光量を反映した値を取得することがで
きる。そして、制御系は、取得した値に応じて、画素の明るさや画質を調整することによ
って、使用環境に応じて表示パネルの特性を適切に制御することが可能となる。
h)を印加した後に、フォトダイオード112の受光光量に応じた出力を当該ゲートに入
力するので、TFT114の寄生容量Cbによる影響を受けにくい。同様に、初期化期間
において読出線121を電圧V1にプリチャージした後に、フォトダイオード112の受
光光量に応じた出力を読み取るようにしているので、読出線121の寄生容量Caによる
影響も受けないで、フォトダイオード112への入射光量を反映した値を正確に取得する
ことができる。
すなわち、受光光量が刻々と変化するような環境下において一定周期で繰り返し計測す
るような場合、初期化しない構成では各計測タイミングにおいて、ゲートは容量Cbによ
って、読出線121は容量Caによって、それぞれ何らかの電圧に保持されているので、
初期状態が確定せず、充放電に伴う電圧変化を正確に計測できない。これに対して本実施
形態では、ゲート電圧、読出線121の電圧状態を、それぞれ初期化期間において確定さ
せてから、フォトダイオード112の受光光量に応じた出力を読み取るようにしているの
で、容量Ca、Cbが寄生しても、その影響を受けにくいのである。
められた電圧でさえあれば良いので、電圧V1に限られる必要はない。
また、表示パネルに対して光センサ10は、図3(a)に示されるほか、例えば図3(
b)に示されるように、額縁52において均等に複数配置したり、図3(c)に示される
ように、表示領域50における四隅のうち2箇所以上に配置したりしても良い。
次に、本発明の第2実施形態に係る光センサについて、図4を参照して説明する。
この図に示されるセル回路100が、図1に示した第1実施形態と相違する点は、主に
、第1にTFT118(第2スイッチング素子)を有する点と、第2に給電線142を有
する点とである。まず、第1の相違点について説明すると、TFT118のドレインは、
ノードNに接続される一方、TFT118のソースは給電線142に接続され、TFT1
18のゲートは走査線131に接続されている。次に、第2の相違点について説明すると
、給電線142は、電源電圧の低位側電圧Vssを給電するものであり、TFT114のド
レインが接続されている。
また、フォトダイオード112のアノードは一定電圧にバイアスされる一方、ノードN
と給電線142との間に容量Ccが電気的に介挿される。
他については、第1実施形態と同様な構成となっている。
するための各部の電圧波形図である。
まず、初期化期間において、走査信号Scan-iがHレベルとなるので、TFT118が
オンする結果、TFT114がダイオード接続となる。一方、読出線121は、初期化期
間では第1実施形態と同様に、電圧V1に初期化される。このため、電流が読出線121
→TFT114→給電線142という経路で流れるので、ノードNは、フォトダイオード
112の受光光量とはほぼ関係なく、電圧V1からTFT114のしきい値電圧Vthpを差
し引いた電圧(V1−Vthp)となる。第2実施形態では、この電圧(V1−Vthp)が初期
化電圧となる。そして、ノードNの電圧(V1−Vthp)は、容量Ccによって保持される
。
オフするので、フォトダイオード112には、受光光量に応じた電流が流れて、容量Cc
に蓄積された電荷がリークする結果、ノードNは、初期化電圧(V1−Vthp)から低下す
る。
ここで、ノードNの電圧が低下するにつれて、pチャネルTFT114のソース・ドレ
イン間の抵抗が小さくなる。このため、読出線121には、容量Caによって保持された
電荷が読出線121→TFT114→給電線142という経路でリークするので、読出線
121は、電圧V1から、フォトダイオード112への受光光量が多いほど、時間的に速
く低下することになる。
したがって、第2実施形態においても、初期化期間後における読出線121の電圧変化
を解析することで、フォトダイオード112への入射光量を反映した値を取得することが
できる。
わちTFT114のしきい値電圧Vthpを反映させた電圧から電圧変化させているので、
TFT114のしきい値電圧Vthpが、読出線121における電圧変化に影響を与えない
。
この点について詳述すると、初期化期間終了後の、ある時刻におけるノードNの電圧低
下分をΔVとしたとき、当該時刻におけるノードNの電圧Vgは、次式のように表すこと
ができる。
Vg=V1−Vthp−ΔV ……(a)
まり、次のように示される。
I=(β/2)(V1−Vg−Vthp)2……(b)
なお、この式においてβは、TFT114の利得係数である。
式(b)に式(a)を代入して整理すると、
I=(β/2)(ΔV)2……(c)
となる。この式(c)に示されるように、初期化期間後においてTFT114に流れる
電流Iは、TFT114のしきい値Vthpに依存することなく、電圧変化分ΔVのみによ
って定まることになる。したがって、読出線121における電圧は、TFT114のしき
い値Vthpに依存しないで、電圧変化分ΔV(すなわち、フォトダイオード112の受光
光量)のみによって変化するので、セル回路100を複数設ける場合に、TFT114の
しきい値電圧Vthp特性のバラツキによる影響を少なくすることが可能となる。
nチャネル型としても良い。TFT114をnチャネル型とする場合には、ソース、ドレ
インの接続先が入れ替えられる。
次に、本発明の第3実施形態に係る光センサについて、図6を参照して説明する。
この図に示されるセル回路100が、図4に示した第2実施形態と相違する点は、主に
、第1に、給電線142に替えて、補助走査信号Vread-iが供給される補助走査線141
が設けられている点と、第2に、読出線121の一端に差電圧出力回路150が設けられ
ている点とである。なお、本実施形態では、TFT114をnチャネル型としてある。
第2の相違点について説明すると、差電圧出力回路150は、容量Cd、スイッチ12
5、152(第3スイッチング素子)およびアンプ154を含む構成である。このうち、
容量Cdの一端は、読出線121の一端およびスイッチ125の一端にそれぞれに接続さ
れている。一方、容量Cdの他端は、スイッチ152の一端およびアンプ154の入力端
にそれぞれ接続されている。スイッチ125、152は、制御信号RstがHレベルになっ
たときに、ともにオンするものであり、両者の他端は電位Gndに共通接地されている。
すなわち、スイッチ125のオンにより読出線121が接地電位Gndに初期化されると
ともに、スイッチ152のオンにより容量Cdに蓄積された電荷がクリアされる構成とな
っている。
アンプ154は、容量Cdの他端に現れる電圧を増幅し差電圧Dif-jとして出力するも
のである。
他については、第2実施形態と同様な構成となっている。
するための各部の電圧波形図である。
まず、初期化期間において、走査信号Scan-iがHレベルになると、TFT118がオ
ンする結果、TFT114がダイオード接続となる。また、初期化期間では、補助走査信
号Vread-iがHレベルになるので、スイッチ125、152がオンする。このため、読出
線121は、電位Gndに初期化されるとともに、容量Cdに蓄積された電荷もクリアさ
れる。したがって、アンプ154の出力である差電圧Dif-jは、この電荷のクリアにした
がって電位Gndに低下する。
さらに、補助走査信号Vread-iがHレベルになることにより、電流が補助走査線141
→TFT114→読出線121という経路で流れるので、ノードNは、フォトダイオード
112の受光光量とはほぼ関係なく、TFT114のしきい値電圧Vthnとなる。
なるが、補助走査信号Vread-iはHレベルを維持する。
走査信号Scan-iがLレベルになることによってTFT118がオフするとともに、制
御信号RstがLレベルになることによってスイッチ125、152がオフする。一方、補
助走査信号Vread-iがHレベルを維持するので、TFT114のソース・ドレイン間の導
通状態は、ノードNの電圧に応じて定められることになる。ここで、ノードNの電圧は、
フォトダイオード112への受光光量が多いほど低くなって、TFT114のソース・ド
レイン間の抵抗値を大きくさせることになる。
読出線121は、電位Gndに初期化された後に、TFT114のソース・ドレイン間
の抵抗値に応じてHレベルの補助走査信号Vread-iに引っ張られるので、フォトダイオー
ド112への受光光量が多いほど電圧上昇率が低くなる。容量Cdの他端には、この電圧
変化に応じた電圧が現れて、この電圧を差電圧Dif-jとしてアンプ154が出力すること
になる。
される差電圧Dif-jは、TFT114のゲートに寄生する容量(図6では図示省略)や、
読出線121に寄生する容量Caによる保持された電圧の影響をほぼ受けずに出力される
。また、第3実施形態でも、初期化期間後においてTFT114のソース・ドレイン間に
流れる電流は、第2実施形態と同様にTFT114のしきい値電圧Vthnに依存しないの
で、差電圧Dif-jも、TFT114のしきい値電圧Vthp特性のバラツキによる影響を受
けにくい。このため、例えばセル回路100を複数設ける場合に、TFT114のしきい
値電圧Vthpのバラツキをキャンセルして、差電圧Dif-jの出力特性をセル回路毎に揃え
ることが可能となる。
なお、補助走査信号Vread-iがLレベルである期間では、電流が上記経路にしたがって
流れないので、第3実施形態では、読出禁止期間となる。
また、第3実施形態では、TFT114をnチャネル型としたが、pチャネル型として
も良い。
上述した第1〜第3実施形態では、説明の便宜上、セル回路100を単数としたが、実
際には複数個である方が、実用的である。そこで、第4実施形態として、セル回路100
を複数個設けたマトリクス型光センサ回路について説明することにする。図8は、このマ
トリクス型光センサ回路の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、マトリクス型光センサ回路20では、複数本の走査線131
が横方向(X方向)に延接される一方、複数本の読出線121が図において縦方向(Y方
向)に延設されている。そして、これらの走査線131と読出線121との交差の各々に
対応するようにセル回路100がそれぞれ設けられている。
ここで説明の便宜上、本実施形態では、走査線131の本数(行数)を「m」とし、読
出線121の本数(列数)を「n」として、セル回路100が、縦m行×横n列のマトリ
クス状に配列する構成を想定する。ただし、本発明をこの配列に限定する趣旨ではない。
、ここでは、第3実施形態のセル回路100(図6参照)を適用した構成を想定する。し
たがって、1行〜m行の走査線131の各々に対応するように、補助走査線141がそれ
ぞれ設けられている。
対して、Hレベルの走査信号を供給するとともに、この選択に同期した補助走査信号を、
補助走査線141に供給するほか、この選択に同期した制御信号Rstを出力するものであ
る。ここで、説明の便宜上、i行目(iは、1≦i≦mを満たす整数であり、行を一般化
して説明するためのもの)の走査線131に供給される走査信号をScan-iと表記する。
同様に、i行目の補助走査線141に供給される補助走査信号をVread-iと表記する。
制御信号Rstが供給されている。ここで、説明の便宜上、j列目(jは、1≦j≦nを満
たす整数であり、列を一般化して説明するためのもの)の読出線121の差電圧出力回路
150から出力される差電圧が、図8においてDif-jと表記されている。読取回路26は
、各読出線121に対応する差電圧出力回路150から出力される差電圧Dif-1、Dif-2
、Dif-3、…、Dif-nを読み取って、図示が省略された制御系に出力する構成となってい
る。
なお、この構成において制御信号Rstは、走査信号Scan-1、Scan-2、Scan-3、…
、Scan-mの論理和信号に相当する。
図9は、マトリクス型光センサ回路20の動作を説明するためのタイミングチャートであ
る。
この図に示されるように、走査回路24は、1行〜m行の走査線131を、一定間隔を
置いて順番に1本ずつ選択して、選択した走査線131に対しHレベルの走査信号を供給
するとともに、走査線131の選択後、当該走査線131に対応する補助走査線141へ
の補助走査信号を、次の走査線131を選択するまでHレベルとする。
したがって、このマトリクス型光センサ回路20では、走査線131の選択時において
TFT114のゲートと読出線121とが初期化されるとともに、初期化後に読出線12
1の電圧を検出する動作が、各行のセル回路100について順番に時分割的に実行される
ことになる。
リクス状に配列したが、第1実施形態に係るセル回路100(図1参照)を適用する場合
には、補助走査線141および差電圧出力回路150や、これらに付帯する構成が不要と
なる。また、第2実施形態に係るセル回路100(図4参照)を適用する場合には、補助
走査線141を電位一定の給電線142とすれば良く、差電圧出力回路150や、これに
付帯する構成が不要となる。
る機能しか有していなかったが、表示パネルの画素の機能を含むように構成しても良い。
例えば、図10に示されるように、セル回路100に、液晶素子180と、当該液晶素
子に保持される電圧を書き込むためのTFT170とを含ませても良い。ここで、液晶素
子180は、良く知られているように、画素毎に個別化された画素電極と、各画素にわた
って共通であって一定の電圧LCcomが印加された共通電極とによって液晶を挟持し、両
電極間の電圧実効値に応じて反射光量または透過光量が変化する構成となっている。また
、nチャネル型のTFT170のゲートは、走査線131に接続され、ソースはデータ線
172に接続され、ドレインは液晶素子180の画素電極に接続されている。なお、給電
線142には、電圧Vcomが印加されている。
他的に実行され、表示モードにあって、走査線131がHレベルになると、TFT170
がオンして、データ線172に供給されたデータ信号Dataの電圧が液晶素子180の画
素電極に書き込まれて、当該液晶素子の反射光量または透過光量が当該電圧に応じて変化
する。
また、受光量検出モードにあって、走査線131がHレベルになると、TFT170が
オンして、データ線172に供給された初期化電圧がTFT114のゲートに印加される
一方、走査線131がLレベルになると、TFT114のゲートは、フォトダイオード1
12への受光光量に応じた電圧となって、当該電圧に応じた電圧が読出線121に現れる
構成となっている。
この図に示される構成では、TFT114のゲート(ノードN)と、第1走査線135
との間に、TFT119が介挿されて、当該TFT119のゲートが第2走査線136に
接続されるとともに、読出線121が図10におけるデータ線172の機能を兼用した構
成となっている。
そして、この構成においても、表示モードと受光量検出モードとが排他的に実行される
。このうち、表示モードにあって、第1走査線135と第2走査線136とがともにHレ
ベルとなると、TFT114、119がともにオンして、読出線121に供給されたデー
タ信号Dataの電圧が液晶素子180の画素電極に書き込まれて、当該液晶素子の反射光
量または透過光量が当該電圧に応じて変化する。
また、受光量検出モードにあっては、第2走査線136がHレベルになると、TFT1
19がオンして、読出線121に供給された初期化電圧がTFT114のゲートに印加さ
れて初期化される一方、第2走査線136がLレベルになると、TFT114のゲートは
、フォトダイオード112への受光光量に応じた電圧となって、当該電圧に応じた電圧が
読出線121に現れる構成となっている。
セル回路100(すなわち、受光光量をセンシングする機能とともに、表示パネルの画素
の機能を含ませるセル回路100)とする必要はない。例えば、マトリクス状に配置する
すべてのセル回路については、液晶素子180のような画素の機能を持たせる一方で、受
光光量をセンシングするための機能については、数〜数百個の画素に対して1つの割合で
持たせる構成としても良い。このように構成すると、受光光量をセンシングする機能のた
めに、画素の開口率が低下することを防止することができる。
ション(FE)素子、LEDなどの他の発光素子、さらには、電気泳動素子、エレクトロ
・クロミック素子などを表示素子として用いても良い。
て説明する。図12は、この電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話1100は、複数の操作ボタン1102のほか、受話口11
04、送話口1106とともに、表示部として、上述した光センサ10を有する表示パネ
ル40を備えるものである。
このような構成によれば、表示パネル内に光センサを作り込むことができるので、別途
の開口部や受光素子を設けるための実装スペースが不要となる。
また、表示パネル40として、受光光量をセンシングする機能と表示パネルの画素の機
能とを有するセル回路100をマトリクス型に配列させたマトリクス型光センサ回路20
を用いても良い。このようなマトリクス型光センサ回路20を用いると、表示領域の一部
にのみ光が照射された場合であっても、表示領域の明るさや画質が各領域に均等となるよ
うに制御することが可能となる。
ビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装
置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、
POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子
機器の表示部として、上述したマトリクス型光センサ回路20が適用可能なのは言うまで
もない。また、直接画像や文字などを表示する電子機器の表示部に限られず、被感光体に
光を照射することにより間接的に画像もしくは文字を形成するために用いられる印刷機器
の光源、例えばLEDプリンタのラインヘッドに適用してもよい。
域、100…セル回路、112…フォトダイオード、114…TFT(トランジスタ)、
118…TFT(第2スイッチング素子)、125…スイッチ(第1スイッチング素子)
、121…読出線、131…走査線、141…補助走査線、150…差電圧検出回路、1
52…スイッチ(第3スイッチング素子)、1100…デジタルスチルカメラ。
Claims (10)
- 走査線と読出線とに対応して設けられた光センサであって、
両端子間に流れる電流が入射光量に応じて変化する受光素子と、
ゲートが前記受光素子の一端に接続され、ソースまたはドレインの一方が前記走査線に
接続され、ソースまたはドレインの他方が前記読出線に接続されたトランジスタと
を有し、
前記走査線が選択される初期化期間において前記ゲートに所定の初期化電圧が印加され
、
当該初期化電圧の印加が解除された後、前記読出線の電圧に基づいて前記受光光量に応
じた結果を出力する
ことを特徴とする光センサ。 - 前記初期化電圧の印加が解除されてから、前記読出線の電圧が予め設定されたしきい値
電圧に達するまでの時間を前記受光光量に応じた結果として出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の光センサ。 - 前記受光光量に応じた結果として出力する前に、前記読出線に所定の電圧を印加する第
1スイッチング素子を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の光センサ。 - 前記受光素子は、
前記初期化期間では順バイアスとなって、前記トランジスタのゲートに前記初期化電圧
を印加する一方、
前記初期化期間終了後では逆バイアスとなるダイオード素子である
ことを特徴とする請求項1に記載の光センサ。 - 前記初期化期間にてオンして、前記トランジスタをダイオード接続させるとともに、前
記トランジスタのゲートに、当該トランジスタのしきい値電圧に応じた電圧を印加する第
2スイッチング素子を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の光センサ。 - 前記第2スイッチング素子は、走査線に供給される電圧レベルに応じてオンまたはオフ
する
ことを特徴とする請求項5に記載の光センサ。 - 前記読出線に一端が接続された容量と、
前記初期化期間にて容量の両端を短絡させる第3スイッチング素子と
を有し、
当該初期化電圧の印加が解除された後において、前記容量の他端に現れる電圧を前記測
定結果として出力する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光センサ。 - 読出線と走査線とに対応して設けられ、
両端子間に流れる電流が入射光量に応じて変化する受光素子と、
ゲートが前記受光素子の一端に接続され、ソースまたはドレインの一方が前記走査線に
接続され、ソースまたはドレインの他方が前記読出線に接続されたトランジスタと
を有する光センサの読取方法であって、
前記走査線が選択される初期化期間において前記ゲートに所定の初期化電圧を印加し、
当該初期化電圧の印加を解除した後、前記読出線の電圧に基づいて前記受光光量に応じ
た結果を出力する
ことを特徴とする光センサの読取方法。 - 複数の走査線と複数の読出線とに対応して設けられたセル回路と、
複数の走査線のうち、初期化期間では一の走査線を選択し、続く検出期間では走査線の
すべてを非選択とし、次の初期化期間では別の走査線を選択する走査回路と、
選択された走査線に位置する光センサの出力信号を、検出期間における読出線の電圧ま
たは前記読出線に流れる電流を読み取る読取回路と
を有し、
前記セル回路の各々は、
両端子間に流れる電流が入射光量に応じて変化する受光素子と、
ゲートが前記受光素子の一端に接続され、ソースまたはドレインの一方が前記走査線に
接続され、ソースまたはドレインの他方が前記読出線に接続されたトランジスタと
を有することを特徴とするマトリクス型光センサ回路。 - 請求項1に記載の光センサ、または、請求項9に記載のマトリクス光センサ回路を有す
る
ことを特徴とする電子機器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008319267A JP2009065209A (ja) | 2008-12-16 | 2008-12-16 | 光センサ、光センサの読取方法、マトリクス型光センサ回路および電子機器 |
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JP2008063757A Division JP2008205480A (ja) | 2008-03-13 | 2008-03-13 | 光センサ、光センサの読取方法、マトリクス型光センサ回路および電子機器 |
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ID=40559437
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JP2008319267A Withdrawn JP2009065209A (ja) | 2008-12-16 | 2008-12-16 | 光センサ、光センサの読取方法、マトリクス型光センサ回路および電子機器 |
Country Status (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20150040769A (ko) * | 2013-10-07 | 2015-04-15 | 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 | 실리콘 질화물 막의 성막 방법 및 성막 장치 |
CN115206242A (zh) * | 2022-05-10 | 2022-10-18 | 重庆惠科金渝光电科技有限公司 | 像素电路以及显示装置 |
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- 2008-12-16 JP JP2008319267A patent/JP2009065209A/ja not_active Withdrawn
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