ところで、上記特許文献1及び2に示されているシャッター装置では、シャッターカーテンの閉じ移動中において、このシャッターカーテンの閉じ移動方向に障害物が存在し、スクリーンがこの障害物に当接した場合には、スクリーンが弛むことにより障害物が受ける衝撃は小さいものとなる。しかし、スクリーンの弛んだ部分が、ストップ部である前記角柱状部材の上端面と、スラット連設体の下端部との間に挟まれるおそれがあり、この場合には、スクリーンは弛んだままの状態となるので、シャッターカーテンが全閉位置又は略全閉位置に達したときにおけるスクリーンの気密性は低下してしまう。
このため、ガイドレールに形成されたスライド部の幅寸法を小さくすることなく、スクリーンの気密性を確保することができるようになるシャッター装置の工夫が求められていた。
本発明の目的は、ガイド部材に形成されたスライド部の幅寸法を小さくすることなく、開閉体の気密性を確保することができるようになる開閉装置を提供するところにある。
本発明に係る開閉装置は、開閉移動する開閉体と、この開閉体の幅方向の端部がスライド自在に挿入されるスライド部が形成され、前記開閉体の開閉移動を案内するガイド部材と、前記開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける前記開閉体の前記幅方向の前記端部と前記スライド部との隙間を塞ぐための塞ぎ部材と、を含んで構成される開閉装置において、前記塞ぎ部材は、前記開閉体の前記幅方向の前記端部に配置されていることを特徴とするものである。
前述したように、従来の開閉装置では、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける開閉体の幅方向の端部とスライド部との隙間を塞ぐための塞ぎ部材は、ガイド部材に配置されていたが、本発明では、塞ぎ部材は、開閉体の幅方向の端部に配置されている。
このため、本発明によると、ガイド部材に形成されたスライド部の幅寸法を小さくすることなく、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける開閉体の気密性を確保することができるようになる。
また、本発明によると、塞ぎ部材が配置されていない既設の開閉装置、言い換えると、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける開閉体の気密性が要求されなかった既設の開閉装置に対して塞ぎ部材を新たに配置する必要が生じた場合には、ガイド部材の改修や交換を行うことなく、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける開閉体の気密性を確保することができるようになる。
本発明において、開閉体の幅方向の端部に配置される塞ぎ部材の形式、構造等は任意であり、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける開閉体の幅方向の端部と、ガイド部材に形成されたスライド部との隙間を塞ぐことができるものであればよい。すなわち、塞ぎ部材は、開閉体の厚さ方向におけるスライド部の幅寸法と同じ又は略同じ幅寸法を有していればよい。なお、開閉体の厚さ寸法が均一又は略均一である場合には、塞ぎ部材は、開閉体の開閉移動方向の長さ寸法と同じ又は略同じ長さ寸法を有していることが好ましい。言い換えると、開閉体の厚さ寸法が均一又は略均一である場合には、塞ぎ部材は、開閉体の幅方向の端部における開閉移動方向の全長又は略全長に渡って配置されることが好ましい。
本発明において、塞ぎ部材は、開閉体の開閉移動方向に伸縮自在となっていてもよく、
伸縮不能となっていてもよい。
開閉体の閉じ移動中において、この開閉体の閉じ移動方向に障害物が存在し、開閉体の閉じ側の端部がこの障害物に当接したときには、開閉体は開き移動方向に変形(撓んだり、弛んだり)する場合があり、開閉体の閉じ側の端部のうちのガイド部材近傍の端部に障害物が当接した場合には、開閉体の幅方向の端部も開き移動方向に変形することになる。このとき、塞ぎ部材が開閉体の開閉移動方向に伸縮自在となっている場合には、開閉体の幅方向の端部が開き移動方向に変形するとともに、塞ぎ部材も収縮変形することになる。これにより、開閉体が障害物に与える衝撃、言い換えると、障害物が開閉体から受ける衝撃は、塞ぎ部材が開閉体の開閉移動方向に伸縮不能となっている場合と比較して、より小さいものとなる。
また、塞ぎ部材が開閉体の開閉移動方向に伸縮自在となっている場合において、開閉体の閉じ側の端部のうちのガイド部材近傍の端部に障害物が当接した後、この障害物が除去された場合には、収縮変形していた塞ぎ部材が伸長することにより、開閉体の幅方向の端部の変形部分も伸長する。これにより、開閉体は、塞ぎ部材が開閉体の開閉移動方向に伸縮不能となっている場合と比較して、より確実に全閉位置又は略全閉位置まで閉じ移動するようになる。したがって、塞ぎ部材が開閉体の開閉移動方向に伸縮不能となっている場合と比較して、開閉体の気密性がより確実に確保されるようになる。
したがって、以上説明したように、塞ぎ部材は、開閉体の開閉移動方向に伸縮自在となっていることがより好ましい。
本発明において、塞ぎ部材が開閉体の開閉移動方向に伸縮自在となっている場合におけるこの塞ぎ部材の形式、構造は任意であり、その一例として、開閉体の開閉移動方向の長さ寸法と同じ又は略同じ長さ寸法を有している弾性部材と、開閉体の幅方向の端部に配置され、前記弾性部材が収納される収納部と、を含んで構成され、前記弾性部材が収納されたときにおける前記収納部の幅寸法は、前記開閉体の厚さ方向における前記スライド部の幅寸法と同じ又は略同じであるものを挙げることができる。
これによると、開閉体の閉じ移動中において、この開閉体の閉じ移動方向に障害物が存在し、開閉体の閉じ側の端部がこの障害物に当接し、開閉体の幅方向の端部が開き移動方向に変形した場合には、開閉体の幅方向の端部が開き移動方向に変形することにより、収納部が収縮変形するとともに、この収納部に収納されている弾性部材も収縮変形し、この弾性部材には弾性力が発生する。この後、障害物が除去された場合には、弾性部材が弾性力で伸長することにより収納部も伸長するので、開閉体の幅方向の端部の変形部分も伸長する。これにより、開閉体は、全閉位置又は略全閉位置まで閉じ移動するようになる。
ここで、収納部に収納される弾性部材の形式、構造は任意であり、例えば、軸方向が開閉体の開閉移動方向となっているコイルばねでもよく、ゴムや、ポリウレタン等のプラスチック製のスポンジ等の多孔質体等でもよい。
なお、収納部に収納される部材は、弾性を有さない複数の部材で構成され、全体として開閉体の開閉移動方向に伸縮自在となっているものでもよい。すなわち、収納部に収納される部材は、例えば、入れ子式の筒状部材でもよく、筒状のエアダンパーでもよい。
一方、本発明において、塞ぎ部材が開閉体の開閉移動方向に伸縮不能となっている場合におけるこの塞ぎ部材の形式、構造も任意であり、例えば、金属製、合成樹脂製、木製やセラミック製等の剛性部材であればよい。また、この剛性部材の形状も任意であり、例えば、円柱状でもよく、角柱状等でもよい。さらに、剛性部材は、中実となっていてもよく、中空となっていてもよい。なお、塞ぎ部材は、開閉体の幅方向の端部に直接取り付けられた剛性部材のみで構成されるものでもよく、剛性部材と、開閉体の幅方向の端部に配置され、前記剛性部材が収納される収納部と、を含んで構成されるものでもよい。
以上の本発明において、開閉体は、均一又は略均一な厚さ寸法を有する1個の開閉部材を含んで構成されるものでもよく、第1開閉部材と、この第1開閉部材よりも前記開閉体の閉じ側に配置され、前記第1開閉部材の厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法を有する第2開閉部材と、を含んで構成されるもの等でもよい。
前者の場合では、塞ぎ部材は、開閉部材の幅方向の端部に配置され、かつ、開閉部材の開閉移動方向の長さ寸法と同じ又は略同じ長さ寸法を有していることが好ましい。
後者の場合では、塞ぎ部材は、第2開閉部材の幅方向の端部に配置され、かつ、第2開閉部材の開閉移動方向の長さ寸法と同じ又は略同じ長さ寸法を有していることが好ましい。なお、第1開閉部材の幅方向の端部にも塞ぎ部材を配置するようにしてもよい。この場合、第1開閉部材の幅方向の端部に配置する塞ぎ部材は、第1開閉部材の開閉移動方向の長さ寸法と同じ又は略同じ長さ寸法を有していることが好ましい。
また、後者の場合、すなわち、開閉体が、第1開閉部材と、この第1開閉部材よりも前記開閉体の閉じ側に配置され、前記第1開閉部材の厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法を有する第2開閉部材と、を含んで構成されるものである場合には、ガイド部材には、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける第1開閉部材の閉じ移動を阻止するためのストップ部が設けられていることが好ましい。
後者の場合では、第1開閉部材は、第2開閉部材の厚さ寸法よりも同じかこれよりも大きい厚さ寸法を有しているため、開閉体の閉じ移動中において、第2開閉部材の閉じ側の端部に障害物が当接した場合には、この障害物に対して第1開閉部材の荷重がさらにかかるおそれがある。しかし、ガイド部材に、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける第1開閉部材の閉じ移動を阻止するためのストップ部が設けられていることにより、障害物に対して第1開閉部材の荷重がかかることを阻止することができる。これにより、ガイド部材にストップ部が設けられていない場合と比較して、障害物に与える衝撃をより少なくすることができる。
なお、ストップ部には、開閉体の閉じ移動方向であってこの開閉体の幅方向内側に斜めに傾斜した傾斜部が形成されていることが好ましい。これによると、閉じ移動中の開閉体の第2開閉部材が、ストップ部で引っ掛かることなく、このストップ部をスムーズに通過することができるようになる。
以上の本発明において、開閉体の開閉移動方向は任意であり、例えば、上下方向であって下方向が閉じ移動方向でもよく、上下方向であって上方向が閉じ移動方向でもよく、左右方向であって左方向が閉じ移動方向でもよく、左右方向であって右方向が閉じ移動方向でもよい。なお、上下方向には、上下方向の成分を有する方向を含み、左右方向には、左右方向の成分を有する方向を含む。
また、以上の本発明において、開閉体が、第1開閉部材と、この第1開閉部材よりも前記開閉体の閉じ側に配置され、前記第1開閉部材の厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法を有する第2開閉部材と、を含んで構成されるものである場合には、第1開閉部材の形状、構造は任意であり、例えば、複数個のスラットを開閉体の開閉移動方向に連設して形成されたスラット連設体となっているものでもよく、複数個のパネルを開閉体の開閉移動方向に連設して形成されたパネル連設体となっているものでもよく、複数個のパイプを開閉体の開閉移動方向にリンクで連結して形成されたパイプ連設体となっているものでもよく、これらの複合で形成されたもの等でもよい。なお、第1開閉部材は、金属製の部材で形成されるものでもよく、合成樹脂製の部材で形成されるものでもよく、木製の部材で形成されるものもよく、セラミック製の部材で形成されるものでもよく、これらの部材を複合したもので形成されるもの等でもよい。
一方、第2開閉部材は、開閉体の閉じ移動中にこの開閉体の閉じ移動方向に障害物が存在し、この障害物が開閉体の閉じ側の先端に当接することになっても、開閉体が障害物に与える衝撃を小さくすることができる部材で形成されるものであることが好ましい。すなわち、第2開閉部材は、例えば、布製や合成樹脂製(例えば、耐火性を有するシリカクロス製)等の薄厚部材で形成されるものでもよく、ゴムやスポンジ等の多孔質体による弾性部材で形成されるものでもよく、これらの部材を複合したもので形成されるもの等でもよい。そして、上記の部材で形成された第2開閉部材の形状、構造は任意であり、例えば、シート状となったスクリーンでもよく、網目状となったネットでもよく、これらを複合したもの等でもよい。
なお、第2開閉部材は、開閉体の幅方向に複数個配置してもよい。これによると、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているとき、互いに隣接する第2開閉部材のうちの一方の第2開閉部材を人間が捲り上げることにより、人間や物等が、開閉体で仕切られた他方の空間へ移動することができるようになる。また、このように第2開閉部材を開閉体の幅方向に複数個配置する場合には、互いに隣接する第2開閉部材の端部同士は開閉体の厚さ方向に重複させて配置することが好ましい。これによると、第2開閉部材の気密性(遮煙性、遮炎性等も含む)が向上する。
以上の本発明が適用される開閉装置は任意であり、例えば、開閉体がシャッターカーテンになっているシャッター装置でもよく、開閉体が防煙垂れ幕となっている防煙垂れ幕装置でよく、開閉体が防煙垂れ壁となっている防煙垂れ壁装置等でもよい。
また、本発明がシャッター装置に適用される場合には、そのシャッター装置は任意な用途のシャッター装置でよく、そのシャッター装置は、シャッターカーテンが、全閉位置又は略全閉位置に達することによって防災区画を形成するための防災用シャッターカーテンとなっている防災用シャッター装置(エレベータのためのものを含む)でもよく、シャッターカーテンで出入口や窓等の開口部を開閉する開口部用シャッター装置(オーバーヘッドドア式のものを含む)でもよく、さらに、車庫用シャッター装置でもよく、物置用シャッター装置でもよく、トラック等の車両の荷台に搭載される車搭用シャッター装置等でもよい。
さらに、本発明がシャッター装置に適用される場合において、そのシャッター装置が、シャッターカーテンを収納部から繰り出し、この収納部に収納するための収納機構を駆動させるための駆動装置(例えば、シャッターカーテンを巻き取り、繰り出す巻取軸を回転させるための開閉機等)を備えている場合には、収納機構の駆動を駆動装置だけではなく手操作でも行える自動式と手動式の両方の機能を備えたシャッター装置にも適用でき、さらに、本発明は、上記駆動装置がシャッターカーテンを巻取軸に巻き取るときに巻取軸を回転させるために利用され、シャッターカーテンを繰り出すときの巻取軸の回転は、シャッターカーテンの自重やウエイト部材の自重等を利用して行われるシャッター装置等にも適用できる。
以上の本発明において、シャッターカーテンが巻取軸から繰り出され、巻き取られるものである場合において、その巻取軸の構造、形式は任意である。すなわち、巻取軸は、1本の軸により又は複数の軸を直列的に連結することにより形成されたものでもよく、中心に配置された固定軸の外周に、シャッターカーテンを巻き取り、繰り出すための回転部材が回転自在に配置されたもの等でもよい。
なお、以上の本発明において、開閉体が閉じ移動しているとき、この開閉体の閉じ移動方向に障害物が存在した場合に、この障害物の感知をするための障害物感知手段を備えるようにしてもよい。
この障害物感知手段の原理、方式は任意であり、例えば、開閉体の閉じ側の端部に幅方向全長又は略全長に渡って設けられたテープスイッチ等の障害物感知スイッチと、この障害物感知スイッチからの信号に基づき所定の制御処理を行う制御装置と、を含んで構成されるものでもよい。
本発明によると、開閉体の幅方向の端部がスライド自在に挿入されるガイド部材のスライド部の幅寸法を小さくすることなく、開閉体の気密性を確保することができるようになるという効果が得られる。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る開閉装置となっているシャッター装置の全体を示す正面図である。まず、このシャッター装置の全体構造について説明する。
開閉体がシャッターカーテンとなっているこのシャッター装置は、天井部材1によって室内空間2と区画されている天井裏空間3に水平に配置されている巻取軸10から繰り出され、このシャッターカーテン11により、室内空間2に防火、防煙のための防災区画を形成するための防災用シャッター装置となっている。このため、本実施形態では、シャッターカーテンは、防災用シャッターカーテンとなっている。この図1では、巻取軸10から繰り出されたシャッターカーテン11の閉じ側の先端部が室内空間2の床面2Aに着床した状態、すなわち、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達した状態が示されている。
巻取軸10は、天井裏空間3に存在する建物躯体6に取り付けられた左右一対のブラケット7で回転自在に支持され、この巻取軸10にシャッターカーテン11の上端部、すなわち巻取軸10側の端部が結合されている。シャッターカーテン11における左右方向の端部、言い換えると、シャッターカーテン11における開閉移動方向(上下方向)と直交し且つ厚さ方向(前後方向)とも直交する方向である幅方向の端部は、柱や壁等の建物躯体5に設けられた左右のガイドレール30に形成された後述するスライド部31にスライド自在に挿入されている。
左右一対のブラケット7のうちの一方のブラケット7(図1では右側)には、モータとブレーキ等を有する開閉機8が取り付けられ、この開閉機8は、チェーン、スプロケット等で構成される動力伝動手段9を介して、巻取軸10に連結されている。火災発生等によって図示しない手動レバーが操作されることにより、又は図示しないセンサが煙あるいは熱等を検出してこの検出信号が開閉機8の図示しない制御装置に送られることにより、開閉機8のブレーキが解除される。これにより、シャッターカーテン11は、自重で巻取軸10を正回転させながら巻取軸10から繰り出されて下降する閉じ移動をガイドレール30で案内されながら行い、シャッターカーテン11の閉じ側の先端部が床面2Aに着床してシャッターカーテン11が全閉鎖状態又は略全閉状態となることにより、シャッターカーテン11で室内空間2に防災区画が形成される。
また、図示しないスイッチを操作すると、開閉機8のモータが駆動され、これにより、巻取軸10の逆回転でシャッターカーテン11が巻取軸10に巻き取られ、シャッターカーテン11は上昇する開き移動をガイドレール30で案内されながら行う。以上のように、本実施形態では、シャッターカーテン11の開閉移動方向は上下方向であって下方向が閉じ移動方向となっている。
シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したかどうかの判定、及びシャッターカーテン11が全開位置又は略全開位置に達したかどうかの判定は、開閉機8に設けられた図示しないリミットスイッチからの信号により行われる。
なお、火災によって発生した煙がシャッターカーテン11で仕切られた反対側の空間へ流出するのを防ぐために、天井部材1に配設されたまぐさ部材4には、図示しない塞ぎ部材が組み込まれている。
図1に示されているように、シャッターカーテン11は、多数のスラット12を上下方向に連設することにより形成されたスラット連設体13と、このスラット連設体13の下端部である最下部のスラット14に連結されて垂下された可撓性のシートで形成されたスクリーン20と、を含んで構成されている。
各スラット12は、所定の厚さの金属製の板材で形成されており、このため、スラット連設体13は硬質部となっている。なお、スラット連設体13の上端部である図示されない最上部のスラットは、図示しない吊り元部材を介して巻取軸10に連結されている。
スクリーン20の全部又は大部分は、耐火塗料等を塗布及び/又は含侵させたガラスクロス又はシリカクロスによる防火性と防煙性を有する薄厚部材である可撓性シートで形成されており、スラット連設体13の厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法を有している。このため、スクリーン20は、硬質部であるスラット連設体13よりもシャッターカーテン11の閉じ側に配置された軟質部となっている。なお、図1に示すように、スクリーン20は、シャッターカーテン11の幅方向である左右方向に長い1枚の長方形のシートで形成されている。
以上のように、本実施形態では、開閉体であるシャッターカーテン11は、スラット連設体13と、このスラット連設体13よりもシャッターカーテン11の閉じ側に配置されたスクリーン20と、を含んで構成されており、スラット連設体13が第1開閉部材となっており、このスラット連設体13の厚さ寸法よりも小さい寸法を有するスクリーン20が第2開閉部材となっている。なお、このスクリーン20の幅方向の両端部20Cには、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したときにおけるスクリーン20の幅方向の端部20Cと、ガイドレール30のスライド部31との間の隙間を塞ぐための具体的な構造を後述する塞ぎ部材29が配置されている。
図2は、ガイドレール30を除外して示したシャッターカーテン11のスクリーン20の一部拡大図であり、図3は図1のS3−S3線断面図(袋部21に止着されている板状部材23の表示は省略)である。なお、図3において、建物躯体5の表示は省略する。
図2に示されているように、スクリーン20の上端部20Aは、複数のボルト・ナットやビス等の止着具25でシャッターカーテン11の幅方向に長い板状部材24に止着されており、スラット連設部13の下端部である最下部のスラット14も、前記止着具25で前記板状部材24に止着されている。このため、スクリーン20の上端部20Aは、板状部材24を介して最下部のスラット14に連結されている(図3も参照)。
図3に示されているように、最下部のスラット14の上端部は、カール部14Aとなっており、下端部は、このカール部14Aとは反対の方向に巻かれたカール部14Bとなっている。なお、最下部のスラット14よりも上に配置されている各スラット12も、このスラット14と同様の構造を有している。
スラット14のカール部14Aは、このスラット14の真上に配置されているスラットである下から2番目のスラット12の下端部であるカール部12Aに挿入係合している。一方、スラット14の下部のカール部14Bは、このスラット14と同じ又略同じ左右方向の長さを有する板材の折り曲げで形成されたカバー部材15に収納されている。
このカバー部材15は、シャッターカーテン11の厚さ方向(前後方向)である水平方向に延びる上面部15Aと、この上面部15Aから垂下した垂下部15Bと、この垂下部15Bの下端から、上面部15Aと同じ水平方向に延びる下面部15Cと、上面部15Aの先端部から立ち上がった立上部15Dとからなっており、スラット14のカール部14Bは、上面部15Aと垂下部15Bと下面部15Cとで囲まれた空間に収納されている。このため、カバー部材15の下面部15Cは、第1開閉部材であるスラット連設体13の閉じ側の端部である下端部を形成している。一方、カバー部材15の立上部15Dは、ボルト・ナットやビス等の前記止着具25で板状部材24やスクリーン20の上端部20Aと共にスラット14に止着されている。
図1及び図2に示すスクリーン20の下端部20Bのうち、スクリーン20の幅方向の端部20Cを除く部分は、図3に示すように、シャッターカーテン11の開き移動方向である上方向に折り返されており、この折り返された下端部20Bは、図2及び図3に示すように、スクリーン20に縫着又は接着されている。このため、スクリーン20の閉じ側の端部である下端部20Bは、図1及び図2に示すように、左右方向に長い袋部21となっている。
一方、スクリーン20の幅方向の端部20Cは、図2に示すように、シャッターカーテン11の幅方向内側に折り返されており、この折り返された幅方向の端部20Cは、スクリーン20に縫着又は接着されている。このため、スクリーン20の幅方向の端部20Cは、図2及び図3に示すように、上下方向に長い袋部26となっている。
図4には、前記袋部21及び前記袋部26が形成される前の状態のスクリーン20の全体図が示されている。この図4に示されているように、スクリーン20の上端部20Aと下端部20Bは、左右方向である幅方向の寸法が狭い幅狭部となっている。言い換えると、スクリーン20のうち、上端部20Aと下端部20Bを除いた部分は、幅方向の寸法が広い幅広部20Dとなっている。
スクリーン20の下端部20Bを2点鎖線Xを中心に上向きに折り返し、この折り返された下端部20Bをスクリーン20に縫着又は接着することにより、前記袋部21が形成される。なお、この袋部21の左右の端部は、後述する板状部材23の止着により塞がれるようになっている。
一方、スクリーン20の幅広部20Dの左右方向である幅方向の両端部20Cのそれぞれを2点鎖線Yを中心に幅方向内側に折り返し、この折り返された端部20Cをスクリーン20に縫着又は接着することにより、前記袋部26が形成される。なお、この袋部26の上下の端部は、後述するキャップ部材28の装着により塞がれるようになっている。
図1に示されているように、袋部21の内部には、シャッターカーテン11のウェイト部材となっている複数個(図1では3個)の左右方向に長い平板状のフラットバー22が、シャッターカーテン11の幅方向に離間して配置されている。なお、このフラットバー22は、例えば、金属製でもよく、セラミック製でもよく、耐火性が要求されない場合には、木製でもよく、合成樹脂製等でもよく、要するに重量を有するものであればよい。なお、本実施形態では、フラットバー22を砂袋に置き換えてもよい。図1及び図2に示されているように、袋部21のうち、互いに隣接するフラットバー22同士の間の部分には、上下方向に長い板状部材23がボルト・ナットやビス等の止着具で止着されている。また、図1に示されているように、袋部21のうち、最も左側に配置されているフラットバー22の左端部の近傍部分及び最も右側に配置されているフラットバー22の右端部の近傍部分(言い換えると、袋部21の幅方向の両端部の近傍部分)にも、前記板状部材23がボルト・ナットやビス等の止着具で止着されている。このため、袋部21の内部に配置されている各フラットバー22は、これらの板状部材23によってシャッターカーテン11の幅方向である左右方向に移動することが阻止されるようになっている。
図5は、図2及び図3で示されているスクリーン20の左右の袋部26のうちの一方の袋部26(図2では左側の袋部26)の下部の拡大斜視図である。また、図6は、図1のS6−S6線断面図であり、図7は、図6の一部拡大図(スクリーン20及び左右のガイドレール30のうちの一方のガイドレール30(図1及び図6では左側)の拡大図)である。なお、図6及び図7において、建物躯体5の表示は省略する。
図5に示すように、一部が破断して示されている袋部26には、弾性部材であるコイルばね27が収納されている。軸方向がシャッターカーテン11の開閉移動方向となっているこのコイルばね27は、袋部26の上下方向の長さ寸法と同じ又は略同じ長さ寸法を有している。そして、このコイルばね27は、袋部26の内部でシャッターカーテン11の開閉移動方向に伸縮自在となっている。これにより、袋部26は、シャッターカーテン11の開閉移動方向に伸縮自在となっている。また、図6及び図7に示されているように、コイルばね27が収納されたときにおける袋部26の幅寸法(シャッターカーテン11の厚さ方向の寸法)は、ガイドレール30のスライド部31の幅寸法(シャッターカーテン11の厚さ方向の寸法)と略同じとなっている。
このコイルばね27は、スクリーン20の幅方向の端部20Cを折り返すことにより形成された袋部26の開口した上端又は下端から挿入することでこの袋部26の内部に収納される。この後、コイルばね27が挿入配置された袋部26の開口した下端は、図5に示すように、キャップ部材28が袋部26の下部に装着されることにより塞がれる。一方、袋部26の開口した上端も、図3に示されているように、上下の向きを逆にしたキャップ部材28で塞がれる。
図8には、図5に示されている袋部26からキャップ部材28が取り外されたときの状態の図が示されている。スクリーン20と同様に、薄厚部材である可撓性のシートで形成されているキャップ部材28は、この図8に示されているように、上面と、スクリーン20の幅方向内側の側面が開口した部材となっている。そして、袋部26の下部にこのキャップ部材28の開口した部分を矢印A方向である下方から挿入することにより、袋部26の下部にキャップ部材28が装着される。一方、袋部26の上部に上下の向きを逆にしたキャップ部材28の開口した部分を上方から挿入することにより、袋部26の上部にキャップ部材28が装着される。
キャップ部材28は、図示されないボルト・ナットやビス等の止着具で袋部に止着されているが、袋部26の表面とキャップ部材28の内側面のうちのいずれか一方の面にフック状の雄型係合子を設け、他方の面にパイル状の雌型係合子を設け、これらの係合子同士の係合でキャップ部材28が袋部26に止着されるものでもよい。すなわち、いわゆるベルクロ式ファスナーによる係合でキャップ部材28が袋部26に止着されるものでもよい。これにより、キャップ部材28は、袋部26に対して取り付け、取り外しが容易となる。
図3、図6及び図7に示すように、本実施形態では、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したときには、スクリーン20の幅方向の端部20Cと、ガイドレール30のスライド部31との隙間が、コイルばね27が収納された袋部26で塞がれるようになっている。
このため、本実施形態では、スクリーン20の幅方向の端部20Cには、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したときにおける第2開閉部材であるスクリーン20の幅方向の端部20Cと、ガイドレール30のスライド部31との隙間を塞ぐための塞ぎ部材29が配置されており、この塞ぎ部材29は、スクリーン20の幅方向の端部20Cを折り返して縫着することにより形成され、開口した上下の端部がキャップ部材28で塞がれた収納部である袋部26と、この袋部26の内部に収納された弾性部材であるコイルばね27と、を含んで構成されている。
言い換えると、本実施形態では、スクリーン20の幅方向の端部20Cを折り返して縫着することにより形成され、開口した上下の端部がキャップ部材28で塞がれた収納部である袋部26と、この袋部26の内部に収納された弾性部材であるコイルばね27が、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したときにおける第2開閉部材であるスクリーン20の幅方向の端部20Cと、ガイドレール30のスライド部31との隙間を塞ぐための塞ぎ部材29の構成部材となっている。
また、本実施形態では、塞ぎ部材29は、シャッターカーテン11の開閉移動方向に伸縮自在となっている。
図7及び図8に示されているように、本実施形態では、金属製の板材の折り曲げで形成された左右のガイドレール30のスライド部31の奥側(言い換えると、スライド部31の内側におけるシャッターカーテン11の幅方向外側)には、上下方向への長さを有する金属製の角柱状部材35が立設されている。
図9は、図3において、塞ぎ部材29を除外して示した図(建物躯体5の表示は省略)である。この図9に示されているように、角柱状部材35の上下方向の長さ寸法は、床面2Aから、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したときにおける前記カバー部材15の下面部15Cまでの長さ寸法と同じ又は略同じとなっている。言い換えると、角柱状部材35の上下方向の長さ寸法は、スクリーン20の上下方向の長さ寸法と同じ又は略同じとなっている。そして、図9に示すように、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達しているときには、スラット連設体13の閉じ側の端部となっているカバー部材15の下面部15Cが、角柱状部材35におけるシャッターカーテン11の開き側の端面部である上面部35Aに載置するようになっている。
このため、本実施形態では、角柱状部材35の上面部35Aは、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける第1開閉部材であるスラット連設体13の閉じ移動を阻止するためのストップ部となっている。言い換えると、角柱状部材35の上面部35Aは、ガイドレール30のスライド部31の内側であってシャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける第1開閉部材であるスラット連設体13の閉じ側の端部の開閉移動方向(上下方向)の位置と同じ位置又略同じ位置に設けられているとともに、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおけるスラット連設体13の閉じ側の端部が当接する受け部となっている。
図10は、図1のS10−S10線断面図(建物躯体5の表示は省略)である。なお、この図10では、シャッターカーテン11は2点鎖線で示されている。図9及び図10に示すように、ストップ部である角柱状部材35の上面部35Aのうち、シャッターカーテン11の幅方向内側の部分には、このシャッターカーテン11の閉じ移動方向である下方向に斜めに傾斜した傾斜部35Bが形成されている。なお、この傾斜部35Bは、角柱状部材35の上面部35Aのうち、シャッターカーテン11の幅方向内側の部分を斜め下向きに切り欠くことにより形成されるものである。
なお、図6及び図10からわかるように、カバー部材15の左右方向の寸法である幅寸法は、スクリーン20の幅寸法よりも大きくなっており、また、複数のスラット12で構成されるスラット連設体13の幅寸法も、スクリーン20の幅寸法よりも大きくなっている。
図11は、閉じ移動中のシャッターカーテン11の閉じ移動方向に障害物100が存在し、このシャッターカーテン11のスクリーン20の袋部21の閉じ側の先端部に障害物100が当接したときの状態を示す図である。
図3に示されているように、スクリーン20の袋部21の内部の底部に配置されている各フラットバー22の上方には、各フラットバー22がシャッターカーテン11の開き移動方向である上方向に移動可能な空間が形成されており、これにより、各フラットバー22は、袋部21の内部でシャッターカーテン11の開閉移動方向である上下方向に移動可能となっている。
このため、図11に示されているように、スクリーン20の袋部21の閉じ側の先端部に障害物100が当接すると、袋部21の内部の底部にあったフラットバー22は、袋部21の内部を上方向に移動することになる。これにより、障害物100がフラットバー22から受ける衝撃は、袋部21の内部に各フラットバー22が上方向に移動可能な空間が形成されていない場合と比較して小さいものとなる。なお、障害物100が取り除かれると、フラットバー22は、自重でもとの位置である袋部21の内部の底部に戻る。
また、本実施形態では、ウェイト部材であるフラットバーは、図1に示されているように、複数個(本実施形態では3個)に分割されているため、フラットバーが複数個に分割されていない場合と比較して、障害物100に与える衝撃をより小さくすることができる。
図12は、図11と同様に、閉じ移動中のシャッターカーテン11の閉じ移動方向に障害物110が存在し、このシャッターカーテン11のスクリーン20の袋部21の閉じ側の先端部に障害物110が当接したときの状態を示す図である。図11は、障害物100が床面2Aにおけるガイドレール30から離間した位置に存在した場合の図であったが、図12は、障害物110が床面2Aにおけるガイドレール30の近傍の位置に存在した場合の図である。
この図12に示されているように、障害物110が床面2Aにおけるガイドレール30の近傍の位置に存在した場合には、スクリーン20の幅方向の端部20Cである袋部26の下部は、ガイドレール30のスライド部31の内側で上下方向に皺を発生させながら弛み変形するとともに、袋部26の内部のコイルばね27は上下方向に圧縮変形し、これにより、このコイルばね27にはばね力が蓄圧されていく。
この後、図12に示されている障害物110が取り除かれると、袋部26の内部で圧縮変形していたコイルばね27は、蓄圧されていたばね力で上下方向に伸長しようとするので、袋部26の下部の皺も上下方向に引き伸ばされていく。これにより、袋部26の下部の弛み変形は解消される。この結果、シャッターカーテン11のスクリーン20は全閉位置又は略全閉位置に達するようになる。
したがって、本実施形態によると、閉じ移動中のシャッターカーテン11のスクリーン20が障害物110に当接しても、この障害物110が除去されることにより、スクリーン20はより確実に全閉位置又は略全閉位置に達するまで閉じ移動するようになる。これにより、塞ぎ部材29がシャッターカーテン11の開閉移動方向に伸縮不能となっている場合と比較して、スクリーン20の気密性がより確実に確保されるようになる。
また、本実施形態によると、スクリーン20が障害物110に与える衝撃、言い換えると、障害物110がスクリーン20から受ける衝撃は、塞ぎ部材29がシャッターカーテン11の開閉移動方向に伸縮不能となっている場合と比較して、より小さいものとなる。
以上説明したように、本実施形態では、シャッターカーテン11を構成する第1開閉部材であるスラット連設体13の厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法を有する第2開閉部材であるスクリーン20の幅方向の端部20Cは上下方向への長さ寸法を有する袋部26となっており、この袋部26には、上下方向に長いコイルばね27が収納されている。そして、このコイルばね27が収納されたときにおける袋部26の幅寸法は、ガイドレール30のスライド部31の幅寸法と略同じとなっている。
したがって、本実施形態では、スクリーン20の袋部26と、この袋部26の内部に収納されたコイルばね27が、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおけるスクリーン20の幅方向の端部20Cと、ガイドレール30のスライド部31との隙間を塞ぐための塞ぎ部材29の構成部材となっている。
このため、本実施形態によると、従来のように、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおけるスクリーン20の気密性(遮煙性や遮炎性等を含む)を確保するために、ガイドレール30のスライド部31の幅寸法を小さくするための部材をスライド部31に配置する必要がなくなる。また、これにより、シャッターカーテンの気密性が要求されなかった既設のシャッター装置に対しても、ガイドレールを改修することなく、シャッターカーテンの幅方向の端部に塞ぎ部材を配置するだけで、シャッターカーテンの気密性を確保できるようになる。
また、本実施形態では、袋部26の内部には、シャッターカーテン11の開閉移動方向に伸縮自在な弾性部材であるコイルばね27が収納されており、これにより、袋部26は、シャッターカーテン11の開閉移動方向に伸縮自在となっている。すなわち、本実施形態では、袋部26とコイルばね27とを含んで構成される塞ぎ部材29は、シャッターカーテン11の開閉移動方向に伸縮自在となっている。
このため、本実施形態によると、前述したように、閉じ移動中のスクリーン20に障害物が当接することにより袋部26が開閉移動方向である上下方向に弛み変形しても、この袋部26が弛み変形することによりコイルばね27は上下方向に収縮変形し、これによりコイルばね27にはばね力が蓄圧される。このため、この後、障害物が取り除かれると、袋部26の内部で圧縮変形していたコイルばね27は蓄圧されていたばね力で上下方向に伸長しようとするので、袋部26の下部の皺も上下方向に引き伸ばされていく。これにより、袋部26の下部の弛み変形は解消され、スクリーン20は全閉位置又は略全閉位置に達するようになる。したがって、塞ぎ部材29がシャッターカーテン11の開閉移動方向に伸縮不能となっている場合、すなわち、袋部26に収納される部材(芯材)がコイルばね27のような弾性部材となっていない場合(剛性部材である場合)と比較して、スクリーン20の気密性がより確実に確保されるようになる。
また、本実施形態では、ストップ部である角柱状部材35の上面部35Aのうち、シャッターカーテン11の幅方向内側の部分には、このシャッターカーテン11の閉じ移動方向である下方向に斜めに傾斜した傾斜部35Bが形成されている。
このため、本実施形態によると、シャッターカーテン11の閉じ移動中において、風圧等の衝撃によりスクリーン20が左右方向に移動することがあっても、このスクリーン20の幅方向の端部20Cである袋部26は、ストップ部である角柱状部材35の上面部35Aで引っ掛かることなく、この上面部35Aをスムーズに通過することができる。
図13は、シャッターカーテン11の別実施形態を示す図(建物躯体5の表示は省略)であり、図6と同様の図である。図1〜図12の実施形態では、開閉体であるシャッターカーテン11は、スラット連設体13とスクリーン20と、を含んで構成されていたが、本実施形態では、シャッターカーテン11は、1枚のスクリーン20で構成されるものである。
前述した図1〜図12の実施形態では、図6及び図7に示されているように、スクリーン20の厚さ方向の位置は、スラット12のカール部12Aとカバー部材15の存在により、ガイドレール30のスライド部31の幅方向の中央位置よりも片寄った位置となっていたが、本実施形態では、図13に示されているように、スクリーン20の厚さ方向の位置は、ガイドレール30のスライド部31の幅方向の中央位置又は略中央位置となっている。そして、本実施形態においても、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおけるスクリーン20の幅方向の端部20Cと、ガイドレール30のスライド部31との隙間は、コイルばね27と、このコイルばね27が収納された袋部26と、を含んで構成される塞ぎ部材29により塞がれるようになっている。
以上説明した実施形態では、スクリーン20の幅方向の端部20Cを折り返すことにより形成された袋部26の開口した上端と下端は、それぞれキャップ部材28が装着されることにより塞がれるようになっていたが、スクリーン20の上端と下端のそれぞれを縫着又接着することで、このスクリーン20の開口した上端と下端を塞ぐようにしてもよい。
また、以上説明した実施形態では、コイルばね27が収納される袋部26は、スクリーン20の幅方向の端部20Cを折り返して縫着することにより形成されるものであったが、スクリーン20とは別体となっている袋部をこのスクリーン20の幅方向の端部20Cに取付配置するようにしてもよい。
また、以上説明した実施形態では、袋部26に収納される弾性部材は、コイルばね27であったが、耐火性が要求されない場合には、スクリーン20の開閉移動方向の長さ寸法と略同じ長さ寸法を有するゴムやポリウレタン等のプラスチック製のスポンジ等の多孔質体等で形成された円柱状部材や角柱状部材等でもよい。
なお、以上説明した実施形態では、図6及び図7に示されているように、コイルばね27が収納されたときにおける袋部26の幅寸法は、ガイドレール30のスライド部31の幅寸法と略同じとなっているが、このとき、コイルばね27は、その弾性によりややガイドレール30のスライド部31の幅寸法に縮んだ(つぶれた)状態であってもよい。言い換えると、コイルばね27は、ガイドレール30のスライド部31の幅寸法にやや縮んだ状態で袋部26に収納されるものでもよい。
また、以上説明した実施形態において、コイルばね27が収納されたときにおける袋部26の幅寸法がガイドレール30のスライド部31の幅寸法と略同じとなるのは、常時でもよく、少なくともガイドレール30のスライド部31に挿入されたときでもよい。
また、以上説明した実施形態において、袋部26を形成するスクリーン20の幅方向の端部20Cの幅寸法(図4参照)は、コイルばね27の外周寸法より十分大きい寸法であってもよい。言い換えると、袋部26の内径寸法は、コイルばね27の外径寸法より十分大きい寸法であってもよい。これによると、コイルばね27が収納された袋部26がガイドレール30のスライド部31に挿入されたとき、袋部26がコイルばね27の周囲でだぶつくことにより、スクリーン20の気密性がより向上する。
なお、以上説明した実施形態では、ガイドレール30のスライド部31を狭めるための部材は設けられていないが、ガイドレール30のスライド部31を狭めるための部材を設けた場合においても、以上説明した実施形態に係る塞ぎ部材を備えることにより、スクリーン20の気密性をより向上させることができるようになる。