JP2009055672A - モータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な演算を強いることなく、モータの休止を適切なタイミングで行い得るような仕組みを提供すること。
【解決手段】、第1の被駆動体と、第1のモータと、第2の被駆動体と、第2のモータと、第2の被駆動体の温度を測定する測定手段と、測定手段が測定した温度が閾値を上回るか判断する判断手段と、モータを間欠的に回転させる手段であって、温度が閾値を上回ると判断された後の第1のモータまたは第2のモータの回転の開始のタイミングを、所定の時間だけ遅らせる制御手段とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】、第1の被駆動体と、第1のモータと、第2の被駆動体と、第2のモータと、第2の被駆動体の温度を測定する測定手段と、測定手段が測定した温度が閾値を上回るか判断する判断手段と、モータを間欠的に回転させる手段であって、温度が閾値を上回ると判断された後の第1のモータまたは第2のモータの回転の開始のタイミングを、所定の時間だけ遅らせる制御手段とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、モータ制御装置に関する。
インクジェット式プリンタは、キャリッジをその走査方向へ往復移動させるCR(Carriage)モータや、給紙トレイに収容されている用紙をキャリッジの下を経由して排紙トレイまで搬送するPF(Paper Feed)モータなどの各種のDCモータを搭載している。CRモータやPFモータは、キャリッジの駆動や紙送りのために頻繁に起動と停止を繰り返すため、それらのモータには、各々の消費電力に応じて発生する熱が蓄積される。熱の蓄積が進んで過熱状態になると、巻線コイルの焼損、発煙、発火などといった問題を引き起こすこともあるため、この種のプリンタには、モータの熱量がある閾値を超えるたびにその動作を休止させる休止制御の仕組みが搭載されている。
特許文献1には、休止制御を精度よく行う仕組みの開示がある。この文献に開示されたインクジェット式プリンタは、キャリッジが一往復する間のモータの実効電流値とその移動に要した駆動時間とからモータの単位発熱量を演算し、自然放熱を考慮しつつその単位発熱量を積分した値を基に発熱温度ΔTを演算する。その上で、発熱温度ΔTが予め設定された3つの閾値のうちどれを上回るかを判断し、上回った閾値の大きさに応じた長さの休止時間を与えるようになっている。
特開2003−79179号公報
ところで、特許文献1に開示されたプリンタの制御部は、DCモータの回転量を決定付けるPWM(Pulse Width Modulation)デューティ値とモータの回転速度とを第1の関数に作用させることによってモータの実効電流値を求め、その実効電流値を第2の関数に作用させることによって発熱温度ΔTを求めるようになっている。このため、それらの演算に多くのメモリリソースを要するという問題がある。また、回転速度や発熱温度ΔTの演算に用いられる関数の定数は、想定される最悪の条件下でモータを回転させた際の各種測定結果に基づいて設定されるため、それらの関数を用いて演算される発熱温度ΔTは実際の温度よりも総じて高くなる。その結果、本来であれば必要ないタイミングでのモータの休止制御が頻繁に入り、プリンタそのもののスループットが低下するという問題がある。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、複雑な演算を強いることなく、モータの休止を適切なタイミングで行い得るような仕組みを提供することを目的とする。
本発明の好適な態様であるモータ制御装置は、第1の被駆動体と、自らの回転によって第1の被駆動体に駆動力を与える第1のモータと、第2の被駆動体と、自らの回転によって第2の被駆動体に駆動力を与える第2のモータと、第2の被駆動体の温度を測定する測定手段と、測定手段が測定した温度が閾値を上回るか判断する判断手段と、第1のモータおよび第2のモータを間欠的に回転させる手段であって、温度が閾値を上回ると判断手段が判断した後の第1のモータまたは第2のモータの回転の開始のタイミングを、所定の時間だけ遅らせる制御手段とを備える。この発明によると、モータの損傷を防ぐのに必要な頻度の休止制御を、最適なタイミングで実行していくことができ、各種関数を用いてモータそのものの温度を算出する処理を行うことなく、休止制御を入れるタイミングを特定することができる。
本発明の別の好適な態様であるモータ制御装置は、第1の被駆動体と、自らの回転によって第1の被駆動体に駆動力を与える第1のモータと、第2の被駆動体と、自らの回転によって第2の被駆動体に駆動力を与える第2のモータと、第2の被駆動体の温度を測定する測定手段と、第2の被駆動体の温度と第1のモータの蓄熱量との関係を示す第1の関数を記憶するとともに、第2の被駆動体の温度と第2のモータの蓄熱量との関係を示す第2の関数を記憶したメモリと、測定された温度を第1の関数に作用させて得た蓄熱量推定値が閾値を上回るか判断する第1の判断手段と、測定された温度を第2の関数に作用させて得た蓄熱量推定値が閾値を上回るか判断する第2の判断手段と、第1のモータおよび第2のモータを間欠的に回転させる手段であって、蓄熱量推定値が閾値を上回ると第1の判断手段または第2の判断手段が判断した後の第1のモータまたは第2のモータの回転の開始のタイミングを、所定の時間だけ遅らせる制御手段とを備える。本発明によっても、モータの損傷を防ぐのに必要な頻度の休止制御を、最適なタイミングで実行していくことができる。
また、第1の被駆動体は、インク滴の吐出対象となる媒体を搬送するローラを有し、第2の被駆動体は、媒体に向かってインク滴を吐出する記録ヘッドを支持するキャリッジとそのキャリッジを搬送と直交する向きに往復移動させる移動支援機構とを有し、測定手段は、記録ヘッドの温度を測定するようにしてもよい。本発明によると、記録ヘッドや移動支援機構を搭載した機器であるプリンタのモータの休止を適切なタイミングで行うことができる。
(発明の実施の形態)
本発明の実施形態について、以下、図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態について、以下、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態にかかるインクジェット式プリンタのハードウェア概略構成を示す図である。図1に示すように、このプリンタは、駆動プーリ11(「第2の被駆動体」に相当)、従動プーリ12(「第2の被駆動体」に相当)、ベルト13(「第2の被駆動体」に相当)、CRモータ14(「第2のモータ」に相当)、リニアスケール15、ガイド軸16、キャリッジ17(「第2の被駆動体」に相当)、インクカートリッジ18、記録ヘッド19、リニアエンコーダ20、駆動ローラ21(「第1の被駆動体」に相当)、PFモータ22(「第1のモータ」に相当)、ロータリスケール23、ロータリエンコーダ24、制御部30(「判断手段」、「制御手段」に相当)を有する。これらの各部は、筐体となるシャーシ(図示せず)に搭載されている。
シャーシの基底(図示せず)には、用紙(「媒体」に相当)を前後方向に搬送する搬送路の左右を挟むように左側壁25と右側壁26とが立設され、それらの両壁25,26の後端を結ぶように後側壁27が立設される。また、後側壁27の上端からやや下の位置に用紙の搬送路の横幅とほぼ同じ距離を空けて穿設された2つの孔には、駆動プーリ11と従動プーリ12が装着され、それらの両プーリ11,12には無端のベルト13が巻回されている。さらに、後側壁27の後面にはCRモータ14が接合され、そのCRモータ14の回転軸は駆動プーリ11の回転軸と連結される。CRモータ14は、自らの回転を通じて駆動プーリ11へ駆動力を与える。
後側壁27の前面の、両プーリ11,12の下方の位置には、リニアスケール15が設けられている。リニアスケール15は、細長い板の一端と他端の間に、光を透過させる透過部と光を透過させない非透過部とを1/180インチのピッチで交互に配した構造をなす。後側壁27のやや前方には、左側壁25と右側壁26の間を結ぶようにガイド軸16が掛け渡されている。このガイド軸16は、両プーリ11,12の間に巻回されたベルト13とリニアスケール15の間に相当する高さに位置する。リニアスケール15の透過部と非透過部の配列の向きとこのガイド軸16の向きは平行である。また、後側壁27の後方にある給紙部材(ホッパ)には複数枚の用紙が収容され得る。
キャリッジ17は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の4色のインクカートリッジ18を収容するとともに、それらのインクカートリッジ18と流路(図示せず)を介して繋がった記録ヘッド19を自らの下面に備える。また、記録ヘッド19は、色毎の一連のノズル開口を並べて配したノズルプレート、充放電に応じて伸縮する圧電素子、ノズルプレートと圧電素子の間に挟まれるキャビティなどを有する。インクカートリッジ18から供給されるインクをキャビティへ貯留した状態で圧電素子を伸縮させると、そのインクがノズル開口からインク滴として吐出される。
キャリッジ17の後面の上端のやや下方に設けられた固着具(図示せず)は、ベルト13の一部へ固定され、その下方に設けられた支持具(図示せず)は、ガイド軸16に対して摺動自在に連結される。さらに、キャリッジ17の後面にはリニアエンコーダ20が設けられている。リニアエンコーダ20は、リニアスケール15の前後の面を挟みこむように対向する投光素子と受光素子とを有する光センサである。このリニアエンコーダ20は、受光素子による受光の有無に応じて遷移するアナログの2つの矩形波信号(A相信号、B相信号)を制御部30へ供給する。また、CRモータ14から駆動力を与えられて駆動プーリ11が正逆回転すると、キャリッジ17は、搬送路の横幅の左端の真上の位置(以下、「移動左限位置」と呼ぶ)からその右端の真上の位置(以下、「移動右限位置」と呼ぶ)に至る行程をガイド軸16に案内されて往復移動する。
キャリッジ17が移動し、リニアエンコーダ20の投光素子から受光素子に向けて発せられる光がリニアスケール15の透過部によって遮られるたびに、リニアエンコーダ20が出力する矩形波信号のレベルはローレベルからハイレベルへ切り換わる。よって、このリニアエンコーダ20が出力する矩形波信号のパルス数を基にキャリッジ17の行程上の位置を割り出し、また、その矩形波信号の周期を基にキャリッジ17の速度を割り出すことが可能である。
キャリッジ17の下には、駆動ローラ21が設けられている。この駆動ローラ21の回転軸の右端の側の部分は、複数のギヤを介してPFモータ22の回転軸と連結されるとともに、ロータリスケール23の中心と連結される。PFモータ22は、自らの回転を通じて駆動ローラ21へ駆動力を与える。
PF駆動ローラ21の回転軸に連結されたロータリスケール23は、円盤状の板の中心から外側に向かって放射状に延伸する矩形状の複数の透光部を、隣り合う透光部同士の間に所定の間隔を空けて環状に配した構造をなしている。透光部と透光部の間には、非透光部が形成される。リニアスケール15と同様に、透光部は光を透過し、非透光部は光を透過しない。
ロータリエンコーダ24は、ロータリスケール23の左右の面を挟みこむように対向する投光素子と受光素子とを有する光センサである。このロータリエンコーダ24は、受光素子による受光の有無に応じて遷移するアナログの2つの矩形波信号(A相信号、B相信号)を制御部30へ供給する。そして、PFモータ22の駆動を受けてPF駆動ローラ21が正回転し、ロータリエンコーダ24の投光素子から受光素子に向けて発せられる光がロータリスケール23の非透光部によって遮られるたびに、ロータリエンコーダ24が出力する矩形波信号のレベルはローレベルからハイレベルへ切り換わる。よって、このロータリエンコーダ24から供給される矩形波信号のパルス数を基にPF駆動ローラ21の行程上の位置を割り出し、また、その矩形波信号の周期を基にPF駆動ローラ21の速度を割り出すことが可能である。
CRモータ14およびPFモータ22は、DCモータである。これらの両モータ14,22は、制御部30による制御の下、互いに同期を計りながら間欠的な回転を繰り返すことにより、各々の被駆動対象である駆動プーリ11や駆動ローラ21を駆動させ、用紙への画像の形成を支援する。
図2(A)および(B)は、一枚の用紙に画像を形成する際の両モータ14,22の連携の様子を示す図である。両図の縦軸は、両モータ14,22の回転速度を示し、横軸は、それらの両モータ14,22の駆動の時間を示している。両モータ14,22の駆動量は、それらの被駆動対象である駆動ローラ21の回転距離やキャリッジ17の移動距離に相当する。なお、図示の便宜上、図2(A)よりも図2(B)の横軸のスケールを小さくている。また、図2(B)において、縦軸のスケールの正負は、キャリッジ17の移動方向が反対であることを示している。
図2(A)に示すように、画像の描画内容を示す印刷データがパーソナルコンピュータ(図示せず)から供給されると、無回転状態(速度=0)であったPFモータ22が、所定の上限速度に至るまでほぼ比例的に加速される。上限速度まで加速されたPFモータ22は、その回転速度のまましばらく回転を続けた後、無回転状態に至るまでほぼ比例的に減速される。そして、この一連のPFモータ22の回転に応じた駆動ローラ21の駆動により、ホッパに収容された用紙は、その先端が記録ヘッド19の下の印字開始位置に至るまで下流へ搬送される。以降の説明では、モータ14,22が無回転状態から上限速度まで加速される領域を「加速領域」と呼び、上限速度から無回転状態まで減速される領域を「減速領域」と呼び、両者の間の領域を「定速領域」と呼ぶ。この図2(A)に示す、印刷データが供給された後の最初の加速領域の始端から減速領域の終端までの駆動量、および、各領域の割合は、PFモータ22の加減速特性とホッパに収容された用紙が印字開始位置に至るまでの搬送の距離との関係を考慮して設定される。
図2(B)に示すように、減速領域の終端でPFモータ22が無回転状態になり、印字開始位置で用紙の搬送が止まると、その加速が再び始まるまでの間に、無回転状態であったCRモータ14が回転する。このCRモータ14の回転速度も、PFモータ22と同様に、加速領域から定速領域、そして、減速領域へとその駆動量が増えるのに合わせて変化する。そして、この一連のCRモータ14の回転に応じた駆動プーリ11の駆動により、ベルト13を介してその駆動プーリ11と繋がったキャリッジ17は、移動左限位置から移動右限位置に向かって移動する。さらに、キャリッジ17が、移動左限位置から移動右限位置に至る行程上の定速領域に相当する区間を移動している間に、記録ヘッド19から用紙に向けてインク滴が吐出され、画像の主走査方向の1ラインに相当するドットの並びが形成される。
図2(B)に示すように、加速領域の始端から減速領域の終端に至るCRモータ14の回転は、PFモータ22が無回転状態の間に行われ、その回転方向は1回ごとに反対になる。そして、2回目のCRモータ14の回転に応じた駆動プーリ11の駆動により、移動右限位置まで移動したキャリッジ17は、移動左限位置に向って移動する。なお、キャリッジ17が移動右限位置から移動左限位置へ戻る間のインク滴の吐出の有無は、各種カスタマイズに依存する。
2回目の減速領域の終端でCRモータ14が無回転状態になり、キャリッジ17が移動左限位置に至ったところでその移動が止まると、無回転状態であったPFモータ22が再び回転する(図2(A)参照)。このときのPFモータ22の回転速度も、加速領域から定速領域、そして、減速領域へとその駆動量が増えるのに合わせて変化する。そして、一連のPFモータ22の回転に応じた駆動ローラ21の駆動により、印字開始位置の用紙は、画像の副走査方向の1ラインに相当する距離だけ下流へ搬送される。図2(A)に示す、2回目の加速領域の始端から減速領域の終端までの駆動量、および、各領域の割合は、PFモータ22の加減速特性と副走査方向の1ラインに相当する距離との関係を考慮して設定される。
以降は、画像の副走査方向の全ラインに相当するドットの並びが用紙に記録し終わるまで、CRモータ14とPFモータ22が交互に回転することにより、移動左限位置と移動右限位置の間のキャリッジ17の往復移動と、副走査方向の1ラインに相当する距離の用紙の搬送とが繰り返される。そして、画像の副走査方向の最も下のラインに相当するドットの並びが用紙に記録されると、無回転状態であったPFモータ22が回転し、画像形成済みの用紙が下流へ搬送されてそのままシャーシの前側へ排紙される。このPFモータ22の最後の回転における、加速領域の始端から減速領域の終端までの駆動量、および、各領域の割合は、PFモータ22の加減速特性と排紙に必要な搬送の距離との関係を考慮して設定される。
ここで、CRモータ14とPFモータ22のトルクは、通電される電流が大きいほど大きくなり、その電流が小さいほど小さくなる。よって、原理的には、CRモータ14およびPFモータ22へ供給する電流量を制御することにより、図2(A)および(B)に示したような設定の通りにそれらの両モータ14,22の速度を変化させていくことが可能である。しかしながら、予定された速度を得るために必要なモータ14,22のトルクは、駆動ローラ21、駆動プーリ11、ベルト13、キャリッジ17など被駆動対象の負荷や、モータ自身のコギングなどの影響を受けて都度変化する。よって、本実施形態にかかるプリンタの制御部30は、リニアエンコーダ20およびロータリエンコーダ24から供給される矩形波信号を基に被駆動対象の実速度を計測し、目標速度テーブル90(後述)として予め設定されている目標速度へその実速度を収束させるようにモータ14,22への電流の供給量を調整するフィードバック制御の1つである、PID制御が組み込まれている。このPID制御の詳細は、後述する。
図1において、制御部30は、モータドライバ31、インターフェース回路35、記録ヘッド制御回路36、CPU(Central Processing Unit)37、RAM(Random Access Memory)38、ROM(Read Only Memory)39、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)40、およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)41、およびヘッドサーミスタ80(「測定手段」に相当)を有する。
モータドライバ31は、CRモータ14とPFモータ22のうちから選択される一方のモータに対し、直流電源(図示せず)の出力電圧を、自らに供給されるPWM(Pulse Width Modulation)信号に応じたパルスとして印加する。
PWM信号は、周期が一定で、1周期に占めるハイレベルの時間とローレベルの時間の割合が変化する矩形波である。PWM信号の1周期に占めるハイレベルの時間の割合は、「デューティー比」と呼ばれる。モータドライバ31へ供給するPWM信号のデューティー比を大きくすると、CRモータ14またはPFモータ22への電流の供給量が増加し、より大きなトルクが得られる。
インターフェース回路35は、印刷データをパーソナルコンピュータ(図示せず)から受信する。記録ヘッド制御回路36は、印刷データを解釈した内容に基づき、インク滴の吐出を指示する信号を記録ヘッド19へ供給する。CPU37は、RAM38をワークエリアとして利用しつつ、ROM39やEEPROM40に記憶されたデータを参照するとともに、それらのメモリに記憶された各種プログラムを実行する。ROM39には、IPL(Initial Program Loader)などの比較的簡易なプログラムが記憶される。EEPROM40には、インターフェース回路35へ印刷データが供給されてからその印刷データが示す画像を用紙に記録するまでの制御の手順を記した制御プログラム、および複数の目標速度テーブル90(図3参照)が記憶される。
目標速度テーブル90は、CRモータ14およびPFモータ22のPID制御を支援するテーブルである。複数の目標速度テーブル90は、用紙をホッパから印字開始位置まで搬送する際に参照されるテーブル(以下、適宜「第1目標速度テーブル90a」と記す)と、キャリッジ17を移動左限位置から移動右限位置まで移動させる際に参照されるテーブル(以下、適宜「第2目標速度テーブル90b」と記す)と、キャリッジ17を移動右限位置から移動左限位置まで移動させる際に参照されるテーブル(以下、適宜「第3目標速度テーブル90c」と記す)と、用紙を副走査方向の1ラインに相当する距離だけ搬送する際に参照されるテーブル(以下、適宜「第4目標速度テーブル90d」と記す)と、用紙をシャーシの前側まで搬送する際に参照されるテーブル(以下、適宜「第5目標速度テーブル90e」と記す)の集合体である。各テーブル90a、90b、90c、90d、90eは、モータ14,22の回転に応じて駆動する被駆動対象の各行路、つまり、図2(A)、(B)の加速領域の始端の始動位置から減速領域の終端の停止位置に至る行路を等分して得た各位置と、それらの位置まで被駆動対象が到達した時点の目標速度の対を、停止位置までの残余距離の大きなものから順に並べたものである。インターフェース回路35が印刷データを受信すると、これらのテーブルが参照対象として順次特定され、参照対象となったテーブルの内容の通りにCRモータ14およびPFモータ22の回転が制御される。
ヘッドサーミスタ80は、記録ヘッド制御回路36の近傍に設けられており、自らが測定した温度を示す信号を制御部30へ供給する。
制御部30には、EEPROM40の制御プログラムを展開するRAM38とそれを実行するCPU37、およびASIC41のリソースの一部が共働することによってDCユニット50が論理的に実現され、CPU37とRAM38とが共働することによって休止制御ユニット70が論理的に実現される。DCユニット50は、PID制御を司るモジュールである。休止制御ユニット70は、休止制御を司るモジュールである。休止制御は、ヘッドサーミスタ80が測定する温度と閾値の大小関係を基に、両モータ14,22の過熱状態の有無を判断し、過熱状態にあると判断した時から所定時間に渡って、モータ14,22の回転を休止させる制御である。
図3は、DCユニット50および休止制御ユニット70をなす各部の論理的構成を示す図である。DCユニット50は、位置演算部51、速度演算部52、位置偏差演算部53、目標速度特定部54、速度偏差演算部55、比例要素56、積分要素57、微分要素58、制御値加算部62、PWM信号出力部63、およびセレクタ64を有する。また、休止制御ユニット70は、休止制御部72、テーブル特定部76、およびディレイ部77を有する。
DCユニット50をなす各部の機能について説明する。位置演算部51と速度演算部52には、リニアエンコーダ20とロータリエンコーダ24のうち一方が出力した矩形波信号が供給される。これらの両エンコーダ20,24と位置演算部51および速度演算部52の間にはセレクタ64が介挿されている。セレクタ64には、参照対象のテーブルを特定する信号が、後述する休止制御ユニット70から供給される。セレクタ64は、キャリッジ17の駆動のためのテーブルである、第2目標速度テーブル90b、または、第3目標速度テーブル90cが参照対象となっている間は、リニアエンコーダ20が出力した矩形波信号を位置演算部51と速度演算部52の両部へ供給する。一方、PF駆動ローラ21の駆動のためのテーブルである、第1目標速度テーブル90a、第4目標速度テーブル90d、または、第5目標速度テーブル90eが参照対象となっている間は、ロータリエンコーダ24が出力した矩形波信号をそれらの両部へ供給する。
位置演算部51は、エンコーダ20,24からセレクタ64を経由して供給される矩形波信号のピッチのカウント数を基に被駆動対象の駆動量を特定し、特定した駆動量を示す信号を位置偏差演算部53へ供給する。矩形波信号の供給元としてリニアエンコーダ20が選択されている場合、その矩形波信号を基に位置演算部51が特定する駆動量は、移動左限位置から移動右限位置、または、移動右限位置から移動左限位置へ至るキャリッジ17の行程上の、始動位置からの距離に相当する。一方、矩形波信号の供給元としてロータリエンコーダ24が選択されている場合、その矩形波信号を基に位置演算部51が特定する駆動量は、駆動ローラ21の回転の始動位置からの距離に相当する。
速度演算部52は、エンコーダ20,24からセレクタ64を経由して供給される矩形波信号の周期を基に被駆動対象の駆動の実速度を特定し、特定した実速度を示す信号を速度偏差演算部55へ供給する。矩形波信号の供給元としてリニアエンコーダ20が選択されている場合、その矩形波信号を基に速度演算部52が特定する実速度は、キャリッジ17の右方向または左方向への移動の実速度に相当する。一方、矩形波信号の供給元としてロータリエンコーダ24が選択されている場合、その矩形波信号を基に速度演算部52が特定する実速度は、駆動ローラ21の回転の実速度に相当する。
位置偏差演算部53には、位置演算部51から駆動量を示す信号が供給されるとともに、参照対象の目標速度テーブル90から目標停止位置を示す信号が供給される。例えば、第1目標速度テーブル90aが参照対象となっている間の目標停止位置は、図2(A)の最初の減速領域の終端での到達が予定された位置に相当する。位置偏差演算部53は、位置演算部51から供給される信号が示す駆動量を基に特定される被駆動対象の現在の位置と目標停止位置との位置偏差を求め、その位置偏差を示す信号を目標速度特定部54へ供給する。この位置偏差演算部53が求める位置偏差は、目標停止位置までの残余距離に相当する。
目標速度特定部54には、位置偏差演算部53から位置偏差を示す信号が供給されるとともに、参照対象の目標速度テーブル90を特定する信号が休止制御ユニット70から供給される。目標速度特定部54は、その信号が示す参照対象の目標速度テーブル90を特定する。そして、参照対象となった目標速度テーブル90を基に、位置偏差演算部53から供給される信号が示す位置偏差と対応する目標速度を特定し、特定した目標速度を示す信号を速度偏差演算部55へ供給する。
速度偏差演算部55には、速度演算部52から実速度を示す信号が供給されるとともに、目標速度特定部54から目標速度を示す信号が供給される。速度偏差演算部55は、それらの信号が示す実速度と目標速度の速度偏差を求め、求めた速度偏差を示す信号を、比例要素56、積分要素57、微分要素58の各々へ供給する。
比例要素56、積分要素57、および微分要素58には、速度偏差を示す信号が速度偏差演算部55からそれぞれ供給される。比例要素56は、以下に示すPID制御の一般式(1)の第1項の演算を速度偏差演算部55から供給される信号へ施し、その演算結果として得た比例制御値を示す信号を制御値加算部62へ供給する。積分要素57は、式(1)の第2項の演算を速度偏差演算部55から供給される信号へ施し、その演算結果として得た積分制御値を示す信号を制御値加算部62へ供給する。微分要素58は、式(1)の第3項の演算を速度偏差演算部55から供給される信号へ施し、その演算結果として得た微分制御値を示す信号を制御値加算部62へ供給する。下記の式(1)において、Δv(t)は、クロックタイミングtに合わせて速度偏差演算部55から入力される信号の値を示す。また、式(1)の比例ゲインKP,積分ゲインKi,微分ゲインKdの各定数は、ステップ応答法や限界感度法などといった公知の手法を用いて最適化される。
制御値加算部62は、比例要素56、積分要素57、および微分要素58から供給される信号が示す制御値を加算し、その加算により求めた制御値の和を示す信号をPWM信号出力部63へ供給する。PWM信号出力部63は、制御値加算部62から供給される制御値の和を換算して得たデューティー比のPWM信号を出力する。PWM信号出力部63が出力したPWM信号は、モータドライバ31へ供給される。
モータドライバ31へ供給されるPWM信号のデューティー比が大きいほどCRモータ14やPFモータ22のトルクが大きくなり、デューティー比が小さいほどそれらの両モータ14,22のトルクが小さくなることは、上述した通りである。
次に、休止制御ユニット70をなす各部の機能について説明する。休止制御部72には、温度を示す信号がヘッドサーミスタ80から供給される。休止制御部72は、予め設定された閾値とヘッドサーミスタ80から供給される温度の大小を比較し、温度が閾値を上回るたびに、休止を指示する信号をディレイ部77へ供給する。
テーブル特定部76には、位置偏差演算部53から位置偏差を示す信号が供給される。テーブル特定部76は、その信号が示す位置偏差が0になるたび、つまり、モータ14,22の被駆動対象が目標停止位置へ到達するたびに、次の参照対象となる目標速度テーブル90を特定する信号を出力する。テーブル特定部76が出力した信号は、ディレイ部77を経由して目標速度特定部54およびセレクタ64へ供給される。ディレイ部77は、休止を指示する信号が休止制御部72から供給されると、その後に自らを経由する信号を所定の時間だけ遅延させる。テーブル特定部76が出力した信号がこのディレイ部77を経由する際に遅延すると、目標速度特定部54による新たな参照対象のテーブルの特定とセレクタ64の切り換えが遅れる。そして、新たな参照対象のテーブルの特定とセレクタ64の切り換えが遅れると、その分だけモータ14,22の次の回転の開始のタイミングが遅れ、モータ14,22の放熱が促される。
図4は、休止制御部72が実行する処理を示すフローチャートである。図4に示す一連の処理は、目標速度テーブル90に従った間欠的な回転をモータ14,22が繰り返している間に、温度を示す信号がヘッドサーミスタ80から休止制御部72へ供給されると、実行される。
ヘッドサーミスタ80からそのサーミスタ80が計測した温度を示す信号が供給されると(S100:Yes)、休止制御部72は、その信号が示す温度と予め設定された閾値の大小関係を判断する(S110)。ステップS110にて、温度が閾値を上回ったと判断したとき(S110:Yes)、休止制御部72は、休止を指示する信号をディレイ部77へ供給した後(S120)、ステップS100に戻って新たな信号の供給を待つ。休止を指示する信号がディレイ部77へ供給されると、その後のモータ14,22の回転の開始のタイミングが所定の時間だけ遅れ、モータ14,22の放熱が促される。一方、ステップS110にて、温度が閾値を上回っていないと判断したとき(S120:No)、休止制御部72は、ステップS120を実行することなく、ステップS100に戻る。
以上説明した本実施形態にかかるインクジェット式プリンタは、予め設定された閾値とヘッドサーミスタ80から供給される信号が示す温度の大小を比較し、温度が閾値を上回ると、モータ14,22の回転を休止させるようになっている。よって、インクジェット式プリンタの設計段階で試験運転を行い、その結果を基に割り出した閾値を設定しておくことにより、モータ14,22の損傷を防ぐのに必要な頻度の休止制御を、最適なタイミングで実行していくことができる。また、各種関数を用いてモータ14,22そのものの温度を算出する処理を行うことなく、休止制御を入れるタイミングを特定することができる。
この休止制御のタイミングを最適化し得る閾値の設定について、詳述する。図5は、設計段階のプリンタに画像の形成を連続して行わせたときの、CRモータ14、PFモータ22、およびヘッドサーミスタ80の温度の変化を示す図である。なお、ヘッドサーミスタ80が測定する温度は、記録ヘッド19そのものの温度と概ね一致し、CRモータ14およびPFモータ22の温度は、各々のモータ14,22に計測器を接触させて実測された値である。
図5を参照すると、CRモータ14、PFモータ22、およびヘッドサーミスタ80の温度は画像の形成の時間の経過に従って高くなっており、CRモータ14の温度上昇曲線の傾きはヘッドサーミスタ80のそれよりも大きく、PFモータ22の温度上昇曲線の傾きはヘッドサーミスタ80のそれよりも小さいことが分かる。このことから、ヘッドサーミスタ80が測定する温度と両モータ14,22の温度との間には相関があることがまず分かる。さらに、CRモータ14が損傷せずに済む上限の温度とPFモータ22が損傷せずに済む上限の温度(これらの上限の温度を「モータ上限温度」と呼ぶ)が同じであると仮定すると、CRモータ14がモータ上限温度に達したときのヘッドサーミスタ80の温度、つまり、モータ上限温度よりもd1だけ低い温度を閾値として設定し、ヘッドサーミスタ80が測定した温度がその閾値を超えるたびに休止制御を入れるようにすることで、CRモータ14とPFモータ22の両者の損傷を回避できることが分かる。
(他の実施形態)
本発明は、種々の変形実施が可能である。
本発明は、種々の変形実施が可能である。
上記実施形態にかかるインクジェット式プリンタは、予め設定された閾値とヘッドサーミスタ80から供給される信号が示す温度の大小を比較し、温度が閾値を上回ると、モータ14,22の回転を休止させるようになっており、ヘッドサーミスタ80の温度との比較に供される閾値は、プリンタの設計段階で実測される、CRモータ14、PFモータ22、およびヘッドサーミスタ80の温度の関係に基づいて最適化される。これに対し、CRモータ14の温度とヘッドサーミスタ80の温度の関係を示す第1の関数、およびPFモータ22の温度とヘッドサーミスタ80の温度との関係を示す第2の関数をプリンタのメモリに記憶しておき、ヘッドサーミスタ80が測定した温度をそれらの関数に作用させてCRモータ14およびPFモータ22の蓄熱量推定値を個別に求め、いずれか一方の蓄熱量推定値が閾値を上回ったと判断したときに(この判断を行う手段が、「第1の判断手段」および「第2の判断手段」に相当)、休止制御をかけるようにしてもよい。図5に示した実測結果の場合、CRモータ14の温度はPFモータ22の温度よりも常に高いため、CRモータ14がモータ上限温度に到達した時のヘッドサーミスタ80の温度を閾値に設定すれば、両モータ14,22の損傷を防ぐことができるが、プリンタの仕様によっては、CRモータ14,FRモータ22の温度がほぼ線型に高まらない場合も想定し得る。そして、設計段階の実測を通じて割り出したヘッドサーミスタ80の温度とモータ14,22の関係が、一次関数でなく、二次関数や三次関数などの高次の関数により表し得る場合、温度変化の曲面によっては、PFモータ22の方が先にモータ上限温度に到達することもあり得る。よって、このような場合、本変形例を適用する意義がある。
上記実施形態にかかるインクジェット式プリンタは、駆動プーリ11、従動プーリ12、ベルト13、およびキャリッジ17を被駆動対象とするCRモータ14と、駆動ローラ21を被駆動対象とするPFモータ22の2つのモータを搭載しているが、1つのモータによりそれらの被駆動対象の全てを駆動させるようにしてもよい。
上記実施形態では、PFモータ22の回転の目標速度の変化のさせ方を記した目標速度テーブル90a,90d,90eと、CRモータ14の回転の目標速度の変化のさせ方を記した目標速度テーブル90b,90cを参照対象として順次特定し、参照対象となった目標速度テーブル90a、90b,90c,90d,90eの通りにそれらのモータ14,22の回転をPID制御するようになっている。そして、休止制御においては、参照対象の目標速度テーブル90a、90b,90c,90d,90eの切り換えのタイミングを遅らせることにより、両モータ14,22を休止させるようになっている。これに対し、別の手順に従って休止制御を行ってもよい。例えば、休止を要すると判断した休止判断部75から、休止時間を示す信号を目標速度特定部54へ供給し、目標速度特定部54が、その信号が示す時間の間に渡って新たな目標速度テーブル90aの特定を遅らせるようにしてもよい。
上記実施形態は、本発明を、インクジェット式プリンタに搭載されるCRモータ14やPFモータ22のPID制御に適用したものである。これに対し、例えば、スキャナ装置のキャリッジ17を搬送するモータのように、PID制御を要するモータを搭載する別の種類の装置に本発明を適用するようにしてもよい。
上記実施形態にかかるインクジェット式プリンタの制御部30は、CRモータ14とPFモータ22のうち一方が無回転状態になるまでその速度が減速されてから、他方のモータを加速させるようになっている。つまり、制御部30は、CRモータ14とPFモータ22を、各々の回転の時間が重ならないように間欠的に回転させるようになっている。これに対し、CRモータ14は、減速を始めたPFモータ22が無回転状態になるよりも少し早いタイミングで加速を始めてもよい。また、PFモータ22も同様に、減速を始めたCRモータ14が無回転状態になるよりも少し早いタイミングで加速を始めてもよい。
また、上記実施形態にかかるインクジェット式プリンタのCRモータ14の回転が、PFモータ22が無回転状態の間、つまり、用紙の搬送が止まってからその搬送が再び始まるまでの間に2回以上繰り返されるようにしてもよい。
11…駆動プーリ(「第2の被駆動体」に相当)、12…従動プーリ(「第2の被駆動体」に相当)、13…ベルト(「第2の被駆動体」に相当)、14…CRモータ(「第2のモータ」に相当)、15…リニアスケール、16…ガイド軸、17…キャリッジ(「第2の被駆動体」に相当)、18…インクカートリッジ、19…記録ヘッド、20…リニアエンコーダ、21…駆動ローラ(「第1の被駆動体」に相当)、22…PFモータ(「第1のモータ」に相当)、23…ロータリスケール、24…ロータリエンコーダ、25…左側壁、26…右側壁、27…後側壁、30…制御部(「判断手段」、「制御手段」に相当)、31…第1モータドライバ、33…第2モータドライバ、35…インターフェース回路、36…記録ヘッド制御回路、37…CPU、38…RAM、39…ROM、40…EEPROM、50…DCユニット、51…位置演算部、52…速度演算部、53…位置偏差演算部、54…目標速度特定部、55…速度偏差演算部、56…比例要素、57…積分要素、58…微分要素、62…制御値加算部、63…PWM信号出力部、64…セレクタ、70…休止制御ユニット、72…休止制御部、76…テーブル特定部、77…ディレイ部、80…ヘッドサーミスタ(「測定手段」に相当)、90…目標速度テーブル
Claims (3)
- 第1の被駆動体と
自らの回転によって上記第1の被駆動体に駆動力を与える第1のモータと、
第2の被駆動体と、
自らの回転によって上記第2の被駆動体に駆動力を与える第2のモータと、
上記第2の被駆動体の温度を測定する測定手段と、
上記測定手段が測定した温度が閾値を上回るか判断する判断手段と、
上記第1のモータおよび第2のモータを間欠的に回転させる手段であって、温度が閾値を上回ると上記判断手段が判断した後の上記第1のモータまたは上記第2のモータの回転の開始のタイミングを、所定の時間だけ遅らせる制御手段と、
を備えることを特徴とするモータ制御装置。 - 第1の被駆動体と、
自らの回転によって上記第1の被駆動体に駆動力を与える第1のモータと、
第2の被駆動体と、
自らの回転によって上記第2の被駆動体に駆動力を与える第2のモータと、
上記第2の被駆動体の温度を測定する測定手段と、
上記第2の被駆動体の温度と上記第1のモータの蓄熱量との関係を示す第1の関数を記憶するとともに、上記第2の被駆動体の温度と上記第2のモータの蓄熱量との関係を示す第2の関数を記憶したメモリと、
上記測定された温度を上記第1の関数に作用させて得た蓄熱量推定値が閾値を上回るか判断する第1の判断手段と、
上記測定された温度を上記第2の関数に作用させて得た蓄熱量推定値が閾値を上回るか判断する第2の判断手段と、
上記第1のモータおよび上記第2のモータを間欠的に回転させる手段であって、蓄熱量推定値が閾値を上回ると上記第1の判断手段または上記第2の判断手段が判断した後の上記第1のモータまたは上記第2のモータの回転の開始のタイミングを、所定の時間だけ遅らせる制御手段と、
を備えることを特徴とするモータ制御装置。 - 前記第1の被駆動体は、
インク滴の吐出対象となる媒体を搬送するローラを有し、
前記第2の被駆動体は、
上記媒体に向かってインク滴を吐出する記録ヘッドを支持するキャリッジとそのキャリッジを上記搬送と直交する向きに往復移動させる移動支援機構とを有し、
上記測定手段は、上記記録ヘッドの温度を測定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のモータ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007217999A JP2009055672A (ja) | 2007-08-24 | 2007-08-24 | モータ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009055672A true JP2009055672A (ja) | 2009-03-12 |
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Family Applications (1)
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JP2007217999A Withdrawn JP2009055672A (ja) | 2007-08-24 | 2007-08-24 | モータ制御装置 |
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JP (1) | JP2009055672A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103522753A (zh) * | 2012-07-06 | 2014-01-22 | 精工爱普生株式会社 | 印刷装置、印刷方法以及印刷装置的控制装置 |
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2007
- 2007-08-24 JP JP2007217999A patent/JP2009055672A/ja not_active Withdrawn
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