JP2009064795A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】チャンバー内において整流化した一方向への気流を実現することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置40は、チャンバー50と、チャンバーに連結された導入路52を介しチャンバー内にガスを供給するガス供給手段54と、チャンバー内に設けられ、チャンバー内を、被処理基板を収容する処理室44と、導入路と接続された導入室46と、に区画する仕切部材60と、導入室内の仕切部材上に設けられた整流部材66と、を備えている。導入室は、導入路と接続された第1導入部46aと、第1導入部に対して整流部材を挟んで配置された第2導入部46bと、を有している。仕切部材60の第2導入部に対応する部分に、複数の貫通孔62が形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、チャンバー内にガスを導入して基板を処理するための基板処理装置および基板処理方法に係り、とりわけ、チャンバー内に整流化されたガスの気流を形成して基板を良好に処理し得るようにした基板処理装置および基板処理方法に関する。
半導体デバイスの製造においては、半導体デバイスが形成される基板(半導体ウエハ等)の清浄度を高く維持しておく必要がある。そして、基板に対する種々の処理工程の前後で基板に対して洗浄処理および乾燥処理が行われ、基板上のパーティクルを除去している。
このような洗浄および乾燥を行うための基板処理装置として、基板を略水平姿勢で保持し、基板を回転させながら基板に薬液を供給して薬液洗浄処理を行い、次に、基板を回転させながら基板に純水を供給して薬液の洗い流し処理(リンス処理または濯ぎ処理)を行う装置が、知られている。このような基板処理装置は、パーティクルの流入を防止するためのチャンバーを有しており、このチャンバー内で基板が処理される。そして、各処理が行われている間、チャンバー内において上方から下方へ向けた気流(ダウンフロー)を作り出し、これによって、雰囲気の置換や薬液の飛散を防止している。
ところで、基板処理装置のチャンバー内にダウンフローを作り出すためのガスを導入するガス供給手段は、通常、チャンバー外に設けられている。そして、基板処理装置、さらには基板処理装置を含む基板処理システムのスペース上の問題から、ガス供給手段に接続されたガス導入路はチャンバーに横方向から連結し、ガスが導入路からチャンバー内に横方向へ向けて吹き出されるようになっている。そこで、チャンバー内には整流板等が設けられ、この整流板等によってガスの流れを横方向から下方向に変化させ、チャンバー内にガスのダウンフローが形成される。
しかしながら、このような基板処理装置の内部において、気流は乱れており、またガスは下方のみに向いて流れているわけではない。このため、例えば乾燥処理中に基板上からパーティクルをいったん除去することができたとしても、基板上から除去され舞い上がったパーティクルが再び基板上に落下し基板に再付着してしまう、といった不具合が生じ得る。
この点に関し、特開平2−114636号公報では、通気孔が粗密に形成されたダンパーと、ダンパーの下方に設けられたフィルターと、を設けてチャンバー内を区分けし、整流化されたダウンフローをもたらす方法が開示されている。しかしながら、この方法では、基板を収容する処理槽の上方に2つのスペースを設ける必要があり、実際には、スペース上の問題から実現が難しい。その一方で、スペースを小さくしてこの方法を採用すると、通気孔が密に形成された部分の下方におけるガスの流速と、通気孔が粗に形成された部分の下方におけるガスの流速と、が大きく異なってしまい、乱れが少なく整流化された一方向への気流(ダウンフロー)を実現することができない。
また、基板処理装置の内部雰囲気を迅速に置換するという観点や、被処理基板に対してむらなく均一に処理を施すという観点等からすれば、洗浄処理中および乾燥処理中に限られず被処理基板に対する種々の処理中においても、基板処理装置の内部に整流化された一方向への気流(好ましくはダウンフロー)が実現されていることが好ましい。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、チャンバー内において整流化した一方向への気流を実現することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
また、これにともなって、本発明は、チャンバー内において整流化された一方向への気流を実現しながら基板を処理することができる基板処理方法を提供することを、さらに目的とする。
本発明による基板処理装置は、チャンバーと、前記チャンバーに連結された導入路を介し前記チャンバー内にガスを供給するガス供給手段と、前記チャンバー内に設けられ、前記チャンバー内を、前記被処理基板を収容する処理室と、前記導入路と接続された導入室と、に区画する仕切部材と、前記導入室内に設けられ、前記仕切部材上に配置された整流部材と、を備え、前記導入室は、前記導入路と接続された第1導入部と、前記第1導入部に対して前記整流部材を挟んで配置された第2導入部と、を有し、前記仕切部材の前記第2導入部に対応する部分に、複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする。
本発明による基板処理装置によれば、ガス供給手段からチャンバーの導入室内に供給されたガスは、整流部材によって流れを変化させられて導入室内の第1導入部から第2導入部へと流れ込む。その後、ガスは第2導入部から仕切部材の貫通孔を通過して処理室内に流れ込む。これにより、処理室内へ流れ込む気流を、整流化された一方向への気流とすることができる。
本発明による基板処理装置において、前記仕切部材が前記貫通孔を形成された平板状部材を有し、前記平板状部材が、前記処理室内に収容された被処理基板と対向するように、配置されていてもよい。このような基板処理装置によれば、チャンバー内において、被処理基板に向けた整流化された気流を形成することができる。
また、本発明による基板処理装置において、前記整流部材が前記導入路の開口端に対向して配置されていてもよい。このような基板処理装置によれば、整流部材によって、導入路の構成に起因したガスの特定方向へ向けた流れを打ち消し、整流化された一方向への気流を形成することができる。
さらに、本発明による基板処理装置において、前記仕切部材上に板状からなる複数の整流部材が周状に配置されていてもよい。このような基板処理装置によれば、整流部材によって、導入路の構成に起因したガスの特定方向へ向けた流れを打ち消し、整流化された一方向への気流を形成することができる。
さらに、本発明による基板処理装置において、前記整流部材が、通気孔を形成された筒状部材からなっていてもよい。このような基板処理装置によれば、整流部材によって、導入路の構成に起因したガスの特定方向へ向けた局部的な流れを打ち消し、整流化された一方向への気流を形成することができる。
さらに、本発明による基板処理装置において、第2導入部が、前記処理室内に収容される被処理基板の上方に配置されていてもよい。このような基板処理装置によれば、チャンバー内において、被処理基板に向けた整流化されたダウンフローを形成することができる。
さらに、本発明による基板処理装置において、前記整流部材が、前記処理室内に収容された被処理基板の輪郭に対応して配置されていてもよい。このような基板処理装置によれば、チャンバー内、とりわけチャンバー内の被処理基板の周囲において、被処理基板に向けた整流化された気流を形成することができる。
さらに、本発明による基板処理装置が、前記処理室内に配置され、前記処理室内に収容される被処理基板にIPAを供給するノズルを、さらに備えていてもよい。このような基板処理装置によれば、基板上にIPAを供給して乾燥処理を行うことができる。この場合、乾燥処理を迅速かつ確実に行うことができ、これにより、パーティクルの付着量が少なく清浄度の高い被処理基板を得ることができるようになる。
本発明による基板処理方法は、仕切部材によって、処理室と、ガスの導入路に接続された導入室と、に区画されたチャンバーの前記処理室内に被処理基板を配置する工程と、前記導入路から前記導入室を介し、被処理基板が配置された前記処理室内にガスを導入する工程と、を備え、前記ガスを導入する工程において、ガスは、前記導入室内の導入路に接続された第1導入部から、前記第1導入部に対し前記整流部材を挟んで配置された第2導入部を経由し、仕切部材の前記第2導入部に対応する部分に形成された貫通孔を通過して前記処理室内へ導入されることを特徴とする。
本発明による基板処理方法によれば、ガス供給手段からチャンバーの導入室内に供給されたガスは、整流部材によって流れを変化させられて導入室内の第1導入部から第2導入部へと流れ込む。その後、ガスは第2導入部から仕切部材の貫通孔を通過して処理室内に流れ込む。これにより、処理室内へ流れ込む気流を、整流化された一方向への気流とすることができる。
本発明によれば、チャンバー内に整流化された一方向へ気流を形成することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
以下の実施の形態において、本発明による基板処理装置を、略円板状の輪郭を有する半導体ウエハの薬液洗浄処理、濯ぎ処理(リンス処理)、および乾燥処理を行うための洗浄ユニットとして用い、ウエハ処理システムに組み込んだ例を示している。しかしながら、当然に、本発明による基板処理装置は、このような適用に限定されるものではない。
図1乃至図8は、本発明による基板処理装置40の一実施の形態を示す図である。このうち、まず、図1および図2を用いて基板処理装置40が組み込まれたウエハ処理システム10の全体的な構成および処理方法を説明する。なお、図1はウエハ処理システム10を示す概略上面図であり、図2は図1に対応する図であってウエハ処理システム10を示す概略側面図である。
図1および図2に示すように、ウエハ処理システム10は、処理前および処理後のウエハWが載置される載置部10aと、ウエハWを洗浄する洗浄部10cと、載置部10aおよび洗浄部10cの間におけるウエハWの受け渡しを担う搬送部10bと、を含んでいる。
以下、各部について詳述していく。
まず、載置部10aについて説明する。載置部10aにおいて、ウエハ処理システム10は載置台11を有している。載置台11には、被処理ウエハを収容したキャリアCが取り外し自在に取り付けられるようになっている。
図1に示すように、本実施の形態においては、載置台11に3つのキャリアCが載置されるようになっている。各キャリアCは蓋体13を有しており、蓋体13を開くことによって、その内部に被処理ウエハWを収納することができるようになっている。各キャリアC内には、複数例えば25枚の被処理ウエハWが所定間隔を空けて保持されるようになっている。本実施の形態において、ウエハWは、表面(半導体デバイスを形成される処理面)が上面となるようにして、略水平姿勢でキャリアC内に収容されている。
次に、搬送部10bについて説明する。図2に示すように、搬送部10bは区画壁に覆われた空間を有している。そして、該空間内に、キャリアCとの間、および後に説明する洗浄部10cの受け渡しユニット22との間で、ウエハWの受け渡しを行うウエハ搬送装置20が設けられている。図1に示すように、載置部10aと搬送部10bとの間に設けられた区画壁15には、窓部(開口)が形成されており、また、該窓部を開閉するシャッター等からなる窓部開閉機構17が設けられている。また、上述したキャリアCを載置台11に取り付けた場合、キャリアCの蓋体13が窓部に対向するようになっている。なお、窓部開閉機構17が、窓部を開閉する際に、キャリアCの蓋体13を同時に開閉することができるようになっていることが好ましい。ただし、キャリアCの蓋体13の開閉方法は、これに限られず、専用の開閉機構を別途設けてもよいし、あるいは、手動で開閉するようにしてもよく、窓部開閉機構17や窓部の構成に応じて適宜好適に設計することができる。
図1に示すように、ウエハ搬送装置20はX方向およびY方向に移動可能であり、キャリアCおよび後述の受け渡しユニット22へアクセスすることができるようになっている。また、図2によく示されているように、ウエハ搬送装置20はウエハを保持するためのウエハ保持アーム21a,21bを、高さ方向に間隔を空けて2本有している。各ウエハ保持アーム21a,21bは、X−Y平面内(θ方向)で回転可能、かつZ方向へ移動可能であり、さらに独立して進退自在となっている。ウエハ搬送装置20が移動するとともに、ウエハ保持アーム21a,21bが回転、昇降および進退することにより、ウエハ保持アーム21a,21bに保持されたウエハWをキャリアC内または受け渡しユニット22内に運び入れること、あるいはキャリアC内または受け渡しユニット22内からウエハ保持アーム21a,21b上へウエハWを運び出すことができる。
次に、洗浄部10cについて説明する。図2に示すように、洗浄部10cは区画壁に覆われた空間を有している。図1に示すように、この区画壁に覆われた空間内において、ウエハ処理システム10は、搬送部10bに接続する受け渡しユニット(TRS)22と、基板処理装置(ウエハ洗浄ユニット)40と、洗浄部10c内でウエハを搬送する主ウエハ搬送装置26を有している。
主ウエハ搬送装置26は、X方向およびY方向に移動可能であり、各ユニット22,40へアクセスすることができるようになっている。また、図2によく示されているように、主ウエハ搬送装置26はウエハWを保持するためのウエハ保持アーム26a,26bを、高さ方向に間隔を空けて2本有している。各ウエハ保持アーム26a,26bは、X−Y平面内(θ方向)で回転可能、かつZ方向へ移動可能であり、さらに独立して進退自在となっている。一方、各ユニット22,40には、それぞれウエハWを受け入れるための開閉自在な開口が設けられている。そして、この主ウエハ搬送装置26が移動するとともに、ウエハ保持アーム26a,26bが回転、昇降および進退することにより、ウエハ保持アーム26a,26bに保持されたウエハWを各ユニット22,40内に運び入れること、あるいは各ユニット22,40内からウエハ保持アーム26a,26b上へウエハWを運び出すことができる。
図2に示すように、ウエハ処理システム10は、上下二段に重ねて配置された2つの受け渡しユニット22a,22bを有している。各受け渡しユニット22a,22bには、搬送部10b側にも開閉自在な開口(図示せず)が設けられている。すなわち、受け渡しユニット22のこの開口を介し、洗浄部10cと搬送部10bとが連通するようになる。そして、この開口を介し、上述したように、ウエハ保持アーム21a,21bに保持されたウエハWを受け渡しユニット22内に運び入れること、あるいは受け渡しユニット22内からウエハ保持アーム21a,21b上へウエハWを運び出すことができる。
また、本実施の形態においては、洗浄部10cに、合計8つの基板処理装置(ウエハ洗浄ユニット)40a〜40hが、X方向およびY方向に離間した4箇所にそれぞれ上下2段に重ねて配置されている。
なお、以上の各装置等は、コンピュータを含む主制御システム5(図1)に接続されており、主制御システム5からの制御信号に基づいて動作するようになっている。
次に、このようなウエハ処理システム10におけるウエハWの全体的な処理方法について説明する。
まず、処理されるべきウエハWを例えば25枚収納したキャリアCが載置台11に取り付けられる。次に、窓部開閉機構17およびキャリアCの蓋体13が開かれる。このキャリアCに対してウエハ搬送装置20が接近および進入し、ウエハ搬送装置20の例えば下段のウエハ保持アーム21bが、窓部を介し、キャリアC内から1枚のウエハWを取り上げる。その後、該ウエハ保持アーム21bが後退するとともに回転し、また、ウエハ搬送装置20が移動することによって、キャリアCから取り出されたウエハWが、例えば下段の受け渡しユニット22bへと搬送される。
次に、下段の受け渡しユニット22b内に載置されたウエハWは、主ウエハ搬送装置26によって受け取られ、いずれかの基板処理装置40内へと持ち込まれる。この際、ウエハWは、例えば、主ウエハ搬送装置26の下段のウエハ保持アーム26bによって保持され、基板処理装置40内へ持ち込まれる。
基板処理装置40内に持ち込まれたウエハWに対し、後に詳述するようにして洗浄処理および乾燥処理が施される。その後、洗浄処理および乾燥処理を受けたウエハWは、主ウエハ搬送装置26によって受け取られ、受け渡しユニット22へと再度持ち込まれる。この場合、ウエハWは、例えば、主ウエハ搬送装置26の上段のウエハ保持アーム26aによって保持され、上段の受け渡しユニット22aへと持ち込まれる。
その後、上段の受け渡しユニット22a内に載置されたウエハWは、ウエハ搬送装置20によって受け取られ、再びキャリアC内へと収納される。この場合、ウエハWは、例えば、ウエハ搬送装置20の上段のウエハ保持アーム21aによって保持される。このようにして、ウエハ処理システムにおける、一枚のウエハWに対する一連の処理が終了する。
次に、本発明による基板処理装置(ウエハ洗浄ユニット)40の一実施の形態について、主に図3乃至図8を用いて詳述する。なお、図3は基板処理装置40を上方から示す断面図であり、図4は図3のIV−IV線に沿った断面図であり、図5は洗浄処理および乾燥処理に用いられる配管類の概略構成を示す図であり、図6は図4に対応する図であって処理室内の気流を説明するための図であり、図7は図6のVII−VII線に沿った断面図であり導入室内の気流を説明するための図であり、図8は乾燥処理を説明するための図である。
上述したように、ウエハ処理システム10には合計8台の基板処理装置40が配設されている。図3に示すように、各基板処理装置40は各装置を他の装置から区画する密閉構造の隔壁(ユニットチャンバー)42をそれぞれ備えており、各隔壁42には開口42aと開口42aを開閉するための隔壁メカシャッター42bとが設けられている。各基板処理装置40は対称に構成されていることを除けば略同一に構成されている。以下、図を用いて、基板処理装置40の構成について詳述する。なお、図4乃至図8において、隔壁42は省略されている。
図3および図4に示すように、基板処理装置40は、被処理ウエハWを収容する密閉構造のチャンバー50と、チャンバー50内に接続された導入管52(ガス導入路)と、導入管52に連結されたガス供給手段54と、チャンバー50内に設けられた仕切部材60と、仕切部材60上に設けられた整流部材66と、チャンバー50に隣接して設けられたアーム格納部81と、を備えている。図4に示すように、仕切部材60によってチャンバー50内は、ウエハWを収容する処理室44と、処理室44の上方に設けられ、導入路52と接続された導入室46と、に区画されている(区分けされている)。図3および図4に示すように、処理室44内には、ウエハWを略水平姿勢で保持し、保持したウエハWを回転させる回転保持台76が設けられている。
このうちまず、チャンバー50について説明する。チャンバー50は、略円筒状からなっている。チャンバー50には、チャンバー50内に運び入れる際およびチャンバー50内から運び出す際にウエハWが通過するチャンバー開口50aが、隔壁42の開口42aに対向して設けられている。さらに、チャンバー50には、チャンバー開口50aを開閉するためのチャンバーメカシャッター50bが設けられている。
次に、処理室44内の構成について説明する。
図4に示すように、処理室44内に設けられた回転保持台76は、円筒状からなる回転筒体77と、回転筒体77の上方に設けられたチャック本体78と、チャック本体78に支持された保持部材79と、回転筒体77に連結部材81を介して連結された駆動部材82と、を有している。連結部材81は、例えばベルトから構成され、駆動部材82は、例えばモータから構成される。駆動部材82は、連結部材81を介して回転筒体77を回転駆動するようになっている。図3に示すように、チャック本体78の上部であって回転筒体77の回転軸を中心とした円周上に、3つ保持部材79が等間隔を空けて設けられている。この保持部材79は、ウエハWを周縁から保持することができるようになっている。
ところで、図4に示すようにチャンバー50内壁面には、回転保持台76に保持されたウエハW(図4の二点鎖線)の横方向外方となる位置に、突起57が形成されている。この突起57は断面略三角形状を有し、また、上方外方から回転保持台76に保持されたウエハWに向かう傾斜面57aを有している。同様に、チャンバー50のメカシャッター50bにも、傾斜面57aと略同形状からなり傾斜面50dを有するシャッター突起50cが形成されている。メカシャッター50bが開口50aを塞いている場合(すなわち、上昇した位置にある場合)、突起57とシャッター突起50cとが略同一高さに配置され(図8)、さらに、突起57の傾斜面57aとシャッター突起50cの傾斜面50dとが、チャンバー50の内輪郭に沿って略連続した周状の傾斜面を形成するようになっている。
さらに、図4に示すように、チャンバー50内における回転保持台76の外方には、筒状からなるインナーカップ58が設けられている。インナーカップ58は、略円筒状からなる円筒状部58aと、円筒状部58aから内方に折れ曲がって延び上がる傾斜部58bと、を有している。このインナーカップ58は、図示しないインナーカップ駆動機構に連結され、インナーカップ駆動機構によって、上下方向に移動することができるようになっている。図4に示すように、傾斜部58bの傾斜角度は、突起57の傾斜面57aの傾斜角度およびシャッター突起50cの傾斜面50dの傾斜角度と略同一となっている。そして、インナーカップ58が上限まで上昇した場合、傾斜部58bは、突起57の傾斜面57aおよびシャッター突起50cの傾斜面50dに面接触しこれらを覆うようになっている。
また、図4に示すように、チャンバー50内の下方には、インナーカップ58の内側に第1の排出口91が設けられ、同様に、インナーカップ58の外側に第2の排出口92が設けられている。
次に、導入室46の構成について説明する。
本実施の形態において、図7に示すように、チャンバー50内を導入室46と処理室44とに区分けする仕切部材60は、略円板状からなる平板状部材61によって構成されている。図4に示すように平板状部材61は、処理室44内の回転保持台76上に保持されたウエハWと対向するよう、略水平にチャンバー50内に支持されている。
また、図7に示すように、本実施の形態において、仕切部材60上に、断面弧状輪郭を有する複数の板状部材(弧状板部材)67が配置され、これらの弧状板部材67によって整流部材66が構成されている。図7に示すように、複数の弧状板部材67は、円周上に沿って配置されており、各弧状板部材67間には隙間68が形成されている。本実施の形態においては、弧状板部材67の配置中心が回転保持台76に保持されたウエハWの中心と一致するよう、言い換えると、回転保持台76の回転中心と一致するよう、各弧状部材67が配置されている。各弧状板部材67は、導入室46内において、仕切部材60からチャンバー50の上方内壁面まで、仕切部材60に略直交して上下方向に延びている。
図7によく示されているように、整流部材66によって、導入室46内は、整流部材66の外方に配置された第1導入部(第1スペース)46aと、第1導入部46aに対して整流部材66を挟んで内方に配置された第2導入部(第1スペース)46bと、に区画(区分け)されている。本実施の形態において、第2導入部46bは整流部材66に囲まれており、上面視においてウエハWの輪郭と相似形状となる円形状の輪郭を有している。上述したように、円周上に配置された整流部材66の配置中心は回転保持台76に保持されたウエハWの中心と一致するようになっている。すなわち、整流部材66は、略円形状からなるウエハWの輪郭に対応して配置されている。したがって、整流部材66に囲まれた第2導入部46bは、回転保持台76に保持されたウエハWの直上方に配置されている。
第1導入部46aには導入管52が接続されている。図7および図4に示すように、導入管52は、チャンバー50近傍において、回転保持台76の回転軸に直交するようにして、当該回転軸に向けて延び(言い換えると、第2導入部46aの中心に向けて延び)、チャンバー50に連結されている。そして、最も円周に沿った長さが長い弧状板部材67は、導入管52の開口端52aに対向して、配置されている。
図7に示されているように、本実施の形態においては、導入管52のチャンバー50近傍における中心線Lを中心として、チャンバー50自体が対称な構成となっているのに対し、弧状板部材67も中心線Lを中心として対称な構成となっている。したがって、導入管52から導入室46内に供給されるガスの流れは、この中心線Lを中心として対称な流れとなる。また、図7に示されているように、導入部46の導入管52に接続された側(図7における紙面の左側)に比べ、導入部46の導入管52に接続されていない側(図7における紙面の右側)では、円周に沿った長さが短い弧状板部材67が配置されているとともに、弧状板部材67間の隙間68が大きく(さらに詳しくは、隙間68の円周に沿った長さが長く)なっている。
なお、以上のように複数の弧状板部材67からなる整流部材66の構成は、後述するように、導入管52から第1導入部46aを介してガスが流れ込む第2導入部46b内における圧力を均一にすることを目的としており、第2導入部46b内における圧力を所望の程度に均一とすることができる限りにおいて、説明した構成に限られるものではなく、適宜好適に変更することができる。
一方、図7および図4に示すように、第2導入部46bに対面する仕切部材66には、多数の貫通孔62が規則的に整列して形成されている。そして、第2導入部46bに流入したガスは、この貫通孔62を通過して処理室44内へと流入するようになっている。図7に示す例においては、図7の紙面における上下方向および左右方向において等間隔で多数の貫通孔62が配列されている。ただし、貫通孔62の配列方法は、このような方法に限られず、例えば千鳥状に貫通孔62を配列するようにしてもよい。また、図7に示す例において、貫通孔62は上面視略円形状の形状を有しているが、これに限られず、例えば貫通孔62が上面視四角形状を有するようにしてもよい。
ところで、上述したように、導入管52はガス供給手段54に連結されている。ガス供給手段54はガスを導入管52に供給し、導入管52を介してチャンバー50内にガスを送り込むようになっている。なお、ガス供給手段54から供給されるガスとしては、フィルターを通した空気や、窒素等の不活性ガスが選択され得り、好ましくは乾燥した窒素が選択され得る。
次に、主に図3、図5、および図8に示すように、アーム格納部81について説明する。
図3に示すように、チャンバー50のアーム格納部81に面する位置にアーム用開口81aと、このアーム用開口81aを開閉するためのシャッター81bが設けられている。アーム格納部81には、ウエハW上に液体を供給する、あるいは、ウエハW上にガスを噴射するための液体吐出口を有するアーム82が設けられている。アーム82は、揺動シャフト82aを中心として揺動可能となっており、アーム用開口81aが開いている場合に、開放されたアーム用開口81aから処理室44内に揺動して入り込むことができるようになっている(図8)。なお、アーム82は、アーム82の先端が回転保持台76に保持されたウエハWの中心直上に配置されるまで、揺動することができるようになっている。
図5に示すように、本実施の形態においては、アーム82の先端に、第1乃至第3のノズル83a,83b,83cが設けられている。また、アーム82内には、第1ノズル83aに接続された第1配管84aと、第2ノズル83bに接続された第2配管84bと、第3ノズル83cに接続された第3配管84cと、が設けられている。
また、第1配管84aは第1弁88aを介して薬液を供給する薬液源86aに接続され、第2配管84bは第2弁88bを介して純水(DIW : deionized water)を供給する純水源86bに接続され、第3配管84cは第3弁88cを介してIPA(イソプロピルアルコール)を供給するIPA源86cに接続されている。ここで、薬液源86aに蓄えられる薬液として例えばHF/HO混合液を採用することができる。
なお、本実施の形態において、第1乃至第3ノズルとして流体ノズルが用いられている。また、第1乃至第3弁、および図示しないアーム82の揺動駆動機構は洗浄乾燥系制御器89に接続され、この洗浄乾燥系制御器89によって制御されるようになっている。なお、洗浄乾燥系制御器89は上述した主制御システム5の一部をなしている。
ただし、このようなアーム82およびアーム82に関連する各構成要素の構成は例示に過ぎず、要求される洗浄処理および乾燥処理に応じて、適宜好適に変更することができる。
なお、基板処理装置40の以上の各装置等は、コンピュータを含む主制御システム5(図1)に接続されており、主制御システム5からの制御信号に基づいて動作するようになっている。
次に、以上のような構成からなる基板処理装置40を用いたウエハWの洗浄処理および乾燥処理について説明する。
まず、隔壁メカシャッター42bおよびメカシャッター50bが開き、上述した主ウエハ搬送装置26の中段ウエハ保持アーム26bに保持されたウエハWが処理室44内に持ち込まれる。図4に示すように、このときウエハWは表面が上方を向くようにして、略水平姿勢で保持されている。処理室44内に持ち込まれたウエハWは、回転保持台76のチャック本体78に載置され、保持部材79によって縁部から保持される。その後、中段ウエハ保持アーム26bが後退し、隔壁メカシャッター42bおよびメカシャッター50bが上昇して、隔壁開口42aおよびチャンバー開口50aが閉鎖される。このようにして、密閉された隔壁42内の密閉されたチャンバー50内に、処理されるべき表面が上方を向くようして、ウエハWは略水平姿勢で収納保持される。なお、隔壁メカシャッター42bおよびメカシャッター50bの上昇後または上昇中、インナーカップ58も上昇した位置へと移動する(図6)。
ここで、ガス供給手段54から、例えば窒素等のガスが導入管52へ供給され始める。このとき、図7に示すように、ガス供給手段54から供給されたガスは、導入管52を経由して、まず、チャンバー50内の導入室46へ送り込まれる。上述したように、導入室46には、導入管52の開口端52aに対面するようにして仕切部材66をなす弧状板部材67が設けられている。したがって、図7に示すように、導入室46の第1導入部46aへと送り込まれたガスは、この弧状板部材67に衝突して、弧状板部材67の両側(図7の紙面における上側および下側)へ分かれて流れるようになる。すなわち、導入路54の構成に起因した特定方向へ向けた局部的な流れが打ち消される。
また、上述したように、導入管52のチャンバー50近傍における中心線Lを中心として導入室46内は対称な構造となっている(図7)。このため、二手に分かれたガスは、中心Lを中心として対称な気流を形成しながら、弧状板部材67とチャンバー50壁面との間を流れ、最終的に、導入管52の開口端52aから最も離れた位置で衝突する。
このような第1導入部46a内におけるガスの流れにより、第1導入部46a内の圧力が上昇し、第1導入部46a内のガスは弧状板部材67間に形成された隙間68から第2導入部46b内へ流れ込む。このとき、連続的にガスが供給される第1導入部46a内の導入管52へ接続されている側において圧力が高くなり、第1導入部46a内の接続部から離れた側では圧力が低くなる。ところが、本実施の形態によれば、図7に示されているように、導入部46の導入管52に接続された側(図7における紙面の左側)に比べ、導入部46の導入管52に接続されていない側(図7における紙面の右側)で、弧状板部材67間の隙間が大きく(さらに詳しくは、隙間の円周に沿った長さが長く)なっている。つまり、導入部46の導入管52に接続された側に比べ、導入部46の導入管52に接続されていない側で、第1導入部46aから第2導入部46b内へガスが流れ込みやすくなっている。このため、第2導入部46b内へ整流されて略均一にガスが流れ込むとともに、第2導入部46b内における圧力が略均一となる。
次に、第2導入部46b内に流れ込んだガスは、第2導入部46b内における圧力の増加にともない、仕切部材60に形成された貫通孔62を通過して処理室44内に流れ込む。上述したように、貫通孔62は規則的に整列配置されており、また、第2導入部46bは回転保持台76に保持されたウエハWの直上に配置されている。したがって、図6に示すように、処理室44内に吹き込まれるガスの気流は、ウエハWに向けて整流化された均一なダウンフローとなる。
また、図6に示すように、ウエハW上に吹き込まれたガスは、その後、ウエハWの外方に流れ、インナーカップ58の傾斜部58aに案内されてチャンバー50の下方に流れ込み、インナーカップ58の内側に設けられた第1の排出口91(図4)から排出される。なお、インナーカップ58の下降時においては、ウエハWの外方に流れたガスは、チャンバー50内壁に形成された突起57の傾斜面57aおよびメカシャッター50bの傾斜面50dに案内され、第2の排出口92(図4)から排出される。
このようにチャンバー50内に整流化されたダウンフローが形成された状態で、シャッター81bが開き、アーム82が洗浄乾燥系制御器89によって揺動駆動され、開放されたアーム用開口81aから処理室44内に入り込む(図8)。以降、洗浄処理および乾燥処理がウエハWに対して施されるが、本実施の形態において、洗浄処理および乾燥処理は3段階のステップ(工程)で行われる。なお、各ステップ中、ガス供給手段54からはガスが供給され続け、これにともない処理室44内に、整流化されたダウンフローが作り出され続けている。
まず、第1ステップとして薬液洗浄処理が行われる。このステップにおいては、薬液源86aに接続された第1ノズル83aが回転保持台79に保持されたウエハWの略中心の直上に配置されるよう、アーム82が揺動させられる。また、この動作にあわせて、駆動部材82が連結部材81を介して回転筒体77を回転駆動し、ウエハWが回転させられる。この状態で、洗浄乾燥系制御器89が第1弁88aを開き、この結果、第1ノズル83aからウエハWの中心付近に薬液(例えばHF/HO混合液)が供給される。供給された薬液はウエハWの回転によってウエハW中心から外方へと流れ、ウエハWの表面が全体的に薬液洗浄される。とりわけ、本実施の形態によれば、ウエハWに向けた整流化された略均一なダウンフローが形成されており、ウエハW上においては、ウエハWの中心から外方に向けた整流化された気流が形成される(図6参照)。したがって、この気流により、薬液がウエハWの全表面に行き渡り、ウエハW全体を均一にむらなく薬液洗浄することができる。
このような第1ステップにおける薬液の吐出は、洗浄乾燥系制御器89が第1弁88aを閉じることにより終了し、その後、第2ステップへと移行する。
なお、上述したように、この第1ステップ中、処理室44内には、薬液の吐出方向と同一方向に流れる整流化されたダウンフローが形成されている。したがって、第1ノズル83aから吐出される薬液がウエハW内に衝突して飛散することが防止される。これにより、薬液はインナーカップ58の傾斜部58aに案内され、チャンバー50の下方であってインナーカップ58の内側に設けられた第1の排出口91から排出される。なお、排出口91から回収された薬液は、適切な処理を施した後、薬液源86aに再貯留することができる。
また、HF/HO混合液等の薬液を使用した場合、ウエハWに対して次の処理を行う前に、チャンバー50内の薬液雰囲気を置換しておく必要がある。本実施の形態によれば、チャンバー50内に整流化されたダウンフローが形成されているため、雰囲気の置換を迅速かつ確実に行うことができる。
次に、リンス処理を施す第2ステップについて説明する。このステップにおいては、純水源86bに接続された第2ノズル83bが回転保持台79に保持されたウエハWの略中心の直上に配置されるよう、アーム82が配置される。また、ウエハWも、第1ステップと同様に、回転させられたままとなっている。一方、インナーカップ58が第2ステップの開始時に降下し、第1ステップにおける薬液の流路となっていた部分は、図8に示すように、インナーカップ58と回転保持台79のチャック本体78との間で閉じられる。
このような状態で、洗浄乾燥系制御器89が第2弁88bを開き、この結果、第2ノズル83bからウエハWの中心付近に純水(DIW)が供給される。供給された純水はウエハWの回転(さらに詳しくは、ウエハWの回転に起因する遠心力)によってウエハW中心から外方へと流れ、ウエハWの表面全体にリンス処理、すなわち薬液の濯ぎ処理が施される。とりわけ本実施の形態によれば、上述のように、純水の吐出方向と同一方向に向けて流れる整流化された略均一なダウンフローが形成されており、ウエハW上においては、ウエハWの中心から外方に向けた整流化された気流が形成される。したがって、この気流により、ウエハW全体を均一にむらなく、かつ迅速にリンス処理することができる。
このような第2ステップにおける純水の吐出は、洗浄乾燥系制御器89が第2弁88bを閉じることによって終了し、その後、第3ステップへと移行する。
なお、上述したように、この第2ステップ中、処理室44内には整流化されたダウンフローが形成されている。したがって、第1ノズル83aから吐出される純水や、それまでウエハW上に存在していた薬液がウエハW内に衝突して飛散することが防止される。これにより、リンス処理に用いられた純水は、チャンバー50内壁に形成された突起57の傾斜面57aおよびメカシャッター50bの傾斜面50dに案内され、チャンバー50の下方であってインナーカップ58の外側に設けられた第2の排出口92から排出される。
次に、図8に示す、ウエハW上にIPAを供給して純水と置換し、乾燥する第3ステップについて説明する。このステップは、IPA源86cに接続された第3ノズル83cがウエハWの中心の略直上に配置された状態から開始される。また、第3ステップ中、第2ステップと同様に、インナーカップ58は降下した位置にあり(図8)、ウエハWは回転している。
第3ステップにおいて、洗浄乾燥系制御器89が第3弁88cを開く。そして、第3ノズル83cからウエハWの中心付近にIPAが吐出されている状態で、アーム82が一方の方向(本実施の形態においては、図3における時計回り方向)に揺動し始める。すなわち、ウエハWの中心付近の直上にあった第3ノズル83cは、ウエハWと一定の間隔を保ちながら、ウエハWの周縁に向けて移動する。このようなアーム82の動作、第3ノズル83cからのIPAの吐出、およびウエハWの回転により、第2ステップでウエハW上に吐出された純水はウエハWの外方に移動し、替わりにIPAがウエハWの表面を占めていくようになる。
このような動作により、純水がより表面張力の低いIPAによって置換され、ウエハWの全表面上から純水が除去される。このとき、IPAの一部も純水とともにウエハW上から外方に飛散し、チャンバー50内壁に形成された突起57の傾斜面57aおよびメカシャッター50bの傾斜面50dに案内され、チャンバー50の下方であってインナーカップ58の外側に設けられた第2の排出口92から排出される。
上述のように、本実施の形態によれば、IPAの吐出方向と同一方向に向けて流れる整流化された略均一なダウンフローが形成されており、ウエハW上においては、ウエハWの中心から外方に向けた整流化された気流が形成される。したがって、この気流により、純水からIPAへの置換を均一にむらなく、かつ迅速に行うことができる。
このような第3ステップにおけるIPAの吐出は、所定時間継続した後、洗浄乾燥系制御器89が第3弁88cを閉じることによって終了する。なお、IPAの吐出が終了すると、アーム82は揺動し、アーム用開口81aを経由して処理室44をから退出する。アーム82が処理室44外に位置するようになると、シャッター81bが閉じ、アーム用開口81aが閉鎖状態となる。
以上のようにして、3段階のステップからなる洗浄処理および乾燥処理が終了する。洗浄処理および乾燥処理が終了すると、回転筒体77の回転が停止し、ウエハWが回転保持台79上に静止した状態で保持されるようになる。その後、隔壁メカシャッター42bおよびメカシャッター50bが開き、主ウエハ搬送装置26の上段ウエハ保持アーム26aが処理室44内に進入してくる。上段ウエハ保持アーム26aは、回転保持台76のチャック本体78上に載置された洗浄乾燥済のウエハWを保持し、処理室44内から退室する。好ましくは、この後すぐ、主ウエハ搬送装置26の下段ウエハ保持アーム26bが次に処理すべきウエハWを回転保持台76上に載置する。そして、ウエハ保持アームが処理室44内から退出した後、隔壁メカシャッター42bおよびメカシャッター50bが閉じて、チャンバー50内、さらには隔壁42内が密閉された状態となる。その後、連続して次のウエハWに対して洗浄処理および乾燥処理する場合には、ここでインナーカップ58が上昇し、上述した第1乃至第4ステップが順に実行されていく。
以上のように本実施の形態によれば、基板処理装置10は、ウエハWを収容する処理室44と導入管52に接続された導入室46とにチャンバー50内を区画する仕切部材60と、導入室46内の仕切部材60上に設けられた整流部材66と、を備えており、導入室46が、導入管52と接続された第1導入部46aと、第1導入部46aに対して整流部材66を挟んで配置された第2導入部46bと、を有している。このため、ガス供給手段54からチャンバー50の導入室46内に供給されたガスは、整流部材66によって流れを変化させられて導入室46内の第1導入部46aから第2導入部46bへと流れ込み、第2導入部46a内の圧力は略均一となる。そして、室内が略均一の圧力状態となっている第2導入部46bから仕切部材60の貫通孔62を通過し、ガスが処理室46内に流れ込む。したがって、処理室46内へ流れ込む気流を、整流化された一方向への気流とすることができる。このように処理室46内に整流化された一方向への気流を作り出すことができる基板処理装置10は、雰囲気置換を迅速に行うことができる点や、被処理基板の表面全域に対してむらなく均一な処理を施すことができる点等において、被処理基板に対して種々の処理を行う上で非常に有用である。とりわけ、ウエハWの洗浄処理および乾燥処理用に構成された本例においては、各ノズル83a〜83cから吐出された液体が処理室44内に飛散してしまうことを抑制することができる。また、処理室46内における気流の乱れが格段に抑制されるので、ウエハWに付着したパーティクルをより確実に安定して除去することができる。さらに、ウエハWから除去されたパーティクルがウエハW上方に舞い上がるとともに、ウエハWに再付着してしまうことを抑制することができる。また、回転中のウエハW上の液体をより確実に除去することができ、これにより、ウォーターマークの発生を抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、仕切部材60は貫通孔62を形成された平板状部材61からなり、平板状部材61は、処理室44内に収容された被処理基板と対向するように、配置されている。したがって、チャンバー40内において、被処理基板に向けた整流化された気流を作り出すことができ、さらに、処理室44内に配置された被処理基板上において、ウエハWの中心から外方に向けた整流化された気流を作り出すことができる。これにより、ウエハWの洗浄処理および乾燥処理用に構成された本例においては、ウエハWからのパーティクルの除去をより促進することができるとともに、ウエハWへパーティクルが再付着することをより抑制することができる。また、ウエハW上の液体をより確実に除去することができ、これにより、ウォーターマークの発生を格段に抑制することができる。
さらに、本実施の形態によれば、整流部材66は、チャンバー50への連結部となる導入管52の開口端52aに対向して配置されている。したがって、整流部材66によって、導入管52の構成に起因したガスの特定方向へ向けた局部的な流れを打ち消すことができ、これにより、気流の乱れを抑制し、より安定して処理室44内に整流化された気流を作り出すことができる。とりわけ、ウエハWの洗浄処理および乾燥処理用に構成された本例においては、ウエハWの洗浄処理および乾燥処理をむらなく均一かつ迅速に行うことができる。
さらに本実施の形態によれば、仕切部材60上に板状からなる複数の整流部材66が周状に配置されている。したがって、導入路の構成に起因したガスの特定方向へ向けた局部的な流れを打ち消すことができ、これにより、気流の乱れを抑制し、より安定して処理室44内に整流化された気流を作り出すことができる。とりわけ、ウエハWの洗浄処理および乾燥処理用に構成された本例においては、ウエハWの洗浄処理および乾燥処理をむらなく均一かつ迅速に行うことができる。
さらに、本実施の形態によれば、第2導入部46bは、処理室44内に収容された被処理基板の上方に配置されている。したがって、チャンバー44内において、被処理基板に向けた整流化されたダウンフローを処理室44内に作り出すことができ、さらに、処理室44内に配置された被処理基板上において、ウエハWの中心から外方に向けた整流化された気流を作り出すことができる。とりわけ、ウエハWの洗浄処理および乾燥処理用に構成された本例においては、ウエハWに向けて吐出される液体等の飛散を防止することができる。また、ウエハWからのパーティクルの除去をより促進することができるとともに、ウエハWへパーティクルが再付着することをより確実に抑制することができる。さらに、ウエハW上の液体をより確実に除去することができ、これにより、ウォーターマークの発生を格段に抑制することができる。
さらに、本実施の形態によれば、整流部材66は、処理室44内に収容された被処理基板の輪郭に対応して配置されている。被処理基板に向けて整流化された気流を処理室44内に作り出すことができ、さらに、処理室44内に配置された被処理基板上において、ウエハWの中心から外方に向けた整流化された気流を作り出すことができる。とりわけ、ウエハWの洗浄処理および乾燥処理用に構成された本例においては、ウエハWに向けて吐出される液体等の飛散を防止することができる。また、ウエハWからのパーティクルの除去をより促進することができるとともに、ウエハWへパーティクルが再付着することをより確実に抑制することができる。さらに、ウエハW上の液体をより確実に除去することができ、これにより、ウォーターマークの発生を格段に抑制することができる。
なお、上述した実施の形態に関し、本発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施の形態においては、複数の弧状板部材67が円周上に沿って並べられて整流部材66が構成されている例を示したが、これに限られない。例えば、図9に示すような通気孔96が形成された筒状部材95からなる整流部材94を、図1乃至図8に示す基板処理装置40に適用してもよい。なお、このような整流部材94を用いる場合、筒状部材95の導入管52の開口端52aに対向する部分に、通気孔96が形成されていないことが好ましい。また、筒状部材95の導入管52に接続されている側(導入管52に対面する側)から接続されていない側に向かうにつれて、通気孔96の配置ピッチが短くなる、あるいは通気孔96の大きさが大きくなっていくことが好ましい。このようにすれば、第1導入部46aから第2導入部46bへと流れ込むガスの量を、筒状部材95の導入管52に接続されている側と接続されていない側とで略均一にすることができる。これにより、第2導入部46b内の圧力分布を略均一にすることができ、第2導入部46から処理室44内に吹き込むガスの気流を一方向に向けた整流化された流れとすることができる。
また、同様に仕切部材60の構成も種々変更することができる。例えば、上述したように、仕切部材60の厚さを変更してもよいし、また仕切部材60を平板状部材以外の部材によって構成するようにしてもよい。
さらに、洗浄処理および乾燥処理において、純水をIPAに置換して乾燥する例を示したが、これに限られない。ウエハW上に供給された純水のウエハWに対する表面張力が十分低ければ、純水をIPAに置換することなくウエハWを乾燥することもできる。
ところで、上述のように、基板処理装置40は、コンピュータを含む主制御システム5によって制御され、制御信号からの信号に基づいて被処理基板に対して処理を実施するようになっている。そして、基板処理装置40を制御して基板処理装置40に被処理基板の処理を実施させるために、主制御システム5のコンピュータによって実行されるプログラムも本件の対象である。また、当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体6も、本件の対象である。ここで、記録媒体6とは、フロッピーディスク(フレキシブルディスク)等の単体として認識することができるものの他、各種信号を伝搬させるネットワークも含む。
なお、以上の説明においては、本発明による基板処理装置を、ウエハWの洗浄処理および乾燥処理を行うための装置に適用した例を示しているが、そもそもこれに限られず、LCD基板やCD基板の洗浄処理および乾燥処理に適用してもよく、さらには洗浄処理や乾燥処理以外の種々の処理を行うための装置に適用することもできる。
本発明による基板処理装置の一実施の形態を適用したウエハ処理システムの一例を示す概略上面図。 図1のウエハ処理システムを示す概略側面図。 本発明による基板処理装置の一実施の形態を示す断面図。 図3のIV−IVに沿った断面図。 洗浄処理および乾燥処理に用いられる要素を示す概略構成図。 図4に対応する図であって、処理室内の気流を説明するための図。 図6のVII−VII線に沿った断面図であり、導入室内の気流を説明するための図。 乾燥処理を説明するための図。 整流部材の変形例を示す図。
符号の説明
W 半導体ウエハ(被処理基板)
5 コンピュータ(主制御システム)
6 記録媒体
40 基板処理装置
44 処理室
46 導入室
46a 第1導入部
46b 第2導入部
50 チャンバー
52 導入管(導入路)
52a 開口端
60 仕切部材
61 平板状部材
62 貫通孔
66 整流部材
83c,83d ノズル
94 整流部材
95 筒状部材
96 通気孔

Claims (8)

  1. チャンバーと、
    前記チャンバーに連結された導入路を介し前記チャンバー内にガスを供給するガス供給手段と、
    前記チャンバー内に設けられ、前記チャンバー内を、前記被処理基板を収容する処理室と、前記導入路と接続された導入室と、に区画する仕切部材と、
    前記導入室内に設けられ、前記仕切部材上に配置された整流部材と、を備え、
    前記導入室は、前記導入路と接続された第1導入部と、前記第1導入部に対して前記整流部材を挟んで配置された第2導入部と、を有し、
    前記仕切部材の前記第2導入部に対応する部分に、複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記仕切部材は前記貫通孔を形成された平板状部材を有し、
    前記平板状部材は、前記処理室内に収容された被処理基板と対向するように、配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記整流部材は前記導入路の開口端に対向して配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記仕切部材上に板状からなる複数の整流部材が周状に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  5. 前記整流部材は、通気孔を形成された筒状部材からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  6. 第2導入部は、前記処理室内に収容される被処理基板の上方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  7. 前記整流部材は、前記処理室内に収容された被処理基板の輪郭に対応して配置されていることを特徴とする請求項6に記載の基板処理装置。
  8. 仕切部材によって、処理室と、ガスの導入路に接続された導入室と、に区画されたチャンバーの前記処理室内に被処理基板を配置する工程と、
    前記導入路から前記導入室を介し、被処理基板が配置された前記処理室内にガスを導入する工程と、を備え、
    前記ガスを導入する工程において、ガスは、前記導入室内の導入路に接続された第1導入部から、前記第1導入部に対し整流部材を挟んで配置された第2導入部を経由し、前記仕切部材の前記第2導入部に対応する部分に形成された貫通孔を通過して前記処理室内へ導入されることを特徴とする基板処理方法。
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