JP2009050038A - 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法 - Google Patents

交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の双方向スイッチSru〜Srw、Ssu〜Ssw、Stu〜Stwを備えた交流−交流直接変換装置において、セクター移行過渡時のスイッチング回数を低減したスイッチングパターン切替方法を提供する。
【解決手段】1制御周期あたり5つの空間ベクトルが配列されたスイッチングパターンを複数生成し、例えば、入力セクターが移行する過渡時に、前記生成されたスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルに移行し、前記スイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルに移行する更新時切替処理か、又は通常の更新処理のいずれかを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、多相の交流電源から任意の電圧または周波数に変換した多相出力を得る交流−交流直接変換装置(マトリックスコンバータ)に係り、特に5つの空間ベクトルの組み合わせを用いる直接変換形の空間ベクトル変調方式におけるセクター移行過渡時のスイッチングパターンを最適化する交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法に関する。
従来から存在するこの種の交流−交流直接変換装置は、自己消弧形の半導体素子を用いた双方向スイッチを高速に切替え、単相または多相の電源交流から任意の周波数・大きさの交流に直接電力変換する変換装置であり、図1のように構成されている。
図1は、三相/三相交流−交流直接変換装置の基本構成を示し、三相交流電源1は、リアクトルとコンデンサによる入力フィルタ部2および9つの双方向スイッチ(Sru〜Srw、Ssu〜Ssw、Stu〜Stw)で構成された半導体電力変換部3を介して任意の負荷4に接続される。
9つの双方向スイッチSru〜Srw、Ssu〜Ssw、Stu〜Stwは、逆阻止IGBT18個で構成する場合や、通常のIGBT等の半導体素子とダイオードを組み合わせるなど、その細部の構成方法には拘らないが、双方向に電力授受できるスイッチング素子で構成されている。
なお、図1に示すように、以下、電源三相をRST相、出力三相をUVW相とする。
上記のように構成される交流−交流直接変換装置の9つの双方向スイッチを用いて、空間ベクトル変調法により入力電流と出力電流を同時に正弦波化する手法は、例えば非特許文献1に記載されている。
交流−交流直接変換装置の基本制御方式には、大別して直接AC/AC変換に基づくもの(直接形)と、仮想の直流リンクをもつ仮想関接形変換器を考えて制御するもの(仮想間接形)がある。
非特許文献1に記載のConventional Method1(CM−1)の手法は、古くから用いられている仮想間接形に基づくものであり、図2に示すように仮想的なPWM整流器とインバータを考えて、それぞれ独立に制御する。制御方式としては、従来から一般的に用いられているPWMインバータ制御用の空間ベクトル変調方式を適用している。図2において、半導体電力変換部3の9つの双方向スイッチSru〜Srw、Ssu〜Ssw、Stu〜Stwは、12個の仮想スイッチSrp,Srn,Ssp,Ssn,Stp,Stn,Sup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnに等価的に置換される。
図3は任意1セクターにおける空間ベクトルおよびその出力時間(デューティ)を定義した例である。図中の数式で示すとおり、仮想整流器のデューティdA,dBおよび仮想インバータのデューティdX,dYは、各々を掛け合わせて合成し、交流−交流直接変換装置のデューティとスイッチングパターンを得る(非特許文献1参照)。
仮想間接形の制御手法は、従来のインバータ制御に基づくものであるので、交流−交流直接変換装置独自の制御法を必要とする直接形に比べて演算が容易である。しかしながら、スイッチングパターンに制約があり、高性能化に限界があった。一方、直接形は仮想間接形よりもスイッチングパターンに自由度があり、高調波低減などの付加機能を持たせることが可能である。これらの詳細は非特許文献1で解説されている。
また非特許文献1のProposed Method2(PM−2)においては、上述した従来の仮想間接形空間ベクトル変調方式により、空間ベクトルの出力時間(デューティ)を求めた後に、直接形空間ベクトル表現におけるベクトルの幾何学的な変換によって、仮想間接形のデューティも変換する手法が記載されている。
図4は、直接形空間ベクトルの例であり、交流−交流直接変換装置の電源短絡防止、負荷電流不連続防止の条件を考慮した全27種類のスイッチングパターンを、入力電流ベクトル、出力電圧ベクトルとして示したものである。
図4は27種類のスイッチングパターンを、入力側および出力側で各々静止αβ座標上に展開したものであり、(a)は出力負荷電流位相15度時の入力側電流の空間ベクトルを示し、(b)は電源電圧位相15度時の出力側電圧の空間ベクトルを示している。
ここで、直接形空間ベクトルの出力電圧側の1つのセクター(例えば図4(b))に着目し、図5のように8種類のベクトルを再定義する。
すなわち、多相交流出力の線間電圧を2相の静止αβ軸上に展開したベクトルの状態とし、出力電圧指令値ベクトルVo*が存在するセクターの位相が遅れている単振動ベクトル軸をX軸、進んでいる単振動ベクトル軸をY軸と定義して、それぞれの軸で最大のベクトルXL、YLと、中間のベクトルXM、YMと、最小のベクトルXS、YSと、相電圧の中間電圧となる零ベクトルZと、セクター内に1つ存在する回転ベクトルRを基本ベクトルとする。
ここで、図6のように空間を区切って入力・出力セクターを定義する。図6(a)の入力電流空間ベクトルの場合、入力電流指令ベクトルの位相が0度から30度の時をセクター1とし、30度から60度をセクター2とする。同様に360度にわたって続けていくと位相によって1〜12の12個のセクターが定義できる。また図6(b)の出力電圧指令ベクトルの場合は60度毎に6つのセクターを定義できる。
そしてこの図6の入力電流空間ベクトルおよび出力電圧空間ベクトルのセクターから、表1のようにセクターモードを定義する。
Figure 2009050038
入力セクターが1,4,5,8,9,12のときに出力セクターが1,3,5または入力セクターが2,3,6,7,10,11のときに出力セクターが2,4,6ならばセクターモード1(sm1)とし、入力セクターが1,4,5,8,9,12のときに出力セクターが2,4,6または入力セクターが2,3,6,7,10,11のときに出力セクターが1,3,5ならばセクターモード2(sm2)と定義する。
前記再定義した8種類の空間ベクトルについて、その位相・大きさ関係に着目すると、図7および図7の数式の関係が常に成り立つ。前述した仮想間接形空間ベクトル変調方式は1制御周期あたり5つの空間ベクトルで構成されることが知られており、この5つのベクトルを直接形空間ベクトル上で展開した場合、図5におけるXL,XM,YL,YM,Zの5種類で常に表現できる。そして図7および図7中の数式の性質を利用し、仮想間接形のベクトル5種類を、任意の所望する他の空間ベクトルパターン5種類に変換する手法が提案されている。
非特許文献1においては、出力電圧高調波の低減を最優先した5種類の空間ベクトル選択パターン(表2)を考えて、仮想間接形のパターンから表2の直接形のパターンに変換している。
Figure 2009050038
表3は、仮想間接形のデューティdAX,dAY,dBX,dBY,dZを直接形のデューティd1からd5に変換した場合のテーブルである。
Figure 2009050038
表3にしたがってスイッチングパターンを変換することで、演算が簡素な仮想間接形方式のデューティを用いて出力高調波を低減できる。すなわち交流−交流直接変換装置独自の複雑な演算が不要でありつつ、直接形と同様の制御効果が得られるという利点がある。
Y.Tadano,S.Urushibata,M.Nomura,Y.Sato,andM.Ishida:"Direct Space Vector PWM Strategies for Three−Phase to Three−Phase Matrix Converter",IEEE Proc. of the 4th Power Conversion Conference(PCC-Nagoya/Japan),April,2007,LS4-1-3、pp.1064 -1071(2007)
非特許文献1のPM−2の手法においては、以下の制約条件が与えられている。
(1)入出力同時正弦波化
前提条件として、1制御周期あたり7個の双方向スイッチ(5種類の空間ベクトル)を用いて入出力波形を正弦波化する。
(2)線間電圧変動低減
線間電圧方向に見て、指令値との電圧差が最も大きい空間ベクトルは未選択(高調波・損失低減)とする。
(3)2相以上の同時スイッチング禁止
転流時は1相ごとに切り換えて、スイッチング回数を低減(損失低減)する。
(4)最大相⇔最小相間の転流禁止
常に中間相を介して転流することで、電圧変化を低減(高調波・損失低減)する。
(5)コモンモード電圧低減
常に中間相で構成された零ベクトルを利用する。
例えば図6で定義するところの入力セクターが1、出力セクターが1の場合について、スイッチング遷移図を描くと図8となる。尚、図8(b)の破線矢印で示されるループを構成するパターン(R→YL→YM→XMとR→XL→XS→YS)は、制約条件(1)を満たすための制御自由度が不足するため、使用しない。
前記制約条件(1)〜(5)と図8に基づき、1制御周期内におけるスイッチング順序情報をもつ5種類の空間ベクトルの選択パターンが表2となっている。表中、v1→v2→v3→v4→v5,もしくはv5→v4→v3→v2→v1の順で両者を折り返しながらスイッチングすると、1制御周期内のパターンは最適化されている(上記制約条件をすべて満たす)。
しかしながら、このパターン配置は1制御周期内に対しての最適化であり、入力電流指令値や出力電圧指令値の存在するセクターが移行する瞬間(入力電源電圧R相、S相、T相の瞬時値の大中小関係が切り替わる瞬間、もしくは出力電圧U相、V相、W相の指令値の大中小関係が切り替わる瞬間に相当する)については必ずしも最適化されていない。
本発明は上記の問題点を解消するものでありその目的は、セクター移行過渡時のスイッチング回数を低減した交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、空間ベクトルによる変調で双方向スイッチをPWM制御する多相交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法であって、多相交流出力の線間電圧を2相の静止αβ軸上に展開したベクトルの状態とし、出力電圧指令値ベクトルVo*が存在するセクターの位相が遅れている単振動ベクトル軸をX軸、進んでいる単振動ベクトル軸をY軸と定義して、それぞれの軸で最大のベクトルXL、YLと、中間のベクトルXM、YMと、最小のベクトルXS、YSと、相電圧の中間電圧となる零ベクトルZと、セクター内に1つ存在する回転ベクトルRを基本ベクトルとし、仮想間接形の空間ベクトルを用いたスイッチングパターンを、1制御周期あたり5つの空間ベクトルが配列された直接変換形の空間ベクトルを用いたスイッチングパターンに変換し、前記変換されたスイッチングパターンのうち、第1の条件として入力波形と出力波形を同時に正弦波化することができること、第2の条件として線間電圧ベクトル方向に見て指令値との電圧差が最も大きいベクトルは選択しないこと、第3の条件として1相ごとのスイッチング遷移が可能なこと、第4の条件としてスイッチング遷移に電源の最大電圧相と最小電圧相間の直接転流がないこと、第5の条件として常に電源の中間電圧相の零ベクトルを用いること、を各々満たすスイッチングパターンを選択し、前記入、出力側空間ベクトルの空間を各々複数に区切って構成される、入力電流指令値ベクトル、出力電圧指令値ベクトルが各々存在する領域を入、出力セクターと定義し、前記入力セクター、出力セクターの状態に基づいて、スイッチング回数を低減させるためのスイッチングパターンを決定する処理を行い、該決定されたスイッチングパターンによって前記双方向スイッチをPWM制御することを特徴としている。
また請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記スイッチングパターンを決定する処理は、前記入力セクターが移行する過渡時に、前記選択されたスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルに移行し、前記スイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルに移行する更新時切替処理か、又は前記選択されたスイッチングパターンのいずれか一方の端部に配置された空間ベクトルから、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの前記と同一端部に配置された空間ベクトルに移行する通常更新処理の、いずれかスイッチング回数の少ない方の処理を行うことを特徴としている。
また請求項3に記載の発明は、前記請求項2において、前記スイッチングパターンを決定する処理は、入力セクターが移行する過渡時に、スイッチングパターンを更新することによりスイッチング回数が2回となるモード時は、移行前のセクター状態を維持しながら、更新前のスイッチングパターンを折り返してPWM制御し、その後前記セクター維持を解除し、スイッチングを伴わない、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの端部に配置された空間ベクトルに移行する1制御周期遅延処理を行うことを特徴としている。
また請求項4に記載の発明は、請求項1において、前記スイッチングパターンを決定する処理は、出力セクターが1つ移行する過渡時に、前記請求項3に記載の1制御周期遅延処理を行うことを特徴としている。
また請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記スイッチングパターンを決定する処理は、出力セクターが2つ以上移行する過渡時には、前記請求項2に記載の通常更新処理を行うことを特徴としている。
また請求項6に記載の発明は、請求項1において、1制御周期あたり5つの空間ベクトルが配列され、前記第2の条件および第5の条件を満たさない、制約条件を一部解除した第1のスイッチングパターンを生成しておき、前記スイッチングパターンを決定する処理は、出力セクターが2つ以上移行する過渡時に、1制御周期のみ、前記制約条件を一部解除した第1のスイッチングパターンを選択することを特徴としている。
また請求項7に記載の発明は、請求項1において、前記スイッチングパターンを決定する処理は、出力セクターが移行し、且つ入力セクターが奇数セクターから偶数セクターに移行する過渡時に、前記請求項2に記載の更新時切替処理を行い、出力セクターが移行し、且つ入力セクターが偶数セクターから奇数セクターに移行する過渡時に、前記請求項2に記載の通常更新処理を行うことを特徴としている。
また請求項8に記載の発明は、請求項1において、1制御周期あたり5つの空間ベクトルが配列され、前記第5の条件を満たさない、制約条件を一部解除した第2のスイッチングパターンを生成しておき、前記スイッチングパターンを決定する処理は、入力セクターおよび出力セクターが移行する過渡時に、1制御周期のみ、前記制約条件を一部解除した第2のスイッチングパターンを選択することを特徴としている。
(1)請求項1〜8に記載の発明によれば、仮想間接形の空間ベクトルを用いたスイッチングパターンから変換され、5つの空間ベクトルの組み合わせから成る直接変換形の空間ベクトルを用いたスイッチングパターンによりPWM制御される交流−交流直接変換装置において、入力セクターが移行する過渡時(入力電流指令値ベクトルが存在するセクターが移行する瞬間、すなわち入力電源電圧R相、S相、T相の瞬時値の大中小関係が切り替わる瞬間)や、出力セクターが移行する過渡時(出力電圧指令値ベクトルが存在するセクターが移行する瞬間、すなわち出力電圧U相、V相、W相の指令値の大中小関係が切り替わる瞬間)に、スイッチング回数を低減することができる。これによってスイッチング損失を低減することができる。
(2)また請求項2に記載の発明によれば、入力セクターが移行する過渡時に、スイッチング回数が3回となる移行パターンを完全になくすことができ、スイッチング回数を低減することができるとともに、3相同時スイッチングによる電流・電圧の脈動成分を低減することができる。
(3)また請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、さらにスイッチング回数を低減、すなわち1回以下にすることができる。
(4)また請求項4に記載の発明によれば、1制御周期遅延処理を行うことにより、出力セクターが移行する過渡時に、スイッチング回数ゼロ回で移行することができる。
(5)また請求項5に記載の発明によれば、急激な負荷変動やトルク指令/速度指令値のステップ変化などにより出力電圧指令値ベクトルが急変し、過渡的に出力セクターが2つ以上変化する場合に、前記1制御周期遅延処理を行わないので、当該急変時の過渡応答を優先することができ、且つ出力セクターが1つ変化する場合のスイッチング回数を低減することができる。
(6)また請求項6に記載の発明によれば、出力セクターが2つ以上移行する過渡時に、スイッチング回数を1回以下にすることができるとともに、出力応答性を悪化させることがない。
(7)また請求項7に記載の発明によれば、入力セクターと出力セクターが同時に移行する過渡時に、スイッチング回数が3回となる移行パターンを完全になくすことができ、スイッチング回数を低減することができるとともに、3相同時スイッチングによる電流・電圧の脈動成分を低減することができる。
(8)また請求項8に記載の発明によれば、入力セクターと出力セクターが同時に移行する過渡時に、スイッチング回数を1回以下に低減することができる。
以下、交流−交流直接変換装置は、前記双方向スイッチをPWM制御するマトリックスコンバータとして、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
本発明では、前記図6のように定義される入力セクター、出力セクターと、それらの組み合わせから定義した表1のセクターモードとに基づいて、セクター移行過渡時のスイッチング回数を低減させるためのスイッチングパターンを決定し、スイッチングパターンの配列順序を切り替えるように構成した。
(実施例1)
前記表2において、スイッチングパターンとデューティの更新タイミングとしては、v1(スイッチングパターンの一端に配置されたベクトル)もしくはv5(スイッチングパターンの他端に配置されたベクトル)のタイミングである。すなわち、通常の折り返しスイッチング順序では、例えばセレクションパターン1のベクトルv1→v2→v3→v4→v5→(v5更新)→セレクションパターン2のベクトルv5→v4→v3→v2→v1→(v1更新)→セレクションパターン3のベクトルv1→v2→v3→v4→v5→…といった順序と更新タイミングでスイッチングパターンを遷移している(通常更新処理)。
なお、セレクションパターンに関わらず、セクターモードsm1のときはv1=Xs、v5=YM、セクターモードsm2のときはv1=Ys、v5=XMとなる。
ここで、例えば入力セクターが1→2に変化、出力セクターが1の場合を考える。入力セクター1、出力セクター1のときはsm1なので,v1=Xs(STT)、v5=YM(RRS)となる。一方入力セクターが2に変化すると、入力セクター2、出力セクター1でsm2となるので,v1=Ys(RRS)、v5=XM(STT)となる。
このようなセクターが移行する過渡状態において通常の折り返しスイッチングで更新を行う(通常更新処理)と、v1更新時ではSTT→RRS,v5更新時ではRRS→STTとなり、3相全相が同時にスイッチングしてしまうことが分かる。そこでこの事例でセクター移行する瞬間に、…→v2→v1→更新→次のセレクションパターンのv5→v4→…あるいは、…→v4→v5→更新→次のセレクションパターンのv1→v2→…と処理を変更する(更新時切替処理)ことで、全相が同時にスイッチングしないモードでセクター移行することが可能となる。
入力セクターが移行する他の事例も同様に、スイッチング回数をなるべく低減できる最適な移行パターンを考慮すると表4のように、セクターモードの移行に着目した分類方法で実現できる。
Figure 2009050038
すなわちv1更新時と、v5更新時でかつセクターモードが変化するときは更新時切替処理を行い、v5更新時で且つセクターモードが変化しないときは通常更新処理を行う。尚、表4および以下の表6〜表9中の()内は遷移時に伴うスイッチング回数を示している。
本実施例によれば、入力セクターが移行する過渡時について、同時に3回スイッチングする状態を禁止することができる。
(実施例2)
実施例1の表4に従って入力セクターの移行を行えば、スイッチング回数を2回以下に低減できるが、さらにスイッチング回数を1回以下に抑えたい場合、セクターモードが変化せずに入力セクターが変化しつつv1で更新するモード(sm1→sm1のv1更新、およびsm2→sm2のv1更新)を禁止する必要がある。
そこで本実施例では、表5のように、上記のスイッチング回数2回となるセクター移行を禁止し、PWM制御の1周期の間はセクター情報を前回値にラッチして、次の更新タイミングで実際にセクター移行する処理(1制御周期遅延処理)を行う。
Figure 2009050038
すなわち、表5の×印の付いている箇所が、スイッチング回数2回となる上述のモードであるので、このときはセクター移行せずに、1つ前のセクター状態を維持しながら通常の折り返しパターンv1→v1を行う(表2の同一段セレクションパターンのv1→v1に移行する)。そして例えば表2の同一段のv1→v2→v3→v4→v5をスイッチングし、1制御周期の時間だけ遅れて発生するv5→v5のタイミングでセクター情報のラッチを解除し、スイッチング回数1回で移行できるv5更新パターンにおいて移行を完了する。
本実施例によれば、スイッチング2回となる移行パターンを禁止し、常に1回以下に低下できる。
(実施例3)
実施例1,2は入力セクターの移行時に着目していたが、本実施例では出力セクターの移行パターンに着目する。正転方向(U→V→W)、逆転方向(U→W→V)のいずれでも、表1の定義により、出力セクターが1つ移行するとセクターモードも変化する。
例えば、入力セクターが1で、出力セクターが1のとき、v1=Xs(STT)、v5=YM(RRS)となる。これが入力セクター1、出力セクター2に変化した場合、v1=Ys(TST)、v5=XM(RRS)となるので、v1更新時はv1→v1(STT→TST:2回)、v5更新時はv5→v5(RRS→RRS:0回)として、従来通りに通常の折り返しスイッチング(通常更新処理)を行えば良い。
しかし、実施例2と同様に常に1回以下でセクター移行したい場合は、スイッチング2回となる移行を禁止して、PWMの1制御周期の間、セクター情報をラッチして、次の更新タイミングで移行(1制御周期遅延処理)すればよい。このラッチを考慮した移行パターンを表6に示す。
Figure 2009050038
すなわち表6の×印の付いている箇所がスイッチング回数2回となる上述のモードであるので、このときに前記1制御周期遅延処理を実施する。
(実施例4)
入力セクターに変化がなく、出力セクターが1つ飛んで2つ移行するときは表1のようにセクターモードに変化がない。通常、セクターは1つずつ変化するが、出力側に関しては過渡応答時にセクターが2個以上飛ぶことも予想される。その場合、実施例3の表6で定義した移行モード以外も発生し得る。
例えば、入力セクターが1で、出力セクターが1→3に変化する場合を考える。セクターモードには変化がなく、sm1→sm1である。まず、変化前の入力セクター1&出力セクター1の場合、v1=Xs(STT)、v5=YM(RRS)となる。セクター変化後は、入力セクター1&出力セクター3で、v1=Xs(TST)、v5=YM(SRR)となる。v1更新時はv1→v1、v5更新時はv5→v5といったように、通常の折り返しスイッチング(通常更新処理)を行えば、結果としてスイッチング2回で最少化される(2回以下にはできない)。つまり、出力セクターが2個以上飛ぶ場合も考慮して、出力セクター移行パターンは表7のように定義される。結局のところ、従来通りの折り返しパターンを行っていることに過ぎない。
Figure 2009050038
ただし、表7では、実施例3のラッチ処理(1制御周期遅延処理)は用いていない。そこで、本実施例では、セクターが2つ以上飛ぶような応答性を要求される状態かどうかを出力指令値のセクター変化から判別し、1つずつ移行するときは表8(a)を用い、2つ以上一度に移行する場合は表8(b)を用いるように切り換える。
Figure 2009050038
すなわち、表8(a)は出力セクターが1つ変化する、過渡応答性を要求されない場合であり、実施例3の表6と同様に、×印の付いているスイッチング回数2回となるモードにおいて前記1制御周期遅延処理を行い、これによってスイッチング回数低減(2回→0回)を図る。
また表8(b)は出力セクターが2つ以上変化し、過渡応答性を要求される場合であり、この場合は前記1制御周期遅延処理は行わず、通常更新処理(v1→v1、またはv5→v5)を行い、過渡応答性を優先させる。
(実施例5)
実施例5では、出力セクターが2つ以上変化するときに2回のスイッチングを伴い、一時的ではあるが前記制約条件(3)を満たすことができない。これは負荷急変状態のみで発生するモードであるため、通常運転では問題にならない。しかし、負荷急変時にも制約条件(3)を満たしたい場合は、代わりに制約条件(2)の線間電圧変動低減と制約条件(5)のコモンモード電圧低減を一時的に犠牲にすることで実現することが可能である。
例として、入力セクター1&出力セクター1の時を考える。この場合において、制約条件(1)〜(5)を満たすためのスイッチング遷移図は、図8に示したとおりである。
ここで、零ベクトルZに着目する。制約条件(5)を満たすためには、このときの入力電源電圧の中間相であるS相を用いた零ベクトル「SSS」を用いて負荷中性点電位(コモンモード電圧)を低減する必要がある。コモンモード電圧は、高周波なPWMの影響によってモータ巻線とフレーム間に電流が流れ、ベアリング等の損傷を早める。そこで、その悪影響を低減するために、中性点との電位差が小さい電源中間相を用いていた。
一方で、実施例4では、出力セクターが2つ以上変化する場合にスイッチング回数を2回未満にすることができない。そこで、上記の零ベクトル「SSS」の制約条件(5)を一時的に解除して「RRR」や「TTT」の零ベクトルを用いる。さらに、低電圧領域と高電圧領域の区別をしないで、制約条件(2)を一時的に解除する。
このように制約条件(2)、(5)を満たさないスイッチングパターン(制約条件を一部解除した第1のスイッチングパターン)を図9のように定義する。図9において(a)は零ベクトルとして「TTT」を用いた場合、(b)は「RRR」を用いた場合のスイッチング遷移図である。制約条件(2)がないため、全電圧領域で共通である。また図8と同様に、矢印で示すループを構成するパターンは大前提の必須条件である制約条件(1)を満たすために使用しない。
図10は、上記をまとめてわかりやすく表した遷移図である。これらの遷移図から、「RRR」、「TTT」を用いると5ベクトル選択パターンが増えて、以下の12通りとなる。
(1)STT→RTT→RST→RRT→RRS
(2)STT→RTT→RST→RSS→RRS
(3)STT→SST→RST→RRT→RRS
(4)STT→SST→RST→RSS→RRS
(5)TTT→STT→RTT→RST→RRT
(6)TTT→STT→RTT→RST→RSS
(7)TTT→STT→SST→RST→RRT
(8)TTT→STT→SST→RST→RSS
(9)RRR→RRS→RRT→RST→RTT
(10)RRR→RRS→RRT→RST→SST
(11)RRR→RRS→RSS→RST→RTT
(12)RRR→RRS→RSS→RST→SST
上記のうち、(1)から(4)は元々存在する移行パターンである。(5)から(8)は、TTTによるパターン、(9)から(12)はRRRによるパターンである。つまり、(5)から(12)が増えている。v1とv5の組み合わせとしては、(1)から(4)は「v1=Xs,v5=YM」、(5)から(8)は「v1=Z(TTT)、v5=XM」もしくは「v1=Z(TTT)、v5=YL」、(9)から(12)は「v1=Z(RRR)、v5=XL」もしくは「v1=Z(RRR)、v5=YS」となる。以後、この関係に着目する。
次に、出力セクターが2つ以上変化する例として、入力セクター1&出力セクター1→3に変化した場合を例に挙げる。このときのv1とv5の関係は上記と同じであるので、その組み合わせを展開すると、それぞれ以下の5種類となる。
入力セクター1&出力セクター1のとき
「v1=STT、v5=RRS」(通常モード)
「v1=TTT、v5=RSS」(セクター2つ以上変化モード)
「v1=TTT、v5=RRT」(セクター2つ以上変化モード)
「v1=RRR、v5=RTT」(セクター2つ以上変化モード)
「v1=RRR、v5=SST」(セクター2つ以上変化モード)
入力セクター1&出力セクター3のとき
「v1=TST、v5=SRR」(通常モード)
「v1=TTT、v5=SRS」(セクター2つ以上変化モード)
「v1=TTT、v5=TRR」(セクター2つ以上変化モード)
「v1=RRR、v5=TRT」(セクター2つ以上変化モード)
「v1=RRR、v5=TSS」(セクター2つ以上変化モード)
上記を参考に、「通常モード」から「セクター2つ以上変化モード」に切り替えて、その際のスイッチング回数を1回以下に低減する。例えば出力セクター1→3に切り替わった場合、
「v1=STT、v5=RRS」(通常モード)→「v1=TTT、v5=SRS」(セクター2つ以上変化モード:制約条件を一部解除した第1のスイッチングパターン)
とすることで、v1更新、v5更新時ともに1回のスイッチングで移行することができる。
実施例4の通常モードで移行した場合は、
「v1=STT、v5=RRS」(通常モード)→「v1=TST、v5=SRR」(通常モード)
となって、v1更新、v5更新時ともに2回のスイッチングとなってしまうので、上記のように「セクター2つ以上変化モード:制約条件を一部解除した第1のスイッチングパターン」を用いた方が良い。ただし、この瞬時においては入力の中間相でない零ベクトルを用いることになるので、コモンモード電圧値としては瞬間的に大きくなる。
また、「セクター2つ以上変化モード」は、移行時の1制御周期分だけ適用するため、移行後の次の制御周期では通常モードに戻す。すなわち、上記の例であれば、
「v1=TTT、v5=SRS」(セクター2つ以上変化モード)→「v1=TST、v5=SRR」(通常モード)
といった形に戻す。戻す際もスイッチング回数は1回以下で実現できる。
本実施例によれば、コモンモード電圧の制約条件(5)と電圧領域の制約条件(2)を、出力セクターが2つ以上移行する過渡の1制御周期の間だけ一時的に解除することにより、制約条件(3)の同時スイッチングを常に防止することができる。また、ラッチ処理(1制御周期遅延処理)等も用いていないため、出力応答性を悪化させることもない。
(実施例6)
運転状態によっては、入出力のセクターが同時に変化する場合も想定される。ここで、例として入力セクター1&出力セクター1の状態から入力セクター2&出力セクター2〜6のいずれかに移行する場合を考える。
入力セクター1&出力セクター1のとき(sm1)
「v1=STT、v5=RRS」
である。この状態から、
入力セクター2&出力セクター2に移行するときは(sm1)
「v1=RRS、v5=TST」なので、移行パターンはv1→v5、v5→v1(更新時切替処理)とする。
入力セクター2&出力セクター3に移行するときは(sm2)
「v1=SRR、v5=TST」なので、移行パターンはv1→v5、v5→v1(更新時切替処理)とする。
入力セクター2&出力セクター4に移行するときは(sm1)
「v1=SRR、v5=TTS」なので、移行パターンはv1→v5、v5→v1(更新時切替処理)とする。
入力セクター2&出力セクター5に移行するときは(sm2)
「v1=RSR、v5=TTS」なので、移行パターンはv1→v5、v5→v1(更新時切替処理)とする。
入力セクター2&出力セクター6に移行するときは(sm1)
「v1=RSR、v5=STT」なので、移行パターンはv1→v5、v5→v1(更新時切替処理)とする。
以上をまとめると、表9のようになる。
Figure 2009050038
表9において、出力セクターが移行し、且つ入力セクターが奇数セクターから偶数セクターに移行する過渡時には、更新時切替処理を行い、出力セクターが移行し、且つ入力セクターが偶数セクターから奇数セクターに移行する過渡時には、通常更新処理を行うものである。
本実施例では、入力と出力のセクターが同時に移行する場合において、表9にしたがってスイッチング回数0回もしくは2回で移行することができる。
(実施例7)
入出力セクターが同時に変化する場合について、実施例5と実施例6の効果を組み合わせることも可能である。以下、一例として入力セクター1&出力セクター1→入力セクター2&出力セクター3に変化する場合を考える。中間相はどちらの場合もS相であるので、通常モードでは零ベクトルSSSを用いる。一方、「入出力同時変化モード」として制約条件(5)を解除した零ベクトルRRRとTTTを含むパターン(制約条件を一部解除した第2のスイッチングパターン)を考え、そのときのスイッチングパターンv1とv5について以下にまとめる。
入力セクター1&出力セクター1のとき
「v1=STT、v5=RRS」(通常モード)
「v1=TTT、v5=RSS」(入出力同時変化モード)
「v1=TTT、v5=RRT」(入出力同時変化モード)
「v1=RRR、v5=RTT」(入出力同時変化モード)
「v1=RRR、v5=SST」(入出力同時変化モード)
入力セクター2&出力セクター3のとき
「v1=SRR、v5=TST」(通常モード)
「v1=TTT、v5=SRS」(入出力同時変化モード)
「v1=TTT、v5=TRR」(入出力同時変化モード)
「v1=RRR、v5=TRT」(入出力同時変化モード)
「v1=RRR、v5=TSS」(入出力同時変化モード)
通常モードでの移行時は、
「v1=STT、v5=RRS」(通常モード)→「v1=SRR、v5=TST」(通常モード)
となるので、v1更新、v5更新時にどのような移行モードをとってもスイッチング回数は2回伴う。
一方、通常モードから入出力同時変化モード(制約条件を一部解除した第2のスイッチングパターン)で切り替えた場合、
「v1=STT、v5=RRS」(通常モード)→「v1=TTT、v5=SRS」(入出力同時変化モード)
を使用すると、v1→v1、v5→v5でスイッチング回数を1回に低減できる。
上述のとおり、実施例5の手法を入出力同時変化時についても適用することができる。ただし、コモンモード電圧については、制約条件(5)を解除しているので、1制御周期の瞬時において電圧値が高くなることを許容する必要がある。
本発明が適用される交流−交流直接変換装置の基本構成図。 仮想DCリンク方式の交流−交流直接変換装置の等価回路図。 入力電流指令ベクトル図及び出力電圧指令ベクトル図。 空間ベクトルを表し、(a)は入力側空間ベクトル図、(b)は出力側空間ベクトル図。 1つの出力セクターにおける空間ベクトルの状態図。 空間ベクトルの入力側セクターと出力側セクターの定義例の説明図。 出力セクターにおける空間ベクトルの説明図。 本発明の実施形態例における制約条件を満たすスイッチングパターンのスイッチング遷移図。 本発明の実施形態例における制約条件(2)、(5)を解除した第1のスイッチングパターンのスイッチング遷移図。 本発明の実施例5の方法によるスイッチングの遷移図。
符号の説明
1…三相交流電源、2…入力フィルタ部、3…半導体電力変換部、4…負荷。

Claims (8)

  1. 空間ベクトルによる変調で双方向スイッチをPWM制御する多相交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法であって、
    多相交流出力の線間電圧を2相の静止αβ軸上に展開したベクトルの状態とし、出力電圧指令値ベクトルVo*が存在するセクターの位相が遅れている単振動ベクトル軸をX軸、進んでいる単振動ベクトル軸をY軸と定義して、それぞれの軸で最大のベクトルXL、YLと、中間のベクトルXM、YMと、最小のベクトルXS、YSと、相電圧の中間電圧となる零ベクトルZと、セクター内に1つ存在する回転ベクトルRを基本ベクトルとし、
    仮想間接形の空間ベクトルを用いたスイッチングパターンを、1制御周期あたり5つの空間ベクトルが配列された直接変換形の空間ベクトルを用いたスイッチングパターンに変換し、
    前記変換されたスイッチングパターンのうち、第1の条件として入力波形と出力波形を同時に正弦波化することができること、第2の条件として線間電圧ベクトル方向に見て指令値との電圧差が最も大きいベクトルは選択しないこと、第3の条件として1相ごとのスイッチング遷移が可能なこと、第4の条件としてスイッチング遷移に電源の最大電圧相と最小電圧相間の直接転流がないこと、第5の条件として常に電源の中間電圧相の零ベクトルを用いること、を各々満たすスイッチングパターンを選択し、
    前記入、出力側空間ベクトルの空間を各々複数に区切って構成される、入力電流指令値ベクトル、出力電圧指令値ベクトルが各々存在する領域を入、出力セクターと定義し、前記入力セクター、出力セクターの状態に基づいて、スイッチング回数を低減させるためのスイッチングパターンを決定する処理を行い、該決定されたスイッチングパターンによって前記双方向スイッチをPWM制御することを特徴とする交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。
  2. 前記スイッチングパターンを決定する処理は、
    前記入力セクターが移行する過渡時に、前記選択されたスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルに移行し、前記スイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルに移行する更新時切替処理か、又は前記選択されたスイッチングパターンのいずれか一方の端部に配置された空間ベクトルから、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの前記と同一端部に配置された空間ベクトルに移行する通常更新処理の、いずれかスイッチング回数の少ない方の処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。
  3. 前記スイッチングパターンを決定する処理は、
    入力セクターが移行する過渡時に、スイッチングパターンを更新することによりスイッチング回数が2回となるモード時は、移行前のセクター状態を維持しながら、更新前のスイッチングパターンを折り返してPWM制御し、その後前記セクター維持を解除し、スイッチングを伴わない、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの端部に配置された空間ベクトルに移行する1制御周期遅延処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。
  4. 前記スイッチングパターンを決定する処理は、
    出力セクターが1つ移行する過渡時に、前記請求項3に記載の1制御周期遅延処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。
  5. 前記スイッチングパターンを決定する処理は、
    出力セクターが2つ以上移行する過渡時には、前記請求項2に記載の通常更新処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。
  6. 1制御周期あたり5つの空間ベクトルが配列され、前記第2の条件および第5の条件を満たさない、制約条件を一部解除した第1のスイッチングパターンを生成しておき、
    前記スイッチングパターンを決定する処理は、
    出力セクターが2つ以上移行する過渡時に、1制御周期のみ、前記制約条件を一部解除した第1のスイッチングパターンを選択することを特徴とする請求項1に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。
  7. 前記スイッチングパターンを決定する処理は、
    出力セクターが移行し、且つ入力セクターが奇数セクターから偶数セクターに移行する過渡時に、前記請求項2に記載の更新時切替処理を行い、出力セクターが移行し、且つ入力セクターが偶数セクターから奇数セクターに移行する過渡時に、前記請求項2に記載の通常更新処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。
  8. 1制御周期あたり5つの空間ベクトルが配列され、前記第5の条件を満たさない、制約条件を一部解除した第2のスイッチングパターンを生成しておき、
    前記スイッチングパターンを決定する処理は、
    入力セクターおよび出力セクターが移行する過渡時に、1制御周期のみ、前記制約条件を一部解除した第2のスイッチングパターンを選択することを特徴とする請求項1に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。
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