JP2009052686A - スタータ用緩衝装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転側部材と固定側部材との当接面積を増大させて長寿命化を図るようにしたスタータ用緩衝装置を提供する。
【解決手段】緩衝装置Kにおいて、センターケース16のベース部材16aは、内側円筒部16bの基端外周に複数の突起部16eが設けられ、固定ディスク21は、内周部21aにベース部材16aの複数の突起部16eに係合可能な複数の切り欠き部21bが設けられているので、固定ディスク21の内周部21aにベース部材16aの内側円筒部16bを挿入して各切り欠き部21bを各突起部16eに係合させることによって確実に回転規制される。また、固定ディスク21がベース部材16aの内側円筒部16b外周付近で係合するため、回転ディスク20の内周部20aを小径化して両部材との当接面を内周側に大きく確保することができ、これにより長寿命化を図ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンを始動するためのスタータにおいて衝撃力を吸収するために用いられる緩衝装置に関する。
従来より、過大なトルク伝達を遮断するために緩衝装置を備えたスタータがある(例えば、特許文献1等参照。)。ここで、従来例のスタータにおける緩衝装置について図面を参照しつつ概略構成を説明する。図10は、従来例のスタータにおける緩衝装置及び始動モータの回転速度を減速して出力軸に伝達する減速装置の構成を示す断面図である。図11は、従来例のセンターケース116のベース部材116aを示す図であり、(a)は軸方向後方側から視た図、(b)は軸方向前方側から視た図、(c)は断面図である。図12は、従来例の回転ディスク120を示す図であり、(a)は軸方向後方側から視た図、(b)は断面図である。図13は、従来例の固定ディスク121を示す図であり、(a)は軸方向後方側から視た図、(b)は断面図である。図14は、従来例におけるベース部材116a、回転ディスク120、固定ディスク121、及び皿ばね122を組付けた状態を示す断面図である。
従来例のスタータ用緩衝装置は、図10に示すように、出力軸2に対し直交する円環形状であり内周縁より軸方向後方へ円筒状に延びる内側円筒部116bを有するベース部材116a及びベース部材116aの外周縁に嵌合し軸方向後方へ円筒状に延びる外側円筒部材116cからなるセンターケース116を備え、ベース部材116aと内周部121aを有するリング状に形成された固定ディスク121との間に回転ディスク120を配置し、その回転ディスク120とベース部材116a及び固定ディスク121との間にそれぞれ摩擦力を発生させ、この摩擦力により回転ディスク120が回転規制されることでトルク伝達を行い、回転ディスク120に所定トルク以上の衝撃力が加わると、摩擦力に抗して回転ディスク120が滑る(回転する)ことで衝撃力を吸収している。
特開2001−187925号公報
ところで、近年、地球温暖化防止のための一方式として、車両停止時にエンジンを自動停止し、再発進時に自動的に再始動を行うエンジン自動停止再始動システムが提案され、実用化されている。このシステムを採用した車両では、スタータの始動回数が大幅に増加するため、各部品の長寿命化が求められている。
しかしながら、上述した従来の緩衝装置は、図10乃至図14に示すように、ベース部材116aの中心から同一半径上に設けられた複数の突起部116eによって固定ディスク121を回転規制する構造である(固定ディスク121に形成された円形状の打出し穴121bが断面円形状の突起部116eに嵌合している)ため、回転ディスク120の内周部120aの内径は、各突起部116eが内接する外周円を仮想した時に、その外周円の内径B以上に設定することが必要である。このため、前端壁部116a及び固定ディスク121に対する回転ディスク120の当接面積が制約され、長寿命化を図ることができないという問題があった。さらに、従来構造では、ベース部材116aの断面円形状の突起部116eが芯ずれしやすいことを考慮して円形状の打出し穴121bを大きめに形成する必要があり、その分、当接面積が少なくなってトルクが低下したり寿命が低下するおそれがあった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、回転側部材と固定側部材との当接面積を増大させて長寿命化を図るようにしたスタータ用緩衝装置を提供することを目的とする。
以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
1.エンジンを始動するためのスタータに用いられる緩衝装置であって、回転不能に配置され中央に円筒部が設けられたベース部材と、前記ベース部材の前記円筒部が挿入される内周部を有する固定ディスクと、前記ベース部材と前記固定ディスクとの間に配置され且つ前記ベース部材の前記円筒部が挿入される内周部を有し、前記両部材に対し回転可能に設けられたリング形状の回転ディスクとを備え、前記回転ディスクと前記ベース部材及び前記固定ディスクとの間にそれぞれ摩擦力を発生させることで前記回転ディスクを回転規制し、前記回転ディスクに前記摩擦力を超える回転トルクが加わった時に、前記回転ディスクが回転することで動力伝達系に加わる衝撃力を吸収する緩衝装置において、
前記ベース部材は、前記円筒部の基端外周に突起部が設けられ、
前記固定ディスクは、前記内周部に前記ベース部材の前記突起部に係合可能な切り欠き部が設けられたことを特徴とするスタータ用緩衝装置。
手段1によれば、回転不能に配置されたベース部材は、円筒部の基端外周に突起部が設けられ、固定ディスクは、内周部にベース部材の突起部に係合可能な切り欠き部が設けられているので、固定ディスクの内周部にベース部材の円筒部を挿入して切り欠き部を突起部に係合させることによって確実に回転規制される。また、固定ディスクがベース部材の円筒部の外周付近で係合するため、ベース部材及び固定ディスクに対し回転可能に設けられる回転ディスクの内周部を小径化して両部材との当接面を内周側に大きく確保することができ、これにより長寿命化を図ることができる。また、回転ディスクの両部材との当接面を内周側に大きく確保することで、外径を小さくすることも可能となる。さらに、固定ディスクをベース部材に対して組付ける際に、ベース部材の突起部外径と固定ディスクの切り欠き部内径とで容易に芯出しすることができる。
2.前記回転ディスクは、前記内周部に前記ベース部材の前記円筒部を挿入したとき、前記円筒部基端外周に設けられた前記突起部に前記内周部が近接していることを特徴とする手段1に記載のスタータ用緩衝装置。
手段2によれば、回転ディスクは、内周部にベース部材の円筒部を挿入したとき、円筒部基端外周に設けられた突起部に内周部が近接しているので、ベース部材及び固定ディスクとの当接面を内周側に最大限に確保することができ、これにより確実に長寿命化を図ることができる。
3.前記回転ディスクに対し前記固定ディスクを挟んで減速装置のインターナルギヤが対向配置され、
前記回転ディスクは、前記インターナルギヤの外周壁先端部に係合する複数の爪部が外周に設けられ、前記各爪部は前記インターナルギヤ側へ曲折していることを特徴とする手段1又は2に記載のスタータ用緩衝装置。
手段3によれば、回転ディスクの外周に設けられた複数の爪部が、インターナルギヤ側へ曲折しているので、インターナルギヤの外周壁先端部に確実に係合可能としつつ、ベース部材及び固定ディスクとの当接面を外周側にも大きく確保することができ、これにより確実に長寿命化を図ることができる。
4.前記回転ディスクに対し前記固定ディスクを挟んで減速装置のインターナルギヤが対向配置され、
前記回転ディスクは、前記インターナルギヤの外周壁先端部に係合する複数の爪部が外周に設けられ、前記各爪部はディスク面内にて径外方向へ突出していることを特徴とする手段1又は2に記載のスタータ用緩衝装置。
手段4によれば、回転ディスクの外周に設けられた複数の爪部が、ディスク面内にて径外方向へ突出しているので、インターナルギヤの外周壁先端部に確実に係合可能であると共に、爪部を折曲げ加工等する必要がないため製造工数並びにコスト低減を図ることができる。
5.前記ベース部材は、前記突起部とは反対側の面に前記突起部のプレス加工によって凹状に形成されたグリースを溜めるための油溜凹部を備えたことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載のスタータ用緩衝装置。
手段5によれば、ベース部材は、突起部とは反対側の面にグリースを溜めるための油溜凹部を備えているので、油溜凹部よりグリースを供給することによって耐久性の向上を図ることができる。また、油溜凹部は、突起部のプレス加工と同時に凹状に形成されるので、工数の増加を伴うことなく容易に加工することができる。
以下、本発明のスタータ用緩衝装置を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ具体的に説明する。図1は、本実施形態の緩衝装置Kを適用したスタータ1を示す半断面図である。図2は、減速装置G及び緩衝装置Kの構成を示す断面図である。
スタータ1は、常時噛合い式スタータであって、図1に示すように、回転力を発生する始動モータMと、始動モータMの通電回路に設けられるメイン接点を開閉する電磁リレー7と、始動モータMの回転速度を減速して出力軸2に伝達する減速装置Gと、この減速装置Gに加わる過大トルク(衝撃力)を吸収するための緩衝装置K等により構成される。
このスタータ1は、例えば、交差点や渋滞等で車両が一旦停止し、エンジンが自動停止した後、発進時にエンジンを自動的に再始動させるエンジン自動停止/再始動システム(一般にアイドルストップ、エコランシステム等と呼ばれる)に使用される。
始動モータMは、磁気回路を形成する円筒形状のヨーク8と、このヨーク8の内周に磁界を形成する永久磁石(界磁コイルでもよい)と、アーマチャシャフト3aを有し電磁力の働きにより回転するたアーマチャ等より構成される周知の直流電動機である。
電磁リレー7は、図示しないスタータリレーを介して車載バッテリから通電される電磁コイルを備え、この電磁コイルへの通電によって電磁石が形成されると、電磁石にプランジャが吸引されて、モータ回路のメイン接点を閉操作する。また、電磁コイルへの通電が停止して電磁石の吸引力が消滅すると、リターンスプリングの反力にプランジャが押し戻されて、メイン接点を開操作する。
尚、スタータリレーは、最初のエンジン始動を行う時に、運転者が始動スイッチをST位置に投入することで、車載バッテリからリレーコイルに通電されて接点を閉作動するが、エンジンの再始動時には、エンジンの自動停止及び再始動を制御するアイドルストップ用のECUを通じてリレーコイルに通電される。
メイン接点は、2本の外部端子27,28を介してモータ回路に接続される一組の固定接点と、プランジャと一体に可動して一組の固定接点間を断続する可動接点とで形成され、この可動接点を通じて一組の固定接点間が導通することでメイン接点が閉状態となり、一組の固定接点間の導通が遮断されることでメイン接点が開状態となる。
2本の外部端子27,28は、バッテリケーブルを介して車載バッテリに接続されるB端子27と、始動モータMから取り出されたモータリード線32が接続されるM端子28であり、電磁リレー7のカバー7aに固定されている。
出力軸2は、アーマチャシャフト3aと同一軸線上に配置されて、一端側が減速装置Gを介してアーマチャシャフト3aに連結され、他端側が軸受37を介してフロントハウジング4に回転自在に支持されている。
ピニオンギヤ9は、出力軸2の外周に軸受11を介して摺動自在に嵌合すると共に、以下に説明する衝撃吸収装置を介して出力軸2に連結され、且つエンジン側のリングギヤ12に常時噛み合わされている。
衝撃吸収装置10は、出力軸2の外周にセレーション嵌合する第1の回転体40と、ピニオンギヤ9と一体に設けられた円筒部9aの外周にセレーション嵌合する第2の回転体41と、両回転体40,41の間に配置されるゴム等の弾性体42等より構成される。尚、弾性体42は、両回転体40,41の間に中間部材43を介して直列に複数個配置される。この衝撃吸収装置は、大きな慣性エネルギを有するエンジンを始動する際に、スタータ1に伝わる衝撃トルクを弾性体42が圧縮変形することによって変形する。
一方向クラッチは、アーマチャシャフト3a上に設けられるクラッチインナと、このクラッチインナとの間にカム室を形成すると共に、フロントハウジング4に固定されるクラッチアウタと、カム室に配設されるローラと、このローラをカム室の狭小方向へ付勢するスプリング等より構成される。一方向クラッチは、エンジン駆動時には、ローラがスプリングを押し縮めながらカム室の広い側に移動して、クラッチインナとクラッチアウタとの間で空転することにより、クラッチインナの回転を許容する。一方、エンジン駆動時と逆方向に駆動された時は、ローラがカム室の狭い側に移動してクラッチインナとクラッチアウタとの間に挟み込まれて両者が係合するため、クラッチインナの回転が阻止される。その結果、アーマチャシャフト3aがエンジン駆動時と逆方向に回転することを阻止する。
減速装置Gは、図2に示すように、アーマチャに固定されたアーマチャシャフト3aの外周に外歯を形成するサンギヤ13と、このサンギヤ13の径方向外周に内歯を形成するリング状のインターナルギヤ14と、サンギヤ13とインターナルギヤ14との間に配されて、両ギヤ13、14に噛み合う遊星ギヤ15より構成され、後述の緩衝装置Kとともにセンターケース16に覆われている。図3は、インターナルギヤ14を示す図であり、同図(a)は軸方向後方側から視た図、同図(b)は断面図、同図(c)は軸方向前方側から視た図である。
インターナルギヤ14は、図2,3に示すように、センターケース16の外側円筒部材16cの内周面に回転可能に嵌合する円筒状の外周壁14aを有し、この外周壁14aの軸方向先端部で緩衝装置Kの回転ディスク20と結合され、回転ディスク20が静止した状態で回転規制されている。なお、外周壁14aの軸方向先端部の内周には、複数の切欠き部14b(図3参照)が等間隔に形成されている。
遊星ギヤ15は、出力軸2の後端部に圧入されたピン17に軸受18を介して回転自在に支持されている。この減速装置Gは、アーマチャ並びにアーマチャシャフト3aの回転によってサンギヤ13が回転すると、遊星ギヤ15がサンギヤ13とインターナルギヤ14とに噛み合い、サンギヤ13の外周を自転しながら公転することにより、その遊星ギヤ15の公転がピン17を介して出力軸2に伝達され、出力軸2を回転させる。
センターケース16は、出力軸2に対し直交する円環形状のベース部材16aと、ベース部材16aの外周縁に嵌合し軸方向後方へ円筒状に延びる外側円筒部材16cとから構成される。ベース部材16aは、その内周縁より軸方向後方へ円筒状に延びる内側円筒部16bを有している。尚、内側円筒部16bが、本発明の円筒部を構成するものである。外側円筒部材16cの後端部は、ヨーク5の前端部に連結され、内側円筒部16bの内周に軸受19を介して出力軸2を回転可能に支持している。図4は、センターケース16のベース部材16aを示す図であり、同図(a)は軸方向後方側から視た図、同図(b)は軸方向前方側から視た図、同図(c)は断面図である。ベース部材16aの内側円筒部16b基端外周には、略直方体状の複数(8個)の突起部16eが周方向に等間隔で形成されている。出力軸2のベース部材16a前面側には、ワッシャ25が介挿され、さらにその前方に断面が矩形状の周溝2aが形成され、この周溝2aにサークリップ26を嵌入させてアーマチャ及びアーマチャシャフト3a自体の軸方向の移動を規制するようにしている。
緩衝装置Kは、図2に示すように、回転ディスク20、固定ディスク21、皿ばね22等より構成される。ここで、図5は、回転ディスク20を示す図であり、同図(a)は軸方向後方側から視た図、同図(b)は断面図である。図6は、固定ディスク21を示す図であり、同図(a)は軸方向後方側から視た図、同図(b)は断面図である。図7は、ベース部材16a、回転ディスク20、固定ディスク21、及び皿ばね22を組付けた状態を示す断面図である。
回転ディスク20は、図2,5等に示すように、金属板をプレス加工して内周部20aを有するリング状に形成されたもので、センターケース16の前端壁部16aに密着して配され、且つ回転ディスク20の外周に設けられて軸方向後方側へ曲折する複数の爪部20bがインターナルギヤ14の外周壁14aの先端部に設けられた切欠き部14bに挿入されてインターナルギヤ14と回転不能に結合されている。
回転ディスク20の両面には、それぞれ摩擦面を形成するために多数の突起20dが設けられている。この突起20dは、回転ディスク20の表面に多数のディンプル(窪み)をプレスにて形成することで、そのディンプルの周囲に盛り上がって形成される。また、回転ディスク20には、グリスを溜めるための油溜穴24が板厚方向に貫通して設けられている。油溜穴24は、回転ディスク20の周方向に略等間隔に複数個設けられ、且つ周方向に連続する4個が回転ディスク20の中心に対し螺旋状に配置されて、それぞれの径方向の位置が回転ディスク20の円周上で部分的に重なるように設けられている。この回転ディスク20は、組付け時に両摩擦面にグリスが塗布され、且つ複数の油溜穴24にもそれぞれグリスが充填される。
固定ディスク21は、図2,6等に示すように、回転ディスク20と同様に金属板をプレス加工して内周部21aを有するリング状に形成され、内周部21aに前端壁部16aの内側円筒部16bが挿入され、回転ディスク20の摩擦面に密着して配されると。この固定ディスク21は、図6に示すように、内周部21aの周方向における複数箇所に矩形状の切り欠き部21bが形成され、この切り欠き部21bをセンターケース16の内側円筒部16b基端外周に形成された複数の突起部16eに係合させることで、センターケース16に対し回転不能に保持されている。皿ばね22は、周知の弾性体で、固定ディスク21を回転ディスク20側へ押圧する手段として使用される。
次に、スタータ1の作動を説明する。電磁リレー7によりモータ回路のメイン接点が閉操作されると、車載バッテリからアーマチャコイルに通電され、そのアーマチャコイルに働く電磁力によってアーマチャに回転力を発生する。アーマチャの回転は、一方向クラッチによって阻止されることはなく、アーマチャシャフト3aから減速装置Gを介して出力軸2に伝達され、更にピニオンギヤ9からリングギヤ12に伝達されてエンジンをクランキングする。この時、スタータ1に生じる衝撃トルクは、衝撃吸収装置10によって吸収される。また、衝撃吸収装置10によって吸収しきれない(つまり弾性体42が全圧縮した場合)過大な衝撃は、緩衝装置Kによってカットされる。
すなわち、緩衝装置Kは、回転ディスク20に所定トルク以上の衝撃力が加わると、それまで静止していた回転ディスク20が回転することで衝撃力を吸収することができる。より具体的には、所定トルク以上の衝撃力が出力軸2を介して減速装置Gのインターナルギヤ14に伝わると、摩擦力により静止していた回転ディスク20がセンターケース16のベース部材16a及び固定ディスク21に対し回転方向に滑ることで、回転ディスク20に回転規制されていたインターナルギヤ14の回転が許容されて、過大トルクを吸収する。これにより、所定トルク以上の衝撃力がアーマチャ並びにアーマチャシャフト3aからピニオンギヤ9までの動力伝達系に加わることを防止できる。
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態の緩衝装置Kは、エンジンを始動するためのスタータに用いられる緩衝装置であって、回転不能に配置され中央に内側円筒部16bが設けられたセンターケース16のベース部材16aと、内側円筒部16bが挿入される内周部21aを有する固定ディスク21と、ベース部材16aと固定ディスク21との間に配置され且つ内側円筒部16bが挿入される内周部20aを有し、ベース部材16a及び固定ディスク21に対し回転可能に設けられたリング形状の回転ディスク20とを備え、回転ディスク20とベース部材16a及び固定ディスク21との間にそれぞれ摩擦力を発生させることで回転ディスク20を回転規制し、回転ディスク20に摩擦力を超える回転トルクが加わった時に、回転ディスク20が回転することで動力伝達系に加わる衝撃力を吸収するものにおいて、ベース部材16aは、内側円筒部16bの基端外周に複数の突起部16eが設けられ、固定ディスク21は、内周部21aにベース部材16aの複数の突起部16eに係合可能な複数の切り欠き部21bが設けられたことを特徴とする。
よって、固定ディスク21の内周部21aにベース部材16aの内側円筒部16bを挿入して各切り欠き部21bを各突起部16eに係合させることによって確実に回転規制される。また、固定ディスク21がベース部材16aの内側円筒部16b外周付近で係合するため、ベース部材16a及び固定ディスク21に対し回転可能に設けられる回転ディスク20の内周部20aを小径化して両部材との当接面を内周側に大きく確保することができ、これにより長寿命化を図ることができる。
ここで、本実施形態と図10乃至図14に示す従来例とを比較すると、本実施形態における回転ディスク20の内周部20aの内径Aは、従来例においてベース部材116aの各突起部116eが内接する外周円の内径Bよりも小さく、本実施形態では回転ディスク20とベース部材16a及び固定ディスク21との当接面が内周側に大きく確保されていることがわかる。
特に、回転ディスク20は、内周部20aにベース部材16aの内側円筒部16bを挿入したとき、円筒部16b基端外周に設けられた突起部16eに内周部20aが近接しているので、ベース部材16a及び固定ディスク21との当接面を内周側に最大限に確保することができ、これにより確実に長寿命化が図られる。尚、回転ディスク20の両部材との当接面を内周側に大きく確保することで、外径を小さくするようにしてもよい。
さらに、固定ディスク21をベース部材16aに対して組付ける際に、ベース部材16aの各突起部16e外径と固定ディスク21の各切り欠き部21b内径とで容易に芯出しすることができる。
また、回転ディスク20に対し固定ディスク21を挟んで減速装置Gのインターナルギヤ14が対向配置され、回転ディスク20は、インターナルギヤ14の外周壁先端部に係合する複数の爪部20bが外周に設けられ、各爪部20bはインターナルギヤ14側(軸方向後方側)へ略直角に曲折しているので、インターナルギヤ14の外周壁先端部に設けられた複数の切欠き部14bに確実に係合可能としつつ、センターケース16及び固定ディスク21との当接面を外周側にも大きく確保することができ、これにより確実に長寿命化を図ることができる。
また、センターケース前端壁部16aは、複数の突起部16eとは反対側の面にグリースを溜めるための油溜凹部16fを備えているので、油溜凹部16fより出力軸2へグリースを供給することによって耐久性の向上を図ることができる。また、油溜凹部16fは、複数の突起部16eのプレス加工と同時に凹状に形成されるので、工数の増加を伴うことなく容易に加工することができる。
尚、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能であることは云うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、回転ディスク20の外周に設けた複数の爪部20bがインターナルギヤ14側へ曲折する構成としたが、これには限られず、例えば、回転ディスク20面内にて径外方向へ突出する構成としてもよい。図8(a)は、本変形例の回転ディスク20を軸方向後方側から視た図、同図(b)は断面図、同図(c)はベース部材16a、回転ディスク20、固定ディスク21、及び皿ばね22を組付けた状態を示す断面図である。図9は、変形例における減速装置G及び緩衝装置Kの構成を示す断面図である。本変形例によれば、回転ディスク20の外周に設けた複数の爪部20b’が回転ディスク20面内にて径外方向へ突出する構成であるので、インターナルギヤ14の外周壁先端部に設けられた複数の切欠き部14bに確実に係合可能であると共に、爪部20b’を折曲げ加工する必要がないため製造工数並びにコスト低減を図ることができる。尚、回転ディスク20のベース部材16a及び固定ディスク21との当接面は外周側で上記実施形態よりも小さくなるが、内周側では従来構造よりも面積が増大しているため、従来構造と同程度の当接面積を確保することが可能となる。
本発明は、スタータ用緩衝装置において回転側部材と固定側部材との当接面積を増大させて長寿命化を図ることが必要とされる場合に利用可能である。
本発明の実施形態の緩衝装置を適用したスタータを示す半断面図である。 本実施形態における減速装置及び緩衝装置の構成を示す断面図である。 インターナルギヤを示す図であり、(a)は軸方向後方側から視た図、(b)は断面図、(c)は軸方向前方側から視た図、(d)は軸方向後方側を示す斜視図、(e)は軸方向前方側を示す斜視図である。 ベース部材を示す図であり、(a)は軸方向後方側から視た図、(b)は軸方向前方側から視た図、(c)は断面図である。 回転ディスクを示す図であり、(a)は軸方向後方側から視た図、(b)は断面図である。 固定ディスクを示す図であり、(a)は軸方向後方側から視た図、(b)は断面図である。 ベース部材、回転ディスク、固定ディスク、及び皿ばねを組付けた状態を示す断面図である。 (a)は変形例の回転ディスクを軸方向後方側から視た図、(b)は断面図、(c)はベース部材、回転ディスク、固定ディスク、及び皿ばねを組付けた状態を示す断面図である。 変形例における減速装置及び緩衝装置の構成を示す断面図である。 従来例のスタータにおける減速装置及び緩衝装置の構成を示す断面図である。 従来例のベース部材を示す図であり、(a)は軸方向後方側から視た図、(b)は軸方向前方側から視た図、(c)は断面図である。 従来例の回転ディスクを示す図であり、(a)は軸方向後方側から視た図、(b)は断面図である。 従来例の固定ディスクを示す図であり、(a)は軸方向後方側から視た図、(b)は断面図である。 従来例のベース部材、回転ディスク、固定ディスク、及び皿ばねを組付けた状態を示す断面図である。
符号の説明
K 緩衝装置
1 スタータ
14 インターナルギヤ
16 センターケース
16a ベース部材
16b 内側円筒部(円筒部)
16e 突起部
16f 油溜凹部
20 回転ディスク
20a 内周部
20b 爪部
20b’爪部
21 固定ディスク
21a 内周部
21b 切り欠き部

Claims (5)

  1. エンジンを始動するためのスタータに用いられる緩衝装置であって、回転不能に配置され中央に円筒部が設けられたベース部材と、前記ベース部材の前記円筒部が挿入される内周部を有する固定ディスクと、前記ベース部材と前記固定ディスクとの間に配置され且つ前記ベース部材の前記円筒部が挿入される内周部を有し、前記両部材に対し回転可能に設けられたリング形状の回転ディスクとを備え、前記回転ディスクと前記ベース部材及び前記固定ディスクとの間にそれぞれ摩擦力を発生させることで前記回転ディスクを回転規制し、前記回転ディスクに前記摩擦力を超える回転トルクが加わった時に、前記回転ディスクが回転することで動力伝達系に加わる衝撃力を吸収する緩衝装置において、
    前記ベース部材は、前記円筒部の基端外周に突起部が設けられ、
    前記固定ディスクは、前記内周部に前記ベース部材の前記突起部に係合可能な切り欠き部が設けられたことを特徴とするスタータ用緩衝装置。
  2. 前記回転ディスクは、前記内周部に前記ベース部材の前記円筒部を挿入したとき、前記円筒部基端外周に設けられた前記突起部に前記内周部が近接していることを特徴とする請求項1に記載のスタータ用緩衝装置。
  3. 前記回転ディスクに対し前記固定ディスクを挟んで減速装置のインターナルギヤが対向配置され、
    前記回転ディスクは、前記インターナルギヤの外周壁先端部に係合する複数の爪部が外周に設けられ、前記各爪部は前記インターナルギヤ側へ曲折していることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタータ用緩衝装置。
  4. 前記回転ディスクに対し前記固定ディスクを挟んで減速装置のインターナルギヤが対向配置され、
    前記回転ディスクは、前記インターナルギヤの外周壁先端部に係合する複数の爪部が外周に設けられ、前記各爪部はディスク面内にて径外方向へ突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタータ用緩衝装置。
  5. 前記ベース部材は、前記突起部とは反対側の面に前記突起部のプレス加工によって凹状に形成されたグリースを溜めるための油溜凹部を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスタータ用緩衝装置。
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