以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
《発明の実施形態1》
実施形態1の熱交換器は、空気調和機(10)に設けられた室外熱交換器(23)である。以下、本実施形態の熱交換器を備えた空気調和機(10)について、図を参照しながら説明する。
〈空気調和機の構成〉
空気調和機(10)は、室外ユニット(11)及び室内ユニット(12)を備えている。室外ユニット(11)と室内ユニット(12)は、液側連絡配管(13)及びガス側連絡配管(14)を介して互いに接続されている。空気調和機(10)では、室外ユニット(11)、室内ユニット(12)、液側連絡配管(13)及びガス側連絡配管(14)によって、冷媒回路(20)が形成されている。
冷媒回路(20)には、圧縮機(21)と、四方切換弁(22)と、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とが設けられている。圧縮機(21)、四方切換弁(22)、室外熱交換器(23)、及び膨張弁(24)は、室外ユニット(11)に収容されている。室外ユニット(11)には、室外熱交換器(23)へ室外空気を供給するための室外ファン(15)が設けられている。一方、室内熱交換器(25)は、室内ユニット(12)に収容されている。室内ユニット(12)には、室内熱交換器(25)へ室内空気を供給するための室内ファン(16)が設けられている。
冷媒回路(20)は、冷媒が充填された閉回路である。冷媒回路(20)において、圧縮機(21)は、その吐出側が四方切換弁(22)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(22)の第2のポートに、それぞれ接続されている。また、冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(23)と、膨張弁(24)と、室内熱交換器(25)とが配置されている。
圧縮機(21)は、スクロール型又はロータリ型の全密閉型圧縮機である。四方切換弁(22)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。膨張弁(24)は、いわゆる電子膨張弁である。
室外熱交換器(23)は、冷媒を室外空気と熱交換させる。室外熱交換器(23)については後述する。一方、室内熱交換器(25)は、冷媒を室内空気と熱交換させる。室内熱交換器(25)は、円管である伝熱管を備えたいわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器によって構成されている。
〈空気調和機の運転動作〉
空気調和機(10)は、冷房運転と暖房運転を選択的に行う。また、暖房運転中に室外熱交換器(23)に付着した霜を融解させるべき所定の条件(例えば、暖房運転開始から所定時間経過等の条件)が満たされた場合に、室外熱交換器(23)に付着した霜を融解させる除霜運転が行われる。
冷房運転中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)を第1状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。この状態では、室外熱交換器(23)、膨張弁(24)、室内熱交換器(25)の順に冷媒が循環し、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能し、室内熱交換器(25)が蒸発器として機能する。室外熱交換器(23)では、圧縮機(21)から流入したガス冷媒が室外空気へ放熱して凝縮し、凝縮後の冷媒が膨張弁(24)へ向けて流出する。一方、室内熱交換器(25)では、膨張弁(24)を通過する際に膨張して気液二相状態となった冷媒が室内空気から吸熱して蒸発し、蒸発後の冷媒が圧縮機(21)へ向けて流出する。なお、冷房運転中は、室内ファン(16)によって室内熱交換器(25)で冷却された空気が室内へ供給される。
暖房運転中の冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)を第2状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。この状態では、室内熱交換器(25)、膨張弁(24)、室外熱交換器(23)の順に冷媒が循環し、室内熱交換器(25)が凝縮器として機能し、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。室内熱交換器(25)では、圧縮機(21)から流入したガス冷媒が室内空気へ放熱して凝縮し、凝縮後の冷媒が膨張弁(24)へ向けて流出する。室外熱交換器(23)では、膨張弁(24)を通過する際に膨張して気液二相状態となった冷媒が室外空気から吸熱して蒸発し、蒸発後の冷媒が圧縮機(21)へ向けて流出する。なお、暖房運転中は、室内ファン(16)によって室内熱交換器(25)で加熱された空気が室内へ供給される。
また、除霜運転中の冷媒回路(20)では、冷房運転と同様に、四方切換弁(22)を第1状態に設定した状態で、冷凍サイクルが行われる。つまり、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能し、室内熱交換器(25)が蒸発器として機能する。室外熱交換器(23)には、圧縮機(21)から流入したガス冷媒が流入し、室外熱交換器(23)に付着した霜に放熱して凝縮し、凝縮後の冷媒が膨張弁(24)へ向けて流出する。一方、室内熱交換器(25)では、膨張弁(24)を通過する際に膨張して気液二相状態となった冷媒が室内空気から吸熱して蒸発し、蒸発後の冷媒が圧縮機(21)へ向けて流出する。なお、除霜運転中は、室内ファン(16)が停止され、室内熱交換器(25)で冷却された空気は室内へは供給されない。
〈室外熱交換器の構成〉
室外熱交換器(23)について、図2及び図3を適宜参照しながら説明する。なお、以下の説明に示す扁平管(33)の本数は、いずれも単なる一例である。
図2及び図3に示すように、室外熱交換器(23)は、1つの第1ヘッダ集合管(31)と、1つの第2ヘッダ集合管(32)と、複数の扁平管(33)と、多数のフィン(36)とを備えている。第1ヘッダ集合管(31)、第2ヘッダ集合管(32)、扁平管(33)及びフィン(36)は、いずれもアルミニウム合金製の部材であって、互いにロウ付けによって接合されている。
第1ヘッダ集合管(31)と第2ヘッダ集合管(32)は、いずれも両端が閉塞された細長い中空円筒状に形成されている。図2では、室外熱交換器(23)の左端に第1ヘッダ集合管(31)が立設され、室外熱交換器(23)の右端に第2ヘッダ集合管(32)が立設されている。つまり、第1ヘッダ集合管(31)と第2ヘッダ集合管(32)は、それぞれの軸方向が上下方向となる状態で設置されている。
図3にも示すように、扁平管(33)は、その断面形状が扁平な長円形あるいは角の丸い矩形となった伝熱管である。室外熱交換器(23)において、複数の扁平管(33)は、その伸長方向が左右方向となり、それぞれの平坦な側面が対向する状態で配置されている。また、複数の扁平管(33)は、互いに一定の間隔をおいて上下に並んで配置され、それぞれの伸長方向が実質的に平行になっている。つまり、複数の扁平管(33)は、管軸と直交する方向に配列されている。図2に示すように、各扁平管(33)は、その一端が第1ヘッダ集合管(31)に挿入され、その他端が第2ヘッダ集合管(32)に挿入されている。
図3に示すように、各扁平管(33)には、複数の流体通路(冷媒通路)(33a)が形成されている。各流体通路(33a)は、扁平管(33)の伸長方向に延びる通路である。各扁平管(33)において、複数の流体通路(33a)は、扁平管(33)の伸長方向と直交する幅方向に一列に並んでいる。各扁平管(33)に形成された複数の流体通路(33a)は、それぞれの一端が第1ヘッダ集合管(31)の内部空間に連通し、それぞれの他端が第2ヘッダ集合管(32)の内部空間に連通している。室外熱交換器(23)へ供給された冷媒は、扁平管(33)の流体通路(33a)を流れる間に空気と熱交換する。
図3に示すように、フィン(36)は、金属板をプレス加工することによって形成された縦長の板状フィンである。フィン(36)には、フィン(36)の前縁(即ち、風上側の縁部)からフィン(36)の幅方向に延びる細長い切欠き部(45)が、多数形成されている。フィン(36)では、多数の切欠き部(45)が、フィン(36)の長手方向(上下方向)に一定の間隔で形成されている。切欠き部(45)の風下寄りの部分は、管挿入部(46)を構成している。管挿入部(46)は、上下方向の幅が扁平管(33)の厚さと実質的に等しく、長さが扁平管(33)の幅と実質的に等しい。扁平管(33)は、フィン(36)の管挿入部(46)に挿入され、管挿入部(46)の周縁部とロウ付けによって接合される。また、フィン(36)には、伝熱を促進するためのルーバー(40)が形成されている。そして、複数のフィン(36)は、扁平管(33)の伸長方向に配列されることで、隣り合う扁平管(33)の間を空気が流れる複数の通風路(37)に区画している(図2参照)。
図2に示すように、室外熱交換器(23)の扁平管(33)は、上下に2つの熱交換部(34,35)に区分されている。具体的には、室外熱交換器(23)において、複数の扁平管(33)は、その配列方向(上下方向)に上側の主熱交換部(34)と下側の補助熱交換部(35)とに区分されている。補助熱交換部(35)は、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する際、冷媒を過冷却する役割を担っている。
第1ヘッダ集合管(31)の内部空間は、主熱交換部(34)の扁平管(33)に対応する主連通空間(41)と、補助熱交換部(35)の扁平管(33)に対応する補助連通空間(42)とを有している。主連通空間(41)と補助連通空間(42)とは1つの仕切板(39)によって上下に仕切られている。つまり、室外熱交換器(23)では、第1ヘッダ集合管(31)の仕切板(39)の位置が、主熱交換部(34)と補助熱交換部(35)の境界部(55)となっている。一方、第2ヘッダ集合管(32)の内部空間は、主熱交換部(34)の扁平管(33)に対応する主連通空間(43)と、補助熱交換部(35)の扁平管(33)に対応する補助連通空間(44)とを有している。主連通空間(43)と補助連通空間(44)とは仕切られずに単一の空間に形成されている。
図2に示すように、室外熱交換器(23)には、ガス側接続管(51)と液側接続管(52)とが設けられている。ガス側接続管(51)及び液側接続管(52)は、第1ヘッダ集合管(31)に取り付けられている。
ガス側接続管(51)は、ヘッダ集合管(31,32)や扁平管(33)と同様のアルミニウム合金によって形成され、比較的大径の配管で構成されている。ガス側接続管(51)の一端は、ガス側連絡配管(14)を介して四方切換弁(22)の第3のポートに接続されている。ガス側接続管(51)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)における主連通空間(41)の上端寄りの部分に開口している。
液側接続管(52)は、ヘッダ集合管(31,32)や扁平管(33)と同様のアルミニウム合金によって形成され、比較的小径の配管で構成されている。液側接続管(52)の一端は、液側連絡配管(13)を介して膨張弁(24)に接続されている。液側接続管(52)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)における補助連通空間(42)の下端寄りの部分に開口している。
室外熱交換器(23)は、凝縮器として機能する場合、ガス側接続管(51)から第1ヘッダ集合管(31)に流入したガス単相状態の高圧冷媒(高圧ガス冷媒)が、主熱交換部(34)、補助熱交換部(35)の順に通過して凝縮するように構成されている。つまり、室外熱交換器(23)が凝縮器として機能する場合、第1ヘッダ集合管(31)の主連通空間(41)に流入した高圧ガス冷媒は、主熱交換部(34)の扁平管(33)を通過する間に凝縮して実質的に液単相状態となり、第2ヘッダ集合管(32)の主連通空間(43)に流入する。第2ヘッダ集合管(32)の主連通空間(43)に流入した液単層状態の冷媒は、下方の補助連通空間(44)に流入し、補助熱交換部(35)の扁平管(33)へ流入してさらに冷却(過冷却)される。
また、室外熱交換器(23)は、蒸発器として機能する場合、液側接続管(52)から第1ヘッダ集合管(31)に流入した気液二相状態の冷媒が、補助熱交換部(35)、主熱交換部(34)の順に通過して蒸発するように構成されている。つまり、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する場合、第1ヘッダ集合管(31)の補助連通空間(42)に流入した気液二相状態の冷媒は、補助熱交換部(35)の扁平管(33)を通過した後、第2ヘッダ集合管(32)の内部空間(補助連通空間(44)及び主連通空間(43))を介して主熱交換部(34)の扁平管(33)を通過し、補助熱交換部(35)及び主熱交換部(34)の扁平管(33)を通過する間に蒸発する。
このように、本実施形態の室外熱交換器(23)では、補助熱交換部(35)は、主熱交換部(34)が凝縮器として機能する場合には該主熱交換部(34)の下流側に接続され、主熱交換部(34)が蒸発器として機能する場合には該主熱交換部(34)の上流側に接続される。
〈絞り機構〉
本室外熱交換器(23)には、第2ヘッダ集合管(32)の主連通空間(43)に、絞り機構(30)が設けられている。
具体的には、絞り機構(30)は、第2ヘッダ集合管(32)の主連通空間(43)の上下に二等分した下側部分であって、主連通空間(43)に対応する扁平管(33)、即ち、主熱交換部(34)の扁平管(33)のうちの最下の扁平管(33)よりも上側に設けられている。より具体的には、本実施形態では、絞り機構(30)は、第2ヘッダ集合管(32)の主連通空間(43)において、最下の扁平管(33)と下から2番目の扁平管(33)との間に設けられている。
図4に示すように、絞り機構(30)は、穴(30a)が形成された円形の板状体によって構成されている。絞り機構(30)を構成する板状体は、ヘッダ集合管(31,32)や扁平管(33)と同様のアルミニウム合金によって形成されている。穴(30a)は、円形の板状体の中央付近に、扁平管(33)の幅に等しい長さの長辺を有する矩形状に形成されている。このような絞り機構(30)が設けられることにより、該絞り機構(30)部分では、主連通空間(43)の通路断面積(上下方向に延びる通路の横断面積)が穴(30a)の断面積分に減少する。
〈室外熱交換器における動作〉
空気調和機(10)が各運転中の室外熱交換器(23)の動作について説明する。なお、冷房運転中と除霜運転中の室外熱交換器(23)の動作は同じであるため、暖房運転中と除霜運転中の室外熱交換器(23)の動作について説明する。
暖房運転中には、まず、膨張弁(24)を通過する際に膨張して気液二相状態となった冷媒が、液側接続管(52)を介して第1ヘッダ集合管(31)の補助連通空間(42)に流入する。補助連通空間(42)に供給された気液二相状態の冷媒は、補助熱交換部(35)の扁平管(33)の流体通路(33a)を通過して第2ヘッダ集合管(32)の補助連通空間(44)に流入する。補助連通空間(44)に流入した冷媒は、主連通空間(43)に流入し、主熱交換部(34)の扁平管(33)の流体通路(33a)を通過して第1ヘッダ集合管(31)の主連通空間(41)に流入する。なお、冷媒は、補助熱交換部(35)及び主熱交換部(34)の各扁平管(33)の流体通路(33a)を流れる際に、通風路(37)を流れる空気から吸熱して蒸発する。そのため、第1ヘッダ集合管(31)の主連通空間(41)には、蒸発して実質的にガス単相状態となった冷媒(低圧ガス冷媒)が流入する。第1ヘッダ集合管(31)の主連通空間(41)に流入した低圧ガス冷媒は、ガス側接続管(51)を介して圧縮機(21)へ向かって流出する。
なお、このように、暖房運転中に室外熱交換器(23)を通過する空気は、各扁平管(33)の流体通路(33a)を流れる冷媒に吸熱される。そのため、室外空気中の水分が昇華して霜として各扁平管(33)及び各フィン(36)に付着する。このように暖房運転中に各扁平管(33)及び各フィン(36)に付着した霜を融解させるために、室内ファン(16)を停止した状態で冷媒回路(20)において冷房運転と同様の冷凍サイクルを行う除霜運転が行われる。
除霜運転中には、まず、圧縮機(21)から吐出された高圧ガス冷媒が、ガス側接続管(51)を介して第1ヘッダ集合管(31)の主連通空間(41)に流入する(図5の矢印参照)。主連通空間(41)に供給された高圧ガス冷媒は、主熱交換部(34)の扁平管(33)の流体通路(33a)を通過して第2ヘッダ集合管(32)の主連通空間(43)に流入する(図5の太白抜き矢印を参照)。このとき、高圧ガス冷媒は、各扁平管(33)の流体通路(33a)を流れる際に、通風路(37)を流れる空気と熱交換して凝縮する。そのため、第2ヘッダ集合管(32)の主連通空間(43)には、凝縮して実質的に液単相状態となった冷媒(高圧液冷媒)が流入する。主連通空間(43)に流入した高圧液冷媒は、下方の補助連通空間(44)に流入し、補助熱交換部(35)の扁平管(33)を通過して第1ヘッダ集合管(31)の補助連通空間(42)に流入する(図5の細白抜き矢印を参照)。このとき、高圧液冷媒は、各扁平管(33)の流体通路(33a)を流れる際に、通風路(37)を流れる空気と熱交換して冷却(過冷却)される。第1ヘッダ集合管(31)の補助連通空間(42)に流入した高圧液冷媒は、液側接続管(52)を介して膨張弁(24)へ向かって流出する。
〈除霜運転時における絞り機構による作用〉
ところで、除霜運転中の室外熱交換器(23)では、上述のように第2ヘッダ集合管(32)の主連通空間(43)には、高圧液冷媒が流入する。そのため、主連通空間(43)に上記絞り機構(30)が設けられていないと、主連通空間(43)では、下側に向かう程、扁平管(33)の流出側端に作用する高圧液冷媒の圧力が大きくなる。よって、主連通空間(43)に対応する扁平管(33)(主熱交換部(34)の扁平管(33))は、その配置位置が下側になる程、除霜運転中に流体通路(33a)で凝縮して生じた高圧液冷媒が排出され難くなり、冷媒の流量が少なくなる。その結果、除霜運転の際に、主熱交換部(34)では、上部から下部に向かう程、除霜速度が低下することとなり、このように除霜速度が異なるために除霜運転時間が長くなるおそれがあった。特に、主熱交換部(34)の最下の扁平管(33)の流出側端に作用する高圧液冷媒の圧力は上部の扁平管(33)の流出側端に作用する高圧液冷媒の圧力に比べて各段に大きいため、最下の扁平管(33)への冷媒流入量が極めて少なくなり、除霜速度が突出して遅くなるおそれがあった。
しかしながら、本実施形態では、主連通空間(43)の下側部分であって主連通空間(43)に対応する扁平管(33)のうちの最下の扁平管(33)の上側に絞り機構(30)が設けられている。そのため、絞り機構(30)は、該絞り機構(30)よりも上側の扁平管(33)から主連通空間(43)に流入して下方へ流れようとする高圧液冷媒の抵抗となり、下方への高圧液冷媒の流通を阻害する。これにより、絞り機構(30)よりも下側の最下の扁平管(33)の流出側端に作用する高圧液冷媒の圧力が低減され、最下の扁平管(33)において凝縮して生じた高圧液冷媒が排出され易くなる。その結果、最下の扁平管(33)の冷媒流量が増大するため、主熱交換部(34)の各扁平管(33)における除霜速度が平準化される。
−実施形態1の効果−
以上のように、本実施形態1の室外熱交換器(23)によれば、除霜運転の際に主熱交換部(34)において凝縮した高圧液冷媒が流入する各主連通空間(43)の下側部分であって最下の扁平管(33)よりも上側に絞り機構(30)を設けることとした。これにより、絞り機構(30)を設けない場合に比べて、絞り機構(30)よりも下側の扁平管(33)の流出側端に作用する高圧液冷媒の圧力が低減されるため、該扁平管(33)の冷媒流量が増大する。よって、絞り機構(30)を設けない場合に比べて、絞り機構(30)よりも下側の扁平管(33)及びその付近に付着した霜を迅速に融解させることができる。つまり、主熱交換部(34)の各扁平管における除霜速度を平準化することができる。また、これにより、除霜時間を短縮することができる。
また、本実施形態1の室外熱交換器(23)によれば、絞り機構(30)を穴(30a)が形成された板状体によって形成することにより、絞り機構(30)を容易に構成することができる。
《発明の実施形態2》
図6及び図7に示すように、実施形態2は、実施形態1の室外熱交換器(23)の構成を変更したものである。ここでは、実施形態1の室外熱交換器(23)と異なる部分について説明する。
図6に示すように、実施形態2では、室外熱交換器(23)は、3つの主熱交換部(34)と3つの補助熱交換部(35)とを有している。言い換えると、本実施形態では、複数の扁平管(33)が、3つの主熱交換部(34)と3つの補助熱交換部(35)とに区分されている。具体的には、3つの主熱交換部(34)は、下から上に向かって順に並ぶ第1主熱交換部(34a)と第2主熱交換部(34b)と第3主熱交換部(34c)とに構成されている。一方、3つの補助熱交換部(35)は、下から上に向かって順に並ぶ第1補助熱交換部(35a)と、第2補助熱交換部(35b)と、第3補助熱交換部(35c)とに構成されている。
第1ヘッダ集合管(31)及び第2ヘッダ集合管(32)の内部空間は、それぞれ3つの主連通空間(41,43)と3つの補助連通空間(42,44)とに区分されている。具体的には、第1ヘッダ集合管(31)及び第2ヘッダ集合管(32)の内部空間は、下から上に向かって順に並ぶ、第1補助熱交換部(35a)に対応する第1補助連通空間(42a,44a)と、第2補助熱交換部(35b)に対応する第2補助連通空間(42b,44b)と、第3補助熱交換部(35c)に対応する第3補助連通空間(42c,44c)と、第1主熱交換部(34a)に対応する第1主連通空間(41a,43a)と、第2主熱交換部(34b)に対応する第2主連通空間(41b,43b)と、第3主熱交換部(34c)に対応する第3主連通空間(41c,43c)とにそれぞれ区分されている。
図7に示すように、第1ヘッダ集合管(31)では、第1〜第3主連通空間(41a〜41c)は、それぞれの間が仕切板等で仕切られずに単一の空間に形成されている。一方、第1〜第3補助連通空間(42a〜42c)は、それぞれの間に仕切板(39)が設けられて上下に仕切られている。また、第1主連通空間(41a)と第3補助連通空間(42c)との間にも仕切板(39)が設けられ、上下に仕切られている。
第2ヘッダ集合管(32)では、第1〜第3主連通空間(43a〜43c)は、それぞれの間に仕切板(39)が設けられて上下に仕切られ、第1〜第3補助連通空間(44a〜44c)も、それぞれの間に仕切板(39)が設けられて上下に仕切られている。一方、第1主連通空間(43a)と第3補助連通空間(44c)とは仕切られずに単一の空間に形成されている。
また、図7に示すように、室外熱交換器(23)では、第2ヘッダ集合管(32)における上側2つの仕切板(39)の位置が、主熱交換部(34a〜34c)同士の境界部(53)となっている。また、室外熱交換器(23)では、第1ヘッダ集合管(31)における下側2つの仕切板(39)のそれぞれの位置(第2ヘッダ集合管(32)における下側2つの仕切板(39)のそれぞれの位置)が、補助熱交換部(35a〜35c)同士の境界部(54)となっている。また、室外熱交換器(23)では、第1ヘッダ集合管(31)における最上の仕切板(39)の位置が、第1主熱交換部(34a)と第3補助熱交換部(35c)の境界部(55)となっている。
図6に示すように、第1ヘッダ集合管(31)には、ガス側接続管(51)と液側接続管(52)とが設けられている。液側接続管(52)は、1つの分流器(52d)と、三本の細径管(52a〜52c)とを備えている。分流器(52d)の下端部には液側連絡配管(13)が接続され、分流器(52d)は液側連絡配管(13)を介して膨張弁(24)に接続されている。分流器(52d)の上端部には、各細径管(52a〜52c)の一端が接続されている。分流器(52d)の内部では、その下端部に接続された液側連絡配管(13)と、各細径管(52a〜52c)とが連通している。各細径管(52a〜52c)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)の各補助連通空間(42)に接続され、対応する補助連通空間(42a〜42c)に連通している。具体的には、第1細径管(52a)は第1補助連通空間(42a)の下端寄りの部分に開口し、第2細径管(52b)は第2補助連通空間(42b)の下端寄りの部分に開口し、第3細径管(52c)は第3補助連通空間(42c)の下端寄りの部分に開口している。
ガス側接続管(51)は、上記実施形態と同様、比較的大径の1つの配管で構成されている。ガス側接続管(51)の一端は、ガス側連絡配管(14)を介して四方切換弁(22)の第3のポートに接続されている。ガス側接続管(51)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)における主連通空間(41)の上端寄りの部分に開口している。
また、第2ヘッダ集合管(32)には、第2主連通空間(43b)と第2補助連通空間(44b)とを接続する第1連通管(72)と、第3主連通空間(43c)と第1補助連通空間(44a)とを接続する第2連通管(73)とが設けられている。つまり、本実施形態の室外熱交換器(23)では、第1主熱交換部(34a)と第3補助熱交換部(35c)とが第2ヘッダ集合管(32)側で連通して対となり、第2主熱交換部(34b)と第2補助熱交換部(35b)とが第2ヘッダ集合管(32)側で連通して対となり、第3主熱交換部(34c)と第1補助熱交換部(35a)とが第2ヘッダ集合管(32)側で連通して対となっている。
〈絞り機構〉
本室外熱交換器(23)においても、第2ヘッダ集合管(32)の各主連通空間(43)に、絞り機構(30)が設けられている。
具体的には、絞り機構(30)は、第2ヘッダ集合管(32)の各主連通空間(43)の上下に二等分した下側部分であって、各主連通空間(43)に対応する扁平管(33)(各主熱交換部(34)の扁平管(33))のうちの最下の扁平管(33)よりも上側に設けられている。より具体的には、本実施形態では、絞り機構(30)は、第2ヘッダ集合管(32)の各主連通空間(43)において、最下の扁平管(33)と下から2番目の扁平管(33)との間に設けられている。このような絞り機構(30)が設けられることにより、該絞り機構(30)部分では、各主連通空間(43)の通路断面積(上下方向に延びる通路の横断面積)が穴(30a)の断面積分に減少する。
なお、本実施形態では、絞り機構(30)は、仕切板(39)よりも厚みの薄い板状体によって構成されている。
〈室外熱交換器における動作〉
空気調和機(10)が各運転中の室外熱交換器(23)の動作について説明する。なお、冷房運転中と除霜運転中の室外熱交換器(23)の動作は同じであるため、暖房運転中と除霜運転中の室外熱交換器(23)の動作について説明する。
暖房運転中には、まず、膨張弁(24)を通過する際に膨張して気液二相状態となった冷媒が、液側接続管(52)を介して第1ヘッダ集合管(31)の各補助連通空間(42)に流入する。各補助連通空間(42)に供給された気液二相状態の冷媒は、各補助熱交換部(35)の扁平管(33)の流体通路(33a)を通過して第2ヘッダ集合管(32)の各補助連通空間(44)に流入する。第1補助連通空間(44a)に流入した冷媒は、第2連通管(73)を介して第3主連通空間(43c)に流入し、第2補助連通空間(44b)に流入した冷媒は、第1連通管(72)を介して第2主連通空間(43b)に流入し、第3補助連通空間(44c)に流入した冷媒は、そのまま連通する第1主連通空間(43a)に流入する。各主連通空間(43)に流入した冷媒は、各主熱交換部(34)の扁平管(33)の流体通路(33a)を通過して第1ヘッダ集合管(31)の各主連通空間(41)に流入する。なお、冷媒は、各主熱交換部(34)及び各補助熱交換部(35)の扁平管(33)の流体通路(33a)を流れる際に、通風路(37)を流れる空気から吸熱して蒸発する。そのため、第1ヘッダ集合管(31)の各主連通空間(41)には、蒸発して実質的にガス単相状態となった冷媒(低圧ガス冷媒)が流入する。第1ヘッダ集合管(31)の各主連通空間(41)に流入した低圧ガス冷媒は、ガス側接続管(51)を介して圧縮機(21)へ向かって流出する。
なお、このように室外熱交換器(23)を通過する空気は、各扁平管(33)の流体通路(33a)を流れる冷媒に吸熱される。そのため、室外空気中の水分が昇華して霜として各扁平管(33)及び各フィン(36)に付着する。このように暖房運転中に各扁平管(33)及び各フィン(36)に付着した霜を融解させるために、室内ファン(16)を停止した状態で冷媒回路(20)において冷房運転と同様の冷凍サイクルを行う除霜運転が行われる。
除霜運転中には、まず、圧縮機(21)から吐出された高圧ガス冷媒が、ガス側接続管(51)を介して第1ヘッダ集合管(31)の各主連通空間(41)に流入する。各主連通空間(41)に供給された高圧ガス冷媒は、各主熱交換部(34)の扁平管(33)の流体通路(33a)を通過して第2ヘッダ集合管(32)の各主連通空間(43)に流入する(図6の太白抜き矢印を参照)。このとき、高圧ガス冷媒は、各主熱交換部(34)の扁平管(33)の流体通路(33a)を流れる際に、通風路(37)を流れる空気と熱交換して凝縮する。そのため、第2ヘッダ集合管(32)の各主連通空間(43)には、凝縮して実質的に液単相状態となった冷媒(高圧液冷媒)が流入する。第1主連通空間(43a)に流入した高圧液冷媒は、そのまま連通する第3補助連通空間(44c)に流入し、第2主連通空間(43b)に流入した高圧液冷媒は、第1連通管(72)を介して第2補助連通空間(44b)に流入し、第3主連通空間(43c)に流入した高圧液冷媒は、第2連通管(73)を介して第1補助連通空間(44a)に流入する。各補助連通空間(44)に流入した高圧液冷媒は、各補助熱交換部(35)の扁平管(33)を通過して第1ヘッダ集合管(31)の各補助連通空間(42)に流入する(図6の細白抜き矢印を参照)。このとき、高圧液冷媒は、各補助熱交換部(35)の扁平管(33)の流体通路(33a)を流れる際に、通風路(37)を流れる空気と熱交換して冷却(過冷却)される。第1ヘッダ集合管(31)の各補助連通空間(42)に流入した高圧液冷媒は、液側接続管(52)を介して膨張弁(24)へ向かって流出する。
〈除霜運転時における絞り機構による作用〉
本実施形態においても、各主連通空間(43)の下側部分であって各主連通空間(43)に対応する扁平管(33)のうちの最下の扁平管(33)の上側に絞り機構(30)が設けられている。そのため、絞り機構(30)は、該絞り機構(30)よりも上側の扁平管(33)から各主連通空間(43)に流入して下方へ流れようとする高圧液冷媒の抵抗となり、下方への高圧液冷媒の流通を阻害する。これにより、絞り機構(30)よりも下側の最下の扁平管(33)の流出側端に作用する高圧液冷媒による圧力が低減され、最下の扁平管(33)において凝縮して生じた高圧液冷媒が排出され易くなる。その結果、最下の扁平管(33)の冷媒流量が増大するため、各主熱交換部(34)の各扁平管(33)における除霜速度が平準化される。
以上より、本実施形態2においても、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
ところで、除霜運転において、各補助熱交換部(35)には、対となる主熱交換部(34)において放熱した後の高圧液冷媒が流入するため、各補助熱交換部(35)では対となる主熱交換部(34)よりも霜が融け難くなる。そのため、本実施形態2の室外熱交換器(23)のように主熱交換部(34)と補助熱交換部(35)とをそれぞれ複数有する場合、下側に補助熱交換部(35)が隣接する主熱交換部(34a)、即ち、第1主熱交換部(34a)の最下の扁平管(33)及びその周辺に付着した霜は、補助熱交換部(35)が直下に位置するために特に融け難くなる。
これに対し、上記実施形態2では、補助熱交換部(35)が下側に隣接する隣接主熱交換部(34a)、即ち、第1主熱交換部(34a)に対応する第1主連通空間(43a)において、最下の扁平管(33)と該最下の扁平管(33)の直上の扁平管(33)との間に絞り機構(30)を設けることとしている。そのため、第1主熱交換部(34a)では、上述の位置よりも上方に絞り機構(30)を設けた場合に比べて、最下の扁平管(33)の冷媒流量を増大させることができる。そのため、除霜運転において特に霜が融け難い第1主熱交換部(34a)の最下の扁平管(33)及びその周辺に付着した霜を迅速に融解させることができる。これにより、第1主熱交換部(34a)の各扁平管における除霜速度を平準化することができる。また、これにより、除霜時間を短縮することができる。
また、上記実施形態2では、絞り機構(30)が仕切板(39)よりも厚みの薄い板状体によって形成されている。このように絞り機構(30)と仕切板(39)との厚みを変えることにより、室外熱交換器(23)を組み立てる際に、誤って絞り機構(30)と仕切板(39)とを逆の位置に組み立ててしまうことを防止することができる。
《発明の実施形態3》
図8及び図9に示すように、実施形態3は、実施形態1の室外熱交換器(23)の構成を変更したものである。
図8に示すように、実施形態3では、室外熱交換器(23)は、3つの主熱交換部(34)と3つの補助熱交換部(35)とを有している。言い換えると、本実施形態では、複数の扁平管(33)が、3つの主熱交換部(34)と3つの補助熱交換部(35)とに区分されている。具体的には、3つの主熱交換部(34)は、下から上に向かって順に並ぶ第1主熱交換部(34a)と第2主熱交換部(34b)と第3主熱交換部(34c)とに構成されている。一方、3つの補助熱交換部(35)は、下から上に向かって順に並ぶ第1補助熱交換部(35a)と、第2補助熱交換部(35b)と、第3補助熱交換部(35c)とに構成されている。本実施形態では、第1主熱交換部(34a)と第1補助熱交換部(35a)とが対となって第1熱交換領域を構成し、第2主熱交換部(34b)と第2補助熱交換部(35b)とが対となって第2熱交換領域を構成し、第3主熱交換部(34c)と第3補助熱交換部(35c)とが対となって第3熱交換領域を構成している。そして、各熱交換領域において、補助熱交換部(35)は主熱交換部(34)の下側に隣接するように設けられている。
第1ヘッダ集合管(31)及び第2ヘッダ集合管(32)の内部空間は、それぞれ3つの主連通空間(41,43)と3つの補助連通空間(42,44)とに区分されている。具体的には、第1ヘッダ集合管(31)及び第2ヘッダ集合管(32)の内部空間は、下から上に向かって順に並ぶ、第1補助熱交換部(35a)に対応する第1補助連通空間(42a,44a)と、第1主熱交換部(34a)に対応する第1主連通空間(41a,43a)と、第2補助熱交換部(35b)に対応する第2補助連通空間(42b,44b)と、第2主熱交換部(34b)に対応する第2主連通空間(41b,43b)と、第3補助熱交換部(35c)に対応する第3補助連通空間(42c,44c)と、第3主熱交換部(34c)に対応する第3主連通空間(41c,43c)とにそれぞれ区分されている。
図9に示すように、第1ヘッダ集合管(31)では、6つの連通空間(41a〜41c,42a〜42c)は、それぞれの間に仕切板(39)が設けられて上下に仕切られている。一方、第2ヘッダ集合管(32)では、各熱交換領域に対応すべく、第1主連通空間(43a)と第1補助連通空間(44a)とが連通して対となり、第2主連通空間(43b)と第2補助連通空間(44b)とが連通して対となり、第3主連通空間(43c)と第3補助連通空間(44c)とが連通して対となるように構成されている。具体的には、それぞれ対となる主連通空間(43)と補助連通空間(44)とは仕切られずに単一の空間に形成されている。一方、対でない主連通空間(43)と補助連通空間(44)との間、つまり、第1主連通空間(43a)と第2補助連通空間(44b)との間、及び第2主連通空間(43b)と第3補助連通空間(44c)との間には、それぞれ仕切板(39)が設けられて上下に仕切られている。
また、図9に示すように、室外熱交換器(23)では、第1ヘッダ集合管(31)における下から上に向かって奇数番目(1,3,5番目)の仕切板(39)のそれぞれの位置が、各熱交換領域における主熱交換部(34)と補助熱交換部(35)との境界部(55)となっている。また、室外熱交換器(23)では、第1ヘッダ集合管(31)における偶数番目(2,4番目)の仕切板(39)のそれぞれの位置(第2ヘッダ集合管(32)における2つの仕切板(39)のそれぞれの位置)が、各熱交換領域の境界部(56)となっている。
図8に示すように、第1ヘッダ集合管(31)には、ガス側接続管(51)と液側接続管(52)とが設けられている。液側接続管(52)は、1つの分流器(52d)と、三本の細径管(52a〜52c)とを備えている。分流器(52d)の下端部には液側連絡配管(13)が接続され、分流器(52d)は液側連絡配管(13)を介して膨張弁(24)に接続されている。分流器(52d)の上端部には、各細径管(52a〜52c)の一端が接続されている。分流器(52d)の内部では、その下端部に接続された液側連絡配管(13)と、各細径管(52a〜52c)とが連通している。各細径管(52a〜52c)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)の各補助連通空間(42)に接続され、対応する補助連通空間(42a〜42c)に連通している。具体的には、第1細径管(52a)は第1補助連通空間(42a)の下端寄りの部分に開口し、第2細径管(52b)は第2補助連通空間(42b)の下端寄りの部分に開口し、第3細径管(52c)は第3補助連通空間(42c)の下端寄りの部分に開口している。
ガス側接続管(51)は、1つの本体管部(51d)と、3つの接続管部(51a〜51c)とを備えている。本体管部(51d)は、上端部が逆U字状に曲がった比較的大径の管状に形成されている。本体管部(51d)の上側の端部には、ガス側連絡配管(14)が接続され、本体管部(51d)はガス側連絡配管(14)を介して四方切換弁(22)の第3のポートに接続されている。本体管部(51d)の下側の端部は、閉塞されている。各接続管部(51a〜51c)は、本体管部(51d)の直線状の部分から側方に突出し、第1ヘッダ集合管(31)の各主連通空間(41)に接続され、対応する主連通空間(41a〜41c)に連通している。具体的には、第1接続管部(51a)は第1主連通空間(41a)の上端寄りの部分に開口し、第2接続管部(51b)は第2主連通空間(41b)の上端寄りの部分に開口し、第3接続管部(51c)は第3主連通空間(41c)の上端寄りの部分に開口している。
〈絞り機構〉
本室外熱交換器(23)においても、第2ヘッダ集合管(32)の各主連通空間(43)に、絞り機構(30)が設けられている。
具体的には、絞り機構(30)は、第2ヘッダ集合管(32)の各主連通空間(43)の上下に二等分した下側部分であって、各主連通空間(43)に対応する扁平管(33)(各主熱交換部(34)の扁平管(33))のうちの最下の扁平管(33)よりも上側に設けられている。より具体的には、本実施形態では、絞り機構(30)は、第2ヘッダ集合管(32)の各主連通空間(43)において、最下の扁平管(33)と下から2番目の扁平管(33)との間に設けられている。このような絞り機構(30)が設けられることにより、該絞り機構(30)部分では、各主連通空間(43)の通路断面積(上下方向に延びる通路の横断面積)が穴(30a)の断面積分に減少する。
なお、本実施形態では、絞り機構(30)は、仕切板(39)よりも厚みの薄い板状体によって構成されている。
〈室外熱交換器における動作〉
空気調和機(10)が各運転中の室外熱交換器(23)の動作について説明する。なお、冷房運転中と除霜運転中の室外熱交換器(23)の動作は同じであるため、暖房運転中と除霜運転中の室外熱交換器(23)の動作について説明する。
暖房運転中には、まず、膨張弁(24)を通過する際に膨張して気液二相状態となった冷媒が、液側接続管(52)を介して第1ヘッダ集合管(31)の各補助連通空間(42)に流入する。各補助連通空間(42)に供給された気液二相状態の冷媒は、各補助熱交換部(35)の扁平管(33)の流体通路(33a)を通過して第2ヘッダ集合管(32)の各補助連通空間(44)に流入する。各補助連通空間(44)に流入した冷媒は、それぞれ対となる主連通空間(43)に流入し、各主熱交換部(34)の扁平管(33)の流体通路(33a)を通過して第1ヘッダ集合管(31)の各主連通空間(41)に流入する。なお、冷媒は、各主熱交換部(34)及び各補助熱交換部(35)の扁平管(33)の流体通路(33a)を流れる際に、通風路(37)を流れる空気から吸熱して蒸発する。そのため、第1ヘッダ集合管(31)の各主連通空間(41)には、蒸発して実質的にガス単相状態となった冷媒(低圧ガス冷媒)が流入する。第1ヘッダ集合管(31)の各主連通空間(41)に流入した低圧ガス冷媒は、ガス側接続管(51)を介して圧縮機(21)へ向かって流出する。
なお、このように室外熱交換器(23)を通過する空気は、各扁平管(33)の流体通路(33a)を流れる冷媒に吸熱される。そのため、室外空気中の水分が昇華して霜として各扁平管(33)及び各フィン(36)に付着する。このように暖房運転中に各扁平管(33)及び各フィン(36)に付着した霜を融解させるために、室内ファン(16)を停止した状態で冷媒回路(20)において冷房運転と同様の冷凍サイクルを行う除霜運転が行われる。
除霜運転中には、まず、圧縮機(21)から吐出された高圧ガス冷媒が、ガス側接続管(51)を介して第1ヘッダ集合管(31)の各主連通空間(41)に流入する。各主連通空間(41)に供給された高圧ガス冷媒は、各主熱交換部(34)の扁平管(33)の流体通路(33a)を通過して第2ヘッダ集合管(32)の各主連通空間(43)に流入する(図8の太白抜き矢印を参照)。このとき、高圧ガス冷媒は、各主熱交換部(34)の扁平管(33)の流体通路(33a)を流れる際に、通風路(37)を流れる空気と熱交換して凝縮する。そのため、第2ヘッダ集合管(32)の各主連通空間(43)には、凝縮して実質的に液単相状態となった冷媒(高圧液冷媒)が流入する。各主連通空間(43)に流入した高圧液冷媒は、それぞれ対となる補助連通空間(44)に流入し、各補助熱交換部(35)の扁平管(33)を通過して第1ヘッダ集合管(31)の各補助連通空間(42)に流入する(図8の細白抜き矢印を参照)。このとき、高圧液冷媒は、各補助熱交換部(35)の扁平管(33)の流体通路(33a)を流れる際に、通風路(37)を流れる空気と熱交換して冷却(過冷却)される。第1ヘッダ集合管(31)の各補助連通空間(42)に流入した高圧液冷媒は、液側接続管(52)を介して膨張弁(24)へ向かって流出する。
〈除霜運転時における絞り機構による作用〉
本実施形態においても、各主連通空間(43)の下側部分であって各主連通空間(43)に対応する扁平管(33)のうちの最下の扁平管(33)の上側に絞り機構(30)が設けられている。そのため、絞り機構(30)は、該絞り機構(30)よりも上側の扁平管(33)から各主連通空間(43)に流入して下方へ流れようとする高圧液冷媒の抵抗となり、下方への高圧液冷媒の流通を阻害する。これにより、絞り機構(30)よりも下側の最下の扁平管(33)の流出側端に作用する高圧液冷媒による圧力が低減され、最下の扁平管(33)において凝縮して生じた高圧液冷媒が排出され易くなる。その結果、最下の扁平管(33)の冷媒流量が増大するため、各主熱交換部(34)の各扁平管(33)における除霜速度が平準化される。
以上より、本実施形態3においても、上記実施形態1,2と同様の効果を奏することができる。
《その他の実施形態》
上記各実施形態では、絞り機構(30)は、円形の板状体によって形成されていたが、これに限られない。絞り機構(30)は、通路断面積を絞ることができるものであればいかなる形状であってもよい。また、絞り機構(30)は、板状体でなく、一部を閉塞する充填物等であってもよい。また、円形の板状体に形成される穴(30a)も長方形に限られない。
また、上記実施形態2及び3では、絞り機構(30)が仕切板(39)よりも厚みの薄い板状体によって形成されていたが、絞り機構(30)を構成する板状体の厚みは、仕切板(39)よりも厚くてもよい。その場合であっても、室外熱交換器(23)を組み立てる際に、誤って絞り機構(30)と仕切板(39)とを逆の位置に組み立ててしまうことを防止することができる。また、室外熱交換器(23)を組み立てる際に、絞り機構(30)と仕切板(39)とを逆の位置に組み立ててしまうことを防止することはできないが、絞り機構(30)が仕切板(39)と等しい厚みの板状体によって構成されていてもよい。
また、上記各実施形態では、本発明に係る室外熱交換器(23)が補助熱交換部(35)を備えていたが、本発明は、少なくとも1つの主熱交換部(34)を備えるものであればよく、補助熱交換部(35)を備えないものであってもよい。
また、上記実施形態2において、補助熱交換部(35)が下側に隣接する第1主熱交換部(34a)に対応する第1主連通空間(43a)では絞り機構(30)を最下の扁平管(33)とその直上の扁平管(33)との間に設ける一方、補助熱交換部(35)が下側に隣接しない第2及び第3主熱交換部(34b,34c)に対応する第2及び第3主連通空間(43b,43c)では絞り機構(30)を最下の扁平管(33)の直上の扁平管(33)(下から2番目の扁平管(33))よりも上方に設けることとしてもよい。このようにしても、実施形態2と同様の効果を奏することができる。
なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。