JP2009078201A - 粘性流体塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装着使用開始から塗布剤を使い切るまでの間、圧縮空気を一定圧力で押圧できるようにする。
【解決手段】シリンジ113の内部に貯留された粘性流体(接着剤102)に圧縮空気を加えて、シリンジ下端のニードル113aから粘性流体を吐出し、塗布する粘性流体塗布装置(接着剤塗布装置50)において、前記シリンジ内の粘性流体に浮ぶフロート114上に押圧空間蓋156を載せて空気貯留部Bを設けると共に、該押圧空間蓋と共に上下動する空気流路機構部150を設け、空気流路機構部を介して前記空気貯留部内に圧縮空気を供給して、粘性流体を吐出する。
【選択図】図11
【解決手段】シリンジ113の内部に貯留された粘性流体(接着剤102)に圧縮空気を加えて、シリンジ下端のニードル113aから粘性流体を吐出し、塗布する粘性流体塗布装置(接着剤塗布装置50)において、前記シリンジ内の粘性流体に浮ぶフロート114上に押圧空間蓋156を載せて空気貯留部Bを設けると共に、該押圧空間蓋と共に上下動する空気流路機構部150を設け、空気流路機構部を介して前記空気貯留部内に圧縮空気を供給して、粘性流体を吐出する。
【選択図】図11
Description
本発明は、粘性流体塗布装置に係り、特に、表面実装部品を基板に接着する際等において、接着剤等を基板に塗布する際に用いるのに好適な、シリンジの内部に貯溜された粘性流体に圧縮空気を加えて、シリンジ下端のニードルから粘性流体を吐出し、塗布する粘性流体塗布装置に関する。
従来より、コンベアに沿ってプリント基板を搬送し、接着剤等の粘性流体を基板に塗布しながらIC等の小片状の部品を順次基板に装着するようにした部品実装システムが知られている。
このような、基板上に電子部品を実装する実装システムでは、通常、部品の実装を行うマウンタの前段に接着剤塗布装置(ディスペンサ)が設けられており、電子部品を固定するための粘性流体である接着剤やクリームハンダ等の塗布剤を基板に塗布することができるようになっている。
これまで電子部品を基板に接着する粘性流体は、アクリル樹脂やエポキシ樹脂などからなる接着剤が使用され、更に、プリント基板に適する種々の粘性流体が開発され、特に低温硬化型の接着剤も多く使用されている。この接着剤は、一般には図1に示すシリンジ113に貯留されており、シリンジ113を基板に対して相対的に水平移動させながら、シリンジ113の内部に貯留された接着剤に気体圧を加え、シリンジ113の下部のニードル113aから接着剤を吐出して基板の所定位置に塗布するようになっている。
例えば、回路形成体である電子基板に部品を接着する際に接着剤を電子基板に塗布するため、従来から図2に示すような接着剤塗布装置が知られている。図において、接着剤塗布装置50は、電子基板に接着剤を塗布する接着剤塗布ヘッド110と、該接着剤塗布ヘッド110を搬送するXロボット80と、電子基板を装置内に搬入して保持する電子基板保持装置90と、装置全体の動作を制御するコントローラ100とを主な構成要素としている。この内、Xロボット80は、モータ82の駆動により接着剤塗布ヘッド110を図に示すX方向に搬送し、また電子基板保持装置90は、モータ92の駆動によって保持した電子基板を図のY方向に搬送する。この接着剤塗布ヘッド110のX方向の移動と、平面状で前記X方向と直交する電子基板保持装置90のY方向の移動との相対移動により、接着剤塗布ヘッド110は電子基板の所定位置に接着剤を塗布することができる。接着剤塗布ヘッド110のX方向の移動量と電子基板保持装置90のY方向の移動量とは、コントローラ100によって制御される。
図3は、接着剤塗布装置における接着剤塗布ヘッド110を拡大して示したものである。図示の例では、接着剤塗布ヘッド110は、圧縮空気による圧力を利用して接着剤102を押出すことにより、接着剤の塗布を行なう塗布機構部111を3組装着している。各塗布機構部111は、接着剤を収納して圧縮空気の作用により所定量の接着剤をノズル112により排出するシリンジ113と、該シリンジ113へ圧縮空気を供給するレギュレータや電磁弁等を用いた圧縮空気供給系115と、プリント基板101へ接着剤102を塗布するためにシリンジ113を上下方向(図のZ方向)に昇降させる昇降機構部120とを備えている。
図4は、図3に示す塗布機構部111の1つを取り出して、その要部を示したものである。圧縮空気供給系115には、シリンジ113に圧縮空気を供給する配管116と、圧縮空気の供給を制御するバルブ117とが備わっている。
図3及び図4において、114はフロート、118はカメラ、121は圧縮空気供給管、122は回転軸、123はL字状リンク、124はコロ、125はカム、126はアクチュエータである。
前記シリンジ113は、図5に例示する如く、シリンジホルダ130に保持された状態で、接着剤塗布ヘッド110に装着される。
前記シリンジホルダ130は、図5(断面図)及び図6(正面図)に示す如く、エア供給管132と、シリンジセットばね134と、ばね受け部材136と、フック爪138と、フック保持部材140と、フックばね142と、Oリング144とを含んで構成されている。
シリンジホルダ130にシリンジ113をセットする場合、ばね受け部材136にはフック保持部材140が接合されており、該フック保持部材140の上端部には左右にフックばね142が固定されているので、該フックばね142を押し込むように左右から押圧することでフック爪138を開き、爪先端部を掛止して、シリンジ113を保持する。
シリンジ113の内部に嵌合押入したシリンジホルダ130は、シリンジセットばね134によりシリンジ113とシリンジホルダ130を密着させ、シリンジ内部空間Bの空気漏れがOリング144で防がれる。
以上のように構成された従来技術による接着剤塗布装置は、圧縮空気供給系115に備わるバルブ117が所定時間動作することで、シリンジ113内のフロート114が圧縮空気により押し下げられ、シリンジ113内に収納されている接着剤102がノズル112の先端112aから所定量だけ吐出される。
しかしながら、このような接着剤塗布装置では、シリンジ113内の接着剤102を圧縮空気の作用によって押し出すことから、図7に示す如く、シリンジ113内の接着剤102の残量の変化によって、接着剤102の吐出量が一定しないという問題があった。
又、近年、塗布剤である前述した接着剤のうち、特にエポキシ系樹脂による接着剤は、優れた接着性と非常に高い接着強度を有し、電気特性に優れる点で多用されている。このエポキシ系樹脂接着剤は、糸曳きの現象を発生する要因があったため、これまで高速塗布装置には不向きであったが、保持力がより強いものが開発され、高速塗布に十分対応可能なものとして、現在は最も主流な接着剤の1つである。又、このエポキシ系樹脂の特徴としては、100℃以下で硬化する低温硬化型であり、現在は電子部品の表面実装のボンディングプロセスにおいて、塗布方法が重要な要因となり、塗布時間の短縮化に加え、接着剤硬化速度のより速いものが求められている。
低温硬化型の接着剤は、最も速く硬化することで利便性を持つが、一方では、貯蔵寿命を最大限にするために冷温保存が必要であった。しかし、シリンジ内には圧縮空気が常に送り込まれ、シリンジ内部の温度上昇により熱硬化を誘発する第1の原因となっていた。即ち、シリンジ内のフロートの上部空間に圧縮空気が供給されるが、この圧縮空気は高温となるため、その熱がフロートを介して接着剤に伝達され、接着剤の温度も上昇してしまう。実験によれば、フロートの上部の空気の温度は約80〜90℃に上昇し、又、これに伴い、接着剤の温度は約45℃〜50℃に上昇していた。
更に、低温熱硬化性樹脂でなる接着剤の場合、接着剤の温度上昇に伴って、接着剤の一部で硬化反応が開始されてしまい、接着剤の粘度が上昇してしまう。すると、ニードルからの接着剤の流れが悪くなって、接着剤の吐出量が変化するという不具合もあった。
又、フロートとシリンジの内周面との間に隙間があるため、シリンジの内周面に接着剤が付着したままでフロートがその位置から下降することがあり、シリンジの内周面に接着剤が付着したまま残ると、高温の空気により、この接着剤が硬化されてしまうことになる。このような現象が生ずると、硬化した接着剤によりシリンジの内径が小さくなって、接着剤を使い切ったシリンジからフロートを取り出そうとしても、取り出せなくなる事態を招いてしまうことになる。
更に、接着剤の粘度は温度の関数であり、温度が高くなるほど粘度は小さくなり、シリンジのニードルから多量に吐出され易くなる。このため従来の接着剤塗布装置では、気温の変化等の温度の変化によりニードルからの接着剤の吐出量が変動し、その結果、基板に塗布される接着剤の塗布量がばらつき易く、塗布量の過多・過少による電子部品の接着不良が生じるという問題点もあった。
そこで、このような温度上昇による不具合を解消するものとして、特許文献1には、圧縮空気を使わず、ピストンで接着剤を吐出することが記載され、特許文献2には、フロートを熱伝導率の小さい硬質ウレタンフォームから構成すると共に、その外周部に、シリンジの内周部を摺動するOリングを嵌め込むことが記載されている。
又、シリンジ内に配設されるフロートの不具合を解消するものとして、特許文献3や4には、半球状でなく先細り状のフロートを用いることが記載されている。
又、これまでの使い捨て方式のシリンジは、シリンジ内の空間部に圧縮空気を送り込み、圧縮空気を受けたフロートが接着剤をニードルより吐出させているので、吐出する塗布量は接着剤の残量に応じて送り込む圧縮空気を調整する必要がある。そこで特許文献5には、接着剤の残り体積をシリンジ内で検知し、装置に伝達して調整することが記載されている。
しかしながら、特許文献1、2、5においては、シリンジを用いた接着剤塗布装置内に施される構造が複雑になり、非常にコスト高となるという問題点を有していた。特に、シリンジ内にアクチュエータを装備する技術や、シリンジ近傍に付設したセンサ検知装置等は、ヘッド機構部を更に煩雑なものとしており、当該機構を施したコストが高くなってしまう。
又、フロート形状に特徴を施した特許文献3及び4においては、シリンジは使い捨て方式が主流であり、コストが高く、又、フロートの形状のみでは、上述した種々の問題を完全に解決することは困難であった。
又、これまで電磁弁等の圧縮空気製造装置による圧縮空気がシリンジ内の空間部に送り込まれるとき、塗布剤が充填された未使用状態でのシリンジのフロート上面の空間部は、接着剤が吐出され徐々に減っていくことで、図7に示した如く、比例して当該空間部が拡がることになり、当初の設定圧から変化した圧力調整が常に必要であり、接着剤残量が最終に近い場合には、当初圧力から相当変化した圧力が必要となり、そのため、空圧調整装置として、空気圧比例制御装置である電空レギュレータが用いられていた。
そして、電空レギュレータに制御命令して空気圧を調整する手段として、塗布剤が空の状態のシリンジと塗布剤が充填され未使用状態のシリンジ、あるいは、図7に示したように、同等の状態の形態を造形した残量検知用のシリンジ治具(オフセット用治具)を用意していた。即ち、空気貯留空間Pが少ない(A)は、接着剤新品状態のシリンジを示し、空気貯留空間Pが多い(B)は、接着剤残量0状態を示しており、これらの治具を使用して、それぞれの圧縮空気圧を検出し、その結果をパラメータとして装置側に記憶させ、基本数値として電空レギュレータに制御命令を与えていた。しかし、粘度や硬化速度、接着力等の多岐に亘る塗布剤の状態に応じて、その都度、実際の塗布剤が充填されたシリンジを装着して、未使用状態での測定から塗布剤を使い切った状態までの数値の変化量を種々の塗布剤個々に設定しなければならず、その都度、パラメータ作成における計測時間と労力が無駄となっている。又、実際の塗布剤をその都度無駄にしてしまう不具合を生じていた。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、装置使用開始から塗布剤を使い切るまでの間、圧縮空気を一定圧力で押圧できるようにすることを課題とする。
本発明は、シリンジの内部に貯留された粘性流体に圧縮空気を加えて、シリンジ下端のニードルから粘性流体を吐出し、塗布する粘性流体塗布装置において、前記シリンジ内の粘性流体に浮ぶフロート上に押圧空間蓋を載せて空気貯留部を設けると共に、該押圧空間蓋と共に上下動する空気流路機構部を設け、該空気流路機構部を介して前記空気貯留部内に圧縮空気を供給して、粘性流体を吐出するようにして、前記課題を解決したものである。
ここで、前記空気貯留部内に対流する圧縮空気を外部に放出するための、例えばシリンジホルダの側面に設けられた空気放出孔を含む空気放出手段を設けて、シリンジの上部空気が高温となっても、接着剤の温度上昇を低く抑えることができるようにすることができる。
又、前記空気流路機構部をフロート方向に押圧する弾性体を設けて、押圧空間蓋を確実に押圧するようにすることができる。
これ迄、多種多様な接着剤に対してパラメータ取得に多くの時間と労苦を要していたが、本発明によれば、シリンジをセットした状態で即時に空気圧縮圧を測定でき、最終まで安定した押圧が可能となり、パラメータ取得が大幅に改善される。又、例えば電空レギュレータ等を組み合わせた高価な空気圧調整システムが不要となる。
特に、フロート内に対流する圧縮空気を外部に放出するための空気放出手段を設けた場合には、高温となった空気を外部に放出することができ、シリンジ内の温度上昇を抑え、低温硬化接着剤が安心して使用でき、塗布量調整においても、安定した塗布液の吐出が可能となる。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の第1実施形態は、図8に示す如く、例えばプラスチック材料からなり、図1に示したように先端(下端)の口部が先細り形状となった円筒状をなし、その内部に例えば熱硬化性樹脂からなる接着剤102が収容された、例えば使い捨て方式のシリンジ113を有する。このシリンジ113の内部には、接着剤102の上面に浮かぶフロート114が収容されている。
このシリンジ113の上端部は、図5及び図6を用いて説明した例と同様に、シリンジホルダ130により着脱可能に取り付けられるようになっている。
更に、前記シリンジ113の上端部は、エアホースを介して圧力調整機構(図示省略)に接続されている。この圧力調整機構は、加圧源、電空減圧弁(電空レギュレータ)、切換弁等から構成される。これらの圧力調整機構により、シリンジ113内のフロート114の上部空間の圧力が調整され、その空間に圧縮空気が供給されて正圧とされることにより、ニードルから接着剤102が吐出されるようになっている。
前記フロート114は、熱伝導率の小さい材料、例えば硬質ウレタンフォームから、当該シリンジ113の内径寸法よりも若干小さい外径寸法を有する円筒状に形成されており、内部は半円球状とした空気貯留部Bを有し、圧縮空気を該空気貯留部Bで受ける形態となっている。
ここで、シリンジ113内のフロート114の空気貯留部Bに圧縮空気が供給されるとき、この空気は高温(約80〜90℃)となるため、その熱がフロート114を介して接着剤102に伝達され、接着剤の温度も上昇してしまう。そこで本実施形態では、このような温度上昇を防ぐために、以下の形態を有する。即ち、供給経路Aより送り込まれた圧縮空気は、シリンジホルダ130に内接する空気供給管部152の管内部を通り、空気貯留部Bに到達する。到達した圧縮空気は、フロート114の半円球状とした空気貯留部Bに貯留し、押圧する。ここで、空気供給管部152と空気放出管部154と押圧空間蓋156が一体の構成となっていることから、押圧空間蓋156がフロート114の上面部と係合して、密閉した空気貯留部Bを形成する。
前記空気供給管部152と、空気放出管部154と、押圧空間蓋156とは、図9及び図10に示す如く、一体とした空気流路機構部150を形成する。この空気流路機構部150は、以下の構成を持ち、シリンジホルダ130内を摺動する。即ち、シリンジホルダ130内に収容される空気供給管部152は、空気放出管部154内に嵌装され、取付方法の一例として連結ピン152aによって支持される。空気放出管部154は、押圧空間蓋156に嵌合装着し、大きくは、空気供給管部152と、空気放出管部154と、押圧空間蓋156の3部品による一体構成を形成する。空気供給管部152には、供給孔152b(図10参照)を設け、当該供給孔152bは、空気供給管部152を連通する内部空洞を有する。又、空気放出管部154に収容される空気供給管部152は、空気放出管部154の内径寸法よりも小さい外径を有する円筒状に形成されており、適宜隙間を有する形態となっており、この隙間が、後述する放出経路Cを形成するものである。
斜め下後方からの外観斜視図である図10に示すように、空気供給管部152と空気放出管部154の間が放出口154aとなり、押圧空間蓋156内部には供給口152bと、放出口154aが施され、シリンジホルダ130内に収納する空気流路機構部150とを合わせた場合に、3層体構造を呈する。又、空気放出管部154には、切欠部154bを設けることで、シリンジホルダ130の外環部位に施す、空気放出手段としての空気放出孔160から圧縮空気を放出することができる。この切欠部154bは、ボールプランジャ158の先端の球体が溝内に嵌合しスライドするもので、空気流路機構部150の回転を抑止して、直動をガイドし、空気放出孔160の位置がずれないようにすると共に、同じくシリンジホルダ130内に空気流路機構部150を嵌装する際に、切欠部154bの溝を伝うように嵌着できることから、取り付けも容易にできる。
以下、第1実施形態の作用を説明する。
図11に示すように、フロート114が圧縮空気により押圧されるとき、シリンジホルダ130内を空気流路機構部150がフロート114の上面と係合しながら下方に摺動する。即ち、フロート114の移動量に合わせて、空気流路機構部150も移動することになる。
図11(A)は、シリンジ113内の接着剤102が一杯の未使用状態を示し、図11(B)は、接着剤102が減った状態、図11(C)は、接着剤102が無くなり、フロート114が最下端まで移動した状態を表わしている。これらの図に示すように、図11(A)では、空気供給管部152の供給口152bより圧縮空気が供給経路Aを通って空気貯留部Bに到達する。到達した圧縮空気は、フロート114を押圧して接着剤102をニードルより吐出する。圧縮空気は断熱圧縮により高温となるため、空気貯留部Bに対流する圧縮空気を放出し、温度上昇を防止するため、放出経路Cが設けられている。この放出経路Cは、前述したように、空気供給管部152と空気放出管部154の間に設けられており、圧縮空気は、放出経路Cを通って空気放出管部154の切欠部154bの溝から空気放出孔160へと排出される。
図11(B)に示すように、シリンジホルダ130内に入った圧縮空気が、空気供給管部152の供給口152bに進入するときに、空気供給管部152の上面部を同時に押圧することから、押圧空間蓋156がフロート114上面部と係合し、密着することになる。又、放出経路Cは、空気供給管部152と空気放出管部154が同軸同位置上で移動することから、図11(C)に示す如く、放出経路Cが空気放出管部154の切欠部154bが内接するホルダの内壁で塞がれた状態となり、上部に連通する空気供給管部152の上端部で圧縮空気は閉塞した状態から空気放出孔160へと導かれる。なお、前記空気流路機構部150は、自重で下方に摺動する材質のものが望ましく、この下方への落下摺動によって、フロート114上面と押圧空間蓋156は常に密着されている。
従来は、フロート114上部の空間部は、図7に示した如く、接着剤102が減少するのに比例して、シリンジ113内の空間に面積も増大していたのに対し、本実施形態によれば、空気流路機構部150の押圧空間蓋156と密着係合するフロート114との間の、空気貯留部Bを終始一定に保つことができることで、常に一定の圧縮空気による押圧ができる。
図12に、本発明の第2実施形態に係るシリンジ内塗布圧調整機構を示す。本実施形態においては、シリンジホルダ130内部と空気流路機構部150の空気供給管部152の上面部との間に、圧縮コイルばねでなる弾性体170を配設したものである。
この弾性体170の弾発力で、空気流路機構部150を下方へ押し続けることにより、フロート114の上部と押圧空間蓋156の密着性を高めることができる。
図13は、第2実施形態の作用を示し、図13(A)は、未使用状態のシリンジ113に本発明を施したときの断面図で、このときに弾性体170が収縮した状態を表わし、接着剤102が徐々に減っていくことにより最終的にフロート114が下端に移動した状態を図13(C)に示している。
本実施形態においては、弾性体170として、圧縮コイルばねを使用しているが、弾性体としては、フロート114上面に押圧空間蓋156が係合し、圧縮空気の押圧によって徐々にフロート114が下降するときに、空気流路機構部150を適宜の力で押すことができる弾発力の弾性体であれば、圧縮コイルばねに限定されない。
図14は、本発明の第3実施形態で、空気流路機構部150の押圧空間蓋156の外周部にOリング172を環着した状態を表わしている。
本実施形態によれば、フロート114の下降に伴い密着する押圧空間蓋156が、シリンジ113の内周部にも摺接しながら下降し、シリンジ113の内周部に付着しようとする接着剤102が、Oリング172によって掻き取られるようになるので、接着剤102を無駄なく使用することができると共に、シリンジ113の内周面に接着剤102が付着して硬化するのを防止することができる。更に、空気貯留部Bの圧縮空気が、フロート114と押圧空間蓋156の隙間から漏れるのを防ぎ、より密封性の高い空気貯留部Bを形成することができる。
図15は、本発明の第4実施形態を示す。本実施形態では、シリンジホルダ130の外環部位に施した空気放出孔160に、空気放出手段の一部として、例えばニードル弁でなる流量コントローラ182とサイレンサ付きのフィルタ184でなる流量調整装置180を設けている。
本実施形態によれば、圧縮空気が空気放出孔160より放出される際に、流量コントローラ182によって一定の放出量に調整されると共に、空気放出孔160より発生する高周波音も低減される。
前記流量コントローラ182は、弁絞り型の流量制御できるものであれば、特別な外部装置を必要とせず、例えば図示するようにつまみ部を有するものを回転することで、空気弁の開放と閉鎖が簡便に調整できるもので良い。なお、空気放出孔160にフィルタあるいは流量コントローラのいずれか一方だけを直接設けることも可能である。
図16に示す第5実施形態は、空気放出孔160に、空気放出手段の一部として、エジェクタ式真空発生器190を設けて、空気貯留部Bの圧縮空気を強制的に排気できるようにしたものである。図17に、エジェクタ式真空発生器190の内部動作用エア回路図を示す。
図において、192は真空センサ、194は真空発生制御用電磁弁、196は真空破壊制御用電磁弁、198はサイレンサ、200は圧縮空気供給口、202は真空口、204はエジェクタ式制御弁、206は圧縮空気供給口である。
前記のように、フロート114に十分な圧力を加えつつ、熱を持った空気を外部に放出させ、且つ、流量調整装置180で放出される空気の量を調整し、シリンジ内部の圧力を一定に制御することで、各粘性流体の安定した塗布が可能となる。
又、高温の圧縮空気の熱が下方の接着剤に伝達されることが抑えられ、シリンジ内で硬化反応が開始されることを未然に防止することができ、ニードルより吐出される接着剤の流れが安定すると共に、一定圧で接着剤を押圧することができ、圧縮空気製造装置への負担が軽減される。又、種々の接着剤の塗布量調整を容易に行なうことができ、常に接着剤の吐出量を安定させる等、初期の目的を達成することができる。
その他、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
50…接着剤塗布装置
102…接着剤
113…シリンジ
113a…ニードル
114…フロート
115…圧縮空気供給系
130…シリンジホルダ
132…エア供給管
150…空気流路機構部
152…空気供給管部
154…空気放出管部
156…押圧空間蓋
160…空気放出孔
170…弾性体
180…流量調整装置
190…エジェクタ式真空発生器
102…接着剤
113…シリンジ
113a…ニードル
114…フロート
115…圧縮空気供給系
130…シリンジホルダ
132…エア供給管
150…空気流路機構部
152…空気供給管部
154…空気放出管部
156…押圧空間蓋
160…空気放出孔
170…弾性体
180…流量調整装置
190…エジェクタ式真空発生器
Claims (3)
- シリンジの内部に貯留された粘性流体に圧縮空気を加えて、シリンジ下端のニードルから粘性流体を吐出し、塗布する粘性流体塗布装置において、
前記シリンジ内の粘性流体に浮ぶフロート上に押圧空間蓋を載せて空気貯留部を設けると共に、
該押圧空間蓋と共に上下動する空気流路機構部を設け、
該空気流路機構部を介して前記空気貯留部内に圧縮空気を供給して、粘性流体を吐出することを特徴とする粘性流体塗布装置。 - 前記空気貯留部内に対流する圧縮空気を外部に放出するための空気放出手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の粘性流体塗布装置。
- 前記空気流路機構部をフロート方向に押圧する弾性体を設けたことを特徴とする請求項1に記載の粘性流体塗布装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007247620A JP2009078201A (ja) | 2007-09-25 | 2007-09-25 | 粘性流体塗布装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007247620A JP2009078201A (ja) | 2007-09-25 | 2007-09-25 | 粘性流体塗布装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009078201A true JP2009078201A (ja) | 2009-04-16 |
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JP (1) | JP2009078201A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111151415A (zh) * | 2019-12-24 | 2020-05-15 | 上海拓璞数控科技股份有限公司 | 自动涂胶装置及涂胶方法 |
-
2007
- 2007-09-25 JP JP2007247620A patent/JP2009078201A/ja active Pending
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CN111151415A (zh) * | 2019-12-24 | 2020-05-15 | 上海拓璞数控科技股份有限公司 | 自动涂胶装置及涂胶方法 |
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