JP2007315639A - 蒸発器とそれを用いた冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷媒と相溶性のある冷凍機油を用いても、冷凍機油が蒸発器の管内壁に付着して伝熱性能を低下させることがない蒸発器とそれを用いた冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】伝熱管11は、伝熱管入口側11aからリターンベンド11bを経て上方に向かい、1列目上端の第1列伝熱管上端部11cに達する。そして、伝熱管11は、第1列伝熱管上端部11cと2列目上端の第2列伝熱管上端部11dとの間に、オイル分離機構13が挿入され、第2列伝熱管上端部11dからリターンベンド11bを経て下方に向かい、伝熱管出口側11eに延びている。オイル分離機構13は、第1列伝熱管上端部11cおよび第2列伝熱管上端部11dから鉛直下方に伸ばし、U字状に折り曲げた流路を有している。
【選択図】図1
【解決手段】伝熱管11は、伝熱管入口側11aからリターンベンド11bを経て上方に向かい、1列目上端の第1列伝熱管上端部11cに達する。そして、伝熱管11は、第1列伝熱管上端部11cと2列目上端の第2列伝熱管上端部11dとの間に、オイル分離機構13が挿入され、第2列伝熱管上端部11dからリターンベンド11bを経て下方に向かい、伝熱管出口側11eに延びている。オイル分離機構13は、第1列伝熱管上端部11cおよび第2列伝熱管上端部11dから鉛直下方に伸ばし、U字状に折り曲げた流路を有している。
【選択図】図1
Description
本発明は、蒸発器とそれを用いた冷凍サイクル装置に関し、特に冷凍機油を分離させるオイル分離機構を備えた蒸発器とそれを用いた冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクルの効率向上を目的として、膨張行程を等エントロピーに近い膨張を行い、動力を回収する膨張機を用いる冷凍サイクル装置がある。このような冷凍サイクル装置の膨張機は、例えばロータリー型であれば、シャフトを中心としてピストンが摺動するため、この摺動部は、冷凍機油で潤滑する必要がある。
そして、このような冷凍機油は、冷媒とともに膨張機から吐出される場合がある。吐出された冷凍機油は、膨張機に配管で接続されている蒸発器に流入すると、蒸発器の伝熱管内に付着して、冷媒が蒸発する際に、図8に示すように伝熱抵抗となっていた。図8は、従来の蒸発器の伝熱管50の断面図である。伝熱管50の内壁には、冷凍機油51が付着しているため、冷媒52が伝熱管50外からの熱を奪って蒸発する際の妨げとなっていた。
このような課題に対して、蒸発器にオイル分離機構を付加し、蒸発器内で冷媒から冷凍機油を分離して除去する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
図9は、特許文献1の冷凍サイクル装置の蒸発器を示し、図9(a)はオイル分離装置を備えた蒸発器を示す側面図、図9(b)は図9(a)の要部拡大図、図9(c)は図9(b)のB−B断面図、図9(d)は図9(c)の変形例である。
フィンチューブ式の蒸発器60は、冷凍機油を含む冷媒を通す冷媒配管61が、多数のフィン62を貫通しながら蛇行して配置されている。この冷媒配管61は、複数の互いに平行な部分63が、Uベンド部分64によってそれぞれ連通されている。このUベンド部分64のうち一部のものの下部に、すなわちU字のカーブが始まる部分に、導油管65が接続される。これら一部のUベンド部分64は、図9(b)、図9(c)、図9(d)に示すように二重管66となっている。また、内管67はメッシュ構造68を有し、外管69に導油管65が接続されて、オイル分離機構70が構成されている。
冷凍機油を含む冷媒は、Uベンド部分64で上方に向かいつつ、このU字に沿って流れ方向を変える。そして冷凍機油を含む冷媒は、Uベンド部分64において上方に向かう際に重力が働き、下方へ押し戻され、更にU字のカーブによって外側に遠心力が働き、Uベンド部分64の外周部の内壁に向かって押しやられる。この重力および遠心力によって、冷凍機油は冷媒から分離される。
そして分離した冷凍機油は、Uベンド部分64の二重管66を構成するメッシュ構造68により捕集される。捕集された冷凍機油は、メッシュ構造の内管67を通り抜けて、外管69に移り、外管69下部のオイル溜まり71に溜まる。その後、導油管65を通って、冷媒ガスの風圧や圧力差などにより圧縮機へ戻される。
特開平10−141811号公報
上述のオイル分離機構70は、冷媒と非相溶の冷凍機油であると、Uベンド部分64に
冷媒と冷凍機油は分離する。しかし、冷媒と非相溶の冷凍機油であると、分離した冷凍機油が冷凍サイクル装置内に付着し、冷凍機油が必要な箇所、例えば膨張機の摺動部に十分に回らず、潤滑不足を引き起こすことになる。そのため、冷凍機油は、冷媒と相溶性があることが要求される。ところが、冷媒と相溶性のある冷凍機油が蒸発器に流入すると、蒸発器による低温で冷凍機油等の流動性も低下し、冷凍機油のみが蒸発器の管内壁に付着して伝熱性能を低下させるという課題があった。
冷媒と冷凍機油は分離する。しかし、冷媒と非相溶の冷凍機油であると、分離した冷凍機油が冷凍サイクル装置内に付着し、冷凍機油が必要な箇所、例えば膨張機の摺動部に十分に回らず、潤滑不足を引き起こすことになる。そのため、冷凍機油は、冷媒と相溶性があることが要求される。ところが、冷媒と相溶性のある冷凍機油が蒸発器に流入すると、蒸発器による低温で冷凍機油等の流動性も低下し、冷凍機油のみが蒸発器の管内壁に付着して伝熱性能を低下させるという課題があった。
そこで本発明は、冷媒と相溶性のある冷凍機油を用いても、冷凍機油が蒸発器の管内壁に付着して伝熱性能を低下させることがない蒸発器とそれを用いた冷凍サイクル装置を提供することを目的としている。
本発明の蒸発器は、冷媒および冷媒と相溶性がある冷凍機油を含む作動流体が流入する入口側、作動流体のうち冷媒を蒸発させて冷媒の濃度が低下させた出口側を有する伝熱管と、入口側から出口側までの間で冷媒の濃度の低下に伴い冷媒と冷凍機油とが非相溶となる区間に挿入され作動流体から冷凍機油を分離させるオイル分離機構とを備えた構成とする。
このような構成の蒸発器とすれば、冷媒と相溶性がある冷凍機油が伝熱管の入口側から流入しても、冷媒濃度が低下するに伴い冷媒と冷凍機油とが非相溶となる区間にオイル分離機構が挿入されるため、冷媒と冷凍機油とを容易に分離できる。その結果、冷凍機油が蒸発器の伝熱管の管内壁に付着することがなくなるため、蒸発器の伝熱性能を低下させることはない。
また本発明の蒸発器のオイル分離機構は、伝熱管から鉛直下方に伸ばしU字状に折り曲げた作動流体を流す流路で構成してもよい。このような構成のオイル分離機構とすると、冷媒と冷凍機油とをそれらの比重差、および遠心力により分離しやすくなる。
また本発明の蒸発器のオイル分離機構は、U字状に折り曲げた流路をさらに湾曲させ流路の長さを長くした構成としてもよい。このような構成のオイル分離機構とすると、より遠心力が作動流体に強く働くとともに、流路が長くなるため分離する冷凍機油の量を多くすることができる。
また本発明の蒸発器のオイル分離機構の流路の断面積は、伝熱管の断面積の2倍以上としてもよい。このようにオイル分離機構の流路の断面積を、伝熱管の断面積の2倍以上とすると、作動流体の流速が低下し、冷媒の気化が促進され、より冷媒から冷凍機油の分離が促進される。
また本発明の蒸発器のオイル分離機構は、流路の出口に作動流体から分離された冷凍機油を伝熱管に流さないようにするオイル返しを設けた構成としてもよい。このような構成にすると、分離された冷凍機油は、オイル返しでせきとめられるため、伝熱管に流れにくくなる。
また本発明の蒸発器は、伝熱管が冷媒の蒸発を促進させるフィンを貫通させたフィンチューブタイプであってもよい。このようなフィンチューブタイプの蒸発器であっても、伝熱管であるチューブにオイル分離機構を設けることで、容易に冷媒から冷凍機油を分離できる。
また本発明の蒸発器は、作動流体を分配または集合させるヘッダーを有するヘッダータイプであってもよい。このようなヘッダータイプの蒸発器であっても、伝熱管にオイル分
離機構を設けることで、容易に冷媒から冷凍機油を分離できる。
離機構を設けることで、容易に冷媒から冷凍機油を分離できる。
さらに本発明の冷凍サイクル装置は、上述の蒸発器と、冷媒を圧縮し蒸発器で分離された冷凍機油を吸引する圧縮機と、圧縮機で圧縮された冷媒を放熱する放熱器と、放熱器で放熱された冷媒の圧力を低下させる膨張機とを備えた構成とする。
このような構成の冷凍サイクル装置とすると、蒸発器で分離された冷凍機油は、圧縮機で吸引されるため、蒸発器の伝熱性能が低下しない、高効率の冷凍サイクル装置となる。
また本発明の冷凍サイクル装置の冷媒は、二酸化炭素であり冷凍機油は、ポリアルキレングリコールを主成分としてもよい。冷媒が二酸化炭素で、冷凍機油がポリアルキレングリコールを主成分とするものであれば、蒸発器入口で冷媒と冷凍機油とが相溶性がある状態であっても、冷媒の蒸発に伴い非相溶となり、冷媒と冷凍機油とを分離することが容易となる。
本発明によれば、冷媒濃度による冷媒と冷凍機油の分離特性、および重力と遠心力を利用したオイル分離機構により、特に伝熱特性が高い、高乾き度の領域の伝熱性能が低下することがないため、伝熱性能の低下がない蒸発器とそれを用いた冷凍サイクル装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の蒸発器の斜視図である。蒸発器10は、伝熱管11、フィン12、およびオイル分離機構13を備えたフィンチューブタイプである。伝熱管11は図1に示すように、1本の例えば銅パイプを一定の長さ毎に180°向きを変え、それらを平行に走らせたものを2列作成した、いわゆる2列1路に構成されている。
図1は、本発明の第1の実施の形態の蒸発器の斜視図である。蒸発器10は、伝熱管11、フィン12、およびオイル分離機構13を備えたフィンチューブタイプである。伝熱管11は図1に示すように、1本の例えば銅パイプを一定の長さ毎に180°向きを変え、それらを平行に走らせたものを2列作成した、いわゆる2列1路に構成されている。
すなわち、伝熱管11は、伝熱管入口側11aからリターンベンド11bを経て上方に向かい、1列目上端の第1列伝熱管上端部11cに達する。そして、伝熱管11は、第1列伝熱管上端部11cと2列目上端の第2列伝熱管上端部11dとの間に、オイル分離機構13が挿入され、第2列伝熱管上端部11dからリターンベンド11bを経て下方に向かい、伝熱管出口側11eに延びている。
また、フィン11は、熱伝導性の良い例えば厚みが0.1mm程度のアルミニウムを材料とし、冷媒の蒸発を促進させる。オイル分離機構13は、伝熱管11と同じ材料で製作すると、伝熱管11に挿入して、接続するのが容易である。
次に、オイル分離機構13について詳細に説明する。図2(a)は、本発明の第1の実施の形態の蒸発器のオイル分離機構の断面図、図2(b)は同じく蒸発器の異なるオイル分離機構の断面図である。
図2(a)のオイル分離機構13は、第1列伝熱管上端部11cおよび第2列伝熱管上端部11dから鉛直下方に伸ばし、U字状に折り曲げた流路14を有している。そして、U字状の流路14の底部には導油管15が設けられ、この導油管28は図示していない圧縮機の吸込み管に接続されている。また、流路14の出口近くの外縁から、中心に向けてオイル返し16が設けられている。ここで、流路14の断面積は、伝熱管11の断面積の2倍以上としている。また、オイル返し16はオイル分離機構13と同じ材料とするのがよい。
図2(a)のオイル分離機構13は、第1列伝熱管上端部11cおよび第2列伝熱管上端部11dから鉛直下方に伸ばし、U字状に折り曲げた流路14を有している。そして、U字状の流路14の底部には導油管15が設けられ、この導油管28は図示していない圧縮機の吸込み管に接続されている。また、流路14の出口近くの外縁から、中心に向けてオイル返し16が設けられている。ここで、流路14の断面積は、伝熱管11の断面積の2倍以上としている。また、オイル返し16はオイル分離機構13と同じ材料とするのがよい。
また図2(b)のオイル分離機構17は、オイル分離機構13のU字状の流路14をさらに湾曲させた流路18としている点のみが異なる。
このような、オイル分離機構13およびオイル分離機構17での冷凍機油が分離する様子を説明する。冷媒および冷凍機油を含む作動流体が、第1列伝熱管上端部11cから、オイル分離機構13に流下すると、冷媒より比重の大きな冷凍機油18は、U字状に曲げられた流路14により遠心力も働いて、流路14の底部に分離して溜まる。そして、オイル返し16で、分離された冷凍機油19は、第2列伝熱管上端部11dに到達しにくくなる。また、分離された冷凍機油19は、導油管15から圧縮機に流される。なお、オイル分離機構17は、流路18が流路14よりさらに湾曲しているため、より遠心力が働き、冷凍機油19が分離しやすくなる。
次に、本発明の第1の実施の形態で用いられる冷媒と冷凍機油との、相溶性について説明する。図3は、冷媒を二酸化炭素(以降、CO2と記す)、冷凍機油をポリアルキレングリコールが主成分となるもの(以降、PAGと記す)で、縦軸に冷媒および冷凍機油の温度、横軸に冷媒の重量濃度をとり、冷媒と冷凍機油との相溶域、非相溶域を示す。すなわち、図3に示すように分離曲線の下側が、相溶域であり、上側が非相溶域である。
蒸発器の伝熱管入口側では、CO2の重量濃度は、50wt%前後であり、また蒸発温度が−4℃〜−10℃であると、CO2とPAGとは相溶性がある。ところが、蒸発器内では液相から気相への相変化であるのでCO2の温度は変わらず、蒸発によりCO2濃度が低下する。その結果、図3の矢印Mのように変化し、CO2とPAGとは非相溶となり、CO2よりPAGの方の密度が大きいため分離する。従って、このCO2とPAGとが非相溶となる伝熱管の区間に、オイル分離機構を備えることで、容易にCO2とPAGとを分離できる。
図4は、本発明の第1の実施の形態の蒸発器10の伝熱管11内での伝熱特性図であり、縦軸に伝熱管11の管内熱伝達率、横軸に単位重量の湿り蒸気中に含まれる乾き飽和蒸気量である乾き度をとったものである。
冷媒は、伝熱管11の入口側から出口側に進むに従い蒸発するため、その乾き度は大きくなる。蒸発器の入口側では、通常、冷媒の乾き度は0.2程度の液体状態であるが、乾き度が大きくなるにつれて環状噴霧流となり、管内熱伝達率は大きくなる。そして気液二相流中の蒸気の流量割合が大きくなり、液膜が破断して管内熱伝達率は、乾き度が0.8足らずで極大値をとる。この極大値を与える点は、ドライアウト点と呼ばれ、ドライアウト点を過ぎると、管内熱伝達率は急激に低下する。図4に示すように、ドライアウト点前後の乾き度が0.6付近からドライアウト点までの区間Bは、プリドライアウト域、ドライアウト点以降の区間Cをポストドライアウト域と呼ぶ。そして、区間Bのプリドライアウト域および乾き度が0.8付近までの区間Cのポストドライアウト域の一部は、区間Aの高熱伝達域である。
従って、区間Aの高熱伝達域が始まる乾き度を与える伝熱管11の区間までに、オイル分離機構13を挿入することで、冷凍機油が蒸発器10の伝熱管11の管内壁に付着することがなくなるため、高熱伝達域の熱伝達が阻害されることがなく、蒸発器の伝熱性能を低下させることはない。
すなわち、図3と図4をあわせて考えると、蒸発器の中でオイル分離機構の配置位置は、冷媒とオイルが相溶領域から非相溶領域に遷移した後であって、かつ、管内熱伝達率が比較的小さい冷媒の乾き度が0.6以下の領域であるのが好ましい。
次に、蒸発器10を用いた冷凍サイクル装置を説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態のヒートポンプ式冷暖房用空気調和装置20のサイクル構成図である。ヒートポンプ式冷暖房用空気調和装置20は、圧縮機21、四方弁22、室外機23、四方弁24、膨張機25、および室内機26が冷凍機油を含む冷媒が流れる冷媒配管27で接続されている。また、室内機26、三方弁28、圧縮機吸入側配管27a、および室外機23、三方弁28、圧縮機吸入側配管27aが冷凍機油の流れるオイル分離機構13の導油管15で接続されている。そして、圧縮機21と膨張機25とは、一軸で直結された一体型の構成である。また、ヒートポンプ式冷暖房用空気調和装置20は、冷媒としてCO2、冷凍機油としてPAGを使用している。
まず、ヒートポンプ式冷暖房用空気調和装置20が暖房運転を行う場合の動作を説明する。図5に示すように、暖房運転時、冷媒は冷媒配管27の実線矢印H、冷凍機油は導油管15の破線矢印Hの向きに流れる。すなわち、冷媒は、圧縮機21で圧縮されて高温、高圧にされ、四方弁22を通り、室内機26で放熱され室内空気を暖める。そして冷媒は、四方弁24を通り、膨張機25で圧力を下げられ、再び四方弁24を通り、室外機23で大気から熱を奪って蒸発し、四方弁22を通って、圧縮機21に戻る。ここで、室内機26は放熱器、室外機23は蒸発器となる。従って、室外機23にオイル分離機構13を備えた蒸発器10が用いられる。そのため、室外機23で分離された冷凍機油は、導油管15の破線矢印Hの向きに流れ、室外機23から三方弁28を通り、圧縮機吸入側配管27aへ流れ、圧縮機21に戻る。
また、ヒートポンプ式冷暖房用空気調和装置20が冷房運転を行う場合、図5に示すように、冷媒は冷媒配管27の実線矢印C、冷凍機油は導油管15の破線矢印Cの向きに流れる。すなわち、冷媒は、圧縮機21で圧縮されて高温、高圧にされ、四方弁22を通り、室外機23で放熱される。そして冷媒は、四方弁24を通り、膨張機25で圧力を下げられ、再び四方弁24を通り、室内機26で室内空気から熱を奪って蒸発し、四方弁22を通って、圧縮機21に戻る。ここで、室外機23は放熱器、室内機26は蒸発器となる。従って、室内機26にオイル分離機構13を備えた蒸発器10が用いられる。そのため、室内機26で分離された冷凍機油は、導油管15の破線矢印Cの向きに流れ、室内機26から三方弁28を通り、圧縮機吸入側配管27aへ流れ、圧縮機21に戻る
このようにヒートポンプ式冷暖房用空気調和装置20は、室外機23、および室内機26ともにオイル分離機構13を備える。室外機23、および室内機26が、放熱器として使用される場合は、三方弁28でオイル配管29が閉じられ、冷凍機油を圧縮機吸入側配管27aに戻さない。この結果、室外機23および室内機26が、蒸発器として使用される場合は、オイル分離機構13で冷凍機油が分離されて伝熱管11に冷凍機油が付着しなくなるので、それぞれ蒸発器としての伝熱性能が低下することがなく、高効率な冷凍サイクル装置となる。
このようにヒートポンプ式冷暖房用空気調和装置20は、室外機23、および室内機26ともにオイル分離機構13を備える。室外機23、および室内機26が、放熱器として使用される場合は、三方弁28でオイル配管29が閉じられ、冷凍機油を圧縮機吸入側配管27aに戻さない。この結果、室外機23および室内機26が、蒸発器として使用される場合は、オイル分離機構13で冷凍機油が分離されて伝熱管11に冷凍機油が付着しなくなるので、それぞれ蒸発器としての伝熱性能が低下することがなく、高効率な冷凍サイクル装置となる。
図6は、本発明の第1の実施の形態のヒートポンプ式給湯装置30のサイクル構成図である。ヒートポンプ式給湯装置30は、圧縮機31、水熱交換器32、膨張機33、および室外機34が冷凍機油を含む冷媒が流れる冷媒配管35で接続されている。また、室外機34と圧縮機吸入側配管35aとが、ニードル弁36を介して、冷凍機油の流れるオイル分離機構13の導油管15で接続されている。そして、圧縮機31と膨張機33とは、一軸で直結された一体型の構成である。また、ヒートポンプ式給湯装置30も、冷媒としてCO2、冷凍機油としてPAGを使用している。
ヒートポンプ式給湯装置30が給湯運転を行う場合、冷媒は、圧縮機31で圧縮されて高温、高圧にされ、水熱交換器32で図示していない貯湯タンクの給湯用水と熱交換して温度を下げる。そして冷媒は、膨張機33で圧力を下げられ、室外機34で大気から熱を
奪って蒸発し、圧縮機31に戻る。ここで、室外機34は蒸発器となり、室外機34にオイル分離機構13を備えた蒸発器10が用いられる。そのため、室外機34で分離された冷凍機油は、導油管15でその流量をニードル弁36で調節され、圧縮機吸入側配管35aへ流れ、圧縮機31に戻る。
奪って蒸発し、圧縮機31に戻る。ここで、室外機34は蒸発器となり、室外機34にオイル分離機構13を備えた蒸発器10が用いられる。そのため、室外機34で分離された冷凍機油は、導油管15でその流量をニードル弁36で調節され、圧縮機吸入側配管35aへ流れ、圧縮機31に戻る。
このようなヒートポンプ式給湯装置30では、室外機34のオイル分離機構13で冷凍機油が分離されて伝熱管11に冷凍機油が付着しなくなるので、蒸発器としての伝熱性能が低下することがなく、高効率な冷凍サイクル装置となる。
また、冷媒にCO2、冷凍機油にPAGを使用することで、蒸発器入口で冷媒と冷凍機油とが相溶性がある状態であっても、冷媒の蒸発に伴い非相溶となり、冷媒と冷凍機油とを分離することが容易となる。
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の第2の実施の形態の蒸発器の斜視図である。本発明の第2の実施の形態では、第1の実施の形態に示した構成と同一のものは同一符号を付し、その説明を省略する。
図7は、本発明の第2の実施の形態の蒸発器の斜視図である。本発明の第2の実施の形態では、第1の実施の形態に示した構成と同一のものは同一符号を付し、その説明を省略する。
蒸発器40は、入口側ヘッダー41、第1中間ヘッダー42、第2中間ヘッダー43、出口側ヘッダー44、伝熱管45a〜45f、およびオイル分離機構13を備えたヘッダータイプである。ここで、それぞれ入口側ヘッダー41と第1中間ヘッダー42、第2中間ヘッダー43と出口側ヘッダー44は対向している。また、入口側ヘッダー41と第1中間ヘッダー42との間、第2中間ヘッダー43と出口側ヘッダー44との間には、伝熱管45a、45b、45c、45d、45e、45fが取り付けられ、第1中間ヘッダー42と第2中間ヘッダー43とがオイル分離機構13で接続されている。伝熱管45a〜45fは、管径が数mm程度の細管とその細管の間のコルゲート状のフィンとで構成されたものが多い。
冷凍機油を含んだ冷媒は、伝熱管入口側41aから入口側ヘッダー41に入り、伝熱管45aを通り、第1中間ヘッダー42に流れる。そして、冷凍機油を含んだ冷媒は、第1中間ヘッダー42から伝熱管45bを通り、入口側ヘッダー41に流れ、その後伝熱管45cを通り、第1中間ヘッダー42に流れる。それぞれのヘッダーには、仕切りが設けられていて、伝熱管45aから伝熱管45cに順に流れるようになっている。このように冷媒は、それぞれの伝熱管45a〜45cを流れるうちに、その周囲から熱を奪い、蒸発が促進される。
伝熱管45cから第1中間ヘッダー42に入った冷凍機油を含んだ冷媒は、第1中間ヘッダー下端部42aから鉛直下方に伸ばしU字状に折り曲げたオイル分離機構13に流れ、冷凍機油が分離され、冷凍機油は導油管15から導出される。そして、冷凍機油が分離された冷媒は、第2中間ヘッダー上端部43aから第2中間ヘッダー43、伝熱管45d、出口側ヘッダー44、伝熱管45e、第2中間ヘッダー43、伝熱管45f、出口側ヘッダー44を通り、伝熱管出口側44aから流出する。
このようにヘッダータイプの蒸発器40であっても、構成する伝熱管の適切な位置にオイル分離機構13を備えることにより、冷凍機油が分離され、伝熱性能を低下させることがない蒸発器とすることができる。
本発明の蒸発器とそれを用いた冷凍サイクル装置は、蒸発器内でオイル分離機構が、冷媒と分離される冷凍機油を除去し、油膜による伝熱性能を低下させることがなく、ヒート
ポンプ式の冷暖房装置、給湯装置等として有用である。
ポンプ式の冷暖房装置、給湯装置等として有用である。
10,40,60 蒸発器
11,45a,45b,45c,45d,45e,45f,50 伝熱管
11a 伝熱管入口側
11b リターンベンド
11c 第1列伝熱管上端部
11d 第2列伝熱管上端部
12,62 フィン
13,17,70 オイル分離機構
14,18 流路
15,65 導油管
16 オイル返し
19,51 冷凍機油
20 ヒートポンプ式冷暖房用空気調和装置
21,31 圧縮機
22,24 四方弁
23,34 室外機
24 オイル分離装置
25,33 膨張機
26 室内機
27,35,61 冷媒配管
27a,35a 圧縮機吸入側配管
28 三方弁
30 ヒートポンプ式給湯装置
32 水熱交換器
36 ニードル弁
41 入口側ヘッダー
41a 伝熱管入口側
42 第1中間ヘッダー
42a 第1中間ヘッダー下端部
43 第2中間ヘッダー
43a 第2中間ヘッダー上端部
44 出口側ヘッダー
44a 伝熱管出口側
52 冷媒
63 平行な部分
64 Uベンド部分
61 冷媒配管
63 平行な部分
64 Uベンド部分
66 二重管
67 内管
68 メッシュ構造
69 外管
71 オイル溜まり
11,45a,45b,45c,45d,45e,45f,50 伝熱管
11a 伝熱管入口側
11b リターンベンド
11c 第1列伝熱管上端部
11d 第2列伝熱管上端部
12,62 フィン
13,17,70 オイル分離機構
14,18 流路
15,65 導油管
16 オイル返し
19,51 冷凍機油
20 ヒートポンプ式冷暖房用空気調和装置
21,31 圧縮機
22,24 四方弁
23,34 室外機
24 オイル分離装置
25,33 膨張機
26 室内機
27,35,61 冷媒配管
27a,35a 圧縮機吸入側配管
28 三方弁
30 ヒートポンプ式給湯装置
32 水熱交換器
36 ニードル弁
41 入口側ヘッダー
41a 伝熱管入口側
42 第1中間ヘッダー
42a 第1中間ヘッダー下端部
43 第2中間ヘッダー
43a 第2中間ヘッダー上端部
44 出口側ヘッダー
44a 伝熱管出口側
52 冷媒
63 平行な部分
64 Uベンド部分
61 冷媒配管
63 平行な部分
64 Uベンド部分
66 二重管
67 内管
68 メッシュ構造
69 外管
71 オイル溜まり
Claims (9)
- 冷媒および前記冷媒と相溶性がある冷凍機油を含む作動流体が流入する入口側、前記作動流体のうち前記冷媒を蒸発させて前記冷媒の濃度が低下させた出口側を有する伝熱管と、前記入口側から前記出口側までの間で前記冷媒の濃度の低下に伴い前記冷媒と前記冷凍機油とが非相溶となる区間に挿入され前記作動流体から前記冷凍機油を分離させるオイル分離機構と
を備えた蒸発器。 - 前記オイル分離機構は、前記伝熱管から鉛直下方に伸ばしU字状に折り曲げた前記作動流体を流す流路で構成する請求項1記載の蒸発器。
- 前記オイル分離機構は、U字状に折り曲げた前記流路をさらに湾曲させ前記流路の長さを長くした請求項2記載の蒸発器。
- 前記オイル分離機構の流路の断面積は、前記伝熱管の断面積の2倍以上とする請求項2または請求項3記載の蒸発器。
- 前記オイル分離機構は、前記流路の出口に前記作動流体から分離された前記冷凍機油を前記伝熱管に流さないようにするオイル返しを設けた請求項1から請求項4のいずれか一項記載の蒸発器。
- 前記伝熱管が前記冷媒の蒸発を促進させるフィンを貫通させたフィンチューブタイプの請求項1から請求項5のいずれか一項記載の蒸発器。
- 前記作動流体を分配または集合させるヘッダーを有するヘッダータイプの請求項1から請求項5のいずれか一項記載の蒸発器。
- 請求項1から請求項7のいずれか一項記載の蒸発器と、
前記冷媒を圧縮し前記蒸発器で分離された前記冷凍機油を吸引する圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された前記冷媒を放熱する放熱器と、
前記放熱器で放熱された前記冷媒の圧力を低下させる膨張機と
を備えた冷凍サイクル装置。 - 前記冷媒は二酸化炭素であり前記冷凍機油はポリアルキレングリコールを主成分とする請求項8記載の冷凍サイクル装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006143834A JP2007315639A (ja) | 2006-05-24 | 2006-05-24 | 蒸発器とそれを用いた冷凍サイクル装置 |
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Publications (1)
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JP (1) | JP2007315639A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010096440A (ja) * | 2008-10-17 | 2010-04-30 | Panasonic Corp | ヒートポンプ装置 |
WO2020240858A1 (ja) * | 2019-05-31 | 2020-12-03 | 三菱電機株式会社 | 冷凍サイクル装置および冷凍機 |
CN115031437A (zh) * | 2022-06-14 | 2022-09-09 | 中山市爱美泰电器有限公司 | 一种超低温热泵系统 |
-
2006
- 2006-05-24 JP JP2006143834A patent/JP2007315639A/ja active Pending
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JP2010096440A (ja) * | 2008-10-17 | 2010-04-30 | Panasonic Corp | ヒートポンプ装置 |
WO2020240858A1 (ja) * | 2019-05-31 | 2020-12-03 | 三菱電機株式会社 | 冷凍サイクル装置および冷凍機 |
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CN115031437B (zh) * | 2022-06-14 | 2023-09-15 | 中山市爱美泰电器有限公司 | 一种超低温热泵系统 |
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