JP2009062346A - 筋肉増加剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筋肉増加剤は、ハナビラタケ科に属する茸類又は前記茸類の抽出物を有効成分として含有する。
【選択図】図7
Description
そして筋肉増加剤の使用時においては、効率よく筋肉重量を増加させるため、筋肉増加剤の有効成分とは別に、エネルギー効率のよい脂肪成分を食事等として摂取することが好ましいとされている(特許文献1の明細書の段落[0029]等を参照)。
このような観点から、筋肉増加剤としては、脂肪成分摂取(特に高脂肪食摂)に伴う内臓脂肪の増加を抑制しつつ筋肉重量を増加するものが好ましいが、従来、このような作用を奏する実用的な筋肉増加剤はほとんど知られていなかった。
すなわち上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明の筋肉増加剤は、「ハナビラタケ科に属する茸類又は前記茸類の抽出物」を有効成分として含有することを特徴とする。第1発明の筋肉増加剤によれば、脂肪食摂時(特に食事重量全量に対して5%より多い重量%の脂肪成分を含有する脂肪食摂時)において、内臓脂肪の蓄積を抑えつつ筋肉重量を効果的に増加させることができる。
第2発明の筋肉増加剤は、(例えば食事重量全量に対して35%の脂肪成分を含有の)高脂肪食摂時において、より確実に内臓脂肪の蓄積を抑えつつ、筋肉重量を増加させることができる。
第3発明の筋肉増加剤は、(例えば食事重量全量に対して5%〜35%の脂肪成分を含有の)幅広い範囲の脂肪食摂時において、内臓脂肪の蓄積を抑えつつ、安定的に筋肉重量を増加させることができる。
第4発明では、乾燥処理を行うことにより、ハナビラタケ科の茸類に含まれる余分な水分含量を低下させることができる。そして乾燥工程の後に行う修治工程において加熱された気体によって前記茸類を加熱処理することにより、ハナビラタケ科の茸類が本来的に有する筋肉増加作用を極力損なうことなく、前記茸類から水分のみを更に除去することができる。
第4発明によれば、筋肉増加に有効な成分を好適な状態で含んだハナビラタケ科の茸類を含有の筋肉増加剤を製造することができる。
第5発明によれば、より実用的な内臓脂肪増加抑制作用と筋肉重量増加作用とを奏する筋肉増加剤を製造することができる。
本実施形態の筋肉増加剤は、後述の「ハナビラタケ科に属する茸類又は前記茸類の抽出物」を有効成分として含有するものである。そして本実施形態の筋肉増加剤を後述の「脂肪成分」含有の食事とともに摂取することで、脂肪成分摂取に伴う内臓脂肪の増加を抑制しつつ、筋肉重量を増加させることができる。
このときハナビラタケ科の茸類は、後述する「修治処理(加熱処理の一形態)」がなされてなることが好ましく、この修治処理の温度が130℃以上200℃未満であると、より実用的な筋肉重量増加作用と内臓脂肪増加抑制作用の二つの効果を奏することとなる。
ところで従来の筋肉増加剤(ミオシンやアクチン蛋白質を増やす作用を奏する薬剤)として、ステロイド剤、ミオスタチン阻害剤、IGF-I誘導剤などが存在する。そして、上述のステロイド剤などのホルモン系筋肉増加剤では、例えば腎臓の働きを阻害して高コレステロール血症(血中コレステロール量が適正値を超えて増加する症状)を引き起こすなどの副作用が知られている。
一方、本実施形態の筋肉増加剤は、上述の通り血液環境を良好に保つことができる(具体的には、後述の試験例2及び4を参照)。すなわち本実施形態の筋肉増加剤によれば、摂取対象者の全身での糖の利用及び脂質成分の利用を高めることができるため、筋肉からの糖原性アミノ酸としての分解・利用を抑えて筋肉内での脂肪成分の利用を高めることで、体重あたりの筋肉重量は増加した値を示す。言い換えれば、本実施形態の筋肉増加剤は、健全で、健康な筋肉状態を維持させることに役立てることができると言える。これらの結果、通常以上に血液環境が良好に保たれることから副作用がほとんどない又は極めて少ないことが予想される。
[ハナビラタケ科の茸類]
「ハナビラタケ科の茸類」とは、ハナビラタケ(Sparassis crispa)を代表とするハナビラタケ属(Sparassis)に属する真菌類である。
そして「ハナビラタケ科の茸類」は、特に熱を加えることなく天然状態の性状を維持したものを筋肉増加剤に含有させて使用してもよいが、筋肉重量増加作用を更に向上させるため、以下に説明の「乾燥処理」及び「修治処理」のうちのいずれか一つの処理を施したものを使用することが好ましい。
「乾燥処理」とは、一般に40℃以上100℃未満の温度範囲で加熱処理することを意味し、典型的には「ハナビラタケ科の茸類」を(破砕することなく)そのままの形状で熱処理を加えるものである。そして乾燥処理は本実施形態の必須の工程ではないが、後述の修治処理の前処理として行うことが好ましいものである。すなわち乾燥処理を行うことにより、ハナビラタケ科の茸類に含まれる余分な水分を除去することができる。
そして乾燥温度は常に一定温度に設定してもよいが、例えば40℃以上100℃未満の温度範囲において段階的又は連続的に昇温する設定、又は同温度範囲にて昇温と降温を繰り返す設定であってもよい。
なお乾燥処理温度の下限値は、室温又は外気温よりも高い温度であればよく、例えば10℃以上40℃未満の温度範囲にて好適に乾燥処理を行うことができる場合がある。
「修治処理」とは、一般には茸類を加熱処理する技術であるが、本実施の形態においては、特に100℃〜300℃の温度範囲にてハナビラタケ科の茸類を加熱処理することを意味するものとし、100℃未満の温度域で加熱処理する上記「乾燥処理」と区別する。また「修治処理」では、乾燥後の「ハナビラタケ科の茸類」そのままの形状で熱処理を加えてもよく、乾燥後の「ハナビラタケ科の茸類」を粉砕して破砕物状または粉状とした後に熱処理を加えてもよい。そして「修治処理」とは、換言すると「ハナビラタケ科の茸類」が炭化しない程度(視覚的に表現すると黒くならない程度)に熱処理することである。
好ましくは、乾燥工程と修治工程のうちの少なくとも1つの工程において、加熱された気体によって前記茸類を処理する。加熱気体によって処理(熱風処理)することで、ハナビラタケ科の茸類から余分な水分を除去することができる。
そして「修治工程」では、「ハナビラタケ科の茸類」を加熱気体にて処理(例えば熱風処理)することで、例えば100℃〜300℃の温度範囲であっても前記茸類を極力炭化させないように加熱処理することができる。このため加熱気体による修治処理によれば、ハナビラタケ科の茸類が本来的に有する筋肉増加作用を極力損なうことなく、ハナビラタケ科の茸類から水分のみを更に除去することができる。
未修治又は修治処理したハナビラタケ科の茸類は、修治処理後の形状状態(典型的には破砕物状又は粉状)で使用できるが、より効果的な筋肉重量増加作用を奏するため、筋肉増加作用を有する有効成分を抽出してなる「抽出物」として使用することが好ましい。ここで「ハナビラタケ科の茸類の抽出物」とは、例えば後述のように、当該茸類を細かくして得られた破砕物又は粉体を水系又は有機系溶媒に混合し、粉状体の有効成分を溶媒中に溶出してなるものである。
また「ハナビラタケ科の茸類」より、熱水にて(還流)抽出、濃縮及び乾燥処理を行うことで得られた「ハナビラタケ科の茸類の粗抽出物」を、さらに硫安塩析して上澄み液を得、この上澄み液を透析などの手法により濃縮したものを「ハナビラタケ科の茸類の精製抽出物」とすることもできる。
ここで「筋肉増加剤」は、食事量全量に対して0.1%〜10%の重量%の範囲で含有されておればよく、食事量全量に対して0.5%〜5.0%であると所望の筋肉重量作用を奏するため好ましい。
一方、「脂肪成分」とは、一般に、ラード,牛脂,魚油,ミルク脂肪,バター,チーズ,ショートニング,マーガリン,細菌類油,菌類油などの動物性脂肪(脂質)や、植物油、微小藻類油などの植物性脂肪(脂質)で構成される群から選ばれるものである。
そして「脂肪成分」は、食事量全量に対して3%〜50%の重量%の範囲で含有されておればよく、食事量全量に対して5%〜40%であると効率よく筋肉重量を増加させられるので好ましい。そして「脂肪成分」が、食事量全量に対して5%より多く35%以下であると、本実施形態の筋肉増加剤がより確実に作用するため好ましい。
以下、本実施の形態を試験例に基づいて説明するが、本発明は試験例に限定されるものではない。各試験においては、以下の実施例1〜3の筋肉増加剤を各々使用することとした。
[実施例1]
ハナビラタケ科の茸類{具体的にはハナビラタケ(Sparassis crispa)}を40℃〜60℃の温度範囲で乾燥処理を施した後に粉体としたものを「実施例1」の筋肉増加剤として使用した。そして実施例1の筋肉増加剤を、後述の食事重量全量に対して0.2%、1.0%、5.0%の割合で添加することとした([図1]〜[図4]の各表では、「混餌濃度(%)」の欄を設けて割合の別を表した)。なお本試験では、40℃(15時間)、45℃(5時間)、50℃(5時間)及び60℃(5時間)で順次温度を上げつつ乾燥処理を行った。
ハナビラタケに乾燥処理を施した後、150℃(0.5時間)の修治処理(ハナビラタケが茶褐色となる程度)を施した後に粉体としたものを「実施例2」の筋肉増加剤として使用した。この実施例2の筋肉増加剤を、食事重量全量に対して0.2%、1.0%、5.0%の割合で添加することとした。
ハナビラタケに乾燥処理を施した後、170℃(0.5時間)の修治処理(ハナビラタケがコゲ茶色となる程度)を施した後に粉体としたものを「実施例3」の筋肉増加剤として使用した。この実施例3の筋肉増加剤を、食事重量全量に対して0.2%、1.0%、5.0%の割合で添加することとした。
試験例1では、雄性SDラット(販売会社:日本SLC株式会社)を摂取対象として用いた。そして「高脂肪食{MF粉末(オリエンタル酵母社製)に牛脂(ラード)を加えて合計脂肪成分量を35%とした食事}」全量に対して、実施例1の筋肉増加剤を上記割合で混合した「実施例1の混合サンプル」を各々用意した。
そして同様に高脂肪食全量に対して実施例2の筋肉増加剤を上記割合で混合した「実施例2の混合サンプル」を各々用意した。そして高脂肪食全量に対して実施例3の筋肉増加剤を上記割合で混合した「実施例3の混合サンプル」を各々用意した。
そして各実施例の「混合サンプル」をそれぞれ別のラットに供与して4ヶ月の間飼育した。ラットの飼育環境は、温度23±2℃、湿度50±5%及び12時間(明/暗)に設定した。そして飼育後の「ラット体重」、「筋肉重量」、「腎臓周辺の白色脂肪組織」及び「精巣周辺の白色脂肪組織」を、実施例ごと及びその割合ごとに下記1)〜3)の手順で測定した。
一方、比較例1(コントロール)では、(筋肉増加剤を含有しない)高脂肪食を、ラットに供与して4ヶ月の間飼育した。そして実施例と同様に、飼育後の「ラット体重」、「筋肉重量」、「腎臓周辺の白色脂肪組織」及び「精巣周辺の白色脂肪組織」を測定した。
2)「腎臓周辺の白色脂肪組織値」は、両側の副腎周囲の脂肪組織を奇麗に剥離し、この脂肪組織重量を測定後、個々の「ラット体重」で割ることで算出したものである。
3)「精巣周辺の白色脂肪組織値」は、両側の精巣周囲の脂肪組織を奇麗に剥離し、この脂肪組織重量を測定後、個々の「ラット体重」で割ることで算出したものである。
実施例ごと及びその割合ごとの[試験例1]実施後のラット血液を採取した。そしてラット血液中の「総コレステロール量(T-Cho)」、「LDLコレステロール量(LDL-C)」、「HDLコレステロール量(HDL-C)」、「トリグリセリド量(Triglyceride)」、「遊離脂肪酸量(NEFA)」及び「血糖値(Glucose)」を、長浜ライフサイエンスラボラトリー(オリエンタル酵母工業株式会社)に委託して測定した。
そして[試験例1]実施後の比較例1のラットから血液を採取し、上記実施例と同様に、ラット血液中の「総コレステロール量」、「LDLコレステロール量」、「HDLコレステロール量」、「トリグリセリド量」、「遊離脂肪酸量」及び「血糖値」を測定した。
試験例3では、上記「高脂肪食」の代わりに、「通常脂肪食{MF粉末(オリエンタル酵母社製)に牛脂(ラード)を加えて合計脂肪成分量を5%とした食事}」を用いた。そして試験例1と同様に、通常脂肪食全量に対して、実施例1〜3のいずれかの筋肉増加剤を上記割合で各々混合した「混合サンプル」を用意した。この混合サンプルをそれぞれラットに供与して4ヶ月の間飼育し、ラットの飼育環境は試験例1の飼育環境と同一とした。そして実施例ごと及びその割合ごとに、飼育後の「ラット体重」、「筋肉重量」、「腎臓周辺の白色脂肪組織」及び「精巣周辺の白色脂肪組織」を上記1)〜3)の手順にて測定した。
一方、比較例2(コントロール)として、ラットに対して(筋肉増加剤を含有しない)通常脂肪食をラットに供与して4ヶ月の間飼育した。そして実施例と同様に、飼育後の「ラット体重」、「筋肉重量」、「腎臓周辺の白色脂肪組織」及び「精巣周辺の白色脂肪組織」を測定した。
実施例ごと及びその割合ごとの[試験例3]実施後のラット血液を採取した。そしてラット血液中の「総コレステロール量」、「LDLコレステロール量」、「HDLコレステロール量」、「トリグリセリド量」、「遊離脂肪酸量」及び「血糖値」を、長浜ライフサイエンスラボラトリー(オリエンタル酵母工業株式会社)に委託して測定した。
そして[試験例3]実施後の比較例2のラットから血液を採取し、上記実施例と同様に、ラット血液中の「総コレステロール量」、「LDLコレステロール量」、「HDLコレステロール量」、「トリグリセリド量」、「遊離脂肪酸量」及び「血糖値」を測定した。
図1の表は、試験例1の結果(高脂肪食摂時の「ラット体重」、「筋肉重量」、「腎臓周辺の白色脂肪組織」及び「精巣周辺の白色脂肪組織」)を示す表である。
図1の表を参照して、実施例1〜3のラットでは、比較例1のラットと比較して、「筋肉重量」の増加が確認できた。また実施例1〜3のラットでは、比較例1のラットと比較して、「腎臓周辺の白色脂肪組織」及び「精巣周辺の白色脂肪組織」の減少が確認できた。さらに実施例1〜3のラットでは、比較例1のラットと比較して「体重」の減少が確認できた。
特に、実施例2及び3のラット(「修治処理されたハナビラタケ」を含有の筋肉増加剤を供与したラット)では、比較例1のラットと比較して、より確実に内臓脂肪の蓄積が抑制されるとともに、さらに筋肉重量が増加したことがわかった。
図2の表は、試験例2の結果(高脂肪食摂時の血液環境の変化)を示す表である。単位「mg/dL」は、血液1dL中に含まれる成分含量(mg)を示し、単位「μEq/L」は、血液1L中に含まれる成分当量(μEq)を示す。
図2の表を参照して、実施例1〜3のラットでは、比較例1のラットと比較して、血液環境が全般的に良好であった。具体的には、実施例1〜3のラットでは、「総コレステロール量」及び「LDLコレステロール量」(いわゆる悪玉コレステロール)が減少するとともに、「HDLコレステロール量」(いわゆる善玉コレステロール)が増加傾向にあることがわかった。また実施例1〜3のラットでは、「トリグリセリド量」が減少する一方、「遊離脂肪酸(NEFA)量」の大幅な増加は見られなかった。そして実施例1〜3のラットでは「血糖値」が減少することがわかった。
以上の結果より、実施例1〜3のラットでは、筋肉組織において糖の利用及び脂肪成分の利用、そして肝臓での脂質成分の合成抑制が高められていることが示唆された。
図3の表は、試験例3の結果(通常脂肪食摂時の「ラット体重」、「筋肉重量」、「腎臓周辺の白色脂肪組織」及び「精巣周辺の白色脂肪組織」)を示す表である。
図3の表を参照して、実施例2のラット(「150℃にて修治処理されたハナビラタケ」を含有の筋肉増加剤を供与したラット)では、比較例1のラットと比較して、より確実に内臓脂肪の蓄積が抑制されるとともに筋肉重量が増加したことがわかった。
そして試験例3の結果と上述の試験例1の結果を総合すると、実施例2の筋肉増加剤をはじめとして、130℃以上200℃未満の温度範囲にて(茶褐色〜コゲ茶色となる程度に)修治処理されたハナビラタケを含有の筋肉増加剤は、(食事重量全量に対して5%〜35%の脂肪成分を含有の)幅広い範囲の脂肪食摂時において、内臓脂肪の蓄積を抑制し、且つ安定的に筋肉重量を増加することが確認できた。
図4の表は、試験例2の結果(通常脂肪食摂時の血液環境の変化)を示す表である。
図4の表を参照して、実施例1〜3のラットでは、比較例2のラットと比較して、「HDLコレステロール量」(いわゆる善玉コレステロール)が増加傾向にある一方、「LDLコレステロール量」(いわゆる悪玉コレステロール)が減少傾向にあった。そして実施例1〜3のラットでは、「遊離脂肪酸(NEFA)量」が大幅に減少する一方、「トリグリセリド量」の大幅な増加は見られなかった。
図5は、図1の表に示した筋肉重量値を棒グラフで示した図である。図6は、図1の表に示した内臓脂肪値を棒グラフで示した図である。図7は、図1及び図3の表に示した筋肉重量値及び内臓脂肪値を棒グラフで示した図である。これらの図では、比較例1又は比較例2の各値を基準(100)として、各々の実施例の値をパーセンテージ(%)で示してある。
そして図5及び図6を参照して、上記試験例1〜4の結果を総合評価すると、本実施形態の筋肉増加剤(実施例1〜3)を「脂肪成分」含有の食事とともに摂取することで、脂肪成分摂取に伴う内臓脂肪の増加を抑制しつつ、筋肉重量を増加できることがわかった。このときハナビラタケは、「修治処理」がなされてなる(例えば実施例2)と、より確実に内臓脂肪の蓄積を抑えつつ、筋肉重量を増加させることわかった。
さらに図7を参照して、ハナビラタケの修治処理の温度が130℃以上200℃未満(好ましくは140℃以上170℃未満)の筋肉増加剤(例えば実施例2)であると、幅広い脂肪成分含有の食摂時において、より実用的な筋肉重量増加作用と内臓脂肪増加抑制作用を奏することがわかった。
ここで食事に含まれる脂肪分が適切な量である場合には、基礎代謝などの関係からムリに内臓脂肪を減少させる必要はない。このことを考えると、筋肉増加剤の理想的な効果は、食事中に余分な脂肪成分が多量に含まれている場合にのみ、脂肪増加抑制作用を奏しつつ筋肉増加を図ることである。そして本実施例の筋肉増加剤は、上述の要求にも十分に答えるものであり、健康面においてより寄与度が高いものであると推測される。
なお本段落に記載された全ての推測は、本発明をなんら拘束するものではない。
(1)本実施の形態においては、ハナビラタケ科の茸類又はその抽出物を有効成分とする例を説明した。これとは異なり、ハナビラタケ科の近縁種(例えば、「ヒダナシタケ目に属する茸類」や「カンゾウタケ目に属する茸類」)であって少なくとも筋肉重量増加作用を奏するものであれば、本実施の形態においてハナビラタケ科の茸類の代替物となりえる可能性がある(なお本推測は、なんら本発明を拘束するものではない)。上述のヒダナシタケ目には、例えば、サンゴハリタケ科(Hericiaceae)、イボタケ科(Thelephoraceae)、タコウキン科(Polyporaceae)、マンネンタケ科(Ganodermataceae)の茸類が属する。また「カンゾウタケ目に属する茸類」としては、例えば、スエヒロタケ科(Schizophyllaceae)、パイプタケ科(Lachnellaceae)、フウリンタケ科(Stigmatolemmaceae)の茸類が属する。
(3)そして本実施形態の筋肉増加剤は、飲食物や薬物などの種々の形態で人に摂取又は投与することができ、ダイエット用食品、スポーツ用食品などとして利用することができる。上記の飲食物として、例えば、飲料類(例えば、ドリンク剤、ミルク飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、緑茶飲料、ジュースなど)、調味液類(例えば、たれ汁など)、食肉製品類(例えば、ハム、ソーセージなど)、菓子類(例えば、ビスケット、クッキー、キャンディー、スナック菓子、ラムネ菓子など)、魚肉製品類(例えば、かまぼこ、ちくわなど)や、乳製品類(例えば、チーズなど)などが例示できる。かかる飲食物に有効成分(即ち、「ハナビラタケ科の茸類」)を含有させ、それを飲食することにより有効成分が摂取される。上記の飲食物は、その調製段階の適当な工程において有効成分を添加する以外は常法に準じて調製することができる。
(4)「乾燥処理」には、上記加熱処理のほかに、フリーズドライ法などのような冷却処理も含まれる。
Claims (5)
- ハナビラタケ科に属する茸類又は前記茸類の抽出物を有効成分とする筋肉増加剤。
- 前記茸類が、修治処理されてなる請求項1に記載の筋肉増加剤。
- 前記茸類が、130℃以上200℃未満の温度範囲にて修治処理されてなる請求項2に記載の筋肉増加剤。
- 請求項2に記載の筋肉増加剤の製造方法であって、
40℃以上100℃未満の温度範囲にて前記茸類を加熱処理する乾燥工程と、100℃〜300℃の温度範囲にて乾燥後の茸類を修治処理する修治工程とを有し、
前記修治処理では、加熱された気体によって前記乾燥後の茸類を加熱処理することを特徴とする筋肉増加剤の製造方法。 - 前記修治工程において、130℃以上200℃未満の温度範囲にて乾燥後の茸類を修治処理する請求項4に記載の筋肉増加剤の製造方法。
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