以下、本発明に係る回胴式遊技機の実施形態について説明する。
<回胴式遊技機の外観:図1>
以下、図面を参照して、本発明に係る回胴式遊技機の具体的な実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す正面図である。
本発明の実施形態に係る回胴式遊技機は、図1に示すように、遊技機筐体1の前面の上部には、遊技機筐体1内に横並びに配設した3個の主回胴2a、2b、2cが表示窓3に臨ませて設けられている。この主回胴2a、2b、2cは、その外周に複数種類の特別図柄4(図3の図柄配列帯50参照)が施されており、各主回胴2a、2b、2cの停止時の上記特別図柄4の組合せによって遊技結果を表示する主回胴装置を構成している。
上記主回胴装置の表示窓3には、表示窓3を横断するようにして合計5本の有効ライン表示5が施されている。この有効ライン表示5は、3本の横有効ライン表示5a、及びこれらと交差する2本の斜め有効ライン表示5bからなり、遊技メダルの投入枚数に応じて有効ライン数が変化する。
また遊技機筐体1の前面のほぼ中央には、単位遊技における演出画像を表示すると共に、装飾図柄が複数列に配列された副回胴を変動表示し、表示した画像の内容によって遊技者に各種の情報を提供する液晶画像表示装置6が設けられている。
さらに遊技機筐体1には、液晶画像表示画面19の下方の段部に、遊技に供する遊技メダルを投入するための遊技メダル投入口7、クレジットされた範囲内で、遊技メダルを最大枚数掛けで一度に擬似投入し得るマックスベットスイッチ8、押した回数に応じて最大掛け枚数まで加算的に擬似投入し得る1ベットスイッチ9、クレジットされた遊技メダルを払い出すための精算スイッチ10、主回胴2a、2b、2cの回転を一斉に開始させるためのレバー式のスタートスイッチ11、及び各主回胴2a、2b、2cの回転を個別に停止させるための停止ボタンからなる3個の停止スイッチ12a、12b、12c等が設けられている。なお「クレジット」とは、貯留装置に電気的または磁気的に記憶された遊技媒体(ここでは遊技メダル)の情報をいい、その数をクレジット数という。
遊技機筐体1の前面下部には、遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口13が設けられているとともに、遊技メダル払出口13に臨むようにして遊技メダルを貯留するための遊技メダル貯留皿14が設けられている。また、遊技機筐体1の前面上部両側と前面中央部両側と前面下部には、装飾部15が設けられ、遊技機筐体1の前面下部の両側には一対のスピーカ16が設けられている。
なお、図示しないが、遊技機筐体1内には、所定の賞態様が構成された場合に遊技メダルを払い出すためのホッパーユニット(遊技メダル払出装置)が設けられている。
<主回胴2a、2b、2c:図2、図3、図4>
主回胴2a、2b、2cは横並びに3個配設されており、図2に示すように、各主回胴2a、2b、2cは、それぞれパルスモータからなる駆動モータ17により、モータ駆動回路18を介して回転駆動される。また、各主回胴2a、2b、2cは透光性を有する部材により構成されており、その表面には、透光性を有し複数の図柄が表示された回胴テープ(図示せず)が貼り付けられている。
図3に、この主回胴2(主回胴2a、2b、2cの全体)に施された特別図柄4の図柄配列帯50の例を示す。本実施形態では、赤セブン図柄51、青セブン図柄52、BAR図柄53、黄ダイヤ図柄54、青ダイヤ図柄55、緑ダイヤ図柄56、キャラクタ図柄57、赤ダイヤ図柄58の計8種類の図柄の組合せで構成され、回転方向に、それぞれ計21コマの特別図柄4を有している。
図4に、この主回胴2の図柄の組み合わせのうち、入賞役として扱われる図柄の組み合わせの種類と入賞役の名称と、配当(払出枚数)を例示する。図示するように入賞役の種類としては、遊技媒体の投入(クレジットからの擬似的な投入を含む)をすることなく遊技を可能とするリプレイ役(再遊技役)、ベル役、スイカ役、チェリー役、BB1(ビッグボーナス)役、BB2(ビッグボーナス)役、1枚役などがある。ここでBB1とBB2は、ともに特別入賞役としてのビッグボーナス(BB)役である点で同じであるが、払い出し枚数がBB1の方がBB2よりも多い点で両者は異なる。
なお、この主回胴2(主回胴2a、2b、2cの全体)の図柄配列帯50に施される特別図柄4は、たとえば1文字づつの漢字からなる計8種類の文字図柄を用いて、図柄の組み合わせが判別し難い構成とすることもできる。このように一見しただけでは組み合わせの識別が困難な図柄を用いることにより、主回胴よりも、液晶画像表示画面19に表示される演出や図柄に対して、大きな興味を遊技者に与えることが可能になる。
なお、主回胴2の数は3個に限定されるものではなく、2個、4個等、何個配設されていてもよい。また、各主回胴2に表示される図柄の種類も特に限定されるものではなく、例えば、「7」、「ベル」、「オレンジ」、「チェリー」、「JAC」、「BAR」、「人物」、「動物」、「魚」、「乗り物」等、種々の図柄を採用することができる。また、この主回胴2の内部に、主回胴2を内部から照明するためのバックライトを配設することもできる。バックライトとしては、ランプ、LED等を用いることができる。
<液晶画像表示装置6:図1>
液晶画像表示装置6は、図1に示すように、主回胴2よりも下側の位置における、回胴式遊技機の前面側に、主回胴2よりも横幅の大きい長方形の液晶画像表示画面19を呈するように設けられている。この液晶画像表示画面19に、装飾図柄を複数列に配列した図柄配列帯50からなる副回胴を変動表示する変動表示窓を、1ライン、Xライン、5ライン、Vライン等の表示ラインパターンで現出させることが可能になっている。図2に、液晶画像表示画面19に副回胴の変動表示窓21が1ラインの表示ラインパターンで現出されている状態を略示する。
またこの液晶画像表示装置6の液晶画像表示画面19には、詳細は後述するが、連続演出の終了時において、連続演出の結果が告知する図柄の内容を遊技者に報らせる報知図柄20が演出図柄(図1参照)により表示される。
ここで報知図柄20とは、連続演出の結果が告知する主回胴の停止図柄の内容を遊技者に報らせるために用いられる情報伝達手段の総称である。この報知図柄の情報は、連続演出が特別入賞役への当選を最後に告知する当選連続演出の場合にあっては、特別入賞役に対応する停止図柄を揃えられなかった場合に、その特別入賞役に当選していることを報せる報知図柄の情報であり、連続演出が特別入賞役への当選を最後に告知しない非当選連続演出の場合にあっては、主回胴の停止図柄を報せる報知図柄の情報である。
また報知図柄を遊技者に報せると言った場合、本実施形態に示すような演出画像による図柄の報知態様に限らず、光または音などの様々な媒体を用いた演出による図柄の報知態様も、これに含まれる。本実施形態では、報知図柄20として、画像による演出図柄を液晶画像表示画面19に現出させる。図1中には、この報知図柄20の例として、3×3の9マス目の図柄配列中の中央横ラインに、赤7図柄、青7図柄、赤7図柄からなるリーチ目の演出図柄が、液晶画像表示画面19に現出した状態を示す。このリーチ目は、ボーナスを揃えられる状態で、取りこぼすと発生する出目である。
<表示ラインパターン:図5、図6>
図5は、本実施形態における液晶画像表示画面19に表示される副回胴の表示ラインパターンの種類を示した図である。ここに「表示ラインパターン」とは、複数個の変動表示窓21の並び方で画像表現されるラインパターンをいう。変動表示窓21の直線的な並び方だけでなく、V字状、逆V字状、F字状などの特殊形状の並び方も、この表示ラインパターンに含まれる。すなわち、液晶画像表示画面19に複数個の変動表示窓21(ここでは3個の変動表示窓21)が横一直線の横ラインや斜めラインとして並んだ形状や、これから一部の変動表示窓21が発展的に増加した形状や、V字状、F字状などの特殊形状に並んだ形状など、複数個の変動表示窓21の組合せで表示される画像パターンは、すべて表示ラインパターンの1つである。
本実施形態では、副回胴の表示ラインパターンの種類として、3個の変動表示窓21が直線的に並んだ形状である単ライン(このうち上中下段の中段に直線的に並んだ形状を特に「横1ライン(以下1ラインと略す):ライン要素L1」という。)、Xライン(斜め2ライン:ライン要素L4、L5)、5ライン(横方向の3ライン要素L1〜L3)と斜め方向の2ライン要素L4、L5の組合せ)と、Vライン(プレミア)とがある。ここで「プレミア」とは非常に選択率の低い演出パターンであることを意味し、通常はBB1やBB2のビッグボーナスに当確した場合に現出し遊技者に当確した旨を通知する特殊な演出パターンである。
上記の表示ラインパターンを現出させるため、液晶画像表示画面19内に、複数個の変動表示窓21をマトリックス状に表示させ得る表示予定領域41(図5参照)が設けられている。ここでは表示予定領域41として3×3の計9個のマス目が予約されており、このうちから、直線的な配置関係にある3個のマス目、またはV字状やF字状をなすマス目(変動表示窓21)の組合せが選択され、それが有効表示ラインとして表示される。このうち、通常は、3個の変動表示窓21だけが、中央の横ライン(1ライン:ライン要素L1)を表示するように液晶画像表示画面19中に現出している。しかし、現出する変動表示窓21の数、および出現する表示ラインパターンはプログラムにより決定され、基本の表示パターンから変化する。従って、液晶画像表示画面19の表示ラインパターンは有効表示ラインとして画像表示されるものであるが、その性格は、主回胴2の有効ラインとは異なる。すなわち、主回胴2の有効ライン(図1参照)は、遊技メダルの投入枚数に応じてライン数が一義的に定まる静的な表示ラインであるのに対し、液晶画像表示画面19に表示される有効表示ライン(図5参照)は、複数個の変動表示窓21が必要に応じてその表示位置と数を変えて表示されることで現出する動的な表示ラインである。
図6は表示ラインパターンの種類を説明する図である。図6(a)は9個の変動表示窓21を3×3個の計9個のマス目からなるマトリックスとして示した図であり、そのマトリックスのマス目の列毎に、「1」「2」「3」、「4」「5」「6」、「7」「8」「9」のコマ番号を付している。これらのうちから、直線的な配置関係にあるコマ番号の3個のマス目、またはV字状をなすマス目が選択され、それが有効表示ラインとして表示される。
この有効表示ラインは、表示ライン現出制御手段(演出用CPU:図2参照)により指示される3個の変動表示窓21の位置(コマ番号)により、次の4種類の表示ラインパターンのうちのいずれか1つが指定される。
第1は表示ラインパターンが「1ライン」(図6(b))の場合であり、コマ番号「2」「5」「8」の中央の横ライン42(横1ライン要素L1)の1本からなる有効表示ラインである。
第2は表示ラインパターンが「Xライン」(図6(c))の場合である。このXラインは、交差する2本の斜めライン要素(L4、L5)からなる有効表示ラインであり、コマ番号「3」「5」「7」の右上がりの斜めライン要素(右上斜めライン要素)L4と、コマ番号「1」「5」「9」の右下がりの斜めライン要素(右下斜めライン要素)L5とで指定される。
第3は表示ラインパターンが「5ライン」(図6(d))の場合であり、3本の横ライン要素と、交差する2本の斜めライン要素からなる。すなわち、この5ラインの場合、コマ番号「1」「4」「7」の上側の横ライン要素L2、コマ番号「2」「5」「8」の中央の横ライン要素L1、およびコマ番号「3」「6」「9」の下側の横ライン要素L3からなる計3本の横ライン要素と、互いに交差するコマ番号「3」「5」「7」の右上斜めライン要素L4とコマ番号「1」「5」「9」の右下斜めライン要素L5からなる計2本の斜めライン要素とで指定される。
なお、コマ番号「1」「2」「6」「7」「8」からなるVラインも表示ラインパターンの一つとして指定され(図6(e))、上記の直線状の有効表示ラインとは別格の非常に選択率の低いプレミア(ボーナス当選)扱いとされる。
また、これらによりなされる図柄表示は、上記図6(a)の変動表示窓21のマトリックスにおいて、その列のコマ番号「1」「2」「3」には第1回胴の図柄が現出し、コマ番号「4」「5」「6」には第2回胴の図柄が現出し、そしてコマ番号「7」「8」「9」には第3回胴の図柄が現出するように、液晶画像表示画面19の表示内容が変動する。そこで、本明細書では、実際には変動表示窓21が縦方向(列方向)に1コマまたは2コマしか表示されない場合をも含め、仮想的に常に3コマ分の変動表示窓21が存在するものと仮定し、これら第1〜第3回胴のそれぞれ縦方向の3コマ分の変動表示窓21内に、例えば図柄配列帯50の図柄が変動表示されるものとして扱い、それぞれ変動表示される画像の図柄配列帯50の各図柄列を「副回胴」と称することにする。従って、本明細書の場合、仮想的ではあるが、液晶画像表示画面19内に横並びに第1副回胴、第2副回胴、第3副回胴の3つが存在するものとして説明する。
なお、本実施形態では副回胴の図柄配列帯50として1種類の図柄配列帯50を用いているが、一部の図柄や図柄配列が異なる2種類または3種類の図柄配列帯50を用意し、ボーナス入賞への期待度に応じて使い分けることもできる。
<主制御部と副制御部:図2>
図2は、上記回胴式遊技機の制御装置を示したブロック図である。この図2を参照しながら、回胴式遊技機の表示制御装置について説明する。
本実施形態に係る回胴式遊技機の表示制御装置は、遊技動作全般の制御を司り、特に主回胴2の回転及び停止を制御するための主制御部(主制御基板)22と、主制御部22の制御の下に動作して主に液晶画像表示装置6に表示される副回胴などの演出内容についての制御を行う演出制御部(副制御基板)35を有する副制御部23とを備える。換言すれば、表示制御装置は、主制御部22により構成される主回胴のための表示制御装置の部分(主回胴に対する表示制御装置)と、副制御部23により構成される副回胴のための表示制御装置の部分(液晶画像表示装置6に対する表示制御装置)とからなる。
主制御部22は、主回胴の停止時に停止位置情報を副制御部23に送信し、副制御部23は、受信した停止位置情報に基づいて副回胴の図柄を画像表示装置6に停止表示させる。
詳述するに、主制御部22は、図2に示すように、主制御用CPU25により制御が行われる装置で、各種遊技動作を制御するための制御プログラム等を記憶した主制御用ROM26、作業領域としての一時記憶領域である主制御用RAM27を備えている。また、図示していないが、主制御部22には、ハードウエア的に乱数値を生成するカウンタ回路、CTC(Counter Timer Circuit。CTCは、外部クロック/タイマトリガ、タイマ出力ZC/TOを備え、周期的な割り込みや一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能を有するものである。)、割り込みコントローラなどの基本回路を備えている。
主制御部22には、種々の制御を行うための複数のスイッチやランプ等が接続されている。すなわち、主制御部22には、遊技メダル投入口7からのコインを検知する投入スイッチ28、マックスベットスイッチ8、1ベットスイッチ9、スタートスイッチ11、精算スイッチ10、ドアスイッチ29が接続され、それらからの信号が入力される。また主制御部22には、遊技表示ランプ30や停止スイッチLED31が接続されている。ここで遊技表示ランプ30とは、遊技開始表示LED、遊技メダル投入枚数表示LED、大当たり1表示LED(BB1用)、大当たり2表示LED(BB2用)、遊技メダル貯留枚数表示器、貯留枚数払出表示器、リプレイ表示LEDなどの総称である。
また停止スイッチLED31とは、停止スイッチである停止ボタン中に納められ、回胴が回転して停止スイッチ12a、12b、12cの操作が有効になったときに点灯して、停止ボタンが押されたとき消灯または色が変化する発光ダイオードである。
また、主制御部22には、主回胴2a、2b、2cの回転を制御するためのモータ駆動回路18及び、主回胴位置検出回路32が接続されている。モータ駆動回路18は、主回胴2a、2b、2cの駆動モータ17を制御するための回路であり、「1図柄24ステップ×1回胴21図柄=1周504ステップ」の関係で、駆動モータ17であるパルスモータを制御する。主回胴位置検出回路32は、主回胴2a、2b、2cの1周毎の原点位置を検出する原点位置検スイッチで構成されている。主制御部22は、この原点位置検出スイッチにより検出された原点位置からの駆動パルス数を計数して記憶し、その駆動パルス数に基づき主回胴2a、2b、2cの現在回胴回転位置を把握する現在回胴回転位置検出手段を構成する。
また、停止スイッチ12a、12b、12cには主回胴停止信号回路33が接続されている。停止スイッチ12a、12b、12cが操作されると、主制御部22に対して、当該停止スイッチ12a、12b、12cに対応する主回胴2a、2b、2cの回転を停止させるための主回胴停止信号が送信される。停止時は、上記の原点位置からの駆動パルス数に基づき主回胴の現在回胴回転位置が検出され、この現在回胴回転位置をもとに停止図柄が判断される。なお「現在回胴回転位置」と言った場合、主回胴が回転している場合の現在回転位置および主回胴が停止している場合の現在停止位置の双方が含まれる。
ここで遊技者の操作順序に従い、主制御部22の作用を説明すると、次のようになる。まず主制御部22は、所定枚数の遊技メダルが投入されたことを条件に、スタートスイッチ11を有効にする。そして、遊技者によりスタートスイッチ11が操作されたことを条件に、入賞役を抽選する入賞役抽選手段(主制御用CPU25:図2)により、「ボーナス役」「ベル役」「スイカ」等の入賞役を、所定の抽選(予め定められた抽選方式、例えば乱数に基づく抽選)により決定し、モータ駆動回路18を介して主回胴2a、2b、2cを回転させる。ここで「入賞役抽選手段」とは、主制御用CPU25がスタートスイッチ11が操作されたことを条件に入賞役を抽選する機能部をいう。本実施形態の場合、入賞役抽選手段は、主回胴の回転による単位遊技の実行毎に、ハズレ役を含む複数種類の入賞役のうちから一つの入賞役を抽選する。
また主制御部22は、主回胴を回転させた後、主回胴位置検出回路32からの信号(主回胴2a、2b、2cの原点位置検出信号)を受けて、主回胴が正常に回転していることを確認し、停止スイッチ12a、12b、12cを有効にする。
停止スイッチ12a、12b、12cが遊技者により押されて停止操作されると、停止操作したときの主回胴2a、2b、2cの回胴回転位置と入賞役抽選手段による抽選結果とに基づいて、当選役の図柄を有効ライン上に停止させる。その際、通常は所定の最大滑りコマ範囲(本実施の形態では0〜4コマ)内で、引き込み制御を行う。また、入賞役がハズレ役の場合は何れの図柄も揃わないように停止制御する。本明細書では、上記の引き込み制御を含め、主回胴の特別図柄4を停止させて表示させるための制御つまり停止図柄を決定する制御を停止制御と称する。そのために、本実施形態の回胴式遊技機は、入賞役抽選手段による抽選結果と、停止スイッチの操作もしくは主回胴の回転開始後の所定放置時間の経過とに基づいて、主回胴の停止位置を停止制御し特別図柄の組合せによる停止図柄を定める停止制御手段を有する。
そして主制御部22は、各遊技動作の実行時に副制御部23に対して制御コマンドを送信する。ここで送信する制御コマンドには、次のようなものがある。なお、これらのコマンド名は、発生時期または送信時期に着目して命名されており、その命名の内容の実行を促すものではない。
まず遊技メダルがベットされた状態を通知する「ベット」コマンドがある。遊技メダルがベットされた状態とは、前回のゲームの結果としてリプレイゲームの権利が発生している場合と、遊技メダル投入口7より少なくとも1枚以上の遊技メダルが投入された場合と、主制御用RAM27に少なくとも1枚以上の遊技メダルがクレジットとして記憶されている状態で1ベットスイッチ9或いはマックスベットスイッチ8が操作された場合の何れかに該当する状態であることを意味する。
また、スタートスイッチ操作時つまりスタートスイッチON時に発生する「回転開始(ゲームスタート)」コマンド(入賞役や遊技状態の情報を含む)や、スタートスイッチ操作後の主回胴回転開始時に発生する「回胴起動(回胴回転)」コマンドがある。ここで回転開始コマンドが入賞役や遊技状態の情報を含むとは、例えば回転開始コマンドが16ビットの符号からなり、そのうちの6ビットが当選した入賞役を示す情報(入賞役情報)に割り当てられ、他の4ビットがそのときの遊技状態を示す情報(遊技状態情報)に割り当てられるような形態を意味する。
回転開始コマンドに含まれる「入賞役」の情報には、図4に示すように、「リプレイ役(再遊技役)」、「ベル役」、「スイカ役」、「チェリー役」、「BB1役」、「BB2役」、「1枚役」などの種類がある。また、回転開始コマンドに含まれる「遊技状態情報」には、「一般遊技中」、「特殊演出中」、「RT(リプレイタイム)遊技中」、「BB遊技中」などがある。
ここで「特殊演出」は、通常の遊技状態における基本的な演出とは異なる演出であって、遊技者にボーナス役が内部当選しているかのような期待感を付与するために行われる告知演出を広く包含し、例えば画像、図柄、光、音などの様々な媒体を用いた演出を挙げることができる。具体的には、「特殊演出中」とは、例えば、演出が数ゲームにわたって連続的に行われる、いわゆる連続演出のような特殊な遊技状態にあることをいう。また「RT遊技中」とは、再遊技役に当選する確率が高くなっている遊技状態にあることをいう。また「BB遊技中」とは、上述のBB1役やBB2役のビッグボーナスが揃ってからの遊技状態にあることをいう。
この「BB遊技中」、「RT遊技中」は、いずれも一般遊技中よりも遊技者に対する利益状態が高い遊技状態の代表例として示したものであり、上記「BB遊技中」、「RT遊技中」だけでなく、いわゆるチャレンジタイム(CT)遊技中、アシストタイム(AT)などもあり、これらを図7の遊技状態に付加し、または別個の要素として組み合わせて用いても良い。
さらにまた主制御部22から副制御部23に送られる制御コマンドには、左停止操作時、中停止操作時、右停止操作時にそれぞれ発生する「停止ボタン左」「停止ボタン中」「停止ボタン右」のコマンド(順押し、逆押し、ハサミ押し等の「停止順情報」を含む)や、引き込み制御後の左回胴停止時、中回胴停止時、右回胴停止時に発生する「左回胴停止」「中回胴停止」「右回胴停止」のコマンド(主回胴の「停止位置情報」を含む)がある。これら「停止ボタン左」「停止ボタン中」「停止ボタン右」の各コマンドも16ビットの符号からなり、そのうちの3ビットが順押し、逆押し、ハサミ押し等の停止順情報に割り当てられ、他の4ビットがそのときの遊技状態を示す状態情報(遊技状態情報)に割り当てられる。また「左回胴停止」「中回胴停止」「右回胴停止」の各コマンドも16ビットの符号からなり、それぞれ、そのうちの5ビットが回胴帯図柄カウンタとして割り当てられ、そのカウンタの桁出力が主回胴の停止位置情報に割り当てられる。
3つの停止スイッチのうちで第1番目に操作された停止ボタンであることは、上記の停止順情報から知ることができ、「第1停止コマンド」として副制御部23に送信され、演出制御部が第1停止時に「停止エフェクト」の種類を抽選する場合などに利用される。同様にして、第2番目、第3番目に操作された停止スイッチであることも、上記の停止順情報から知ることができ、「第2停止コマンド」、「第3停止コマンド」として副制御部23に送信され、利用される。
さらに、主制御部22から副制御部23に送られる制御コマンドには、第3停止ボタン(第3停止スイッチ)を離した時に発生する「全回胴停止」コマンドがある。この全回胴停止コマンドも16ビットの符号からなり、そのうちの4ビットが揃った入賞役の種類を示す情報(入賞役情報)に割り当てられ、他の3ビットが入賞ラインを示す情報(入賞ライン情報)に割り当てられ、他の4ビットがそのときの遊技状態を示す情報(遊技状態情報)に割り当てられる。すなわち、全回胴停止コマンドには入賞ライン情報と入賞役情報が含まれる。
この全回胴停止コマンドは、引き込み制御中に停止ボタンから指を離した場合は、第3回胴の引き込み制御後の回胴停止時に発生する。ここで全回胴停止コマンドに含まれる「入賞ライン情報」とは、主回胴において入賞役が揃った有効ラインに関する情報であり、また「入賞役情報」とは実際に揃った図柄に関する情報である。回転開始コマンドに含まれる「入賞役」の情報では、実際に揃う図柄が未確定であるのに対し、この全回胴停止コマンドに含まれる「入賞役」の情報は、取りこぼしなどをすることなく実際に揃った図柄を示す情報である点で、両者は異なる。副制御部23ではこの入賞ライン情報と入賞役情報に基づいて、液晶画像表示画面19に表示する演出画像を決定することになる。
主制御部22では、主回胴位置検出回路32により検出された原点位置を基準とする主回胴2a、2b、2cの回胴回転位置(パルス数)に基づいてモータ駆動回路18を制御し、主回胴2a、2b、2cの回転及び停止を制御する。そして、主回胴停止信号回路33からの主回胴停止信号を受信すると、モータ駆動回路及び主回胴位置検出回路32を制御して、主回胴2a、2b、2cを所望の位置に停止させる。
なお、主回胴2の停止制御は、上記のように遊技者の停止操作と所定の抽選結果の図柄位置とに基づく場合の他に、一定時間の経過後に自動的に停止させてもよい。
副制御部23は、主制御部22と演出インターフェース34を介して接続された演出制御部(演出制御基板)35と、該演出制御部に演出インターフェース34を介して接続された液晶制御部(液晶制御基板)36とを有している。前者の演出制御部35は主制御部22の制御の下に、スピーカからの音声の発生、及び演出用ランプ24の点灯・点滅等の制御を行い、また後者の液晶制御部36は演出制御部35からの液晶コマンドに従って液晶画像表示装置6の画面に演出を表示する。
詳述するに、演出制御部35は、主制御部22から送られてくる制御コマンドを受け、演出用CPU37により演出内容を決定する制御を行う装置で、制御プログラム等を記憶した演出用ROM38、一時記憶領域である演出用RAM39を備えている。演出制御部35に主制御部22から送られてくる制御コマンドには、「メダル投入」、「回転開始(ゲームスタート)」、「回胴起動(回胴回転)」などのゲームの進行に関する情報や、当選役(入賞役)に関する「入賞役情報」、停止図柄に関する「停止図柄情報」、ボーナスゲームなどの遊技状態に関する「遊技状態情報」などが含まれる。演出制御部35は、これらの制御コマンドに従って、演出用CPU37の制御の下に、液晶画像表示画面19に表示する副回胴の表示ラインパターンや変動図柄やキャラクタの画像表示制御を行うと共に、スピーカから出力させる音演出、筐体全体のLEDの発光演出などの演出内容を決定する。
例えば、演出制御部35は、スピーカから発生する音声を制御するため、音源やサウンドRAMも備えており、演出用CPU37の制御の下に音源を動作させてスピーカから効果音等を発生させる。さらに、演出制御部35は演出用ランプ24の点灯・点滅等の制御も行う。ここで演出用ランプ24とは、回胴式遊技機に搭載された種々のランプ、LED等の光源のうち、特に演出に用いられる光源の総称である。
液晶制御部36は、液晶ROM40を備えており、この液晶ROM40には、演出のためのキャラクタデータ、背景データが保存されているとともに、副回胴を構成する装飾図柄を配列した図柄配列帯50の図柄帯データや、連続演出中の停止制御により決定された主回胴の停止図柄に対応する副回胴の呈示図柄の内容を、連続演出終了後に報知するための報知図柄20のデータが保存されている。
<表示ラインパターン抽選テーブル:図7>
上記のいずれの表示ラインパターンを画像表示するかを決定するため、図7(a)〜(d)に示す表示ラインパターン抽選テーブルが回転開始時に参照される。この表示ラインパターン抽選テーブル43は、主制御部22から送られて来る回転開始コマンドの「入賞役情報」により定まる入賞役と、該入賞役における当選期待度に関連する表示ラインパターンの種類(1ライン、Xライン、5ライン、Vライン)への振り分け率(ライン振分率)とに応じて、さらには主制御部22から送られて来る回転開始コマンドの「遊技状態情報」により定まる「遊技状態」に応じて、上記のいずれの表示ラインパターンを画像表示するかを決定する抽選テーブルである。
ここで「遊技状態」とは、本実施形態の場合、「一般遊技中」、「特殊演出中」、「RT遊技中」、「BB遊技中(BB1またはBB2などの特別遊技中)」を意味する。しかし、主制御部22の内部でビッグボーナスに当選し、遊技者にその旨が報知されるまでの間の遊技である「内部当選遊技中(特別遊技(BB)に入る前の前兆状態を含む)」、レギュラーボーナスが揃ってからの遊技である「RB(レギュラーボーナス)遊技中」などを含めても良い。
表示ラインパターン抽選テーブル43は、一般遊技中、特殊演出中、RT遊技中、BB1遊技中という各遊技状態毎に用意される(図7(a)〜(d))。これらの表示ラインパターン抽選テーブル43は、それぞれ、入賞役の種類が配置された横項目と、表示ラインパターンの種類が当選期待度の小さい順に配置された縦項目からなるテーブル部分(マトリックス部分)を持つ。なお、ここでは図面での表現上、横項目と縦項目という言葉で表現するが、縦横の項目はその名称にとらわれるものではなく、横項目と縦項目を入れ替えることもできる。当選期待度とは、入賞役の上記特別遊技(本実施形態ではボーナス)への当選期待度であり、1ライン、Xライン、5ライン、Vラインの順に、入賞役の当選期待度が高くなっている。そして、横項目のハズレ役、リプレイ役、ベル役、チェリー役、スイカ役、BB1役、BB2役という入賞役に当選した場合に、縦項目の1ライン、Xライン、5ライン、Vラインのいずれの表示ラインパターンに振り分けられるか、換言すれば各入賞役の上記表示ラインパターンの各種類、すなわち1ライン、Xライン、5ライン、Vラインにおける現出率の値として、入賞役の各表示ラインパターンへのライン振分率の数値が、このマトリックス部分の各セルに分布されている。このライン振分率の数値は、「入賞役の性格」、すなわち各入賞役について遊技者が受ける利益状態を考慮した重み付けにより決定される。
ここで入賞役の性格としての重み付けは、コインの払い出し枚数による配当、BB1やBB2後に獲得できるコイン枚数など、当該入賞役について遊技者が受ける利益状態を考慮して付けられる重み付けであり、例えば、ハズレ役、リプレイ役、ベル役、チェリー役、スイカ役、BB2役、BB1役の順に大きな重み付けがなされる。
「特殊演出中」(図7(b))および「RT遊技中」(図7(c))においても、上記と同様に、各入賞役における特別遊技(ボーナス)への当選期待度である表示ラインパターンの種類(1ライン、Xライン、5ライン、Vライン)へのライン振分率(ライン現出率)が、図7(b)〜図7(c)に示す抽選テーブルの表に従って決定される。ボーナスへの当選期待度は1ライン、Xライン、5ライン、Vラインの順に大きくなるようにクラス分けされており、1ラインは期待度が低、Xラインは期待度が中、5ラインは期待度が大、Vラインは期待度が最大(ボーナス当選確定)である。
これらの表の対比から分かるように、特殊演出中(図7(b))およびRT遊技中(図7(c))であれば、当選期待度が中クラスのXラインまたは当選期待度が大クラスの5ラインの表示ラインパターンに基本的に振り分けられ、当選期待度低の1ラインの表示ラインパターンは現出しない。当選期待度が最大クラスであるVラインの表示ラインパターンへの振り分けが現出するのは、一般遊技中(図7(a))、特殊演出中(図7(b))またはRT遊技中(図7(c))のいずれにおいても、BB1またはBB2の入賞役に当選した場合(リプレイ役との重複当選およびその他の小役との重複当選した場合を含む)である。また「BB遊技中」(図7(d))においては、入賞役(ハズレ役、リプレイ役、ベル役、チェリー役、スイカ役)の種類に関わらず、いずれかの入賞役への当選があった場合は、全て当選期待度が大きい5ラインの表示ラインパターンに振り分けられ、1ライン、Xライン、Vラインは現出しない。
しかし、入賞役の各表示ラインパターンへの振分の仕方は、図7に示したものに限られるものではなく、自由に決定することができる。
なお、副回胴の変動を停止する際には、使用する図柄配列帯50の種類と、その図柄を表示するライン要素を決定するために停止制御抽選テーブル(図示せず)が参照される。
<副回胴制御>
液晶画像表示画面19に表示される副回胴には、変動表示窓21に表示される図柄が変動することによる「デフォルト回胴」と、変動表示窓21とは別に演出により画像表示される図柄が変動することによる「演出回胴」の2種類がある。
「デフォルト回胴」は、液晶画像表示画面19に変動表示窓21により表示される図柄変動により現出する副回胴で、普段は図2に示すような1ラインの変動表示窓21による表示であるが、チャンス発生時にライン数が増えたり、エフェクトが追加されたり、表示図柄が変化したりするものである。変動表示窓21の並びによる1ライン、Xライン、5ライン、Vラインといった表示ラインパターンにおける変動表示窓21での図柄変動は、このデフォルト回胴に含まれる。
これに対し、「演出回胴」は、変動表示窓21とは別に、液晶画像表示画面19に、いわゆる背景演出として画像表示されるものである。本発明においては、当選連続演出の終了時において、連続演出中に表示されていなかった副回胴が示すべきであった呈示図柄もしくは連続演出の結果が当選を告知する特別入賞役の図柄を遊技者に報知するための報知図柄20も、この演出回胴と同じく、液晶画像表示画面19に、背景演出の一種である演出図柄として画像表示されるものである。
主回胴の実際の停止制御(出目の選択)は、この副回胴の挙動と同時に制御して行く。副回胴の回転と停止の制御は、ともに図6(a)に示す変動表示窓21に現出させるべき表示コマ番号で制御する。このため、全てのコマ番号用に「回転中」、「停止エフェクト」、「非表示」などの液晶コマンドを用意して、副制御部23側で制御する。
ここで「回転中コマンド」とは、主制御部22からの回転開始コマンド(入賞役や遊技状態の情報を含む)を受けて、演出制御部35が液晶制御部36に対して、変動表示窓21に表示されるべき図柄を指示するデータ、すなわち副回胴の装飾図柄を指示する図柄指示データが、回転(変動)していることを通知するコマンドである。この回転中コマンドは、表示ラインパターンの種類である1ライン、Xライン、5ライン、Vラインなどの別を明らかにする情報も含んでおり、表示ラインパターン指示コマンドとしての性格も有する。すなわち、演出制御部35は、表示ラインパターンが「1ライン」のときは、「“2”“5”“8”回転中用」の液晶コマンドを送信する。表示ラインパターンが「Xライン」のときは、「“1”“3”“5”“7”“9”回転中用」の液晶コマンドを送信する。表示ラインパターンが「5ライン」のときは、「“1”〜“9”回転中用」の液晶コマンドを送信する。表示ラインパターンが「Vライン(プレミア)」のときは、「“1”“2”“6”“7”“8”用」の液晶コマンドを送信する。
スタートスイッチ11のレバー操作時に、上記1ライン、Xライン、5ライン、Vラインなどの回転中コマンドのいずれかが、演出制御部35から送信された場合、液晶制御部36は、その1コマンドで、当該表示ラインパターンを構成する全ての変動表示窓21を出現させ、それらの変動表示窓21に回転中の副回胴の図柄配列帯50を表示させる。従って、スタートスイッチ11を押した瞬間に、液晶画像表示画面19内に表示ラインパターンが現出し、かつその変動表示窓21内に副回胴の図柄配列帯50の図柄が変動表示されている状態となる。
つぎに、演出制御部35は、「停止ボタン左」「停止ボタン中」「停止ボタン右」のコマンド(停止順情報を含む)や、「左回胴停止」「中回胴停止」「右回胴停止」のコマンド(主回胴の停止位置情報を含む)や、全回胴停止コマンド(入賞ライン情報と入賞役情報を含む)を受け、「停止エフェクト」のコマンドを液晶制御部36に送信し、変動表示窓21の図柄表示について、所定の停止エフェクトを伴わせて停止させる。ここに「停止エフェクト」とは、副回胴の変動を停止させる際に伴わせる変化(停止の仕方)に関する演出であり、「通常停止」、「消灯停止」、「滑り停止」、「バウンド停止」、「枠増え停止」などの種類がある。これらの「停止エフェクト」は、表示ラインパターンの種類と停止スイッチを押した場所とに関連付けられて、第1停止ボタンを操作した際に抽選により決定される。上述の全回胴停止コマンドも「停止エフェクト」コマンドの1として、液晶制御部36へ送信される。
その後、例えば第1番目に左の停止スイッチ2aが押された場合、演出制御部35は、表示ラインパターンが1ラインのときはコマ番号“2”の変動表示窓21(左回胴中段窓)の変動表示を停止し、Xラインのときはコマ番号“1”“3”の変動表示窓21(左回胴上下段窓)の変動表示を停止し、5ラインのときは“1”“2”“3”の変動表示窓21(左回胴上中下段窓)の変動表示を停止するように制御する。ついで、第2番目に中の停止スイッチ2bが押された場合、表示ラインパターンが1ラインまたはXラインのときはコマ番号“5”の変動表示窓21(中回胴中段窓)の変動を停止し、5ラインのときは“4”“5”“6”の変動表示窓21(中回胴上中下段窓)を停止する。そして、第3番目に右の停止スイッチ2cが押された場合、表示ラインパターンが1ラインのときはコマ番号“8”の変動表示窓21(右回胴中段窓)を停止し、Xラインのときはコマ番号“7”“9”の変動表示窓21(右回胴上下段窓)を表示し、5ラインのときは“7”“8”“9”の変動表示窓21(右回胴上中下段窓)を停止する。
スタートレバーの操作時、すなわちスタートスイッチ11がONした際、停止スイッチがONした際、主回胴が全停止した際、演出制御部35は、表示ラインパターンに関し、上記の液晶コマンドを液晶制御部36へ送信する。これを受けて液晶制御部36は、所定のパターンで変動表示窓21を表示し、この変動表示窓21内にデフォルト回胴として副回胴の装飾図柄を変動表示し、かつ停止させることになる。
また、液晶制御部36は、連続演出中の上記デフォルト回胴の図柄表示を禁止し、連続演出の終了時(通常は連続演出終了直後のベットコマンドを受けたとき、連続演出中に特別入賞役に当選したときは当該ゲームにおける全停止コマンドを受けたとき)、演出回胴の呈示図柄に対応する報知図柄20を液晶画像表示画面19に表示させることになる。すなわち、液晶画像表示画面19に表示する図柄内容については上記デフォルト回胴の図柄(副回胴の装飾図柄)と同じであるが、このデフォルト回胴とは別に用意された報知用の演出図柄が、報知図柄20として表示される。
<停止制御>
主制御部22で抽選された入賞役および停止制御により定まる停止位置に応じて主回胴2の停止図柄が決定される。そして、この主回胴の停止図柄に対応して副回胴の装飾図柄が決定される。この停止制御の仕方を、副回胴の表示ラインパターンの1つである「1ライン」が選択された場合を例にして説明する。
(A)まず「ハズレ役」の入賞役に主制御部22で内部当選した場合について説明する。停止スイッチ12a、12b、12cを押すことで、主回胴2a、2b、2cが停止制御される。具体的には、主回胴停止信号回路33から主回胴停止信号が発生され、この主回胴停止信号を受けて、入賞役抽選手段によって決定された入賞役(内部当選フラグ)に基づき、入賞役を構成する図柄が有効入賞ライン上に揃うように所定のコマ数を引き込み制御可能な回胴停止制御テーブルを用い、目的とする位置に主回胴2a、2b、2cが停止制御される。この主回胴2a、2b、2cの停止した位置に副回胴の停止した呈示図柄の表示を対応させるため、停止完了時に、主回胴2a、2b、2cがどの位置で止まったかが主回胴位置検出回路32で検出され、主制御部22の側から副制御部23の側に送信される。
第1停止した主回胴2aの停止位置の3コマ分(上中下段のコマ)から、副回胴の第1停止時に使用する表示ラインパターンが、横3ライン(上横ライン、中横ライン、下横ライン)の中から1/3の確率で決められ、あとは副回胴の変動表示が、主回胴2a、2b、2cの停止位置に対応する副回胴の図柄位置で止められる。ここではハズレ役に当選した場合を想定しているので、停止図柄はかってにばらけることになる。
(B)「小役」の入賞役に内部当選し、主回胴2a、2b、2cにこれらに対応する図柄が止まった場合は、副回胴側では、この停止図柄に対応して装飾図柄を揃える。これら停止図柄の止まった位置に対応させるため、停止完了時に停止図柄がどの位置で止まったかの停止位置情報を、主制御部22から副制御部23に送信する。
(C)次に、重複小役(フラグ間での当選を含む)に当選した場合について説明する。
ここで「フラグ間での当選」とは、次のような場合をいう。すなわち、主制御部22は、通常は、入賞役に対応する図柄が揃うように引き込み制御を行って停止する。ただし、停止操作したときの回胴位置によっては最大滑りコマ数範囲内に入賞図柄がない場合もある。例えばビッグボーナス当選後に、当該ボーナス役図柄の目押しに失敗した場合、具体的にはコマ数範囲内でボーナス役図柄がなく、入賞ライン上に図柄を引き込めなかった場合において、ボーナス役図柄が揃うまでの間にベル役に当選したような場合(フラグ間で当選)することがあり得る。このように重複小役(フラグ間での当選を含む)に当選した場合は、次のようになる。
引き込み制御の一例について説明する。複数の入賞役に当選した場合は、「リプレイ役>ボーナス>小役」の順で優先的に引き込み制御を行う。ここで、リプレイ役と小役の引き込み率はそれぞれ100%(5コマ以内に図柄を配置)である場合とする。
(a)リプレイ役&ボーナス役時
リプレイ役とボーナス役に重複当選した場合、引き込み制御においてはリプレイ役の優先順位が最も高く、かつ引き込み率が100%であるため、リプレイ役図柄を引き込む(必ず揃う)。換言すれば、リプレイ役時はボーナス役図柄が同時に揃ってしまうことはなく、副回胴は通常時と同様の仕方で止められる。
(b)小役&ボーナス役時
(イ)第1停止時に該当小役(ベル役、スイカ役)と該当ボーナス役の図柄が同時に表示される場合は、小役よりもボーナス役の方が優先順位が高いため、優先的にボーナス役図柄を引き込むが、最大滑りコマ数範囲内にボーナス役図柄がないタイミングで停止操作した場合は、小役を引き込むように制御する。例えば、図8(イ)に示すように、第1の主回胴2aの上段にベル役(黄ダイヤ図柄54)、下段にボーナス役図柄(青セブン図柄52)が表示された時は、副回胴の表示ライン(1ライン)の第1マス目には、第1の主回胴2aのベル役に対応する小役のベル役図柄74を優先表示する。
(ロ)第1停止で小役とボーナス役の両方の図柄が、主回胴の有効ラインに停止している場合は、第2停止でも同様にボーナス役図柄を優先して引き込むが、ボーナス役図柄の引き込み率は100%ではないので、ボーナス役図柄を引き込めないときは小役を引き込む制御を行う。例えば、図8(ロ)に示すように、第1停止時に第1の主回胴2aの上段、下段に「ベル役の黄ダイヤ図柄54」「ボーナス役の青セブン図柄52」が停止した後、第2停止時に、第2の主回胴の上段、下段に「スイカ役の緑ダイヤ図柄56」、「ボーナス役の青セブン図柄52」が停止し、下段に青セブン図柄52がテンパイした場合、副回胴では、非テンパイの黄ダイヤ図柄54のライン(上段ライン(L2))に対応する横並び図柄「ベル役図柄74、スイカ役図柄76、変動中(下向きの矢印で示す)」を表示したままにする。このとき副回胴の表示ラインパターンは上段の1ライン(L2)なので、下段の青セブン図柄52のテンパイは副回胴に表示されない。
(ハ)ボーナス役が引き込まれる場合、すなわち、図8(ハ)に示すように、第1の主回胴2aの下段と第2の主回胴2bの下段にそれぞれ青セブン図柄52が存在し、ボーナス役図柄がテンパイしていて、第3停止時に第3の主回胴2cの下段にもボーナス役の青セブン図柄52が揃う場合(主回胴2a〜2cの下段のライン(L3)に3つとも青セブン図柄52が揃う場合)は、第3停止時に、強制的に、液晶画像表示画面19上において副回胴の中段の1ラインの図柄を、その下の遊技者に見えていない副回胴の下段図柄(青セブン図柄72揃い)で置き換え、ボーナス役図柄揃いに変換させる。この液晶画像表示画面19上の画像演出は、遊技者から見た場合、副回胴に1ラインのパターンで表示されている非ボーナス役図柄テンパイ(小役テンパイ、バラケ目含む)の表示状態が、ボーナス役図柄揃いの状態に一斉に変化するものであり、あたかも通常時の止まり方が、3つの副回胴について同時に起こる感じの画像の変化が得られる。
この実施形態では、第2停止時にボーナス役の図柄のみがテンパイする例であったが、第2停止時に小役とボーナス役の図柄がダブルテンパイするように構成することもできる。
<停止用液晶コマンド>
演出制御部35から液晶制御部36に送信される停止用液晶コマンドには、上述の停止エフェクトコマンドの内容により、「通常停止」「消灯停止」「滑り停止」「バウンド」「その他例外用」などの種類がある。
「通常停止」に関しては、変動図柄が普通に停止するパターンが、全コマ、全図柄分、用意される。「消灯停止」に関しては、変動図柄が消灯しながら停止するパターンが、全コマ、全図柄分、用意される。「滑り停止」や「バウンド」に関しては、変動図柄が滑りながらまたはバウンドしながら停止するパターンが、全コマ、全図柄分、用意される。「その他例外用」に関しては、色々な状況においての停止パターンが用意される。
以上の停止用液晶コマンドを用いて、演出制御部35は以下の停止パターンを実現する。停止パターンは、表示ラインパターンと対になったデータとして用意される。
特殊な場合を除いて、全ての停止パターンに共通なのは、停止スイッチ12a、12b、12cに対応している箇所の副回胴を止めるという点である。また、どのような順番でも、左の停止スイッチ2aが押された場合は、表示ラインパターンが1ラインの時はコマ番号“2”の変動表示窓21(左回胴中段窓)を停止表示し、Xラインの時はコマ番号“1”“3”の変動表示窓21を停止表示し、5ラインの時は“1”“2”“3”を表示する。
停止用液晶コマンドを受けて液晶制御部36により表示される「消灯停止」のパターンには、最初に押された副回胴が消灯しながら停止するように見せかける演出である「1消灯」と、最初に押された副回胴が消灯しながら停止し、次に押された副回胴が消灯しながら停止する、というように見せかける演出である「2消灯」と、全ての副回胴が消灯しながら停止する、というように見せかける演出である「3消灯」と、最初に押された副回胴が消灯しながら停止し、次に押された回胴は消灯せず、最後に押された回胴が消灯しながら停止する、というように見せかける演出である「1、3消灯」とがある。
また「滑り停止」のパターンには、最初に押された副回胴が滑りながら停止し、残りが通常停止するように見せかける演出である「1滑り」、最初に押された副回胴、次に押された副回胴が滑り停止し、残りが通常停止するように見せかける演出である「2滑り」、全ての副回胴が滑り停止するように見せかける演出である「3滑り」がある。
さらに「バウンド停止」のパターンには、最初に押された副回胴がバウンドしながら停止し、残りが通常停止するように見せかける演出である「1バウンド」、最初に押された副回胴は通常停止し、次に押された副回胴はバウンドしながら停止するように見せかける演出である「2バウンド」、最後に押された副回胴がバウンドしながら停止するように見せかける演出である「3バウンド」、最後に押された瞬間、全ての副回胴はバウンドするように見せかける演出である「全バウンド」がある。
また、「その他例外用」のパターンとしては、「枠増え停止」がある。この「枠増え停止」は、スタートレバーONで1ラインまたはXラインが選択された時に、停止スイッチを押して副回胴を停止させて行く毎に、押された位置の副回胴コマ(変動表示窓21のマス目枠)が増え、最終的に5ライン(9コマ)になるものである。
また図示してないが、1ラインのみの制御で、押された停止スイッチではない部分のコマが停止するというように見せかける画像演出が発生する「変則停止」を行わせることもできる。
<演出抽選テーブル:図9〜図13>
図9は、入賞役に応じて、予め用意された複数種類の報知演出のうちから、抽選により一種類の報知演出(特定の報知演出)を選択するための演出抽選テーブルを示したものであり、後述する演出抽選(図24のS602)において参照される。
この演出抽選テーブルは、図9から判るように、「ハズレ役」、「ベル役」、「リプレイ役」、「BB役」といった入賞役の種類ごとに、「非当選演出テーブルH」「非当選演出テーブルB」「非当選演出テーブルR」「当選演出テーブル777」といった複数種類の演出テーブルに区分されている。
これらの演出テーブルのうち、非当選演出テーブルBと当選演出テーブル777には、演出シナリオの一種である連続演出が含まれている。ここで「演出シナリオ」とは、ストーリー性を有する演出をいい、数ゲーム間継続するストーリー性を有する演出、いわゆる連続演出はその代表例である。
詳述するに、上記の演出テーブルのうち、「非当選演出テーブルB」は、図10に示すように、乱数値0〜149(選択率150/256)が「非当選演出1−B」に対応し、同様に、乱数値150〜199(選択率50/256)が「非当選演出2−B」に、乱数値200〜229(選択率30/256)が「非当選演出3−B」に、乱数値230〜239(選択率10/256)が「非当選演出4−B」に、乱数値240〜249(選択率10/256)が「非当選連続演出1−B」に、乱数値250〜255(選択率6/256)が「非当選連続演出2−B」に対応するものとして定められている。ここで「非当選連続演出1−B」とは、図11(a)に示すように、たとえばキャラクターが魚を釣り上げる演出ゲーム(捕獲ゲーム)の捕獲結果につき、1ゲーム目が失敗、2ゲーム目が失敗、3ゲーム目が失敗という内容の連続演出、すなわち特別入賞に一度も当選しなかったという非当選連続演出である。同様に「非当選連続演出2−B」も、図11(b)に示すように、捕獲ゲーム結果が3ゲームとも捕獲失敗であったという内容の非当選連続演出である。
また上記演出抽選テーブルにおける「ボーナス(BB)役」についての「当選演出テーブル777」は、図12に示すように、乱数値0〜139(選択率140/256)が「当選演出1−777」に、乱数値140〜179(選択率40/256)が「当選演出2−777」に、乱数値180〜199(選択率20/256)が「当選演出3−777」に、乱数値200〜205(選択率6/256)が「当選演出4−777」に、乱数値206〜245(選択率40/256)が「当選連続演出1−777」に、乱数値246〜255(選択率10/256)が「当選連続演出2−777」に対応するものとして定められている。ここで「当選連続演出1−777」とは、図13(a)に示すように、捕獲ゲーム結果につき、1ゲーム目が失敗、2ゲーム目が失敗、3ゲーム目が成功という内容の当選連続演出である。また「当選連続演出2−B」も、図13(b)に示すように、乱数値は異なるが、同様に捕獲演出における捕獲結果が、失敗、失敗、成功というパターンの当選連続演出である。
<図柄報知制御の概要:図14>
図14は、主回胴の停止図柄、連続演出の種類(非当選連続演出と当選連続演出の別)、演出の内容(最終演出での捕獲結果)、液晶表示による演出図柄(報知図柄)との関係を示した図である。「停止図柄」と言った場合、通常、遊技者の操作と停止制御により決定される主回胴の停止位置で表示される主回胴の特別図柄4の組合せを指すが、図14では、説明の便宜上、この停止図柄が意味する役の名称(以下「停止役」という)で表記することとし、停止役がベル役、スイカ役、リプレイ役、ボーナス(BB)役、ハズレ役である停止図柄が表記してある。
この図14は、次のことを表している。
(i)主回胴の停止図柄がベル役図柄、スイカ役図柄、リプレイ役図柄のいずれかであり、連続演出のパターンが非当選連続演出(図11の(a)または(b))で、演出が捕獲失敗であったときは、液晶画像表示画面19には、対応するベル役図柄、スイカ役図柄、リプレイ役図柄のいずれかが演出図柄(報知図柄20)として表示される(図18の(b6)参照)。しかし、停止図柄がベル役図柄、スイカ役図柄、リプレイ役図柄のいずれであっても、連続演出のパターンが当選連続演出(図13の(a)または(b))で、演出が捕獲成功であったときは、液晶画像表示画面19には、特別入賞役に当選していることを報せるため、特定の図柄表示態様(所謂リーチ目)が表示される(図18の(a5)参照)。このリーチ目の報知図柄の情報は、(i)連続演出のパターンが特別入賞役への当選を最後に告知する当選連続演出であること、(ii)その連続演出の最後の単位遊技において特別入賞役の停止図柄を揃えられなかったこと、を条件として作成されるものである。
ここで「リーチ目」とは、ボーナスフラグが立って特別入賞役に当選したことが確定しているのに、ボーナス役図柄が引き込めなかったときの出目を言う。リーチ目の図柄の代表的なものとしては、ボーナス役図柄とその代役図柄が有効ライン上に直線状に並ぶパターンや、色違いの7図柄揃いなどがある。このリーチ目の図柄も、当選連続演出の最後の単位遊技において特別入賞役の停止図柄を揃えられなかったこと、を条件として作成される。
(ii)停止図柄がボーナス(BB)役図柄であり、連続演出のパターンが非当選連続演出(図11の(a)または(b))から当選連続演出(図13の(a)または(b))に移行した場合は、演出が捕獲失敗であっても、特別入賞役に当選していることを報せるため、液晶画像表示画面19にはボーナス演出の画像が報知図柄20として表示される(図18の(c6)参照)。また連続演出のパターンが当選連続演出(図13の(a)または(b))で演出が捕獲成功であったときは、特別入賞役に当選したことを報せるため、液晶画像表示画面19にはボーナス演出の画像が報知図柄20として表示される(図18の(a4)参照)。ここに「ボーナス演出」とはボーナス遊技用に用意された演出をいう。
(iii)停止図柄がハズレ役図柄であり、連続演出のパターンが非当選連続演出(図13の(a)または(b))で、演出が捕獲失敗であったときは、液晶画像表示画面19には対応するハズレ役図柄(ハズレ目)が報知図柄20として表示される(図18の(b3)参照)。このハズレ役図柄は、主回胴の停止図柄に基づいて作成される。
しかし、停止図柄がハズレ役図柄であった場合でも、連続演出のパターンが当選連続演出(図13の(a)または(b))で演出が捕獲成功であったときは、液晶画像表示画面19には特別入賞役に当選していることを報せるため、上述したリーチ目の図柄が報知図柄20として表示される(図18の(a3)参照)。
なお、図14の演出図柄欄の中のカッコ内に示す符号b6、a5、c6、a4、b3、a3は、後述する図18との対応関係を示す。
<図柄報知制御の例:図15〜図17>
図15に非当選連続演出1−Bに抽選で当選した場合の図柄報知制御例を示す。また図16に当選連続演出1−777に抽選で当選した場合の図柄報知制御例を示す。
この図15および図16には、入賞役、停止図柄、液晶演出の三者の関係が、計3ゲームからなる連続演出の各ゲーム毎に示されている。この連続演出の間は、主回胴の特別図柄の停止制御は行われるものの、その停止図柄に対応する副回胴の呈示図柄を決定する制御(図柄制御)と副回胴の表示(副回胴の表示制御)は行われない。副回胴が表示されないことから、仮に主回胴の図柄表示態様が入賞役を推測することが難しい停止図柄の組み合わせから構成されている場合には、遊技者にとっては副回胴からも主回胴からも入賞役を報知されるルートが閉ざされることとなる。そこで、原則として、その連続演出が終了した後の次ゲームにおけるベット操作時に、直前の連続演出の最終ゲームで表示された演出結果が告知する図柄の内容が何であったかを、副回胴の呈示図柄とは別に用意された報知図柄により遊技者に報知するものである。ここで「原則として」としたのは、非当選連続演出の途中で特定入賞役に当選し、そこでボーナス演出が発生する場合(図18のa4、c6参照)があり、これを例外的なものとして考えたことによる。
図15の場合、抽選により当選した連続演出が非当選連続演出1−Bであるので、入賞役は3ゲームを通じて「ハズレ役」となっている。これを受けて停止図柄も3ゲームを通じて「ハズレ役図柄」となり、液晶画像表示画面19に表示される演出画像も3ゲームを通じて「捕獲失敗」となっている。この非当選連続演出1−Bが終了した後の第4ゲーム目のベット時には、第3ゲーム目の演出結果(捕獲失敗)で告知された呈示図柄であるハズレ役図柄に対応して、そのハズレ役図柄を表示する。
上記のように連続演出手段により実行される連続演出が「非当選連続演出」である場合には、当該非当選連続演出が終了して次の単位遊技を開始すべくベット操作がなされた時に、直前の単位遊技でなされた、入賞役抽選手段による抽選結果として決定した入賞役の内容を、報知図柄の情報として遊技者に報せる。このように図柄報知制御を行う手段(停止図柄報知手段)を設けることにより、遊技者はそれまでの連続演出で表示されなかった副回胴の図柄のうち、直前ゲーム(連続演出の第3ゲーム目)の演出結果で告知された図柄の内容が、例えばハズレ役図柄、ベル役図柄、スイカ役図柄、チェリー役図柄などのうちの、いずれの図柄であったかを知ることができることになる。
図16の場合、抽選により当選した連続演出が当選連続演出1−777であるので、入賞役は、最初の第1ゲームと第2ゲームについては「ハズレ役」「ハズレ役」であるが、第3ゲームでは特別入賞役である「ボーナス役(図では777と表示している)」が成立している。これを受けて、液晶画像表示画面19に表示される演出画像も、「捕獲失敗」「捕獲失敗」「捕獲成功」となっている。しかし、停止図柄は、第1ゲームの「ハズレ役図柄」、第2ゲームの「ハズレ役図柄」に続く、第3ゲームにおいて、遊技者が主回胴の目押しに失敗したことによりボーナス役図柄を引き込むことができず、「ハズレ役図柄」が停止した状態となっている。そこで、この当選連続演出1−777が終了した後の第4ゲーム目のベット時には、第3ゲーム目の演出結果(捕獲成功)が特別入賞役への当選を告知していることに対応して、報知図柄20としてリーチ目の図柄を液晶表示装置6に表示し、特別入賞役に当選していた旨を報知する。
上記のように、連続演出手段により実行される連続演出が「当選連続演出」である場合には、当該当選連続演出が終了して次の単位遊技を開始すべくベット操作がなされた時に、直前の単位遊技でなされた、連続演出手段の当選連続演出による演出結果が告知する図柄の内容を、報知図柄の情報により遊技者に報せる。
具体的には、図柄報知制御手段の一要素として、まず、連続演出が特別入賞役への当選を最後に告知する当選連続演出であって、その当選連続演出の最初から最後までの遊技を通じて、特別入賞役に対応する停止図柄を揃えられなかった場合に、特別入賞役への当選を報せる報知図柄の情報を作成する報知図柄情報作成手段を設ける。さらに、連続演出が当選連続演出である場合に、当該当選連続演出が終了して次の単位遊技を開始すべくベット操作がなされた時に、上記報知図柄情報作成手段により作成された上記報知図柄の情報を図柄報知装置としての主画像表示装置に伝達して、直前の単位遊技でなされた上記当選告知演出結果が告知する図柄の内容を、上記報知図柄の情報に基づき遊技者に報せる告知図柄報知手段演出告知図柄報知手段)を含ませる。このような演出告知図柄報知手段を設けることにより、遊技者は、連続演出の終了と同時に、それまで表示されていなかった副回胴の呈示図柄に関し、連続演出中の最終ゲームにおける演出結果が告知する呈示図柄が何であったかを知ることができる。そして遊技者は、報知図柄20がリーチ目の図柄であり、かつ、液晶画像表示画面19には捕獲成功の演出が現出していることの両面から判断して、特別入賞役であるボーナス役が成立していることを察知することができる。
次に図17は、3ゲームともボーナス役以外に当選することが予定されている非当選連続演出1−Bにおいて、その第3ゲーム目に特別入賞役であるボーナス役に当選してしまった場合(図18のc6参照)を示している。
この場合は、第3ゲーム目にボーナス役に当選したことが判った時点で、非当選連続演出1−B(図17の(A))から当選連続演出1−777(図17の(C))に差し替える。これは連続演出を構成する3ゲーム全体を差し替えることを意味する。この差替えにより、非当選連続演出1−Bの第3ゲーム目は、結果的に当選連続演出1−777の第3ゲーム目に置き換えられる。換言すれば、当選連続演出1−777の第3ゲーム目(停止図柄はハズレ役図柄、演出は捕獲成功)が到来したことと等価になる。しかし連続演出中であるので、このときの停止図柄に対応する呈示図柄については表示されず、捕獲成功演出のみが表示されることになる。そこで、この当選連続演出1−777が終了した後の第4ゲーム目のベット時には、第3ゲーム目の演出結果(捕獲成功)が告知する図柄の内容として、リーチ目の図柄を表示して、特定入賞役に当選していたことを報知する。
このように図柄報知制御をすることにより、遊技者は、連続演出の終了と同時に、それまで表示されていなかった連続演出中の最終ゲームにおける副回胴の呈示図柄が何であったかを、連続演出の結果が告知する図柄の内容に対応して報知される報知図柄から知ることができる。すなわち、遊技者は、報知図柄20がリーチ目の図柄であり、しかも、液晶画像表示画面19には捕獲成功の演出が現出していることから、特別入賞役であるボーナス役が成立していることを察知することができる。
<本実施の形態における図柄報知制御:図18〜図28>
図18は、3ゲームからなる連続演出中に生じる入賞役、停止図柄、演出内容と、連続演出後のベット時に表示される演出図柄(報知図柄)との関係を例示したものである。この図18の図柄報知制御例に従い、図19〜図28を参照しながら、上述した表示制御装置における図柄報知制御の仕方について説明する。
(メイン処理:図19)
図19は演出制御部35におけるメイン処理の手順を示すフローチャート、図20は演出制御部35におけるコマンド受信割り込み処理の手順を示すフローチャート、図21は演出制御部35におけるタイマ割り込み処理の手順を示すフローチャートである。
先ず、図19を参照して、演出制御部35によって実行されるメイン処理について説明する。
遊技機本体に対して外部から電源が投入され、電源が投入された旨の信号を受信した演出制御部35は、図19に示す処理(演出制御部側メイン処理)を開始する。
まず、図19に示す初期設定処理(S101)において、演出制御部35は、演出用CPU37、演出用RAM39等の初期化を行った後(S101)、電源の遮断(電源断)が発生していなければ(S102:NO)、演出パターン用乱数更新処理を実行する(S103)。この演出パターン用乱数更新処理では、特定の演出が規則的に発生してしまうことを防止するため、演出パターンを抽選するために用いる乱数を定期的に更新する。例えば、後述する入賞役に応じて演出内容を抽選により決定する処理(S602)などにおいて、演出が規則的に発生してしまうことを防止するために、この演出パターン用乱数更新処理が行われる。
次いで、割り込み許可(S104)、割り込み禁止(S105)、ウッチドックタイマクリア(S106)の各処理を行い、再びステップS102に戻り、上記の処理(S102〜S106)を繰り返す。この途中で電源の遮断(電源断)が発生した場合は(S102:YES)、バックアップ処理を行う(S107)。
この液晶画像表示装置6のための画像表示処理に対しては、種々の割り込み処理がなされる。代表的には次の二種類がある。一つはコマンド受信割り込み処理(図20)であり、他の一つは、一定時間間隔(2ms)ごとに発生するタイマ割り込み処理(図21)である。
(コマンド割込処理;図20)
コマンド受信割り込み処理(図20)は、主制御部22から送られてくる「回転開始コマンド(入賞役や遊技状態の情報を含む)」や、「回胴起動(回胴回転)コマンド」や、「停止ボタン左」「停止ボタン中」「停止ボタン右」の各コマンド(順押し、逆押し、ハサミ押し等の「停止順情報」を含む)や、「左回胴停止」「中回胴停止」「右回胴停止」の各コマンド(主回胴の「停止位置情報」を含む)や、「全回胴停止(入賞ライン情報と入賞役情報が含む。)」のコマンドや、ベットコマンドなどの種々のコマンドを、演出用RAM39などのメモリに格納する処理である(S201)。このコマンド受信割り込み処理は、次に述べるタイマ割り込み処理(図21)よりも優先して処理される。
(タイマ割込処理;図21)
タイマ割り込み処理(図21)は、一定時間間隔(2ms)ごとに発生するタイミングについて、「メニューボタン入力処理」、「コマンド解析処理」、「演出シナリオ実行処理」、および「液晶コマンド送信処理」を順次行う処理である(S301〜S304)。
この図21のタイマ割り込みでは、まずメニューボタン入力処理がなされる(S301)。図1に示す遊技機の正面右上に設けられている操作ボタン46を操作することで発生する遊技履歴(例えば、前回のBBのゲーム数の履歴)、チャンス目(BBの当選チャンスとなる出目)の解説表示などの選択情報が、受け付けられる(S301)。次いで、主制御部22から来る種々のコマンドの内容を解析するコマンド解析処理がなされる(S302)。このコマンド解析処理は、コマンド受信割り込み処理(図20)のステップS201においてメモリ(演出用RAM39)に格納されたコマンドを毎回読み取って行われる。従って、上記のコマンド受信割り込み処理(図20)で優先的に常に新しいものに更新されたコマンドが、コマンド解析処理(S302)で処理されることになる。
次いで、発光演出や音演出に関する演出シナリオ実行処理(S303)がなされる。そして、これらの処理(S301〜S303を経た後、演出制御部35からの液晶コマンドが、液晶コマンド送信処理(S304)によって液晶制御部36に送られる。本実施形態では、液晶画像表示装置6の画面において2ms毎に描画が行われ画像が変化するようになっている。
上述のコマンド解析処理、演出シナリオ抽選処理、演出シナリオ実行処理について、以下に詳述する。
(コマンド解析処理S302(図21):図22)
図22にコマンド解析処理(S302)の詳細を示す。このコマンド解析処理では、演出制御部35で受信されメモリに格納されたコマンドが、「ベットコマンド」であるか、「回転開始コマンド(図22中では開始コマンドと略す)」であるか、「全回胴停止コマンド(図22中では全停止コマンドと略す)」であるか、「その他のコマンド」であるかを、図22のフローに従い、順次チェックする(S401〜S410)。
<当選連続演出態様a>
以下に述べる処理(図22〜図27)では、図18中に示す連続演出の態様a、b、cのうち、まず当選連続演出態様a(a1−a2−a3、a4、a5)に従って処理が行われるケースから説明する。
(1)第1ゲーム目(図18のa1)
図18中に示す連続演出の態様aにおける第1ゲーム目(a1)は、スタートスイッチ11のレバーが操作された時に「ベル役」と「ボーナス役」に重複当選し、このとき遊技者の操作と停止制御により停止された主回胴の停止図柄がベル役に対応する「ベル役図柄」であり、全停止時の演出内容が捕獲失敗であった場合である。
(ベットコマンド処理S402:図23)
図22のコマンド解析処理において、受信したコマンドがベットコマンドである場合(S401:YES)、ベットコマンド処理(S402)を行って、図21のステップS302にリターンする。
ここで、ベットコマンドは、遊技メダルがベットされた状態を通知するものである。すなわち、前回のゲームの結果としてリプレイゲームの権利が発生している場合か、遊技メダル投入口7より少なくとも1枚以上の遊技メダルが投入された場合か、主制御用RAM27に少なくとも1枚以上の遊技メダルがクレジットとして記憶されている状態で1ベットスイッチ9或いはマックスベットスイッチ8が操作された場合かの何れかに該当することを、遊技メダルがベットされた状態であるとして通知するコマンドである。ここでは説明の便宜上、何らかのベット操作がなされることで、このベットコマンドが生成されるとして説明するが、このベット操作には遊技者によるベット操作のみならず、リプレイゲームの権利が発生したときに制御部が自動的に遊技メダルを仮想投入して行うベット操作の双方が含まれる。なお、以下の説明においては、ベット操作がなされたベット時に、遊技メダルがベットされた状態が生じるものとして説明する。
図23に上記ベットコマンド処理の詳細を示す。このベットコマンド処理においては、まず、後述する停止コマンド処理(図25)中でフラグが立てられる連続演出終了フラグがONであるか否かをチェックする(S501)。現在の遊技状態が一般遊技中であるとすると、連続演出終了フラグはOFFでありステップS501の判断はNOとなる。この連続演出終了フラグがOFFの場合は、ステップS508に進み、ベット時の効果音やランプ表示や画像表示(例えば投入枚数表示)などによる演出内容を決定する処理(S508)だけを行い、図21のフローに戻る。なお、本処理で決定されたベット時の演出は、投入音や遊技メダル投入表示に関しては後述する演出シナリオ実行処理(S303)で出力処理がなされ、演出画像に関しては後述する液晶コマンド送信処理(S304)で出力処理がなされる。
(開始コマンド処理S404:図24)
スタートスイッチ11が操作されると、演出用CPU37は、主回胴の回転開始時の演出処理を行う。すなわち、図22のコマンド解析処理において、受信したコマンドが「回転開始コマンド」である場合(S403:YES)、開始コマンド処理(S404)を行って、図21のステップS302にリターンする。
図24に、この開始コマンド処理の詳細を示す。この開始コマンド処理では、まず連続演出中であるかどうかを判断する(S601)。後述する連続演出ゲーム数カウンタの数値n(S604でセットされる)がn>0であれば、連続演出中であるとして判断される。現在、一般遊技中であるとするとn=0であり、ステップS601の判断はNOとなり、連続演出中でないことが確認される。そこでステップS602に進み、入賞役に応じて予め用意された複数種類の報知演出のうちから、抽選により一種類の報知演出(特定の報知演出)を選択する演出抽選を行う(S602)。上記の報知演出の演出抽選には、図9に示す演出抽選テーブルが使用される。
次に、ステップS603に進み、上記演出抽選(S602)による抽選結果が、連続演出に当選であったか否かを判断する(S603)。
ここで連続演出に当選したものとすると、ステップS603の判断はYESとなり、ステップS604に進み、連続演出ゲーム数カウンタの値nを初期値の連続演出ゲーム数にセットする。この例では連続演出ゲーム数nをn=3にセットする(S604)。次いで、液晶画像表示画面19における入賞役に対応した呈示図柄の制御を禁止する(S605)。また、液晶画像表示画面19における副回胴の表示を禁止する(S606)。具体的には、液晶画像表示画面19に副回胴の装飾図柄を1ラインやVラインやFライン等のライン状に並べて表示することに関し、その副回胴のライン表示窓およびその窓内に表示する装飾図柄の双方の表示を禁止する。しかしライン表示窓を見えるように残しておくこともできる。
その後、当該連続演出における第1ゲーム目の演出データ(図18のa1に示す捕獲失敗の演出データ)をセットし(S607)、図21のフローにリターンする。ここでセットされた演出データを、演出シナリオ実行処理(S303)、液晶コマンド送信処理(S304)で出力することになる。
上記した呈示図柄の表示禁止処理(S606)により、連続演出中は、副回胴の表示ラインが液晶画像表示画面19から消失し、液晶画像表示画面19には表示ラインの無い演出画像、すなわち背景演出画像だけが表示されることになる。また、その背景演出画像としては、上記した演出データのセット処理(S607)によりセットされる第1ゲーム目の演出内容、たとえば当選連続演出1−777または2−777における1ゲーム目の捕獲失敗の演出として、図18のa1に示す捕獲失敗の演出データの内容が表示されることになる。
なお、一般遊技中の上記演出抽選(S602)において連続演出に当選しなかった場合(S603:NO)、その一般遊技中の当該ゲームの演出データをセットする(S607)。
(停止コマンド処理S406:図25)
続いて図25に詳細を示す停止コマンド処理に入る。この停止コマンド処理においては、まず連続演出中(n>0)であるかどうかを判断する(S701)。現在はn=3であり、連続演出中(S701:YES)であるので、3個の停止スイッチが順次押されたときに表示する第1停止時〜第3停止時の演出を決定する「停止時演出の決定処理」を行う(S702)。これで第1ゲーム目の停止時において、液晶画像表示画面19に表示させる背景演出が決定されたことになる。
続いて、通常ならば、ここで主回胴が停止した際に液晶画像表示装置6に表示する副回胴の呈示図柄を決定する図柄制御を行うが、本実施形態ではこの図柄制御は行わない。連続演出中は、副回胴の表示を禁止して表示しないこととしており、表示しない副回胴に関し、その図柄制御をするのは無意味だからである(S606参照)。
ここで、第1ゲームから第2ゲームへ移行するため、連続演出ゲーム数を1減算する(S703)。連続演出ゲーム数はn=2となる。
続いて、連続演出が終了(n=0)となったか否かを判断する。現在はn=2となっており、連続演出はまだ終了していない(S704:NO)ので、プログラムは図22のフローに戻る。
なお、ステップS701において連続演出中でないと判断された場合は、ステップS706に進み、通常遊技の演出処理を行うと共に(S706)、主回胴の停止位置に応じた呈示図柄(副回胴の装飾図柄)を決定し(S707)、図22のフローに戻る。
(全停止コマンド処理S407:図26)
3つの主回胴が全て停止し、図22のコマンド解析処理で全回胴停止コマンド(全停止コマンドと略す)を受信した場合(S407:YES)、全回胴停止時の演出処理である全停止コマンド処理(S412)を行う。
図26は、この全停止コマンド処理の詳細を示したもので、ステップS607でセットした演出データに応じた演出を行う(S801)。ここでは、1ゲーム目の捕獲失敗の演出(図18のa1)を液晶画像表示画面19に表示させ、図21のステップS302にリターンする。
次に、上記したベットコマンド、回転開始コマンド、第1停止コマンド〜第3停止コマンド、全回胴停止コマンド以外の「その他のコマンド」を受信した場合(S409:YES)、それらのコマンドに応じた演出処理(S410)を行って、図21のステップS302にリターンする。
(演出シナリオ実行処理S303(図21):図27)
続いて図21のタイマ割り込み処理において、第1ゲーム目の演出シナリオ実行処理(S303)を行う。すなわち図27に示す演出シナリオ実行処理に移行し、演出シナリオのうち、液晶画像表示画面19に表示すべき演出画像や、LEDの発光演出やスピーカの音演出といった演出処理を実行する。具体的には、上記のように演出抽選テーブル(図9)より抽選により選択された演出態様ないし演出シナリオの演出画像と、これに従った音演出出力(S901)およびランプ演出出力(S902)を行わせる。
(液晶コマンド送信処理S304(図21))
最後に、図21のタイマ割り込み処理において行われる液晶コマンド送信処理(S304)では、上記演出や図柄の表示に関する情報のコマンドを演出制御部35から液晶制御部36に送信し、それらの演出や図柄を液晶画像表示画面19に表示させる。
(2)第2ゲーム目(図18のa2)
上記第1ゲーム目に続いて、第2ゲーム目(図18のa2)が開始する。この第2ゲーム目は、スタートレバーが操作された時に「ハズレ役(ボーナス役は持ち越し)」に当選し、このとき遊技者の操作と停止制御による主回胴の停止図柄が「ハズレ役図柄」であり、全停止時の演出内容が捕獲失敗であった場合である。
(ベットコマンド処理S402:図23)
上記に続いて、第2ゲーム目のベット操作によりベットコマンドが発生され、図22のコマンド解析処理において受信され(S401:YES)、第2ゲーム目のベットコマンド処理(S402)に入る。
第2ゲーム目のベットコマンド処理(図23)においては、まず、連続演出終了フラグONかどうかを判断する(S501)。現在、遊技状態は連続演出中の2ゲーム目であり、連続演出終了フラグはOFFである。そこで、ステップS501の判断はNO)となるので、ステップS508に進み、ベット時の音と表示を決定する処理(S508)を行い、図22のフローに戻る。
続いて第2ゲーム目のスタートスイッチ11が操作される。この時点で、図22のコマンド解析処理において回転開始コマンドが受信され(S403:YES)、第2ゲーム目の開始コマンド処理(S404)に入る。
第2ゲーム目の開始コマンド処理(図24)では、連続演出中(n>0)であるかどうかを判断する(S601)。現在、連続演出の第2ゲーム目(n=2)であるから、ステップS601の判断はYESとなる。
ここで、この連続演出中(第2ゲーム目)に新たにビッグボーナス(BB)に当選したか否かを判断する(S608)。
当選連続演出1−777、2−777(図13(a)(b))、非当選連続演出1−B、2−B(図11(a)(b))のいずれの演出パターンでも、第2ゲーム目においては捕獲失敗である。図18のa2で説明すると、第2ゲーム目に、ボーナス役が持ち越された状態でハズレ役に当選し、主回胴がハズレ役図柄で停止し、演出が捕獲失敗であった場合である。
このため、ここではビッグボーナス(BB)に当選していないこと(S608:NO)が確認される。そこで当該第2ゲームの演出データをセットして、開始コマンド処理を抜ける。
なお、詳細は後述するが、ビッグボーナス(BB)に当選した場合(S608:YES)、連続ゲーム数に対応する連続演出用演出に差し替え(S609)、その後、当該ゲームの演出データをセットすることになる(S607)。
第2ゲーム目の停止スイッチが操作されると、図22のコマンド解析処理において停止コマンドが受信され(S405:YES)、停止コマンド処理(S406)に入る。
図25に示す停止コマンド処理(第2ゲーム目)においては、連続演出中(n>0)であるかどうかが判断される(S701)。まだ連続演出の第2ゲーム中であり、n=2となっているため、連続演出中であることが確認される(S701:YES)。そこで、停止時演出の決定処理として、上述した第1停止時〜第3停止時の演出が決定される(S702)。
その後、第2ゲーム目から第1ゲーム目へ移行するため、連続演出ゲーム数を1減算する(S703)。ここで連続演出ゲーム数はn=1となる。続いて、連続演出が終了(n=0)したか否かを判断する(S704)。現在はn=1で連続演出中であるので、ステップS704の判断はNOとなり、プログラムは図22のフローに戻る。
第2ゲーム目の図22のコマンド解析処理において、全停止コマンドを受信すると(S407:YES)、全停止コマンド処理(S412)に入る。
図26の全停止コマンド処理(第2ゲーム目)において、ステップS607でセットした演出データに応じた演出を行い(S801)、図21のステップS302にリターンする。
次に、受信したコマンドが、上記したベットコマンド、回転開始コマンド、第1停止コマンド〜第3停止コマンド、全回胴停止コマンド以外の「その他のコマンド」である場合(S409:YES)は、それらのコマンドに応じた演出処理(S410)を行って、図21のステップS302にリターンする。
続いて図21のタイマ割り込み処理において、第2ゲーム目の上述した演出シナリオ実行処理(S303)、液晶コマンド送信処理S304を行う。
(3)第3ゲーム目(図18のa3〜a5)
上記第2ゲーム目に続いて、第3ゲーム目(a3〜a5)が開始される。この第3ゲーム目では、スタートレバー操作時にベル役に内部当選しており、ボーナス役の777図柄は第1ゲームから順次に持ち越されている。この状態下において、a3に示した形態は、遊技者の操作と停止制御による主回胴の停止図柄が「ハズレ役(ボーナス役図柄の目押し失敗)」であり、全停止時の演出内容が「捕獲成功」であった場合である。また、a4に示した形態は、主回胴の停止図柄が「ボーナス役(ボーナス役図柄の目押し成功)」であり、全停止時の演出内容が「ボーナス演出」であった場合である。そして、a5に示した形態は、主回胴の停止図柄が「ベル役(ボーナス役図柄の引き込みに失敗してベル役図柄が揃った場合)」であり、全停止時の演出内容が「捕獲成功」であった場合である。
具体的には、第3ゲーム目のベット操作により、ベットコマンドが発生され、このベットコマンドが第3ゲーム目の図22のコマンド解析処理において受信され(S401:YES)、第3ゲームのベットコマンド処理(S402)に入る。
この図23のベットコマンド処理(第3ゲーム目)においては、まず、連続演出終了フラグがONであるか否かがチェックされる(S501)。現在、遊技状態は連続演出中の3ゲーム目であり、連続演出終了フラグはOFFであるので、ステップS501の判断はNOとなる。そこでステップS508に進み、ベット時の音と表示を決定する処理(S508)だけを行い、図22のフローに戻る。
第3ゲーム目のスタートスイッチ11が操作される。これにより、図22のコマンド解析処理において、回転開始コマンドが受信され(S403:YES)、第3ゲームの開始コマンド処理(S404)に入る。
図18のa1〜a5に示した形態は、スタートレバー操作時にベル役が当選(ボーナス役の777図柄は第1ゲームから持ち越し)しているが、主回胴の停止図柄はハズレ役(ボーナス役図柄の目押し失敗)、ボーナス役(ボーナス役図柄の目押し成功)、ベル役(ボーナス役図柄よりも優先的な引き込み)に対応する特別図柄であったケースを示している。
図24の開始コマンド処理(第3ゲーム目)で、まず連続演出中(n>0)であるかどうかを判断する(S601)。現在、連続演出の第3ゲーム目(n=1)であるため、ステップS601の判断はYESとなる。
ここで、連続演出中に主制御部22で新たにビッグボーナス(BB)に当選(内部当選フラグ成立)したか否かを判断する(S608)。新たにビッグボーナス(BB)の当選はなかった場合(S608:NO)、何もしないでステップS607に進み、当該ゲームの演出データをセットする(S607)。
しかし、新たにビッグボーナス(BB)に当選した場合(S608:YES)、連続ゲーム数に対応する連続演出用演出に差し替え(S609)、その後、当該ゲームの演出データをセットする(S607)。このケースについては、図18に形態c(c3、c6)として後述する。
今取り扱っているのは、図18のa1〜a5に示した形態であり、これは第3ゲーム目に捕獲演出の結果が成功またはボーナス演出となる当選連続演出、すなわち図13(a)の当選連続演出1−777または図13(b)の当選連続演出2−777である。
図18のa1〜a5に示した形態では、主回胴の停止図柄と全停止時の演出内容とが次の関係にある。すなわち、主回胴の停止図柄がハズレ役(ボーナス役図柄の目押し失敗)の場合に捕獲成功の演出が出現し、ボーナス役(ボーナス役図柄の目押し成功)の場合にボーナス演出が出現し、ベル役(ボーナス役図柄が引き込まれずベル役図柄が揃った)の場合にベル役図柄揃いが現出する。
第3ゲーム目の停止スイッチが操作されることで、図22のコマンド解析処理において、停止コマンドが受信され(S405:YES)、開始コマンド処理(S406)に入る。
図25に示す停止コマンド処理において、まず連続演出中(n>0)であるかどうかを判断する(S701)。まだ連続演出の第3ゲーム中であり、n=1となっているので、ステップS701の判断がYESとなる。そこで、第3ゲーム目における停止時演出の決定処理を行う(S702)。この停止時演出の決定処理では、上記したような第1停止時〜第3停止時の演出処理が行われる。
その後、連続演出ゲーム数を1減算する(S703)。連続演出ゲーム数はn=0となる。続いて、連続演出が終了(n=0)か否かを判断する。現在は、n=0で連続演出終了となっているので、ステップS704の判断はYESとなる(S704:YES)。そこで連続演出終了フラグをONにして(S705)、プログラムは図22のフローに戻る。
第3ゲーム目の図22のコマンド解析処理において、全停止コマンドを受信すると(S407:YES)、全停止コマンド処理(S412)に入る。
図26の全停止コマンド処理(第3ゲーム目)において、ステップS607でセットした演出データに応じた演出を行い(S801)、図21のステップS302にリターンする。
次に、その他のコマンドを受信した場合(S409:YES)は、そのコマンドに応じた演出処理(S410)を行って、図21のステップS302にリターンする。
続いて図21のタイマ割り込み処理において、上述した演出シナリオ実行処理(S303)、液晶コマンド送信処理S304を行う。
(4)第4ゲーム目
上記に続いて、第4ゲーム目のベット操作によりベットコマンドが発生する。
第4ゲーム目における図22のコマンド解析処理において、ベットコマンドが受信されると(S401:YES)、連続演出の次の単位遊技である第4ゲーム目のベットコマンド処理(S402)に入る。
このベットコマンド処理(図23)では、まず、連続演出終了フラグがONであるか否かをチェックする(S501)。現在、連続演出は終了(連続演出終了フラグ:ON)している。従って、ステップS501の判断はYESとなる。
次に、現在の連続演出のパターンが当選連続演出であるか否かをチェックする(S502)。その結果、当選連続演出である場合は(S502:YES)、直前の単位遊技、この例では連続演出終了ゲーム(上記第3ゲーム目)でなされた連続演出による演出結果が告知する内容(図柄情報)を、遊技者に報知する報知図柄20の表示データとする(S503)。具体的には、当選連続演出でありながら最後まで特別入賞役の停止図柄を揃えられなかった最終の単位遊技である、ということを条件に、特別入賞役への当選を報せる報知図柄の情報を作成し、これを液晶表示装置6に送って報知図柄を表示させる。
しかし、現在の連続演出のパターンが非当選連続演出である場合は(S502:NO)、直前の単位遊技すなわち連続演出終了ゲーム(上記第3ゲーム目)における主回胴の停止図柄の内容(図柄情報)を報知図柄20の表示データとし(S504)、これを液晶表示装置6に送って報知図柄を表示させる。
そして、副回胴の呈示図柄の制御の禁止および副回胴の表示の禁止を解除する(S505、S506)。副回胴の表示の禁止の解除は、具体的には、液晶画像表示装置6による副回胴の装飾図柄のライン表示の禁止を解除する。具体的には、液晶画像表示画面19に副回胴の装飾図柄を1ラインやVラインやFライン等のライン状に並べて表示することに関し、その副回胴のライン表示窓およびその窓内に表示する装飾図柄の双方の表示の禁止を解除する。
従って、直前ゲーム(連続演出終了ゲーム)での連続演出の結果が捕獲成功である場合に、主回胴の停止図柄がハズレ役図柄またはベル役図柄であったときは、液晶画像表示画面19には、副回胴による呈示図柄とは別に、演出図柄による報知図柄20として、連続演出の結果(捕獲成功)が告知する図柄に対応するリーチ目の図柄を動的または静的に画像表示することになる。また、主回胴の停止役図柄がボーナス役図柄であった場合は、当該第3ゲーム目でボーナス演出が発生し、第4ゲーム目のベット時の報知図柄20としては、対応するボーナス役図柄(ボーナス中演出)を動的または静的に画像表示することになる。ここに「ボーナス中演出」とは、ボーナス演出が行われている途中の演出である。
図18のa1〜a5に示した形態で説明すると、主回胴の停止図柄がハズレ役図柄で演出が捕獲成功の場合(図18のa3)はリーチ目の図柄が出現し、停止図柄がボーナス役図柄で停止時の演出がボーナス演出の場合(図18のa2)はその後のボーナス遊技のためのベット時の演出が出現し、ベル役の場合はリーチ目の図柄が出現する。
また、図18のa3〜a5に示した形態は、1ゲーム目に重複当選したベル役とボーナス役のうち、ボーナス役が持ち越されていることを前提としている。このうち図18のa3の形態は、主回胴の停止図柄がハズレ役図柄(目押し失敗による)であるが、演出は上記ボーナス役を反映して捕獲成功となっているので、この場合は4ゲーム目のベット時に、液晶画像表示装置6にリーチ目の図柄を表示させる。
図18のa4の形態では、主回胴の停止図柄がボーナス役図柄(ボーナス役図柄の目押し成功)であり、演出がボーナス演出であるので、その後のボーナス遊技をベット時より開始させる。
同様に、図18のa5の形態では、主回胴の停止図柄がベル役図柄(ボーナス役図柄の引き込みに失敗してベル役図柄が揃った場合)であるが、演出は上記ボーナス役を反映して捕獲成功となっているので、液晶画像表示装置6にリーチ目の図柄を表示させる。
その後、連続演出終了フラグをOFFに戻して(S507)、ベット時の音と表示を決定する処理(S508)を行い、図22のフローに戻る。
この実施形態によれば、液晶画像表示装置6の画面には、それまで連続遊技中であるために遊技者に見えなかった副回胴の呈示図柄の内容(ハズレ役図柄、ベル役図柄、ボーナス役図柄、リーチ目の図柄など)が、報知図柄20として、ベット操作の直後に出現することになる。したがって、連続遊技中で何の役図柄が揃っていたのかが、ベット時に可視化され明確に遊技者に報知されることになる。
<通常遊技の場合>
通常遊技の場合は、上記図24の開始コマンド処理をステップS601〜S603、S607を経て抜けた後、図25の停止コマンド処理に入り、S701からS706に進み、ここで通常遊技の演出処理が行われる。次いで、主回胴の停止位置(停止図柄)に応じた副回胴の呈示図柄を決定する(S707)。従って、単位遊技毎に停止制御により決定される副回胴の呈示図柄(ライン表示図柄)が液晶画像表示画面19に表示され、遊技者に報知されることになる。
<態様a6,a7の場合>
図18に示す態様a6は、当選連続演出の第1ゲーム目において主回胴の目押しに成功し、特別入賞役であるボーナス役図柄を揃えることができた場合である。また、態様a7は、当選連続演出の第2ゲーム目において主回胴の目押しに成功し、特別入賞役であるボーナス役図柄を揃えることができた場合である。このように当選連続演出中に主回胴でボーナス役図柄を揃えることができた場合は、当該ゲームにおける全停止時の演出として液晶画像表示装置にボーナス演出が発生し、そのゲームの終了と同時に連続演出も終了となる。従って、合計3回のゲームが予定されている当選連続演出であっても、その第1ゲーム目で特別入賞役に当選した場合(図18のa6)は、その第1ゲームの終了とともに連続演出が終了となる。同様に、合計3回のゲームが予定されている当選連続演出の第2ゲーム目で特別入賞役に当選した場合(図18のa7)は、その第2ゲームの終了とともに連続演出が終了となる。
このことから判るように、本実施形態の場合、連続演出の回数は、常に固定的に定まっている訳ではなく、その連続演出中にボーナス役に当選した場合には、回数が減少する半固定的な連続演出回数である。
<非当選連続演出態様b、c>
図18の態様bは、非当選連続演出1−B、2−B(図11(a)(b))に対応する具体例であり、態様cは、その非当選連続演出1−B、2−Bの途中で特別入賞役に当選した場合の具体例である。
非当選連続演出1−B、2−Bの場合、第1ゲーム目〜第3ゲーム目の全てにおいて、入賞役は小役またはハズレ役であり、演出は捕獲失敗である。従って、図24の開始コマンド処理におけるステップS608では、ボーナス(BB)当選でないこと(S608:NO)が確認されることになる。
しかし、これらの非当選連続演出中も、主制御部22の入賞役抽選手段による入賞役の抽選は各ゲーム毎に行われており、特別入賞役(ボーナス役)に当選することがある。そこで、非当選連続演出が実行されている間の遊技において、入賞役抽選手段による抽選結果が特別入賞の当選となった場合、そのことに基づき、当該実行されている連続演出の関連性を維持したまま当選連続演出に移行する連続演出移行手段を備える。
本実施形態の例では、連続演出中、正確には連続演出の第2ゲーム目以降において特別入手役に内部当選した場合、第1ゲーム目〜第3ゲーム目の全体について、図11(a)(b)に示す非当選連続演出1−B、2−Bの演出パターンから、図13(a)(b)に示す当選連続演出1−777、2−777の演出パターンに差し替えることを行う。
上記は第1ゲーム目〜第3ゲーム目の全体を1単位として差し替えるものであるので、連続演出全体の総ゲーム数は長くならない。しかし、非当選連続演出中に特別入賞役に内部当選した場合、その時点で、その特別入賞役に当選したゲーム以降の残存ゲーム数の部分を、対応するゲーム数からなる当選連続演出ゲームで差し替え、あるいは、その特別入賞役に当選したゲーム以降の残存ゲーム数より多いゲーム数からなる当選連続演出ゲームで置き換えることもできる。
図18の態様cは、非当選連続演出の第3ゲーム目に特別入賞役に内部当選した形態を示している。そして、この第3ゲーム目(図18のc3)のケースは、スタートレバー操作時の当選役がビッグボーナスであり、主回胴の停止図柄がハズレ役図柄であり、全停止時の演出内容が捕獲成功であった場合となっている。
具体的には、図24のステップS608(第3ゲーム目)においてビッグボーナスに当選したか否かが判断され、ここでボーナス(BB)当選であること(S608:YES)が確認される。このように非当選連続演出中に特別入賞役に内部当選した場合、もし何もしないで非当選連続演出を続行するだけであると、その特別入賞役のボーナス役図柄を引き込めずにハズレ役図柄が主回胴に停止してしまったとき、遊技者に違和感を与えることができない。
その理由として、連続演出の最終ゲームである第3ゲーム目に特別入賞役に内部当選しているが、1)主回胴の停止制御では停止図柄としてボーナス役図柄を引き込めずにハズレ役図柄が停止している、2)非当選連続演出の第3ゲーム目の全停止時の演出内容は捕獲失敗となっている。すなわち、内部当選の結果は遊技者に告知されず、主回胴はハズレ役図柄で、液晶画像表示画面19での演出は捕獲失敗で、副回胴は表示されず装飾図柄の内容が不明な状態となっているため、遊技者は通常遊技の場合と区別できないためである。
しかし、本実施形態では、図18にc3のケースとして示すように、当選連続演出から当選連続演出への演出差し替え処理(S609)が行われ、全停止時の演出内容として「捕獲成功」が表示される。また、次回のゲームのベット時には、リーチ目の図柄が液晶画像表示画面19に表示される。
よって、液晶画像表示画面19に表示される報知図柄20がハズレ役図柄であり、かつ捕獲ゲームの演出画像による捕獲結果が捕獲成功となって、ほぼボーナス当選が確実と思われる状況下でも、次回ゲームのベット時にリーチ目が出現することによって、ボーナス当選であったことが確定するのである。
<変形例>
(1)上記実施形態では、デフォルト回胴とは別に用意された演出図柄を、連続演出終了時の報知図柄20として液晶画像表示画面19に表示させ、その演出図柄として、3×3の9マス目の画像を用い、そのうち中央横ライン(1ライン)のマス目にのみに報知図柄20の有効図柄を表示させた。しかし、報知図柄20として表示させる演出図柄は、このような中央横1ラインに有効図柄を配置した形態に限られるものではなく、Xライン、Vライン、Fラインなどの表示ライン形状を採ることができる。また、3×3の9マス目の画像を用いたものに限られるものでもなく、その他の演出図柄、たとえば下記のような演出回胴によって報知図柄20を構成することもできる。
例えば、3つの回胴で一つの図柄を表示する「メガ回胴演出」、1つの巨大な横回胴が回転する「UFO演出」、大きい3桁のセグメントからなる「でかセグ(SEG)演出」、大きなパチンコ図柄風数字(例えばアラビア数字や漢数字など)からなる「でかナム(NUM)演出」、1コマがさらに3×3に再分割された81コマからなる「81コマ回胴演出」などである。
また上記実施形態では、特別入賞役への当選を告知する演出画像に対応する報知図柄20の例として、ボーナスを揃えられる状態で取りこぼすと発生する、いわゆるリーチ目の演出図柄を例示したが、特別入賞役の成立や放出に期待ができる出目である、いわゆる「チャンス目」などを表示させることもできる。
(2)上記実施形態では、デフォルト回胴とは別に用意された演出図柄を、連続演出終了時の報知図柄20として、デフォルト回胴である副回胴の呈示図柄と共に、液晶画像表示画面19に表示させた。
しかし、この代わりに、デフォルト回胴とは別に用意された演出図柄のみを、連続演出終了時の報知図柄20として、液晶画像表示画面19に表示させても良い。
また、デフォルト回胴である副回胴の装飾図柄だけを、連続演出終了時の報知図柄20として、液晶画像表示画面19に表示させることもできる。これによれば、特別な演出図柄を用意することがないという利点が得られる。このデフォルト回胴の副回胴の装飾図柄を、報知図柄20として表示させる際には、1ライン、Xライン、5ライン、Vライン、Fラインなどの任意の表示ラインの形式で表示させることができる。
(3)上記実施形態では、一定の演出シナリオに沿って進行する連続演出中、毎回のゲームにおいて主回胴の停止制御を行って停止図柄を決定することとした。しかし、予め連続演出を構成するゲーム回数とその各ゲームにおける停止図柄を含む遊技内容が予め定まっている演出シナリオに沿って、連続演出を実行するようにしても良い。
また上記実施形態では、演出シナリオの例として連続演出を示したが、入賞役への当選期待度を高める1ゲームで終了する演出も、この演出シナリオに含まれる。また、演出シナリオを表現する手段としては、画像演出、発光演出、音演出があり、本実施形態では演出シナリオとして、演液晶画像表示画面に表示する画像演出に対応したLEDの発光演出、スピーカの音演出などがなされる。しかし、上記の画像演出、発光演出、音演出に限らず、風圧や音圧による演出、振動による演出、封入された液体の接触や視覚による演出、接触部位の温度変化による演出、触覚に働きかける演出など、人の五感で捕らえられる公知の全ての報知手段が、演出シナリオの表現手段として利用できる。
(4)また、上記実施形態では、連続演出中に呈示図柄を表示させないにも関わらず、連続演出中の毎回のゲームにおいて副回胴の図柄制御を行っているが、連続演出の期間中は、この図柄制御を中断し、連続演出が終了してから図柄制御を再開するように構成しても良い。
(5)また、上記実施形態では、液晶画像表示装置6に画像による演出図柄を表示して報知図柄20を報知するという報知方法を採用した。しかし、この報知図柄20の図柄報知装置としては、上記の画像演出による他に、液晶画像表示装置6以外の部位に設けたランプや発光素子などの光発生器による発光演出(色の種類による報知図柄20の報知)による方法や、スピーカなどの音響発生器による音演出(音響の種類や遅れによる報知図柄20の報知)による方法を採用することもできる。また、風圧発生器や音圧発生器による演出(風圧や音圧の放出する時間長さや放出数による報知図柄20の報知)、振動発生器による演出(振動の持続する時間長さや単位振動区間の発生数による報知図柄20の報知)、封入された液体の接触や視覚による演出、接触部位の温度変化による演出、触覚に働きかける演出など、人の五感で捕らえられる公知の全ての報知手段が、この報知図柄20の図柄報知装置として利用することができる。
(6)また、上記の実施形態では、遊技媒体が遊技メダルである回胴式遊技機を例にして説明したが、本発明に係る回胴式遊技機はこれに限定されるものではなく、遊技媒体が遊技球である回胴式遊技機に対しても適用することができる。
(7)また上記実施形態では、液晶制御部36に液晶ROM40を設け、この液晶ROM40に、報知図柄20、キャラクタデータ、背景データ、図柄帯データを保存したが、演出制御部35側のメモリ、例えば演出用ROM38にこれらのデータを保存して利用してもよい。
(8)上記実施形態の場合、通常の遊技中においては、液晶表示画面に、デフォルト回胴の副回胴を構成する5ラインのうち、その中央横ライン(1ライン)のみを変動表示させることし、この1ラインの表示ラインの図柄を、通常の遊技中の指示図柄として報知した。しかし、この通常遊技中のデフォルト回胴による呈示図柄の表示ラインパターンは1ラインに限られるものではなく、Xライン、Vライン、Fラインなどの表示ライン形状や、その他の図柄やパターンにより表示することもできる。