JP2009057301A - N−アルキルボラジンの製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ABH4(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、(RNH3)nX(Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子であり、nは1または2である)で表されるアミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する工程を含むN−アルキルボラジンの製造方法であって、前記N−アルキルボラジンを含む液を、前記N−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下の蒸留温度で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、N−アルキルボラジンの製造方法である。
【選択図】なし
Description
(反応)
還流管を備えた100Lの反応液を窒素置換した後、アミン塩として、乾燥したメチルアミン塩酸塩を8.40kg、溶媒として、トリグライム30.1kgを仕込み、150℃まで昇温した。その後、水素化ホウ素アルカリとして水素化ホウ素ナトリウム5.25kgと溶媒であるトリグライム22.2kgとの混合物を、7.5時間かけて供給した。その後、170℃まで昇温し、その後2時間熟成した。反応中に生成した水素は還流管にて冷却した後、系外へ除去した。得られた反応液にはN,N’,N”−トリメチルボラジンが4.5kg含まれていた。
得られた反応液から蒸留にてN,N’,N”−トリメチルボラジンを濃縮した。粗蒸留として、塔底圧力13kPaにて反応液を加熱し、N,N’,N”−トリメチルボラジンを含んだ留分を15kg留出させた。留分中のN,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度は30質量%であった。
粗蒸留工程1にて得られた留分について、内径32mm、20段のガラス製オルダーショウ蒸留塔(棚段塔)にて精留を行った。上記留分2.6kgを塔底に仕込み、塔底圧力として9kPa、還流比5にて蒸留をおこなった。仕込み液に含まれるN,N’,N”−トリメチルボラジンの質量に対して、N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分(以下、本留とも称す)は、留出率15%から55%であり、N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分の回収率は40%であった。本留を取得している際の塔頂温度は56℃、塔底温度は、留出率15%の時は88℃(標準沸点−45℃)、留出率55%の時は115℃(標準沸点−18℃)であった。本留取得時の冷却器への析出物の付着はほとんどなかった。
(反応)
実施例1と同様に行った。
得られた反応液から蒸留にてN,N’,N”−トリメチルボラジンを濃縮した。粗蒸留として、塔底圧力13kPaにて反応液を加熱し、N,N’,N”−トリメチルボラジンを含んだ留分を6.7kg留出させた。留分中のN,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度は65質量%であった。
粗蒸留工程2にて得られた留分について、内径32mm、20段のガラス製オルダーショウ蒸留塔にて精留を行った。上記留分1.2kgを塔底に仕込み、塔底圧力として9kPa、還流比5にて、仕込み液に含まれるN,N’,N”−トリメチルボラジンに対して留出率が93%になるまで継続した。仕込み液に含まれるN,N’,N”−トリメチルボラジンの質量に対して、N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分は、留出率15%から85%であり、N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分の回収率は70%であった。本留を取得している際の塔頂温度は56℃、塔底温度は、留出率15%の時は71℃(標準沸点−62℃)、留出率55%の時は75℃(標準沸点−58℃)、留出率85%の時は88℃(標準沸点−45℃)であった。蒸留終了時の塔底温度は138℃(標準沸点+5℃)であった。本留取得時の冷却器への析出物の付着はほとんどなかった。
(反応)
実施例1と同様に行った。
得られた反応液から蒸留にてN,N’,N”−トリメチルボラジンを濃縮した。粗蒸留として、塔底圧力13kPaにて反応液を加熱し、N,N’,N”−トリメチルボラジンを含んだ留分を4.5kg留出させた。留分中のN,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度は90質量%であった。
粗蒸留工程3にて得られた留分について、内径32mm、20段のガラス製オルダーショウ蒸留塔にて精留を行った。上記留分1.2kgを塔底に仕込み、塔底圧力として9kPa、還流比2にて、仕込み液に含まれるN,N’,N”−トリメチルボラジンの質量に対して、留出率が92%になるまで継続した。仕込み液に含まれるN,N’,N”−トリメチルボラジンの質量に対して、N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分は、留出率23%から92%であり、N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分の回収率は69%であった。本留を取得している際の塔頂温度は56℃、塔底温度は留出率15%の時は64℃(標準沸点−69℃)、留出率55%の時は65℃(標準沸点−68℃)、留出率85%の時は78℃(標準沸点−55℃)、蒸留終了時の塔底温度は94℃(標準沸点−39℃)であった。本留取得時の冷却器への析出物の付着はなかった。
(反応)
実施例1と同様に行った。
粗蒸留工程2と同様に行った。
粗蒸留工程4−1で得られた留分について、内径32mm、20段のガラス製オルダーショウ蒸留塔にて蒸留を行った。上記留分1.7kgを塔底に仕込み、塔底圧力として9kPa、還流比0.5にて、N,N’,N”−トリメチルボラジンを含んだ留分を1.1kg留出させた。留分中のN,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度は99質量%であった。蒸留終了時の塔底温度は128℃(標準沸点−5℃)であった。留出時の冷却器への析出物の付着はほとんどなかった。
粗蒸留工程4−2で得られた留分について、内径32mm、20段のガラス製オルダーショウ蒸留塔にて精留を行った。上記留分1.1kgを塔底に仕込み、塔底圧力9kPa、還流比2にて、仕込み液に含まれるN,N’,N”−トリメチルボラジンの質量に対して、留出率が87%になるまで継続した。N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分は、留出率27%から87%であり、N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分の回収率は60%であった。本留を取得している際の塔頂温度は56℃、塔底温度は留出率15%、留出率55%、留出率85%、蒸留終了時のいずれも66℃(標準沸点−67℃)であった。本留取得時の冷却器への析出物の付着はなかった。
実施例1の(粗蒸留工程1)にて得られた留分について、内径32mm、20段のガラス製オルダーショウ蒸留塔にて精留を行った。上記留分2.6kgを塔底に仕込み、塔底圧力として103kPa、還流比5にて、仕込み液に含まれるN,N’,N”−トリメチルボラジンに対して留出率が93%になるまで継続した。N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分は得られなかった。蒸留時の塔頂温度は130から133℃、塔底温度は166℃(標準沸点+33℃)から217℃(標準沸点+84℃)であった。冷却器へは蒸留初期から多量の析出物が付着し、留出液は濁っていた。
Claims (7)
- ABH4(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、(RNH3)nX(Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子であり、nは1または2である)で表されるアミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する工程を含むN−アルキルボラジンの製造方法であって、
前記N−アルキルボラジンを含む液を、前記N−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下の蒸留温度で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、N−アルキルボラジンの製造方法。 - ABH4(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、(RNH3)nX(Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子であり、nは1または2である)で表されるアミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する工程を含むN−アルキルボラジンの製造方法であって、
前記N−アルキルボラジンを含む液を、1.3〜60kPaの減圧下で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、N−アルキルボラジンの製造方法。 - ABH4(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、(RNH3)nX(Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子であり、nは1または2である)で表されるアミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する工程を含むN−アルキルボラジンの製造方法であって、
前記N−アルキルボラジンを含む液を、1.3〜60kPaの減圧下で、前記N−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下の蒸留温度で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、N−アルキルボラジンの製造方法。 - 前記N−アルキルボラジンの濃度が30質量%以上である液を蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記N−アルキルボラジンを含む液を、
a)留出率が15%未満のとき、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点−10℃以下である、
b)留出率が15%以上55%未満のとき、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点−5℃以下である、
c)留出率が55%以上85%以下のとき、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点以下である、
のうち少なくとも1つを満たす条件下で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。 - 前記N−アルキルボラジンを含む液を、
a)留出率が15%未満のとき、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点−10℃以下である、
b)留出率が15%以上55%未満のとき、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点−5℃以下である、
c)留出率が55%以上85%以下のとき、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点以下である、
のうち少なくとも2つを満たす条件下で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、請求項5に記載の製造方法。 - 前記N−アルキルボラジンを含む液における前記N−アルキルボラジンの濃度を30質量%以上にする工程を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
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