JP2008309442A - 伝熱管及び熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置に適用される伝熱管や熱交換器において、特に潤滑油との相溶性の低い二酸化炭素を冷媒とする冷凍装置においても伝熱管内の油溜まりを回避しながら、伝熱性能を向上させる。
【解決手段】伝熱管本体23aの内周面には、その下側半分の第1領域25が平滑な面となるように、上側半分の第2領域26のみに複数の伝熱溝23bが形成されるような内面形状に伝熱管を形成することで油溜まりを回避する。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷凍サイクルを行う冷凍装置に適用される伝熱管、及び該伝熱管を有する熱交換器に関し、特に伝熱管内の油溜まり対策に係るものである。
従来より、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置が知られており、空気調和装置や給湯器等に広く適用されている。
例えば特許文献1に開示されている空気調和装置は、圧縮機、室外熱交換器、膨張機、及び室内熱交換器が接続された冷媒回路を有している。この冷媒回路には、冷媒として二酸化炭素が充填されている。
この空気調和装置の冷房運転では、圧縮機で臨界圧力以上まで圧縮された冷媒が、室外熱交換器を流れる。室外熱交換器では、冷媒と室外空気とが熱交換し、冷媒が室外空気へ放熱する。室外熱交換器で放熱した冷媒は、膨張機で減圧された後、室内熱交換器を流れる。室内熱交換器では、冷媒と室内空気とが熱交換し、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。その結果、室内の冷房が行われる。室内熱交換器で蒸発した冷媒は、圧縮機に吸入されて再び圧縮される。
また、特許文献2には、上述のような冷媒回路に接続される伝熱管が開示されている。この伝熱管には、その内周面に伝熱促進用の伝熱溝(ストレート溝)が全域に亘って形成されている。特許文献2の伝熱管では、伝熱管の内周面の伝熱面積を上記伝熱溝により増大させることで、伝熱管の伝熱性能を向上させている。
特開2001−116371号公報
ところで、上述のような冷凍装置では、圧縮機の各摺動部を潤滑するために潤滑油(冷凍機油)が用いられており、この油は冷媒回路を流れる冷媒中に含まれることになる。このため、冷媒が蒸発器や放熱器等の熱交換器を流れる際には、冷媒に溶けきれなかった油が伝熱管の内壁に付着し、この伝熱管の内壁に油膜が形成されることがある。その結果、この油膜によって冷媒と空気との伝熱が阻害されて、熱交換器の伝熱性能が低下してしまうという問題があった。
特に、特許文献1に開示されていような、二酸化炭素を冷媒として冷凍サイクルを行う冷凍装置では、冷凍機油として、PAG(ポリアルキレングリコール)を用いるのが一般的である。ところが、この種の油は、二酸化炭素に対する相溶性が低いため、熱交換器の伝熱管内には、上述したような油膜が形成され易い。従って、二酸化炭素を冷媒とする冷凍装置に適用される熱交換器では、油膜の形成に起因する伝熱性能の低下が顕著となっていた。
また、上述の特許文献2のように、伝熱管の全周に亘って伝熱溝を形成すると、伝熱溝の内部に油が侵入して留まってしまうことがある。この場合には、かえって伝熱面積が減少してしまい、伝熱性能の低下を招く虞がある。更に、伝熱溝の内部に油が滞ってしまうことで、圧縮機への返油量が不足気味となり、圧縮機の潤滑不良を招く虞もある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置に適用される伝熱管や熱交換器において、伝熱管内の油溜まりを回避しながら、伝熱性能を向上させることである。
第1の発明は、内周面に複数の伝熱溝(23b)が形成されて水平に延びる伝熱管本体(23a)を備え、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置(1)の冷媒回路(10)に接続される伝熱管を前提としている。そして、この伝熱管は、上記伝熱管本体(23a)の内周面に、その底部を含む所定領域(25)が平滑な面となるように、一部の領域(26)のみに上記複数の伝熱溝(23b)が形成されていることを特徴とするものである。
第1の発明では、冷凍装置の冷媒回路(10)に伝熱管本体(23a)が水平に延びて接続される。冷媒回路(10)の冷媒が伝熱管本体(23a)内を流れる際には、冷媒中に溶けきれなかった油が、冷媒から分離する。ここで、冷媒から分離した油は、自重によって伝熱管本体(23a)の底部側に落ちるので、油は伝熱管本体(23a)の底部に多く溜まることになる。
本発明では、伝熱管本体(23a)の底部を含む所定領域(25)(以下、第1領域という)が平滑な面となるように、一部の領域(26)(以下、第2領域という)のみに伝熱溝(23b)が形成されている。つまり、本発明では、伝熱管本体(23a)の底部側の第1領域(25)に伝熱溝(23b)が形成されておらず、それ以外の第2領域(26)のみに伝熱溝(23b)が形成されている。従って、伝熱管本体(23a)の底部側、即ち第1領域(25)に油が落ちても、第1領域(25)は平滑な面となっている(伝熱溝が形成されていない)ので、この油は第1領域(25)を速やかに流れて伝熱管本体(23a)を流出する。その結果、伝熱管本体(23a)の底部に油が溜まってしまうことが回避される。
一方、第2領域(26)には伝熱溝(23b)が形成されているが、この第2領域(26)は伝熱管本体(23a)の底部側に位置していないので、油もさほど溜まらない。従って、伝熱溝(23b)の伝熱面積が確保されるので、伝熱溝(23b)による伝熱促進作用は充分得られることになる。
第2の発明は、第1の発明の伝熱管において、上記伝熱管本体(23a)の内周面には、その下側半分の領域(25)が平滑な面となるように、上側半分の領域(26)のみに上記複数の伝熱溝(23b)が形成されていることを特徴とするものである。
第2の発明の伝熱管本体(23a)では、その内周面の下側半分の第1領域(25)が平滑な面となり、その内周面の上側半分の第2領域(26)に伝熱溝(23b)が形成される。本発明では、第2領域(26)の伝熱溝(23b)に油が入り込んだとしても、この油は自重によって伝熱管本体(23a)の底部側に流下する。従って、伝熱溝(23b)内の油溜まりが回避され、伝熱溝(23b)の伝熱促進作用が充分得られる。
一方、このようにして伝熱管本体(23a)の底部側へ流下した油は、伝熱管本体(23a)の第1領域(25)の表面に付着する。ここで、第1領域(25)は平滑な面であるので、この油は第1領域(25)を速やかに流れて伝熱管本体(23a)を流出する。その結果、伝熱管本体(23a)の底部側に油が溜まってしまうことが回避される。
第3の発明は、第1又は第2の発明の伝熱管において、上記複数の伝熱溝(23b)は、伝熱管本体(23a)の軸方向へ延びていることを特徴とするものである。
第3の発明では、伝熱管本体(23a)の第2領域(26)に軸方向に延びる複数の伝熱溝(23b)が形成される。伝熱溝(23b)をこのような形状とすると、伝熱管本体(23a)の第2領域(26)のみに容易に伝熱溝(23b)を成形/加工することができる。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの伝熱管において、冷媒としての二酸化炭素が充填される冷媒回路(10)に接続されることを特徴とするものである。
第4の発明では、二酸化炭素を用いていわゆる超臨界サイクルを行う冷媒回路(10)に、第1乃至第4のいずれか1つの発明の伝熱管が適用される。
第5の発明は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置(1)の冷媒回路(10)に接続されると共に、複数の伝熱管(23)を有する熱交換器を前提としている。そして、この熱交換器は、上記伝熱管が、第1乃至第4のいずれか1つの発明の伝熱管(23)で構成され、各伝熱管(23)の端部同士を連結する複数のU字管(24)を更に備えていることを特徴とするものである。
第5の発明の熱交換器は、水平に延びる複数の伝熱管(23)の各端部が、U字管(24)によって互いに連結される。各伝熱管(23)では、その内周面の底部に油が落ちても、この底部は平滑な面となっている。従って、この油は、速やかに各伝熱管(23)を流出する。その結果、熱交換器では、各々の伝熱管(23)の油溜まりが回避されるので、熱交換器全体の油溜まりも効果的に抑制される。
また、各伝熱管(23)では、伝熱溝(23b)が形成されている領域には、さほど油が溜まらないので、充分な伝熱性能が得られる。その結果、熱交換器全体の熱交換率も充分得られることになる。
本発明では、伝熱管本体(23a)の底部を含む領域(25)が平滑な面となるように、一部の領域(26)のみに伝熱溝(23b)を形成している。これにより、本発明によれば、自重によって伝熱管本体(23a)の底部側に落下した油を、伝熱管本体(23a)から速やかに流出させることができ、伝熱管本体(23a)の油溜まりを回避できる。従って、伝熱管本体(23a)の底部側における油膜の形成も回避でき、伝熱性能を向上できる。また、伝熱溝(23b)を形成した領域には、油が溜まりにくいので、この伝熱溝(23b)の本来の伝熱性能を発揮させることができる。従って、伝熱管の伝熱性能が更に向上する。
また、上述のように伝熱管の油溜まりを回避できるようにすると、冷凍装置(1)に用いられる圧縮機へ充分な油を戻すことができる。従って、圧縮機の潤滑不良を防止でき、冷凍装置(1)の信頼性を保つことができる。
特に、第2の発明では、伝熱管本体(23a)の内周面の下側半分の領域を平滑な面とし、上側半分の領域のみに伝熱溝(23b)を形成している。これにより、本発明によれば、上側半分の領域の伝熱溝(23b)内に入り込んだ油を、自重によって速やかに排出することができ、この油を底部側へ落とすことができる。一方、油が落ちた下側の領域は平滑な面であるので、この油を伝熱管本体(23a)から速やかに流出させることができる。従って、伝熱管本体(23a)では、その内周面の全域に亘って油溜まりを回避でき、伝熱性能を一層向上させることができる。
また、第3の発明では、複数の伝熱溝(23b)が伝熱管本体(23a)の軸方向に延びる形状となっている。これにより、本発明によれば、例えば溝付プラグ等によって、伝熱管本体(23a)の一部の領域(26)のみに複数の伝熱溝(23b)を容易に加工することができる。
第4の発明では、二酸化炭素を臨界圧力以上まで圧縮する冷媒回路(10)について、第1から第3までの発明の伝熱管を適用するようにしている。ここで、このような冷媒回路(10)では、二酸化炭素に溶けにくい冷凍機油(例えばPAG)を用いることが一般的である。このため、従来のものであれば、この油が伝熱管内に溜まりやすくなり、伝熱管の伝熱性能の低下も顕著となる。これに対し、本発明によれば、冷媒中に含まれる油を伝熱管本体(23a)から速やかに流出させることができるので、伝熱管の伝熱性能の低下を効果的に防止できる。
第5の発明では、第1から第4までの発明の伝熱管(23)の各端部をU字管(24)で繋ぎ合わせることで、熱交換器を構成するようにしている。これにより、本発明では、熱交換器全体における油溜まりを回避でき、この熱交換器の性能を充分発揮させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る熱交換器は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置(1)に適用されるものである。実施形態の冷凍装置は、室内の冷房と暖房とを切り換えて行う空気調和装置(1)を構成している。
〈冷媒回路の概略構成〉
図1に示すように、空気調和装置(1)は、冷媒が充填される冷媒回路(10)を備えている。冷媒回路(10)には、冷媒として二酸化炭素が充填されている。また、この空気調和装置(1)では、圧縮機(11)の各摺動部を潤滑するための潤滑油(冷凍機油)として、有極性の油であるポリアルキレングリコール(PAG)が用いられている。そして、このPAGは、圧縮機(11)から吐出された冷媒と共に冷媒回路(10)へ流出することになる。従って、冷媒回路(10)では、冷媒としての二酸化炭素と、冷凍機油としてのPAGとが循環する。また、冷媒回路では、二酸化炭素を臨界圧力以上まで圧縮する冷凍サイクル(いわゆる超臨界サイクル)が行われる。
冷媒回路(10)には、圧縮機(11)と室外熱交換器(12)と室内熱交換器(13)と膨張弁(14)とが設けられている。
上記圧縮機(11)は、例えばスクロール型の圧縮機で構成されている。圧縮機(11)には、圧縮機構の吐出冷媒が流出する吐出管(11a)と、圧縮機構の吸入冷媒が流入する吸入管(11b)とが接続されている。上記室外熱交換器(12)は、室外空間に配置されている。室外熱交換器(12)では、その内部を流れる冷媒と室外空気とが熱交換する。上記室内熱交換器(13)は、室内空間に配置されている。室内熱交換器(13)では、その内部を流れる冷媒と室内空気とが熱交換する。室外熱交換器(12)及び室内熱交換器(13)は、本発明に係る熱交換器であって、クロスフィン式の熱交換器を構成している。
上記膨張弁(14)は、室外熱交換器(12)と室内熱交換器(13)との間に接続されている。膨張弁(14)は、例えば電子膨張弁で構成されている。また、冷媒回路(10)には、四路切換弁(15)が設けられている。四路切換弁(15)は、第1から第4までの4つのポートを備えている。四路切換弁(15)では、第1ポートが室外熱交換器(12)と繋がり、第2ポートが圧縮機(11)の吸入側と繋がり、第3ポートが圧縮機(11)の吐出側と繋がり、第4ポートが室内熱交換器(13)と繋がっている。四路切換弁(15)は、第1ポートと第3ポートとを連通させると同時に第2ポートと第4ポートとを連通させる第1状態(図1の実線の状態)と、第1ポートと第2ポートとを連通させると同時に第3ポートと第4ポートとを連通させる第2状態(図1の破線の状態)とに切換可能となっている。
〈熱交換器の構成〉
図2及び図3に示すように、各熱交換器(12,13)は、複数のフィン(21)と、複数の伝熱管(23)と、各伝熱管(23)を互いに連結するU字管(24)とを備えている。複数のフィン(21)は、アルミニウム製であって、長方形板状に形成されている。各フィン(21)は、互いに平行な姿勢で所定の間隔を介して配列されている。
上記伝熱管(23)及びU字管(24)は、銅材料(銅管)によって構成されている。伝熱管(23)は、水平方向に直線状に延びている。各伝熱管(23)は、複数のフィン(21)を全て貫通するようにして、水平な姿勢で各フィン(21)に支持されている。本実施形態において、各伝熱管(23)は、フィン(21)の長手方向に等間隔で並べられており、これらの配列群が、フィン(21)の幅方向に2列設けられている。U字管(24)は、各伝熱管(23)を互いに連結する接続管を構成している。U字管(24)は、上下に隣り合う伝熱管(22,22)同士を繋ぐように各伝熱管(23)の端部に接続されている。U字管(24)と各伝熱管(23)は、例えばろう付けによって接合されている。
図4及び図5に示すように、伝熱管本体(23a)には、その内周面に複数の伝熱溝(23b)が形成されている。複数の伝熱溝(23b)は、伝熱管本体(23a)の内周面について、その一部の領域のみに形成され、残りの領域には形成されていない。具体的に、伝熱管本体(23a)の内周面には、その下側半分の全域に亘って第1領域(25)が形成され、残りの上側半分の全域に亘って第2領域(26)が形成されている。つまり、伝熱管本体(23a)では、その底部を含む領域が第1領域(25)となり、その上部を含む領域が第2領域(26)となる。複数の伝熱溝(23b)は、これらの領域(25,26)のうち第2領域(26)の全域に亘って形成されている。各伝熱溝(23b)は、伝熱管本体(23a)の軸線方向に延びており、いわゆるストレート溝を構成している。また、各伝熱溝(23b)は、伝熱管本体(23a)の軸心側に向かって開口面積が拡がるような台形状の縦断面を有している。そして、各伝熱溝(23b)は、第2領域(26)において、伝熱管本体(23a)の周方向に等間隔で配列されている。伝熱管本体(23a)には、例えば所定パターンの溝付きプラグが軸方向に挿通されることで、第2領域(26)のみに複数の伝熱溝(23b)が形成されている。
一方、伝熱管本体(23a)の上側半分の第1領域(25)には、複数の伝熱溝(23b)が形成されていない。つまり、伝熱管本体(23a)の第1領域(25)は、その全域に亘って平滑な面が形成されている。
−運転動作−
次に、実施形態に係る空気調和装置(1)の運転動作について説明する。空気調和装置(1)の冷媒回路(10)では、上記四路切換弁(15)の設定に応じて、冷媒の循環方向が切り換わる。具体的には、四路切換弁(15)は、冷房運転において図1の実線で示す状態となる。その結果、冷房運転では、室外熱交換器(12)が放熱器となり、室内熱交換器(13)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。一方、四路切換弁(15)は、暖房運転において図1の破線で示す状態となる。その結果、暖房運転では、室外熱交換器(12)が蒸発器となり、室内熱交換器(13)が放熱器となる冷凍サイクルが行われる。以下には、このような空気調和装置(1)の冷房運転を代表に説明する。
図1に示す冷媒回路(10)において、圧縮機(11)で臨界圧力以上まで圧縮された冷媒は、吐出管(11a)より吐出される。なお、圧縮機(11)からは、各摺動部の潤滑に利用された油が、高圧冷媒とともに吐出される。その後、冷媒は室外熱交換器(12)を流れる。室外熱交換器(12)では、高圧冷媒が室外空気へ放熱する。室外熱交換器(12)で放熱した後の高圧冷媒は、膨張弁(14)を通過する際に減圧されて、低圧冷媒となる。その後、冷媒は室内熱交換器(13)を流れる。室内熱交換器(13)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。その結果、室内の冷房が行われる。室内熱交換器(13)で蒸発した冷媒は、吸入管(11b)を流れて圧縮機(11)に吸入され、再び圧縮される。
〈油溝の作用〉
ところで、上述した冷房運転や暖房運転において、室外熱交換器(12)や室内熱交換器(13)内を冷媒が流通する際には、冷媒に溶けきれない油が、冷媒と分離して伝熱管(23)に留まることがある。
具体的に、伝熱管本体(23a)では、その内周面を覆うように油が分離する。ここで、伝熱管本体(23a)の上側に拡がった油は、その自重によって伝熱溝(23b)の内部や外部から、伝熱管本体(23a)の底部側に滴下する。つまり、伝熱管本体(23a)では、伝熱溝(23b)が形成されている第2領域(26)の油が、第1領域(25)側へ落下する。従って、第2領域(26)の伝熱溝(23b)内には、さほど油が溜まることがないので、伝熱溝(23b)の伝熱面積が充分確保される。
一方、第1領域(25)は、伝熱溝(23b)が形成されておらず、平滑な面となっている。そのため、第1領域(25)に溜まった油は、伝熱管本体(23a)の内周面に沿うようにして冷媒と共に伝熱管本体(23a)を速やかに流れることになる。従って、伝熱管本体(23a)の底部に油が留まってしまうことがなく、第2領域(26)の全域に油膜が形成されてしまうことも回避される。
−実施形態の効果−
上記実施形態では、伝熱管本体(23a)の底部を含む第1領域(25)が平滑な面となるように、第2領域(26)のみに伝熱溝(23b)を形成している。これにより、伝熱管本体(23a)の底部に落ちた油を伝熱管本体(23a)から速やかに流出させることができ、第1領域(25)における油膜の形成を防止できる。従って、伝熱管(23)の伝熱性能の低下も防止できる。
また、第2領域(26)の伝熱溝(23b)の内部の油を自重によって排出させることができるので、伝熱溝(23b)の有効な伝熱面積が減少してしまうことも回避できる。従って、伝熱管(23)の伝熱性能を充分に確保できる。
更に、熱交換器(12,13)内の油溜まりを回避することで、圧縮機(11)への返油量も充分確保できる。従って、圧縮機(11)の各摺動部の潤滑不良を防止でき、圧縮機(11)の損傷等を未然に回避できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、その下側半分の第1領域(25)が平滑な面となるように、上側半分の第2領域(26)のみに複数の伝熱溝(23b)を形成している。しかしながら、これらの領域(25,26)の範囲はこれに限られるものではない。つまり、平滑な面となる第1領域(25)は、図4に示すように、必ずしも下側半分の領域(約180°の範囲)でなくても良く、例えば図6に示すように、伝熱管本体(23a)の下端を中央とする約90°の範囲であっても良いし、これ以外の範囲であっても良い。なお、このような第1領域(25)の範囲は、伝熱管本体(23a)の下端を中央に、約30°〜約180°の範囲であることが好適である。また、この第1領域(25)の範囲の幅は、複数の伝熱溝(23b)の周方向の間隔幅よりも広くなるのは勿論のことである。
また、上記伝熱溝(23b)の形状は、上記実施形態で述べたもの以外であっても良い。即ち、伝熱溝(23b)は、伝熱管本体(23a)の軸線を中心として旋回する螺旋状であっても良いし、それ以外の形状であっても良い。また、伝熱溝(23b)の縦断面形状を三角形や楕円形や半円形としても良い。
また、第1領域(25)の表面に撥油性材料(撥油層)をコーティングするようにしても良い。このような撥油性材料としては、テフロン系、フッ素系、パラフィン系、シリコン系の材料が挙げられる。この構成では、第1領域(25)に溜まった油が、撥油性材料によって弾かれるので、この油を一層速やかに伝熱管(23)から流出させることができる。
更に、上記伝熱管(23)は、必ずしも熱交換器(12,13)に適用しなくても良く、冷媒回路(10)に接続されるものであれば、他の配管に適用しても良い。
また、上記各実施形態では、冷媒として二酸化炭素を用い、冷凍機油としてPAGを用いる冷凍装置について、本発明に係る熱交換器(12,13)を適用しているが、これ以外の種類の冷媒や冷凍機油を用いる冷凍装置について、この熱交換器(12,13)を適用しても良い。具体的には、冷媒としては、R134a、R410a、R407c、R32等が挙げられる。また、冷凍機油としては、ポリ−α−オレフィン、P06、フッ素系の油等が挙げられる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷凍サイクルを行う冷凍装置に適用される伝熱管、及び該伝熱管を有する熱交換器に関し、有用である。
図1は、実施形態に係る冷凍装置の冷媒回路の概略構成を示す配管系統図である。 図2は、実施形態に係る熱交換器の概略構成を示す斜視図である。 図3は、実施形態に係る熱交換器の概略構成を示す立面図である。 図4は、実施形態に係る熱交換器の伝熱管の縦断面図である。 図5は、実施形態に係る熱交換器の伝熱管の内部を示す斜視図である。 図6は、その他の実施形態に係る熱交換器の伝熱管の縦断面図である。
符号の説明
1 空気調和装置(冷凍装置)
10 冷媒回路
12 室内熱交換器(熱交換器)
13 室外熱交換器(熱交換器)
23 伝熱管
23a 伝熱管本体
23b 伝熱溝
24 U字管
25 第1領域
26 第2領域

Claims (5)

  1. 内周面に複数の伝熱溝(23b)が形成されて水平に延びる伝熱管本体(23a)を備え、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置(1)の冷媒回路(10)に接続される伝熱管であって、
    上記伝熱管本体(23a)の内周面には、その底部を含む所定領域(25)が平滑な面となるように、一部の領域(26)のみに上記複数の伝熱溝(23b)が形成されていることを特徴とする伝熱管。
  2. 請求項1において、
    上記伝熱管本体(23a)の内周面には、その下側半分の領域(25)が平滑な面となるように、上側半分の領域(26)のみに上記複数の伝熱溝(23b)が形成されていることを特徴とする伝熱管。
  3. 請求項1又は2において、
    上記複数の伝熱溝(23b)は、伝熱管本体(23a)の軸方向へ延びていることを特徴とする伝熱管。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
    冷媒としての二酸化炭素が充填される冷媒回路(10)に接続されることを特徴とする伝熱管。
  5. 蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置(1)の冷媒回路(10)に接続されると共に、複数の伝熱管(23)を有する熱交換器であって、
    上記伝熱管は、請求項1乃至4のいずれか1つの伝熱管(23)で構成され、
    各伝熱管(23)の端部同士を連結する複数のU字管(24)を更に備えていることを特徴とする熱交換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010164260A (ja) * 2009-01-16 2010-07-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 熱交換器の製造方法、熱交換器用伝熱管、熱交換器
CN102636068A (zh) * 2012-05-09 2012-08-15 苏州新太铜高效管有限公司 非对称翅片冷凝管

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