JP2009062651A - 横編機における編地引下げ装置の開閉機構 - Google Patents

横編機における編地引下げ装置の開閉機構 Download PDF

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Abstract

【課題】手間をかけることなく簡単に組み付けることができるとともに、編地の厚み等により開閉操作されたときでも、その編地捕捉面の高さ位置が異なることがないようにした横編機における引き下げ装置の開閉機構を提供できるようにする。
【解決手段】一方のケーシングの移動をさせるための開閉駆動部と、各ケーシングと横編機のフレームの間に設けた直動ガイドと、一方のケーシング側の移動により回動可能な歯部と噛み合う他方のケーシング側に設けた歯部を含む操作具とを有し、一対のケーシングを直動ガイドに沿って直線移動で接離可能に構成した。
【選択図】 図5

Description

本発明は横編機における編地引下げ装置の開閉機構に関するものである。
前後に対向配設した少なくとも一対の針床を有する横編機には、針床の歯口部の下方に編地を引下げるための引下げ装置を配設するようにしたものが知られている。(例えば、特許文献1参照)
この編地引下げ装置の引下げ部材は、複数の針で形成される編地捕捉面を有し、弾性材を介して引下げ部材本体に取付けられている。
引下げ部材本体が下降時には編地捕捉面は編地を捕捉し、上昇時には編地を解放する形状に形成するとともに編地捕捉面を引下げ部材本体に対して突出方向に押圧付勢し、不作用時に引下げ部材本体の側面から突出しない位置に格納可能若しくは突出量が少なくなるようにケーシング内に退入可能に構成するとともに、引き下げ部材の編地捕捉面で編地通過経路の編地を捕捉する作用時にはケーシングを、枢支軸を回動中心として回動させて編地に近接する方向に移動させ、不作用時にはケーシングを編地から離間させるようにした開閉機構も設けている。
ところが、このような開閉機構では、操作されるケーシングが弧を描いて揺動するため、前後のケーシングの開閉時において対向する編地捕捉面の高さが常に一致するように組み付けすることは困難であり、その調整に時間を要する場合がある。
特開平10−183449号公報
本発明は上記問題点に鑑み提案されたもので、開閉機構の組み付け並びに調整を容易にした横編機における編地引下げ装置の開閉機構を提供できるようにすることを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明では、少なくとも前後一対の針床を有する横編機の歯口部下方の編地通過経路内にある編地を捕捉して、昇降により編地を引下げる編地捕捉面を収納した一対のケーシングを備えた編地引下げ装置の開閉機構であって、一方のケーシングの移動をさせるための開閉駆動部と、各ケーシングと横編機のフレームの間に設けた直動ガイドと、一方のケーシング側の移動により回動可能な歯部と噛み合う他方のケーシング側に設けた歯部を含む操作具とを有し、一対のケーシングを直動ガイドに沿って直線移動で接離可能にしたことを特徴とするものである。
次に、本発明にかかる横編機における編地引下げ装置の開閉機構では、前記操作具の歯部とともに回動可能で端部にローラを有するアームを設け、該ローラと係合するローラ受け部を各ケーシング側に設けたことも特徴とするものである。
上記したように本発明の横編機における編地引下げ装置の開閉機構によれば、一方のケーシングの移動をさせるための開閉駆動部と、各ケーシングと横編機のフレームの間に設けた直動ガイドと、一方のケーシング側の移動により回動可能な歯部と噛み合う他方のケーシング側に設けた歯部を含む操作具とを有し、一対のケーシングを直動ガイドに沿って直線移動で接離可能にしてあるので、編地通過経路内の編地の厚さ等に合わせて前後のケーシング間が開閉されても、編地捕捉面の高さ位置が変化することがなくなる。これにより、手間をかけることなく開閉機構を簡単に組み付けることができる利点がある。
また、前記操作具の歯部とともに回動可能で端部にローラを有するアームを設け、該ローラと係合するローラ受け部を各ケーシング側に設けて開閉機構を構成したものでは、簡単な構造でケーシングを滑らかに直線移動させることができる利点がある。
以下、本発明にかかる横編機における編地引下げ装置の開閉機構の好適な実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は横編機の一部を切り欠いた正面図、図2は図1のA−A線断面図であって、図中符号1は横編機を全体的に示す。
この横編機1は、編針2を針床3に進退摺動可能に収納し、この針床3をその歯口部4が対向する状態でフレーム12・13の前後に配設し、歯口部4間の下方を昇降駆動する編出し装置5と、この編出し装置5によって所定の長さまで引下げられた編地をニップして引下げるための引下げローラ装置6及びこの引下げローラ装置6と協動してもしくは単独で編地を引下げる編地引下げ装置7を備える。
これら編出し装置5、引下げローラ装置6及び編地引下げ装置7は、前後に対向配設された針床3・3の歯口部4間に成形される図2中一点鎖線で示した編地通過経路8を挟んで各針床の下方に設けてある。
これらの装置5〜7は、特許文献1に記載されているものと同様に構成され、作用する。
すなわち、編地引下げ装置7では、歯口部4下方の編地通過経路8を挟んで前後に一対の編地用引下げ部材9・10を設けて筒状に編成される編地に対しても有利に引下げを行うことができるようになっている。
ここでいう筒状編地とは、例えば前身頃の編地を前針床3、後身頃の編地を後針床3に付属させ、両編地がその両端部において連結された状態で編成される編地をであって、一方の編地用引下げ部材9が前身頃の編地のみを、編地用引下げ部材10が後身頃の編地のみを夫々引下げる。
上記編出し装置5は、前後の編針2・2に対面するように背中合わせに配設された一対のフック部材11と、このフック部材11を引下げローラ装置6の下方から歯口部間隙の上方までの間を昇降させる昇降機構(図示せず)とを備えて構成されている。
また、引下げローラ装置6は、横編機1の左右のフレーム12・13間に亙って枢支させた前後一対のシャフト14に“L”字型のブラケット15を向かい合わせにして揺動可能に枢支させ、このブラケット15の上端部に引下げローラ16を回動可能に枢支し、前後の引下げローラ16・16を回動手段(図示せず)で回転駆動可能にしてある。
そして、ブラケット15の編地通過経路8側で向かい合う端部同士をリンクプレート17で連接するとともに、一方のブラケット15を回動レバー18で回動させることにより前後の引下げローラ16・16が互いに接離する方向に揺動可能になっている。
上記編地引下げ装置7は、編地通過経路8内にある編地の前側編地のみを捕捉して引下げ可能な前編地用引下げ部材9と後側編地のみを捕捉して引下げ可能な後編地用引下げ部材10と、両編地用引下げ部材9・10を編地通過経路8の編地に接離する方向に移動させる編地引下げ装置7の開閉機構(以下単に開閉機構という)26と、両編地用引下げ部材9・10の後述する編地捕捉面20の昇降並びにその引下げ力を調節する引下げ力調節機構21とを備えて構成されている。
図3は編地引下げ装置7の概略正面図、図4は編地引下げ装置7の概略側面図である。
前後の編地用引下げ部材9・10のそれぞれは、図3及び図4に示すように、複数の針22で形成される編地捕捉面20を有し、引下げ部材本体24に取付けられ、引下げ部材本体24を昇降させるための昇降駆動手段23ならびに、編地用引下げ部材9・10の引下げ力を設定する引下げ力調節手段21がケーシング25に設けられて構成されている。
これらの昇降駆動手段23ならびに引下げ力調節手段21については、上記特許文献1公報と同様に構成され作用するので詳述は省略する。
前後のケーシング25・25は、開閉機構26の操作によって、直動ガイド36を介して開閉可能であり、編地通過経路8の編地に対して、その間を狭くして編地引下げ作用を行なう「閉」状態と、その間を広くして編地引下げ作用を行なわない「開」状態とに移動する。
図5は、開閉機構26によりケーシング25・25が「閉」の状態を示す側面図である。
図6は、直動ガイド36部分の概略を示す側面図である。
図7は、開閉機構26によりケーシング25・25が「開」の状態を示す側面図である。
開閉機構26は、開閉駆動部27と直動ガイド36と操作具35から構成される。
開閉駆動部27は、例えば横編機1の編成を制御する制御装置(図示せず)によって回転制御されるモータ28と、このモータ28の回転が歯車伝導機構29を介して伝えられて回転駆動されるカム軸30と、カム軸30に取り付けられた開閉カム31と、この開閉カム31にローラ32が摺接して揺動される開閉揺動ブラケット33と、開閉揺動ブラケット33に連結された開閉ロッド34を備えてなる。
そして、開閉揺動ブラケット33が揺動操作されて、開閉ロッド34が一方のケーシング25を編地通過経路8内にある編地に当接若しくは離間する方向に、摺動操作されるとこれに連動して、他方のケーシング25も操作具35を介して駆動が伝わり、編地に当接若しくは離間する方向に直線的に摺動操作されるようになっている。
ケーシング25を編地に当接若しくは離間する方向に直線的に移動させる直動ガイド36は図6に示すように、ガイド部材37がフレーム12・13の下端部分にボルト等の固定具38で固定され、編地通過経路8内の編地を挟んで対峙する一対のケーシング25・25が編地通過経路8に対して直交する方向に直線移動させるガイド溝39をガイド部材37の側面部分に形成するとともに、当該ガイド溝39に嵌合して摺動する摺動部材40へ取付け用ブラケット41の一端側をボルト等の固定具42で固定して構成されている。
また、取付け用ブラケット41の他端側では、ケーシング25をボルトまたはピン等で固定している。即ち、取付け用ブラケット41を介して、摺動部材40とケーシング25が繋がった状態となっている。
因みに、ガイド溝39に嵌合して摺動する摺動部材40は、その摺動抵抗を少なくするためにボール循環式の摺動部材にしてあるが、含油合金等からなるメタル式摺動部材を使用することも可能である。また、ガイド部材37の断面形状は略矩形であるが、円形断面のものを用いてもよい。
上記操作具35は、前後一対の各ケーシング25・25の下端部に固定された取付け用ブラケット41から編地通過経路8に向けて延出された伝動アーム43と、フレーム12・13に固定されたアーチ状の固定部材44に回転可能に支持された一対の駆動軸45と、各駆動軸45を中心に回動可能で、周囲の一部に歯部46aとアーム部46bを有するケーシング操作レバー46とから成る。そして、アーム部46bの先端にはローラ48が配設されており、このローラ48を受けるローラ受け部43aが前記伝動アーム43の端部にU字型に形成されている。
例えば、ケーシング25・25が図5の「閉」から図7の「開」に移動する場合について説明する。
モータ28を駆動すると、歯車伝動機構29を介して開閉カム31が回転する。
図5では、ローラ32は開閉カム31の小半径側のカム面に接しているが、図7の「開」にするには、ローラ32が開閉カム31の大半径側のカム面に接するようにすればよい。
ローラ32の変位によって開閉ロッド34が駆動され、図中の左側の取付け用ブラケット41及び摺動部材40がガイド部材37上を左へ移動する。
従って左側のケーシング25も左へ移動することになる。
取付け用ブラケット41の左への移動に伴い、伝動アーム43も同様に移動し、左側のケーシング操作レバー46が駆動軸45を中心に右回りする。
互いの歯部46aで噛み合わさっているため、右側のケーシング操作レバー46が駆動軸45と中心に左回りする。この結果、右側の取付け用ブラケット41及び摺動部材40がガイド部材37上を右へ移動する。
従って、右側のケーシング25も右へ移動することになる。
このようにして、ケーシング25・25が図5の「閉」から図7の「開」に変化する。
また、図7の「開」から図5の「閉」の変化する場合も、モータ28を駆動させてローラ32が開閉カム31の小半径側のカム面に接するようにすれば、各ケーシング25・25が上述とは逆に移動して、「閉」状態にすることができる。
上述したように、開閉機構26で一方のケーシング25が摺動操作されるとき、両ケーシング25・25が操作具35により連動して、直動ガイド27で編地通過経路8に対して直交する方向に直線移動する。
したがって、例えば編地の厚さに合わせて両ケーシング25・25間が変更されたときでも、編地を捕捉する針22の位置、つまり編地捕捉面20の上下位置がずれたりすることがないので、編地通過経路8を挟んだ状態で対峙して設けられる両ケーシング25・25の取り付けも、水平の位置だけを正確に合わせればよく、いたって簡単に取り付け作業を行う事ができる。
尚、図8は操作具の他の例を示す図である。上述の例では、操作具35として、駆動軸45を中心に回動可能で、歯部46aと先端にローラ48を備えたアーム部46bを有するケーシング操作レバー46と、ローラ受け部43aを有する伝動アーム43の組合せを示したが、図8に示すような組合せにすることもできる。
駆動軸45を中心に回動可能で、周囲の一部または全周に歯部49aを形成した歯車49と、取付け用ブラケット41から編地通過経路8に向けて延出され、先端に歯部50aを備えた伝動アーム50の組合せであり、所謂、ラック&ピニオンである。
これらの各歯部49a、50aの噛み合わせによって、各ケーシング25・25間を開閉する。図8(a)は各ケーシング25・25間が「閉」の状態、図8(b)は各ケーシング25・25間が「開」の状態である。
上記実施の形態では、駆動部としてモータ28、開閉カム31、開閉ロッド34等を用いたが、エアシリンダーを用いることもできる。また、取付け用ブラケット41へ駆動力を伝えて開閉可能にしたが、駆動軸45上の設けたケーシング操作レバー46または歯車49を直接回転駆動させてもよい。
上記開閉機構26については、編地引下げ装置7の一端側についてのみ説明したが他端側も同様に作用する。
そして、他端側における開閉駆動部27のモータは省略してあるが、付設することもできる。
また、上記直動ガイド36は少なくとも各ケーシングの両端に必要であり、針床3の長手方向の中間部分に適宜ピッチで設けることが好ましい。
本発明の実施の形態にかかる編地引下げ装置を取付けた横編機の一部切欠正面図である。 図1のA−A線断面である。 編地引き下げ装置の概略正面図である。 編地引き下げ装置の概略側面図である。 開閉機構部分の「閉」状態の概略を示す側面図である。 直動ガイド部分の概略を示す側面図である。 開閉機構部分の「開」状態の概略を示す側面図である。 操作部の変形例を示す概略図である。
符号の説明
1・・・横編機
2・・・編針
3・・・針床
4・・・歯口部
8・・・編地通過経路
12・13・・・フレーム
20・・・編地捕捉面
22・・・針
25・・・ケーシング
26・・・開閉機構
27・・・開閉駆動部
35・・・操作具
36・・・直動ガイド
37・・・ガイド部材
43・・・伝動アーム
48・・・ローラ
46・・・ケーシング操作レバー

Claims (2)

  1. 少なくとも前後一対の針床を有する横編機の歯口部下方の編地通過経路内にある編地 を捕捉して、昇降により編地を引下げる編地捕捉面を収納した一対のケーシングを備え た編地引下げ装置の開閉機構であって、一方のケーシングの移動をさせるための開閉駆 動部と、各ケーシングと横編機のフレームの間に設けた直動ガイドと、一方のケーシン グ側の移動により回動可能な歯部と噛み合う他方のケーシング側に設けた歯部を含む操 作具とを有し、一対のケーシングを直動ガイドに沿って直線移動で接離可能にしたこと を特徴とする横編機における編地引下げ装置の開閉機構。
  2. 前記操作具の歯部とともに回動可能で端部にローラを有するアームを設け、該ローラと 係合するローラ受け部を各ケーシング側に設けたことを特徴とする請求項1に記載の横 編機における編地引下げ装置の開閉機構。
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