JP2009053573A - レンズ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コイルの高密度化に資することが可能なレンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】スリーブ13を備えた移動体と、スリーブ13に巻き付けられるコイル18と、を有するレンズ駆動装置1で、スリーブ13は、光軸方向を軸方向として形成され、コイル18が巻かれるコイル巻回部(第1のコイル巻回部131等)と、コイル18を案内するコイルガイド部(第1のコイルガイド部133等)と、を備え、コイルガイド部は、少なくとも、コイル巻回部の軸方向に対して傾斜するガイド部(傾斜ガイド部133a等)を備えている。
【選択図】図4
【解決手段】スリーブ13を備えた移動体と、スリーブ13に巻き付けられるコイル18と、を有するレンズ駆動装置1で、スリーブ13は、光軸方向を軸方向として形成され、コイル18が巻かれるコイル巻回部(第1のコイル巻回部131等)と、コイル18を案内するコイルガイド部(第1のコイルガイド部133等)と、を備え、コイルガイド部は、少なくとも、コイル巻回部の軸方向に対して傾斜するガイド部(傾斜ガイド部133a等)を備えている。
【選択図】図4
Description
本発明は、レンズを光軸方向に変位駆動して被写体の像を結像させるレンズ駆動装置に関する。
近年、カメラが搭載されたカメラ付き携帯電話機が普及するにつれ、その携帯電話機を用いて様々な被写体を撮影する機会が増えている。例えば、友人や風景など、カメラのレンズからある程度離れた被写体を撮影(通常撮影)したり、バスの時刻表や花びらなど、カメラのレンズと近接した位置にある被写体を撮影(接写撮影)したりする場合がある。
接写撮影(マクロ撮影)の場合、カメラのレンズ位置は、通常撮影時のレンズ位置よりも、僅かに被写体側に近づいた位置にする必要がある。そのため、この種の撮影レンズ系では、レンズを光軸方向に変位駆動する駆動機構を備えており、スイッチの切り替えによってこの駆動機構を駆動し、レンズを光軸方向に移動させることができるようになっている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に開示されたレンズ駆動装置は、鏡筒と、可動レンズを有し鏡筒に対して光軸方向へ移動される可動部と、厚み方向が光軸方向に一致された付勢用板バネと、を有している。また、この付勢用板バネは、可動部を保持する保持部と弾性変形可能とされ、可動部を光軸方向へ付勢するバネ部と、鏡筒に取り付けられる被取付け部と、を有している。そして、付勢用板バネのバネ部が、光軸方向に直交する面内において可動部に生じる移動力を抑制するように構成されている。
ここで、付勢用板バネにはコイル接続部が一体的に形成されており、このコイル接続部は、コイルホルダーのコイル巻回用突部と隣接して位置されている。そして、コイル巻回用突部に巻回された駆動用コイルの各端部は、コイル接続部と半田によって電気的に接続されている。
しかしながら、特許文献1に開示された従来のレンズ駆動装置では、駆動コイルは円環状に所定数巻回されて形成され、コイルホルダーの外周面に取付けられている。近年の携帯電話搭載カメラの小型化に伴って、磁気回路を設計するスペースが狭まる中、円環状に巻回されたコイルのスペースも限られてきている。そのため、限られたスペース内に高密度に巻回されたコイルを配置することが求められている。しかし、コイルの巻き始めは、巻き乱れ等が発生しやすく、例えば、巻回されたコイルが互いに密着せずに隙間が形成される。この状態で重ねてコイルを巻回すると、上記隙間内にコイルが入り込むことになり、あるいは、この隙間が残されたままでコイルの巻回がなされる。このため、巻き終えたコイルの表面は、外周面が部分的に膨らみ、コイルの長さがコイルごとに変動し、抵抗値のばらつきを生じるという問題がある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コイルの高密度化に資することが可能なレンズ駆動装置を提供することにある。
以上のような課題を解決するために、本発明は、以下のものを提供する。
(1) レンズを保持する保持部材を備えるとともに、光軸方向に移動可能な移動体と、前記保持部材に巻き付けられるとともに、前記移動体を光軸方向に駆動するコイルと、を有するレンズ駆動装置において、前記保持部材は、光軸方向を軸方向として形成され、コイルが巻かれるコイル巻回部と、前記コイルを案内するコイルガイド部と、を備え、前記コイルガイド部は、少なくとも、前記コイル巻回部の軸方向に対して傾斜する傾斜ガイド部を備えていることを特徴とするレンズ駆動装置。
本発明によれば、レンズを保持する保持部材を備えた移動体と、保持部材に巻き付けられるコイルと、を有するレンズ駆動装置で、保持部材に、コイルが巻かれるコイル巻回部と、コイルを案内するコイルガイド部とを設け、このコイルガイド部には、少なくとも、コイル巻回部の軸方向に対して傾斜する傾斜ガイド部が設けられていることとしたので、まず、コイルガイド部によってコイルの巻き始めから整列巻きをすることができ、ひいてはコイルを高密度で巻回することができる。加えて、本発明では傾斜ガイド部が設けられているため、コイルに無理な屈折を与えることなく、コイルをコイル巻回部にガイドすることができる(例えば、屈折させることに起因した撓みが生じるのを防ぐことができる)。
(2) 前記コイルガイド部は、前記コイル巻回部の軸方向に傾斜して対向する第1の傾斜ガイド部及び第2の傾斜ガイド部を備え、前記第1の傾斜ガイド部及び前記第2の傾斜ガイド部の軸方向一方側における離間間隔と、前記第1の傾斜ガイド部及び前記第2の傾斜ガイド部の軸方向他方側における離間間隔とは異なることを特徴とするレンズ駆動装置。
本発明によれば、上述したコイルガイド部には、前記コイル巻回部の軸方向に傾斜して対向する第1の傾斜ガイド部及び第2の傾斜ガイド部が設けられ、これらの傾斜ガイド部の軸方向一方側における離間間隔と、これらの傾斜ガイド部の軸方向他方側における離間間隔とは異なることとしたので、コイルガイド部によってコイルの巻き始めから整列巻きをすることができ、ひいてはコイルを高密度で巻回することができる。特に、2個の傾斜ガイド部を設けることで、保持部材の周方向において、どちらからも巻回できることから、巻回時に方向決めが不要となり、作業効率を向上させることができる。
また、このような構成とすることで、第1の傾斜ガイド部と第2の傾斜ガイド部との間には、コイル引導口が形成される。したがって、このコイル引導口を通じて、コイルをコイル巻回部の巻回面にガイドすることができる。
(3) 前記傾斜ガイド部の軸方向他方側先端部には方向支持部が形成されており、一方の傾斜ガイド部で案内されたコイルは、他方の傾斜ガイド部の方向支持部によって前記コイル巻回部に引導されることを特徴とするレンズ駆動装置。
本発明によれば、上述した傾斜ガイド部の軸方向他方側先端部には方向支持部が形成されており、一方の傾斜ガイド部で案内されたコイルは、他方の傾斜ガイド部の方向支持部によってコイル巻回部に引導されることとしたので、傾斜ガイド部によってコイル巻回部に鈍角で入ったコイルを、整列巻きのために更に鈍角で整列巻きに引導することができる。
(4) 前記コイルガイド部は、前記軸方向に沿って第1のコイルガイド部と第2のコイルガイド部を備えることを特徴とするレンズ駆動装置。
本発明によれば、上述したコイルガイド部は、第1のコイルガイド部と第2のコイルガイド部を備えることとしたので、例えば、第1のコイル巻回部と第2のコイル巻回部とを巻回する方向を逆にすることができ、設計の自由度を広げることができる。
(5) 前記第1のコイルガイド部と前記第2のコイルガイド部との間に第1のコイル巻回部が形成されるとともに、前記第2のコイルガイド部より撮像素子側に第2のコイル巻回部が形成され、前記コイルは、いずれか一方のコイルガイド部に案内されて一方のコイル巻回部に巻回されるとともに、他方のコイルガイド部に案内されて他方のコイル巻回部に巻回されることを特徴とするレンズ駆動装置。
本発明によれば、被写体側から順に、第1のコイルガイド部,第1のコイル巻回部,第2のコイルガイド部,第2のコイル巻回部,撮像素子という順番で配置されているので、第1のコイルガイド部と第2のコイルガイド部を仕切る部材が一部材(例えば第1のコイル)で済むため、部品点数の削減と省スペース化を図ることができる。
(6) 前記他方のコイルガイド部には、前記他方のコイル巻回部に向かって低くなる傾斜部が形成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
本発明によれば、上述した他方のコイルガイド部には、他方の巻回部に向かって低くなる傾斜部(例えば傾斜面)が形成されていることとしたので、一方のコイル巻回部で巻回されたコイルは宙吊りのような状態ではなく、傾斜部上に載置しながら、第2のコイル巻回部へコイル先端を引導することができ、例えば、レンズ駆動装置を光軸方向に移動している際、他の部材等に接触、または断線することを防止することができる。
本発明に係るレンズ駆動装置によれば、コイルの整列巻きを容易にすることができ、ひいてはコイルの高密度化に資することが可能なレンズ駆動装置を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
[機械構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置1の外観構成を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置1の機械構成を示す分解斜視図である。
図1は、本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置1の外観構成を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係るレンズ駆動装置1の機械構成を示す分解斜視図である。
図1及び図2において、レンズ駆動装置1は、バックヨーク11と、カバー12と、スリーブ13と、第1の板バネ14と、第2の板バネ15と、ワイヤースプリング16と、マグネット17と、コイル18と、台座19と、を有している。なお、レンズ駆動装置1は、スリーブ13を光軸方向Lに沿って、被写体(撮像対象)に近づくA方向(前側)、被写体とは反対側(像側)に近づくB方向(後側)の双方向に移動させるものである(図1参照)。また、スリーブ13によって保持されるレンズは、説明の便宜上、図示を省略している。また、「保持部材」の一例としてのスリーブ13は、ワイヤースプリング16等と併せて「移動体」を構成する。
バックヨーク11は、例えば鋼板などの強磁性板から構成され、角筒状を呈している。また、バックヨーク11は、レンズ駆動装置1の側面で露出し、その側面部を構成している。カバー12は、マグネット17や第1の板バネ14等の被写体側を覆うものであって、その中央には、被写体からの反射光をレンズに取り込むための円形の入射窓が形成されている。台座19は、像側で撮像素子(図示せず)を保持するものである。
コイル18は、第1のコイル181及び第2のコイル182から構成され、これらは光軸Lの方向に2段に配置され、いずれも円環状となっている。そして、スリーブ13に巻き付けられるとともに、移動体を光軸方向に駆動する。マグネット17は、第1のコイル181及び第2のコイル182に対して外周側で対向し、バックヨーク11の内周面のうち4箇所の角部分に固定される。
マグネット17は、図2に示すように、8個で構成され、いずれにおいても内面と外面とが異なる極に着磁されている。また、本実施形態では、マグネット17では、例えば、前側に配置されたマグネット17では内面がN極に着磁され、外面がS極に着磁され、後側に配置されたマグネット17では、内面がS極に着磁され、外面がN極に着磁されている。
第1の板バネ14及び第2の板バネ15は、双方とも金属製の薄板から形成されており、光軸方向における厚さを同じにしている。また、第2の板バネ15は、給電用バネとして機能している。具体的には、分割された2つのバネ片で構成され、一方のバネ片には、スリーブ13に巻回されたコイル18の一端が、他方のバネ片には、コイル18の他端が半田付けで電気的に接続されている。
バックヨーク11は、第1のコイル181及び第2のコイル182が配置されている領域の光軸方向の寸法、および、マグネット17の光軸方向の寸法よりも大きくなっているため、マグネット17と第1のコイル181との間に構成される磁路、及び、マグネット17と第2のコイル182との間に構成される磁路からの漏れ磁束を少なくすることができ、その結果、スリーブ13の移動量と、第1のコイル181及び第2のコイル182に流す電流との間のリニアリティを向上させることができるようになっている。
レンズ駆動装置1は、円環状のワイヤースプリング(磁性部材)16を備えている。ワイヤースプリング16は、マグネット17との間に作用する磁気吸引力により、スリーブ13に対して光軸方向の付勢力を印加する。このため、移動体(スリーブ13等)が無通電時に自重で変位することを防止することができ、ひいては移動体(スリーブ13等)に所望の姿勢を維持させることができる。
ここで、本実施形態に係るレンズ駆動装置1では、スリーブ13の形状が特徴的である。具体的には、スリーブ13は、光軸方向を軸方向として形成され、コイル18が巻かれる第1のコイル巻回部131及び第2のコイル巻回部132と、コイル18を案内する第1のコイルガイド部133,第2のコイルガイド部134,及び第3のコイルガイド部135と、を有している(図2参照)。以下、図3〜図7を用いて詳細に説明する。
[コイルガイド部]
図3は、レンズ駆動装置1からバックヨーク11及びカバー12を取り外したときの様子を示す斜視図である。図4は、図3から、コイル18が巻回されたスリーブ13だけを取り出したときの様子を示す図である。
図3は、レンズ駆動装置1からバックヨーク11及びカバー12を取り外したときの様子を示す斜視図である。図4は、図3から、コイル18が巻回されたスリーブ13だけを取り出したときの様子を示す図である。
図4に示すように、第1のコイルガイド部133は、第1のコイル巻回部131の一端に、スリーブ13の径方向外側に突出するように、鍔状に形成されている。さらに、第1のコイルガイド部133には、第1コイル181(或いは第1のコイル巻回部131)の軸方向に対して所定の角度傾斜して対向する第1の傾斜ガイド部133a及び第2の傾斜ガイド部133bを有している。より具体的には、本実施の形態では、第1のコイルガイド部133では、第1の板バネ14側から第1のコイル巻回部131に向って拡がる、ハの字のように形成されている。
また、第2のコイルガイド部134も、第1のコイル巻回部131の他端に、スリーブ13の径方向外側に突出するように、鍔状に形成されている。さらに、第2のコイルガイド部134には、第1コイル181(或いは第1のコイル巻回部131)の軸方向に対して所定の角度傾斜して対向する第1の傾斜ガイド部134a及び第2の傾斜ガイド部134bを有している。
同様に、第2のコイル巻回部132の両端には、上述した第2のコイルガイド部134と第3のコイルガイド部135が、スリーブ13の径方向外側に突出するように、鍔状に形成されている。より具体的には、本実施の形態では、第2のコイルガイド部134では、第1のコイルガイド部133側から第2のコイル巻回部132に向って拡がる、ハの字のように形成されている。
また、第1のコイルガイド部133、第2のコイルガイド部134、第3のコイルガイド部135の径方向外側への突出量は、第1、第2のコイル巻回部131、132に所定巻回数のコイルを巻回した高さよりも高くなっている。
そして、第1のコイルガイド部133において、第1の傾斜ガイド部133a及び第2の傾斜ガイド部133bでは、第1の板バネ14側における離間間隔d1と、第1のコイル巻回部131側における離間間隔d2とは異なっている。同様に、第2のコイルガイド部134において、第1の傾斜ガイド部134a及び第2の傾斜ガイド部134bでは、第1のコイル巻回部131側における離間間隔d3と、第2のコイル巻回部132側における離間間隔d4とは異なっている。
なお、本実施形態では、d1<d2かつd3<d4となっているが、例えば、d1>d2かつd3>d4となっていてもよいし、d1>d2かつd3<d4となっていてもよいし、d1<d2かつd3>d4となっていてもよい。
図5は、コイル18が巻回されていないスリーブ13の外観を示す図である。なお、図5では、第2の板バネ15も図示されている。図6は、図5に示すスリーブ13を斜め下から見たときの外観を示す図である。図7は、スリーブ13を他の側面から見たときの外観を示す図である。
本実施の形態では、図5及び図6に示すように、第1のコイルガイド部133において、第1の傾斜ガイド部133a,第2の傾斜ガイド部133bの第1の板バネ14側先端部には、それぞれ方向支持部133c及び方向支持部133dが形成され、巻回されるコイル18の巻回する方向を転換する基点となっている。
一方、第1の傾斜ガイド部133a、第2の傾斜ガイド部133bの第1のコイル巻回部131側先端部は鈍角に形成されており、巻回するコイル18が第1のコイル巻回部131の端部から巻き始められるようにしている。
より具体的には、第1の傾斜ガイド部133a(第2の傾斜ガイド部133b)が形成された面と、第1のコイルガイド部133が第1のコイル巻回部131に壁状に形成された面との角度が鈍角となっている。
同様に、第2のコイルガイド部134において、第1の傾斜ガイド部134a,第2の傾斜ガイド部134bの第1のコイル巻回部131側先端部には、それぞれ方向支持部134c及び方向支持部134dが形成され、巻回されるコイル18が、第1のコイル巻回部131から第2のコイル巻回部132にわたり、第2のコイル巻回部132で巻回する方向を転換する基点となっている。
その一方、第1の傾斜ガイド部134a、第2の傾斜ガイド部134bの第2のコイル巻回部132側先端部は鈍角に形成されており、巻回するコイル18が第2のコイル巻回部132の端部から巻き始められるようにしている。
より具体的には、第1の傾斜ガイド部134a(第2の傾斜ガイド部134b)が形成された面と、第2のコイルガイド部134が第2のコイル巻回部132に壁状に形成された面との角度が鈍角となっている。
以上のとおり、コイル18が第1のコイル巻回部131または第2のコイル巻回部132に巻き始める位置(箇所)は鈍角に形成されていることで、「整列巻き」と呼ばれる、第1のコイル巻回部131または第2のコイル巻回部132の軸方向において隣接する各巻が互いに密接した形態の巻き方がしやすいようになっている。このように、コイル18を整列巻きすることで、限られたスペース内に有効にコイル18を巻回することができ、コイル占積率を向上させて、水力等の向上を図ることができる。
なお、第1のコイルガイド部133及び第2のコイルガイド部134の角部は、面取形状となっている。
そして、例えば、傾斜ガイド部133aで案内されたコイルは、第2のコイルガイド部134における他方の傾斜ガイド部134bの方向支持部134dによって第1のコイル巻回部131から第2のコイル巻回部132に引導される。逆に、傾斜ガイド部133bで案内されたコイルは、第2のコイルガイド部134における他方の傾斜ガイド部134aの方向支持部134cによって第1のコイル巻回部131から第2のコイル巻回部132に引導される。詳細については、図8を用いて後述する。
なお、本実施形態では、マグネット17が前側と後側とでは、いずれにおいても内面と外面とが異なる極に着磁されているので、第1のコイル巻回部131に巻回する第1のコイル181の巻回方向(電流の流れる方向)と、第2のコイル巻回部132に巻回する第2のコイル182の巻回方向(電流の流れる方向)とを逆にしている。このために、上述したような引導方法を考えたが、本発明はこれに限られず、マグネット17が前側、後側とも内面と外面とが同じ極に着磁されている場合には第1のコイル巻回部131に巻回する第1のコイル181の巻回方向(電流の流れる方向)と、第2のコイル巻回部132に巻回する第2のコイル182の巻回方向(電流の流れる方向)とを同じにしてもよい。この場合、例えば、傾斜ガイド部133aで案内されたコイル18は、第2のコイルガイド部134における他方の傾斜ガイド部134aの方向支持部134cによって第1のコイル巻回部131から第2のコイル巻回部132に引導されるようにする。
このように、第1のコイルガイド部133と第2のコイルガイド部134との間に、第1のコイル巻回部131が形成されるとともに、第2のコイルガイド部134より撮像素子側に設けられた第3のコイルガイド部135との間に第2のコイル巻回部132が形成されるようになっている。また、コイル18は、いずれか第1のコイルガイド部133に案内されて第1のコイル巻回部131に巻回されるとともに、第2のコイルガイド部134に案内されて第2のコイル巻回部132に巻回される。
ここで、図6及び図7(a)〜(c)に示すように、第2のコイルガイド部134には、第1のコイル巻回部131から第2のコイル巻回部132に向かって低くなる(すなわち径が小さくなる)傾斜部134eが形成されている。具体的には、図7よれば、傾斜部134eは、第1のコイル巻回部131から第2のコイル巻回部132に向かって低くなっている斜面から構成されている。すなわち、第1のコイル巻回部131に所定数巻回されたコイルは、第1のコイル巻回部131(第2のコイル巻回部132)が形成された面よりも高い位置となっており、巻回を始める第2のコイル巻回部132の面とは段差が生じているので、その段差間を斜面で形成している。さらに詳しく説明すれば、図7(c)に示すとおり、傾斜部134eの第一のコイル巻回部131側の先端部134e'は所定数巻回されたコイルの外表面の位置とほぼ同じ高さとなっている。これにより、第一のコイル巻回部131から第二のコイル巻回部132に移動するコイルは、宙吊りのような状態ではなく、傾斜部134eに載置し引導できるため、例えば、レンズ駆動装置を光軸方向に移動している際、他の部材等に接触、または断線することを防止することができる。なお、図7(c)は、左側にコイル18を巻いていない状態、右側にコイル18を巻いている状態を示している。
図8は、スリーブ13に対して給電用バネとしての第2の板バネ15(図2参照)に電気的に接続されるコイル18を巻回する方法の一例を示す図である。
図8において、まず、第一のコイル巻回部131にコイル181を巻回する。このとき、第一のコイル181の先端部181aは下記に説明するようにコイル半田付け部140aへ誘導される。そして、先端部181a以外の第1のコイル181は、傾斜ガイド部133bの方向支持部133eによって折り曲げられ、第1のコイル巻回部131に撮像素子側(図8で言うと上側)からみて反時計回りに巻回されることになる。
続いて、第一のコイル181は方向支持部134cによって折り曲げられた後、第1の傾斜ガイド部134aに沿って案内され、鈍角に形成された方向支持部134fによって再び折り曲げられて第2のコイル巻回部132に巻回されていく。この第2のコイル巻回部132に巻回されるコイルを、便宜上第2のコイル182という。第2のコイル巻回部132に巻回された第2のコイル182は、撮像素子側(図8で言うと上側)からみて時計回りに巻回されている。なお、第2のコイル182の先端部182aについては下記に説明する。
なお、コイル半田付け部140a、140bが第三のコイルガイド部135より撮像素子側(図8で言うと上側)に形成されており、給電用バネとして機能している分割された2つの第二の板バネ15のバネ片とコイル18の両先端とがそれぞれ半田付けされる。
具体的には、図8に示すように、巻き始めのコイル18は、第3のコイルガイド部135に設けられたコイル半田付け部140aで十分に半田付けできる程度の長さを残して、図示下側から第1コイルガイド部133の第2の傾斜ガイド部133bに沿って引導され、第1のコイル巻回部131に所定の巻回数巻回され、整列巻きされる。
第1のコイル巻回部131に所定の巻回数巻回された後、コイル18は第1の傾斜ガイド部134aの角部(図示では134c)で方向を転換され、第1の傾斜ガイド部134aや傾斜部134eの傾斜面に沿って引導される。その後、鈍角に形成された別の角部(図示では134f)より、第2のコイル巻回部132上をコイルが所定の巻回数巻回され、整列巻きされる。
第2のコイル巻回部132を巻回したコイル18の先端部182aは、別のコイル半田付け部140bまで誘導される。その後、コイル18の先端部182aは、図示しない第2の板バネ15の2分割された一方のバネ片に半田付けされて、第2の板バネ15と電気的に接続される。
次に、第1のコイル巻回部131側のコイル18の先端部181aは方向支持部133dでコイル半田付け部140aに達するように、図4に示した第1の傾斜ガイド部133a及び第2の傾斜ガイド部133bにおける離間間隔d1、離間間隔d2、離間間隔d3、および離間間隔d4を通るように折り曲げられる。
なお、コイル先端部181aの根元は、第1のコイル巻回部131に巻回されているコイル18により、ほつれることはない。
そして、コイル先端部181aは、第3のコイルガイド部135に設けられたコイル半田付け部140aに達し、半田付け部140aで誘導される。その後、コイル18の先端部181aは、図示しない第2の板バネ15の2分割された他方のバネ片に半田付けされて、第2の板バネ15と電気的に接続される。
また、上述した離間間隔d1、離間間隔d3(図4参照)はコイル幅(例えば50μm)以上あればよい。さらに、第一のコイルガイド部133又は第二のコイルガイド部134については、片巻き専用のコイルガイド部であってもよいし、
左右巻き専用の立体交差形状であってもよい。
左右巻き専用の立体交差形状であってもよい。
[基本動作]
本実施形態に係るレンズ駆動装置1において、移動体は、通常(第1のコイル181及び第2のコイル182の無通電時)は、撮像素子側(像側)に位置する。このとき、ワイヤースプリング16は、マグネット17との間に作用する磁気吸引力によって、移動体の変位を規制している。ただし、ワイヤースプリング16とマグネット17との距離はある程度保たれているため、ワイヤースプリング16とマグネット17との磁気吸引力が強くなり過ぎることはない。これにより、移動体の中心軸がずれるのを防ぎ、ひいてはチルト特性の悪化を防ぐことができる。
本実施形態に係るレンズ駆動装置1において、移動体は、通常(第1のコイル181及び第2のコイル182の無通電時)は、撮像素子側(像側)に位置する。このとき、ワイヤースプリング16は、マグネット17との間に作用する磁気吸引力によって、移動体の変位を規制している。ただし、ワイヤースプリング16とマグネット17との距離はある程度保たれているため、ワイヤースプリング16とマグネット17との磁気吸引力が強くなり過ぎることはない。これにより、移動体の中心軸がずれるのを防ぎ、ひいてはチルト特性の悪化を防ぐことができる。
このような状態において、第1のコイル181及び第2のコイル182に電流を流すと、第1のコイル181及び第2のコイル182は、左手のフレミングの法則により、それぞれ上向き(前側)の電磁力を受けることになる。これにより、第1のコイル181及び第2のコイル182並びにスリーブ13は、被写体側(前側)に移動し始める。
このとき、第1の板バネ14とスリーブ13の前端との間、及び第2の板バネ15とスリーブ13の後端との間には、それぞれスリーブ13の移動を規制する弾性力が発生する。このため、スリーブ13を前側に移動させようとする電磁力と、スリーブ13の移動を規制する弾性力が釣り合ったとき、スリーブ13は停止する。また、第1のコイル181及び第2のコイル182に、逆方向の電流を流すと、第1のコイル181及び第2のコイル182は、それぞれ下向き(後側)の電磁力を受けることになる。
その際、第1のコイル181及び第2のコイル182に流す電流量と、第1の板バネ14及び第2の板バネ15によってスリーブ13に働く弾性力を調整することで、スリーブ13(移動体)を所望の位置に停止させることができる。なお、電磁力と弾性力との釣り合いを利用してスリーブ13を停止させることで、衝突音の発生を防ぐことができるようになっている。
[実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態に係るレンズ駆動装置1によれば、第1のコイルガイド部133及び第2のコイルガイド部134は、少なくとも、それぞれ第1のコイル巻回部131(又は第2のコイル巻回部132)の軸方向に対して傾斜する第1の傾斜ガイド部133a及び第2の傾斜ガイド部134a(又は第2の傾斜ガイド部133b及び第2の傾斜ガイド部134b)を備えているので、第1のコイルガイド部133及び第2のコイルガイド部134によって、コイル18の巻き始めから整列巻きをすることができ、ひいてはコイル18を高密度で効率良く巻回することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るレンズ駆動装置1によれば、第1のコイルガイド部133及び第2のコイルガイド部134は、少なくとも、それぞれ第1のコイル巻回部131(又は第2のコイル巻回部132)の軸方向に対して傾斜する第1の傾斜ガイド部133a及び第2の傾斜ガイド部134a(又は第2の傾斜ガイド部133b及び第2の傾斜ガイド部134b)を備えているので、第1のコイルガイド部133及び第2のコイルガイド部134によって、コイル18の巻き始めから整列巻きをすることができ、ひいてはコイル18を高密度で効率良く巻回することができる。
また、本実施形態に係るレンズ駆動装置1では、第2の傾斜ガイド部133b及び第2の傾斜ガイド部134bが設けられるため、コイル18に無理な屈折を与えることなく、コイル18を第1のコイル巻回部131や第2のコイル巻回部132にガイドすることができる。
2個の傾斜ガイド部(第1の傾斜ガイド部133a(134a)及び第2の傾斜ガイド部133a(134a))を設けることで、保持部材としてのスリーブ13の周方向において、どちらからも巻回できることから、巻回時に方向決めが不要となり、作業効率を向上させることができる。
また、例えば、鈍角に形成された、第1のコイルガイド部133の第1の傾斜ガイド部133aで案内されたコイル18は、第2のコイルガイド部134の第2の傾斜ガイド部134bの方向支持部134gによって第2のコイル巻回部132に引導されることとしたので、第2の傾斜ガイド部134bによって第2のコイル巻回部132に鈍角で入ったコイル18を、整列巻きのために更に鈍角で整列巻きに引導することができる。
また、本実施形態に係るレンズ駆動装置1のスリーブ13には、上述した傾斜部134eが形成されているので、第1のコイル巻回部131から第2のコイル巻回部132へコイル先端の断線等を防止し引導できる。さらに、上述したコイル引導口(第1の傾斜ガイド部133aと第1の傾斜ガイド部133bの間の隙間、及び、第1の傾斜ガイド部134aと第1の傾斜ガイド部134bの間の隙間)の中心が光軸方向において揃っている。これにより、ガイド部を集中して集めることで、省スペース化を図ることができる。
なお、第1のコイルガイド部133及び第2のコイルガイド部134の角部は、面取形状となっている。これにより、コイル18が接触する部分が弧状であるため、コイル18の表面又はコイル18の表面コート剤の損傷を保護することができる。
また、レンズ駆動装置1は、カメラ付き携帯電話機の他にも、様々な電子機器に取り付けることが可能である。例えば、PHS,PDA,バーコードリーダ,薄型のデジタルカメラ,監視カメラ,車の背後確認用カメラ,光学的認証機能を有するドア等である。
本発明に係るレンズ駆動装置は、コイルの高密度化に資することが可能なレンズ駆動装置として有用である。
1 レンズ駆動装置
11 バックヨーク
12 カバー
13 スリーブ
14 第1の板バネ
15 第2の板バネ
16 ワイヤースプリング
17 マグネット
18 コイル
19 台座
11 バックヨーク
12 カバー
13 スリーブ
14 第1の板バネ
15 第2の板バネ
16 ワイヤースプリング
17 マグネット
18 コイル
19 台座
Claims (6)
- レンズを保持する保持部材を備えるとともに、光軸方向に移動可能な移動体と、
前記保持部材に巻き付けられるとともに、前記移動体を光軸方向に駆動するコイルと、を有するレンズ駆動装置において、
前記保持部材は、光軸方向を軸方向として形成され、コイルが巻かれるコイル巻回部と、前記コイルを案内するコイルガイド部と、を備え、
前記コイルガイド部は、少なくとも、前記コイル巻回部の軸方向に対して傾斜する傾斜ガイド部を備えていることを特徴とするレンズ駆動装置。 - 前記コイルガイド部は、前記コイル巻回部の軸方向に傾斜して対向する第1の傾斜ガイド部及び第2の傾斜ガイド部を備え、
前記第1の傾斜ガイド部及び前記第2の傾斜ガイド部の軸方向一方側における離間間隔と、前記第1の傾斜ガイド部及び前記第2の傾斜ガイド部の軸方向他方側における離間間隔とは異なることを特徴とする請求項1記載のレンズ駆動装置。 - 前記傾斜ガイド部の軸方向他方側先端部には方向支持部が形成されており、一方の傾斜ガイド部で案内されたコイルは、他方の傾斜ガイド部の方向支持部によって前記コイル巻回部に引導されることを特徴とする請求項1又は2記載のレンズ駆動装置。
- 前記コイルガイド部は、前記軸方向に沿って第1のコイルガイド部と第2のコイルガイド部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のレンズ駆動装置。
- 前記第1のコイルガイド部と前記第2のコイルガイド部との間に第1のコイル巻回部が形成されるとともに、前記第2のコイルガイド部より撮像素子側に第2のコイル巻回部が形成され、
前記コイルは、いずれか一方のコイルガイド部に案内されて一方のコイル巻回部に巻回されるとともに、他方のコイルガイド部に案内されて他方のコイル巻回部に巻回されることを特徴とする請求項4記載のレンズ駆動装置。 - 前記他方のコイルガイド部には、前記他方のコイル巻回部に向かって低くなる傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項5記載のレンズ駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007222126A JP2009053573A (ja) | 2007-08-29 | 2007-08-29 | レンズ駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007222126A JP2009053573A (ja) | 2007-08-29 | 2007-08-29 | レンズ駆動装置 |
Publications (1)
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JP2009053573A true JP2009053573A (ja) | 2009-03-12 |
Family
ID=40504691
Family Applications (1)
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JP2007222126A Pending JP2009053573A (ja) | 2007-08-29 | 2007-08-29 | レンズ駆動装置 |
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Country | Link |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9621017B2 (en) | 2010-07-06 | 2017-04-11 | Lg Innotek Co., Ltd. | Voice coil motor, coil block for voice coil motor, method of manufacturing the coil block, and voice coil motor having the coil block |
KR101852188B1 (ko) * | 2010-12-01 | 2018-04-25 | 엘지이노텍 주식회사 | 보이스 코일 모터용 코일 블럭, 이의 제조 방법 및 이를 갖는 보이스 코일 모터 |
JP2018139490A (ja) * | 2009-11-20 | 2018-09-06 | エルジー イノテック カンパニー リミテッド | ボイスコイルモーター |
CN111399161A (zh) * | 2020-04-30 | 2020-07-10 | 新思考电机有限公司 | 一种透镜支架、透镜驱动装置、摄像头和电子设备 |
-
2007
- 2007-08-29 JP JP2007222126A patent/JP2009053573A/ja active Pending
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