JP2009063202A - 放熱器およびそれを備えた冷凍装置 - Google Patents

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一成 笠井
Hiromune Matsuoka
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Abstract

【課題】冷凍装置の放熱器の熱交換能力を向上させる。
【解決手段】冷媒として二酸化炭素が流れて放熱する複数の伝熱管の伝熱管群を備えている。伝熱管群は、入口側半部に位置する伝熱管の内面に溝付管が用いられ、出口側半部に位置する伝熱管に平滑管が用いられている。つまり、放熱器において、冷凍機油の粘度が低い領域では内面溝付管を用い、冷凍機油の粘度が高い領域では平滑管を用いるようにしたので、冷凍機油の残留を抑制することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、放熱器およびそれを備えた冷凍装置に関し、特に、冷凍機油に起因して生じる伝熱性能の低下の抑制に係るものである。
従来より、冷凍装置に用いられる放熱器等の熱交換器において、熱交換能力を向上させるための伝熱促進技術のひとつとして、例えば特許文献1に開示されているように、熱交換器の伝熱管に内面溝付き管が用いられている。この内面溝付き管は、内周面に多数の連続的な螺旋溝が形成されている。この螺旋溝により、伝熱面積が増大すると共に、管内を流れる冷媒がよく撹拌されるので、高い伝熱性能を得ることができる。
特開2003−166794号公報
しかしながら、本願発明者らは、上述した内面溝付き管を二酸化炭素を冷媒とする冷凍装置の放熱器に用いた場合、放熱器の熱交換能力がそれほど向上しないことを性能評価試験により確認している。そして、その原因の一つは、冷媒回路に二酸化炭素と共に封入される冷凍機油にあると考えている。
この冷凍機油は、冷媒回路に設けられた圧縮機の各摺動部を潤滑するために用いられるものであり、圧縮機から吐出される二酸化炭素と共に冷媒回路を循環する。一般に、上記冷凍機油には、PAG(ポリアルキレングリコール)が用いられている。このPAGは、圧縮機の各摺動部に対しては良好な潤滑性を示すものの、二酸化炭素に対する相溶性が低い。このことから、冷媒回路を循環する二酸化炭素および冷凍機油のうち、その二酸化炭素に溶けきれなかった冷凍機油は、冷媒回路の冷媒配管や放熱器の内面溝付き管の内周面を伝うように流れる。ここで、内周面には多数の溝が形成されているため、この溝に冷凍機油が捕捉され易くなる。そして、捕捉された冷凍機油が多いほど、内周面に形成される油膜が厚くなりやすい。油膜が厚くなると、二酸化炭素と内周面との間の熱抵抗が大きくなり、伝熱性能が低下するという問題があった。その結果、十分な熱交換量を確保できないという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷媒として二酸化炭素が循環する冷媒回路に設けられる放熱器において、冷凍機油膜に起因する伝熱性能の低下を抑制し、熱交換能力を向上させることである。
第1の発明は、冷媒が流れる複数の伝熱管(25)の伝熱管群(29)を有し、冷媒として二酸化炭素が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)に設けられる放熱器を前提としている。そして、上記伝熱管群(29)は、少なくとも一部の伝熱管(25)に内周面が平滑な平滑管が用いられているものである。
上記の発明では、二酸化炭素との相溶性が低い冷凍機油が二酸化炭素と共に冷媒回路(11)を循環する場合、放熱器(13)において二酸化炭素に溶けきれなかった冷凍機油が伝熱管(25)の内周面を伝うように流れる。ここで、放熱器(13)の一部の伝熱管(25)には平滑管が用いられているため、その平滑管を冷凍機油が流れる際、冷凍機油が平滑管の内周面を滑らかに流れる。つまり、平滑管の内周面に冷凍機油が捕捉されて残留するのを抑制できる。これにより、平滑管においては、冷凍機油の残留による伝熱性能の低下が防止される。したがって、伝熱管群(29)の全体に内面溝付き管を用いた場合に比べて、伝熱性能の低下が抑制される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記伝熱管群(29)は、二酸化炭素が流入する入口側の伝熱管(25)に内面溝付き管が用いられ、二酸化炭素が流出する出口側の伝熱管(25)に上記平滑管が用いられているものである。
上記の発明では、放熱器(13)において、入口側から出口側にいくに従って冷媒温度が低下してゆく。そのため、放熱器(13)において、入口側にいくほど冷凍機油の粘度は低くなり、逆に出口側にいくほど冷凍機油の粘度は高くなる。放熱器(13)の入口側には内面溝付き管が用いられているが、冷凍機油の粘度が低いため、冷凍機油が内面溝付き管の内周面に捕捉にされにくい。したがって、内面溝付き管によって伝熱面積を稼ぎつつ、冷凍機油による伝熱性能の低下を抑制できる。また、放熱器(13)の出口側では、冷凍機油の粘度が高くなるが、その領域には平滑管が用いられているので、冷凍機油が平滑管の内周面に捕捉されることなく滑らかに流れる。したがって、放熱器(13)全体の伝熱性能の低下が効果的に抑制される。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記伝熱管(25)の内面溝付き管は、溝(2)の深さが50μm以下である。
上記の発明では、内面溝付き管の溝(2)の深さ(即ち、図4に示すフィン高さh)が50μm以下であるため、図11に示すように、フィン高さhがゼロ(即ち、平滑管)の場合に比べて放熱器能力がそれほど低下しない。このように、溝(2)の深さを最適化することにより、内面溝付き管による高い伝熱面積を稼ぎつつも、冷凍機油に起因する伝説性能の低下が抑制される。
第4の発明は、冷媒として二酸化炭素が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)を備えた冷凍装置を前提としている。そして、本発明は、上記請求項1乃至3の何れか1項の放熱器(13)を備えているものである。
上記の発明では、冷媒回路(11)において、二酸化炭素がその臨界圧力以上まで圧縮された後、放熱器(13)で伝熱管(25)を介して放熱する。その放熱器(13)では、冷凍機油に起因する伝熱性能(放熱能力)の低下が抑制される。放熱器(13)で放熱した二酸化炭素は、膨張機構で所定圧力まで減圧された後、蒸発器において蒸発する。その後、二酸化炭素は、再び臨界圧力以上まで圧縮される。
したがって、本発明によれば、伝熱管群(29)における少なくとも一部の伝熱管(25)に内周面が平滑な平滑管を用いるようにした。したがって、冷媒回路(11)において二酸化炭素との相溶性が低い冷凍機油を用いた場合でも、その冷凍機油が放熱器(13)の伝熱管(25)の内周面に残留するのを抑制することができる。これにより、伝熱管群(29)の全体に内面溝付き管を用いた場合に比べて、伝熱性能の低下を抑制することができる。その結果、放熱器能力(即ち、放熱器における熱交換量)を向上させることができる。
また、第2の発明によれば、伝熱管群(29)の入口側に内面溝付き管を用い、出口側に平滑管を用いるようにした。つまり、放熱器(13)において、冷凍機油の粘度が低い領域では内面溝付き管を用い、冷凍機油の粘度が高い領域では平滑管を用いるようにした。このように、冷凍機油の粘度の高低領域に対応させて伝熱管(25)を構成するようにしたので、放熱器(13)の全体において冷凍機油の残留を効果的に抑制することができる。これにより、冷凍機油に起因する伝熱性能の低下を効果的に抑制できる。その結果、放熱器能力の一層向上させることができる。
また、第3の発明によれば、内面溝付き管の溝(2)の深さを50μm以下にしたので、伝熱面積を稼ぎつつも冷凍機油の残留を最低限に抑制することができる。したがって、放熱器能力を一層向上させることができる。
また、第4の発明によれば、放熱器(13)における放熱器能力を向上させることができるため、冷凍装置(10)の成績係数COPを向上させることができる。その結果、省エネな冷凍装置(10)を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の冷凍装置(10)は、本発明に係る放熱器(13)を備えている。図1に示すように、冷凍装置(10)は、圧縮機(12)と放熱器(13)と膨張弁(膨張機構)(14)と蒸発器(15)が冷媒配管で接続されてなる冷媒回路(11)を備えている。
この冷媒回路(11)には、冷媒として二酸化炭素が充填されている。そして、冷媒回路(11)では、二酸化炭素が臨界圧力以上まで圧縮される冷凍サイクル(いわゆる超臨界サイクル)が行われる。また、この冷凍装置(10)では、圧縮機(12)の各摺動部を潤滑するための冷凍機油として、ポリアルキレングリコール(PAG)が用いられている。そして、このPAGは、圧縮機(12)から冷媒と共に吐出されて冷媒回路(11)へ流出することになる。
上記圧縮機(12)は、例えばスクロール型の圧縮機で構成されている。圧縮機(12)には、図示しないが、吐出冷媒が流出する吐出管と、吸入冷媒が流入する吸入管とがそれぞれ接続されている。
上記放熱器(13)は、室外空間に配置されており、その内部を流れる冷媒が室外空気と熱交換するように構成されている。蒸発器(15)は、室内空間に配置されており、その内部を流れる冷媒が室内空気と熱交換するように構成されている。膨張弁(14)は、放熱器(13)と蒸発器(15)との間に接続されている。膨張弁(14)は、例えば電子膨張弁により構成されている。
図2に示すように、上記放熱器(13)および蒸発器(15)は、何れもクロスフィン型熱交換器で構成されている。具体的に、放熱器(13)および蒸発器(15)は、複数の伝熱フィン(21)からなる伝熱フィン群(22)と、複数の伝熱管(25)およびU字管(26)からなる伝熱管群(29)とを備えている。各伝熱フィン(21)は、長方形の平板状に形成されている。各伝熱管(25)は、伝熱フィン(21)を貫通し、その各伝熱管(25)の端部同士がU字管(26)によって接続されている。これにより、入口側端部(27)から出口側端部(28)まで1つの冷媒流路が形成される。なお、後述するが、本実施形態の放熱器(13)および蒸発器(15)は、複数の冷媒流路を有する、いわゆる複数パスの熱交換器である。つまり、放熱器(13)および蒸発器(15)には、冷媒の入口側端部(27)および出口側端部(28)が複数設けられている。そして、各冷媒流路を超臨界圧の二酸化炭素が流れ、この二酸化炭素の流れと直交するように各伝熱フィン(21)の間を空気が流れることにより、二酸化炭素と空気とが熱交換を行う。
そして、本発明の特徴として、放熱器(13)と蒸発器(15)とで、伝熱管(25)の構成が異なる。
先ず、上記蒸発器(15)は、全ての伝熱管(25)に内面溝付き管(以下、単に溝付管という。)が用いられている。図3〜図5に示すように、溝付管は、内周面(4)に複数の溝(2)とその各溝(2)の間に隣接するフィン(3)とが設けられている。そして、溝(2)の断面は逆台形状に形成され、フィン(3)の断面は先細の山形に形成されている(図4参照)。また、これら溝(2)およびフィン(3)は、管軸方向に対して所定の角度(以下、ねじれ角αと言う。)だけ傾斜して延びている(図5参照)。
一方、上記放熱器(13)は、図6に示すように、例えば3つの冷媒流路が上部から下部へ順に配置される、いわゆる3パスの熱交換器である。この放熱器(13)は、3つの入口側端部(27)が空気の入口側とは反対側に位置し、3つの出口側端部(28)が空気の入口側と同じ側に位置している。この放熱器(13)では、入口側端部(27)より流入した冷媒が図6において左半部の冷媒流路を流れ、その後、右半部の冷媒流路へ流れて最終的に出口側端部(28)から流出する。つまり、この放熱器(13)において、左半部が冷媒流路の入口側半部であり、右半部が冷媒流路の出口側半部である。
そして、上記放熱器(13)の各冷媒流路は、少なくとも一部の伝熱管(25)に平滑管が用いられている。具体的に、各冷媒流路において、入口側半部に位置する伝熱管(25)には溝付管が用いられ、出口側半部に位置する伝熱管(25)には平滑管が用いられている。つまり、入口側半部の溝付管は、上述した蒸発器(15)と同様に、内周面(4)に複数の溝(2)とフィン(3)とが設けられている(図3〜図5参照)。また、出口側半部の平滑管は、図示しないが、内周面が平滑に形成されている円管である。そして、本実施形態では、各冷媒流路の伝熱管(25)は、外径φDが6.0〜8.6mmに、肉厚tが0.11D〜0.14Dにそれぞれ形成されている。なお、入口側半部の溝付管の場合、肉厚tは溝(2)における底肉厚tである(図4参照)。
ここで、放熱器(13)において、伝熱管(25)に溝付管を用いた場合と平滑管を用いた場合とで、伝熱管(25)に存在する冷凍機油量の違いについて、図7および図8を参照しながら説明する。
図7は、放熱器(13)の伝熱管(25)の内部において、冷凍機油が二酸化炭素と共に冷凍機油が流動する様子をモデル化したものである。図7において、二酸化炭素の圧力は所定の超臨界圧とし、該二酸化炭素は放熱を伴いながら一定速度(v)で流れるものと仮定する。一方、冷凍機油は、流動する二酸化炭素に対して一定の質量比で一様に存在するものと仮定する。また、冷凍機油は、二酸化炭素に対する相溶性の割合に応じて、二酸化炭素に溶け込むもの(C)と、溶けきれずに内周面(4)を伝うように流れるもの(B)とに分離する。
図8に示すように、「冷媒中の油量」(即ち、図7における冷凍機油(C)の量)については、平滑管の場合と溝付管の場合とでほぼ同量である。一方、「溜まり量」(即ち、図7における冷凍機油(B)の量)については、溝付管の場合が平滑管の場合よりも著しく多いことが分かる。つまり、伝熱管(25)に溝付管ではなく平滑管を用いた方が、放熱器(13)において存在する冷凍機油の総油量が低減される。
次に、上記放熱器(13)および蒸発器(15)において、伝熱管(25)に溝付管を用いた場合と平滑管を用いた場合とで、熱交換量(Q)の違いについて説明する。図7に示すように、先ず、二酸化炭素に溶けきれない冷凍機油(B)の油量を計算し、溝の有無や形状を考慮して内周面(4)の全体に形成される油膜の厚さ(T)を求める。そして、この油膜の厚さ(T)を熱抵抗として捉え、熱交換量(Q)(即ち、蒸発器(15)の場合は蒸発器能力(Qe)、放熱器(13)の場合は放熱器能力(Qg))を算出する。なお、冷凍機油は、ポリアルキレングリコール(PAG)とする。
図9に示すように、上記蒸発器(15)において、溝付管および平滑管の何れの場合も、油循環率(OCR)が高いほど熱交換量(Qe)が低下する。そして、溝付管の場合と平滑管の場合とで、油循環率(OCR)に対する熱交換量(Qe)は概ね同じである。このことから、蒸発器(15)の場合、伝熱管(25)が溝付管であっても平滑管であっても、蒸発器能力は殆ど変わらないことが分かる。なお、油循環率(OCR)とは、単位長さ当たりの伝熱管(25)における冷媒量に対する冷凍機油量(即ち、図7における冷凍機油(B)の油量と冷凍機油(C)の油量との合計油量)の比率である。
一方、図10に示すように、上記放熱器(13)においては、溝付管の場合、油循環率(OCR)が高いほど熱交換量(Qg)が低下するが、平滑管の場合、油循環率(OCR)に対して熱交換量(Qg)は殆ど変化しない。そして、油循環率(OCR)に対する熱交換量(Qg)は、溝付管の場合に比べて平滑管の場合の方が極めて高い。これは、放熱器(13)の場合、伝熱管(25)に平滑管を用いる方が溝付管を用いる場合に比べて、伝熱管(25)の内周面(4)に形成される油膜の厚さ(T)が薄くなり、熱抵抗が小さくなるからである。したがって、放熱器(13)の場合、冷凍機油に起因する熱交換量の観点では、伝熱管(25)に平滑管を用いる方がよいことになる。しかし、伝熱面積に起因する熱交換量の観点では、伝熱管(25)に溝付管を用いる方が伝熱面積が増大して熱交換量が増大する。
ここで、放熱器(13)においては、冷媒の入口側から出口側へいくに従って、冷媒温度が漸次低くなる(図12の実線参照)。一方、冷凍機油は、温度が高いほど粘度が低下するため、放熱器(13)の冷媒の入口側から出口側へいくに従って、粘度が漸次高くなる(図12の破線参照)。したがって、放熱器(13)において、入口側より出口側の伝熱管(25)の方が冷凍機油の油膜が形成されやすいことが分かる。そこで、本実施形態の放熱器(13)では、上述したように、入口側半部に位置する伝熱管(25)には溝付管を用い、出口側半部に位置する伝熱管(25)には平滑管を用いるようにした。これにより、放熱器(13)の入口側半部では、溝付管を用いているが、冷凍機油の粘度が低いため、内周面(4)に冷凍機油の油膜が形成されにくい。また、放熱器(13)の出口側半部では、冷凍機油の粘度が高いが、平滑管を用いているため、内周面に冷凍機油の油膜が形成されにくい。さらに、放熱器(13)の入口側半部では、溝付管の利点である冷媒の伝熱面積を稼ぐことができる。したがって、放熱器(13)の全体において、高い熱交換量を確保することができる。
また、上記放熱器(13)は、入口側半部に位置する溝付管のフィン(3)の高さ(以下、フィン高さhと言う。)(図4参照)が50μmに形成されているものである。図11に実線で示すように、放熱器(13)においては、油有りの場合(油循環率OCR=1wt%の場合)、即ち伝熱管(25)を冷媒が冷凍機油と共に循環する場合、溝付管のフィン高さhが0μmのとき、放熱器能力(即ち、熱交換量)が最大になる。つまり、放熱器(13)では、油有りの場合、伝熱管(25)に平滑管を用いた方が放熱器能力が最大になる。そして、放熱器能力は、フィン高さhが高いほど低くなる。しかし、フィン高さhが50μmまでは、放熱器能力は殆ど低下しないが、50μmを超えると著しく放熱器能力は低下する。一方、図11に一点鎖線で示すように、油無しの場合(油循環率OCR=0wt%の場合)は、溝付管のフィン高さhが高いほど放熱器能力は高くなる。このことから、本実施形態の放熱器(13)において、入口側半部に位置する溝付管のフィン高さhを50μmに形成することにより、放熱器能力の低下を抑制することができる。つまり、放熱器(13)の入口側半部においても、出口側半部の平滑管と殆ど遜色のない放熱器能力を発揮させることができる。
−運転動作−
次に、上記冷凍装置(10)における冷却運転の動作について説明する。冷媒回路(11)において、圧縮機(12)によって臨界圧力以上まで圧縮された高温の二酸化炭素が吐出される。また、圧縮機(12)からは、各摺動部の潤滑に利用された冷凍機油PAGが二酸化炭素と共に吐出される。そして、吐出された二酸化炭素およびPAGは、放熱器(13)に流入する。放熱器(13)に流入した二酸化炭素は、室外空気に放熱しながら伝熱管(25)を通過する。つまり、二酸化炭素と室外空気とが伝熱管(25)を介して熱交換する。
ここで、二酸化炭素とPAGとは相溶性が低いため、放熱器(13)の伝熱管(25)に流入したPAGのうち二酸化炭素に溶けきれないものが二酸化炭素と分離して伝熱管(25)の内周面(4)を伝うように流れる(図7参照)。放熱器(13)の入口側半部では、高温領域であるため、溝付管である伝熱管(25)の内周面(4)を伝うPAGの粘度が低くなっている。したがって、溝付管の内周面(4)を伝うPAGがその内周面(4)に捕捉されにくく、その内周面(4)に油膜が形成されにくい。よって、油膜による熱抵抗は殆ど生じず、二酸化炭素と空気との熱交換が十分に行われる。しかも、溝付管は平滑管に比べて伝熱面積が稼げるので、二酸化炭素と室外空気との熱交換が一層十分に行われ、高い熱交換量(放熱器能力)を確保することができる。
放熱器(13)の出口側半部では、低温領域であるため、伝熱管(25)の内周面を伝うPAGの粘度が高くなっている。しかし、出口側半部の伝熱管(25)が平滑管であるため、二酸化炭素に溶けきれないPAGはその平滑管の内周面を滑らかに流動する。したがって、伝熱管(25)の内周面に油膜が形成されにくい。よって、放熱器(13)の出口側半部においても、油膜による熱抵抗は殆ど生じず、二酸化炭素と室外空気との熱交換が十分に行われる。その結果、高い熱交換量(放熱器能力)を確保することができる。
放熱器(13)を通過した二酸化炭素は、膨張弁(14)に流入する。膨張弁(14)に流入した二酸化炭素は、所定の圧力に減圧されて、低圧の二酸化炭素となる。そして、低圧の二酸化炭素は、蒸発器(15)に流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。その結果、室内空気は冷却される。つまり、蒸発器(15)では、二酸化炭素と室内空気とが伝熱管(25)を介して熱交換する。ここで、蒸発器(15)の伝熱管(25)は溝付管であるため、平滑管に比べて高い伝熱面積が稼げるので、高い熱交換量(蒸発器能力)を得ることができる。蒸発器(15)で蒸発した二酸化炭素は、圧縮機(12)に吸入され、再び臨界圧力以上まで圧縮される。このように二酸化炭素が冷媒回路(11)を循環することにより、室内が冷却される。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、冷媒として二酸化炭素が循環する冷凍装置(10)の放熱器(13)において、伝熱管(25)の全部を溝付管にするのではなく、一部に平滑管を用いるようにした。したがって、二酸化炭素との相溶性が低い冷凍機油(PAG)が二酸化炭素と共に放熱器(13)を流れても、伝熱管(25)の全部を溝付管にした場合に比べて、伝熱管(25)の内周面に冷凍機油が捕捉されて油膜が形成されるのを抑制することができる。これにより、放熱器(13)における二酸化炭素と空気との熱交換を十分に行うことができる。その結果、放熱器(13)における熱交換量、即ち放熱器能力を高めることができる。よって、冷凍装置(10)の運転効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、放熱器(13)の入口側半部の伝熱管(25)に溝付管を、出口側半部の伝熱管(25)に平滑管を用いるようにした。したがって、入口側半部では、溝付管を用いているにも拘わらず、冷凍機油が溝付管の内周面に捕捉されるのを抑制することができる。そのため、伝熱面積を稼ぎつつも油膜に起因する熱抵抗を抑制することができる。よって、高い熱交換量を維持することができる。一方、出口側半部では、冷凍機油の粘度が高くなり油膜が形成されやすくなるが、平滑管を用いているため、その油膜の形成を抑制することができる。その結果、放熱器(13)全体において、高い熱交換量を維持することができる。つまり、放熱器(13)において、放熱器能力を効果的に向上させることができる。
さらに、本実施形態の放熱器(13)では、入口側半部の溝付管のフィン高さhを50μmに形成するようにした。したがって、伝熱面積を稼ぎつつ放熱器能力の低下を最小限に抑えることができる。よって、放熱器能力を一層効果的に向上させることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態の放熱器(13)では、出口側半部即ち出口から中間位置までの伝熱管(25)に平滑管を用いるようにしたが、本発明はこれに限らず、出口から中間位置を超えた部分までを平滑管としてもよいし、出口から中間位置を超えない部分までを平滑管としてもよい。つまり、伝熱管群(29)の出口側に平滑管を用いれば、その長さは問わない。
また、上記実施形態の放熱器(13)では、出口側の伝熱管(25)に平滑管を用いるようにしたが、中間部分や入口側の伝熱管(25)に平滑管を用いるようにしてもよい。つまり、本発明は、伝熱管群(29)の少なくとも一部の伝熱管(25)に平滑管を用いれば、伝熱管群(29)全体に溝付管を用いた場合に比べて、冷凍機油に起因する伝熱性能の低下を抑制することができる。
また、上記実施形態の放熱器(13)は、いわゆる3パスタイプのものとしたが、このパス数についてはこれ以外のものであってもよいことは勿論である。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷媒として二酸化炭素が流れて放熱する放熱器およびそれを備えた冷凍装置として有用である。
実施形態に係る冷凍装置の構成を示す冷媒回路である。 実施形態に係る放熱器および蒸発器を構成を示す斜視図である。 溝付管を示す横断面図である。 図3におけるA部の拡大図である。 溝付管を示す縦断面図である。 実施形態に係る放熱器の構成を示す側面図である。 放熱器の伝熱管における冷凍機油の溜まり量を説明するためのモデル図である。 平滑管および溝付管に存在する総油量を比較したグラフである。 蒸発器における油循環率と熱交換量との関係を示すグラフである。 放熱器における油循環率と熱交換量との関係を示すグラフである。 溝付管の伝熱フィンの高さと放熱器能力の関係を示すグラフである。 放熱器における冷凍機油の粘度の変化を示すグラフである。
符号の説明
2 溝
10 冷凍装置
11 冷媒回路
13 放熱器
25 伝熱管
29 伝熱管群

Claims (4)

  1. 冷媒が流れる複数の伝熱管(25)の伝熱管群(29)を有し、冷媒として二酸化炭素が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)に設けられる放熱器であって、
    上記伝熱管群(29)は、少なくとも一部の伝熱管(25)に内周面が平滑な平滑管が用いられている
    ことを特徴とする放熱器。
  2. 請求項1において、
    上記伝熱管群(29)は、二酸化炭素が流入する入口側の伝熱管(25)に内面溝付き管が用いられ、二酸化炭素が流出する出口側の伝熱管(25)に上記平滑管が用いられている
    ことを特徴とする放熱器。
  3. 請求項2において、
    上記伝熱管(25)の内面溝付き管は、溝(2)の深さが50μm以下である
    ことを特徴とする放熱器。
  4. 冷媒として二酸化炭素が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)を備えた冷凍装置であって、
    上記請求項1乃至3の何れか1項の放熱器(13)を備えている
    ことを特徴とする冷凍装置。
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