JP2008022412A - 電子回路、電気光学装置およびこれを備える電子機器 - Google Patents

電子回路、電気光学装置およびこれを備える電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリシリコン薄膜トランジスターにふさわしいA/D変換回路を提供する。
【解決手段】基板上に薄膜ポリシリコンを能動層に用いたトランジスターを備えたA/D変換回路において、測定量を電流量に変換するセンサー1と、前記電流量に応じた電圧に変換する電流電圧変換回路と、前記電流電圧変換回路で変換された前記電圧を検出し、所定の信号を出力するコンパレーター回路3とを備え、前記電流電圧変換回路が、前記センサー1の出力端(Nodo−A)に接続されたトランジスター21と、前記トランジスター21とベース電極同士が接続されたトランジスター22と、前記第2のスイッチ素子に直列に接続されたコンデンサー20とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子回路、電気光学装置、およびこれを備える電子機器に関し、特に、薄膜ポリシリコン形成技術を用いて基板上に形成される回路や該回路を用いた液晶表示装置、該液晶表示装置を備えた電子機器に関する。
近年、低温ポリシリコン形成技術を用いてガラス基板上に各種薄膜トランジスター回路を形成する、いわゆるSystem On Glass(SOG)技術がさかんに開発されている。例えば液晶ディスプレイのガラス基板上にドライバー回路を内蔵するモノシリックドライバーなどである。
System On Glass(SOG)技術の応用の一つとしてセンサーとそのセンシング回路をガラス基板上に形成することが考えられる。例えば液晶ディスプレイを構成する透明基板上に光センサーとセンシング回路とを内蔵し、外光の状態を検出してその結果によってバックライトの照度をコントロールするように構成すれば環境にかかわらず、液晶の視認状態を最良に保つことができる。その他、温度センサー、ジャイロセンサー、傾きセンサーなど、ガラス基板上に形成することでメリットのあるセンサーは数多い。一般的にこれらのセンサーの出力はアナログ信号であって、これをガラス基板上に形成したデジタルロジック回路で処理し、適切な制御に用いるためにはA/D変換回路で信号をデジタル変換することが必要となる。
図11は従来の電流デバイスのA/D変換回路の例である。
電流デバイスのセンサー(Sensor)1は、一端を電源電位VDに、もう一端(このノードをNode−Aとし、その電位をVAとする)をトランジスター2のドレイン電極及びゲート電極に接続されてなる。トランジスター2のソース電極は電源電位VSの電源電位に接続される。また、Node−Aはコンパレーター回路(Comparator)3に接続されている。
電流デバイス1はセンサーであって、センスする対象の物理量及び電源電位VD〜Node−A間にかかる電圧(VD−VA)によって電源電位VD〜Node−A間に流れる電流(電流量Isense)が変化する。
トランジスター2のゲート・ソース間電位Vgs=VA−VSであって、ドレイン・ソース間電位Vds=VA−VSであるのでVds=Vgs、ゆえにトランジスター2の閾値電位Vth>0であればVds>Vgs−Vthとなり、このトランジスター2はVth<VA−VSであれば常にトランジスター2は飽和領域で動作する。飽和領域での一般的なMOSトランジスター特性の次の(式1)で示される。
Figure 2008022412
ここで、Wはトランジスターのチャネル幅、Lはチャネル長、μは移動度、C0はゲート容量をそれぞれ表す。キルヒホッフの法則から電流量Isense=Idsは明らかであるので、次の(式2)が成り立つ。
Figure 2008022412
(式2)を変形して(式3)を得る。
Figure 2008022412
VA=Vgs+VSであるから、(式4)が導かれる。
Figure 2008022412
ここで電流量Isenseが電位VAによらないと仮定すれば、容易に電位VAから電流量Isenseを得ることができる。
このような仮定が成り立つセンサーデバイスとして、例えばPN接合ダイオードあるいはPIN接合ダイオードを用いた光センサーデバイスがあげられる。このようなデバイスに逆バイアスを印加すると、電流量Isenseは一定の範囲であれば光照度に比例した電流の流れる定電流源となるので、(式5)のようになる。
Figure 2008022412
すなわち、次の(式6)で電位VAから電流量Isenseが求まる。
Figure 2008022412
ここでNode−Aの電位VAはコンパレーター回路3に入力される。図12はコンパレーター回路3の回路構成であって、入力電位Vinと比較基準電位Vrefとを比較してVin(=VA)>VrefならHigh電位(≒VD)、Vin(=VA)<VrefならLow電位(≒VS)を出力端子OUTへ出力する回路である。ゆえに、コンパレーター回路3に比較基準電位Vrefを与え、出力端子OUTのデジタル出力結果を参照すれば電位VAの電位が比較基準電位Vrefより上か下かがわかる。この際、256階調でデジタル変換したければコンパレーター回路3を255個並列配置し、それぞれに異なった比較基準電位Vrefを与えればよい。あるいは、比較基準電位Vrefに255STEPの階段波を入力し、出力結果をメモリしていけば同様の変換が可能である。どちらを選択するかは回路面積や消費電力、サンプリングレートとの関係で決めればよい。また、両者の折中案を採用することも無論可能である。すなわち、各々レベルの異なる16個の段階段波をそれぞれ16個のコンパレーター回路に入力してやれば256階調がデジタル変換することができる。
なお、図12のトランジスター3aと3b、3cと3dは互いに同じサイズの素子であることが望ましい。例えばトランジスター3a,3b,3c,3d全てチャネル幅W=10μm、チャネル長=6μmとすればよい。
このようにして電位VAが一定範囲で求まるので、そこから(式6)を使えば電流量Isenseがわかり、したがって求める物理量、例えば照度がわかる。すなわち、センスした結果をA/D変換できるのである。
また、センサー1の電流量Isenseが一定ではなく、(VD−VA)の関数となるセンサーであっても同じ電子回路でA/D変換可能である。例えば測定量によって決まる一定のインピーダンスRsenseを持つようなセンサーデバイスであれば以下の(式7)で電流量Isenseは表される。
Figure 2008022412
このようなデバイスの例として抵抗を用いた温度センサー、可変抵抗を用いたジャイロセンサーなどがあげられる。例えば、インピーダンスRsenseが温度によって以下のような変化をするセンサーを考える。
Figure 2008022412
ここでTは絶対温度(K)、R0とBは温度センサー固有の定数である。
(式4)、(式7)より以下の方程式を得る。
Figure 2008022412
これを解くと、
Figure 2008022412
となり、電位VAからインピーダンスRsenseが求まる。これを(式8)に戻すことで温度Tが求まる。
しかしながら、一般にポリシリコン薄膜トランジスターは単結晶シリコン基板上に形成されたMOSトランジスターに比べて閾値電位Vthの製品ばらつきが大きい。(式6)、(式10)から容易に知れるように、閾値電位Vthがばらつくと電流量Isense,インピーダンスRsenseの誤差が大きくなり、実用に耐えない。この傾向は電流量Isenseが小さい(あるいはインピーダンスRsenseが大きい)と顕著である。また、低電流を測定する場合はトランジスター2のチャネル幅Wを小さくすればよいが、一般的にポリシリコン薄膜トランジスターをガラス基板上に形成する場合のデザインルールは1〜4μm程度と単結晶シリコンデバイス上のMOSトランジスターのデザインルール0.1〜0.5μmに比べて一桁大きく、測定レンジを十分低電流側に設定できない場合が生じる。
そこでポリシリコン薄膜トランジスターを用いる場合には図13のような回路を使用することもある。この回路ではまず適当なタイミングで初期電位書き込み信号Vresetを電源電位VDにし、トランジスター55でNodo−Aに電源電位VSを書込む。その後、初期電位書き込み信号VresetをVS電位にするとセンサー1を流れる電流量Isenseはコンデンサー54(コンデンサー容量C1)に蓄積され、Nodo−Aの電位VAは上昇する。これをコンパレーター回路3に入力して比較基準電位Vrefと比較し、電位VAが比較基準電位Vrefを超える時間を測定する。この方法であれば、測定時間が十分長く設定でき、コンデンサー容量C1が十分小さければいかなる微小電流でも理論上は測定できる。しかし、回路配線の付加容量もあるのでコンデンサー容量C1はある程度以下には出来ない。測定時間も長くなるとセンサーのセンス時間が長くなり、応答速度が低下する。従って、この方式でも必ずしも十分に低電流の測定が出来ない場合が生じる。
以上のように、ポリシリコン薄膜トランジスターを用いたA/D変換回路は単結晶シリコンデバイス上のMOSトランジスターを用いる場合に比べ、十分な電流レンジがとれない、特に低電流側の精度良い変換が難しいという問題点を有する。
特開平6−245152号公報
本発明で提案する回路は上記の問題点に鑑み、ポリシリコン薄膜トランジスターに相応しいA/D変換回路であって、十分なA/D変換ダイナミックレンジをとることを可能とし、更には、低電流側の精度が良好で、ポリシリコン薄膜トランジスターに適したA/D変換回路を提案するものである。
本発明の第1の発明の電子回路は、基板上に薄膜ポリシリコンを能動層に用いたスイッチ素子(トランジスター)を備えた電子回路(100a)であって、測定量を電流量に変換するセンサー(センサー1)と、前記電流量に応じた電圧に変換する電流電圧変換回路と、前記電流電圧変換回路で変換された前記電圧を検出し、所定の信号を出力する電圧検出回路(コンパレーター回路3)とを備え、前記電流電圧変換回路は、前記センサーの出力端(Nodo−A)に接続された第1のスイッチ素子(トランジスター21)と、前記第1のスイッチ素子と制御端(ベース電極)同士が接続された第2のスイッチ素子(トランジスター22)と、前記第2のスイッチ素子に直列に接続された第1の容量素子(コンデンサー20)とを備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、ポリシリコン薄膜トランジスターを備えた電子回路としてのA/D変換回路において、十分なA/D変換ダイナミックレンジをとることを可能とし、更には、第1のスイッチ素子(トランジスター21)と第2のスイッチ素子(トランジスター22)のチャネル幅比によって前記電圧検出回路(コンパレーター回路3)の入力端子電位(Node−B)の変動速度を容易に調整可能であるので、センサー(センサー1)の電流量にあわせた設計が容易である低電流側の精度を良好にすることができる。また、第1のスイッチ素子と第2のスイッチ素子によりカレントミラー回路を構成しているため、センサーから出力される電流を該カレントミラー回路を用いて電流増幅を行い、増幅した電流を第1の容量素子に蓄積することで電流の大小に関わらず、規定の時間内でA/D変換をすることが可能な優れた電子回路を実現することができる。
さらに、第2の発明の電子回路は、基板上に薄膜ポリシリコンを能動層に用いたスイッチ素子(トランジスター)を備えた電子回路(100b)であって、測定量を電流量に変換するセンサー(センサー1)と、前記電流量に応じた電圧に変換する電流電圧変換回路と、前記電流電圧変換回路で変換された前記電圧を検出し、所定の信号を出力する第1および第2の電圧検出回路(コンパレーター回路31,32)とを備え、前記電流電圧変換回路は、前記センサーの出力端(Nodo−A)に接続された第1のスイッチ素子(トランジスター21)と、前記第1のスイッチ素子と制御端(ゲート電極)同士が接続された第2および第3のスイッチ素子(トランジスター22,23)と、前記第2のスイッチ素子(トランジスター22)と直列に接続された第1の容量素子(コンデンサー20)と、前記第3のスイッチ素子(トランジスター23)と直列に接続された第2の容量素子(コンデンサー40)とを備え、前記第2のスイッチ素子と第1の容量素子の接続端(Nodo−B)に接続された前記第1の電圧検出回路(コンパレーター回路31)と、前記第3のスイッチ素子と第2の容量素子の接続端(Nodo−C)に接続された前記第2の電圧検出回路(コンパレーター回路32)とを備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、コンデンサーとコンパレーター回路を複数の構成としているので、第1の発明の構成に対して、より測定レンジを拡大することができる。
さらに、第3の発明の電子回路は、前記第2の発明の電子回路において、第2のスイッチ素子のチャネル幅÷チャネル長の値と前記第3のスイッチ素子のチャネル幅÷チャネル長の値が異なっていることを特徴とする。
このような構成によれば、測定レンジの異なる複数の出力を得ることが出来でき、全体の測定レンジを向上することができる。
さらに、第4の発明の電子回路は、前記第2の発明の電子回路において、前記第1の容量素子(コンデンサー20)の容量と前記第2の容量素子(コンデンサー40)の容量が異なっていることを特徴とする。
このような構成によれば、測定レンジの異なる複数の出力を得ることが出来でき、全体の測定レンジを向上することができる。
さらに、第5の発明の電子回路は、前記第1乃至第4の発明の電子回路において、前記第2のスイッチ素子(トランジスター22)と並列に接続された第4のスイッチ素子(トランジスター24)と、前記第4のスイッチ素子に直列に接続され、前記第2のスイッチ素子との接続/切り離しを制御する第5のスイッチ素子(トランジスター27)とを備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、第5のスイッチ素子により、第4のスイッチ素子の接続を制御して、実効的なチャネル幅を可変とすることで測定レンジを拡大することができる。
さらに、第6の発明の電子回路は、前記第1乃至第5の発明の電子回路において、前記センサー(センサー1)は、前記薄膜スイッチ素子の能動層と同一膜厚である薄膜ポリシリコンを能動層としたPIN接合ダイオード又はPN接合ダイオードからなり、前記測定量は、光照度であることを特徴とする。
このような構成によれば、コストを上昇させること無く(例えば、液晶表示装置の基板に)照射されている光の照度を測定でき、例えば、液晶表示装置に応用した時に外光に応じて表示品位を最適に保つことができる。
さらに、第7の発明の電子回路は、前記第1乃至第5の発明の電子回路において、前記センサーは、前記薄膜スイッチ素子の能動層と同一膜厚である薄膜ポリシリコンを用いた抵抗体からなり、前記測定量は、温度であることを特徴とする。
このような構成によれば、コストを上昇させること無く(例えば、液晶表示装置の基板の)温度を測定でき、例えば、液晶表示装置に応用した時に温度に応じて表示品位を最適に保つように階調を最適に制御できる。
さらに、第8の発明の電子回路は、前記第1乃至第5の発明の電子回路において、前記電圧検出回路は、コンパレーター回路(コンパレータ回路3,31,32)からなり、比較基準電位を与えることを特徴とする。
このような構成によれば、第1のコンデンサーの電圧変化を精度良く検出することができ、更には、回路面積を小さくすることができる。
さらに、第9の発明の電子回路は、前記第1乃至第5の発明の電子回路において、電圧検出回路は、CMOSインバーター又はCMOSクロックド・インバーター(インバーター回路30)であることを特徴とする。
このような構成によれば、第1のコンデンサーの電圧変化を精度良く検出することができ、更には、回路面積を小さくすることができる。
さらに、第10の発明の電気光学装置は、前記第1乃至第9の発明のいずれかに記載の電子回路を備えたことを特徴する。
このような構成によれば、電子回路としてのセンサーを備えたA/D変換回路をガラス基板上にアクティブマトリクス基板と同一製造工程で製造できるために安価にセンサー内蔵の電気光学装置を製造できる。
さらに、第11の発明の電子機器は、すくなくとも前記第10の発明の電気光学装置と、該電気光学装置に表示する表示情報を処理する表示情報処理回路とを備えたことを特徴する。
このような構成によれば、上記電気光学装置を電子機器に組み込むことで表示品位に優れて多機能な電子機器をより低コストで製造できる。更には、センサーの配置自由度が高まるため、外形を小さくでき、デザイン性に優れた電子機器を製造できるというメリットも有する。
以下、本発明に係る液晶表示装置の実施例について図面を参照して説明する。
図1は本発明の電子回路を実現する実施例1のセンサー1を備えたA/D変換回路100aの構成例であり、図11の従来の構成と同じ箇所には、同じ符号を付して、説明を省略する。
図1において、トランジスター25はpチャネル型トランジスター、トランジスター22とトランジスター21はnチャネル型トランジスター、コンパレーター回路3を構成するトランジスターは、ガラス基板上(基板)に形成された薄膜ポリシリコンを能動層とする電解効果型トランジスターである。
センサー1は、一端を電源電位VDに、もう一端(Nodo−A(電位VA))をトランジスター21のドレイン電極及びゲート電極並びトランジスター22のゲート電極に接続されている。トランジスター21のソース電極とトランジスター22のソース電極は、電源電位VSに接続されている。また、トランジスター22のドレイン電極側(Nodo−B(電位VB))には、コンデンサー20とトランジスター25とコンパレーター回路3が接続されている。
トランジスター25は初期電位書き込み信号VresetがLow電位のVS電位の間ONし、Nodo−Bに電源電位VDを書き込む(VB=VD)。時間t0で初期電位書き込み信号VresetがHigh電位の電源電位VDになると、トランジスター25はOFFする。この後、時間t>t0でセンサー1にその測定量に応じて電流量Isenceが流れ、トランジスター22に流れる電流I2によってNodo−Bの電位VBは、電源電位VSに近づいていく。一方、トランジスター21には電流I1が流れるが、キルヒホッフの法則から明らかにセンサー1に流れる電流量Isense=I1である。
ここでトランジスター21のゲート・ソース電位Vgs=ドレイン・ソース電位Vds=VA−VSであるから、トランジスター21は飽和領域で動作する。一方、トランジスター22もゲート・ソース電位Vgs=VA−VS、ドレイン・ソース電位Vds=VB−VSであって、VB>VA−Vthの条件で飽和領域動作をすることになる。ゆえに、(式1)から以下の(式12)が導き出される。
Figure 2008022412
ここでL21はトランジスター21のチャネル長であり、L22はトランジスター22のチャネル長であり、W21はトランジスター21のチャネル幅であり、W22はトランジスター22のチャネル幅である。この式からわかるように、I2は電流量IsenseのW22÷W21×L21÷L22倍となっている(以下、Wr=W22÷W21×L21÷L22とする)。
閾値電位Vthはトランジスター21及びトランジスター22の閾値電圧であって、μは移動度、C0はゲート容量である。トランジスター21及びトランジスター22は同一製造工程で同じ製品内に作られた素子であるから、これらのパラメーターは同じ値を示すものとして扱う。
すなわち、VB>VA−Vthである限り、I2=I1×Wrであって、これはいわゆるカレントミラー回路を用いた電流増幅回路となっている。ここでVBは時間tの関数であって以下の(式12)で表される。
Figure 2008022412
本実施例において、センサー1は外光の状態を測定するフォトダイオードセンサーである。このフォトセンサーは、トランジスター21,25の能動層を構成する薄膜ポリシリコンと同じ製造工程によって構成されたラテラル型PINフォトダイオードであって、ここではカソード電極を電源電位VDに接続し、アノード電極をNode−Aに接続し、常時逆バイス状態で使用する。適切なバイアス電圧範囲では電流量Isenseは外光の照度に比例し、印加バイアス電圧(VD−VA)には依存しなくなる。ゆえに以下の(式13)が成立する。
Figure 2008022412
Nodo−Bはコンパレーター回路3に接続されており、VB(t)は比較基準電位Vrefと比較され、VB(t)>VrefではHIGH(≒VD)電位が、VB(t)<VrefではLow(≒VS)電位がそれぞれ出力端子OUTに出力される。
コンパレーター回路3は図12の従来例と同じ構成であっても良いし、図2、図3に示すような構成であってもよい。
図2の構成は図12に対してTFTのNchとPchが逆になった構成である。比較基準電位VrefがVSにより近い場合は図12の構成が、比較基準電位Vrefが電源電位VDにより近い場合は図2の構成が適している。一方、図3の構成は素子数が大きく回路面積が大きくなるが図9あるいは図2の構成より動作する比較基準電位Vrefの範囲が広い。また、これらの他に図9や図2の構成に定電流源(バイアス電圧をゲート電極に印加したトランジスターが用いられる)を電源電位VD又はVS電源に直列に繋ぐことで動作マージンの拡大を図った構成なども考えられる。以上のうち、いずれのコンパレーター回路を用いるかは面積、動作マージンなどのトレードオフで最も適したものを選択すればよい。
出力端子OUTの端子電位が反転した時間がt'であれば、電流量Isenseは(式14)で求められ、ここから容易に照度に換算が可能である。
Figure 2008022412
(式13)から明らかなように、電流量Isense及びコンデンサー容量C1が一定の時、VB(t)の電位変化傾きはWrに比例する。すなわち、トランジスター22とトランジスター21のチャネル幅の比もしくはチャネル長の比の逆数に比例する。そこで、コンデンサー20のコンデンサー容量C1が精度の問題等であまり小さく出来ず、反転までの時間t'を一定以下にする必要がある場合でもトランジスター22とトランジスター21のチャネル幅の比を大きく取れば(もしくはチャネル長の比を小さく取れば)、電流量Isenseが小さくても容易に検出可能にすることが出来る。
具体的に数字を挙げて検証する。例えば、液晶表示装置に搭載する照度センサー回路の場合は、外光の照度が変化した時にすみやかにフィードバックをする必要があるため、t'−t0<1/10秒という制約があるとする。コンデンサー容量C1は配線容量のばらつき等を考慮すると、0.1pF以下には出来ない。一方、照度は最低100ルクスから感知できるようにする必要があって、その時センサー1に流れる電流量Isenseは0.1pAである。VD=8V,VS=0Vであって、前述の通り、VB>VA−Vthの飽和領域で使用することが好ましいから、Vref=7Vとする。すると、Wr=10の時、t'=0.1秒となってこの条件を満たすことになる。そこで、例えばトランジスター21及びトランジスター25のチャネル幅をW=10μm、トランジスター22のチャネル幅をW=100μm、トランジスター21,22,25のチャネル長をL=6μmなどと設計すればよい。
以上のように、各種制約条件にあわせてトランジスター22とトランジスター21のチャネル幅の比もしくはチャネル長の比を適切に設定すればよいのである。
図4は本実施例のアクティブマトリクス基板101である。図4(a)は本発明の液晶表示装置を実現する実施例1での透過型VGA解像度液晶表示装置のためのアクティブマトリクス基板101の構成図である。アクティブマトリクス基板101上には、480本の走査線A1〜A480と、1920本のデータ線B1〜B1920が直交して形成されており、480本の容量線D1〜D480は走査線A1〜A480と並行かつ交互に配置されている。容量線D1〜D480は相互に短絡されてコモン電位入力端子602に接続される。対向導通部304もまた、コモン電位入力端子602に接続される。また、図1で示すセンサー1を備えたA/D変換回路100aもやはりアクティブマトリクス基板101上に形成され、その出力信号OUT1〜8は出力端子603に繋がっており、外光の照度に応じた出力がなされる。
図4(b)は図4(a)の点線310部の拡大図である。走査線An(nは、1≦n≦480の整数)とデータ線Bm((mは、1≦m≦1980の整数)の各交点にはNチャネル型電界効果ポリシリコン薄膜トランジスターよりなる画素スイッチング素子401(An,Bm)が形成されており、そのゲート電極は走査線Anに、ソース・ドレイン電極はそれぞれデータ線Bmと画素電極402(An,Bm)に接続されている。画素電極402(An,Bm)は容量線Dn(nは、1≦n≦480の整数)と補助容量コンデンサーを形成し、また液晶表示装置として組み立てられた際には液晶素子をはさんでコモン電極としての対向基板電極(コモン電極)とやはりコンデンサーを形成する。ここでトランジスター21、トランジスター22、トランジスター25、コンパレーター回路3を構成する各トランジスターと画素スイッチング素子401(An,Bm)は同一工程で製造されている。
走査線A1〜A480は走査線駆動回路301に接続されて駆動信号を与えられる。また、データ線B1〜B1920はデータ線駆動回路302およびデータ線プレチャージ回路303に接続されて映像信号及びプレチャージ電位を与えられる。走査線駆動回路301、データ線駆動回路302およびデータ線プレチャージ回路303は信号入力端子601に接続され、必要な各種信号および電源電位を与えられる。走査線駆動回路301、データ線駆動回路302、データ線プレチャージ回路303はアクティブマトリクス基板101上にポリシリコン薄膜トランジスターを集積することで形成されており、画素スイッチング素子401(An,Bm)と同一工程で製造される、いわゆる駆動回路内蔵型の液晶表示装置となっている。
図5は図4のアクティブマトリクス基板101を用いた実施例1における透過型VGA解像度液晶装置の斜視構成図(一部断面図)である。液晶表示装置910は、第1の基板としてのアクティブマトリクス基板101と第2の基板としての対向基板912とでネマティック相液晶材料922を挟持し、シール材923でアクティブマトリクス基板101と対向基板912とを貼り合わせ液晶材料922を封入している。アクティブマトリクス基板101の画素電極上には、図示しないがポリイミドなどからなる配向材料が塗布されラビング処理された配向膜が形成されている。また、対向基板912は、図示しないが画素に対応したカラーフィルタと、光抜けを防止し、コントラストを向上させるためのブラックマトリクスと、コモン電位が供給されるITO膜でなる対向電極930が形成され、液晶材料922と接触する面にはポリイミドなどからなる配向材料が塗布され、アクティブマトリクス基板101の配向膜のラビング処理の方向とは直交する方向にラビング処理されている。
さらに対向基板912の外側には、上偏光板924を、アクティブマトリクス基板101の外側には、下偏光板925を各々配置し、互いの偏光方向が直交するよう(クロスニコル状)に配置する。さらに下偏光板925下には、面光源を成すバックライトユニット926が配置される。バックライトユニット926は、冷陰極管やLEDに導光板や散乱板をとりつけたものでも良いし、EL素子によって全面発光するユニットでもよい。バックライトユニット926は、コネクタ926aを通じて電子機器本体と接続され、電源を供給される。図示しないが、さらに必要に応じて、周囲を外殻で覆っても良いし、あるいは上偏光板924のさらに上に保護用のガラスやアクリル板を取り付けても良いし、視野角改善のため光学補償フィルムを貼っても良い。
また、アクティブマトリクス基板101は、対向基板912から突出している張り出し部927が設けられ、その張り出し部927にある信号入力端子601、対極電位端子602、出力端子603(図4参照)には、可撓性基板としてのFPC928a及び外部駆動IC929が実装され、アクティブマトリクス基板101上の複数の信号入力端子が電気的に接続されている。図1では、外部駆動IC929は2個のICで構成されているが、1個もしくは3個以上でもよい。FPC928aは、電源IC、信号制御IC、コンデンサー、抵抗、ROM、バックライト制御ユニット930などを有する制御基板921に接続され、基準電位、制御信号、映像データをアクティブマトリクス基板101へ供給する。また、制御基板921はコネクタ928cを通じてバックライトユニット926にも接続され、制御基板921上のバックライト制御ユニット930によってバックライトユニット926はそのON・OFF、輝度調整が可能なようになっている。
制御基板921はFPC928aを通じて出力端子603から出力されたセンサー1を備えたA/D変換回路100aの出力信号OUTが入力される。この出力信号OUTは外部の照度に応じて変化するので、この信号をもとに制御基板921上のバックライト制御ユニット930はバックライトユニット926の輝度を調整、あるいはON/OFFを行うことで外光に応じて最も視認性の良い状態にバックライトユニット926を保つことができるのである。
具体的なバックライト制御ユニット930によるバックライト制御アルゴリズムを図8に示す。
ここでバックライト制御ユニット930からバックライトユニット926に送られる輝度制御信号は0〜255の1Byteデータであり、制御信号が255のとき輝度MAXであり、制御信号が0のときバックライトOFFであるとする。バックライト制御ユニット930はVresetパルス出力後、OUTの反転時間を計測する。図9のようなルックアップテーブルを参照してtから設定値を読み込み、バックライト照度を読み込んだ設定値に設定する。このような動作を0.1秒間隔で繰り返すアルゴリズムとなっている。
図9のルックアップテーブルは照度がセンサー限界検出感度程度の非常に暗い時にはまぶしくないようにある程度の照度でバックライトをつけ、明るくなるにつれて照度を増して外光によってみにくくなることを防止している。本実施例では透過型液晶表示装置であるので、外光に対してバックライト照度が単調に増加する設定にしているが、半透過型液晶表示装置の場合はある程度外光が明るくなり、反射モードのみで十分視認性が良いくらいの外光照度になればバックライトをOFF(設定=0)にすればよい。
なお、本実施例ではセンサー1によって外光照度を計測し、バックライト輝度を自動調整する構成を例としてあげたが、温度センサーを内蔵して液晶やバックライトの温度依存性を調整して常に最適な表示特性を得る構成など、様様なセンサー1を基板上に内蔵する際にも応用可能である。例えば(式8)のようにインピーダンスが温度によって変化する温度センサーを内蔵するのであれば、(式14)から電流量Isenseを求めた後、次の(式15)でインピーダンスRsenseを求める。インピーダンスRsenseはセンサー1のインピーダンスである。
Figure 2008022412
この場合、測定するインピーダンスRsenseが小さい場合はWrを小さくし、インピーダンスRsenseが大きい場合はWrを大きくすることで規定の測定時間の範囲でインピーダンスRsenseを求めることができるのである。
図10は、本発明に係る電子機器の一実施形態を示している。ここに示す電子機器は、電気光学装置としての液晶表示装置910と、これを制御する表示情報処理回路780、中央演算回路781、外部I/F回路782、入出力機器783、電源回路784よりなる。表示情報処理回路780は、中央演算回路781からのコマンドに基づき、RAM(Random Access Memory)に格納した映像データを適宜書き換え、タイミング信号とともに液晶表示装置910へ映像信号を供給する。中央演算回路781は、外部I/F回路782からの入力に基づいて様々な演算を行い、その結果をもとに表示情報処理回路780および外部I/F回路782へコマンドを出力する。外部I/F回路782は、入出力機器783からの情報を中央演算回路781へ送るとともに、中央演算回路781からのコマンドに基づいて入出力機器783を制御する。入出力機器783とは、スイッチ、キーボード、ハードディスク、フラッシュメモリユニットなどである。また、電源回路784は、上記の各構成要素に所定の電源電圧を供給する。
ここで電子機器とは、具体的にはモニター、TV、ノートパソコン、PDA、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話、フォトビューワー、ビデオプレイヤー、DVDプレイヤー、オーディオプレイヤーなどである。
以上のように、図1のような構成のセンサー1を備えたA/D変換回路100aをアクティブマトリクス基板上101に形成し、これを用いて電気光学装置を構成することで、センサーを内蔵した高付加価値のパネルを作成でき、またその電気光学装置を電子機器に応用することで高品質な表示品位を有する電子機器を実現できるのである。
図6は実施例1の図1に相当する実施例2を示す回路図である。コンデンサー20、トランジスター21,22,25の動作は実施例1と同様である。本実施例ではさらにコンデンサー40、トランジスター23,26を配置している。
ここでトランジスター23はトランジスター22と、又、トランジスター26はトランジスター25と、又、コンデンサー40はコンデンサー20と、それぞれ同一の動作をするものであって、コンデンサー20、トランジスター22,25よりなる回路とコンデンサー40、トランジスター23,26よりなる回路は並列に配置されている。
ここで実施例1で述べたトランジスター22に流れる電流I2と同様の計算により、トランジスター23に流れる電流I3はI1=IsenseのW23÷W21×L21÷L23倍となっている(以下、Wr'=W23÷W21×L21÷L23とする)。L23はトランジスター23のチャネル長であり、W23はトランジスター23のチャネル幅であり、その他の記号は実施例1と同様である。
すなわち、I2=Wr×Isenseであって、I3=Wr'×Isenseである。Nodo−Bの電位VBは(式13)で示され、コンデンサー40の容量をC2とすると、Nodo−Cの電位VCは以下の(式16)で示される。
Figure 2008022412
すなわち、Wr/C1とWr'/C2の比を調整することで同じ電流量Isense'が流れる時、出力信号OUT1が反転する時間と出力信号OUT2が反転する時間を変える事ができる。これを用いて電流量Isenseのダイナミックレンジが広い場合にもコンパレーター回路31、32どちらかの回路からの出力を用いることで対応可能となる。
具体的な数字を挙げて説明する。本実施例では液晶表示装置910に搭載する照度センサー回路であり、外光の照度が変化した時にすみやかにフィードバックをする必要があるため、t'−t0<1/10秒という制約があるとする。さらに、コンパレーター回路31,32の動作速度、出力信号OUT1,OUT2の端子出力の取り込み,処理速度からt'−t0>100μ秒という制約があったとする。コンデンサー容量は配線容量のばらつき等を考慮すると、0.1pF以下には出来ず、回路面積の制約から0.5pF以上にできない。一方、照度は最低50ルクスから最高20万ルクスまで感知できるようにする必要があって、その時センサー1に流れる電流量Isenseは0.5pA〜2nAである。
VD=8V,VS=0Vであって、トランジスター22、トランジスター23を飽和領域で使用するためにVB,VC>VA−Vthの領域で使用することが好ましいから、比較基準電位Vref1=7V,Vref2=6Vとする。
以上からC1=0.1pF、C2=0.5pF、トランジスター21、トランジスター25及びトランジスター26のW=10μm、トランジスター22のW=100μm、トランジスター23のW=5μm、トランジスター21,22,23,25,26のL=6μmなどと設定すると、制約時間内に出力信号OUT1側で反転を探知できる電流量Isenseの範囲は0.1pA〜0.1nAであって、低電流側には対応できるが高電流側には対応できない。一方、制約時間内に出力信号OUT2側で反転を探知できる電流量Isenseの範囲は20pA〜20nAであって、逆に高電流側には対応できるが低電流側には対応できない。しかしながら、出力信号OUT1のレンジと出力信号OUT2のレンジを併用すれば0.1pA〜20nAのレンジで測定が可能となって要求を十分に満たすのである。
なお、本実施例ではコンデンサー,コンパレーター回路を2つの構成としたが、コンデンサー20、コンデンサー40を複数に分割し、切り替え信号で実効的なコンデンサー容量C1,C2を切り替えられるようにすればさらに測定レンジは拡大する。
本回路の液晶表示装置への応用などは実施例1と同様であるので省略する。
図7は実施例1の図1に相当する実施例3を示す回路図である。
トランジスター21、トランジスター25、コンデンサー20については実施例1と同様の構成であるので説明を省略する。本実施例では実施例1と異なり、トランジスター22に並列にトランジスター24を配置し、トランジスター24にトランジスター27を直列に接続、トランジスター27にレンジ切り替え信号V1を接続している。ここでレンジ切り替え信号V1はV1=VD電位又はV1=VS電位のいずれかになる。
V1=VSの時、トランジスター26はOFFするため、トランジスター24に流れる電流I3≒0であって実施例1と全く同じ動作になる。V1=VDの時、トランジスター26はONする。この時、トランジスター26のインピーダンスが十分低ければ、トランジスター23のゲート・ソース電位Vgs≒VA−VS、ドレイン・ソース電位Vds=VB−VSであって、VB>VA−Vthの条件で飽和領域動作をすることになる。従って、トランジスター24には(式17)に従った電流I3は流れる。
Figure 2008022412
コンデンサー20からVS電源へ流れる電流量はI2+I3である。本発明においてセンサー1は実施例1と同様、PIN接合ダイオードを用いた光センサーデバイスである。センサー1にはVD−VAに関わらず照度に依存して定常電流が流れるのでI1=Isenseである。以上から、Nodo−Bの電位は(式18)ような関数となる。
Figure 2008022412
すなわち、同じ電流量Isenseの電流がセンサー1に流れている時にV1=VSの時はVB(t)の変化は遅く、V1=VD電位の時は早い。これを利用して、電流量Isenseが低電流のときはV1=VD電位、電流量Isenseが高電流のときはV1=VS電位とすれば測定が可能となる。すなわち、信号V1はレンジ切り替え信号として作用するのである。
本実施例3では電圧検出回路として、実施例1及び実施例2で用いたコンパレーター回路3の変わりにCMOSインバーター又はCMOSクロックド・インバーターからなるインバーター回路30を用いる。インバーター回路30はあるインバーター動作点電圧Vi(インバーターの入力電圧=出力電圧となる電圧として動作点は定義される)で出力端子OUTの電位がLowからHighに変化し、Viはインバーター回路30を構成するトランジスターのサイズによって調整できる。ここではVi=5Vとなるように調整したとする。このような構成を用いると、図2、図3、図12のようなコンパレーター回路を用いるのに比べ、リファレンス電位が不要であって素子数が大幅に削減できるため回路面積を縮小できる。
しかし、動作点Viは構成するトランジスターの閾値電圧変動によって変動するため、コンパレーター回路を用いる場合よりばらつきが大きく、精度面で不利となる場合がある。コンパレータ回路とインバーター回路のどちらを採用するかは回路面積の制約と検出精度要求のバランスで決定すればよい。
尚、本実施例3において、インバーター回路30の代わりに図2、図3、図12のようなコンパレーター回路3を用いて比較基準電位Vref=5Vを与えてもよいし、実施例1でコンパレーター回路3の変わりにインバーター回路30を用いてもよいし、実施例2でコンパレーター回路31、32の変わりにインバーター回路30を用いてもよい。
本実施例3は、液晶表示装置910に搭載する照度センサー回路であり、外光の照度が変化した時にすみやかにフィードバックをする必要があるため、t'−t0<1/10秒という制約があるとする。ここでt'はインバーター回路30の出力が反転するまでの時間であって、t0は初期電位書き込み信号Vreset初期電位書き込み信号が電源電位VDになる時間である。さらに、インバーター回路30の動作速度、出力端子OUTの取り込み,処理速度からt'−t0>100μ秒という制約があるとする。また、コンデンサー容量は、配線容量のばらつき,回路面積の制約からからC1=1pFである。また、センサー1に流れる電流量Isenseは、照度に正比例し、照度10ルクスの時、電流量Isenseは1pA流れるとする。
また電源としてVD=8V,VS=0Vとする。トランジスター21、トランジスター22及びトランジスター25のW=10μm、トランジスター23及びトランジスター26のW=990μm、トランジスター21,22,23,25,26のL=6μmなどと設定する。
以上の値を元に検出可能な照度を計算すると、V1=VS電位の時、測定できる電流量Isense=30pA〜30nAであるから、照度は300ルクスから30万ルクスまで測定できる。一方、V1=VD電位の時、測定できる電流量Isense=0.3pA〜300pAであるから、照度は3ルクスから3千ルクスまで測定できる。両方のレンジをあわせると、照度は3ルクスから30万ルクスまで測定可能となり、極めて広範囲で測定できる照度センサーをポリシリコン薄膜トランジスターで構成可能である。
本回路の液晶表示装置への応用などは実施例1と同様であるので省略する。
本実施例3では実施例1のトランジスター22の機能をトランジスター22とトランジスター24に分割し、切り替え信号V1を用いて実効的なチャネル幅を可変とすることで測定レンジを拡大しているが、同様の手段でトランジスター22を三個以上に分割し、切り替え信号で実効的なチャネル幅W21,チャネル長L21を切り替えられるようにすればさらに測定レンジは拡大する。また、レンジ切り替え信号は1本のみならずさらに増やしても良い。
本発明は実施例の形態に限定されるものではなく、光センサーのみならず、測定量を電流量に変換するセンサーであればいかなるセンサーにも応用可能である。また、電気光学装置として液晶表示装置だけでなく、有機ELディスプレイ等に応用しても一向に差し支えない。基板としてガラス基板ではなく石英基板やプラスチック基板上を用いてもよい。
本発明の実施例1のセンサー1を備えたA/D変換回路100aを示す回路図。 本発明の実施例1のコンパレーター3の詳細回路図。 本発明の実施例1のコンパレーター3の別の形態を示す詳細回路図。 本発明の実施例による液晶表示装置のアクティブマトリクス基板101の構成図。 本発明の実施例による液晶表示装置910の斜視図。 本発明の実施例2のセンサー1を備えたA/D変換回路100bを示す回路図。 本発明の実施例3のセンサー1を備えたA/D変換回路100cを示す回路図。 本発明の実施例によるバックライト制御ユニット930のバックライト制御アルゴリズムの一例を示すフローチャート図。 本発明の実施例によるルックアップテーブルの一例を示す図。 本発明の実施例による電子機器のブロック図。 従来のセンサー及びA/D変換回路を示す回路図。 従来のコンパレーターの詳細回路図。 別の従来のセンサー及びA/D変換回路を示す回路図。
符号の説明
1…センサー、3…電圧検出回路としてのコンパレータ−回路、22…第1の容量素子としてのコンデンサー、21…第1のスイッチ素子としてのトランジスター、22…第2のスイッチ素子としてのトランジスター、23…第3のスイッチ素子としてのトランジスター、24…第4のスイッチ素子としてのトランジスター、25,26…トランジスター、27…第5のスイッチ素子としてのトランジスター、30…インバーター回路、40…第2の容量素子としてのコンデンサー、31,32…コンパレーター回路、100a,100b,100c…センサー1を備えたA/D変換回路、101…第1の基板としてのアクティブマトリクス基板、301…走査線駆動回路、302…データ線駆動回路、303…データ線プレチャージ回路、304…対向導通部、401(An,Bm)…画素スイッチング素子、402(An,Bm)…画素電極、601…信号入力端子、602…コモン電位入力端子、603…出力端子、780…表示情報処理回路、781…中央演算回路、782…外部I/F回路、783…入出力機器、784…電源回路、910…電気光学装置としての液晶表示装置、912…第2の基板としての対向基板、921…制御基板、922…液晶材料、923…シール材、924…上偏光板、925…下偏光板、926…バックライトユニット、926a,927…張り出し部、928a…可撓性基板としてのFPC、928c…コネクタ、929…外部駆動IC、930…バックライト制御ユニット、An,A1〜A480…走査線、Bm,B1〜B1920…データ線、C1…総容量、Dn,D1〜D480…容量線、Isense…電流量、MAX…輝度、OFF…バックライト、OUT,OUT1〜OUT8…出力信号、PIN…ラテラル型、Rsense…インピーダンス、t,t0…時間、t'…反転時間、VD,VS…電源電位、VGA…透過型、Vp…初期電位、Vref…基準電位、Vreset…初期電位書き込み信号、Vth…閾値電圧。

Claims (11)

  1. 基板上に薄膜ポリシリコンを能動層に用いたスイッチ素子を備えた電子回路であって、
    測定量を電流量に変換するセンサーと、
    前記電流量に応じた電圧に変換する電流電圧変換回路と、
    前記電流電圧変換回路で変換された前記電圧を検出し、所定の信号を出力する電圧検出回路とを備え、
    前記電流電圧変換回路は、
    前記センサーの出力端に接続された第1のスイッチ素子と、
    前記第1のスイッチ素子と制御端同士が接続された第2のスイッチ素子と、
    前記第2のスイッチ素子に直列に接続された第1の容量素子とを備えたことを特徴とする電子回路。
  2. 基板上に薄膜ポリシリコンを能動層に用いたスイッチ素子を備えた電子回路であって、
    測定量を電流量に変換するセンサーと、
    前記電流量に応じた電圧に変換する電流電圧変換回路と、
    前記電流電圧変換回路で変換された前記電圧を検出し、所定の信号を出力する第1および第2の電圧検出回路とを備え、
    前記電流電圧変換回路は、前記センサーの出力端に接続された第1のスイッチ素子と、前記第1のスイッチ素子と制御端同士が接続された第2および第3のスイッチ素子と、前記第2のスイッチ素子と直列に接続された第1の容量素子と、前記第3のスイッチ素子と直列に接続された第2の容量素子とを備え、
    前記第2のスイッチ素子と第1の容量素子の接続端に接続された前記第1の電圧検出回路と、前記第3のスイッチ素子と第2の容量素子の接続端に接続された前記第2の電圧検出回路とを備えたことを特徴とする電子回路。
  3. 前記第2のスイッチ素子のチャネル幅÷チャネル長の値と前記第3のスイッチ素子のチャネル幅÷チャネル長の値が異なっていることを特徴とする請求項2に記載の電子回路。
  4. 前記第1の容量素子の容量と前記第2の容量素子の容量が異なっていることを特徴とする請求項2に記載の電子回路。
  5. 前記第2のスイッチ素子と並列に接続された第4のスイッチ素子と、
    前記第4のスイッチ素子に直列に接続され、前記第2のスイッチ素子との接続/切り離しを制御する第5のスイッチ素子とを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の電子回路。
  6. 前記センサーは、前記薄膜スイッチ素子の能動層と同一膜厚である薄膜ポリシリコンを能動層としたPIN接合ダイオード又はPN接合ダイオードからなり、
    前記測定量は、光照度であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電子回路。
  7. 前記センサーは、前記薄膜スイッチ素子の能動層と同一膜厚である薄膜ポリシリコンを用いた抵抗体からなり、
    前記測定量は、温度であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電子回路。
  8. 前記電圧検出回路は、コンパレーター回路からなり、比較基準電位を与えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電子回路。
  9. 前記電圧検出回路は、CMOSインバーター又はCMOSクロックド・インバーターであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の電子回路。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の電子回路を備えたことを特徴とする電気光学装置。
  11. 少なくとも請求項10に記載の前記電気光学装置と、該電気光学装置に表示する表示情報を処理する表示情報処理回路とを備えたことを特徴とする電子機器。
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