JP2009050841A - 塗装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多孔性無機質材料に対する塗装において、優れた仕上り性、吸水防止性等を付与することができる簡便な方法を提供する。
【解決手段】多孔性無機質材料の表面に対し、表面処理液を塗付する塗装方法において、当該表面処理液として、アルコキシシラン化合物を0.1〜50重量%、溶剤を50〜99.9重量%含有し、前記アルコキシシラン化合物は、アルキル基の炭素数が3〜12であり、縮合度が2以下であるアルキルアルコキシシラン化合物を90重量%以上含むものであり、前記溶剤は、脂肪族炭化水素を90重量%以上含むものである表面処理液を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリート、セメントモルタル等の多孔性無機質材料に対する塗装方法に関するものである。
従来、建築物や土木構造物等の基材として用いられているコンクリート、セメントモルタル等の多孔性無機質材料に、吸水防止性を付与し、耐久性を向上させる方法として、浸透性吸水防止材を塗装する方法が広く用いられている。
浸透性吸水防止材は、多孔性無機質材料の中に浸透して撥水層を形成するものである。よって、このような浸透性吸水防止材を塗付することで、外部から基材への水や炭酸ガス等の浸入を遮断し、基材の中性化による強度低下を防止し、さらに基材内部に存在する鉄骨あるいは鉄筋の腐食を抑制する効果等を発揮することができる。また、基材内部のカルシウム成分の移行による基材表層でのエフロレッセンス発生を防止することもできる。
このような浸透性吸水防止材としては、シラン系化合物を主成分とするもの(例えば特開昭63−256581号)等が知られている。しかしながら、塗装対象となる多孔性無機質基材の表面状態は必ずしも一様ではなく、多孔性の程度が部分的に異なる場合がある。そのような基材に対して、従来の浸透性吸水防止材を適用しても、均質的な仕上りは得られ難く、また撥水性、吸水防止性等において十分な物性が得られ難い場合があり、実用上改善の余地がある。
特開昭63−256581号公報
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、多孔性無機質材料に対する塗装において、優れた仕上り性、吸水防止性等を付与することができる簡便な方法を提供することを目的とするものである。
このような課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討の結果、特定の表面処理液を塗付する方法に想到し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の塗装方法は、以下の特徴を有するものである。
1.多孔性無機質材料の表面に対し、表面処理液を塗付する塗装方法であって、
当該表面処理液として、
アルコキシシラン化合物を0.1〜50重量%、溶剤を50〜99.9重量%含有し、前記アルコキシシラン化合物は、アルキル基の炭素数が3〜12であり、縮合度が2以下であるアルキルアルコキシシラン化合物を90重量%以上含むものであり、前記溶剤は、脂肪族炭化水素を90重量%以上含むものである表面処理液
を用いることを特徴とする塗装方法。
2.多孔性無機質材料の表面に対し、表面処理液を塗付する塗装方法であって、
アルコキシシラン化合物を0.1〜50重量%、溶剤を50〜99.9重量%含有し、前記アルコキシシラン化合物は、アルキル基の炭素数が3〜12であり、縮合度が2以下であるアルキルアルコキシシラン化合物を90重量%以上含むものであり、
前記溶剤は、脂肪族炭化水素を90重量%以上含むものである第1の表面処理液を塗付した後、
テトラアルコキシシラン化合物を0.1〜50重量%含有する第2の表面処理液を塗付することを特徴とする塗装方法。
3.多孔性無機質材料の表面に対し、フッ素化合物を含む水溶液を用いて洗浄処理を行った後、表面処理液を塗付することを特徴とする1.または2.記載の塗装方法。
本発明では、特定の表面処理液を用いることにより、多孔性無機質材料表面の仕上り性、吸水防止性等を高めることができ、ひいては中性化、強度低下、エフロレッセンス発生等を防止することもできる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明は、建築物、土木構造物等を構成する多孔性無機質材料に対して適用するものである。塗装対象となる基材としては、例えば、コンクリート、モルタル、プラスター、セメントモルタル、PCパネル、ALCパネル、押出成形セメント板、窯業系サイディングボード、珪酸カルシウム、石材等が挙げられる。
本発明では、多孔性無機質材料の表面に対し表面処理液を塗付する。本発明における表面処理液は、アルコキシシラン化合物と溶剤を含有するものである。
このうち、アルコキシシラン化合物としては、アルキル基の炭素数が3〜12であり、縮合度が2以下であるアルキルアルコキシシラン化合物(以下単に「アルキルアルコキシシラン化合物」という)を必須成分として用いる。このアルキルアルコキシシラン化合物は、基材に深く浸透して撥水性被膜を形成し、基材に吸水防止性を付与するとともに、仕上り性の向上、美観性保持等にも大きく寄与するものである。さらに、基材における中性化、強度低下、エフロレッセンス発生等の抑制にも有効にはたらくものである。
このようなアルキルアルコキシシラン化合物は、珪素原子にアルキル基とアルコキシル基が結合した化合物であり、例えば下記式(1)で示される化合物及び/またはその縮合物を使用することができる。
−Si(OR (1)
(式中R、Rはアルキル基を示す。Rの炭素数は3〜12。)
具体的に、上記式(1)で示される化合物としては、例えば、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらの縮合物としては、縮合度2以下のものが使用でき、本発明では特に、縮合度1の単量体が好適である。
アルキルアルコキシシラン化合物としては、アルキル基の炭素数が3〜12(好ましくは5〜8)のものを使用する。アルキル基は、その一部がハロゲン等で置換されたものであってもよい。アルキル基の炭素数がこのような範囲内であれば、仕上り性と吸水防止性の両性能を兼備させることが可能となる。アルキル基の炭素数が3未満の場合は吸水防止性が不十分となり、逆に12を超える場合は仕上り性に悪影響を与えるおそれがある。
アルキルアルコキシシラン化合物におけるアルコキシル基としては、その炭素数が1〜8(好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2)のものが挙げられ、とりわけ炭素数1のメトキシ基が好適である。アルコキシル基の炭素数がこのようなものであれば、吸水防止性等の性能において有利な効果を得ることができる。
アルコキシシラン化合物中におけるアルキルアルコキシシラン化合物の比率は、通常90重量%以上(好ましくは95重量%以上、より好ましくは98重量%以上)とする。アルコキシシラン化合物が、実質的にアルキルアルコキシシラン化合物のみで構成される形態も好適である。上記アルキルアルコキシシラン化合物以外のアルコキシシラン化合物としては、例えばアルキル基の炭素数、縮合度等が上記規定外の化合物が挙げられるが、本発明では、このような成分の比率を抑えることでアルキルアルコキシシラン化合物の作用を十分に発揮させることができる。アルコキシシラン化合物中におけるアルキルアルコキシシラン化合物の比率が低すぎる場合は、仕上り性等において十分な性能が得られ難くなる。
表面処理液におけるアルコキシシラン化合物の含有比率は、通常0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量%である。この含有比率が低すぎる場合は吸水防止性等が不十分となりやすく、逆に高すぎる場合は仕上り性に悪影響を与えるおそれがある。
本発明の表面処理液では、上記アルキルアルコキシシラン化合物を溶解させる溶剤として、脂肪族炭化水素を90重量%以上含む溶剤を用いる。本発明では、上記アルキルアルコキシシラン化合物と、このような溶剤を組み合わせて用いることで、優れた仕上り性を得ることができる。さらに本発明では、このような溶剤を用いることによって、基材への浸透性を高めることができ、吸水防止性等の性能向上を図ることもできる。
脂肪族炭化水素としては、脂肪族飽和炭化水素が好ましく、特に炭素数4以上(さらに好ましくは5以上)の脂肪族飽和炭化水素が好適である。このような脂肪族炭化水素としては、例えば、ブタン(C10)、ペンタン(C12)、ヘキサン(C14)、ヘプタン(C16)、オクタン(C18)、ノナン(C20)、デカン(C1022)、ウンデカン(C1124)、ドデカン(C1226)、トリデカン(C1328)、テトラデカン(C1430)、ペンタデカン(C1532)、ヘキサデカン(C1634)、ヘプタデカン(C1736)、オクタデカン(C1838)、ノナデカン(C1940)、エイコサン(C2042)等の直鎖状脂肪族飽和炭化水素、イソペンタン(C12)、2−メチルペンタン(C14)、3−メチルペンタン(C14)、2,2−ジメチルブタン(C14)、2,3−ジメチルブタン(C14)、2−メチルへキサン(C16)、3−メチルへキサン(C16)、3−エチルペンタン(C16)、2,2−ジメチルペンタン(C16)、2,3−ジメチルペンタン(C16)、2,4−ジメチルペンタン(C16)、3,3−ジメチルペンタン(C16)、2,2,3−トリメチルブタン(C16)、2−メチルヘプタン(C18)、3−メチルヘプタン(C18)、2,2−ジメチルヘキサン(C18)、2,3−ジメチルヘキサン(C18)、2,5−ジメチルへキサン(C18)、3,4−ジメチルへキサン(C18)、2,2,3−トリメチルペンタン(C18)、2,2,4−トリメチルペンタン(C18)、2,3,3−トリメチルペンタン(C18)、2,3,4−トリメチルペンタン(C18)、2−メチルオクタン(C20)、2−メチルノナン(C1022)等の分枝状脂肪族飽和炭化水素が挙げられる。これらの脂肪族炭化水素は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
脂肪族炭化水素の比率は、全溶剤中90重量%以上であることが必要であるが、好ましくは95重量%以上、より好ましくは98重量%以上である。本発明では、実質的に脂肪族炭化水素のみで構成される溶剤も好適である。脂肪族炭化水素の比率が低すぎる場合は、表面処理液の塗付時ないし乾燥時に、基材上で表面処理液が不均一化しやすく、仕上り性に悪影響を与えるおそれがある。
表面処理液における溶剤の含有比率は、通常50〜99.9重量%、好ましくは70〜99重量%、より好ましくは80〜98重量%である。溶剤の含有比率が低すぎる場合は仕上り性に悪影響を与えるおそれがあり、逆に高すぎる場合は吸水防止性等が不十分となりやすい。
表面処理液は、上記成分を常法により均一に混合することで製造することができる。また、表面処理液には、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内において、例えば着色剤、増粘剤、湿潤剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒等を混合することもできる。
本発明では、上記表面処理液を多孔性無機質材料の表面に対し塗装する。塗装器具は特に限定されず、刷毛、スプレー、ローラー等公知の塗装器具を使用することができる。表面処理液を塗装する際の所要量は、基材の種類・状態等を勘案して適宜設定すればよいが、通常30〜500g/m(好ましくは80〜200g/m)程度、固形分換算では通常1〜250g/m(好ましくは2〜100g/m)程度である。
表面処理液の塗装においては、所要量を上記範囲内として、複数回に分けて塗装を行うこともできる。この場合、塗装間隔は比較的短く設定することが好ましく、通常は8時間以内(好ましくは4時間以内、より好ましくは2時間以内)とすればよい。表面処理液の塗付、乾燥は、通常常温で行えばよい。
なお、本発明では、表面処理液の塗付前に、多孔性無機質材料の表面に対し洗浄等の処理を行うこともできる。具体的に洗浄処理としては、多孔性無機質材料の表面に対し各種洗浄剤を塗付した後、水洗いする方法等を採用することができる。水洗いの際には、スポンジ等で多孔質無機質材料の表面を擦りながら処理を行えばよい。洗浄処理を行った表面が乾燥した後、表面処理液を塗付することができる。本発明では、洗浄処理を行った後に表面処理液を塗付することにより、吸水防止性等の効果をいっそう高めることができる。
具体的に洗浄剤としては、無機酸、有機酸、フッ素化合物等から選ばれる1種以上を有効成分として含む水溶液が好適である。このうち無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、弗酸、リン酸、ホウ酸、亜リン酸、スルファミン酸、次亜リン酸等が挙げられる。また、有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、オレイン酸、リノール酸等の一塩基性のカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、グルタル酸、アジピン酸等の二塩基性のカルボン酸、乳酸、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸等のオキシカルボン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ニトリロトリ酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノカルボン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸等のホスホン酸等が挙げられる。またフッ素化合物としては、例えば、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、酸性フッ化アンモニウム、フッ化水素アンモニウム、珪フッ化アンモニム、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム、フッ化トリエチルメチルアンモニウム、フッ化トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、フッ化テトラエタノールアンモニウム、フッ化メチルトリエタノールアンモニウム等が挙げられる。これらは2種以上を混合して使用することもできる。また、洗浄剤においては、その他界面活性剤等の成分を適宜混合することもできる。
本発明における洗浄剤としては、特にフッ素化合物を含む水溶液が好適である。また、フッ素化合物並びに無機酸及び/または有機酸を含む水溶液も好適である。洗浄剤中のフッ素化合物の濃度は通常0.001〜3重量%(好ましくは0.005〜1重量%)である。無機酸の濃度は通常0〜30重量%(好ましくは1〜20重量%)、有機酸の濃度は通常0〜30重量%(好ましくは1〜20重量%)である。各成分の濃度がこのような範囲内であれば、汚染除去性に優れるとともに、吸水防止性向上等の点においても好適である。
本発明では、上述の表面処理液(以下便宜上「第1の表面処理液」ともいう)の塗装後、第2の表面処理液として、テトラアルコキシシラン化合物を0.1〜50重量%含有する表面処理液を塗付することができる。このような表面処理液の塗装により、本発明の効果をいっそう高めることができる。
第2の表面処理液を構成する成分のうち、テトラアルコキシシラン化合物としては、下記式(2)で示されるテトラアルコキシシラン及び/またはその縮合物、あるいはそのアルキル基の一部をポリオキシアルキレン基等で変性したもの等を使用することができる。
Si(OR (2)
(式中Rはアルキル基を示す。)
このようなテトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラsec−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン等が挙げられ、炭素数の異なるアルキル基が混在するものも使用できる。これらの縮合物としては、通常、平均縮合度1〜20(好ましくは2〜10)程度のものが使用できる。
テトラアルコキシシラン化合物におけるアルコキシル基としては、その炭素数が1〜8(好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2)のものが好適である。また、第2の表面処理液におけるテトラアルコキシシラン化合物の含有比率は、通常0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%である。このようなテトラアルコキシシランの使用により、優れた効果を安定的に得ることが可能となる。
第2の表面処理液は、上記テトラアルコキシシラン化合物が媒体に溶解ないし分散した溶液であり、乳化剤等によって分散されたものであってもよい。表面処理液における媒体としては、例えば、芳香族炭化水素系溶剤を主成分とする強溶剤系、脂肪族炭化水素系溶剤を主成分とする弱溶剤系、水を主成分とする水性系等の各種形態が使用可能である。第2の表面処理液における媒体の含有比率は、通常50〜99.9重量%、好ましくは80〜99.5重量%、より好ましくは90〜99重量%である。
第2の表面処理液における媒体としては、脂肪族炭化水素を90重量%以上(好ましくは95重量%以上、より好ましくは98重量%以上)含む溶剤が好適である。実質的に脂肪族炭化水素のみで構成される溶剤も好適である。脂肪族炭化水素としては、脂肪族飽和炭化水素が好ましく、特に炭素数4以上(さらに好ましくは5以上)の脂肪族飽和炭化水素が好適である。このような脂肪族炭化水素としては、第1の表面処理液で例示したものと同様のものが使用できる。このような脂肪族炭化水素を用いることにより、仕上り性等において安定した効果が得られる。
第2の表面処理液では、テトラアルコキシシラン化合物以外のアルコキシシラン化合物を含むこともできる。但し、第2の表面処理液中の全アルコキシシラン化合物のうち、少なくとも30重量%以上が上記テトラアルコキシシラン化合物となるように調製することが望ましい。
また、第2の表面処理液は、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内において、例えば樹脂成分、着色剤、増粘剤、湿潤剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、抗菌剤、分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、触媒等を含むものであってもよい。
第2の表面処理液は、これらの成分を常法により均一に混合することで製造することができる。なお、第2の表面処理液では、テトラアルコキシシラン化合物の作用を十分に発揮させるため、樹脂成分はあまり多く混合しないことが望ましく、テトラアルコキシシラン化合物よりも低い含有比率とすることが望ましい。樹脂成分の含有比率は、通常20重量%未満(好ましくは10重量%以下)であり、樹脂成分を含まない形態も好適である。また、第2の表面処理液には光触媒等を混合する必要もない。
第2の表面処理液の塗装は、第1の表面処理液の塗装後、通常1時間以上10日以内、好ましくは3時間以上7日以内に行えばよい。塗装器具は特に限定されず、刷毛、スプレー、ローラー等公知の塗装器具を使用することができる。第2の表面処理液を塗装する際の所要量は、基材の種類・状態等を勘案して適宜設定すればよいが、通常10〜300g/m(好ましくは30〜150g/m)程度、固形分換算では通常0.1〜150g/m(好ましくは0.3〜75g/m)程度である。第2の表面処理液の塗付、乾燥は、通常常温で行えばよい。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(表面処理液の製造)
下記原料を表1に示す重量比率で常法により混合して、表面処理液1〜9を製造した。
・アルコキシシラン化合物1;ヘキシルトリメトキシシラン(縮合度1)
・アルコキシシラン化合物2;ヘキシルトリエトキシシラン(縮合度1)
・アルコキシシラン化合物3;ブチルトリメトキシシラン(縮合度1)
・アルコキシシラン化合物4;ヘキシルトリメトキシシラン(縮合度3)
・アルコキシシラン化合物5;ヘキシルトリメトキシシラン(縮合度6)
・溶剤1;炭素数9以上の脂肪族飽和炭化水素の混合物
・溶剤2;脂肪族炭化水素系溶剤(芳香族炭化水素30重量%含有)
・溶剤3;芳香族炭化水素系溶剤(芳香族炭化水素100重量%)
Figure 2009050841
[試験1]
(試験体作製)
上記方法で得られた表面処理液1〜9を用いて、以下の方法でそれぞれ試験体を作製した。
セメントモルタルからなる試験基材に対し、表面処理液を所要量100g/mで全面にスプレー塗装した後、標準状態(気温23℃・相対湿度50%)にて1時間乾燥させ、次いで同じ表面処理液を所要量100g/mで再度全面にスプレー塗装した。その後、標準状態で24時間乾燥させた。
(試験方法・試験結果)
上記方法で得られた試験板につき、まず以下の試験を行った。
・仕上り性
塗装後の試験板表面を観察し、乾燥過程で異常がないか、乾燥後の外観に異常がないか等につき確認した。
・浸透性
試験板を2分割し、その断面に水を噴霧したときの色変化を観察し、水によって色変化しない部分の厚さの平均値を算出した。
上記試験の結果、仕上り性試験においては、表面処理液1〜5が良好であった。表面処理液6〜9では、乾燥後の外観において一部ムラが認められた。また、浸透性試験においては、表面処理液1〜5、8及び9が約3mm、表面処理液6〜7が約2.5mmであった。
上記いずれの試験でも良好な結果が得られた表面処理液1〜5については、その試験板を垂直に固定し、試験板に対しホースを用いて1分間連続的に散水を行い、試験板表面の撥水具合と色変化を観察した。その結果、表面処理液1〜3では、撥水性が高く、色変化も認められなかった。これに対し、表面処理液4〜5では、表面処理液1〜3に比べ撥水性が低く、試験後に濡れ色が認められた。
[試験2]
試験2では、下記の各種洗浄剤を用いて試験を行った。
・洗浄剤1;フッ化アンモニウム0.6重量%水溶液
・洗浄剤2;フッ化アンモニウム0.5重量%、リン酸3重量%、乳酸10重量%の混合水溶液
・洗浄剤3;リン酸3重量%、乳酸10重量%の混合水溶液
(試験体作製)
屋外曝露により汚れ等が生じた試験基材(セメントモルタル)の全面に対し、洗浄剤を塗付し、約30秒放置後、スポンジで擦りながら水洗いした。標準状態で24時間乾燥後、表面処理液1を所要量100g/mで全面にスプレー塗装した後、標準状態にて1時間乾燥させ、次いで同じ表面処理液1を所要量100g/mで再度全面にスプレー塗装した。その後、標準状態で24時間乾燥させた。
(試験方法・試験結果)
上記方法で得られた試験板につき、試験1と同様の方法で仕上り性及び浸透性の試験を行った。その結果、仕上り性はいずれの洗浄剤を用いた場合も良好であった。浸透性試験の値はいずれも約3mmであった。
また、試験板を垂直に固定し、試験板に対しホースを用いて1分間連続的に散水を行い、試験板表面の撥水具合と色変化を観察したところ、洗浄剤1〜2を用いたものでは、撥水性が高く、色変化も認められなかった。これに対し、洗浄剤3を用いたものでは、洗浄剤1〜2を用いたものに比べ撥水性がやや低い状態であった。
[試験3]
(試験体作製)
試験1と同様のセメントモルタルからなる試験基材の全面に対し、洗浄剤1を塗付し、約30秒放置後、スポンジで擦りながら水洗いした。標準状態で24時間乾燥後、表面処理液4を所要量100g/mで全面にスプレー塗装した後、標準状態にて1時間乾燥させ、次いで同じ表面処理液4を所要量100g/mで再度全面にスプレー塗装した。その後、標準状態で24時間乾燥させた。
一方比較のために、洗浄剤1による洗浄処理を省いて、表面処理液4を塗装した試験体を作製した。
(試験方法・試験結果)
上記方法で得られた試験板につき、試験1と同様の方法で仕上り性及び浸透性の試験を行った。その結果、いずれの試験体も仕上り性は良好であり、浸透性試験の値は共に約3mmであった。
次に、試験板を垂直に固定し、試験板に対しホースを用いて1分間連続的に散水を行い、試験板表面の撥水具合と色変化を観察したところ、洗浄剤1を用いたものは、洗浄処理を省いたものに比べ撥水性が改善され、濡れ色の程度も軽微であった。
[試験4]
試験例4では、第2の表面処理液として下記処理液を用いて試験を行った。
・表面処理液10;テトラメトキシシラン縮合物(平均縮合度4)と溶剤1との混合物、重量比率2:98
・表面処理液11;テトラメトキシシラン縮合物(平均縮合度8)と溶剤1との混合物、重量比率2:98
・表面処理液12;テトラメトキシシラン縮合物(平均縮合度4)と溶剤1との混合物、重量比率4:96
(試験体作製)
試験1と同様のセメントモルタルからなる試験基材に対し、第1の表面処理液として表面処理液1を所要量120g/mで全面にスプレー塗装した後、標準状態にて3時間乾燥させた。次いで、第2の表面処理液を所要量50g/mで全面にスプレー塗装し、標準状態で24時間乾燥させた。
(試験方法・試験結果)
上記方法で得られた試験板につき、試験1と同様の方法で仕上り性及び浸透性の試験を行った。その結果、第2の表面処理液として表面処理液10〜12を用いたいずれの試験体も仕上り性は良好であり、浸透性試験の値は共に約3mmであった。
次に、試験板を垂直に固定し、試験板に対しホースを用いて1分間連続的に散水を行い、試験板表面の撥水具合と色変化を観察した。その結果、いずれも撥水性が高く、色変化も認められなかった。
[試験5]
(試験体作製)
試験1と同様のセメントモルタルからなる試験基材に対し、第1の表面処理液として表面処理液4を所要量120g/mで全面にスプレー塗装した後、標準状態にて3時間乾燥させた。次いで、第2の表面処理液として表面処理液10を所要量50g/mで全面にスプレー塗装し、標準状態で24時間乾燥させた。
一方、試験1と同様のセメントモルタルからなる試験基材に対し、表面処理液4を所要量120g/mで全面にスプレー塗装した後、標準状態にて3時間乾燥させ、次いで、表面処理液4を所要量50g/mで再度全面にスプレー塗装し、標準状態で24時間乾燥させた試験体を作製した。
(試験方法・試験結果)
上記方法で得られた試験板につき、試験1と同様の方法で仕上り性及び浸透性の試験を行った。その結果、いずれの試験体も仕上り性は良好であり、浸透性試験の値は共に約3mmであった。
次に、試験板を垂直に固定し、試験板に対しホースを用いて1分間連続的に散水を行い、試験板表面の撥水具合と色変化を観察した。その結果、第1の表面処理液として表面処理液4を用い、第2の表面処理液として表面処理液10を用いたものは、表面処理液4のみを用いたものに比べ撥水性が改善され、濡れ色の程度も軽微であった。

Claims (1)

  1. 多孔性無機質材料の表面に対し、表面処理液を塗付する塗装方法であって、
    当該表面処理液として、
    アルコキシシラン化合物を0.1〜50重量%、溶剤を50〜99.9重量%含有し、前記アルコキシシラン化合物は、アルキル基の炭素数が3〜12であり、縮合度が2以下であるアルキルアルコキシシラン化合物を90重量%以上含むものであり、前記溶剤は、脂肪族炭化水素を90重量%以上含むものである表面処理液
    を用いることを特徴とする塗装方法。
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