JP2009062320A - 入浴剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
発泡性が高く香り立ちに優れるとともに、温熱効果も高い入浴剤組成物を提供すること。
【解決手段】
次の成分(A)ないし(C);
(A)有機酸および炭酸塩を主成分として含有する発泡性顆粒
(B)無機塩粉末
(C)油性成分
を含有し、成分(C)の含有量が0.3〜2.0質量%であることを特徴とする入浴剤組成物である。
【選択図】 なし

Description

本発明は入浴剤組成物に関し、さらに詳細には、発泡性の顆粒と無機塩粉末とを組み合わせることにより優れた香り立ちと温熱効果が得られる入浴剤組成物に関するものである。
従来より入浴剤では、炭酸ガスによる血管拡張効果等を得るため有機酸および炭酸塩が用いられ、また温熱効果等を得るため無機塩が用いられている。このような入浴剤として、例えば、有機酸、炭酸塩および硫酸ナトリウムを含有するブリケットなどが開示されている(特許文献1)。同様に、本出願人も有機酸、炭酸塩および硫酸ナトリウムなどを含有する錠剤やブリケットなどを提案している(特許文献2)。
このような有機酸、炭酸塩および無機塩を含有する1剤型の固形入浴剤において、無機塩の温浴効果を向上させるためにその配合量を増加させると、有機酸と炭酸塩の反応性が低くなるため発泡性が低下し、また無機塩の溶け残りが生じるという問題があった。
特開2001−139454号公報 特開2004−83584号公報
したがって、温熱効果に優れるとともに、発泡性の高い入浴剤組成物の開発が望まれていた。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、有機酸および炭酸塩を主成分として顆粒を形成し、これと無機塩の粉末を混合した2剤型とすることにより優れた発泡性と温熱効果とが得られることを見出した。さらに、有機酸と炭酸塩を含有する顆粒と無機塩粉末とは、粒子径およびかさ比重が異なるため、製造時にこれらを混合すると不均一となり易いが、油性成分を添加することにより、顆粒と無機塩粉末とを均一に混合できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
次の成分(A)ないし(C);
(A)有機酸および炭酸塩を主成分として含有する発泡性顆粒
(B)無機塩粉末
(C)油性成分
を含有し、成分(C)の含有量が0.3〜2.0質量%であることを特徴とする入浴剤組成物である。
本発明の入浴剤組成物は、発泡力に優れ、香料が速やかに拡散すため香り立ちが良好であり、また無機塩を多く含有することができるためその温浴効果を十分に発揮することができるものである。また、粒子径や比重の異なる顆粒と無機塩粉末とを均一に混合することができるため、これらを別個に充填する必要がなく一度の充填が可能であり製造コストを抑えることができる。さらに、本発明の入浴剤組成物は含有する香料の包装材への吸着を抑制する効果を有する。
本発明の入浴剤組成物には、成分(A)の有機酸および炭酸塩を主成分として含有する発泡性顆粒を必須成分として用いる。
この成分(A)に用いられる有機酸としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、マロン酸、ピロリドンカルボン酸、コハク酸、フマル酸、クエン酸一ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、フマル酸一ナトリウム等が挙げられるが、その中でもクエン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸が炭酸塩との反応性に優れるため好ましい。
成分(A)における有機酸の含有量は30〜79質量%(以下、単に「%」で示す)が好ましく、さらに好ましくは30〜60%である。成分(A)における有機酸の含有量が30%未満であると十分な発泡力が得られない場合がある。
また成分(A)に用いられる炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム等が挙げられるが、その中でも、有機酸との反応性という点で炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが好ましく用いられる。
成分(A)における炭酸塩の含有量は、20〜69%が好ましく、さらに好ましくは、40 〜60%である。炭酸塩の含有量が20%未満であると、炭酸ガス発生量が少ない場合があり、一方69%よりも高いと顆粒の溶解性が悪化する場合がある。
成分(A)は上記有機酸および炭酸塩を主成分として含有するものであり、具体的には成分(A)における有機酸および炭酸塩の合計の含有量は70%以上が好ましく、さらに好ましくは、85〜99%である。70%未満であると十分な発泡力が得られない場合がある。
本発明に用いる成分(A)は、さらに油性成分を含有することが好ましく、これによって顆粒の保存安定性を向上することができる。この油性成分としては特に限定されるものではなく、例えば、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素類;パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン等の脂肪酸エステル;ラウリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルドデカノール等の高級アルコール;レモン油、ゆず油、ばら油、ベルガモット油、ショウブ油、ラベンダー油、オレンジ油、グレープフルーツ油、マンダリン油、ゼラニウム油、セージ油、ユーカリ油、ネロリ油、パチュリ油、クローブ油、ナツメグ油、セダーウッド油、ペパーミント油、スペアミント油、ジュニパベリー油、アルモアーズ油、カモミール油、エレミ油、ベチバー油、ショウノウ油、ライム油、ハッカ油、ジャスミン油、ヒノキ油、テレビン油、ヒバ油、ラバンジン油、クローブ油、タイム油、ローズマリー油、パイン油、などの天然香料;α−ピネン、β−ピネン、d−リモネン、カンフェン、テルピネン、などのテルペン系香料;青葉アルコール、サンダロール、エバノール、アンブリノール、アンバーコア、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、テトラヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、エチルリナロール、イソプレゴール、メントール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ファルネソール、サンタロール、ベチベロール、β−フェニルエチルアルコール、バクダノール、などのアルコール系香料;アルデヒドC−8、アルデヒドC−9、アルデヒドC−10、アルデヒドC−11、アルデヒドC−12、青葉アルデヒド、シトロネラール、シトラール、α−メチレンシトロネラール、イソシクロシトラール、ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、ヘリオトロピン、ヘリオナール、cis−ジャスモン、ジヒドロジャスモン、ネクタリル、ダマスコン、ヨノン、イソ・イー・スーパー、カロン、l−カルボン、メントン、などのアルデヒド・ケトン系香料等の合成香料;前記天然香料および合成香料を任意に組み合わせた調合香料などが例示でき、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。この油性成分には、上記天然香料、合成香料、調合香料などの香料を含有することが好ましい。香料を含有することにより、発泡時に優れた香り立ちが発揮される。
また上記油性成分は、水付加試験による水添加量が50mL以下であることが好ましく、さらに30mL以下であることが好ましい。水添加量が50mLより大きいと十分な安定性が得られない場合がある。なお、本明細書において水付加試験による水添加量とは、下記の試験方法に基づく水添加量を意味する。
(水付加試験方法)
油性成分2gにエタノール(99.5%)50mLを加え混合した溶液にビュレットで精製水を添加していき、白濁するまでに添加した精製水の量を水添加量(mL)とする。
上記水付加試験による水添加量が50mL以下である成分としては、例えば、ホホバ油(水添加量:0.2mL)、パルミチン酸オクチル(4.9mL)、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン(9.1mL)、軽質流動イソパラフィン(9.1mL)、アルデヒドC−10(7.5mL)、バクダノール(50.0mL)、ヘキシルドデカノール(30.3mL)などが例示でき、これらの成分を好適に用いることができる。一方、単独では水添加量が50mLより高い油性成分を使用する場合には、これらの水添加量が50mL以下である成分を併用し、油性成分全体の水添加量が50mL以下となるように調整して用いることが好ましい。
上記油性成分の成分(A)における含有量は、好ましくは1〜5%であり、さらに好ましくは、2〜4%である。含有量が1%未満であると十分な安定性が得られない場合があり、5%よりも多いと顆粒の強度不足により製造時に顆粒の収量が低下する場合がある。
本発明の発泡性顆粒には、さらに必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で任意成分を配合することができる。この任意成分としては、無機塩、滑沢剤、水溶性高分子、保湿剤等が挙げられる。
無機塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸鉄リン酸ナトリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硫化カリウム、ミョウバン、メタケイ酸等が挙げられるが、コンパクティングの成形性という理由から、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム等が好ましい。この無機塩の含有量は、成分(A)中1〜10%が好ましい。10%よりも多く配合すると有機酸と炭酸塩の反応効率が悪くなる場合がある。
また、滑沢剤としては、カオリン、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸マグネシウム、シリコン油、グリセリン、油性成分、澱粉等が挙げられるが、良好な湯面の溶解状態を得られることから、少量で滑沢効果のあるポリエチレングリコールおよびタルクが好ましい。この滑沢剤の含有量は成分(A)中、0.1〜2%が好ましい。2%よりも多く配合すると湯面の溶解状態が悪化したり発泡力が不十分なものとなる場合がある。
本発明の発泡性顆粒の製造は、有機酸、炭酸塩および必要に応じ任意成分を常法に従って混合し、これを圧縮造粒法、押し出し造粒法、転動造粒法等の公知の造粒方法に従って造粒することにより行われるが、このうち、顆粒の安定性に優れるため圧縮造粒法を用いることが好ましい。
得られた造粒物は必要に応じて解砕され、篩い分け等の手段によって整粒される。本発明の発泡性顆粒の粒子径は、平均粒子径が150〜2000μmであり、好ましくは500〜1200μmである。平均粒子径が150μm未満であると保存安定性が低下する場合があり、2000μmよりも大きいと成分(B)との混合時に偏析が生じ均一性が低下する場合がある。
成分(A)の入浴剤組成物中の配合量は、10〜60%が好ましく、さらに15〜40%が好ましい。配合量が10%よりも低いと、発泡力不足となる場合があり、60%よりも高いと、相対的に無機塩の配合比が少なくなり、無機塩の温熱効果が不足する場合がある。
また本発明は成分(B)の無機塩粉末を必須成分として含有する。この無機塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸鉄リン酸ナトリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硫化カリウム、ミョウバン、メタケイ酸等が挙げられるが、安定性という理由から、硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム等が好ましい。これらの無機塩粉末のうち、温熱効果に優れる点で硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等が好ましく用いられる。
この無機塩粉末の平均粒子径は、100〜500μmが好ましく、さらに100〜300μmが好ましい。平均粒子径が100μm未満であると流動性の悪化から充填がしにくい場合があり、500μmよりも大きいと浴湯への溶解性が低下する場合がある。
成分(B)の入浴剤組成物中の配合量は、38〜88%が好ましく、さらに58〜83%が好ましい。配合量が38%よりも低いと、温熱効果が不足する場合があり、88%よりも高いと、相対的に発泡成分配合比が少なくなり、発泡力が不足する場合がある。
なお、本明細書において上記成分(A)および(B)の平均粒子径とは下記測定方法による平均粒子径を意味する。
(平均粒子径の測定方法)
電磁式ふるい振とう機(機種名A−3 PRO型)を用いて分級する。篩いは上限と下限の間を一定比率で分割できるように6〜7段の篩いを用い分級する。篩い後の各篩い上の試料の重量を測定した後、積算重量値50%の粒度を平均分子径とする。積算重量値50%になる粒度は、その上下段の篩いの目開きと積算重量値からの線形補間により算出する。
さらに本発明は成分(C)の油性成分を必須成分として含有する。この油性成分としては、例えば、油脂類、ろう類、炭化水素類、エステル類、香料などが挙げられるが、これらのうち、安定性という理由から油脂類、ろう類、炭化水素類、エステル類が好ましく用いられる。
油脂類としては、大豆油、菜種油、ゴマ油、オリーブ油等が例示できる。またろう類としては、ホホバ油、液状ラノリン等が例示できる。さらに炭化水素類としては、流動パラフィン、スクワラン等が例示できる。さらにまたエステル類としては、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソプロピル等が挙げられる。これらのうち、発泡性顆粒の安定性という理由から上記水付加試験による水添加量が50mL以下の油性成分を用いることが好ましく、さらに30mL以下の油性成分が好ましい。水添加量が50mLより大きいと発泡成分の安定性が低下する場合がある。水添加量が30mL以下の油性成分としては、具体的には、ホホバ油(水添加量:0.2mL)、パルミチン酸オクチル(4.9mL)、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン(9.1mL)、軽質流動イソパラフィン(9.1mL)、アルデヒドC−10(7.5mL)などが例示できる。
成分(C)の入浴剤組成物中の配合量は、0.3%〜2%が好ましくさらに0.5〜1.5%が好ましい。0.3%未満であるとA成分とB成分の偏析が生じ、2%より多く配合すると流動性が悪化することにより、充填量のバラツキを生じる。
本発明の入浴剤組成物は、上記成分(A)ないし(C)の必須成分に加えて、ノニオン界面活性剤(成分(D))を配合することが好ましい。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が例示でき、これらの中でも、油性成分の分散性と溶解時の湯面状態という理由からソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好ましく用いられる。ノニオン界面活性剤の含有量は、0.01〜0.1%が好ましい。この範囲でノニオン界面活性剤を配合することにより、油性成分の浴湯表面への浮きを防止することができる。
本発明の入浴剤組成物には、上記成分の他、必要に応じ任意成分を用いることができる。このような任意成分としては、保湿剤、水溶性高分子、着色剤等が例示できる。
本発明の入浴剤組成物は、上記必須成分および必要に応じ任意成分を常法にしたがって混合することにより製造することができ、例えば、成分(B)の無機塩粉末とその他の粉体原料を混合して均一にし、次に成分(C)の油性成分及び成分(D)のノニオン界面活性剤を添加し、全体に油性成分で濡れる程度まで調合し、その後成分(A)の顆粒を混合する方法が例示できる。油性成分の混合の際には、万能混合攪拌機などのせん断力の強い混合機を用い、強い力をかけて混合するのが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらによりなんら制限されるものではない。
製造例1
発泡性顆粒の製造:
下記処方の発泡性顆粒を下記の製造方法によって調製した。また得られた顆粒について下記測定方法により平均粒子径を測定した。
(処方)
(%)
炭酸水素ナトリウム 13
炭酸ナトリウム 35
DL−リンゴ酸 43
ポリエチレングリコール6000 0.6
硫酸ナトリウム 5.4
香料(ゆず)※1 3.0
※1 水付加試験による水添加量 12.6mL
(製造方法)
各成分を秤量し、万能混合攪拌機(5DM−r;ダルトン製)で混合し調合した。調合物をコンパクティングマシーン(TF−MINI;フロイント産業社製)を用い、圧縮成型法によりフレーク状の圧縮成型物を得た。その成型物を破砕整粒機(TF−MINIラボ;フロイント産業社製)を用いて解砕した後、目開き1700μmおよび250μmの篩で分級し、顆粒を得た。
(平均粒子径の測定方法)
電磁式ふるい振とう機(機種名A−3PRO型)を用いて分級する(振幅1mm、振動時間5分)。篩いは、1700μm、1400μm、1000μm、710μm、500μm、250μm、150μmの7段を用い完全に分級し、上記記載の方法で50%粒度を平均粒子径として測定する。
実 施 例 1〜6および比較例1〜2
入浴剤組成物の製造:
下記表1に示す処方および下記製造方法により入浴剤組成物を調製した。得られた入浴剤組成物について、下記方法により製造均一性を評価した。結果を表1に併せて示す。
Figure 2009062320
(製造方法)
硫酸ナトリウムと油性成分を万能混合攪拌機(5DM−r;ダルトン製)により全体に油性成分が濡れる程度まで混合し(調合条件:仕込み量2kg 公転62rpm、自転141rpm、混合時間5分)、その後発泡性顆粒を添加し1分間混合する。
(製造均一性の評価方法)
入浴剤組成物2kgを容積3Lの三角フラスコに入れ、50cmの高さから入浴剤組成物を落下させ、山を作る。山の外側から入浴剤組成物30gを6ポイント分取する。その入浴剤組成物30gを粉砕し、日本薬局方記載の電位差滴定法により硫酸ナトリウム含量を測定する。具体的には、分取した入浴剤組成物サンプル1gを水100mLに溶解し、その液10mLにエタノール(99.5%)40mLを加え試験溶液とする。試験溶液をpH4.5に調整したのち、0.1mol/Lの過塩素酸鉛液で電位差滴定する(指示電極:鉛電極、参照電極:コルク型比較電極)。発泡性顆粒は粒度が大きくかさ比重が小さいため、落下により山の外側にくる傾向があり、不均一であるとこの部分の硫酸ナトリウム含量が低くなる。硫酸ナトリウムの配合割合に対する、測定した硫酸ナトリウム含量の割合が98%以上であれば合格(○)、98%未満であれば不合格(×)とする。
表1から明らかなように、油性成分含量が0.3%以上の添加で硫酸ナトリウム含量が98%以上となり、成分均一性が保つことができた。
実施例7〜8および比較例3〜4
入浴剤組成物の製造:
下記表2に示す処方により上記と同様の方法により入浴剤組成物を調製した。また下記方法により製造均一性を評価した。
Figure 2009062320
表2から明らかなように、油性成分含量が0.3%よりも低い比較例では変動係数が大きく、均一な入浴剤組成物を作ることができなかった。
(製造均一性の評価方法)
四方充填機により縦13cm×横8cmの包装袋に、入浴剤組成物を30gずつ充填速度50包/分で連続充填する。充填の初期・中期・終了時より60検体をとり、前記と同様の方法により硫酸ナトリウム含量を測定する。それぞれの入浴剤組成物中の硫酸ナトリウムの配合割合に対する測定した硫酸ナトリウム含量の割合を求め、その変動係数を算出し、下記基準によって充填適正を評価する。
試験例1
保存安定性試験:
実施例7〜8および比較例3〜4の入浴剤組成物をアルミ分包(最内層ポリエチレン)に入れ、40℃で1ヶ月保存した。保存後の入浴剤組成物について、下記方法により香料残存率を測定し、また官能評価によって、香りの経時変化を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2009062320
(香料残存率の測定方法)
日本薬局方の生薬試験法精油含量に準じて、保存後の入浴剤組成物中の香料の含量を測定し、香料(顆粒中の香料も含む)の配合割合に対する測定された香料の含量の割合(%)を香料残存率として求めた。具体的には、安定性試験開始前と40℃1ヶ月保管後の入浴剤組成物について、入浴剤組成物100gを丸底フラスコに入れ、水500mLに溶解し、これをマントルヒーターで130℃〜150℃、5時間加温し、冷却官で冷却し得られた香料の体積を読み取りその残存率を評価する。
(官能評価方法)
香り立ちは調香師が下記基準に従って評価した。
<判定基準>
○:投入直後の香り立ちが経時的な変化なし
△:投入直後の香り立ちがやや経時的に弱くなる
×:投入直後の香り立ちが弱い
表3の結果より、油性成分の添加により香料残存率が高くなり、入浴剤の香り立ちが優れた入浴剤組成物を得られることが明らかとなった。
本発明の入浴剤組成物は、発泡性の高い顆粒と無機塩粉末とを組み合わせたものであるため、香り立ちに優れ、かつ無機塩による温熱効果を十分に発揮できる入浴剤として利用できるものである。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)ないし(C);
    (A)有機酸および炭酸塩を主成分として含有する発泡性顆粒
    (B)無機塩粉末
    (C)油性成分
    を含有し、成分(C)の含有量が0.3〜2.0質量%であることを特徴とする入浴剤組成物。
  2. 成分(A)の平均粒子径が150〜2000μmである請求項1記載の入浴剤組成物。
  3. 成分(B)の平均粒子径が100〜500μmである請求項1または2に記載の入浴剤組成物。
  4. 成分(C)の油性成分が、油脂類、ろう類、炭化水素類、エステル類、および香料よりなる群から選ばれたものである請求項1ないし3のいずれかの項に記載の入浴剤組成物。
  5. 成分(C)の油性成分の水付加試験による水添加量が50mL以下である請求項4記載の入浴剤組成物。
  6. さらに次の成分(D);
    (D)ノニオン界面活性剤
    を含有する請求項1ないし5のいずれかの項に記載の入浴剤組成物。

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