JP2009056428A - 粘性流体塗布装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な構成で、シリンジ内部に送り込まれた圧縮空気による熱を効果的に放出し、接着剤硬化を解消する。
【解決手段】シリンジ113の内部に貯溜された粘性流体(接着剤102)に圧縮空気を加えてシリンジ先端のニードル113aから粘性流体を吐出し、塗布する粘性流体塗布装置(接着剤塗布装置50)において、前記シリンジのホルダ130に、シリンジ内に対流する圧縮空気を外部に放出するための空気放出手段(2重内部管150、排出口152、放出孔160、流量調整装置170、つまみ部172、エジェクタ180)を設ける。
【選択図】図5

Description

本発明は、粘性粒体塗布装置に係り、特に、表面実装部品を基板に接着する際等において、接着剤等を基板に塗布する際に用いるのに好適な、シリンジの内部に貯溜された粘性流体に圧縮空気を加えて、シリンジ先端のニードルから粘性流体を吐出し、塗布する粘性流体塗布装置に関する。
従来より、コンベアに沿ってプリント基板を搬送し、接着剤等の粘性粒体を基板に塗布しながらIC等の小片状の部品を順次基板に装着するようにした部品実装システムが知られている。
このような、基板上に電子部品を実装する実装システムでは、通常、部品の実装を行うマウンタの前段に接着剤塗布装置(ディスペンサ)が設けられており、電子部品を固定するための粘性流体である接着剤やクリームハンダ等の塗布剤を基板に塗布することができるようになっている。
これまで電子部品を基板に接着する粘性流体は、アクリル樹脂やエポキシ樹脂などからなる接着剤が使用され、更に、プリント基板に適する種々の粘性粒体が開発され、特に低温硬化型の接着剤も多く使用されている。この接着剤は、一般には図1に示すシリンジ113に貯留されており、シリンジ113を基板に対して相対的に水平移動させながら、シリンジ113の内部に貯留された接着剤に気体圧を加え、シリンジ113の下部のニードル113aから接着剤を吐出して基板の所定位置に塗布するようになっている。
例えば、回路形成体である電子基板に部品を接着する際に接着剤を電子基板に塗布するため、従来から図2に示すような接着剤塗布装置が知られている。図において、接着剤塗布装置50は、電子基板に接着剤を塗布する接着剤塗布ヘッド110と、該接着剤塗布ヘッド110を搬送するXロボット80と、電子基板を装置内に搬入して保持する電子基板保持装置90と、装置全体の動作を制御するコントローラ100とを主な構成要素としている。この内、Xロボット80は、モータ82の駆動により接着剤塗布ヘッド110を図に示すX方向に搬送し、また電子基板保持装置90は、モータ92の駆動によって保持した電子基板を図のY方向に搬送する。この接着剤塗布ヘッド110のX方向の移動と、平面状で前記X方向と直交する電子基板保持装置90のY方向の移動との相対移動により、接着剤塗布ヘッド110は電子基板の所定位置に接着剤を塗布することができる。接着剤塗布ヘッド110のX方向の移動量と電子基板保持装置90のY方向の移動量とは、コントローラ100によって制御される。
図3は、接着剤塗布装置における接着剤塗布ヘッド110を拡大して示したものである。図示の例では、接着剤塗布ヘッド110は、圧縮空気による圧力を利用して接着剤102を押出すことにより、接着剤の塗布を行なう塗布機構部111を3組装着している。各塗布機構部111は、接着剤を収納して圧縮空気の作用により所定量の接着剤をノズル112により排出するシリンジ113と、該シリンジ113へ圧縮空気を供給するレギュレータや電磁弁等を用いた圧縮空気供給系115と、プリント基板101へ接着剤102を塗布するためにシリンジ113を上下方向(図のZ方向)に昇降させる昇降機構部120とを備えている。
図4は、図3に示す塗布機構部111の1つを取り出して、その要部を示したものである。圧縮空気供給系115には、シリンジ113に圧縮空気を供給する配管116と、圧縮空気の供給を制御するバルブ117とが備わっている。
前記シリンジ113は、図5に例示する如く、シリンジホルダ130に保持された状態で、接着剤塗布ヘッド110に装着される。
前記シリンジホルダ130は、図5(断面図)及び図6(正面図)に示す如く、エア供給管132と、シリンジセットばね134と、ばね受け部材136と、フック爪138と、フック保持部材140と、フックばね142と、Oリング144とを含んで構成されている。
シリンジホルダ130にシリンジ113をセットする場合、ばね受け部材136にはフック保持部材140が接合されており、該フック保持部材140の上端部には左右にフックばね142が固定されているので、該フックばね142を押し込むように左右から押圧することでフック爪138を開き、爪先端部を掛止して、シリンジ113を保持する。
シリンジ113の内部に嵌合押入したシリンジホルダ130は、シリンジセットばね134によりシリンジ113とシリンジホルダ130を密着させ、シリンジ内部空間Bの空気漏れがOリング144で防がれる。
図において、114はフロート、118はカメラ、121は圧縮空気供給管、122は回転軸、123はL字状リンク、124はコロ、125はカム、126はアクチュエータである。
以上のように構成された従来技術による接着剤塗布装置は、圧縮空気供給系115に備わるバルブ117が所定時間動作することで、シリンジ113内のフロート114が圧縮空気により押し下げられ、シリンジ113内に収納されている接着剤102がノズル112の先端112aから所定量だけ吐出される。
しかしながら、このような接着剤塗布装置では、シリンジ113内の接着剤102を圧縮空気の作用によって押し出すことから、図7に示す如く、シリンジ113内の接着剤102の残量の変化によって、接着剤102の吐出量が一定しないという問題があった。
又、上述したように、圧縮空気がシリンジ113内に充填され、接着剤102を押出す形となるが、シリンジ113内の接着剤102の残量の変化に合わせて、例えば接着剤102が少なくなることで、シリンジ113内のフロート114までの空気貯留空間が拡がるため、バルブ117から、より多くの圧縮空気がシリンジ113内に送り込まれることになる。このときの圧縮空気は、バルブ117より連続的に長く稼動することから、高温の圧縮空気に変化し、シリンジ113内の温度が上昇し、その結果、シリンジ113内の接着剤が硬化し始める要因となる。
このように、これまでの空気加圧方式による接着剤塗布装置においては、加圧する度にシリンジ内部の温度が上昇してしまい、熱を持った空気を外部に放出させるには、圧縮空気供給系115の電磁弁の切り替えだけでは不十分であり、特に使用している接着剤が低温硬化型の場合、シリンジ内部の温度上昇により接着剤硬化が発生してしまうという問題点を有していた。
そこで、良好な塗布状態を維持するために接着剤の温度管理を行なう装置として、特許文献1には、切換バルブの切り換えに応じて正圧発生源及び負圧発生源からの正圧、負圧を空気供給管を介して塗布剤を貯溜した各シリンジに供給し、シリンジを収容した密閉容器内で圧縮空気を断熱膨張させることにより、密閉容器内の温度を下げることが記載されている。
又、特許文献2や3には、別体の流体の循環路(特許文献2)やラバーヒータ、冷却用エアノズル、熱電冷却素子等(特許文献3)を使用して、ニードル先端部における接着剤の温度管理を行なうことが記載されている。
特開平9−181432号公報 特開平10−244196号公報 特開2002−239435号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、正圧、負圧発生のための装置に加え、シリンジを包囲する箱体に冷却用空気発生源と加熱用空気発生源を設け、シリンジ周囲を被って温度管理を行なおうとすることから、装置自体が高重量且つ高コストとなってしまう。又、ヘッド部に掛る機械的重量が嵩み、高い機械剛性が必要となる等の問題点を有していた。
一方、特許文献2や3の技術では、ニードル先端部における接着剤の温度管理を行なうのみで、圧縮空気によるシリンジ内の温度上昇によって発生する接着剤硬化を防ぐことはできなかった。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、簡単な構成で、シリンジ内部に送り込まれた圧縮空気による熱を効果的に放出して、接着剤硬化を解消することを課題とする。
本発明は、シリンジの内部に貯溜された粘性流体に圧縮空気を加えてシリンジ先端のニードルから粘性流体を吐出し、塗布する粘性流体塗布装置において、前記シリンジのホルダに、シリンジ内に対流する圧縮空気を外部に放出するための空気放出手段を設けることにより、前記課題を解決したものである。
ここで、圧縮空気をシリンジに供給するための手段が、2重管の一方の流路を用い、前記空気放出手段が、該2重管の他方の流路を用いることができる。
又、前記空気放出手段が、流量調整手段やエジェクタを含むことができる。
本発明によれば、給気と排気で経路を別異にすることで、シリンジ内を通過する新しい空気の流れを確実に発生させて、シリンジ内部の温度上昇の原因となる熱を持った空気を確実に排気して放出させることができるので、シリンジ内部の温度を低下させることができ、低温硬化型接着剤の安定した使用が可能となる。又、本発明は、シリンジを固定するホルダに施されることから、簡便な装置で低コストで提供でき、従来の装置にも簡単に適用できる。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の第1実施形態は、図8(垂直断面図)、図9(正面図)及び図10(水平断面図)に示す如く、エア供給主要管132の内部に2重内部管150を設けて排出口152を形成すると共に、外側のエア供給主要管132及びばね受け部材136に放出孔160を設けたものである。他の点については、図5、図6に示した例と同じであるので、説明は省略する。
本実施形態において、上方のエア供給口Aより供給された圧縮空気は、シリンジホルダ130を通り、シリンジ内空間部Bに到達する。そして、シリンジ内空間部Bのフロート114が押されることで、接着剤が塗布される。
加圧された空気は熱を持ち、シリンジ内空間部Bの温度を上昇させるが、熱を持った空気は、2重内部管150とエア供給主要管132の間の排出口152を通り、エア供給主要管132の上部側面及びばね受け部材136側面に形成された放出孔160より外部に放出される。これにより、圧縮空気による膨張熱が制御される。
従来例と本発明の実施形態におけるシリンジ内温度の変化を図11に比較して示す。従来例では、シリンジ内温度が約70℃まで上昇し、接着剤が硬化するのに対し、本発明では、シリンジ内温度は約35℃で、接着剤は硬化しない。
本実施形態においては、2重管の内側流路からエアを供給し、外側流路から空気を排出するようにしているので、エア供給主要管132及びばね受け部材136の側面に放出孔160を開けるだけで、容易に圧縮空気を外部に排出できる。又、圧縮空気によって発生した熱は、シリンジ内壁やフロート上部に蓄熱され、更にシリンジ内を暖めるが、同一芯上に構成することにより、フロート上部やシリンジ内壁に沿うような状態にある高温の空気を効果的に排出できる。更に、2重内部管を設ける事でシリンジ内に確実に圧力を加える効果もある。なお、2重管の外側流路から圧縮空気を供給し、内側流路から排出する構成も可能である。
次に、本発明の第2実施形態を詳細に説明する。
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成において、図12に示す如く、放出孔160の外側に、流量調整装置170を設けたものである。
前記流量調整装置170は、例えばつまみ部172を回転することで、空気弁の開放と閉鎖が簡便に調整できるようにされ、更に、その放出孔にフィルタ174を設けることで、一定圧に到達したときに放出できるようにしたものを組み合わせることができる。
本実施形態においては、放出孔160から放出される熱を持った空気の量を調整することで、シリンジ内空間Bのフロート114に加えられる圧力を制御することができる。
なお、フィルタ174を省略したり、あるいは、流量調整装置170の代わりにフィルタ174を放出孔160に直接接続することも可能である。又、流量調整装置170の構成も、図示したものに限定されない。
次に、本発明の第3実施形態を詳細に説明する。
本実施形態は、第1実施形態と同様の構成において、図13に示す如く、放出孔160に真空発生装置(エジェクタ)180と電磁弁182を接続したものである。
本実施形態によれば、電磁弁182とエジェクタ180によって、シリンジ内部空間Bの圧縮空気を強制的に開放することができる。
このようにして、フロート114に十分な圧力を加えつつ熱を持った空気を外部に放出させ、且つ、流量調整装置170又はエジェクタ180で放出される空気の流量を調整し、シリンジ内部の圧力を制御することで、粘性流体の安定した塗布ができるようになる。
従来のシリンジの一例を示す斜視図 同じく接着剤塗布装置の全体構成を示す斜視図 同じく接着剤塗布ヘッドの一例の構成を示す斜視図 同じく塗布機構部の詳細を示す断面図 同じくシリンジホルダの構成を示す断面図 同じく正面図 従来の問題点の一つを説明するための断面図 本発明に係る第1実施形態の要部構成を示す垂直断面図 同じく正面図 同じく水平断面図 本発明の効果を示す図 本発明の第2実施形態の要部構成を示す断面図 同じく第3実施形態の要部構成を示す断面図
符号の説明
50…接着剤塗布装置
102…接着剤
113…シリンジ
113a…ニードル
114…フロート
115…圧縮空気供給系
130…シリンジホルダ
132…エア供給主要管
150…2重内部管
152…排出口
160…放出孔
170…流量調整装置
180…エジェクタ
182…電磁弁

Claims (4)

  1. シリンジの内部に貯溜された粘性流体に圧縮空気を加えてシリンジ先端のニードルから粘性流体を吐出し、塗布する粘性流体塗布装置において、
    前記シリンジのホルダに、シリンジ内に対流する圧縮空気を外部に放出するための空気放出手段を設けたことを特徴とする粘性流体塗布装置。
  2. 圧縮空気をシリンジに供給するための手段が、2重管の一方の流路を用い、前記空気放出手段が、該2重管の他方の流路を用いることを特徴とする請求項1に記載の粘性流体塗布装置。
  3. 前記空気放出手段が流量調整手段を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の粘性流体塗布装置。
  4. 前記空気放出手段がエジェクタを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の粘性流体塗布装置。
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