JP2009061053A - ドラム式洗濯乾燥機 - Google Patents
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Abstract
【課題】霧化ユニットで発生したミストを、回転ドラム内に導入して充満させ、衣類表面を効果的に湿らせることにより、優れたシワ低減効果を発揮するとともに、ミスト発生量が変化しても、回転ドラム内に導入させるミスト量を一定範囲に保つことができるドラム式洗濯乾燥機を提供する。
【解決手段】霧化ユニット30で発生させたミスト20を導風口18から回転ドラム4に形成された底壁透孔4fを通じて回転ドラム4内に導入しながら、回転ドラム4の正逆方向の回転により洗濯物を導風口18に対向する回転ドラム4の底壁部分に持ち上げ、底壁透孔4fを通じて導入されるウェットミストを洗濯物に接触させつつ、ウェットミストに接触する面を入れ替えるとともに、回転の切り換え時に回転ドラム4を一時停止させて、その間に底壁透孔4fを通じて回転ドラム4内にドライミストを導入する。
【選択図】図7
【解決手段】霧化ユニット30で発生させたミスト20を導風口18から回転ドラム4に形成された底壁透孔4fを通じて回転ドラム4内に導入しながら、回転ドラム4の正逆方向の回転により洗濯物を導風口18に対向する回転ドラム4の底壁部分に持ち上げ、底壁透孔4fを通じて導入されるウェットミストを洗濯物に接触させつつ、ウェットミストに接触する面を入れ替えるとともに、回転の切り換え時に回転ドラム4を一時停止させて、その間に底壁透孔4fを通じて回転ドラム4内にドライミストを導入する。
【選択図】図7
Description
本発明は、霧化ユニットを備え、乾燥された衣類等の洗濯物にミストを供給して、衣類等に入ったシワを低減するドラム式洗濯乾燥機に関するものである。
従来、乾燥工程で、衣類等の洗濯物が入った回転ドラムを高速度で回転させ、乾燥させる間において、洗濯物が回転ドラムの内側壁などに張り付きながら乾燥されるため、乾燥された後の衣類等にシワが入るのが避けられず、このような衣類等をさらにハンガー等に架けて干す際にシワを伸ばすための手間を加えたり、さらにその後にアイロンがけを行ったりといったことが必要であった。
そこで、最近、微細な液滴からなるミストを発生する霧化ユニットを備え、衣類等の入った回転ドラムにミストを導入して、乾燥工程で衣類等に入った静電気やシワを低減する洗濯乾燥機が開発されており、例えば、下記特許文献1に示されるような構成を有するものが知られている。
特許文献1に開示された洗濯乾燥機40では、図8に示すように、筐体41内部に弾性的に吊支した外槽42と、外槽42内に回転自在に配設されて洗濯物を収容する内槽43と、内槽43内に温風を送風する送風手段44(循環用送風機)と、送風手段44により送風される空気を加熱する加熱手段45と、熱交換器を有し、送風手段44による温風を循環させる温風循環経路46とを備え、噴霧装置47が、温風循環経路46(温風供給路)の加熱手段45(ヒータ)を経た内槽43への温風供給口48近傍に設けられ、乾燥工程において温風循環経路内へミストを噴霧するよう構成されている。そして、乾燥工程にて衣類を撹拌した際に発生する静電気を除去し、静電気による人体への不快感を解消するとともに、乾燥終了後の衣類のシワを低減することができるとされている。
また、特許文献2に開示された衣類乾燥機50では、図9に示すように、衣類を収納する乾燥室51と、この乾燥室51内に供給する温風を発生する温風発生機構(ブロア53、ヒータ54)や乾燥室51内に供給する電解ミストを発生する電解ミスト発生機構(エアポンプ55、電解ミスト発生器56)およびそれらの制御部57を備え、電解ミスト発生機構から発生した電解ミストを温風発生機構の加熱手段(ヒータ54)の後段(下流側)に供給して、加熱手段(ヒータ54)からの熱風と混合することにより電解ミストを高温化して乾燥室51に供給している。このような衣類乾燥機によれば、乾燥とともに脱臭を行うことができ、省スペース、低コスト化が可能で、長期間の使用による脱臭性能の低下も問題とならないとされている。
特開2003−311067号公報
特開2006−158585号公報
霧化ユニットにより発生するミストは、その粒径により浮遊性や表面張力(濡れ性)などの特性が異なる。すなわち、粒径10μm未満の超微細ミストは、ドライミストとも呼ばれ、極めて微細であるため、表面張力が高く、浮遊性が高いが、物に付着したときの濡れ性が低いといった特徴を有している。粒径10〜50μmの微細ミストは、ウェットミストとも呼ばれ、上記のドライミストと比較して粒子径が相対的に大きいため、表面張力が弱く、物に付着したときの濡れ性が高いといった特徴を有している。粒径50μmを越える比較的粗大なミストは、水滴に近い性質を持っている。
これらの中で、濡れ性に優れたウェットミストは、洗濯物である衣類等に付着して効率的に洗濯物を湿らせながら、乾燥過程で衣類等のシワを低減させることができるので、このウェットミストを多く含むミストを回転ドラム槽内に充満させることが、衣類等のシワを低減させる効果を得る上で重要である。また、霧化ユニットで発生するミストを衣類の置かれた場所にまで導き入れる際に、導入管路の管壁等にできるだけ衝突させることなく、すなわち、管壁等に凝結して損失されることなく、効率的に多くのミストを衣類の置かれた場所に送り込むことが重要である。
上記の特許文献1、2で開示された洗濯乾燥機や衣類乾燥機では、このような観点が欠如しており、したがって、必ずしも効率良く衣類等のシワを低減させたり、乾燥・脱臭したりすることができなかった。
しかも、特許文献1に開示された洗濯乾燥機40では、送風手段44が加熱手段45の上流側で、噴霧装置47に対向するように配置されており、送風手段44で発生した温風が噴霧装置47に直接当たるように構成されている。したがって、噴霧装置47から噴霧されたミストの一部はそのまま内槽43内の衣類に達するものの、その他の大部分は温風循環経路46の内壁面46aに衝突し、多くが内壁面46aで凝縮して水滴となって損失された後、内槽43へ達することになる。この洗濯乾燥機40では、ミストが内壁面46aに衝突するときの破砕効果によりマイナスイオンが発生して静電気の除電効果を高めることができるとしているが、噴霧装置47から噴霧されたミストの大部分が途中で消失して内槽43内の衣類にまで届かず、衣類を湿らせて、シワを有効に低減するのは困難であるという問題があった。
また、特許文献2に開示された衣類乾燥機50では、電解ミスト発生器56が乾燥室51の下部に設けられた機械室52に配置され、電解ミスト発生器56から発生した電解ミストをヒータ54の下流側に供給して、ヒータ54からの熱風と混合することにより電解ミストを高温化した上で、ダクト室59から上方に向けて放出し、複数のスリットや孔が形成された吹き出し部51a(乾燥室51の底板)を通して吹き出して乾燥室51に供給している。このような構成においては、吹き出し部51aに複数のスリットや孔が形成されているとは言え、大部分のミストはスリットや孔の形成されていない底板の下面に衝突して、凝縮して水滴となって損失されることになる。したがって、このような衣類乾燥機50では、電解ミスト発生器56から発生したミストの大部分が途中で消失して、乾燥室51内の衣類にまで届かないため、衣類を湿らせて、シワを低減することまではできないという問題があった。さらに、このように水滴が形成されて湿気たダクト室59に熱風が供給されるため、湿気の多い熱風が乾燥室51にも導入され、多少の脱臭効果は期待できても、衣類を十分に乾燥させることはできなかった。
本発明者らは、ミストを用いて洗濯物のシワを低減する方法について鋭意検討を行ってきた。本発明者らの詳細な検討によれば、洗濯物を適度に湿らせ、その後に乾燥させることにより、洗濯物のシワを伸ばすことが可能になる。すなわち、この洗濯物を湿らせる際に、乾燥率90〜96%(理想的には95%)にミストで均一に湿らせるとともに、乾燥する際に、乾燥率99%以上に乾燥させることが重要であることが分かってきた。なお、ここでいう乾燥率とは、洗濯する前の状態での洗濯物の重量を湿らせた後の洗濯物の重量で除した値に100を掛けて%表示したものである。
本発明者らが得た知見によると、洗濯物を乾燥率90〜96%で均一に湿らせることにより、洗濯物の繊維同士を結合する水素結合を解離させて、繊維同士が自由に動ける状態にすることができる。そして、この状態で回転ドラム内で回転されることによって、洗濯物に入っていたシワが伸ばされ、次に乾燥率99%以上に乾燥させることによって、シワが伸びた状態の繊維同士に新たな水素結合を形成させて繊維を固定することができる。すなわち、シワが確実にのばされた状態で洗濯物を乾燥させることができる。
さらに、本発明者らの詳細な検討によれば、洗濯物を湿らせる際に、ミストで乾燥率90〜96%に均一に湿らせることによって、洗濯物に付着していた臭い分子を脱離し、高温にしなくても、あるいはAgイオンの助けを借りなくても、容易に消臭できる効果のあることが分かってきた。すなわち、洗濯物を乾燥率90〜96%にミストで均一に湿らせることにより、洗濯物の繊維と臭い分子との結合がミストを構成する水分子により置換され、洗濯物表面に流れる空気の流れ(高温である必要はない)によって、繊維との結合が解かれた臭い分子が繊維表面から容易に脱離する。そして、脱離した臭い分子は、この空気の流れに連れ去られて回転ドラム内から循環送付経路内を運ばれ、凝縮器の配管内において周囲に存在する水分子とともに結露水中に捕捉され、最後には結露水とともに排水される。
しかしながら、ミストの発生手段として、超音波霧化方式を採用した場合、単位時間あたりのミスト発生量は、ミスト発生源となる水の温度、超音波振動子を駆動する発振回路部への入力電圧等の変化により増減する。例えば、1.6MHzで発振する超音波振動子を用いた場合、他の条件を固定し、水温のみを5℃から30℃に変化させると、ミスト発生量は約1.5倍になる。また、発振回路に入力する電圧のみを95Vから107Vに変化させると、ここでもミスト発生量は約1.5倍になる。通常、前述した水温変化、電圧変化は家庭内での普通の使用環境下においてに起こり得る変化であるため、仮に、ミスト発生量が最小となる条件で、洗濯物の乾燥率がシワのばしに最適な90〜96%の範囲になるように調整すると、ミスト発生量が最大となる条件ではミスト発生量が過剰になり、洗濯物の乾燥率70%近くまで低下し、なおかつ不均一に濡れてしまうため、ミストを用いる意味がなくなってしまう。逆に、ミスト発生量が最大となる条件で、洗濯物の乾燥率がシワのばしに最適な90〜96%の範囲になるように調整すると、ミスト発生量が最小となる条件では洗濯物が殆ど湿らず、洗濯物の乾燥率が99%程度にしかならないという問題があった。
また、ミスト発生量が過剰な場合、回転ドラムに導入される際に、ミスト中の粒径10〜50μmのウェットミストを主体とする濡れ性に優れたウェットミストが回転ドラムの底壁透孔に凝集されてトラップされ、透孔周辺に付着した水が洗濯物に直接付いたり、回転ドラム内に流れ込んだりして洗濯物をまだらに濡らすことになる。洗濯物を短時間に効果的に湿らすためには、ウェットミストを洗濯物に均一に接触させることが必要である。なお、ドライミストは、洗濯物に接触しても直接湿らすことはないが、浮遊性に富み、回転ドラム内に霧を充満した状態を維持できるため、高湿な雰囲気の中で、洗濯物との温度差により微細な水滴として洗濯物に結露することによって洗濯物の表面を湿らすことができる。
本発明は、以上のような課題に鑑みて為されたものであり、霧化ユニットで発生したミストを回転ドラム内に導入して充満させ、水の温度や発振回路部への入力電圧等が変化しても、衣類表面を効果的に乾燥率90〜96%に湿らせることにより、優れたシワ低減効果を発揮することができるドラム式洗濯乾燥機を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明のドラム式洗濯乾燥機は、多数の側壁透孔が形成され、洗濯物を収容して回転駆動される回転ドラムが水槽内に設けられ、該水槽内への給水、排水および前記回転ドラムの回転の制御により洗濯、すすぎ、脱水の各工程を実施するとともに、送風手段により前記水槽内の空気を除湿手段および加熱手段を備えた循環送風経路を通して循環させることにより洗濯物の乾燥工程を実施するドラム式洗濯乾燥機において、ミストを発生させる霧化ユニットを、前記循環送風経路から前記水槽に乾燥した空気を送り込む導風口に近接した上方の位置に備え、該霧化ユニットで発生させたミストを前記導風口から前記回転ドラムの底壁に形成された底壁透孔を通じて前記回転ドラム内に導入しながら、前記回転ドラム内で洗濯物を持ち上げる回転数で前記回転ドラムを正逆方向に交互に回転させて、前記回転ドラムの回転により洗濯物をミストが導入される導風口に対向した前記回転ドラムの底壁部分に持ち上げ、前記底壁透孔を通じて導入されるウェットミストを洗濯物に接触させ、かつ、正逆方向の回転の切り換えにより、洗濯物のウェットミストに接触する面を入れ替えるとともに、正逆方向の回転の切り換え時に一時的に前記回転ドラムの回転を停止させて、その間に前記底壁透孔を通じて前記回転ドラム内にドライミストを導入することを特徴とするものである。
請求項1に係る発明のドラム式洗濯乾燥機によれば、霧化ユニットで発生させたミストを導風口から回転ドラムの底壁に形成された底壁透孔を通じて回転ドラム内に導入しながら、回転ドラムを正逆方向に交互に回転させて、洗濯物をミストが導入される導風口に対向する回転ドラムの底壁部分に持ち上げつつ、ウェットミストに接触する面を入れ替えることにより、底壁透孔を通じて導入されるウェットミストを洗濯物の表面に均等に接触させて、均一に洗濯物表面を湿らせることができる。しかも、正逆方向の回転を切り換える時に、一時的に回転ドラムの回転を停止させて、その間に底壁透孔を通じてドライミストを回転ドラム内に導入することにより、ドライミストを回転ドラム内に充満した状態を維持しながら、高湿な雰囲気の中で、洗濯物との温度差により微細な水滴として洗濯物に結露させることによって洗濯物を湿らすことに寄与させることができる。
このようなウェットミストとドライミストの両者を用いて洗濯物表面を均一に湿らせることにより、水の温度や発振回路部への入力電圧等が変化しても、衣類表面を効果的に乾燥率90〜96%に湿らせることができるとともに、このような状態の衣類を乾燥することにより、衣類に入ったシワを効果的に低減することができる。
請求項2に係る発明のドラム式洗濯乾燥機は、請求項1に記載のドラム式洗濯乾燥機において、正逆方向の回転の切り換え時に一時的に前記回転ドラムの回転を停止させる一時停止時間を所定の周期で延長することにより、前記回転ドラム内に充満できるだけのドライミストを導入することを特徴とするものである。
請求項2に係る発明のドラム式洗濯乾燥機によれば、通常の一時停止時間を挟んで正逆方向の回転の切り換える基本周期動作を繰り返す中で、一時停止時間を延長する停止時間延長動作を所定の周期で組み入れることにより、ドライミストを回転ドラム内に導入して充満した状態とすることができ、ドライミストにより洗濯物を湿らせる効果が十分に発揮されることになる。これによって、衣類表面をより確実に乾燥率90〜96%に湿らせることができるようになり、このような状態の衣類を乾燥することにより、衣類に入ったシワを効果的に低減することができるようになる。
請求項3に係る発明のドラム式洗濯乾燥機は、請求項2に記載のドラム式洗濯乾燥機において、一時停止時間が延長される前記所定の周期が、通常の一時停止1〜10回に対して1回の割合であることを特徴とする請求項2に記載のドラム式洗濯乾燥機。
請求項3に係る発明のドラム式洗濯乾燥機によれば、通常の一時停止1〜10回に対して1回の割合で一時停止時間を延長することにより、ドライミストを回転ドラム内に導入して充満した状態とすることができ、ドライミストにより洗濯物を湿らせる効果が十分に発揮されることになる。時間延長動作が組み入れられる周期が通常の基本周期動作1回に対して1回を超えると、ドライミストが過剰に回転ドラム内に導入され、しかも、ミスト導入行程全体の時間が長くなるため、望ましくない。また、時間延長動作が組み入れられる周期が通常の基本周期動作10回に対して1回未満であると、ドライミストが回転ドラム内に導入される機会が減り、ドライミストにより洗濯物を湿らせる効果が十分に発揮されない。
請求項4に係る発明のドラム式洗濯乾燥機は、請求項2または3に記載のドラム式洗濯乾燥機において、一時停止時間が延長されるときの前記一時停止時間が、通常の一時停止時間の1.1〜5倍であることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明のドラム式洗濯乾燥機によれば、一時停止時間が延長されるときの一時停止時間を通常の一時停止時間の1.1〜5倍とすることにより、ドライミストを回転ドラム内に導入して充満した状態とすることができ、ドライミストにより洗濯物を湿らせる効果が十分に発揮されることになる。延長される一時停止時間の時間増が1.1倍未満であると、ドライミストの増量が少なく、ドライミストにより洗濯物を湿らせる効果が余り発揮されない。また、延長される一時停止時間の時間増が5倍を超えると、ドライミストにより洗濯物を湿らせる効果が十分に得られるものの、ミスト導入行程全体の時間が長くなるため望ましくない。なお、ミスト導入行程全体の時間を短くするため、通常の一時停止時間を短くして、延長される一時停止時間を長くする(時間増5倍以下の範囲内で延長)ことも有効である。
請求項5に係る発明のドラム式洗濯乾燥機は、請求項2〜4の何れか一項に記載のドラム式洗濯乾燥機において、一時停止時間が延長されるときの停止時間および周期が、前記回転ドラム内の洗濯物の量により予め設定されていることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明のドラム式洗濯乾燥機によれば、時間延長動作時の停止時間および時間延長動作の組み込み周期が、基本周期動作時の正逆方向への各回転数、各回転時間や一時停止時間などとともに、回転ドラム内の洗濯物の量に応じて予め設定されていることにより、回転ドラム内に投入されている洗濯物の量に応じて、適正なミスト導入行程における回転ドラムの動作条件、すなわち、基本周期動作時および時間延長動作時の正逆方向への各回転数、各回転時間および一時停止時間ならびに時間延長動作の組み込み周期が自動的に適切な値に設定され、短時間に効率的に、しかも均一に洗濯物を湿らせることができ、延いては、洗濯物のシワを確実にのばすことができる。
本発明によれば、洗濯物を適切な乾燥度に湿らせるためのミスト導入行程において、回転ドラムを上記のような基本周期動作と停止時間延長動作とを組み合わせたシーケンスにより動作させることにより、洗濯物を短時間に効率的に乾燥率90〜96%の範囲で均一に湿らせることができるため、乾燥後において確実にシワをのばすことができるドラム式洗濯乾燥機を提供することができる。さらに、本発明のドラム式洗濯乾燥機では、ミストを用いて湿らせているため、高い消臭効果をも同時に得ることができる。
以下、本発明のドラム式洗濯乾燥機に係る最良の実施の形態について、図面に基づき説明する。なお、下記に開示される実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、実施の形態で開示された内容ではなく、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれると解されるべきである。
まず、本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機の構造とその動作について、図1〜図4に基づき説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機の構造を説明するための側面断面図であり、図2は、ドラム式洗濯乾燥機の循環送風経路および霧化ユニットの配置を説明するための筐体背面側から見た斜視図である。また、図3は、ドラム式洗濯乾燥機の循環送風経路および霧化ユニットの構造を説明するための筐体背面側から見た一部を切り欠いて示す断面図であり、図4は、ドラム式洗濯乾燥機の霧化ユニットと水槽との接続構造を説明するための側面断面図である。
まず、本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機1は、洗濯乾燥機筐体2内に図示しないサスペンション構造によって水槽3が宙吊り状態に配設され、水槽3内に有底円筒形に形成された回転ドラム4がその軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設されている。水槽3の正面側には回転ドラム4の開口端に通じる衣類出入口が形成され、洗濯乾燥機筐体2の正面側に形成された上向き傾斜面に設けられた開口部を開閉可能に閉じる扉5を開くことにより、衣類出入口を通じて回転ドラム4内に対して洗濯物を出し入れすることができる。扉5が上向き傾斜面に設けられているため、洗濯物を出し入れする作業を、腰を屈めることなく実施でき、一般には横向きにある開口部から洗濯物を出し入れするドラム式洗濯機の作業性の悪さが改善されている。
回転ドラム4には、その周壁4aおよび底壁4bに水槽3内に通じる多数の透孔4cが形成されるととともに、その底壁4bには、水槽3に形成された導風口18に対向する円周方向に沿った複数位置に底面開口4dが形成されており、さらに、周壁4a内面の複数位置に攪拌突起4eが設けられている。この回転ドラム4は、水槽3の背面側に取り付けられたモータ6によって正転および逆転方向に回転駆動される。また、水槽3には、給水管路7および排水管路8が配管接続され、図示しない給水弁および排水弁の制御によって水槽3内への給水および水槽3内からの排水がなされる。
扉5を開いて開口部から回転ドラム4内に洗濯物および洗剤を投入して、ドラム式洗濯乾燥機1の運転を開始すると、水槽3内には給水管路7から所定量の注水がなされ、モータ6により回転ドラム4が回転駆動されて洗濯工程が開始される。回転ドラム4の回転により、回転ドラム4内に収容された洗濯物は回転ドラム4の内周壁に設けられた攪拌突起4eによって回転方向に持ち上げられ、持ち上げられた適当な高さ位置から落下する攪拌動作が繰り返されるので、洗濯物には叩き洗いの作用が及んで洗濯がなされる。
所要の洗濯時間が経過した後、汚れた洗濯液は排水管路8から排出され、回転ドラム4を高速で回転させる脱水動作により洗濯物に含まれた洗濯液を脱水し、その後、水槽3内に給水管路7から給水してすすぎ・脱水工程が実施される。このすすぎ・脱水工程においても、回転ドラム4内に収容された洗濯物は、回転ドラム4の回転により攪拌突起4eにより持ち上げられて落下する攪拌動作が繰り返され、すすぎ洗いが実施される。そして、すすぎ洗いを実施した後、再度、回転ドラム4を高速で回転させる脱水動作により洗濯物に含まれた水を脱水して、すすぎ・脱水工程を終了する。
このドラム式洗濯乾燥機1には、回転ドラム4内に収容した洗濯物を乾燥する機能が設けられ、水槽3内の空気を排気して除湿し、加熱した乾燥空気を再び水槽3内に送風する循環送風経路9が設けられている。この循環送風経路9の途中には、洗濯乾燥機筐体2内の下位の位置に、蒸発器10などの除湿手段、凝縮器11などの加熱手段および送風ファン12などの送風手段が設けられている。循環送風経路9は、水槽3から送風ファン12に至る間の循環空気導入管路13と、送風ファン12から水槽3に至る間の乾燥空気送風管路14とで構成されており、乾燥空気送風管路14おける水槽3底面に形成された導風口18に近接した上方の位置に後述する霧化ユニット30が接続されている。
乾燥空気送風管路14は、洗濯乾燥機筐体2内の後方(水槽3の背面側)の空間において、上流側から順に、下部管路15、可撓ダクト16および上部管路17をもって構成されており、上部管路17の下流端の下方に連通口17aが開口され、この連通口17aは水槽3の背面に設けられた導風口18に接続されている。上部管路17は、その下方部分においては筐体2の中央寄りに傾斜して立ち上げられ、途中で略90°屈曲されて、その上方部分においては水槽3の導風口18に向けて下方に傾斜している。可撓ダクト16は、可撓性を有する管材を用いて構成され、回転ドラム4の回転あるいは始動・停止に伴う下部管路15の振動が送風ファン12側に伝達されるのを防止している。蒸発器10で除湿され、凝縮器11で加熱された乾燥空気は、乾燥空気送風管路14を経由して、この導風口18から水槽3、およびその内部に位置する回転ドラム4に送り込まれる。
送風ファン12を高速で回転駆動することにより、循環送風経路9に空気の流れが発生して、洗濯物を収容した回転ドラム4内の湿気た空気は、周壁4aに設けられた透孔4cを通じて水槽3から送風ファン12側への循環空気導入管路13に排気され、送風ファン12の上流に位置する蒸発器10により水分を結露させて除湿されるとともに、凝縮器11との熱交換により加熱されることにより、高温の乾燥空気とされる。
この加熱された乾燥空気は、送風ファン12から水槽3への乾燥空気送風管路14に送り出されて、水槽3に設けられた導風口18を介して水槽3内に送り込まれる。水槽3内に送り込まれた高温の乾燥空気は、回転ドラム4の底壁4bに設けられた底面開口4dおよび透孔4cを通じて回転ドラム4内に導入され、衣類などの洗濯物の間を流通し、乾燥させながら、湿った空気となって周壁4aに設けられた透孔4cから水槽3へと抜け、再度、循環空気導入管路13へと導入される。このような循環送風経路9(循環空気導入管路13、乾燥空気送風管路14)での空気の循環により乾燥工程が実施される。
ここで、本実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機1には、後述する霧化ユニット30および、回転ドラム4を回転させながら乾いた衣類のシワをのばして低減させることを目的とした「シワのばしコース」が設けられている。この「シワのばしコース」においては、蒸発器10および凝縮器11を停止させ、回転ドラム4および送風ファン12の回転速度を通常の乾燥工程におけるよりも低速で回転させるとともに、霧化ユニット30を起動させることにより、霧化ユニット30で微細な液滴からなるミスト20を発生させ、このミスト20を乾燥空気送風管路14を流通する乾燥空気流に落とし込んで、詳しくは後述するが、ミスト20中に微細なウェットミストおよびドライミストが多く存在する状態で水槽3に送り込み、回転ドラム4内に導入する。このようにして、回転ドラム4内の隅々にまでミスト20を充満させ、衣類表面を効果的に湿らせて、乾燥状態にある衣類のシワを低減させるシワ低減効果を持たせた工程が実行される。さらに、その後、霧化ユニット30を停止させ、回転ドラム4および送風ファン12の回転速度を通常の乾燥工程と同じ速度にまで上昇させるとともに、蒸発器10および凝縮器11を動作させて、通常の乾燥運転を実施して、衣類を乾燥させながらその衣類のシワをのばすことができる。
また、上記の「シワのばしコース」においては、上記のようにミスト20でシワを低減することが可能であるとともに、さらに以下の原理により脱臭効果も期待できるものである。通常、臭いは、臭い成分が分子として衣類表面に付着している。例えば、タバコ、焼肉の臭いなどがそうであるが、この臭い分子にミスト20がぶつかることで、洗濯物の繊維と臭い分子との結合がミストを構成する水分子により置換され、洗濯物表面に流れる空気の流れ(高温である必要はない)によって、繊維との結合が解かれた臭い分子が繊維表面から容易に脱離する。そして、脱離した臭い分子は、この空気の流れに連れ去られて回転ドラム4内から循環送付経路9内を運ばれ、凝縮器11の配管内において周囲に存在する水分子とともに結露水中に捕捉され、最後には結露水とともに排水されることで、臭い分子が衣類に再付着することを防止し、脱臭することが可能となる。
次に、本発明に係る霧化ユニット30および「シワのばしコース」の構成について、図5、図6および前掲の図面に基づき説明する。図5は、本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機の霧化ユニットの構造を説明するための側面断面図であり、図6は、その背面断面図である。
霧化ユニット30は、水槽3の後方側に配置され、ミスト発生源としての水21(液体)を貯留する水溜め容器31(液体貯留容器)と、水溜め容器31に貯留された水21に対して超音波振動を加える超音波振動子32と、水溜め容器31に水21を注入する注水装置33(注液装置)と、水溜め容器31内の水温を測定する水温センサ35(液温センサ)と、を備えて構成されている。そして、霧化ユニット30の水溜め容器31が、水槽3の背面において導風口18に隣接した上方位置で、接続口31eを介して直接乾燥空気送風管路14(循環送風経路9)の上部管路17に接続されている。
水溜め容器31は、水槽3の背面外側に配置され、水溜め容器31の水槽3に対向する前方側の側壁31bが水槽3の背面に沿って鉛直方向に対して傾斜して形成され、後方側の側壁31bが洗濯乾燥機筐体2の背面パネルに沿って鉛直方向に形成され、水溜め容器31の底壁31a側が幅広に形成されている。
この水溜め容器31には、ミスト発生源としての水21が貯留されており、その上部にこの水21を注水装置33から注入する注水口31cが設けられ、上部管路17に対向する側の側壁31bに開口堰31dが設けられ、これにより、導風口18の上方部分で上部管路17に接続する接続口31eが設けられている。注水口31cから水溜め容器31内に注入された水21をこの開口堰31dから接続口31eを介して導風口18上方の上部管路17にオーバーフローさせることにより、簡単な構成で水溜め容器31内の水21を一定の水位に保つように構成している。なお、この開口堰31dからオーバーフローした水21は、接続口31e、上部管路17および導風口18を介して水槽3に送給され、排水管路8を経由して機外に排出される。
超音波振動子32は、超音波振動を発生させる圧電素子の振動面32aを水溜め容器31の底壁31aに密着させて配置されており、圧電素子を作動させることにより、超音波発信方向32b(振動面32aに垂直な方向)に超音波振動が伝達されて水溜め容器31内の水21に液柱22が形成される。なお、図6に示すように、超音波振動子32は、振動面32aが接続口31eの反対側に向くように傾斜して取り付けられているので、液柱22は、接続口31eの反対側の側壁32b内面方向に向いて形成される。この液柱22の形成に伴い、矢印で示すように水溜め容器31内の水21には液柱22に沿って上昇し、側壁31b内面に沿って下降および上昇する、水21および空気の対流が発生する。それとともに、この液柱22を通して伝達された超音波振動が水21の表面を微細に振動させ、これにより液柱22の先端付近の表面張力を弱めて、液柱22の微細な振動に応じた微細な液滴であるミスト20(霧)を発生させ、このミスト20は、前記した水21の対流運動に押し出されるようにして超音波発信方向32bに向けて放出され、水21および空気の対流に従って側壁31b内面に沿って下降および上昇し、その後、貯留された水21の表面および側壁31b内面に沿って接続口31eを介して導風口18上方の上部管路17に放出される。そして、上部管路17に放出されたミスト20は、すぐ下方の導風口18から水槽3に送り込まれ、さらに、回転ドラム4の底面開口4dを回転ドラム4内に導入される。
なお、液柱22は、上述したように接続口31eの反対側の側壁31b内面に向かって傾斜して形成されるので、液柱22によって水21が直接接続口31eを介して上部管路17内にこぼれてしまうのを防止することができため、水溜め容器31内の水21の余分な減少を防止することができる。
注水装置33は、水溜め容器31においてミスト20発生により消費された水21を補給するためのものであり、注水装置33の下方に設けられた給水口33aと水溜め容器31の注水口31cとの間は注水ホース34によって接続され、その間の適所に開閉弁(図示せず)を備えている。注水装置33は、霧化ユニット30を起動させた最初の段階で、開閉弁を開いて、水溜め容器31内に水が溜まるのに十分な所定時間だけ、注水装置33の給水口33aから注水ホース34を介して水21を送給するとともに、過剰な水21を側壁31bの開口堰31dからオーバーフローさせて、水溜め容器31内の水21を一定の水位に保つ。この起動初期における注水動作は、休止中に蒸発等により減った水溜め容器31内の水21を補充し、常に一定水位の状態下で霧化ユニット30を運転するためのものである。
水温センサ35は、サーミスタ等を用いて構成され、水溜め容器31内の水温を測定するものである。水温センサ35により測定された水温が所定温度(超音波振動子32の使用上限温度あるいはそれより少し低い温度に設定)を超えた場合には、注水装置33から水21を補給して、水温を下げ、常に水溜め容器31内の水温が上記の所定温度を超えないようにする。このように、注水装置33から水21を補給することにより、水溜め容器31内の水21が速やかに冷却され、特別な冷却装置を用いることなく、水溜め容器31内の水21が超音波振動子32の使用上限温度を超えないようにすることができる。なお、一定の時間周期で注水装置33から水21を補給し、常に水温の上昇を抑えるように動作させる場合には、水温センサ35を設けなくても良い。
ここで、回転ドラム4内の隅々にまでミスト20を充満させるには、ミスト20の浮遊性が重要となる。すなわち、十分な浮遊性を確保するためには、粒径が10μm未満のミスト20を用いるのが望ましい。ミスト20の粒径が10μm以上になると、ミスト20自身の重量により簡単に落下し、回転ドラム4内に充満させるには効率が悪い。しかし、粒径10μm以上のミスト20は、ウェットミストと呼ばれ、高い濡れ性を有するという特徴がある。すなわち、粒径10μm以上のウェットミストは、回転ドラム4内に導入するまでの途中の管路に衝突することにより、その管路に凝縮して付着しやすく、回転ドラム4内に到達するまでに量が減少してしまう。さらに、粒径10μm以上のウェットミスト同士が互いに結合して、さらに大きな粒径のミスト20になり、前記の管路への付着現象が顕著になる傾向がある。しかしながら、本実施の形態では、接続口31eを導風口18の上方近傍に位置させており、移動経路を極力短く設定しているため、ウェットミストの減少を極めて少量に抑えることができる。
一方、粒径10μm未満のミスト20は、ドライミストと呼ばれ、浮遊性が高く、粒径が小さいことから表面張力が大きく、低い濡れ性を有するという特徴があるため、途中の管路には付着せずに、効率的に回転ドラム4内にまで到達させ、回転ドラム4内を粒径10μm未満のミスト20で充満させることができる。しかしながら、粒径10μm未満のドライミストは、そのままでは濡れ性が低いので、回転ドラム4内に充満させても、衣類を十分に湿らせるまでには至らない。そこで、本実施の形態では、水溜め容器31内の水温をできるだけ高い温度(所定温度)に維持し、超音波振動子32を作動させてミスト20を発生させている。ミスト20を発生させる場合、水溜め容器31内の水温が高いほど、発生するミスト20の量(霧化量)が増大する(霧化効率が向上する)とともに、発生するミスト20の温度も高くなるので、この高い温度のミスト20を回転ドラム4内に充満させると、粒径10μm未満のドライミストでも、ミスト20の温度よりも低い温度にある衣類の表面および回転ドラム4の周壁4a等に容易に凝縮して結露し、このとき回転ドラム4を回転駆動させ、衣類をかき混ぜることにより、衣類全体を効率的に湿らせることができる。
しかしながら、超音波振動子32には使用上限温度が存在し、この上限温度を超えて使用すると、超音波振動子32が劣化しやすくなる。超音波振動子32の使用上限温度は、圧電素子の内部構造に由来する。例えば、超音波振動子32は、チタン酸ジルコン酸鉛等からなる圧電セラミックス体と、その下面および外周面に溶融銀を塗って固形化した電極とを有し、その表面はステンレス箔からなる表面保護材で覆われることで保護されている。電極が配された圧電セラミックス体とステンレス箔とはエポキシ樹脂系等の接着剤を用いて接着されているが、この接着剤の材質によりその使用可能な上限温度が制限される。すなわち、エポキシ樹脂系接着剤の接着強度は、雰囲気温度が約40℃を超えると低下し始め、約60℃を超えるとかなり低下するため、このようなエポキシ樹脂系接着剤が用いられる超音波振動子32においては、実用面での使用上限温度が約50℃であるとされている。
接着剤の材質が変われば、その使用上限温度が変わるため、超音波振動子32としての使用上限温度を一義的に定めるのは難しいが、エポキシ樹脂系接着剤が用いられる超音波振動子32の場合、50℃以下の温度範囲(所定温度:例えば45〜50℃)で使用するのが望ましい。また、他の接着剤が用いられる超音波振動子32の場合、(使用上限温度−5℃)以上で、かつ、使用上限温度以下の温度範囲で使用するのが望ましい。水溜め容器31内の水温を超音波振動子32の使用上限温度を超える温度とすると、超音波振動子32の劣化が進行しやすくなり、(使用上限温度−5℃)未満の温度とすると、霧化ユニット30で発生されるミスト20の温度が低くなるため、後述のような衣類全体を効率良く湿らせる効果が十分に得られなくなる。このように、水溜め容器31内の水温を超音波振動子32の使用上限温度を超えない範囲とすることにより、超音波振動子32の劣化を抑制することができ、さらに、長期間にわたって良好な高温ミストの発生性能を維持することができる。
以上の霧化ユニット30を用いたドラム式洗濯乾燥機1において、衣類のシワをのばして低減することを目的とした「シワのばしコース」を実行する際の動作について、以下に説明する。
水溜め容器31内の水温を超音波振動子32の使用上限温度を超えない範囲でできるだけ高い温度(所定温度)、例えば、供給された水の温度+(1〜10℃)で50℃を超えない温度に維持し、この水溜め容器31の底壁31aに配設された超音波振動子32を作動させて、高温のミスト20を発生させ、循環送風経路9を経由してドラム式洗濯乾燥機1の回転ドラム4内に導入する。ここで、水溜め容器31内に加熱手段を配置して、この加熱手段により水溜め容器31内の水温を上昇させることも可能であるが、本実施の形態においては、水溜め容器31内の貯水容量を少なくするとともに、超音波振動子32を発振させることにより、水溜め容器31内の水温を上昇させている。すなわち、超音波振動を発生させて霧化させると霧化対象の水21の温度が上昇する性質を利用して、特に加熱手段を用いることなく、水温の上昇した水21から温度の高いミスト20を発生させており、簡単な構成で安価に、衣類の表面温度に比較して高温のミスト20を発生させることができるように構成している。
このような高い水温でミスト20を発生させ、回転ドラム4内に導入し、前述したように、ウェットミストとドライミストとを回転ドラム4内の隅々にまで充満させて、回転ドラム4内全体にわたって均一に湿度を上昇させるとともに、回転ドラム4を低い回転速度で回転駆動させることにより、衣類のどの表面部分にも水分が凝縮して満遍なく衣類を湿らせることができる。
そして、このように衣類全体が湿った状態となった後に、回転ドラム4および送風ファン12を高い回転速度で回転駆動させ、蒸発器10および凝縮器11を起動して乾燥運転を実行することにより、衣類に付いたシワが水分により解放され、このような状態の衣類をかき混ぜることにより、シワをのばして低減することができる。
本実施の形態における霧化ユニット30には、側壁31bに開口堰31dが設けられ、霧化ユニット30を起動させる最初の段階で、注水装置33から水溜め容器31に水21を注入して、開口堰31dからオーバーフローさせる動作を自動的に行うように制御している。この開口堰31dは水溜め容器31の底壁31aから少なくとも20mm以上の高さ位置に設けられており、過度に水位が低下した状態で超音波振動子32を作動させることにより、超音波振動子32が劣化しやすくなるのを防止している。
さらに、本実施の形態においては、ミスト20を回転ドラム4内に導入する際に、送風ファン12を低い回転速度で回転させてもよい。このときの循環送風経路9内での空気流の送風量はとしては、0.05m3 /min〜1.00m3 /minが望ましい。この送風量が0.05m3 /min未満であると、ウェットミストが回転ドラム4内に導入される際に、回転ドラム4内にある衣類が障害となって、回転ドラム4内に十分入り込めず、その一部が水槽3と回転ドラム4との間に流れ落ちることもあり、さらに、ドライミストの回転ドラム4内に導入される量が減って、前述したような効果が十分に得られないことになる。また、循環送風経路9内での空気流の送風量が1.00m3 /minを超えると、ウェットミストが乾燥空気送風管路14(上部管路17)の管壁に衝突してウェットミストの存在比率を減少させることになる。
ところで、前述したように、本実施の形態で用いている超音波振動子32の時間あたりのミスト発生量は、水溜め容器31内の水21の水温および超音波振動子32を駆動する発振回路部(図示せず)への入力電圧等の変化により増減する。例えば、1.6MHzで発振する超音波振動子32を用いた場合、他の条件を固定し、水温のみを5℃から30℃に変化させると、ミスト発生量は約1.5倍になる。また、発振回路に入力する電圧のみを95Vから107Vに変化させると、ここでもミスト発生量は約1.5倍になる。
このような水温の変化、入力電圧の変化は家庭で普通に起こり得る変化であるため、仮にミスト発生量が最小となる条件で、シワのばしに最適な衣類の乾燥率を90〜96%になるような調整すると、ミスト発生量が最大となる条件ではミスト発生量が過剰になり衣類が乾燥率70%近くまで、なおかつ不均一に濡れてしまうため、ミストを用いて湿らせる意味がなくなってしまう。逆に、ミスト発生量が最大となる条件で、衣類の乾燥率を90〜96%になるようにミスト発生量を調整すると、ミスト発生量が最小となる条件では、衣類は殆ど湿らず、衣類の乾燥率が99%近辺に留まるため、シワのばしの効果が得られない。したがって、衣類を効果的に湿らせようとすると、水温および入力電圧を一定に保つことが望ましいが、そのような制御を組み入れようとすると、水温計測手段と水温調整手段、および入力電圧計測手段と入力電圧調整手段が必要となる。
本実施の形態においては、このような計測手段や調整手段を用いず、水温が低く、入力電圧が低い状態で衣類の乾燥率が90〜96%の範囲になるような条件で霧化ユニット30を動作させるとともに、後述するように基本周期動作と停止時間延長動作とを組み合わせたシーケンスにより回転ドラム4を動作させることにより、ウェットミストとドライミストの両者により洗濯物を短時間に効果的に湿らせ、衣類の乾燥率が90〜96%の範囲になるようにしている。
上記のように設定された霧化ユニット30の動作条件では、水温が高く、入力電圧が高い状態になると、過剰な量のミスト20が発生することになる。ミスト発生量が過剰な場合、回転ドラム4内に導入される際に、ミスト20中の粒径10〜50μmのウェットミストを主体とする濡れ性に優れたウェットミストが回転ドラム4の底壁透孔4fに凝集されてトラップされ、底壁透孔4f周辺に付着した水が洗濯物に直接付いたり、回転ドラム4内に流れ込んだりして洗濯物をまだらに濡らし、乾燥後にダマ(輪染み)を発生させる原因になる。
そこで、基本周期動作時において、回転ドラム4を47rpm程度の回転数で正逆方向に交互に回転させると、ウェットミストが一部の底壁透孔4fに集中的に接触することがなくなるため、洗濯物を不均一に濡らす原因となる底壁透孔4f周辺でのトラップを最小化することができる。また、回転ドラム4の回転により、洗濯物が導風口18に近い位置まで持ち上げられるため、ウェットミストを無駄なく洗濯物に接触させることができる。しかしながら、ウェットミストにとって最適な上記のような回転数で回転ドラム4を回転させることは、ドライミストを回転ドラム4内に導入する上で不利に作用する。ドライミストを回転ドラム4内に導入する上で最適な回転数は0rpm(回転ドラム4の回転を停止させること)である。
そこで、本実施の形態においては、基本周期動作を所定回数繰り返す毎に、正逆方向への反転時の停止時間を延長する停止時間延長動作を組み入れるシーケンスで回転ドラム4を回転させるように構成している。すなわち、基本周期動作では、洗濯物を短時間に効果的に湿らすため、回転ドラム4の回転数を最適(底壁透孔4f周辺でのトラップを最小化)にして、洗濯物を導風口18に近い位置まで持ち上げるように動作させて、濡れ性に富んだウェットミストを洗濯物に接触させている。しかし、ウェットミストは導風口18に対向する洗濯物の面にのみ付着して湿らせるため、洗濯物の動きによっては、洗濯物全体を均一に湿らせるには限度がある。そこで、停止時間延長動作では、回転ドラム4の停止時間を延長して、ドライミストを積極的に回転ドラム4内に導入し、回転ドラム4内に浮遊させて、ドライミストと洗濯物表面との温度差によりドライミストを微細な水滴として洗濯物に凝縮させることによって、導風口18に対向していない洗濯物の表面をも湿らすことができる。
このように、基本周期動作と停止時間延長動作を組み合わせて、ウェットミストを、ダマ発生の原因となる底壁透孔4f周辺でのトラップを最小化して回転ドラム4内に導入するとともに、ドライミストをも積極的に回転ドラム4内に導入して、これらのウェットミストとドライミストの両者により洗濯物の表面を均一に、しかも、水温や入力電圧が変化しても、乾燥率90〜96%の状態に湿らすことができる。
以下、本実施の形態のドラム式乾燥洗濯機における回転ドラムの動作シーケンスについて、図7に基づき説明する。図7は、本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機のミスト導入行程における回転ドラムの動作シーケンスを説明するためのフローチャートである。
本実施の形態において、回転ドラム4を、ミスト導入行程で、正方向に所定の時間(通常の回転時間)回転させた(ステップ#1)後、所定の時間(通常の一時停止時間)停止させ(ステップ#2)、さらに、逆方向に所定の時間(前記ステップ#1での通常の回転時間に同じ)回転させた(ステップ#3)後、所定の時間(前記ステップ#2での通常の一時停止時間に同じ)停止させる(ステップ#4)という基本周期動作として、この基本周期動作をn回繰り返した(n≧1)後に、正逆回転後の一時停止時間を延長した停止時間延長動作、すなわち、正方向に所定の時間(停止時間延長動作時の回転時間)回転させた(ステップ#5)後、所定の時間(長時間、前記ステップ#2での通常の一時停止時間より長い)停止させ(ステップ#6)、さらに、逆方向に所定の時間(前記ステップ#5での停止時間延長動作時の回転時間に同じ)回転させた(ステップ#7)後、所定の時間(前記ステップ#6での長時間に同じ)停止させる(ステップ#8)という停止時間延長動作を行い、このような基本周期動作(n回)と停止時間延長動作(1回)とを、洗濯量に応じて予め設定された時間の間に繰り返し実行するように構成されている。なお、ステップ#1、#3での通常の回転時間とステップ#5、#7での停止時間延長動作時の回転時間とは、同じであっても良く、異なっていてもよい。
ミスト導入行程において、霧化ユニット30で発生したミスト20(ドライミストとウェットミストの混合体)は、導風口18から、この導風口に対向する回転ドラム4の底壁4dに形成された透孔4f(底壁透孔)を通過して回転ドラム内に導入される。ウェットミストは、その性質から、底壁透孔4fを通じて導入された直後から回転ドラム4内を自重により落下し始め、ドライミストは、回転ドラム4内に浮遊して充満する。
回転ドラム4は、上記のステップ#1、#3、#5および#7において、正逆方向に交互に回転方向を切り替えながら、洗濯物を回転ドラム4の底壁4dの導風口18に対向する位置(以下、導風口対向エリアという)まで持ち上げるように回転しており、導風口18から導入されたウェットミストが直接洗濯物に接触して洗濯物を湿らせる。例えば、洗濯物としての衣類1枚の重量が0.25kgである場合、回転数を47rpmとして回転ドラム4を回転させると、衣類を導風口対向エリアまで持ち上げることができ、しかも、導風口18から底壁透孔4fを通じて導入されるウェットミストを底壁透孔4f周辺でトラップされるのを最小限にして回転ドラム4内に導入し、衣類表面に直接接触させることができる。これにより、水の温度や発振回路部への入力電圧等が変化して過剰なミストが発生しても、回転ドラム4を47rpm程度の回転数で回転させることによって、ウェットミストが底壁透孔4f周辺でトラップされるのを最小限にして回転ドラム4内に導入されるため、衣類表面を不均一(まばら)に湿らせるのを防止して、乾燥後のダマの発生を防止することができる。また、ウェットミストが回転ドラム4内に流れ落ちて消失する前に、ウェットミストを衣類表面に直接接触させて、洗濯物を短時間に効果的に湿らせることができる。
また、回転ドラム4は、正方向および逆方向の回転動作を繰り返すため、洗濯物は回転ドラム内で絡まることなく、洗濯物のミストに接触する面が適度に入れ替えられる。このため、洗濯物の表面全体が均一にウェットミストに接触して、均一に湿らせることができる。
このとき、回転方向を切り替える際(上記のステップ#2、#4、#6および#8)の一時停止時間が長いと、洗濯物がウェットミストに接触する機会が減るので、洗濯物を短時間で湿らせるためには、一時停止時間は短い方が良く、また、一時停止時間が長いと、ウェットミストの一部が底壁透孔4fに凝集してトラップされるために、一時停止時間は短い方が良い。また、一方で、ドライミストを回転ドラム4内に充満するように導入するためには、一時停止時間は長い方が良い。すなわち、一時停止動作の間に、洗濯物は回転ドラム4内の下方に位置し、ドライミストが回転ドラム4内に導入される。ドライミストは、浮遊性に富み、回転ドラム4内に充満した状態で洗濯物に微細な水滴として結露することによって洗濯物を均一に湿らせることに寄与する。また、回転ドラム4内にドライミストが霧状に充満することによって見た目の演出効果も生じることになる。
したがって、ウェットミストとドライミストの両者を有効に活用して洗濯物を効果的に湿らせるためには、回転ドラム4の一時停止時間を一定時間に固定するのではなく、所定の周期で延長して、通常時間(短時間)の一時停止を挟んで正逆方向に回転される基本周期動作の間に、長時間の一時停止を挟んで正逆方向に回転される停止時間延長動作を組み込むことが望ましい。
本実施の形態において、基本周期動作では、ミスト発生量が最も少なくなる低水温、低入力電圧の状態で衣類の乾燥率が90〜96%となるような条件に、発振回路部の出力と超音波振動子32による霧化ユニット30の霧化能力を設定するとともに、上記のステップ#1、#3、#5および#7における回転時間を設定している。
例えば、回転ドラム4を正方向に10.4秒間回転させた後、4.4秒間停止させ、さらに、逆方向に10.4秒間回転させた後、4.4秒間停止させるという基本周期動作として、この基本周期動作を3回繰り返す毎に、正逆回転後の一時停止時間を6.4秒とする停止時間延長動作を1回組み入れる。一時停止動作の間に、洗濯物は回転ドラム4内の下方に位置し、ドライミストが回転ドラム4内に導入されるが、一時停止時間を2秒間延長することにより、さらに多くのドライミストが回転ドラム4内に導入されて充満するようになる。霧化ユニット30で発生したドライミストは、風速0.25m/秒〜0.7m/秒の速さで回転ドラム内に供給されており、一時停止時間を2秒間延長(約1.5倍の時間増に相当)するだけでも、回転ドラム4内に浮遊するドライミストの量は目視で確認できる程度に増大する。
このような停止時間延長動作を周期的に組み入れ、ドライミストによって洗濯物を湿らせる効果を最大限に発揮させることにより、洗濯物を乾燥率90〜96%に湿らせるようにすることができる。本実施の形態においては、特に、回転ドラム4の回転および反転動作により、洗濯物が導風口対向エリアまで高く持ち上げられるとともに、洗濯物のミストに接触する面が適度に入れ替えられるため、ドライミストによって洗濯物を湿らせる効果を十二分に発揮させることができる。
このように、上記の回転ドラムの動作シーケンスによって基本周期動作を繰り返す中に停止時間延長動作を組み入れることによって、ウェットミストとドライミストの両者を有効に活用して洗濯物を効果的に湿らせることができ、水の温度や発振回路部への入力電圧等が変化してミスト発生量が変化する場合でも、洗濯物の乾燥率を90〜96%にして優れたシワ低減効果を発揮させることができる。また、ウェットミストが回転ドラム4内に導入される際に、底壁透孔4f周辺にトラップされるのが最小限に抑えられるため、衣類表面が均一に湿らされ、乾燥後にダマが発生するのを防止することができる。
ここで、一時停止時間が延長されるときの停止時間は、通常の一時停止時間の1.1〜5倍であることが望ましい。このような範囲で一時停止時間を延長することにより、ドライミストを回転ドラム4内に導入して充満した状態とすることができ、ドライミストにより洗濯物を湿らせる効果が十分に発揮されることになる。延長される一時停止時間の時間増が1.1倍未満であると、ドライミストの増量が少なく、ドライミストにより洗濯物を湿らせる効果が余り発揮されない。また、延長される一時停止時間の時間増が3倍を超えると、ドライミストにより洗濯物を湿らせる効果が十分に得られるものの、ミスト導入行程全体の時間が長くなるため望ましくない。なお、ミスト導入行程全体の時間を短くするため、通常の一時停止時間を短くして、延長される一時停止時間を長くする(時間増5倍以下の範囲内で)ことも有効である。
また、一時停止時間が延長される時間延長動作は、通常の基本周期動作1〜10回に対して1回の周期で組み入れられることが望ましい。時間延長動作が組み入れられる周期が通常の基本周期動作1回に対して1回を超えると、ドライミストが過剰に回転ドラム4内に導入され、しかも、ミスト導入行程全体の時間が長くなるため、望ましくない。また、時間延長動作が組み入れられる周期が通常の基本周期動作10回に対して1回未満であると、ドライミストが回転ドラム4内に導入される機会が減り、ドライミストにより洗濯物を湿らせる効果が十分に発揮されない。
時間延長動作時の停止時間および時間延長動作の組み込み周期などの適切な値は、基本周期動作時の正逆方向への各回転時間や一時停止時間などによって影響されるため、これらの要素をも十分考慮した上で、試行錯誤の中で設定されることになる。
さらに、基本周期動作時の正逆方向への各回転時間や一時停止時間に加えて、回転ドラム4内に投入されている洗濯物の量によっても影響を受けるため、時間延長動作時の停止時間および時間延長動作の組み込み周期は、基本周期動作時の正逆方向への各回転数、各回転時間や一時停止時間などとともに、回転ドラム4内の洗濯物の量に応じて予め設定されていることが望ましい。これにより、回転ドラム4内に投入されている洗濯物の量に応じて、適正なミスト導入行程における回転ドラム4の動作条件、すなわち、基本周期動作時および時間延長動作時の正逆方向への各回転数、各回転時間および一時停止時間ならびに時間延長動作の組み込み周期が適切に設定され、短時間に効率的に、しかも均一に洗濯物を湿らせることができ、延いては、洗濯物のシワを確実に伸ばすことができる。
なお、上記の本実施の形態においては、基本周期動作を所定回数繰り返す毎に、正逆回転後の一時停止時間を延長する停止時間延長動作を組み入れる回転ドラム4の動作シーケンスについて説明したが、必ずしも停止時間延長動作を組み入れる必要はなく、基本周期動作において正逆回転後の一時停止時間を長く設定することにより、ドライミストによって洗濯物を湿らせる効果を最大限に発揮させ、ミスト発生量が変化した場合であっても、洗濯物を乾燥率90〜96%に湿らせるようにすることができる。
また、上記の実施の形態では、霧化ユニット30内のミスト発生源として水21を用いた例を説明したが、用途に応じて、Agイオン電解液、洗剤液、消臭液、除菌液等を用いてもよく、それぞれの液剤(ミスト発生源)に対応した効果を得ることができる。
上記の実施の形態では、回転ドラム4を傾斜配置したドラム式洗濯乾燥機1を例にとって、本発明に係る霧化ユニット30およびそれを適用したドラム式洗濯乾燥機1の技術的内容について説明したが、本発明に係る霧化ユニット30は、衣類等のシワ低減を目的とした衣類乾燥機などにも適用可能することができ、また、回転ドラムを水平方向に配した(回転ドラムの軸心を鉛直方向に配した)洗濯機にも適用することができる。さらに、高温ミスト20の凝縮しやすい性質を利用して、本発明の霧化ユニット30ならびにその技術的内容を、超音波洗浄装置や脱臭装置、殺菌・除菌装置、塗装・コーティング装置、空調機、食器洗浄機などにも適用することができる。なお、上記の実施の形態で説明したドラム式洗濯乾燥機1においては、霧化する対象の液体として水を使用していたが、本発明の霧化ユニット30を別用途の装置に適用する場合には、その用途に適した液体を使用することができる。
1 ドラム式洗濯乾燥機(洗濯機)
2 洗濯乾燥機筐体
3 水槽
4 回転ドラム(洗濯兼脱水槽)
4a 周壁
4b 周壁透孔
4c 攪拌突起
4d 底壁
4e 底面開口
4f 底壁透孔
20 ミスト
21 水(液体)
30 霧化ユニット
31 水溜め容器
31a 底壁
31b 側壁
31d 開口堰(水位検知部)
31e 接続口
32 超音波振動子
33 注水装置
34 注水ホース
35 水温センサ
36 整流フィン
2 洗濯乾燥機筐体
3 水槽
4 回転ドラム(洗濯兼脱水槽)
4a 周壁
4b 周壁透孔
4c 攪拌突起
4d 底壁
4e 底面開口
4f 底壁透孔
20 ミスト
21 水(液体)
30 霧化ユニット
31 水溜め容器
31a 底壁
31b 側壁
31d 開口堰(水位検知部)
31e 接続口
32 超音波振動子
33 注水装置
34 注水ホース
35 水温センサ
36 整流フィン
Claims (5)
- 多数の側壁透孔が形成され、洗濯物を収容して回転駆動される回転ドラムが水槽内に設けられ、該水槽内への給水、排水および前記回転ドラムの回転の制御により洗濯、すすぎ、脱水の各工程を実施するとともに、送風手段により前記水槽内の空気を除湿手段および加熱手段を備えた循環送風経路を通して循環させることにより洗濯物の乾燥工程を実施するドラム式洗濯乾燥機において、
ミストを発生させる霧化ユニットを、前記循環送風経路から前記水槽に乾燥した空気を送り込む導風口に近接した上方の位置に備え、該霧化ユニットで発生させたミストを前記導風口から前記回転ドラムの底壁に形成された底壁透孔を通じて前記回転ドラム内に導入しながら、
前記回転ドラム内で洗濯物を持ち上げる回転数で前記回転ドラムを正逆方向に交互に回転させて、前記回転ドラムの回転により洗濯物をミストが導入される導風口に対向した前記回転ドラムの底壁部分に持ち上げ、前記底壁透孔を通じて導入されるウェットミストを洗濯物に接触させ、かつ、正逆方向の回転の切り換えにより、洗濯物のウェットミストに接触する面を入れ替えるとともに、
正逆方向の回転の切り換え時に一時的に前記回転ドラムの回転を停止させて、その間に前記底壁透孔を通じて前記回転ドラム内にドライミストを導入することを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。 - 正逆方向の回転の切り換え時に一時的に前記回転ドラムの回転を停止させる一時停止時間を所定の周期で延長することにより、前記回転ドラム内に充満できるだけのドライミストを導入することを特徴とする請求項1に記載のドラム式洗濯乾燥機。
- 一時停止時間が延長される前記所定の周期が、通常の一時停止1〜10回に対して1回の割合であることを特徴とする請求項2に記載のドラム式洗濯乾燥機。
- 一時停止時間が延長されるときの前記一時停止時間が、通常の一時停止時間の1.1〜5倍であることを特徴とする請求項2または3に記載のドラム式洗濯乾燥機。
- 一時停止時間が延長されるときの停止時間および周期が、前記回転ドラム内の洗濯物の量により予め設定されていることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載のドラム式洗濯乾燥機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007230721A JP2009061053A (ja) | 2007-09-05 | 2007-09-05 | ドラム式洗濯乾燥機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007230721A JP2009061053A (ja) | 2007-09-05 | 2007-09-05 | ドラム式洗濯乾燥機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009061053A true JP2009061053A (ja) | 2009-03-26 |
Family
ID=40556212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007230721A Pending JP2009061053A (ja) | 2007-09-05 | 2007-09-05 | ドラム式洗濯乾燥機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009061053A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010227405A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Sanyo Electric Co Ltd | 洗濯乾燥機 |
JP2012135483A (ja) * | 2010-12-27 | 2012-07-19 | Sharp Corp | 乾燥機 |
JP2013146350A (ja) * | 2012-01-18 | 2013-08-01 | Sharp Corp | 洗濯乾燥機 |
-
2007
- 2007-09-05 JP JP2007230721A patent/JP2009061053A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010227405A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Sanyo Electric Co Ltd | 洗濯乾燥機 |
JP2012135483A (ja) * | 2010-12-27 | 2012-07-19 | Sharp Corp | 乾燥機 |
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