JP2009062008A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストを抑えて適切な空調制御を行うことができる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】車両用空調装置の制御装置は、外気温センサから得られた外気温値を所定時間毎に外気温蓄積データとしてRAMに保存し、外気温値の検出開始から所定日数経過した場合には、RAMに保存されている外気温蓄積データから最高気温データと最低気温データを検出し、これらのデータと、予めRAMに保存されている外気温周期データとから、各外気温蓄積データの検出推定時刻を算出する。次に、制御装置は、検出推定時刻が算出された外気温蓄積データの差分値を算出し(ステップSC1)、差分値の中で夜間の時間帯の差分値をゼロに補正して推定日射量を得る(ステップSC2)。次に、制御装置3は、算出した推定日射量と、各センサ5〜8から得られた各温度値と、乗員が設定した温度や風量等の設定値とに基づいて車室内の空調制御を行う。
【選択図】図7

Description

本件発明は、少なくとも外気温センサ及び室内温センサを用いて車室内の空調制御を行う車両用空調装置に関する。
従来の自動車等の車両用空調装置は、外気温センサ、室内温センサ、日射センサ等から得られた各検出値と、乗員が操作部によって設定した温度や風量等とに基づいて車室内の空調制御を行っている。しかし、日射センサは非常に高価なものであるため、この日射センサを用いずに適切な空調制御を行うことが可能な空調装置が求められている。
例えば、特許文献1(特開2006−321428号公報)に記載されている空調装置では、日射センサが故障した場合に、前照灯のスイッチの状態を判断して空調制御を行っている。具体的に説明すると、この空調装置は、日射センサが故障した場合に、前照灯のスイッチがオフまたはオンの状態から昼夜を判断して、この判断結果を空調制御に反映している。したがって、日射センサを用いずに、前照灯を用いて空調制御を行う空調装置が考えられる。
しかしながら、乗員は、昼間時でも前照灯を使用することがある。例えば、悪天候の場合や、自動車が長いトンネル内に入った場合である。このことから、前照灯のスイッチの状態から昼夜を判断することは確実であるといえない。したがって、前照灯のスイッチの状態を利用した空調装置では、適切な空調制御を行うことは難しい。
これを解決するために、例えば、特許文献2(特開2004−098924号公報)に記載されている空調装置では、ナビゲーションシステムを用いている。具体的に説明すると、この空調装置は、ナビゲーションシステムから得られる時刻情報や位置情報から車外環境を判断し、この判断結果を空調制御に反映している。したがって、日射センサを用いずに、ナビゲーションシステムを用いて空調制御を行う空調装置が考えられる。
特開2006−321428号公報 特開2004−098924号公報
しかしながら、ナビゲーションシステムは非常に高価なものであるため、ナビゲーションシステムを用いた空調装置は、製造コストが大幅にかかる。そこで、時刻情報等を得るために、空調装置に別の通信ユニットや時計を搭載することが考えられる。しかし、この場合でも、製造コストが大幅にかかる。また、通信ユニットや時計は、バッテリーを外すとリセットされてしまうので、正しい時刻情報が得られない場合がある。
本件発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、製造コストを抑えて適切な空調制御を行うことができる車両用空調装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本件発明の車両用空調装置においては、少なくとも外気温センサ及び室内温センサを用いて車室内の空調制御を行う車両用空調装置であって、前記外気温センサから得られた外気温値を、所定時間毎に前記車両用空調装置の記憶手段に外気温蓄積データとして保存する外気温値取得手段と、前記外気温値の検出開始から所定日数毎に、前記記憶手段に保存されている全ての前記外気温蓄積データの中で山を構成する最高気温データ及び谷を構成する最低気温データを検出する外気温値ピーク検出手段と、検出した当該最高気温データ及び当該最低気温データと前記記憶手段に予め保存されている外気温の周期データとから各外気温蓄積データの検出推定時刻を算出する外気温値検出推定時刻算出手段と、検出推定時刻が算出された全ての前記外気温蓄積データにおいて、時刻の古い方から順に等時間間隔で外気温蓄積データの差分値を算出し、算出した当該差分値の中で夜間の時間帯の差分値をゼロに補正して推定日射量を得る推定日射量算出手段と、前記推定日射量と少なくとも前記外気温センサから得られた外気温値及び前記室内温センサから得られた車室内温度値とに基づいて車室内の空調制御を行う空調制御手段と、を備えていることを特徴としている。
かかる構成において、本件発明の車両用空調装置は、日射センサや高価な代替品を使用せずに適切な空調制御を行うことが可能になる。
また、本件発明の車両用空調装置においては、前記外気温値ピーク検出手段は、前記記憶手段に保存されている前記外気温蓄積データを検出時刻の古い方から所定数連続した状態で順々に読み出し、読み出した各々の所定数の前記外気温蓄積データの平均値を計算して外気温平滑データを得る外気温平滑データ算出手段と、得られた全ての前記外気温平滑データにおいて、時刻の古い方から順に等時間間隔で差分を計算して外気温平滑データの差分値を得る外気温平滑データ差分値算出手段と、得られた全ての前記外気温平滑データの差分値の中で、当該差分値がマイナスからプラスに変わるときの外気温平滑データを前記最低気温データとして検出し、当該差分値がプラスからマイナスに変わるときの外気温平滑データを前記最高気温データとして検出する外気温平滑データピーク検出手段と、を備えていることを特徴としている。
かかる構成において、本件発明の車両用空調装置は、外気温平滑データを用いない場合に比べて、最高気温データ及び最低気温データを検出しやすくなるので、日射量を容易に推定することが可能になる。
また、本件発明の車両用空調装置においては、前記推定日射量の算出終了毎に、前記記憶手段に保存されている全ての前記外気温蓄積データの中で前記最高気温データ以外の外気温蓄積データを削除し、残っている当該最高気温データから外気温の周期データを作成して前記記憶手段に保存する外気温周期データ作成手段をさらに備え、前記外気温値検出推定時刻算出手段は、前記周期データ作成手段によって作成された外気温の周期データと、前記外気温値ピーク検出手段によって新たに得られた前記最高気温データ及び前記最低気温データとから、前記外気温値取得手段によって前記記憶手段に新たに保存された前記各外気温蓄積データの検出推定時刻を算出するように構成されていることを特徴としている。
かかる構成において、本件発明の車両用空調装置は、記憶手段に保存する外気温蓄積データの量が最小限に抑えられるので、容量の少ない記憶手段を使用することが可能になる。
また、本件発明の車両用空調装置においては、前記推定日射量の算出終了毎に、前記記憶手段に保存されている全ての前記外気温蓄積データの中で前記最高気温データ及び前記最低気温データ以外の外気温蓄積データを削除して、残っている当該最高気温データ及び当該最低気温データとから外気温の周期データを作成して前記記憶手段に保存する外気温周期データ作成手段をさらに備え、前記外気温値検出推定時刻算出手段は、前記周期データ作成手段によって作成された外気温の周期データと、前記外気温値ピーク検出手段によって新たに得られた前記最高気温データ及び前記最低気温データとから、前記外気温値取得手段によって前記記憶手段に新たに保存された前記各外気温蓄積データの検出推定時刻を算出するように構成されていることを特徴としている。
かかる構成において、本件発明の車両用空調装置は、記憶手段に保存する外気温蓄積データの量が抑えられるので、容量の少ない記憶手段を使用することが可能になる。さらに、本件発明の車両用空調装置では、最高気温データのみから外気温の周期データを作成する場合に比べて、周期データの作成に必要なデータ数が増えるので、周期データの精度を高めることができる。
また、本件発明の車両用空調装置においては、前記推定日射量算出手段は、前記外気温値の検出開始から前記所定日数より長い所定期間毎に、前記記憶手段に保存されている全ての前記最高気温データの平均値を計算するように構成されている一方、当該最高気温データの平均値が、前記記憶手段に予め保存されている夏の閾値よりも大きいと判断した場合には、前記外気温蓄積データの差分値の算出後に、昼間の時間帯を所定時間長く補正するとともに、補正した昼間の時間帯の差分値を所定量多く補正した上で、夜間の時間帯の差分値をゼロに補正して夏用の推定日射量を得るように構成され、前記空調制御手段は、得られた当該夏用の推定日射量と、少なくとも前記外気温値及び前記車室内温度値とに基づいて通常の空調制御よりも強い空調制御を行うように構成され、前記推定日射量算出手段は、当該最高気温データの平均値が、前記記憶手段に予め保存されている冬の閾値よりも小さいと判断した場合には、前記外気温蓄積データの差分値の算出後に、昼間の時間帯を所定時間短く補正するとともに、補正した昼間の時間帯の差分値を所定量少なく補正した上で、夜間の時間帯の差分値をゼロに補正して冬用の推定日射量を得るように構成され、前記空調制御手段は、得られた当該冬用の推定日射量と、少なくとも前記外気温値及び前記車室内温度値とに基づいて通常の空調制御よりも弱い空調制御を行うように構成され、前記推定日射量算出手段は、当該最高気温データの平均値が、前記記憶手段に予め保存されている夏の閾値よりも小さく、且つ、冬の閾値よりも大きいと判断した場合には、前記外気温蓄積データの差分値の算出後に、夜間の時間帯の差分値をゼロに補正して春秋用の推定日射量を得るように構成され、前記空調制御手段は、得られた当該春秋用の推定日射量と、少なくとも前記外気温値及び前記車室内温度値とに基づいて通常の空調制御を行うように構成されていることを特徴としている。
かかる構成において、本件発明の車両用空調装置は、季節が変わっても適切な空調制御を行うことが可能になる。
また、本件発明の車両用空調装置においては、前記推定日射量算出手段は、通常の車両よりも日射の影響を大きく受ける車両の場合には、算出した前記推定日射量に所定の重みを付けるとともに、当該推定日射量の立ち上がりを滑らかにする補正をして当該車両用の推定日射量を得るように構成され、前記空調制御手段は、当該車両用の推定日射量と、少なくとも前記外気温値及び前記車室内温度値とに基づいて、通常の車両の場合の空調制御よりも強い空調制御を行うように構成されていることを特徴としている。
かかる構成において、本件発明の車両用空調装置は、日射の影響を大きく受ける車両であっても、適切な空調制御を行うことが可能になる。
本件発明の車両用空調装置では、外気温センサを用いて日射量を推定するようにした。これにより、本件発明の車両用空調装置は、日射センサや高価な代替品を使用せずに適切な空調制御を行うことが可能になる。よって、本件発明の車両用空調装置は、製造コストを抑えて適切な空調制御を行うことができる。
また、本件発明の車両用空調装置では、外気温平滑データを用いて最高気温データ及び最低気温データを検出するようにした。このため、本件発明の車両用空調装置は、外気温平滑データを用いない場合に比べて最高気温データ及び最低気温データを検出しやすくなるので、日射量を容易に推定することが可能になる。よって、本件発明の車両用空調装置は、空調制御の処理効率を高めることができる。
また、本件発明の車両用空調装置では、日射量の推定終了毎に最高気温データのみを残して、この最高気温データから外気温の周期データを作成するようにした。このため、本件発明の車両用空調装置は、記憶手段に保存する外気温蓄積データの量が最小限に抑えられるので、容量の少ない記憶手段を使用することが可能になる。よって、本件発明の車両用空調装置は、製造コストをさらに低く抑えることができる。
また、本件発明の車両用空調装置では、日射量の推定終了毎に最高気温データと最低気温データを残すようにした。これにより、本件発明の車両用空調装置は、記憶手段に保存する外気温蓄積データの量が抑えられるので、容量の少ない記憶手段を使用することが可能になる。よって、本件発明の車両用空調装置は、製造コストをさらに低く抑えることができる。
さらに、本件発明の車両用空調装置では、記憶手段に残されている最高気温データと最低気温データとから周期データを作成するようにした。このため、本件発明の車両用空調装置は、最高気温データのみから周期データを作成する場合に比べて、周期データの作成に必要なデータ数が増えるので、周期データの精度を高めることができる。その結果、本件発明の車両用空調装置は、検出した最高気温データの値と最低気温データの値が適切でなくても、外気温蓄積データの検出時刻を推定することが可能になる。よって、本件発明の車両用空調装置は、空調制御の処理性能をさらに高めることができる。
また、本件発明の車両用空調装置では、季節毎に日射量を推定して空調制御を行うようにした。このため、本件発明の車両用空調装置は、季節が変わっても適切な空調制御を行うことが可能になる。よって、本件発明の車両用空調装置は、空調制御の処理性能をさらに高めることができる。
また、本件発明の車両用空調装置では、通常の車両よりも日射の影響を大きく受ける車両の場合でも、車両に応じた日射量を推定するようにした。このため、本件発明の車両用空調装置は、日射の影響を大きく受ける車両であっても、適切な空調制御を行うことが可能になる。よって、本件発明の車両用空調装置は、空調制御の処理性能をさらに高めることができる。
以下、本件発明の実施の形態を図にしたがって説明する。
第1の実施の形態:
図1は、本件発明の第1の実施の形態を示す車両用空調装置1のブロック図である。この車両用空調装置1は、空調装置本体2と、制御装置3と、操作部4と、水温センサ5と、吸気温センサ6と、室内温センサ7と、外気温センサ8とを備えている。
空調装置本体2は車室内の空調を行うものであり、吹出口等を備えている。制御装置3は、空調装置本体2に接続されている。この制御装置3は、空調装置本体2の動作を制御するものである。具体的に説明すると、この制御装置3は、CPU、処理手順や各種データ等が記憶されたROM、処理中のデータ等を記憶するRAM、タイマー等を備えている。なお、本件発明にかかる各処理手段等は、この制御装置3に備えられている。
操作部4は、制御装置3に接続されている。この操作部4は、インストルメントパネル等に設けられており、乗員が車室内の温度設定や風量設定を行うために使用される。具体的に説明すると、この操作部4は、空調装置1のスイッチ、車室内の温度設定や風量設定を行うための各種ボタン等を備えている。
各センサ5〜8は、制御装置3に接続されている。水温センサ5は、エンジンの冷却水温度を検出するためのセンサである。吸気温センサ6は、エンジンの吸入空気温度を検出するためのセンサである。室内温センサ7は、車室内温度を検出するためのセンサである。この室内温センサ7は、インストルメントパネルに設けられている。外気温センサ8は、外気温(車外気温)を検出するためのセンサである。この外気温センサ8は、フロントグリル付近に設けられている。
次に、空調装置1による車室内の空調制御処理について説明する。まず、乗員が操作部4の空調装置1のスイッチをオンにする。すると、各センサ5〜8は、それぞれセンサ値を検出して制御装置3に入力する。制御装置3は入力された各センサ値から、エンジンの冷却水温度値、エンジンの吸入空気温度値、車室内温度値、外気温値を演算して求める。
ここで、本実施の形態の制御装置3では、外気温センサ8から得られた外気温値から日射量を推定するように構成されている。この制御処理は、外気温値の保存処理、保存した外気温値の検出時刻を推定する処理、保存した外気温値の検出時刻に基づいて日射量を推定する処理の順に行われる。以下、この内容について具体的に説明する。
図2は、外気温センサ8による入力・保存処理を示すフローチャートである。まず、制御装置3は、空調装置1のスイッチがONであるか否かを判断する(ステップSA1)。制御装置3は、空調装置1のスイッチがOFFであると判断した場合には(ステップSA1の判断結果がNO)、外気温値の保存周期が所定時間を経過しているか否かを判断する(ステップSA2)。
制御装置3は、外気温値の保存周期が所定時間を経過していると判断した場合には(ステップSA2の判断結果がYES)、外気温センサ値を読み込む(ステップSA3)。一方、制御装置3は、外気温センサ値の保存周期が所定時間を経過していないと判断した場合には(ステップSA2の判断結果がNO)、空調装置1のスイッチがONであるか否かを再び判断する。次に、制御装置3は、読み込んだ外気温センサ値から外気温値を演算して求める(ステップSA4)。さらに、制御装置3は、求めた外気温値を外気温蓄積データとしてRAMに保存する(ステップSA5)。
一方、制御装置3は、空調装置1のスイッチがONであると判断した場合には(ステップSA1の判断結果がYES)、外気温センサ値を常時読み込む(ステップSA6)。次に、制御装置3は、読み込んだ外気温センサ値から外気温値を演算して求める(ステップSA7)。次に、制御装置3は、外気温値の保存周期が所定時間を経過しているか否かを判断する(ステップSA8)。
制御装置3は、外気温値の保存周期が所定時間を経過していると判断した場合には(ステップSA8の判断結果がYES)、求めた外気温値を外気温蓄積データとしてRAMに保存する(ステップSA5)。図3に、RAMに保存された外気温蓄積データD1をグラフ化したものを示す。一方、制御装置3は、外気温値の保存周期が所定時間を経過していないと判断した場合には(ステップSA8の判断結果がNO)、この外気温値を、他の各センサから得られた温度値とともに空調制御処理に使用する。
なお、外気温値の保存周期の開始は、車両の出荷時に合わせてタイマーに設定される。この外気温値の保存周期は30分が好ましい。ここで、外気温値の保存周期が30分より短くなると、RAMに保存される外気温蓄積データの量が多くなる。このため、大容量のRAMが必要となる。したがって、非常に高価な制御装置3が必要になるおそれがある。一方、外気温値の保存周期が30分より長くなると、RAMに保存される外気温蓄積データの量が少なくなる。したがって、外気温蓄積データを使用して推定される日射量の精度が低下するおそれがある。
次に、制御装置3は、外気温値の検出時刻を推定する処理を行う。図4は、その処理を示すフローチャートである。まず、制御装置3は、外気温値の検出開始から所定日数経過しているか否かを判断する(ステップSB1)。制御装置3は、外気温値の検出開始から所定日数経過していると判断した場合には(ステップSB1でYES)、外気温平滑データを算出する(ステップSB2)。以下に、この外気温平滑データの算出方法について説明する。
この外気温平滑データの算出方法は、RAMに保存されている外気温蓄積データを所定数読み出して、その平均値を計算するというものである。この平均値が外気温平滑データとなる。この計算方法を具体的に説明する。制御装置3は、RAMに保存されている外気温蓄積データを、検出時刻の古い方から所定数連続した状態で読み出し、読み出した所定数の外気温蓄積データの平均値を計算する。次に、制御装置3は、RAMに保存されている外気温蓄積データを、検出時刻の二番目に古い方から所定数連続した状態で読み出し、読み出した所定数の外気温蓄積データの平均値を計算する。
このように、制御装置3は、RAMに保存されている外気温蓄積データを、検出時刻の古い方から一個ずつずらしながら所定数連続した状態で読み出し、読み出した所定数の外気温蓄積データの平均値を計算する。これにより、制御装置3は、外気温平滑データを所定数得る。図3に、得られた所定数の外気温平滑データD2をグラフ化したものを示す。
なお、RAMから読み出される外気温蓄積データの数は、30分毎に外気温値がRAMに保存される場合に21個(10時間分)が好ましい。ここで、RAMから読み出される外気温蓄積データの数が21個よりも少ないと、これらの外気温蓄積データを用いて得られる外気温平滑データの精度が低下するおそれがある。一方、RAMから読み出される外気温蓄積データの数が21個よりも多いと、これらの外気温蓄積データを用いて得られる外気温平滑データの数が少なくなる。このため、これらの外気温平滑データに基づいてこの後の処理によって推定される日射量の精度が低下するおそれがある。
また、外気温平滑データを算出するためにRAMに保存される外気温蓄積データの蓄積期間は一週間が好ましい。外気温蓄積データの蓄積期間が一週間よりも少ないと、外気温平滑データの計算に必要な外気温蓄積データの数が少なくなる。このため、得られる外気温平滑データの精度が低下するおそれがある。一方、外気温蓄積データの蓄積期間が一週間よりも多いと、外気温平滑データの平均値の算出処理回数が多くなる。このため、外気温平滑データの平均値を求めるまでの時間が必要以上にかかるおそれがある。
次に、制御装置3は、外気温平滑データの差分値を算出する(ステップSB3)。以下に、外気温平滑データの差分値の算出方法について説明する。
この外気温平滑データの差分値の算出方法は、ステップSB2の処理によって得られた所定数の外気温平滑データにおいて、検出時刻の古い方から順に等時間間隔で差分値を算出するというものである。これを詳しく説明する。まず最初に、制御装置3は、外気温平滑データを、検出時刻の一番古い方から順に等時間間隔で二個選択して、新しい方の値から古い方の値を引く。この計算によって得られる値が、外気温平滑データの差分値である。次に、制御装置3は、外気温平滑データを、検出時刻の二番目に古い方から順に、等時間間隔で二個選択して、新しい方の値から古い方の値を引くことにより差分値を得る。
このように制御装置3は、外気温平滑データを、検出時刻の一番古い方から順に等時間間隔で二個選択し、新しい方の値から古い方の値を引くことにより、外気温平滑データの差分値を所定数得る。図5に、得られた外気温平滑データの差分値D3をグラフ化したものを示す。
なお、選択する二個の外気温平滑データの間隔は、一つおきが好ましい。ここで、間隔をあけずに外気温平滑データを二個ずつ選択する場合には、外気温平滑データの差分値の算出処理回数が非常に多くなる。このため、処理に時間がかかってしまう。一方、選択する二個の外気温平滑データの間隔が二つおき以上になると、得られる差分値が少なくなるので、これらの差分値に基づいて、この後の処理によって推定される日射量の精度が低下するおそれがある。
次に、制御装置3は、ステップSB3の処理によって得られた所定数の外気温平滑データの差分値の中で、検出時刻の古い方から順に、時刻順に連続している二つの差分値の積がマイナスであるか否かを判断する(ステップSB4)。制御装置3は、連続する二つの差分値の積がマイナスであると判断した場合には(ステップSB4でYES)、検出時刻の新しい方の差分値がプラスであるか否かを判断する(ステップSB5)。
制御装置3は、検出時刻の新しい方の差分値がプラスであると判断した場合には(ステップSB5でYES)、二つの差分値がマイナスからプラスに変わると判断し、このときの外気温平滑データを最低気温データとして検出する(ステップSB6)。この最低気温データは、図6の矢印D2minで示されるように、RAMに保存されている全ての外気温平滑データD2の中で谷を構成しているデータである。
一方、制御装置3は、検出時刻の新しい方の差分値がマイナスであると判断した場合には(ステップSB5でNO)、二つの差分値がプラスからマイナスに変わると判断し、このときの外気温平滑データを最高気温データとして検出する(ステップSB7)。この最高気温データは、図6の矢印D2maxで示されるように、RAMに保存されている全ての外気温平滑データD2の中で山を構成しているデータである。
次に、制御装置3は、ステップSB6の処理によって得られた最低気温データと、ステップSB7の処理によって得られた最高気温データと、外気温の周期データとから、各外気温蓄積データの検出推定時刻を算出する(ステップSB8)。なお、外気温の周期データは、制御装置3のROMに予め保存されており、検出推定時刻の算出の際に読み出される。
次に、制御装置3は、日射量を推定する処理を行う。図7は、その処理を示すフローチャートである。制御装置3は、まず最初に、外気温蓄積データの差分値を算出する(ステップSC1)。以下に、外気温蓄積データの差分値の算出方法について説明する。
この外気温蓄積データの差分値の算出方法は、検出推定時刻が算出された各外気温蓄積データに対して、検出推定時刻の古い方から順に等時間間隔で外気温蓄積データの差分値を算出するというものである。これを詳しく説明する。まず、制御装置3は、RAMに保存されている外気温蓄積データを、検出推定時刻の一番古い方から順に、等時間間隔で二個読み出して、新しい方の値から古い方の値を引く。この計算によって得られる値が、外気温蓄積データの差分値となる。次に、制御装置3は、外気温蓄積データを、検出時刻の二番目に古い方から順に等時間間隔で二個読み出して、新しい方の値から古い方の値を引く。
このように制御装置3は、RAMに保存されている各外気温蓄積データを、検出推定時刻の一番古い方から順に等時間間隔で二個ずつ選択して、新しい方の値から古い方の値を引くことにより、外気温蓄積データの差分値を所定数得る。図8に、得られた外気温蓄積データの差分値D4をグラフ化したものを示す。
なお、RAMから読み出される二個の外気温蓄積データの間隔は一つおきが好ましい。例えば、外気温値の保存周期が30分の場合には60分間隔が好ましい。この間隔がない場合、つまり保存周期と同じ間隔(例えば30分間隔)の場合には、外気温蓄積データの差分値の算出処理回数が非常に多くなる。このため、処理に時間がかかる。一方、RAMから読み出される二個の外気温蓄積データの間隔が二つおき以上になると、得られる差分値が少なくなる。このため、これらの差分値に基づいて推定される日射量の精度が低下するおそれがある。
次に、制御装置3は、図7のステップSC1の処理によって得られた外気温蓄積データの差分値の中で、夜間の時間帯の差分値(図9中の矢印D4aの範囲)をゼロに補正する(ステップSC2)。この補正の結果によって得られる昼間の差分値(図9中の矢印D4bの範囲)が推定日射量となる。なお、必要に応じて、この差分値に所定の重みを付けても良い。ここで、外気温蓄積データの差分値を推定日射量とした理由は、外気温が上昇している間は日射量が大きく、外気温が下降している間は日射量が小さいと推定されるので、この外気温の変化量を計算すれば日射量が推定されると考えられるからである。
次に、制御装置3は、推定日射量の算出後から所定日数経過しているか否かを判断する(ステップSC3)。制御装置3は、推定日射量の算出後から所定日数経過していると判断した場合には(ステップSC3でYES)、図4のステップSB2以降の処理を行う。このように、制御装置3は、外気温値の検出開始から所定日数毎に、図4に示した外気温値の検出推定時刻の算出処理と、図7に示した推定日射量の算出処理とを行う。
次に、制御装置3は、算出した推定日射量と、各センサ5〜8から得られたエンジンの冷却水温度値、エンジンの吸入空気温度値、車室内温度値、外気温値と、乗員が操作部4を用いて設定した温度や風量等の設定値とから制御信号を作成し、この制御信号を空調装置本体2に出力する。空調装置本体2は、制御装置3から入力された制御信号に基づいて、吹き出し口から吹き出される冷風や温風の温度、風量等の制御を行う。
以上説明したように本実施の形態の車両用空調装置1は、外気温センサ8を用いて日射量を推定している。したがって、本実施の形態の車両用空調装置1は、日射センサや、ナビゲーションシステムのような高価な代替品を使用せずに空調制御を行うことが可能になる。また、本実施の形態の車両用空調装置1は、従来の空調装置のように、前照灯の状態に影響されないので、適切な空調制御を行うことが可能になる。よって、本実施の形態の車両用空調装置1は、コストを抑えて適切な空調制御処理を行うことができる。
また、本実施の形態の車両用空調装置1では、RAMに保存されている外気温蓄積データから最高気温データと最低気温データとを検出するために、外気温平滑データを用いている。この外気温平滑データは、図3のD2に示されるように気温の変化が滑らかになっているので、外気温平滑データを用いない場合に比べて、最高気温データと最低気温データを検出しやすい。したがって、制御装置3は、日射量を容易に推定することが可能になる。よって、本実施の形態の車両用空調装置1は、空調制御の処理効率を高めることができる。
なお、本実施の形態において、図4のステップSB8の処理の際に使用した外気温の周期データは、制御装置3のROMに予め保存されていたものである。しかし、ステップSB8の処理後には、各外気温蓄積データの検出推定時刻が算出される。したがって、制御装置3は、外気温値の検出開始から最初の日射量を推定した後は、外気温蓄積データの検出推定時刻の算出毎に、これらの外気温蓄積データから外気温の周期データを順次作成し、この周期データを次回以降の日射量を推定する際に使用するようにしても良い。
第2の実施の形態:
本実施の形態では、第1の実施の形態の空調装置と同様に、空調装置本体2と、制御装置と、操作部4と、各センサ5〜8とを備えている(図1参照)。ここで、本実施の形態の制御装置では、第1の実施の形態で説明した内容と異なる部分を中心にして説明する。本実施の形態の制御装置では、推定日射量の算出終了毎に、外気温周期データ作成処理を行う。図10は、外気温周期データ作成処理のフローチャートである。以下、この処理の内容について説明する。
本実施の形態の制御装置では、まず最初に、推定日射量の算出が終了したか否かを判断する(ステップSD1)。制御装置は、推定日射量の算出が終了したと判断した場合には(ステップSD1の判断結果がYES)、RAMに保存されている全ての外気温蓄積データの中で最高気温データ以外の外気温蓄積データを削除する(ステップSD2)。次に、制御装置は、RAMに残っている最高気温データから外気温の周期データを作成してRAMに保存する(ステップSD3)。
次に、制御装置は、図4のステップSB8の処理の際に、図10のステップSD3の処理によって作成した外気温の周期データを使用する。これを具体的に説明すると、ステップSD3の処理によって作成した外気温の周期データと、新たに得られる最高気温データ及び最低気温データとから各外気温蓄積データの検出推定時刻を算出する。なお、新たに得られる最高気温データ及び最低気温データとは、推定日射量の算出終了後に、新たにRAMに保存される全ての外気温蓄積データから検出される最高気温データ及び最低気温データである。次に、制御装置は、第1の実施の形態と同様な方法によって推定日射量を算出した後、車室内の空調制御を行う。
このように、本実施の形態の車両用空調装置では、推定日射量の算出終了毎に、RAMから最高気温データ以外の外気温蓄積データを削除している。これにより、RAMに保存される外気温蓄積データの量が最小限に抑えられる。例えば、第1の実施の形態で説明したように30分毎に外気温値がRAMに保存されている場合には、RAMから最高気温データ以外の外気温蓄積データを削除することによって、外気温蓄積データの量を1/48にすることができる。したがって、本実施の形態の車両用空調装置は、小容量のRAMを使用することが可能になるので、製造コストをさらに低く抑えることができる。
第3の実施の形態:
本実施の形態の空調装置は、第1の実施の形態の空調装置と同様に、空調装置本体2と、制御装置と、操作部4と、各センサ5〜8とを備えている(図1参照)。ここで、本実施の形態の制御装置では、第1の実施の形態や第2の実施の形態で説明した内容と異なる部分を中心にして説明する。本実施の形態の制御装置では、推定日射量の算出終了毎に、外気温周期データ作成処理を行う。図11は、外気温周期データ作成処理のフローチャートである。以下、この処理の内容について説明する。
本実施の形態の制御装置では、まず最初に、推定日射量の算出が終了したか否かを判断する(ステップSE1)。制御装置は、推定日射量の算出が終了したと判断した場合には(ステップSE1の判断結果がYES)、RAMに保存されている全ての外気温蓄積データの中で最高気温データと最低気温データ以外の外気温蓄積データを削除する(ステップSE2)。次に、制御装置は、RAMに残っている最高気温データと最低気温データとから外気温の周期データを作成してRAMに保存する(ステップSE3)。
次に、制御装置は、図4のステップSB8の処理の際に、図11のステップSE3の処理によって作成した外気温の周期データを使用し、第2の実施の形態で説明した方法と同じ方法によって各外気温蓄積データの検出推定時刻を算出する。次に、制御装置は、第1の実施の形態と同様な方法によって推定日射量を算出した後、車室内の空調制御を行う。
このように、本実施の形態の車両用空調装置では、推定日射量の算出毎に、RAMから最高気温データと最低気温データ以外の外気温蓄積データを削除している。このため、RAMに保存する外気温蓄積データの量が抑えられる。例えば、第1の実施の形態で説明したように30分毎に外気温値がRAMに保存されている場合には、RAMから最高気温データと最低気温データ以外の外気温蓄積データを削除することによって、外気温蓄積データの量を1/24にすることができる。したがって、本実施の形態の車両用空調装置は、小容量のRAMを使用することが可能になるので、製造コストをさらに低く抑えることができる。
また、本実施の形態の車両用空調装置では、RAMに残っている最高気温データと最低気温データとから外気温の周期データを作成するようにした。したがって、本実施の形態の車両用空調装置は、第2の実施の形態の車両用空調装置のように最高気温データのみから外気温の周期データを作成する場合に比べて、外気温の周期データの作成に必要なデータ数が増えるので、外気温の周期データの精度を高めることができる。
したがって、本実施の形態の車両用空調装置は、図3の矢印D2badに示すように、検出した最高気温データの値と最低気温データの値が不良でも、本実施の形態で作成した外気温の周期データを使用することにより、これらのデータの値をイレギュラーな値と判断して検出時刻推定の材料から外し、各外気温蓄積データの検出推定時刻を適切に算出することが可能になる。よって、本実施の形態の車両用空調装置は、空調制御の処理性能を高めることができる。
第4の実施の形態:
本実施の形態の空調装置は、第1の実施の形態の空調装置1と同様に、空調装置本体2と、制御装置と、操作部4と、各センサ5〜8とを備えている(図1参照)。ここで、本実施の形態の制御装置では、第1の実施の形態〜第3の実施の形態で説明した内容と異なる部分を中心にして説明する。図12は、本実施の形態を示す推定日射量算出処理のフローチャートである。以下に、この処理の内容について説明する。
本実施の形態の制御装置では、まず最初に、外気温値の検出開始から所定日数より長い所定期間を経過しているか否かを判断する(ステップSF1)。制御装置は、外気温値の検出開始から所定期間を経過していると判断した場合には(ステップSF1でNO)、第1の実施の形態で説明した推定日射量算出処理(ステップSC1〜ステップSC2)と同じ内容の処理(ステップSF2〜ステップSF3)を行う。
一方、制御装置は、外気温値の検出開始から所定期間を経過していると判断した場合には(ステップSF1でYES)、季節毎の推定日射量の算出処理を行う。以下に、この処理を具体的に説明する。
制御装置は、まず最初に、RAMに保存されている最高気温データの平均値を算出する(ステップSF4)。次に、制御装置は、外気温蓄積データの差分値を算出する(ステップSF5)。このステップSF5の処理内容は、第1の実施の形態で説明したステップSC1の処理内容と同じものである。
次に、制御装置は、最高気温データの平均値が夏の閾値(例えば25℃)よりも大きいか否かを判断する(ステップSF6)。この夏の閾値は、制御装置のROMに保存されている。なお、乗員が操作部4からこの閾値を変更可能なように制御装置の構成内容を変更しても良い。
制御装置は、最高気温データの平均値が夏の閾値よりも大きいと判断した場合には(ステップSF6でYES)、現在の季節が夏であると判断する。その結果、制御装置は、ステップSF5の処理で算出した外気温蓄積データの差分値において昼間の時間帯の幅を所定時間長く補正する(ステップSF7)。この補正方法について以下に説明する。
通常の推定日射量の算出処理では、昼間の時間帯が、図13に示すように標準の時間帯(春秋用の時間帯)に設定されている。具体的な昼間の時間帯は、6:00〜18:00である。したがって、ステップSF7の処理では、図13に示すように、昼間の時間帯を春秋用から夏用に補正する。この夏用の時間帯は、例えば5:00〜19:00である。その結果、昼間の時間帯の幅aが二時間長くなる。
次に、制御装置は、図13に示すように、夏用に補正した昼間の時間帯aの差分値の量を春秋用の場合よりも所定量多く補正する(ステップSF8)。次に、制御装置は、夜間の時間帯の差分値をゼロに補正して夏用の推定日射量を算出する(ステップSF3)。次に、制御装置は、算出した夏用の推定日射量と、各センサ5〜8から得られた各温度値と、乗員が設定した温度や風量等の設定値に基づいて、通常の空調制御よりも強い空調制御を行う。これにより、乗員は、日射が強くても、空調装置本体の吹き出し口から吹き出される風量が増加したり、吹き出し温度が低くなるので、不快感を感じることがなくなる。
一方、制御装置は、最高気温データの平均値が夏の閾値よりも小さいと判断した場合には(ステップSF6でNO)、最高気温データの平均値が冬の閾値(例えば12℃)よりも大きいか否かを判断する(ステップSF9)。この冬の閾値は、制御装置のROMに保存されている。なお、乗員が操作部4からこの閾値を変更可能なように制御装置の構成内容を変更しても良い。
制御装置は、最高気温データの平均値が冬の閾値よりも大きいと判断した場合には(ステップSF9でYES)、現在の季節を春または秋と判断する。その結果、制御装置は、図13に示すように、昼間の時間帯の幅aを補正せずに、夜間の時間帯の差分値をゼロに補正して春秋用の推定日射量を算出する(ステップSF3)。次に、制御装置は、算出した春秋用の推定日射量と、各センサ5〜8から得られた各温度値と、乗員が設定した温度や風量等の設定値とに基づいて通常の空調制御を行う。
一方、制御装置は、最高気温データの平均値が冬の閾値よりも小さいと判断した場合には(ステップSF9でNO)、現在の季節が冬であると判断する。その結果、制御装置は、ステップSF5の処理で算出した外気温蓄積データの差分値において昼間の時間帯の幅を所定時間短く補正する(ステップSF10)。この補正方法について以下に説明する。
通常の推定日射量算出処理では、昼間の時間帯が、前述したように標準の時間帯(春秋用の時間帯)に設定されている。したがって、ステップSF10の処理では、図13に示すように、昼間の時間帯を春秋用から冬用に補正する。この冬用の時間帯は、例えば7:00〜17:00である。その結果、昼間の時間帯の幅aが二時間短くなる。
次に、制御装置は、図13に示すように、冬用に補正した昼間の時間帯aの差分値の量を春秋用の場合よりも所定量少なく補正する(ステップSF11)。次に、制御装置は、夜間の時間帯の差分値をゼロに補正して冬用の推定日射量を算出する(ステップSF3)。次に、制御装置は、算出した冬用の推定日射量と、各センサ5〜8から得られた各温度値と、乗員が設定した温度や風量等の設定値とに基づいて通常の空調制御よりも弱い空調制御を行う。これにより、乗員は、日射が弱い時には、空調装置本体の吹き出し口から吹き出される風量が必要以上に多くなったり、吹き出し温度が必要以上に高くなってしまうことがなくなるので、不快感を感じることがなくなる。
次に、制御装置は、推定日射量の算出後から所定期間が経過しているか否かを判断する(ステップSF12)。制御装置は、推定日射量の算出後から所定期間が経過していると判断した場合には(ステップSF12でYES)、図4のステップSB2以降の処理を行う。
このように、制御装置は、外気温値の検出開始から所定日数より長い所定期間毎に、季節毎の推定日射量算出処理を行う。なお、この処理に必要な所定期間は40日が好ましい。この期間が40日よりも短いと、処理に必要な最高気温データの量が十分ではないため、最高気温データの平均値の精度が低下し、その後の処理によって得られる推定日射量の精度が低下するおそれがある。一方、前記所定期間が40日よりも長くなると、推定日射量の算出処理の処理間隔が長くなるので、その後の処理によって得られる推定日射量の精度が低下するおそれがある。
以上説明したように、本実施の形態の車両用空調装置においては、季節毎に日射量を推定して空調制御を行うようにしている。このため、本実施の形態の車両用空調装置は、季節が変わっても適切な空調制御を行うことが可能になる。よって、本実施の形態の車両用空調装置は、空調制御の処理性能をさらに高めることができる。なお、本実施の形態で説明した制御処理に、第2の実施の形態で説明した制御処理や、第3の実施の形態で説明した制御処理を付け加えるようにしても良い。
第5の実施の形態:
本実施の形態の空調装置は、第1の実施の形態の空調装置1と同様に、空調装置本体2と、制御装置と、操作部4と、各センサ5〜8とを備えている(図1参照)。ここで、本実施の形態の制御装置では、第1の実施の形態〜第4の実施の形態で説明した内容と異なる部分を中心にして説明する。
図14は、本実施の形態を示す車両毎の推定日射量の模式図である。本実施の形態の制御装置では、通常の車両よりも日射の影響を大きく受ける車両(ルーフに窓がある車両等)の場合には、第1の実施の形態や第4の実施の形態で説明した処理によって得られた推定日射量を補正するように構成されている。
具体的には、算出した通常の車両用の推定日射量A、B、Cに所定の重みを付け、さらにこれらの推定日射量A、B、Cの立ち上がりを滑らかにするような補正をして、日射の影響を大きく受ける車両用の推定日射量A1、B1、C1を得ている。さらに、制御装置は、得られたこれらの推定日射量A1、B1、C1と、各センサ5〜8から得られた各温度値と、乗員が設定した温度や風量等の設定値とに基づいて車室内の空調制御を行う。
したがって、本実施の形態の空調装置では、日射の影響を大きく受ける車両であっても、適切な空調制御を行うことが可能になる。よって、本実施の形態の車両用空調装置は、空調制御の処理性能をさらに高めることができる。
また、これまで説明した実施の形態では、車両用空調装置が有するセンサとして、水温センサ5と、吸気温センサ6と、室内温センサ7と、外気温センサ8とを挙げている。しかし、少なくとも室内温センサ7と、外気温センサ8とを備えた車両用空調装置であれば、各実施の形態で説明した効果と同じ効果を得ることができる。
以上、本件発明にかかる実施の形態を例示したが、これらの実施の形態は本件発明の内容を限定するものではない。また、本件発明の請求項の範囲を逸脱しない範囲であれば、各種の変更等は可能である。
以上説明したように本件発明の車両用空調装置においては、外気温センサを用いて日射量を推定するようにしたので、製造コストを抑えて適切な空調制御を行うことができる。したがって、本件発明の車両用空調装置を、この装置の技術分野で十分に利用することができる。
本件発明の第1の実施の形態を示す車両用空調装置のブロック図である。 同実施の形態を示す外気温センサによる入力・保存処理のフローチャートである。 同実施の形態を示す外気温蓄積データと外気温平滑データのグラフである。 同実施の形態を示す外気温値の検出推定時刻算出処理のフローチャートである。 同実施の形態を示す外気温平滑データの差分値のグラフである。 図3において外気温平滑データのグラフの要部である。 同実施の形態を示す推定日射量算出処理のフローチャートである。 同実施の形態を示す外気温蓄積データの差分値のグラフである。 同実施の形態を示す外気温蓄積データの差分値の一日分のグラフである。 本件発明の第2の実施の形態を示す外気温周期データ作成処理のフローチャートである。 本件発明の第3の実施の形態を示す外気温周期データ作成処理のフローチャートである。 本件発明の第4の実施の形態を示す推定日射量算出処理のフローチャートである。 同実施の形態を示す季節毎の推定日射量の模式図である。 本件発明の第5の実施の形態を示す車両毎の推定日射量の模式図である。
符号の説明
1 空調装置
3 制御装置
7 室内温センサ
8 外気温センサ
D1 外気温蓄積データ
D2 外気温平滑データ
D2max 最高気温データ
D2min 最低気温データ
D3 外気温平滑データの差分値
D4 外気温蓄積データの差分値

Claims (6)

  1. 少なくとも外気温センサ及び室内温センサを用いて車室内の空調制御を行う車両用空調装置であって、
    前記外気温センサから得られた外気温値を、所定時間毎に前記車両用空調装置の記憶手段に外気温蓄積データとして保存する外気温値取得手段と、
    前記外気温値の検出開始から所定日数毎に、前記記憶手段に保存されている全ての前記外気温蓄積データの中で山を構成する最高気温データ及び谷を構成する最低気温データを検出する外気温値ピーク検出手段と、
    検出した当該最高気温データ及び当該最低気温データと前記記憶手段に予め保存されている外気温の周期データとから各外気温蓄積データの検出推定時刻を算出する外気温値検出推定時刻算出手段と、
    検出推定時刻が算出された全ての前記外気温蓄積データにおいて、時刻の古い方から順に等時間間隔で外気温蓄積データの差分値を算出し、算出した当該差分値の中で夜間の時間帯の差分値をゼロに補正して推定日射量を得る推定日射量算出手段と、
    前記推定日射量と少なくとも前記外気温センサから得られた外気温値及び前記室内温センサから得られた車室内温度値とに基づいて車室内の空調制御を行う空調制御手段と、
    を備えていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記外気温値ピーク検出手段は、
    前記記憶手段に保存されている前記外気温蓄積データを検出時刻の古い方から所定数連続した状態で順々に読み出し、読み出した各々の所定数の前記外気温蓄積データの平均値を計算して外気温平滑データを得る外気温平滑データ算出手段と、
    得られた全ての前記外気温平滑データにおいて、時刻の古い方から順に等時間間隔で差分を計算して外気温平滑データの差分値を得る外気温平滑データ差分値算出手段と、
    得られた全ての前記外気温平滑データの差分値の中で、当該差分値がマイナスからプラスに変わるときの外気温平滑データを前記最低気温データとして検出し、当該差分値がプラスからマイナスに変わるときの外気温平滑データを前記最高気温データとして検出する外気温平滑データピーク検出手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記車両用空調装置は、前記推定日射量の算出終了毎に、前記記憶手段に保存されている全ての前記外気温蓄積データの中で前記最高気温データ以外の外気温蓄積データを削除し、残っている当該最高気温データから外気温の周期データを作成して前記記憶手段に保存する外気温周期データ作成手段をさらに備え、
    前記外気温値検出推定時刻算出手段は、前記周期データ作成手段によって作成された外気温の周期データと、前記外気温値ピーク検出手段によって新たに得られた前記最高気温データ及び前記最低気温データとから、前記外気温値取得手段によって前記記憶手段に新たに保存された前記各外気温蓄積データの検出推定時刻を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記車両用空調装置は、前記推定日射量の算出終了毎に、前記記憶手段に保存されている全ての前記外気温蓄積データの中で前記最高気温データ及び前記最低気温データ以外の外気温蓄積データを削除して、残っている当該最高気温データ及び当該最低気温データとから外気温の周期データを作成して前記記憶手段に保存する外気温周期データ作成手段をさらに備え、
    前記外気温値検出推定時刻算出手段は、前記周期データ作成手段によって作成された外気温の周期データと、前記外気温値ピーク検出手段によって新たに得られた前記最高気温データ及び前記最低気温データとから、前記外気温値取得手段によって前記記憶手段に新たに保存された前記各外気温蓄積データの検出推定時刻を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
  5. 前記推定日射量算出手段は、
    前記外気温値の検出開始から前記所定日数より長い所定期間毎に、前記記憶手段に保存されている全ての前記最高気温データの平均値を計算するように構成されている一方、
    当該最高気温データの平均値が、前記記憶手段に予め保存されている夏の閾値よりも大きいと判断した場合には、前記外気温蓄積データの差分値の算出後に、昼間の時間帯を所定時間長く補正するとともに、補正した昼間の時間帯の差分値を所定量多く補正した上で、夜間の時間帯の差分値をゼロに補正して夏用の推定日射量を得るように構成され、
    前記空調制御手段は、得られた当該夏用の推定日射量と、少なくとも前記外気温値及び前記車室内温度値とに基づいて通常の空調制御よりも強い空調制御を行うように構成され、
    前記推定日射量算出手段は、当該最高気温データの平均値が、前記記憶手段に予め保存されている冬の閾値よりも小さいと判断した場合には、前記外気温蓄積データの差分値の算出後に、昼間の時間帯を所定時間短く補正するとともに、補正した昼間の時間帯の差分値を所定量少なく補正した上で、夜間の時間帯の差分値をゼロに補正して冬用の推定日射量を得るように構成され、
    前記空調制御手段は、得られた当該冬用の推定日射量と、少なくとも前記外気温値及び前記車室内温度値とに基づいて通常の空調制御よりも弱い空調制御を行うように構成され、
    前記推定日射量算出手段は、当該最高気温データの平均値が、前記記憶手段に予め保存されている夏の閾値よりも小さく、且つ、冬の閾値よりも大きいと判断した場合には、前記外気温蓄積データの差分値の算出後に、夜間の時間帯の差分値をゼロに補正して春秋用の推定日射量を得るように構成され、
    前記空調制御手段は、得られた当該春秋用の推定日射量と、少なくとも前記外気温値及び前記車室内温度値とに基づいて通常の空調制御を行うように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4に記載の車両用空調装置。
  6. 前記推定日射量算出手段は、通常の車両よりも日射の影響を大きく受ける車両の場合には、算出した前記推定日射量に所定の重みを付けるとともに、当該推定日射量の立ち上がりを滑らかにする補正をして当該車両用の推定日射量を得るように構成され、
    前記空調制御手段は、当該車両用の推定日射量と、少なくとも前記外気温値及び前記車室内温度値とに基づいて、通常の車両の場合の空調制御よりも強い空調制御を行うように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
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