JP2009062439A - タイヤサイドトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

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洋介 鈴木
Toshibumi Asukai
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Abstract

【課題】加工性、発熱性及び耐疲労性を改善したタイヤサイドトレッド用ゴム組成物を提供すること。
【解決手段】(A)天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴム20〜80重量部とブタジエンゴム及び/又はスチレン−ブタジエン共重合体ゴム80〜20重量部から構成されるジエン系ゴムと、(B)前記ジエン系ゴム100重量部に対して30〜150重量部の補強性充填剤であって、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積が20〜100m2 /gであるカーボンブラックを前記ジエン系ゴム100重量部に対して10重量部以上含む補強性充填剤と、(C)前記ジエン系ゴム100重量部に対して0.5〜10重量部の特定のポリエーテルポリオールとを配合してなることを特徴とするタイヤサイドトレッド用ゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤサイドトレッド用ゴム組成物に関し、より詳細には、加工性、低発熱性及び耐疲労性が改善されたタイヤサイドトレッド用ゴム組成物に関する。
省エネルギー化の社会的要求に対応するため、近年、低燃費空気入りタイヤの開発が盛んに行われるようになってきており、空気入りタイヤの転動抵抗を低減するために、空気入りタイヤのキャップトレッド部だけでなくサイドトレッド部などの部材に対しても低発熱化が求められている。ところが、下記特許文献1に記載されているとおり、サイドトレッド部の低発熱化を達成すべく、従来の当業者の常識に従って粒径の大きなカーボンブラックを使用してゴム組成物中のカーボンブラックの配合量を少なくすると、低発熱化は実現できるが、クラック成長などの耐久性の悪化を招くという新たな問題が生じる。
下記特許文献1には、補強性充填剤として粒径の大きなカーボンブラックと組み合わせて、特定の平均粒径及びアスペクト比を有するウォラストナイトを特定量使用することによって、耐クラック性を改善することが提案されている。しかしながら、一般的に、配合される補強性充填剤の粒径が大きいほど、また、配合量が多いほどゴム成分や他の配合剤との混練り時の加工性が低くなるという問題があるが、この問題については、特許文献1では検討がなされていない。また、シリカを配合したゴム組成物において、シリカ、カーボンブラックなどの補強性充填剤のゴム成分に対する分散性を高めて混練り時の加工性を高めるために、ポリオールやポリエチレングリコールを添加することが、例えば下記特許文献1〜5に提案されており、一定の効果を上げているが、加工性、低発熱性及び耐疲労性のより一層の改善を実現することが求められている。
特開2005−232356号公報 特開平9−118786号公報 特開平11−343366号公報 特開2002−88193号公報 特開2001−288299号公報 特開2005−343963号公報
従って、本発明は、加工性、低発熱性及び耐疲労性が改善されたタイヤサイドトレッド用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、(A)天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴム20〜80重量部とブタジエンゴム及び/又はスチレン−ブタジエン共重合体ゴム80〜20重量部から構成されるジエン系ゴムと、(B)前記ジエン系ゴム100重量部に対して30〜150重量部の補強性充填剤であって、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)吸着比表面積が20〜100m2 /gであるカーボンブラックを前記ジエン系ゴム100重量部に対して10重量部以上含む補強性充填剤とに、特定量の下記一般式(I):
Figure 2009062439
(式中、l、m及びnはそれぞれ独立に2〜10の整数を表す)
により表わされるポリエーテルポリオールを配合すると、低い発熱性及び高い耐疲労性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、
(A)天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴム20〜80重量部とブタジエンゴム及び/又はスチレン−ブタジエン共重合体ゴム80〜20重量部から構成されるジエン系ゴムと、
(B)前記ジエン系ゴム100重量部に対して30〜150重量部の補強性充填剤であって、CTAB吸着比表面積が20〜100m2 /gであるカーボンブラックを前記ジエン系ゴム100重量部に対して10重量部以上含む補強性充填剤と、
(C)前記ジエン系ゴム100重量部に対して0.5〜10重量部の、下記一般式(I):
Figure 2009062439
(式中、l、m及びnはそれぞれ独立に2〜10の整数を表す)
により表わされるポリエーテルポリオールと、
を配合してなることを特徴とするタイヤサイドトレッド用ゴム組成物が提供される。
本発明のゴム組成物において使用されるジエン系ゴム(A)は、その総量を100重量部として、20〜80重量部の天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴム(IR)と、80〜20重量部のブタジエンゴム(BR)及び/又はスチレンブタジエンゴム(SBR)とから構成される。
本発明のゴム組成物に配合される補強性充填剤(B)は、上記のCTAB吸着比表面積を有するカーボンブラックを上記の配合割合で含む限り、ゴム組成物の補強性充填剤として用いられている公知の充填剤の1種以上を含んでもよい。補強性充填剤(B)の配合量は、ジエン系ゴム(A)100重量部に対して30〜150重量部である。補強性充填剤(B)の配合量が30重量部より少ないとゴムを十分に補強することができないため、ゴム組成物の耐摩耗性及び破断伸び等の強度特性が低下するおそれがあり、150重量部を超えると混練り時にゴム組成物が硬くなりすぎ、加工性が低下するおそれがある。
カーボンブラック以外の補強性充填剤として、例えばシリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドーソナイト及びハイドロタルサイト等の金属炭酸塩、例えばタルク、カオリン、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維等の金属ケイ酸塩、例えばグラファイト、炭素繊維及びフラーレン等の炭素同素体及び炭素化合物などが挙げられる。カーボンブラック以外の補強性充填剤としては、補強性の観点から、シリカが好ましい。
カーボンブラックは、20〜100m2 /gのCTAB吸着比表面積を有する限り、ゴム業界で一般的に使用されているものから適宜選択することができ、その製造方法に限定されない。カーボンブラックのCTAB吸着比表面積が20m2 /g未満では、補強性が低下し、また、CTAB吸着比表面積が100m2 /gを超えると、カーボンの分散性が低下して混合加工性が悪化する。なお、本明細書の記載において、「CTAB吸着比表面積」とは、JIS K6217に準じて測定される比表面積(単位m2 /g)を意味する。カーボンブラックは、ジエン系ゴム100重量部に対して10重量部以上、好ましくは40重量部以上で配合される。
上記一般式(I)により表わされるポリエーテルポリオールを配合することにより、発熱性が低下し、耐疲労性が改善される。上記一般式(I)によりポリエーテルポリオールは、ジエン系ゴム100重量部に対し、0.5〜10重量部、好ましくは1〜9重量部の量で配合される。このポリエーテルポリオールの配合量がジエン系ゴム100重量部に対して0.5重量部未満では、ゴム組成物の物性を改善する効果が小さく、10重量部を超えると、スコーチを起こす傾向があり、また、加硫後において耐疲労性が低下してしまうという問題がある。また、上記一般式(I)においてl、m及びnが10を超えると、ポリエーテルポリオールの粘度が高くなり計量作業性が低下する。
本発明のゴム組成物には、上記の必須成分に加えて、必要に応じて、ゴム業界で一般的に使用されている任意の配合剤、例えば加硫促進剤、加硫剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、加工助剤、老化防止剤等も、一般的な配合量で適宜添加することができる。かかる添加剤は、一般的な配合方法で配合でき、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
混練時の各成分の添加順序には特に限定はなく、予めポリエーテルポリオールを補強性充填剤と混合してからゴムに配合しても、ポリエーテルポリオールと補強性充填剤とゴムを同時に配合しても良い。
以下に示す実施例及び比較例を参照して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の技術的な範囲は、これらの実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
比較例1〜2及び実施例1〜2のゴム組成物の調製
下記表1の配合に従って、1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて、天然ゴム、ブタジエンゴム、カーボンブラック、酸化亜鉛などの、加硫系以外の材料を5分間混合し、150℃でミキサーから放出後、室温まで冷却した。その後、再度1.7リットル密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合し、150℃にて放出後、オープンロールにて加硫促進剤及び硫黄を混合し、比較例1〜2及び実施例1〜2の各未加硫ゴム組成物を得た。
Figure 2009062439
試験法
下記実施例及び比較例により得られたゴム組成物の性能は、以下に示す各試験法により求めた。各試験の結果は、表1に示したとおりである。
(1)発熱性(tanδ(60℃))
比較例1〜2および実施例1〜2の各ゴム組成物を160℃で30分間プレス加硫して縦15cm、横15cmおよび厚さ0.2cmの加硫ゴムシートを作製した。この加硫ゴムシートから試験片を作製し、東洋精機製作所の粘弾性スペクトロメータを用いて、JIS K6394に準じて歪10±2%、周波数20Hz、雰囲気温度60℃の条件下でtanδ(60℃)を求めた。試験結果は、比較例1について求められたtanδ(60℃)の値を100として指数で表わした。指数の数値が小さい程、発熱性がより改善されたことを示す。
(2)耐疲労性
比較例1〜2および実施例1〜2の未加硫ゴム組成物を160℃で30分間プレス加硫して縦15cm、横15cmおよび厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製した。この加硫ゴムシートからダンベル状3号形の形状の試験片を打ち抜いた。90℃のギアオーブン中に48時間放置し老化させた試験片を、JIS K6260に従ったデマチャ屈曲試験により、室温で10万回屈曲させた後の亀裂の長さを測定した(ストロークは40mm、速度は300±10rpmとした)。結果は、比較例1の値を100としたときの指数で表わした。指数の値が大きいほど亀裂の成長量が少なく、耐疲労性が良好であることを示す。
上記表1の結果から、上記一般式(I)により表わされるポリエーテルポリオールを配合することによって、加硫後において、発熱性及び耐疲労性が改善されることが判る。

Claims (1)

  1. (A)天然ゴム及び/又は合成イソプレンゴム20〜80重量部とブタジエンゴム及び/又はスチレン−ブタジエン共重合体ゴム80〜20重量部から構成されるジエン系ゴムと、
    (B)前記ジエン系ゴム100重量部に対して30〜150重量部の補強性充填剤であって、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積が20〜100m2 /gであるカーボンブラックを前記ジエン系ゴム100重量部に対して10重量部以上含む補強性充填剤と、
    (C)前記ジエン系ゴム100重量部に対して0.5〜10重量部の、下記一般式(I):
    Figure 2009062439
    (式中、l、m及びnはそれぞれ独立に2〜10の整数を表す)
    により表わされるポリエーテルポリオールと、
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007231275A (ja) * 2006-02-27 2007-09-13 Bridgestone Corp シリカを含有した硬化性ゴム混合物
CN110709457A (zh) * 2017-06-09 2020-01-17 株式会社普利司通 橡胶组合物、交联橡胶组合物、橡胶物品和轮胎
CN113462038A (zh) * 2021-07-23 2021-10-01 大连环球矿产股份有限公司 一种耐屈挠轮胎胎侧配方

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