JP2009057301A - N−アルキルボラジンの製造法 - Google Patents

N−アルキルボラジンの製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】N−アルキルボラジンの製造の際に、合成の終了後の蒸留精製時に蒸留装置の冷却部に析出物が付着する問題を解決し、生産性を向上させる手段を提供する
【解決手段】ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、(RNHX(Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子であり、nは1または2である)で表されるアミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する工程を含むN−アルキルボラジンの製造方法であって、前記N−アルキルボラジンを含む液を、前記N−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下の蒸留温度で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、N−アルキルボラジンの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、N−アルキルボラジンの製造方法に関する。N−アルキルボラジンは、例えば、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層、エッチストッパー層を形成するために用いられる。
情報機器の高性能化に伴い、LSIのデザインルールは、年々微細になっている。微細なデザインルールのLSI製造においては、LSIを構成する材料も高性能で、微細なLSI上でも機能を果たすものでなければならない。
例えば、LSI中の層間絶縁膜に用いられる材料に関していえば、高い誘電率は信号遅延の原因となる。微細なLSIにおいては、この信号遅延の影響が特に大きい。このため、層間絶縁膜として用いられ得る、新たな低誘電材料の開発が所望されていた。また、層間絶縁膜として使用されるためには、誘電率が低いだけでなく、耐湿性、耐熱性、機械的強度などの特性にも優れている必要がある。
かような要望に応えるものとして、分子内にボラジン環骨格を有するボラジン化合物が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。ボラジン環骨格を有するボラジン化合物は分子分極率が小さいため、形成される被膜は低誘電率である。その上、形成される被膜は、耐熱性にも優れる。
ボラジン化合物の1つとして、ボラジン環を構成する窒素原子がアルキル基と結合しているN−アルキルボラジンがある。N−アルキルボラジンは、それ自体が半導体用層間絶縁膜などの原料として用いられうる。また、他のボラジン化合物を製造する際の中間体ともなる。例えば、N−アルキルボラジンのホウ素に結合している水素原子をアルキル基で置換することによって、ヘキサアルキルボラジンが製造される。
層間絶縁膜などの精密機器への適用を考慮すると、N−アルキルボラジン中に含まれる不純物の含有量を微量にまで低減させることが好ましく、このため各種精製方法が採用されうる。例えば、N−アルキルボラジン中には、N−アルキルボラジンの合成反応において副生するN−アルキルシクロボラザンやボロンエーテル化合物が含まれるが、これらの不純物の含有量は、蒸留精製および濾過によって低減されうる。例えば、特許文献3の実施例には、常圧にて、蒸留温度155〜160℃でN−アルキルボラジンの蒸留精製を行うことが記載されている。
特開2000−340689号公報 特開2003−119289号公報 特開2006−213642号公報
ところが、不純物の除去を目的として、N−アルキルボラジンの合成の終了後の液を蒸留精製する際に、蒸留精製の際の条件によっては、冷却器や留出ラインに析出物が多量に付着する場合があることがわかった。析出物が付着、蓄積すると、蒸留塔を閉塞するおそれがあるため、安定運転が困難になる。さらに、このような析出物を定期的に除去、洗浄するには蒸留を停止する必要があり、生産性が低下するなどの問題がある。
そこで、本発明の目的は、N−アルキルボラジンの製造の際に、合成の終了後の蒸留精製時に蒸留装置の冷却部に析出物が付着する問題を解決し、生産性を向上させる手段を提供することである。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、合成されたN−アルキルボラジンに含まれる不純物を検討した。その過程で、上述のN−アルキルシクロボラザンやボロンエーテル化合物の他に、反応中間体であるアミンボラン(RNH−BH、ここでRはアルキル基である)が上述の析出物を生じる要因のひとつであることを見出した。
また、本発明者らは、N−アルキルボラジンを含む液であって一定量のアミンボランが含まれる液を蒸留精製する際の条件を検討した。その結果、前記液を高温に加熱することによって、冷却器などに析出物が発生することがわかった。例えば前述の特許文献3のようにN−アルキルボラジンを合成する際にN−アルキルボラジンに比べて標準沸点の高い溶媒を大量に用いる場合、蒸留精製する際の蒸留温度が高くなる。そこで、N−アルキルボラジンを含む液であって一定量のアミンボランが含まれる液を蒸留精製する際に冷却器などへの析出物を抑制するためには、前記N−アルキルボラジンの標準沸点に応じて、適切な温度条件をさらに検討する必要があることに着目した。そこで、本発明者らは、N−アルキルボラジンを含む液を蒸留してN−アルキルボラジンを精製する際、比較的低い温度で蒸留することで、冷却器などへの析出物の付着を抑えることができることを見出した。その結果、前記N−アルキルボラジンを含む液に一定量のアミンボランが含まれる場合であっても、蒸留塔の閉塞が防止されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、(RNHX(Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子であり、nは1または2である)で表されるアミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する工程を含むN−アルキルボラジンの製造方法であって、前記N−アルキルボラジンを含む液を、前記N−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下の蒸留温度で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、N−アルキルボラジンの製造方法である。
また、本発明は、ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、(RNHX(Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子であり、nは1または2である)で表されるアミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する工程を含むN−アルキルボラジンの製造方法であって、前記N−アルキルボラジンを含む液を、1.3〜60kPaの減圧下で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、N−アルキルボラジンの製造方法である。
さらに本発明は、ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、(RNHX(Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子であり、nは1または2である)で表されるアミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する工程を含むN−アルキルボラジンの製造方法であって、前記N−アルキルボラジンを含む液を、1.3〜60kPaの減圧下で、前記N−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下の蒸留温度で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、N−アルキルボラジンの製造方法である。
本発明によれば、N−アルキルボラジンの蒸留精製の際に、冷却部に析出物が生成する問題が防止される。また、蒸留精製品の純度が向上しうる。
本発明は、ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、(RNHX(Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子であり、nは1または2である)で表されるアミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する工程を含むN−アルキルボラジンの製造方法であって、前記N−アルキルボラジンを含む液を、前記N−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下の蒸留温度で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、N−アルキルボラジンの製造方法である。
また、本発明は、ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、(RNHX(Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子であり、nは1または2である)で表されるアミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する工程を含むN−アルキルボラジンの製造方法であって、前記N−アルキルボラジンを含む液を、1.3〜60kPaの減圧下で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、N−アルキルボラジンの製造方法である。
さらに本発明は、ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、(RNHX(Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子であり、nは1または2である)で表されるアミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する工程を含むN−アルキルボラジンの製造方法であって、前記N−アルキルボラジンを含む液を、1.3〜60kPaの減圧下で、前記N−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下の蒸留温度で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、N−アルキルボラジンの製造方法である。
本発明の製造方法においては、水素化ホウ素アルカリと、アミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する。その後、合成されたN−アルキルボラジンをさらに蒸留により精製する。
合成によって得られたN−アルキルボラジンを含む液中に反応中間体の1つであるアミンボランが含まれている場合には、蒸留精製の際、蒸気圧を有するアミンボランが蒸留装置の冷却部や留出ラインに析出・付着する。また前記液を高温加熱することで冷却部などに析出物が発生する。本発明においては、この析出物の付着、蓄積を効果的に抑制する方法を提供する。
本発明の製造方法においては、前記N−アルキルボラジンを含む液を蒸留精製する際、比較的低い蒸留温度で蒸留を行う。これによって、液中にアミンボランが含まれる場合であっても、アミンボランに由来する析出物の生成を抑制することができ、蒸留装置の閉塞を防ぐことができる。ここで、前記N−アルキルボラジンを含む液は、N−アルキルボラジンを合成する工程において生成するN−アルキルボラジンが含まれる液を意味し、例えば、合成する工程(反応)において得られる液(反応液)や精製によって得られる液などが挙げられる。前記精製によって得られる液は、最終的な精製品であっても、精製の途中の段階で得られる液であってもよい。
次に、本発明について詳細に説明する。
まず、ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、(RNHX(Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子であり、nは1または2である)で表されるアミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する。
水素化ホウ素アルカリ(ABH)において、Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である。水素化ホウ素アルカリの例としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、およびホウ素化カリウムが挙げられる。Aが異なる水素化ホウ素アルカリを組み合わせて用いてもよい。
アミン塩((RNHX)において、Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。そして、Xが硫酸基である場合にはnは2であり、Xがハロゲン原子である場合にはnは1である。nが2である場合、Rは、同一であっても異なっていてもよい。合成反応の収率や取り扱いの容易性を考慮すると、Rは好ましくは同一のアルキル基である。アルキル基は、直鎖であっても、分岐であっても、環状であってもよい。アルキル基の有する炭素数は、特に限定されないが、好ましくは1〜8個、より好ましくは1〜4個、さらに好ましくは1個である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これら以外のアルキル基が用いられてもよい。アミン塩の例としては、モノメチルアミン塩酸塩(CHNHCl)、モノエチルアミン塩酸塩(CHCHNHCl)、モノメチルアミン臭化水素酸塩(CHNHBr)、モノエチルアミンフッ化水素酸塩(CHCHNHF)、モノメチルアミン硫酸塩((CHNHSO)が挙げられる。2種類以上のアルキルアミン塩を併用することもできる。
N−アルキルボラジンは、下記式で表される化合物である。
Figure 2009057301
式中、Rは、アミン塩について記載した通りであるため、ここでは説明を省略する。N−アルキルボラジンの例としては、N,N’,N”−トリメチルボラジン、N,N’,N”−トリエチルボラジン、N,N’,N”−トリ(n−プロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(イソプロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(n−ブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(sec−ブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(イソブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(tert−ブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(1−メチルブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(2−メチルブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(neo−ペンチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(1,2−ジメチルプロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(1−エチルプロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(n−ヘキシル)ボラジン、N,N’,N”−トリシクロヘキシルボラジン、N,N’−ジメチル−N”−エチルボラジン、N,N’−ジエチル−N”−メチルボラジン、N,N’−ジメチル−N”−プロピルボラジンなどが挙げられる。
使用する水素化ホウ素アルカリおよびアミン塩は、合成するN−アルキルボラジンの構造に応じて選択すればよい。例えば、ボラジン環を構成する窒素原子にメチル基が結合しているN−メチルボラジンを製造する場合には、アミン塩として、モノメチルアミン塩酸塩などの、Rがメチル基であるアミン塩を用いればよい。
水素化ホウ素アルカリとアミン塩との混合比は、特に限定されないが、アミン塩の使用量を1モルとした場合に、水素化ホウ素アルカリの使用量を1〜1.5モルとすることが好ましい。
用いられうる溶媒としては、特に制限されないが、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、モノエチレングリコールジメチルエーテル(モノグライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル(ペンタグライム)、モノエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、モノプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、モノプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルなどのグリコールジアルキルエーテル系溶媒が挙げられる。
前記溶媒は、合成されるN−アルキルボラジンの標準沸点に応じて選択されうる。N−アルキルボラジンの標準沸点とは、合成の目的物であるN−アルキルボラジンの常圧における沸点を意味する。なお、N−アルキルボラジンの標準沸点は、置換基の種類によって変動しうるため、一義的には決定されない。また、溶媒の標準沸点とは、水素化ホウ素アルカリとアミン塩との反応の際に用いられる溶媒の常圧における沸点を意味する。用いられうる溶媒の標準沸点の上限については、特に限定はないが、沸点が高すぎると蒸留精製の実施が困難となるため、好ましくはN−アルキルボラジンの標準沸点+200℃以下、より好ましくは+150℃以下の標準沸点を有する溶媒が用いられる。前記溶媒の標準沸点の下限については、特に限定されず、所定の反応温度以下で沸騰がおこらなければよいが、好ましくは、N−アルキルボラジンの標準沸点+20℃以上であり、より好ましくは+50℃以上である。例えば、標準沸点が133℃であるN,N’,N”−トリメチルボラジンを合成する場合、標準沸点が216℃であるトリグライムや、標準沸点が175℃であるジプロピレングリコールジメチルエーテルを溶媒として用いることが好ましい。また、標準沸点が184℃であるN,N’,N”−トリエチルボラジンや標準沸点が約203℃であるN,N’,N”−トリ(イソプロピル)ボラジン、または標準沸点が約225℃であるN,N’,N”−トリ(n−プロピル)ボラジンを合成する場合、標準沸点が270℃であるテトラグライムや標準沸点が約342℃であるペンタエチレングリコールジメチルエーテルを溶媒として用いることが好ましい。
溶媒の使用量についても、特に限定されない。原料や生成物の溶解度や溶媒の取り扱い易さなどに応じて、溶媒の使用量を選択するとよい。好ましくは、アルキルアミン塩および水素化ホウ素アルカリの総量に対して、3〜15質量倍の溶媒が用いられる。
水素化ホウ素アルカリとアミン塩との反応条件は、特に限定されない。反応温度は、好ましくは20〜250℃、より好ましくは50〜240℃、さらに好ましくは100〜220℃である。上記範囲で反応させると、水素発生量の制御が容易である。反応温度は、K熱電対などの温度センサーを用いて測定されうる。
上述のN−アルキルボラジンを合成する段階で得られた反応液から、合成されたN−アルキルボラジンを公知の精製方法によって精製する。
上記反応では、水素化ホウ素アルカリ、アミン塩、および副生する塩(AX)はいずれも有機溶媒に対する溶解度が小さいため、合成によって得られたN−アルキルボラジンを含む反応液は、スラリー状である。精製する方法は特に制限されず、濾過、吸着、蒸発、蒸留などの方法が用いられうる。これらの方法は、単独で用いられてもよく、複数の方法を組み合わせてもよい。例えば、上述のスラリー状の反応液から蒸留(精留工程)を行ってもよく、前記スラリー状の反応液から液体成分を濾過または蒸発することによって液体成分と固体成分とを完全に分離した後に、前記液体成分について蒸留(精留工程)を行ってもよい。または前記スラリー状の反応液から蒸留(粗蒸留工程)を行い、液体成分を濃縮した粗精製液(粗蒸留液)を得た後、蒸留(精留工程)を行ってもよい。
濾過の条件は、特に限定されない。環境や規模に応じて、常圧濾過、加圧濾過、減圧濾過などの手段を選択すればよい。濾過材の種類も、特に限定されず、環境や規模に応じて、濾紙、濾過板、カートリッジフィルターなどを用いればよい。また、濾過材の材質についても、特に限定されないが、合成するボラジン化合物の反応性を考慮すると、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製やグラスファイバー製の濾過材等を用いることが好ましい。濾過材の孔径は、析出物の量や大きさに応じて決定すればよい。段階的に濾過材の孔径を小さくしていってもよい。
吸着の条件は、特に限定されない。例えば、イオン交換樹脂などの吸着剤を用いる。吸着剤による処理は、回分式(バッチ式)でも連続式でもよく、さらには流動床、固定床のいずれの組み合わせでも使用できる。特に、吸着剤を連続式固定床として使用すれば、メンテナンス性に優れるため有利である。このような吸着剤として市販品を使用することもできる。吸着時間や吸着剤の使用量は、含まれる不純物などの含有量に応じて適宜選択すればよい。
蒸発または蒸留のために用いられうる装置は、特に限定されない。例えば、蒸留缶と凝縮器などを兼ね備えている装置(単蒸留装置)やさらに多段蒸留塔を有しかつ凝縮液の一部を塔頂に供給する装置などを備えている装置(多段蒸留装置)などが挙げられる。蒸留の方式は回分式(バッチ式)または連続式装置が好適である。
多段蒸留塔である場合における蒸留塔の段数は、特に限定されるものではないが、2段以上であることが好ましい。このような蒸留塔としては、例えばラシヒリング、ポールリング、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、スルーザーパッキング等の充填物が充填された充填塔、泡鐘トレイ、シーブトレイ、バルブトレイ等のトレイ(棚段)を使用した棚段塔等、一般に用いられている蒸留塔が好適である。また、棚段と充填物層とを併せ持つ複合式の蒸留塔も採用することができる。上記の段数とは、棚段塔においては棚段の数を示し、充填塔においては理論段数を示す。上記段数は、好ましくは3〜100段であり、より好ましくは5〜50段である。蒸留塔の本数は限定的ではなく、1本または2本の蒸留塔が使用できる。
蒸留塔の塔頂における還流比は限定的ではないが、好ましくは0.1〜50、より好ましくは0.3〜30とすればよい。
また、回分式の蒸留を行う際に、除去したい軽沸点成分の濃度が低い場合には、蒸留塔を全還流で保持して還流槽に軽沸点成分を濃縮し、還流槽の組成が安定したところで、槽内の液を短時間で抜き出す方式で軽沸点成分を除去してもよい。この操作を複数回繰り返すことで、軽沸点成分をさらに除去することができる。全還流にて保持する時間は、装置によって異なるが、還流槽の液量に対して、2倍の液が塔頂より留出する時間より長くすることが望ましい。本操作の終了後に、塔底から残存する液を抜きだすか、塔頂から留出させることで、軽沸点成分を低減した液を得ることができる。
粗蒸留工程は、反応後、後述の精留工程までの蒸留工程を意味する。粗蒸留工程は、単蒸留装置を用いた蒸留(単蒸留)であっても、多段蒸留装置を用いた蒸留(多段蒸留)であっても、これらの組み合わせでもよい。粗蒸留工程の回数は特に制限されないが、好ましくは1回以上行う。ここで、単蒸留は、単蒸留装置を用いた蒸留であればよい。例えば、蒸留装置の一部において熱損失が起こり、わずかながら還流が起こって真の単蒸留ではなくなる場合があるが、この場合も単蒸留に含まれるものとする。
粗蒸留工程では、反応後の液に含まれるN−アルキルボラジンのうち、少なくとも50質量%以上を留分として回収することが好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上を回収する。
精留工程は、最後の蒸留工程であり、スラリー状の反応液や前述の粗蒸留液について蒸留を行う。精留工程に用いられうる蒸留装置は、多段式蒸留塔を有する回分式(バッチ式)蒸留装置または連続式蒸留装置が好適である。蒸留装置、還流比などの条件は前述の多段蒸留と同様のものが採用されうる。
通常の反応条件では、N−アルキルボラジンを含む反応後の液には、RNH−BHで表されるアミンボランが一定量含まれる。また、前記粗精製液にもアミンボランが含まれる場合がある。ここでRはアルキル基であり、反応原料であるアミン塩に由来する。アミンボランの生成経路については、定かではないが、水素化ホウ素アルカリとアミン塩との反応によって生成する反応中間体であると考えられる。アミンボランを含む液が蒸留精製の際に一定以上の温度に加熱されることによって、蒸留装置の冷却部などに析出物が生成すると考えられる。ただし、本発明の技術的範囲が、上記メカニズムによって生成したアミンボランによって限定されるものではない。
そこで、本発明の製造方法においては、前記N−アルキルボラジンを含む液を蒸留する際、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下、好ましくは前記N−アルキルボラジンの標準沸点+5℃以下、より好ましくは前記N−アルキルボラジンの標準沸点−5℃以下、さらに好ましくは前記N−アルキルボラジンの標準沸点−15℃以下の条件下で行う。蒸留温度の下限値は、特に限定されないが、実際には20℃である。蒸留温度の値は、液を留出させている時の蒸留塔の塔底における温度を測定した値を用いる。蒸留温度が前記N−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下とは、液を留出させている留出期間の少なくとも一部で蒸留温度が前記N−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下であることを意味する。ここで、留出期間とは、液を留出させている期間の合計を意味する。連続的に液を留出させる時は、液の留出開始から終了までの期間を意味し、間歇的に液を留出させる場合、例えば途中に全還流で保持する場合などは、液を留出させている期間の合計を意味し、全還流で保持している時間などは含まない。好ましくは、前記留出期間の50%以上、より好ましくは前記留出期間の80%以上、さらに好ましくは前記留出期間の90%以上、特に好ましくは前記留出期間の全体で、蒸留温度が前記N−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下である。この際、液の留出は、連続的であっても間歇的であってもよい。蒸留温度を上述の範囲に制御することで、アミンボランに由来する析出物の生成を効果的に抑制することができる。また、装置加熱部における用益費を低減することができる。さらに、装置への負荷を小さくすることができるため、設備費を低減させることができる。
蒸留塔における操作圧力は、60kPa以下、好ましくは40kPa以下、より好ましくは30kPa以下の高減圧下で行う。操作圧力は、好ましくは1.3kPa以上であり、より好ましくは1.5kPa以上であり、さらに好ましくは2.0kPa以上である。圧力は、蒸留塔の塔底における圧力を測定した値を用いる。圧力を上述の範囲に制御することで、N−アルキルボラジンと不純物などとの分離性が向上することが期待できるため、蒸留塔の段数を小さくすることによる設備費の低減や、還流比を小さくすることによる用益費の低減を図ることができる。
さらに、蒸留時の温度および圧力を所定の範囲に制御することによって、上述の析出物の生成を抑制することができる。操作圧力は、1.3〜60kPa、より好ましくは1.5〜40kPa、さらに好ましくは2.0〜30kPaである。同時に蒸留温度を、合成されたN−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下、好ましくはN−アルキルボラジンの標準沸点+5℃以下、より好ましくはN−アルキルボラジンの標準沸点−5℃以下、特に好ましくはN−アルキルボラジンの標準沸点−15℃以下に制御する。ここで、圧力は、蒸留塔の塔底における圧力を測定した値を用いる。また、温度は、留出時の蒸留塔の塔底における温度を測定した値を用いる。温度および圧力を上述の範囲に制御することによって、析出物の生成を抑制できるほか、装置加熱部における用益費を低減することができる。また、装置への負荷を小さくすることができるため、設備費を低減させることができる。さらにN−アルキルボラジンと不純物などとの分離性が向上することが期待できるため、蒸留塔の段数を小さくすることによる設備費の低減や、還流比を小さくすることによる用益費の低減を図ることができる。例えば、N−アルキルボラジンとして、N,N’,N”−トリメチルボラジンを、溶媒であるトリグライムから蒸留精製する場合、蒸留温度は、好ましくは20〜148℃であり、より好ましくは20〜138℃であり、さらに好ましくは20〜128℃であり、特に好ましくは20〜118℃である。圧力は、好ましくは1.3〜60kPa、より好ましくは1.5〜40kPa、さらに好ましくは2.0〜30kPaの減圧下で蒸留精製する。上述の温度、圧力を共に満たす条件下で蒸留精製を行うことが特に好ましい。高純度のN−アルキルボラジンを高い回収率で得るためには、上述の条件下で少なくとも1回多段蒸留を行うことが好ましい。
上述の温度および圧力条件で効率よく蒸留を行うためには、好ましくは、反応後の液を、粗蒸留工程などにおいてN−アルキルボラジンの含有量を30質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上にした液を用いる。特にN−アルキルボラジンよりも標準沸点の高い溶媒を用いる場合、蒸留する液に含まれるN−アルキルボラジンの含有量が高いほど、蒸留時の温度を低く抑えることができるため、析出物の生成を抑制することができる。また、高品質のN−アルキルボラジンが取得できる。同時に、溶液の量を減らすことによって、精留工程で蒸留缶の大きさを小さくすることができるため、設備費や用益費を低減することができる。
前述のように、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下の条件下で蒸留精製することによって、液中にアミンボランが一定量含まれている場合であっても、蒸留操作の間に析出物がほとんど生じることなく、ラインの洗浄の必要もなく、安定した操作を行うことができる。さらに、純度99.9質量%以上の高純度のN−アルキルボラジンを高い回収率で得ることができる。
蒸留する液(仕込み液)中のアミンボランの含有量は、特に限定されないが、好ましくは、N−アルキルボラジンに対して0.1mol%〜50mol%であり、より好ましくは0.5〜30mol%である。なお、アミンボランの含有量は、11B−NMRによって測定することができる。
蒸留精製は、連続式蒸留装置を用いても、バッチ式蒸留装置を用いて行ってもよいが、バッチ式蒸留装置を用いる場合には、一定圧力の条件下では蒸留操作の進行に伴って塔底の液中のN−アルキルボラジンの含有量が低下するため、N−アルキルボラジンよりも標準沸点の高い溶媒を用いて合成を行った場合には、留出率が高くなるにつれて蒸留温度が徐々に高くなる。ここで、留出率とは、蒸留する液(仕込み液)中のN−アルキルボラジンの質量に対する留出液中のN−アルキルボラジンの質量を意味する。
この場合、好ましくは、前記N−アルキルボラジンを含む液を、a)留出率が15%未満のとき、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点−10℃以下である、b)留出率が15%以上55%未満のとき、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点−5℃以下である、c)留出率が55%以上85%以下のとき、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点以下である、のうち少なくとも1つ、より好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは3つを満たす条件下で蒸留する。
前記N−アルキルボラジンを含む液を蒸留する際の蒸留温度は、より好ましくは、留出率が15%未満のとき、前記N−アルキルボラジンの標準沸点−20℃以下であり、さらに好ましくは前記N−アルキルボラジンの沸点−30℃以下である。また、留出率が15%以上55%未満のとき、より好ましくは前記N−アルキルボラジンの標準沸点−15℃以下であり、さらに好ましくは前記N−アルキルボラジンの沸点−25℃以下である。さらに留出率が55%以上85%以下のとき、より好ましくは前記N−アルキルボラジンの標準沸点−10℃以下であり、さらに好ましくは前記N−アルキルボラジンの沸点−20℃以下である。
この際、蒸留温度が前記N−アルキルボラジンの標準沸点−10℃以下とは、液を留出させている留出期間の一部で蒸留温度が前記N−アルキルボラジンの標準沸点−10℃以下であることを意味する。好ましくは、前記留出期間の50%以上、より好ましくは前記留出期間の80%以上、さらに好ましくは前記留出期間の90%以上、特に好ましくは前記留出期間の全体で、蒸留温度が前記N−アルキルボラジンの標準沸点−10℃以下である。すなわち、a)留出率が15%未満のとき、b)留出率が15%以上55%未満のとき、およびc)留出率が55%以上85%以下のとき、のそれぞれの留出率の範囲において、留出期間の一部、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは前記留出期間の全体で、a)〜c)の各留出率における温度条件のうち、少なくとも1つ、より好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは3つを満足することが好ましい。この際、液の留出は、連続的であっても間歇的であってもよい。ここで留出期間は、上述と同様に液を留出させている期間の合計を意味する。蒸留温度の下限は特に限定されないが、実際には20℃以上である。
例えば、N,N’,N”−トリメチルボラジンと溶媒であるトリグライムとを含む液を仕込み液として蒸留精製する場合、塔底温度は、好ましくは、仕込み液中のN,N’,N”−トリメチルボラジンの含有量に対して留出率15%までの時は123℃以下であり、より好ましくは113℃以下であり、さらに好ましくは103℃以下である。留出率55%までのときは好ましくは128℃以下であり、より好ましくは118℃以下であり、さらに好ましくは108℃以下である。留出率85%までのときは133℃以下であり、より好ましくは123℃以下であり、さらに好ましくは113℃以下である。塔底温度の下限値は、特に限定されないが、実際には20℃である。上記温度条件で蒸留を行うと、冷却器や留出ラインへの析出物の付着を抑制できる。上記温度条件で蒸留を行うために、例えば、蒸留時の圧力および仕込み液中のN−アルキルボラジンの含有量を決定する。または、蒸留操作の進行に伴って蒸留時の圧力を段階的に低くしていくことで、蒸留温度の上昇を抑え、より低い温度で蒸留操作を行うことができる。上述の蒸留条件で蒸留精製を行い、純度99.9質量%以上のN,N’,N”−トリメチルボラジンが高い回収率で得られる。
その他の操作条件は、公知の蒸留条件に従えばよい。
本発明の方法によって製造されるN−アルキルボラジンは、好ましくは、純度が99.9質量%以上であり、より好ましくは99.92質量%以上であり、特に好ましくは99.95質量%以上である。ここで、N−アルキルボラジンの純度の値は、ガスクロマトグラフィーによって測定した値を採用するものとする。このような高純度のN−アルキルボラジンを用いることにより、半導体素子などの性能を向上させることができる。
本発明の製造方法によって、前記N−アルキルボラジンを含む液を蒸留精製する際に、冷却器や留出ラインに析出物が付着することを防ぐことができる。そのため、析出物の付着、蓄積による蒸留塔の閉塞が生じないため、析出物の除去、洗浄のために蒸留を停止する必要がなく、安定運転が可能となり、高い生産性でN−アルキルボラジンの製造を行うことができる。さらに、純度99.9質量%以上のN−アルキルボラジンを高い回収率で得ることができる。
製造されたN−アルキルボラジンは、特に限定されないが、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層、エッチストッパー層などの形成に用いられうる。その際には、N−アルキルボラジンがそのまま用いられてもよいし、N−アルキルボラジンに改変を加えた化合物が用いられてもよい。N−アルキルボラジンまたはN−アルキルボラジンの誘導体を重合させた重合体を、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層またはエッチストッパー層の原料として用いてもよい。以下、「N−アルキルボラジン」、「N−アルキルボラジンの誘導体」および「これらに起因する重合体」をまとめて、「ボラジン環含有化合物」と称する。
ボラジン環含有化合物を用いて、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層またはエッチストッパー層を形成する手法としては、例えば、ボラジン環含有化合物を含む溶液状またはスラリー状の組成物を調製し、これを所望の部位に塗布することによって、塗膜を形成する手法や化学気相成長成膜法(CVD法)が用いられうる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明の実施の形態をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は下記の形態のみには制限されない。
<実施例1>
(反応)
還流管を備えた100Lの反応液を窒素置換した後、アミン塩として、乾燥したメチルアミン塩酸塩を8.40kg、溶媒として、トリグライム30.1kgを仕込み、150℃まで昇温した。その後、水素化ホウ素アルカリとして水素化ホウ素ナトリウム5.25kgと溶媒であるトリグライム22.2kgとの混合物を、7.5時間かけて供給した。その後、170℃まで昇温し、その後2時間熟成した。反応中に生成した水素は還流管にて冷却した後、系外へ除去した。得られた反応液にはN,N’,N”−トリメチルボラジンが4.5kg含まれていた。
(粗蒸留工程1:単蒸留)
得られた反応液から蒸留にてN,N’,N”−トリメチルボラジンを濃縮した。粗蒸留として、塔底圧力13kPaにて反応液を加熱し、N,N’,N”−トリメチルボラジンを含んだ留分を15kg留出させた。留分中のN,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度は30質量%であった。
(精留工程1:多段蒸留)
粗蒸留工程1にて得られた留分について、内径32mm、20段のガラス製オルダーショウ蒸留塔(棚段塔)にて精留を行った。上記留分2.6kgを塔底に仕込み、塔底圧力として9kPa、還流比5にて蒸留をおこなった。仕込み液に含まれるN,N’,N”−トリメチルボラジンの質量に対して、N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分(以下、本留とも称す)は、留出率15%から55%であり、N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分の回収率は40%であった。本留を取得している際の塔頂温度は56℃、塔底温度は、留出率15%の時は88℃(標準沸点−45℃)、留出率55%の時は115℃(標準沸点−18℃)であった。本留取得時の冷却器への析出物の付着はほとんどなかった。
なお、N,N’,N”−トリメチルボラジンの含有量は、ガスクロマトフィーによって測定した。測定条件は以下の通りである。
Figure 2009057301
<実施例2>
(反応)
実施例1と同様に行った。
(粗蒸留工程2:単蒸留)
得られた反応液から蒸留にてN,N’,N”−トリメチルボラジンを濃縮した。粗蒸留として、塔底圧力13kPaにて反応液を加熱し、N,N’,N”−トリメチルボラジンを含んだ留分を6.7kg留出させた。留分中のN,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度は65質量%であった。
(精留工程2:多段蒸留)
粗蒸留工程2にて得られた留分について、内径32mm、20段のガラス製オルダーショウ蒸留塔にて精留を行った。上記留分1.2kgを塔底に仕込み、塔底圧力として9kPa、還流比5にて、仕込み液に含まれるN,N’,N”−トリメチルボラジンに対して留出率が93%になるまで継続した。仕込み液に含まれるN,N’,N”−トリメチルボラジンの質量に対して、N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分は、留出率15%から85%であり、N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分の回収率は70%であった。本留を取得している際の塔頂温度は56℃、塔底温度は、留出率15%の時は71℃(標準沸点−62℃)、留出率55%の時は75℃(標準沸点−58℃)、留出率85%の時は88℃(標準沸点−45℃)であった。蒸留終了時の塔底温度は138℃(標準沸点+5℃)であった。本留取得時の冷却器への析出物の付着はほとんどなかった。
<実施例3>
(反応)
実施例1と同様に行った。
(粗蒸留工程3:単蒸留)
得られた反応液から蒸留にてN,N’,N”−トリメチルボラジンを濃縮した。粗蒸留として、塔底圧力13kPaにて反応液を加熱し、N,N’,N”−トリメチルボラジンを含んだ留分を4.5kg留出させた。留分中のN,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度は90質量%であった。
(精留工程3:多段蒸留)
粗蒸留工程3にて得られた留分について、内径32mm、20段のガラス製オルダーショウ蒸留塔にて精留を行った。上記留分1.2kgを塔底に仕込み、塔底圧力として9kPa、還流比2にて、仕込み液に含まれるN,N’,N”−トリメチルボラジンの質量に対して、留出率が92%になるまで継続した。仕込み液に含まれるN,N’,N”−トリメチルボラジンの質量に対して、N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分は、留出率23%から92%であり、N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分の回収率は69%であった。本留を取得している際の塔頂温度は56℃、塔底温度は留出率15%の時は64℃(標準沸点−69℃)、留出率55%の時は65℃(標準沸点−68℃)、留出率85%の時は78℃(標準沸点−55℃)、蒸留終了時の塔底温度は94℃(標準沸点−39℃)であった。本留取得時の冷却器への析出物の付着はなかった。
<実施例4>
(反応)
実施例1と同様に行った。
(粗蒸留工程4−1:単蒸留)
粗蒸留工程2と同様に行った。
(粗蒸留工程4−2:多段蒸留)
粗蒸留工程4−1で得られた留分について、内径32mm、20段のガラス製オルダーショウ蒸留塔にて蒸留を行った。上記留分1.7kgを塔底に仕込み、塔底圧力として9kPa、還流比0.5にて、N,N’,N”−トリメチルボラジンを含んだ留分を1.1kg留出させた。留分中のN,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度は99質量%であった。蒸留終了時の塔底温度は128℃(標準沸点−5℃)であった。留出時の冷却器への析出物の付着はほとんどなかった。
(精留工程4:多段蒸留)
粗蒸留工程4−2で得られた留分について、内径32mm、20段のガラス製オルダーショウ蒸留塔にて精留を行った。上記留分1.1kgを塔底に仕込み、塔底圧力9kPa、還流比2にて、仕込み液に含まれるN,N’,N”−トリメチルボラジンの質量に対して、留出率が87%になるまで継続した。N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分は、留出率27%から87%であり、N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分の回収率は60%であった。本留を取得している際の塔頂温度は56℃、塔底温度は留出率15%、留出率55%、留出率85%、蒸留終了時のいずれも66℃(標準沸点−67℃)であった。本留取得時の冷却器への析出物の付着はなかった。
<比較例>
実施例1の(粗蒸留工程1)にて得られた留分について、内径32mm、20段のガラス製オルダーショウ蒸留塔にて精留を行った。上記留分2.6kgを塔底に仕込み、塔底圧力として103kPa、還流比5にて、仕込み液に含まれるN,N’,N”−トリメチルボラジンに対して留出率が93%になるまで継続した。N,N’,N”−トリメチルボラジンの濃度が99.9質量%以上ある留分は得られなかった。蒸留時の塔頂温度は130から133℃、塔底温度は166℃(標準沸点+33℃)から217℃(標準沸点+84℃)であった。冷却器へは蒸留初期から多量の析出物が付着し、留出液は濁っていた。
以上の実施例および比較例に示す結果から、蒸留時の温度および圧力を制御することによって、蒸留装置の冷却部分に析出物が生じることを防ぐことができることがわかる。さらに高純度のN−アルキルボラジンを高い回収率で得ることができる。

Claims (7)

  1. ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、(RNHX(Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子であり、nは1または2である)で表されるアミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する工程を含むN−アルキルボラジンの製造方法であって、
    前記N−アルキルボラジンを含む液を、前記N−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下の蒸留温度で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、N−アルキルボラジンの製造方法。
  2. ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、(RNHX(Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子であり、nは1または2である)で表されるアミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する工程を含むN−アルキルボラジンの製造方法であって、
    前記N−アルキルボラジンを含む液を、1.3〜60kPaの減圧下で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、N−アルキルボラジンの製造方法。
  3. ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、(RNHX(Rはアルキル基であり、Xは硫酸基またはハロゲン原子であり、nは1または2である)で表されるアミン塩とを、溶媒中で反応させてN−アルキルボラジンを合成する工程を含むN−アルキルボラジンの製造方法であって、
    前記N−アルキルボラジンを含む液を、1.3〜60kPaの減圧下で、前記N−アルキルボラジンの標準沸点+15℃以下の蒸留温度で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、N−アルキルボラジンの製造方法。
  4. 前記N−アルキルボラジンの濃度が30質量%以上である液を蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記N−アルキルボラジンを含む液を、
    a)留出率が15%未満のとき、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点−10℃以下である、
    b)留出率が15%以上55%未満のとき、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点−5℃以下である、
    c)留出率が55%以上85%以下のとき、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点以下である、
    のうち少なくとも1つを満たす条件下で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記N−アルキルボラジンを含む液を、
    a)留出率が15%未満のとき、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点−10℃以下である、
    b)留出率が15%以上55%未満のとき、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点−5℃以下である、
    c)留出率が55%以上85%以下のとき、蒸留温度が、前記N−アルキルボラジンの標準沸点以下である、
    のうち少なくとも2つを満たす条件下で蒸留してN−アルキルボラジンを精製する工程を含む、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記N−アルキルボラジンを含む液における前記N−アルキルボラジンの濃度を30質量%以上にする工程を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
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