JP5121245B2 - ボラジン化合物の製造方法 - Google Patents

ボラジン化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5121245B2
JP5121245B2 JP2007040267A JP2007040267A JP5121245B2 JP 5121245 B2 JP5121245 B2 JP 5121245B2 JP 2007040267 A JP2007040267 A JP 2007040267A JP 2007040267 A JP2007040267 A JP 2007040267A JP 5121245 B2 JP5121245 B2 JP 5121245B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solvent
borazine
alkali borohydride
atom
borazine compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007040267A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008201729A (ja
Inventor
徳春 森
吉田  裕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2007040267A priority Critical patent/JP5121245B2/ja
Publication of JP2008201729A publication Critical patent/JP2008201729A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5121245B2 publication Critical patent/JP5121245B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、ボラジン化合物の製造方法に関するに関する。ボラジン化合物は、例えば半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層、エッチストッパー層等を形成するために用いられる。
情報機器の高性能化に伴い、LSIのデザインルールは、年々微細になっている。微細なデザインルールのLSIにおいては、LSIを構成する材料も高性能で、微細なLSI上でも機能を果たすものでなければならない。
例えば、LSI中の層間絶縁膜に用いられる材料に関していえば、高い誘電率は信号遅延の原因になる。微細なLSIにおいては、この信号遅延の影響が特に大きい。このため、層間絶縁膜として用いられ得る、新たな低誘電材料の開発が所望されている。また層間絶縁膜として使用されるためには、誘電率が低いだけでなく、耐湿性、耐熱性、機械的強度などの特性にも優れている必要がある。
このような要望に対して、分子内にボラジン環骨格を有するボラジン化合物が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。ボラジン骨格を有するボラジン化合物は分子分極率が小さいため、形成される被膜は低誘電率である。その上、形成される被膜は、耐熱性や機械的強度に優れる。
特開2000−340689号公報明細書 特開2003−119289号公報明細書
ボラジン化合物の一つとして、ボラジン環を構成する窒素原子がアルキル基と結合しているN−アルキルボラジンがある。N−アルキルボラジンは、それ自体が半導体用層間絶縁膜として用いられ得る。また、他のボラジン化合物を製造する際の中間体ともなる。例えば、N−アルキルボラジンのホウ素に結合している水素をアルキル基で置換することによって、ヘキサアルキルボラジンが製造される。
ボラジン化合物の製造方法はこれまでも検討されているが、製造プロセスの最適化や生産性は工業的にはまだ十分とは言えない。
また、ボラジン化合物が、例えば上述したような半導体用層間絶縁膜として用いられる場合には、用いられるボラジン化合物中にハロゲンが含まれると、得られる半導体としての性能が低下したり、寿命が短くなるおそれがある。従ってハロゲン含有量の少ない、高純度高品質のボラジン化合物が求められている。
そこで、本発明の目的は、効率的に高品質なボラジン化合物を製造する方法を提供することであり、供給原料として用いる水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物の取り扱いに着目し見出した発明である。
本発明は、ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、RNHX(Rは水素原子またはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)で表されるアミン塩とを溶媒中で反応させてボラジン化合物を製造する方法であって、反応器に水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物を供給しながら反応するに当たり、前記水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物の供給時の温度を50℃以下にすることを特徴とするボラジン化合物の製造方法である。
また、反応器に水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物を供給しながら反応するに当たり、前記水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物を調製する際の調製時温度を100℃以下に制御することを特徴とするボラジン化合物の製造方法である。
本発明によって、ハロゲン含有量が非常に少ないボラジン化合物を効率的に製造することができる。ハロゲン含有量が非常に少ないボラジン化合物を用いることにより、ボラジン化合物を用いて製造される層間絶縁膜などの特性を向上させることができる。
本発明の第一はABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、RNHX(Rは水素原子またはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)で表されるアミン塩とを溶媒中で反応させてボラジン化合物を製造する方法であって、反応器に水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物を供給しながら反応するに当たり、前記水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物の供給時の温度を50℃以下にすることを特徴とするボラジン化合物の製造方法である。
上記反応においては、ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、RNHX(Rは水素原子またはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)で表されるアミン塩とを原料とする反応であり、下記反応式に示すように、ボラジン化合物が生成すると同時に、AXで表される塩と水素が副生する。
Figure 0005121245
まず、ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、RNHX(Rは水素原子またはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)で表されるアミン塩とを溶媒中で反応させてボラジン化合物を合成する。
ABHで表される水素化ホウ素アルカリにおいて、Aはリチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である。水素化ホウ素アルカリの例としては、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化ホウ素カリウムが挙げられる。
RNHXで表されるアミン塩において、Rは水素原子またはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。アルキル基は直鎖であっても、分岐であっても、環状であってもよい。アルキル基の有する炭素数は、特に限定されないが、好ましくは1〜8個、より好ましくは1〜4個、更に好ましくは1個である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これら以外のアルキル基が用いられてもよい。アミン塩の例としては、塩化アンモニウム(NHCl)、モノメチルアミン塩酸塩(CHNHCl)、モノエチルアミン塩酸塩(CHCHNHCl)、モノメチルアミン臭化水素酸塩(CHNHBr)またはモノエチルアミンフッ化水素酸塩(CHCHNHF)等が挙げられる。
ボラジン化合物は、下記式で表される化合物である。
Figure 0005121245
式中、Rは、アミン塩について記載した通りであるため、ここでは説明を省略する。ボラジン化合物の例としては、ボラジン、N,N’,N”−トリメチルボラジン、N,N’,N”−トリエチルボラジン、N,N’,N”−トリ(n−プロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(iso−プロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(n−ブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(sec−ブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(iso−ブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(tert−ブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(1−メチルブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(2−メチルブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(neo−ペンチル)ボラジン、N,N’,N”トリ(1,2−ジメチルプロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(1−エチルプロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(n−ヘキシル)ボラジン、N,N’,N”−トリシクロヘキシルボラジン、N,N’−ジメチル−N”−エチルボラジン、N,N’−ジエチル−N”−メチルボラジン、N,N’−ジメチル−N”−プロピルボラジンなどが挙げられる。
使用する水素化ホウ素アルカリおよびアミン塩は、合成するボラジン化合物の構造に応じて選択すればよい。例えば、ボラジン環を構成する窒素原子にメチル基が結合しているN−メチルボラジンを製造する場合には、アミン塩として、モノメチルアミン塩酸塩などの、Rがメチル基であるアミン塩を用いればよい。
用いられうる溶媒としては、特に制限されないが、テトラヒドロフラン、モノエチレングリコールジメチルエーテル(モノグライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサン、テトラリン、デカリン等の脂環式炭化水素類などが挙げられる。中でも、エーテル類が好ましく用いられる。また上記の溶媒を混合して用いてもよい。
反応原料である水素化ホウ素アルカリとアミン塩を溶媒中で反応させることで、ボラジン化合物を合成することができる。この反応は発熱反応であり、また水素を多量に発生することから、反応温度の制御や安全上の観点から工夫が必要である。原料を反応器に一括で仕込み反応すると、反応が一気に進行し、急な発熱や大量の水素の発生等、反応温度の制御や安全性に問題が生じる場合がある。そこで本反応では、原料の一方または双方を反応器に逐次供給する方法を採用することで、反応温度を制御し、かつ安全に反応を進行させることができる。
本発明における反応器への反応原料の供給は、水素化ホウ素アルカリのみを供給するか、水素化ホウ素アルカリとアミン塩の双方をそれぞれ供給すればよい。反応原料として水素化ホウ素アルカリのみを供給する場合、反応器に反応原料であるアミン塩と、溶媒を仕込んでおき、そこに水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物を供給すればよい。また水素化ホウ素アルカリとアミン塩をそれぞれ供給する場合は、反応器が空の状態か、溶媒を仕込んだ状態から、水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物と、アミン塩またはアミン塩と溶媒を含む混合物を、それぞれ反応器へ供給すればよい。
水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物は、水素化ホウ素アルカリと溶媒以外の物質を含んでいてもよい。例えば、反応に用いる触媒、添加物やスラリーを安定化する分散剤等が挙げられる。
原料の水素化ホウ素アルカリやアミン塩の供給は、連続的に供給してもよいし、間欠的に供給してもよい。供給する速度を制御することで、反応温度や水素の発生速度を制御することができる。
反応温度は、好ましくは20〜250℃、より好ましくは50〜240℃、さらに好ましくは100〜220℃である。上記範囲で反応させると、水素発生量の制御が容易で、かつ選択率よく反応が進行する。
また、本発明においては、原料として用いる水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物を取り扱う際に、その温度を管理することで、反応速度を早め効率的に反応を進行させることができ、またアミン塩の転化率を向上させることができる。
温度管理の方法のひとつは、反応器に水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物を供給しながら反応する際に、前記水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物の供給時の温度を50℃以下にすることである。これにより反応速度を速くすることができ、さらにアミン塩の転化率を向上させることができる。該混合物の供給時の温度はより好ましくは45℃以下であり、更に好ましくは40℃以下である。
水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物は、タンク等に貯蔵され、そこから送液装置を経由して反応器へ送られるが、本発明における水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物の供給時の温度とは、タンク等及びタンク等から反応器までの送液ライン中における該混合物の温度を指す。代表的にはタンク等の中での該混合物の温度でよい。
また温度管理の方法のふたつめは、水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物を調製するときに、該混合物の温度が100℃以下となるように調製することである。溶媒に水素化ホウ素アルカリを混合すると、溶解熱が発生し該混合物の温度が上昇する。このとき、該混合物の温度が100℃を超えると、反応においてボラジン化合物の収率が低下する場合がある。該混合物を調製するときの温度は、より好ましくは80℃以下であり、更に好ましくは70℃以下である。
水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物を調製するときには、溶解により発熱を生じるため、調製時の温度を100℃以下にするためには、工夫を要する。例えば、混合に使用する容器を冷却しながら混合物を調製する、容器内に冷媒を流せるコイル等を入れ、該混合物を冷却しながら調製する等、溶解熱を系外へ除熱する方法、溶媒を予め冷却しておき温度上昇を抑制する方法、溶媒に少しずつ水素化ホウ素アルカリを添加して、急激な温度上昇を抑制する方法等が挙げられる。
また調製された水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物が、調製されてから反応器へ供給されるまでの期間のうち、60%以上の期間を70℃以下に保持することが好ましく、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上である。
さらに調製された水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物が、調製されてから反応器へ供給されるまでの期間のうち、70℃以上の期間が5時間以下が好ましく、より好ましくは3時間以下、更に好ましくは1時間以下である。
水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物は、水素化ホウ素アルカリの濃度と、保持する温度によっては、水素化ホウ素アルカリが溶媒に完全に溶解した均一溶液になる場合と、溶媒の溶解度を超えた水素化ホウ素アルカリが、固体として存在するスラリー溶液になる場合があるが、本発明においてはどちらも好適に使用することができる。スラリー溶液となる場合には、固体成分が沈降しないように、該混合物を攪拌する等の措置を講ずることが好ましい。
調製した水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物中の水分は少ない方が好ましい。具体的には1質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以下である。水分が1質量%を超えた場合、水素化ホウ素アルカリが分解したり、反応時の収率が低下する場合がある。
反応によって得られたボラジン化合物を含む反応液から、精製工程を経て高純度のボラジン化合物を得ることができる。精製工程は、濾過、蒸発、蒸留、再結晶、晶析等公知の方法で実施できる。本発明は、蒸留を含む精製工程によりボラジン化合物を精製する場合に、特に有効である。
得られた反応液から蒸留によりボラジン化合物を精製する蒸留装置は、多段式蒸留塔のような回分式(バッチ式)蒸留装置又は連続式蒸留装置が好適である。多段式蒸留塔である場合における蒸留塔の段数は、特に限定されるものではないが、塔頂(最上段)と塔底(最下段)とを除いた段数が2段以上であることが好ましい。このような蒸留塔としては、例えばラシヒリング、ポールリング、インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング、スルーザーパッキング等の充填物が充填された充填塔;泡鐘トレイ、シーブトレイ、バルブトレイ、多孔板等のトレイ(棚段)を使用した棚段塔等、一般に用いられている蒸留塔が好適である。また、棚段と充填物層とを併せ持つ複合式の蒸留塔も採用することができる。上記の段数とは、棚段塔においては棚段の数を示し、充填塔においては理論段数を示す。上記段数は、好ましくは3〜100段であり、より好ましくは5〜50段である。
蒸留塔の構成としては、リボイラ、コンデンサ等を備えた一般的な構成を採用できる。蒸留塔の本数は限定的でなく、1本又は2本以上の蒸留塔が使用できる。
蒸留塔における操作圧力は、混合物の組成、加熱源・冷却源の温度等によって適宜決定されるものであり、特に制限されるものではないが、副反応の抑制という観点から減圧下で行うことが好ましい。具体的には60kpa以下が好ましく、30kPa以下がより好ましい。また、同様に塔底温度は、250℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましい。蒸留塔の塔頂における還流比は限定的ではないが、好ましくは0.1〜50、より好ましくは0.3〜30とすれば良い。その他の操作条件は、公知の蒸留条件に従えば良い。
また、回分式の蒸留を行う際に、除去したい軽沸点成分の濃度が低い場合には、蒸留塔を全還流で保持して還流槽に軽沸点成分を濃縮し、還流槽の組成が安定したところで、槽内の液を短時間で抜き出す方式で軽沸点成分を除去してもよい。この操作を複数回繰り返すことで、軽沸点成分をさらに除去することができる。全還流にて保持する時間は、装置によって異なるが、還流槽の液量に対して、2倍の液が塔頂より留出する時間以上に保持することが望ましい。本操作の終了後に、塔底から残存する液を抜き出すか、塔頂から留出させることで、軽沸点成分を低減した液を得ることができる。
製造されたボラジン化合物は、特に限定されないが、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層、エッチストッパー層などの形成に用いられうる。その際にはボラジン化合物がそのまま用いられてもよいし、ボラジン化合物に改変を加えた化合物が用いられてもよい。ボラジン化合物またはボラジン化合物の誘導体を重合させた重合体を、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層またはエッチストッパー層の原料として用いてもよい。以下、「ボラジン化合物」、「ボラジン化合物の誘導体」および「これらに起因する重合体」をまとめて、「ボラジン環含有化合物」と称する。
ボラジン環含有化合物を用いて、半導体用層間絶縁膜、バリアメタル層またはエッチス
トッパー層を形成する手法としては、例えば、ボラジン環含有化合物を含む溶液状または
スラリー状の組成物を調製し、これを所望の部位に塗布することによって、塗膜を形成す
る手法や化学気相成長製膜法(CVD法)等が用いられうる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
水素化ホウ素アルカリである水素化ホウ素ナトリウム26.2g、トリグライム109.8gを混合して原料スラリーを調製した。容器を水浴に浸せきし、溶解熱を除熱しながら調製し内温は最高35℃まで上昇した。
還流管を備えた500mLの反応器を窒素置換した後、アルキルアミン塩として乾燥したメチルアミン塩酸塩41.9g、トリグライム150.9gを仕込み、150℃まで昇温した。その後、先に調製した水素化ホウ素ナトリウムとトリグライムの混合物を、30℃に維持しながら、1.5時間かけて反応器に供給した。その後、さらに2時間150℃で保持して反応を完結させた。反応中に生成した水素は還流管にて冷却した後、系外へ除去した。
反応液を分析したところ、メチルアミン塩酸塩の転化率は100%、生成したN,N’,N”−トリメチルボラジンのメチルアミン塩酸塩に対する収率は78モル%であった。水素化ホウ素ナトリウムとトリグライムの混合物の供給を終了した時点で発生した水素量は4.0Lであった。
<実施例2>
水素化ホウ素アルカリである水素化ホウ素ナトリウム26.3g、トリグライム110.5gを混合して原料スラリーを調製した。容器を氷浴に浸せきし、溶解熱を除熱しながら調製し内温は最高8℃まで上昇した。
還流管を備えた500mLの反応器を窒素置換した後、アルキルアミン塩として乾燥したメチルアミン塩酸塩41.9g、トリグライム151.0gを仕込み、150℃まで昇温した。その後、先に調製した水素化ホウ素ナトリウムとトリグライムの混合物を、5℃に維持しながら、1.5時間かけて反応器に供給した。その後、さらに2時間150℃で保持して反応を完結させた。反応中に生成した水素は還流管にて冷却した後、系外へ除去した。
反応液を分析したところ、メチルアミン塩酸塩の転化率は100%、生成したN,N’,N”−トリメチルボラジンのメチルアミン塩酸塩に対する収率は82モル%であった。水素化ホウ素ナトリウムとトリグライムの混合物の供給を終了した時点で発生した水素量は4.5Lであった。
このように、水素化ホウ素ナトリウムとトリグライムの混合物の温度を、50℃以下に保持することで、発生する水素の速度が速く、ボラジン化合物の収率が高くなるため、効率的にボラジン化合物を製造できることがわかる。またメチルアミン塩酸塩の転化率が高くなるため、メチルアミン塩酸塩が精製したボラジン化合物に混入することがなく、ハロゲン含有量の少ないボラジン化合物を製造することができる。
本発明の方法によりボラジン化合物を製造することにより、反応速度が速く効率的にボラジン化合物を製造することができる。

Claims (2)

  1. ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、RNHX(Rは水素原子またはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)で表されるアミン塩とを溶媒中で反応させてボラジン化合物を製造する方法であって、
    反応器に水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物を供給しながら反応するに当たり、
    前記水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物の供給時の温度を50℃以下であり、
    前記水素化ホウ素アルカリと前記アミン塩とを100〜220℃で反応を行う
    ことを特徴とするボラジン化合物の製造方法。
  2. ABH(Aは、リチウム原子、ナトリウム原子またはカリウム原子である)で表される水素化ホウ素アルカリと、RNHX(Rは水素原子またはアルキル基であり、Xはハロゲン原子である)で表されるアミン塩とを溶媒中で反応させてボラジン化合物を製造する方法であって、
    反応器に水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物を供給しながら反応するに当たり、
    前記水素化ホウ素アルカリと溶媒を含む混合物を調製する際に、調製時の温度が100℃以下であり、
    前記水素化ホウ素アルカリと前記アミン塩とを100〜220℃で反応を行う
    ことを特徴とするボラジン化合物の製造方法。
JP2007040267A 2007-02-21 2007-02-21 ボラジン化合物の製造方法 Expired - Fee Related JP5121245B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007040267A JP5121245B2 (ja) 2007-02-21 2007-02-21 ボラジン化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007040267A JP5121245B2 (ja) 2007-02-21 2007-02-21 ボラジン化合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008201729A JP2008201729A (ja) 2008-09-04
JP5121245B2 true JP5121245B2 (ja) 2013-01-16

Family

ID=39779600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007040267A Expired - Fee Related JP5121245B2 (ja) 2007-02-21 2007-02-21 ボラジン化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5121245B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2907868A4 (en) 2012-10-12 2016-05-25 Jx Nippon Oil & Energy Corp LUBRICATING OIL AND LUBRICATE OIL COMPOSITION

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4758657B2 (ja) * 2005-02-07 2011-08-31 株式会社日本触媒 N−アルキルボラジンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008201729A (ja) 2008-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI525039B (zh) 氫矽烷類的製備方法
US8568682B2 (en) Apparatus and method for the condensed phase production of trisilylamine
US7449600B2 (en) Process for producing cyclohexanone oxime
RU2010146077A (ru) Способ получения изоцианатов с использованием диарилкарбоната
US10150785B2 (en) Method for producing dialkylaminosilane
WO2018163517A1 (ja) ジアルキルアミノシランの製造方法
JP5121245B2 (ja) ボラジン化合物の製造方法
US20110054206A1 (en) Method for manufacturing dialkylzinc and dialkylaluminum monohalide
TWI633111B (zh) 氫化含鹵素高級矽烷化合物的方法
JP5001526B2 (ja) ボラジン化合物の製造方法
JP5213408B2 (ja) 水素化ホウ素アルカリの取扱方法及びボラジン化合物の製造法
JP6541657B2 (ja) アルキルインジウム化合物の製造方法及びその使用
JP5546723B2 (ja) N−アルキルボラジンの製法
TWI725046B (zh) 鹵化丙烯酸酯衍生物的製造方法
JP2009215249A (ja) ホウ素化合物の処理方法及びボラジン化合物の製造法
US20170217862A1 (en) Method for producing cyclopentyl alkyl ether compound
JP2009298774A (ja) ボラジン化合物の製造用溶媒及びそれを用いたボラジン化合物の製造法
JP5215600B2 (ja) N−アルキルボラジンの製造方法
US20210032103A1 (en) Formation of High Quality Alane
JP4795318B2 (ja) N−アルキルボラジンの製造法
TW201331190A (zh) 一種製備二環氧芳烴的方法
JP5373265B2 (ja) N−アルキルボラジンの製造方法
JP2009072327A (ja) ホウ素化合物の処理方法及びボラジン化合物の製造法
CN103889950A (zh) ε-己内酰胺的制造方法
JP2011231130A (ja) 高純度ビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム及びその製法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090911

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120126

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120323

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120328

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121002

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121023

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151102

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5121245

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees