JP2009062931A - 回転式圧縮機及び冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】中間仕切板の加工コストを低減し、また流路形状の設計自由度を高めること。
【解決手段】圧縮機構部20と回転駆動部30を有し、圧縮機構部20が、中間仕切板50と、中間仕切板50の両端面側に設けられシリンダ室43,44を形成する第1及び第2のシリンダ41,42と、シリンダ41,42の端面に設けられシリンダ室43,44を覆う主軸受31、副軸受32と、クランク軸部61,62を有し、主軸受31、副軸受32により回転支持されるシャフト60と、シャフト60のクランク軸部61,62に係合されたローラ63,64とを備え、吸込ガスを中間仕切板50内で分岐してシリンダ室43,44内に導く回転式圧縮機10において、中間仕切板50の吸込通路に中間仕切板とは別体に形成された吸込通路分岐部54を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】圧縮機構部20と回転駆動部30を有し、圧縮機構部20が、中間仕切板50と、中間仕切板50の両端面側に設けられシリンダ室43,44を形成する第1及び第2のシリンダ41,42と、シリンダ41,42の端面に設けられシリンダ室43,44を覆う主軸受31、副軸受32と、クランク軸部61,62を有し、主軸受31、副軸受32により回転支持されるシャフト60と、シャフト60のクランク軸部61,62に係合されたローラ63,64とを備え、吸込ガスを中間仕切板50内で分岐してシリンダ室43,44内に導く回転式圧縮機10において、中間仕切板50の吸込通路に中間仕切板とは別体に形成された吸込通路分岐部54を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、回転式圧縮機及びこの回転式圧縮機が組み込まれた冷凍サイクル装置に関し、特に安価で高性能のものが得られる技術に関する。
中間仕切板で分岐された吸込通路を有する2気筒回転式圧縮機はよく知られている。このような2気筒回転式圧縮機は、圧縮機構部と回転駆動部を有し、圧縮機構部が、中間仕切板と、この中間仕切板の両端面側に設けられシリンダ室を形成する第1及び第2のシリンダと、これらシリンダの端面に設けられシリンダ室を覆う第1及び第2の蓋部材と、2つの偏心部を有し、蓋部材により回転支持されるシャフトと、このシャフトの偏心部に係合されたローラとを備え、吸込ガスを中間仕切板内で分岐して各シリンダ室内に導くものである。
中間仕切板には吸込パイプが挿入され、中間仕切板内部にて吸込通路が上下に分岐され、それぞれ第1及び第2のシリンダのシリンダ室に連通している。中間仕切板には、その外周側より吸込パイプが挿入される横穴が形成され、この横穴は斜め方向に上下に分岐されて各シリンダ室に連通する。
このような2気筒回転式圧縮機において流路形状を最適化し高い性能を得るためには、中間仕切板の吸込通路の分岐部において、吸込干渉を防ぎ、圧力損失を低減する必要がある。このため、吸込通路を斜め穴加工により形成する例が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2003−161278号公報
特開平9−250477号公報
上述した2気筒回転式圧縮機では、次のような問題があった。すなわち、斜め穴加工にはコストがかかり、また流路形状の設計自由度が小さく、高い性能が得られにくいという問題があった。
そこで本発明は、中間仕切板の加工コストを低減し、また流路形状の設計自由度を高めることで、安価で高性能の回転式圧縮機を提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の回転式圧縮機は次のように構成されている。
圧縮機構部と回転駆動部を有し、前記圧縮機構部が、中間仕切板と、この中間仕切板の両端面側に設けられシリンダ室を形成する第1及び第2のシリンダと、これらシリンダの端面に設けられ前記シリンダ室を覆う第1及び第2の蓋部材と、2つの偏心部を有し、前記蓋部材により回転支持されるシャフトと、このシャフトの偏心部に係合されたローラとを備え、吸込ガスを前記中間仕切板内で分岐して前記各シリンダ室内に導く回転式圧縮機において、前記中間仕切板の吸込通路に中間仕切板とは別体に形成された分岐部材を設けたことを特徴とする。
上述した構成を有する回転式圧縮機と、この回転式圧縮機に接続された凝縮器と、この凝縮器に接続された膨張装置と、この膨張装置に接続された蒸発器とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、中間仕切板の加工コストを低減し、また流路形状の設計自由度を高めることが可能となる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る2気筒回転式圧縮機10の断面構造と、この2気筒回転式圧縮機10を備えた冷凍サイクル装置1の冷凍サイクル構成図、図2Aは2気筒回転式圧縮機10に組み込まれた中間仕切板50を示す平面図、図2Bは同中間仕切板50の縦断面図、図3Aは中間仕切板50に組み込まれた吸込通路分岐部54の平面投影図、図3Bは中間仕切板50に組み込まれた吸込通路分岐部54の側面投影図である。
図1に示すように、冷凍サイクル装置1は、冷媒を凝縮する凝縮器2と、この凝縮器2に接続された膨張装置3と、この膨張装置3に接続され、冷媒を気化する蒸発器4と、この蒸発器4の出口側にアキュムレータ5及び吸込パイプ6を介して接続された2気筒回転式圧縮機10とを備えている。
2気筒回転式圧縮機10は、ツインタイプのローリングピストン形圧縮機であり、密閉ケース11を有している。密閉ケース11内には、上部側に設けられた回転駆動部20と、下部側に設けられた圧縮機構部30とが収容されており、回転駆動部20と圧縮機構部30とは、シャフト60を介して連結されている。2気筒回転式圧縮機10は、シャフト60が鉛直方向に沿って設けられている縦置型のものである。
回転駆動部20は、例えばブラシレスDCモータが用いられていて、密閉ケース11の内面に固定される集中巻固定子21と、この集中巻固定子21の内側に所定の間隙を存して配置され、シャフト60に嵌着されるロータ22とを備えている。回転駆動部20は、外部の電源供給部(不図示)に接続され、電力の供給を受けている。
圧縮機構部30は、主軸受31及び副軸受32とを備え、主軸受31側に設けられたバルブカバー33と、副軸受32側に設けられたバルブカバー34とともにボルト35にてネジ止めされている。主軸受31及び副軸受32は、それぞれシャフト60を回転自在に支持している。主軸受31と副軸受32との間には圧縮機構40A、中間仕切板50、圧縮機構40Bが積層配置され、主軸受31は、後述するシリンダ室43の開口を封じ、副軸受32は後述するシリンダ室44の開口を封じている。
圧縮機構40A,40Bには、それぞれシリンダ部材41,42が設けられるとともに、シリンダ部材41、42には、それぞれシリンダ室43、44が設けられている。シャフト60は、シリンダ室43、44に対応する位置にそれぞれ設けられたクランク軸部(偏心部)61,62を有し、これらクランク軸部61,62の外周にそれぞれローラ63,64が係合されている。これらクランク軸部61,62は、互いに回転角を180°ずらして配置されている。
中間仕切板50は、金属材製で円板状の板本体51と、この板本体51の外周面に設けられ、吸込ガス(冷媒)を導入する吸込パイプ6が挿入される吸込パイプ挿入孔(横穴)52と、この吸込パイプ挿入孔52に連通するとともに、板本体51の両端面を貫通する貫通円孔53が設けられている。
板本体51には、ネジ穴51aと、開口部51bが形成されている。また、吸込パイプ挿入孔52と貫通円穴53が交差する位置には、面取り部52aが形成されている。
貫通円孔53には、着脱自在の吸込通路分岐部54が配置されている。吸込通路分岐部54は、ほぼ断面三角形状の柱体に形成され、その側面に一対の凹溝54aが形成されている。吸込通路分岐部54は、その頂部を吸込パイプ挿入孔52側に向けた状態で凹溝54aに係合する板バネ55を介して取り付けられている。吸込通路分岐部54はPPS等の樹脂であり、射出成形によって形成されている。吸込通路分岐部54は、板本体51に対して縦弾性係数及び熱伝達率が小さい。
この吸込通路分岐部54が貫通円孔53を上下に分岐することで各シリンダ室43,44に導く第1分岐溝56と、第2分岐溝57とが形成されている。
このように構成された冷凍サイクル装置1では、次のように運転される。すなわち、回転駆動部20に電力が供給され、シャフト60が回転駆動され、圧縮機構部30が駆動される。
圧縮機構部30では、ローラ63,64がシリンダ室43,44内で偏心回転を行うことで、シリンダ室43,44内に導かれた冷媒ガスが徐々に圧縮される。シャフト60が継続して回転され、シリンダ室43,44における圧縮室の容量がさらに減少して冷媒ガスが圧縮され、所定圧まで上昇したところで吐出弁が開放する。高圧ガスはバルブカバー33を介して密閉ケース11内に吐出され充満する。そして、密閉ケース11から吐出される。
密閉ケース11から吐出された高圧ガスは、凝縮器2に導かれて凝縮液化し、膨張装置3で断熱膨張し、蒸発器4で熱交換空気から蒸発潜熱を奪って冷房作用をなす。そして、蒸発したあとの冷媒はアキュムレータ5及び吸込パイプ6を介して中間仕切板50の吸込パイプ挿入孔52に導入される。そして、吸込通路分岐部54において第1分岐溝56と第2分岐溝56に分岐し、シリンダ室43,44内に再び吸込まれて上述の経路を循環する。
上述したように、板本体51に形成された貫通円孔53に吸込通路分岐部54を取り付ける構造であるため、板本体51に行う加工は、一方向からのドリル(あるいはタップ)による孔空け加工のみとなり、斜め方向への加工が不要となり、加工工数を大幅に削減できる。また、吸込通路分岐部54が熱伝達率の小さい材質で形成されているため、吸込ガスの加熱による影響を軽減でき、圧縮機性能を向上させることができる。また、吸込通路分岐部54は射出成形により形成されているので、高精度・低コストに製造が可能であるとともに、設計自由度が高く、所望の圧縮性能を得ることが可能となる。
また、吸込パイプ挿入孔52と貫通円穴53が交差する位置には、面取り部52aが形成されているため、流路抵抗を小さくすることが可能となり、さらに圧縮性能を高めることが可能となる。
なお、吸込通路分岐部54は、樹脂の他、薄板の板金加工で製作することで、材料費・製作費をさらに安価にするようにしてもよい。
図4Aは本発明の第2の実施の形態に係る2気筒回転式圧縮機10に組み込まれた中間仕切板50Aを示す平面図、図4Bは同中間仕切板50Aの縦断面図、図5Aは中間仕切板50Aに組み込まれた吸込通路分岐部58の平面投影図、図5Bは中間仕切板50Aに組み込まれた吸込通路分岐部58の側面投影図である。これらの図において、図2A,2B,3A,3Bと同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態に係る吸込通路分岐部58は、上述した吸込通路分岐部54とほぼ同様に形成されているが、その側面に一対の爪部58aが形成され、貫通円孔53の内壁面に係合している。
このように吸込通路分岐部58を用いることで、板バネ55等の部品や接着剤塗布等の工程が不要となり、材料費・製作費をさらに安価にすることが可能となる。
図6は、吸込パイプ挿入孔52と貫通円穴53が交差する位置に面取り部52aを形成するための加工工程を示す断面図である。図6に示すように、面取り部52aの加工は、吸込パイプ挿入孔52側からドリルDにより加工しても良いし、また、貫通円孔53側から行っても良い。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
1…冷凍サイクル装置、2…凝縮器、3…膨張装置、4…蒸発器、6…吸込パイプ、10…2気筒回転式圧縮機、20…回転駆動部、30…圧縮機構部、31…主軸受、32…副軸受、40A…圧縮機構、40B…圧縮機構、50…中間仕切板、51…板本体、52…吸込パイプ挿入孔(横穴)、53…貫通円孔、52a…面取り部、54,58…吸込通路分岐部、54a…凹溝、55…板バネ、58a…爪部、60…シャフト、61,62…クランク軸部(偏心部)、63,64…ローラ。
Claims (4)
- 圧縮機構部と回転駆動部を有し、前記圧縮機構部が、中間仕切板と、この中間仕切板の両端面側に設けられシリンダ室を形成する第1及び第2のシリンダと、これらシリンダの端面に設けられ前記シリンダ室を覆う第1及び第2の蓋部材と、2つの偏心部を有し、前記蓋部材により回転支持されるシャフトと、このシャフトの偏心部に係合されたローラとを備え、吸込ガスを前記中間仕切板内で分岐して前記各シリンダ室内に導く回転式圧縮機において、
前記中間仕切板の吸込通路に中間仕切板とは別体に形成された分岐部材を設けたことを特徴とする回転式圧縮機。 - 前記分岐部材は、その部品自体の弾性力により前記中間仕切板に保持・固定されていることを特徴とする請求項1に記載の回転式圧縮機。
- 前記中間仕切板は、吸込パイプを挿入するための横穴と、
前記中間仕切板の両端面を貫通する貫通穴とを具備し、
前記横穴と前記貫通穴とが交差する角部は面取り部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転式圧縮機。 - 前記請求項1〜3のいずれかに記載された回転式圧縮機と、この回転式圧縮機に接続された凝縮器と、この凝縮器に接続された膨張装置と、この膨張装置に接続された蒸発器とを備えていることを特徴とする冷凍サイクル装置。
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