JP2004268790A - 車両用防曇手段の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者が単にDEFスイッチを操作するだけで自動的に最適の防曇手段を作動させることによって、どのような運転条件下においても、また、どのような運転者であっても、常にフロントガラス等の曇りを確実に除去して明快な視界が得られるようにすると共に、快適な車室内環境が形成されるようにする。
【解決手段】DEFスイッチがONとされてデフロスト吹き出し口から空気がガラスの内面に沿って吹き出す時に、同時に曇りの程度の指標になる「曇り判定のためのパラメータ」を検出し、パラメータの数値によって曇りの程度を複数の段階に層別すると共に、それぞれの段階にふさわしいものとして予め設定されたレベルの防曇手段の一つを自動的に選択して作動させる。パラメータとしてはガラス内面の相対湿度等を使用することができる。複数の異なるレベルの防曇手段は個々の在来の防曇手段を組み合わせることによって構成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】DEFスイッチがONとされてデフロスト吹き出し口から空気がガラスの内面に沿って吹き出す時に、同時に曇りの程度の指標になる「曇り判定のためのパラメータ」を検出し、パラメータの数値によって曇りの程度を複数の段階に層別すると共に、それぞれの段階にふさわしいものとして予め設定されたレベルの防曇手段の一つを自動的に選択して作動させる。パラメータとしてはガラス内面の相対湿度等を使用することができる。複数の異なるレベルの防曇手段は個々の在来の防曇手段を組み合わせることによって構成することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の防曇手段に係り、特に、自動車のような車両に装備されている複数種類の防曇手段の運転を制御するための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
閉じられた車室空間を有する自動車のような車両において、フロントガラス等が水分の凝縮及び付着によって曇った時には、車両の運転者は車両の通風装置に設けられた着霜防止用のデフロスト(DEF)スイッチを押すことが多い。それによって車室内の空気の流れ方がDEFモードになり、フロントガラスに接近してその内面の下方等に開口するように設けられたスリット状のデフロスト吹き出し口が開き、空気をフロントガラスの内面に沿って吹き出すので、空気の流れによってフロントガラスの内面における相対湿度が低下して曇りが除去される。
【0003】
更に、DEFモード時に運転者が車両用の暖房装置や冷房装置のスイッチを手動で操作してそれらを作動させると、デフロスト吹き出し口から吹き出される空気そのものの相対湿度或いは絶対湿度が低下するとか、暖房装置を運転する場合にはガラス面の温度が高くなるので、本来の目的のようにフロントガラスの外面の着霜による曇りを除去することができる。従来の大半の車両はいずれもこのような基本的な防曇手段を備えており、通常はそれらを全て運転者の手動操作によって作動させるが、例外的なものとして、DEFモード時には自動的に送風機の回転数を高めて吹き出す空気量(風量)を増加させるという程度の自動制御を行なうものもある(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62−26709号公報
【特許文献2】
特開平1−293219号公報
【0005】
また、北米のような特定の地方において使用される車両では、DEFスイッチを視界確保用のスイッチと見做して、運転者がDEFスイッチをONにしてDEFモードを選択することにより、車両の通風装置の空気吹き出し口がフロントガラスの下部等に設けられたデフロスト吹き出し口に切り替わると同時に、暖房装置及び冷房装置を含む車両用空調装置を作動させて、デフロスト吹き出し口から吹き出す空気の湿度を低下させるとか、送風機の回転数を上昇させて風量を増加させるとか、或いは外気導入(FRS)モードへの切り替えを行なうというような制御を自動的に連動させて実行することにより、最大限の防曇効果を発揮させるように設定されているものもある(例えば、特許文献3及び4参照)。
【0006】
【特許文献3】
特開平5−147436号公報
【特許文献4】
特開平5−238255号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようにDEFスイッチに連動して強力な防曇手段を自動的に作動させるように構成された従来の車両用防曇手段によれば、運転者がDEFスイッチをONにするという操作を行なうだけで強力な防曇効果が得られて、直ちに明快な視界が確保されるという利点がある反面、運転者の好みによっては、防曇の必要がない時に単に空気の吹き出し口をデフロスト吹き出し口に切り替えたいというような場合もあるので、そのような運転者がDEFスイッチをONにしてDEFモードにすると、同時に無用の強力な防曇手段が自動的に作動して、運転者及び乗員の頭部周辺の温度が上昇するとか、送風機の騒音レベルが高くなるとか、必要以上に車室内の空気が乾燥するというように、運転状態によっては不快な車室内環境が形成され、それによって無駄な動力を消費するという問題がある。
【0008】
このように従来の車両においては、通風装置の空気吹き出し口をデフロスト吹き出し口に切り替えるためのDEFスイッチに対して、他の特定の防曇手段が連動して作動するように構成されているか、或いは複数の防曇手段を全く連動させることなく、それぞれ独立に運転者が手動操作をするようになっているかのいずれかであって、前者は便利である反面、却って不自由な場合もあり、後者は運転者が自由に操作をすることができるという反面、自動的に操作が行なわれないために不便であって、防曇手段についての運転者の知識が足りない場合には効果的に防曇手段を利用することができないという場合も考えられる。
【0009】
本発明は、従来技術における前述のような問題に鑑み、新規な手段によってそれらの問題を解消して、運転者が単にDEFスイッチ或いはそれに代わるものを操作するだけで、或いは自動制御手段によって同様な操作が行なわれた時に、自動的に最適の防曇手段を作動させることによって、どのような運転条件下においても、また、どのような運転者であっても、常にフロントガラス等の曇りを確実に除去して明快な視界が得られるようにすると共に、快適な車室内環境が形成されるようにすることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この課題を解決するための手段として特許請求の範囲の請求項1に記載された車両用防曇手段の制御方法を提供する。
【0011】
本発明の車両用防曇手段の制御方法においては、運転者の操作或いは自動制御手段によって車両に設けられた通風装置のデフロストスイッチがONとされた時に、防曇対象であるガラスの曇りの程度を示す曇り判定のためのパラメータを検出した後に、パラメータの数値の高さに応じてガラスの曇りの程度を予め定められた複数の段階に層別すると共に、それぞれの段階に対して最適のものとして予め設定された複数の異なるレベルの防曇手段の一つを自動的に選択して作動させる。
【0012】
従って、運転者の操作によってDEFスイッチがONとされた場合のように、通風装置の空気の吹き出し口がデフロスト吹き出し口に切り替えられた時は、どのような運転条件下にあっても、また、どのような運転者であっても、最適の防曇手段が自動的に作動して、防曇対象のガラスの曇りを確実に除去して明快な視界が得られると共に、快適な車室内環境が形成される。
【0013】
曇り判定のためのパラメータとして、防曇対象であるガラスの内面における相対湿度、ガラスに取り付けられた結露センサの検出値、或いは、ガラスの内面における露点温度と車室内の空気の露点温度との差を使用することができる。これらのいずれかの場合において、車室内の温度及び湿度とガラスの内面温度を検出して制御のために使用することもできる。また、ガラスの表面に直接に取り付けたセンサによって温度及び湿度を検出してもよいが、車室内外の温度と、車速及び日射量からガラスの温度を推定することも可能である。
【0014】
防曇対象であるガラスの曇りの程度に関する層別された段階毎に複数の異なるレベルの防曇手段うちの一つを自動的に選択して作動させるために、防曇手段として、通風装置の空気の吹き出し口をデフロスト吹き出し口に切り替えること、通風装置を外気導入モードに切り替えること、通風装置の送風機の回転数を上昇させること、通風装置に付設された冷房装置を作動させること、通風装置に付設された暖房装置を作動させること、及びガラスに直接に設けられた電熱線を発熱させることの少なくとも一部を単独に、或いは適宜に組み合わせて使用することができる。それによって、それぞれの段階に最もふさわしい防曇手段を作動させることが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の幾つかの好適な実施例について詳細に説明する。本発明の車両用防曇手段の制御方法においては、基本的に、運転者が手動で車両のDEFスイッチ或いはそれに代わるものを操作して、車両の通風装置の空気の吹き出し口をデフロスト吹き出し口に切り替えた時に制御が開始されるが、何らかの自動的な手段によってDEFスイッチ或いはそれに代わるものがONになった時に制御が開始されるようにしてもよい。
【0016】
本発明の制御方法の特徴は、フロントガラス等の防曇対象に実際に曇りが発生した時にその曇りの程度を示す特定の数値か、或いは、防曇対象に曇りが発生する湿度や温度、空気の流速等の条件が成立した時に、発生すると予測される曇りの程度を示す数値を有する特定の物理的な指標、或いは化学的な指標を選んで、これを「曇り判定のためのパラメータ」として取り上げること、及び運転者がDEFスイッチをONにするか、或いはそれに相当する操作が行われた時に、曇り判定のためのパラメータの数値をセンサ類によって検出すると共に、そのパラメータの数値を自動制御手段によって監視していて、検出された数値と予め設定された1個或いは2個以上の閾値とを比較して、パラメータの数値が閾値を超えているか否かを判定することによって、ガラスの曇りの程度が予め設定した複数の段階のいずれにあたるかを判定して層別し、それぞれの段階に応じて予め設定した複数の異なるレベルの防曇手段のうちの一つを自動的に選択して作動させる点にあるので、この「曇り判定のためのパラメータ」としてどのようなものを使用するかということが第1の重要事項になる。
【0017】
本発明においては、前述のように、DEFスイッチがONになったか、或いはそれに相当する操作が行われた時には、曇り判定のためのパラメータを監視していて、そのパラメータの数値を1個或いは2個以上の閾値と比較して、ガラスの曇りに関して現在の状態が予め定められたどの段階に属するかということを判定して層別を行なう点に特徴があるので、どのような数値の閾値を何個設定するかということも重要である。
【0018】
更に、本発明においては、検出された曇り判定のためのパラメータの数値を、予め設定された1個或いは2個以上の閾値と比較して、パラメータの数値が閾値を超えているか否かによって、即ち、層別に、それぞれ複数の異なるレベルの防曇手段の一つを自動的に選択して作動させる点に特徴があるので、それぞれの段階に応じてどのような防曇手段を作動させるかということを予め決めておくことが重要になる。この場合に複数の異なるレベルの防曇手段の一つを自動的に選択して作動させるというのは、層別後の異なる段階のそれぞれに対して全く異なる別の防曇手段を自動的に選択して使用することだけを指しているのではない。例えば、曇り判定のためのパラメータが或る数値を示す1つの段階において、その段階に対応して防曇手段Aを作動させた後に、曇り判定のためのパラメータの数値が変化した後の別の段階において、先の防曇手段Aに加えて防曇手段Bをも作動させるような場合には、防曇手段Aと、防曇手段A+防曇手段Bとは異なるレベルの防曇手段とみなしている。
【0019】
これらの点について更に具体的に説明する。図1に制御の手順を示す本発明の制御方法の第1実施例においては、曇り判定のためのパラメータとしてフロントガラスの内面の相対湿度(RHW)を取り上げている。従って、ステップ11においてDEFスイッチをONにする操作が行われた時には、ステップ12において後述のようなセンサと、マイクロコンピュータ等からなる自動制御手段によってRHWの数値を計測すると共に、ステップ13以下の処理において、検出されたRHWの数値を所定の2個の閾値と比較する。
【0020】
なお、ステップ12における処理としてRHWを検出するための手段はどのようなものでもよいが、例えば次のような3つの検出手段から1つを選択して使用することができる。即ち、第1の検出手段は車室内の温度及び相対湿度とガラス内面の表面温度をそれぞれ検出し、それらの検出値から計算によってRHWの値を推定するものである。ガラス内面の表面温度は温度センサをガラスの内面に取り付けて直接に計測することができるほか、車室内外の気温と車速及び日射量から推定することもできる。第2の検出手段はガラスの内面に直接に温度センサと湿度センサとを取り付けて、それらの検出値からRHWを算出するものである。第3の検出手段として、毛髪湿度計のように相対湿度を直接に計測することができるものをガラス等の内面に貼り付けて使用する場合には、検出手段の構成を簡単なものとすることができる。
【0021】
このようにして得られたRHWの数値は、フロントガラス等の曇りの程度を判定するためのためのパラメータとして使用することができる。理論的にはRHWの値が100%になった時にはじめてフロントガラスに曇りが発生する訳であるが、現実には計測或いは算出されるRHWの数値が100%以下であっても曇りが発生することがあるし、曇りの程度も様々であるから、第1実施例においてはRHWに対して85%と95%という2つの閾値を設定して、それらの閾値と検出されたRHWの数値とを比較し、そのRHWの値がRHW<85%(Low)と、85%≦RHW<95%(Mid)と、95%≦RHW(Hi)という3つの段階のいずれにあるかということを判定して層別を行なう。具体的には図1におけるステップ13からステップ17までの処理を実行することになる。言うまでもなく,これらの閾値の具体的な数値や設定する閾値の数等の制御内容は対象とする車種に応じて適宜に決定されるものである。
【0022】
そして、その時に検出されたRHWの数値がどの段階にあるかという判定結果により、つまり層別に応じて、相互にレベルの異なるステップ14、ステップ16、及びステップ17のいずれかの防曇手段を自動的に作動させる。このような判定と処理は、ステップ18において運転者等がDEFスイッチをOFFにする操作を行なったと判定されるまで続けられる。
【0023】
ステップ14、ステップ16、或いはステップ17において自動的に作動される相互にレベルの異なる複数の防曇手段を構成する個々の防曇手段の具体的な例が次の表1に示されている。この例では、個々の防曇手段として、
1. 通風装置における空気の吹き出し口をデフロスト吹き出し口に切り替えて、空気をフロントガラスの内面に沿って流出させること、
2. 通風装置を外気導入(FRS)モードに切り替えて、車室外から取り入れた新鮮な空気を吹き出すこと、
3. 通風装置に付設された冷房装置を含む車両用空調装置(A/C)を作動させて、吹き出す空気の絶対湿度を低下させること、
4. 通風装置における送風機の回転数を最大限に上昇させて、吹き出し口から吹き出す空気量(風量)を増加させること、
5. その他の防曇手段として、通風装置に付設された暖房装置等を作動させて吹き出す空気の温度を高めるとか、ガラスに直接に電熱線を印刷等の方法で設けて、それに通電して発熱させること、
等の複数の手段を利用することができる。
【0024】
複数の異なるレベルの防曇手段を実現するためには、それらの個々の防曇手段を1つずつ追加して行くとか、冷房装置のような強力な防曇手段を作動させる場合には、他の防曇手段をOFFにすることによって動力の無駄な消費を抑制する。このようにそれぞれの曇りの段階に応じて最適のレベルの防曇手段を自動的に作動させることによって、確実に防曇効果を発揮させると共に、きめの細かい制御によって車室内の快適性を高めることができる。
【0025】
【表1】
【0026】
前述の第1実施例においてはフロントガラスの内面の相対湿度(RHW)に対して2個の閾値を設定することにより、3段階に層別したそれぞれの状態に応じて最適の、相互に異なる複数のレベルの防曇手段のうちの一つを自動的に選択して、それを自動的に作動させているが、閾値の数は2個に限られず、それよりも多くして段階の数を増加させたほうが精密な制御が可能になるので好ましいことは言うまでもない。
【0027】
しかしながら、閾値の数を増加させて制御を複雑にするとシステムが高価なものになるという一面もあるので、次に説明する本発明の第2実施例においては、制御を簡略化するために閾値を唯1個としている。この場合は、現在の状態がその閾値を超えているか否かによってHiレベル及びLowレベルの2つの段階に層別して、それぞれの段階の状態にふさわしい防曇手段を作動させる。それによって、少なくともLowレベルの場合に過度の防曇手段が作動することによって発生する弊害を除くことができるし、Hiレベルの場合に十分に高い防曇効果が得られるようになる。第2実施例を更に具体的にした例を次の表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
表2に示す第2実施例の制御においては、防曇対象とするフロントガラスの内面の相対湿度(RHW)についての閾値を1個だけ設定し、検出されたRHWの数値がそれよりも高い状態をHiレベルと定義すると共に、その閾値よりも低い状態をLowレベルと定義する。そして、それぞれの段階にふさわしく、Lowレベルの状態では空気の吹き出し口をデフロスト吹き出し口に切り替えるという軽度の防曇手段のみを作動させるが、Hiレベルの状態ではその他の全ての防曇手段を同時に作動させて強力な防曇効果を発揮させる。
【0030】
このように、検出されたフロントガラスの内面の相対湿度(RHW)の数値が設定された閾値に対して高いか或いは低いかによって、ガラスの曇りの程度を段階別に層別して、それぞれの状態にふさわしい防曇手段を作動させるので、閾値の数と、それよりも多くなる段階(レベル)の数は自由に選ぶことができる。第1実施例における閾値の数は2個、第2実施例の閾値の数は1個であるが、車種等に応じて閾値の数を3個或いはそれ以上とすることができる。
【0031】
本発明の制御方法の第3実施例を図2に示す。第1実施例及び第2実施例においては「曇り判定のためのパラメータ」としてフロントガラスの内面の相対湿度(RHW)を検出して、その数値の高さに応じて複数の異なるレベルの防曇手段の一つを自動的に選択すると共に自動的に作動させるが、第3実施例においてはRHWの代わりにフロントガラスの曇りの程度を実際に検出して、その程度を示す数値の高さに応じて複数の異なるレベルの防曇手段の一つを自動的に選択してそれを自動的に作動させる点に特徴がある。
【0032】
ガラスの曇りの程度を実際に検出するためには、例えば結露センサをフロントガラスの内面に取り付けるという手段をとることができる。それによって曇りの程度を区別して検出することが可能である。同じ目的において、ガラスの内外にそれぞれ外光の量を検出する光センサを外向きに取り付けて、それらが検出する外光量の差からガラスの曇りの程度を算出するとか、フロントガラスの内面に付着した水分の量を物理的に、或いは化学的に検出して、それらを「曇り判定のためのパラメータ」として、曇りの程度を計測することもできる。
【0033】
図2のステップ22において、いずれかの手段によってガラスの曇りの度合いを直接的に示す「曇り判定のためのパラメータ」の数値が検出されると、あとはその数値を所定の2個の閾値と比較してレベル1からレベル3までの3つの段階に層別し、図1に示した第1実施例と同様な処理を行なうことになる。その内容は明らかであるから詳細な説明を省略する。第3実施例においても前述の各実施例の場合と同様な作用効果を奏することができる。また、閾値の数を増やして制御の精度を高めるとか、それと反対に閾値の数を少なくして制御を簡略化するということも同様に可能である。
【0034】
以上の実施例の他に、他の実施例として、車室内の空気の露点温度とフロントガラスの内面の露点温度との差を「曇り判定のためのパラメータ」として、その数値の高さによってフロントガラスの曇りの程度についての層別を行い、それぞれの段階に応じて複数の異なるレベルの防曇手段のうちの一つを自動的に選択して作動させるという方法もある。この場合も前述の実施例と同様な作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御方法の第1実施例を示すフローチャートである。
【図2】本発明の制御方法の第3実施例を示すフローチャートである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の防曇手段に係り、特に、自動車のような車両に装備されている複数種類の防曇手段の運転を制御するための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
閉じられた車室空間を有する自動車のような車両において、フロントガラス等が水分の凝縮及び付着によって曇った時には、車両の運転者は車両の通風装置に設けられた着霜防止用のデフロスト(DEF)スイッチを押すことが多い。それによって車室内の空気の流れ方がDEFモードになり、フロントガラスに接近してその内面の下方等に開口するように設けられたスリット状のデフロスト吹き出し口が開き、空気をフロントガラスの内面に沿って吹き出すので、空気の流れによってフロントガラスの内面における相対湿度が低下して曇りが除去される。
【0003】
更に、DEFモード時に運転者が車両用の暖房装置や冷房装置のスイッチを手動で操作してそれらを作動させると、デフロスト吹き出し口から吹き出される空気そのものの相対湿度或いは絶対湿度が低下するとか、暖房装置を運転する場合にはガラス面の温度が高くなるので、本来の目的のようにフロントガラスの外面の着霜による曇りを除去することができる。従来の大半の車両はいずれもこのような基本的な防曇手段を備えており、通常はそれらを全て運転者の手動操作によって作動させるが、例外的なものとして、DEFモード時には自動的に送風機の回転数を高めて吹き出す空気量(風量)を増加させるという程度の自動制御を行なうものもある(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62−26709号公報
【特許文献2】
特開平1−293219号公報
【0005】
また、北米のような特定の地方において使用される車両では、DEFスイッチを視界確保用のスイッチと見做して、運転者がDEFスイッチをONにしてDEFモードを選択することにより、車両の通風装置の空気吹き出し口がフロントガラスの下部等に設けられたデフロスト吹き出し口に切り替わると同時に、暖房装置及び冷房装置を含む車両用空調装置を作動させて、デフロスト吹き出し口から吹き出す空気の湿度を低下させるとか、送風機の回転数を上昇させて風量を増加させるとか、或いは外気導入(FRS)モードへの切り替えを行なうというような制御を自動的に連動させて実行することにより、最大限の防曇効果を発揮させるように設定されているものもある(例えば、特許文献3及び4参照)。
【0006】
【特許文献3】
特開平5−147436号公報
【特許文献4】
特開平5−238255号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようにDEFスイッチに連動して強力な防曇手段を自動的に作動させるように構成された従来の車両用防曇手段によれば、運転者がDEFスイッチをONにするという操作を行なうだけで強力な防曇効果が得られて、直ちに明快な視界が確保されるという利点がある反面、運転者の好みによっては、防曇の必要がない時に単に空気の吹き出し口をデフロスト吹き出し口に切り替えたいというような場合もあるので、そのような運転者がDEFスイッチをONにしてDEFモードにすると、同時に無用の強力な防曇手段が自動的に作動して、運転者及び乗員の頭部周辺の温度が上昇するとか、送風機の騒音レベルが高くなるとか、必要以上に車室内の空気が乾燥するというように、運転状態によっては不快な車室内環境が形成され、それによって無駄な動力を消費するという問題がある。
【0008】
このように従来の車両においては、通風装置の空気吹き出し口をデフロスト吹き出し口に切り替えるためのDEFスイッチに対して、他の特定の防曇手段が連動して作動するように構成されているか、或いは複数の防曇手段を全く連動させることなく、それぞれ独立に運転者が手動操作をするようになっているかのいずれかであって、前者は便利である反面、却って不自由な場合もあり、後者は運転者が自由に操作をすることができるという反面、自動的に操作が行なわれないために不便であって、防曇手段についての運転者の知識が足りない場合には効果的に防曇手段を利用することができないという場合も考えられる。
【0009】
本発明は、従来技術における前述のような問題に鑑み、新規な手段によってそれらの問題を解消して、運転者が単にDEFスイッチ或いはそれに代わるものを操作するだけで、或いは自動制御手段によって同様な操作が行なわれた時に、自動的に最適の防曇手段を作動させることによって、どのような運転条件下においても、また、どのような運転者であっても、常にフロントガラス等の曇りを確実に除去して明快な視界が得られるようにすると共に、快適な車室内環境が形成されるようにすることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、この課題を解決するための手段として特許請求の範囲の請求項1に記載された車両用防曇手段の制御方法を提供する。
【0011】
本発明の車両用防曇手段の制御方法においては、運転者の操作或いは自動制御手段によって車両に設けられた通風装置のデフロストスイッチがONとされた時に、防曇対象であるガラスの曇りの程度を示す曇り判定のためのパラメータを検出した後に、パラメータの数値の高さに応じてガラスの曇りの程度を予め定められた複数の段階に層別すると共に、それぞれの段階に対して最適のものとして予め設定された複数の異なるレベルの防曇手段の一つを自動的に選択して作動させる。
【0012】
従って、運転者の操作によってDEFスイッチがONとされた場合のように、通風装置の空気の吹き出し口がデフロスト吹き出し口に切り替えられた時は、どのような運転条件下にあっても、また、どのような運転者であっても、最適の防曇手段が自動的に作動して、防曇対象のガラスの曇りを確実に除去して明快な視界が得られると共に、快適な車室内環境が形成される。
【0013】
曇り判定のためのパラメータとして、防曇対象であるガラスの内面における相対湿度、ガラスに取り付けられた結露センサの検出値、或いは、ガラスの内面における露点温度と車室内の空気の露点温度との差を使用することができる。これらのいずれかの場合において、車室内の温度及び湿度とガラスの内面温度を検出して制御のために使用することもできる。また、ガラスの表面に直接に取り付けたセンサによって温度及び湿度を検出してもよいが、車室内外の温度と、車速及び日射量からガラスの温度を推定することも可能である。
【0014】
防曇対象であるガラスの曇りの程度に関する層別された段階毎に複数の異なるレベルの防曇手段うちの一つを自動的に選択して作動させるために、防曇手段として、通風装置の空気の吹き出し口をデフロスト吹き出し口に切り替えること、通風装置を外気導入モードに切り替えること、通風装置の送風機の回転数を上昇させること、通風装置に付設された冷房装置を作動させること、通風装置に付設された暖房装置を作動させること、及びガラスに直接に設けられた電熱線を発熱させることの少なくとも一部を単独に、或いは適宜に組み合わせて使用することができる。それによって、それぞれの段階に最もふさわしい防曇手段を作動させることが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の幾つかの好適な実施例について詳細に説明する。本発明の車両用防曇手段の制御方法においては、基本的に、運転者が手動で車両のDEFスイッチ或いはそれに代わるものを操作して、車両の通風装置の空気の吹き出し口をデフロスト吹き出し口に切り替えた時に制御が開始されるが、何らかの自動的な手段によってDEFスイッチ或いはそれに代わるものがONになった時に制御が開始されるようにしてもよい。
【0016】
本発明の制御方法の特徴は、フロントガラス等の防曇対象に実際に曇りが発生した時にその曇りの程度を示す特定の数値か、或いは、防曇対象に曇りが発生する湿度や温度、空気の流速等の条件が成立した時に、発生すると予測される曇りの程度を示す数値を有する特定の物理的な指標、或いは化学的な指標を選んで、これを「曇り判定のためのパラメータ」として取り上げること、及び運転者がDEFスイッチをONにするか、或いはそれに相当する操作が行われた時に、曇り判定のためのパラメータの数値をセンサ類によって検出すると共に、そのパラメータの数値を自動制御手段によって監視していて、検出された数値と予め設定された1個或いは2個以上の閾値とを比較して、パラメータの数値が閾値を超えているか否かを判定することによって、ガラスの曇りの程度が予め設定した複数の段階のいずれにあたるかを判定して層別し、それぞれの段階に応じて予め設定した複数の異なるレベルの防曇手段のうちの一つを自動的に選択して作動させる点にあるので、この「曇り判定のためのパラメータ」としてどのようなものを使用するかということが第1の重要事項になる。
【0017】
本発明においては、前述のように、DEFスイッチがONになったか、或いはそれに相当する操作が行われた時には、曇り判定のためのパラメータを監視していて、そのパラメータの数値を1個或いは2個以上の閾値と比較して、ガラスの曇りに関して現在の状態が予め定められたどの段階に属するかということを判定して層別を行なう点に特徴があるので、どのような数値の閾値を何個設定するかということも重要である。
【0018】
更に、本発明においては、検出された曇り判定のためのパラメータの数値を、予め設定された1個或いは2個以上の閾値と比較して、パラメータの数値が閾値を超えているか否かによって、即ち、層別に、それぞれ複数の異なるレベルの防曇手段の一つを自動的に選択して作動させる点に特徴があるので、それぞれの段階に応じてどのような防曇手段を作動させるかということを予め決めておくことが重要になる。この場合に複数の異なるレベルの防曇手段の一つを自動的に選択して作動させるというのは、層別後の異なる段階のそれぞれに対して全く異なる別の防曇手段を自動的に選択して使用することだけを指しているのではない。例えば、曇り判定のためのパラメータが或る数値を示す1つの段階において、その段階に対応して防曇手段Aを作動させた後に、曇り判定のためのパラメータの数値が変化した後の別の段階において、先の防曇手段Aに加えて防曇手段Bをも作動させるような場合には、防曇手段Aと、防曇手段A+防曇手段Bとは異なるレベルの防曇手段とみなしている。
【0019】
これらの点について更に具体的に説明する。図1に制御の手順を示す本発明の制御方法の第1実施例においては、曇り判定のためのパラメータとしてフロントガラスの内面の相対湿度(RHW)を取り上げている。従って、ステップ11においてDEFスイッチをONにする操作が行われた時には、ステップ12において後述のようなセンサと、マイクロコンピュータ等からなる自動制御手段によってRHWの数値を計測すると共に、ステップ13以下の処理において、検出されたRHWの数値を所定の2個の閾値と比較する。
【0020】
なお、ステップ12における処理としてRHWを検出するための手段はどのようなものでもよいが、例えば次のような3つの検出手段から1つを選択して使用することができる。即ち、第1の検出手段は車室内の温度及び相対湿度とガラス内面の表面温度をそれぞれ検出し、それらの検出値から計算によってRHWの値を推定するものである。ガラス内面の表面温度は温度センサをガラスの内面に取り付けて直接に計測することができるほか、車室内外の気温と車速及び日射量から推定することもできる。第2の検出手段はガラスの内面に直接に温度センサと湿度センサとを取り付けて、それらの検出値からRHWを算出するものである。第3の検出手段として、毛髪湿度計のように相対湿度を直接に計測することができるものをガラス等の内面に貼り付けて使用する場合には、検出手段の構成を簡単なものとすることができる。
【0021】
このようにして得られたRHWの数値は、フロントガラス等の曇りの程度を判定するためのためのパラメータとして使用することができる。理論的にはRHWの値が100%になった時にはじめてフロントガラスに曇りが発生する訳であるが、現実には計測或いは算出されるRHWの数値が100%以下であっても曇りが発生することがあるし、曇りの程度も様々であるから、第1実施例においてはRHWに対して85%と95%という2つの閾値を設定して、それらの閾値と検出されたRHWの数値とを比較し、そのRHWの値がRHW<85%(Low)と、85%≦RHW<95%(Mid)と、95%≦RHW(Hi)という3つの段階のいずれにあるかということを判定して層別を行なう。具体的には図1におけるステップ13からステップ17までの処理を実行することになる。言うまでもなく,これらの閾値の具体的な数値や設定する閾値の数等の制御内容は対象とする車種に応じて適宜に決定されるものである。
【0022】
そして、その時に検出されたRHWの数値がどの段階にあるかという判定結果により、つまり層別に応じて、相互にレベルの異なるステップ14、ステップ16、及びステップ17のいずれかの防曇手段を自動的に作動させる。このような判定と処理は、ステップ18において運転者等がDEFスイッチをOFFにする操作を行なったと判定されるまで続けられる。
【0023】
ステップ14、ステップ16、或いはステップ17において自動的に作動される相互にレベルの異なる複数の防曇手段を構成する個々の防曇手段の具体的な例が次の表1に示されている。この例では、個々の防曇手段として、
1. 通風装置における空気の吹き出し口をデフロスト吹き出し口に切り替えて、空気をフロントガラスの内面に沿って流出させること、
2. 通風装置を外気導入(FRS)モードに切り替えて、車室外から取り入れた新鮮な空気を吹き出すこと、
3. 通風装置に付設された冷房装置を含む車両用空調装置(A/C)を作動させて、吹き出す空気の絶対湿度を低下させること、
4. 通風装置における送風機の回転数を最大限に上昇させて、吹き出し口から吹き出す空気量(風量)を増加させること、
5. その他の防曇手段として、通風装置に付設された暖房装置等を作動させて吹き出す空気の温度を高めるとか、ガラスに直接に電熱線を印刷等の方法で設けて、それに通電して発熱させること、
等の複数の手段を利用することができる。
【0024】
複数の異なるレベルの防曇手段を実現するためには、それらの個々の防曇手段を1つずつ追加して行くとか、冷房装置のような強力な防曇手段を作動させる場合には、他の防曇手段をOFFにすることによって動力の無駄な消費を抑制する。このようにそれぞれの曇りの段階に応じて最適のレベルの防曇手段を自動的に作動させることによって、確実に防曇効果を発揮させると共に、きめの細かい制御によって車室内の快適性を高めることができる。
【0025】
【表1】
【0026】
前述の第1実施例においてはフロントガラスの内面の相対湿度(RHW)に対して2個の閾値を設定することにより、3段階に層別したそれぞれの状態に応じて最適の、相互に異なる複数のレベルの防曇手段のうちの一つを自動的に選択して、それを自動的に作動させているが、閾値の数は2個に限られず、それよりも多くして段階の数を増加させたほうが精密な制御が可能になるので好ましいことは言うまでもない。
【0027】
しかしながら、閾値の数を増加させて制御を複雑にするとシステムが高価なものになるという一面もあるので、次に説明する本発明の第2実施例においては、制御を簡略化するために閾値を唯1個としている。この場合は、現在の状態がその閾値を超えているか否かによってHiレベル及びLowレベルの2つの段階に層別して、それぞれの段階の状態にふさわしい防曇手段を作動させる。それによって、少なくともLowレベルの場合に過度の防曇手段が作動することによって発生する弊害を除くことができるし、Hiレベルの場合に十分に高い防曇効果が得られるようになる。第2実施例を更に具体的にした例を次の表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
表2に示す第2実施例の制御においては、防曇対象とするフロントガラスの内面の相対湿度(RHW)についての閾値を1個だけ設定し、検出されたRHWの数値がそれよりも高い状態をHiレベルと定義すると共に、その閾値よりも低い状態をLowレベルと定義する。そして、それぞれの段階にふさわしく、Lowレベルの状態では空気の吹き出し口をデフロスト吹き出し口に切り替えるという軽度の防曇手段のみを作動させるが、Hiレベルの状態ではその他の全ての防曇手段を同時に作動させて強力な防曇効果を発揮させる。
【0030】
このように、検出されたフロントガラスの内面の相対湿度(RHW)の数値が設定された閾値に対して高いか或いは低いかによって、ガラスの曇りの程度を段階別に層別して、それぞれの状態にふさわしい防曇手段を作動させるので、閾値の数と、それよりも多くなる段階(レベル)の数は自由に選ぶことができる。第1実施例における閾値の数は2個、第2実施例の閾値の数は1個であるが、車種等に応じて閾値の数を3個或いはそれ以上とすることができる。
【0031】
本発明の制御方法の第3実施例を図2に示す。第1実施例及び第2実施例においては「曇り判定のためのパラメータ」としてフロントガラスの内面の相対湿度(RHW)を検出して、その数値の高さに応じて複数の異なるレベルの防曇手段の一つを自動的に選択すると共に自動的に作動させるが、第3実施例においてはRHWの代わりにフロントガラスの曇りの程度を実際に検出して、その程度を示す数値の高さに応じて複数の異なるレベルの防曇手段の一つを自動的に選択してそれを自動的に作動させる点に特徴がある。
【0032】
ガラスの曇りの程度を実際に検出するためには、例えば結露センサをフロントガラスの内面に取り付けるという手段をとることができる。それによって曇りの程度を区別して検出することが可能である。同じ目的において、ガラスの内外にそれぞれ外光の量を検出する光センサを外向きに取り付けて、それらが検出する外光量の差からガラスの曇りの程度を算出するとか、フロントガラスの内面に付着した水分の量を物理的に、或いは化学的に検出して、それらを「曇り判定のためのパラメータ」として、曇りの程度を計測することもできる。
【0033】
図2のステップ22において、いずれかの手段によってガラスの曇りの度合いを直接的に示す「曇り判定のためのパラメータ」の数値が検出されると、あとはその数値を所定の2個の閾値と比較してレベル1からレベル3までの3つの段階に層別し、図1に示した第1実施例と同様な処理を行なうことになる。その内容は明らかであるから詳細な説明を省略する。第3実施例においても前述の各実施例の場合と同様な作用効果を奏することができる。また、閾値の数を増やして制御の精度を高めるとか、それと反対に閾値の数を少なくして制御を簡略化するということも同様に可能である。
【0034】
以上の実施例の他に、他の実施例として、車室内の空気の露点温度とフロントガラスの内面の露点温度との差を「曇り判定のためのパラメータ」として、その数値の高さによってフロントガラスの曇りの程度についての層別を行い、それぞれの段階に応じて複数の異なるレベルの防曇手段のうちの一つを自動的に選択して作動させるという方法もある。この場合も前述の実施例と同様な作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御方法の第1実施例を示すフローチャートである。
【図2】本発明の制御方法の第3実施例を示すフローチャートである。
Claims (8)
- 車両に設けられた通風装置のデフロストスイッチがONとされた時に、防曇対象であるガラスの曇りの程度を示す曇り判定のためのパラメータを検出した後に、パラメータの数値の高さに応じて曇りの程度を予め定められた複数の段階に層別すると共に、それぞれの段階に対して最適のものとして設定された異なるレベルの複数の防曇手段の一つを自動的に選択して作動させることを特徴とする車両用防曇手段の制御方法。
- 請求項1において、前記曇り判定のためのパラメータとして防曇対象である前記ガラスの内面における相対湿度を使用することを特徴とする車両用防曇手段の制御方法。
- 請求項1において、前記曇り判定のためのパラメータとして防曇対象である前記ガラスに取り付けられた結露センサの検出値を使用することを特徴とする車両用防曇手段の制御方法。
- 請求項1において、前記曇り判定のためのパラメータとして防曇対象である前記ガラスの内面における露点温度と車室内の空気の露点温度との差を使用することを特徴とする車両用防曇手段の制御方法。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、車室内の温度及び湿度と前記ガラスの内面温度を検出して制御のためにそれぞれの検出値を使用することを特徴とする車両用防曇手段の制御方法。
- 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記ガラスの表面に直接に取り付けられたセンサによって温度及び湿度を検出することを特徴とする車両用防曇手段の制御方法。
- 請求項1ないし6のいずれかにおいて、車室内外の温度と車速と日射量から前記ガラスの温度を推定することを特徴とする車両用防曇手段の制御方法。
- 請求項1ないし7のいずれかにおいて、防曇手段として、通風装置の空気の吹き出し口をデフロスト吹き出し口に切り替えること、通風装置を外気導入モードに切り替えること、通風装置の送風機の回転数を上昇させること、通風装置に付設された冷房装置を作動させること、通風装置に付設された暖房装置を作動させること、及びガラスに直接に設けられた電熱線を発熱させることの少なくとも一部を、層別された前記段階に応じて単独に、或いは組み合わせて使用することを特徴とする車両用防曇手段の制御方法。
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