JP2009050038A - 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1制御周期あたり5つの空間ベクトルが配列されたスイッチングパターンを複数生成し、例えば、入力セクターが移行する過渡時に、前記生成されたスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルに移行し、前記スイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルに移行する更新時切替処理か、又は通常の更新処理のいずれかを行う。
【選択図】図1
Description
Y.Tadano,S.Urushibata,M.Nomura,Y.Sato,andM.Ishida:"Direct Space Vector PWM Strategies for Three−Phase to Three−Phase Matrix Converter",IEEE Proc. of the 4th Power Conversion Conference(PCC-Nagoya/Japan),April,2007,LS4-1-3、pp.1064 -1071(2007)
前提条件として、1制御周期あたり7個の双方向スイッチ(5種類の空間ベクトル)を用いて入出力波形を正弦波化する。
線間電圧方向に見て、指令値との電圧差が最も大きい空間ベクトルは未選択(高調波・損失低減)とする。
転流時は1相ごとに切り換えて、スイッチング回数を低減(損失低減)する。
常に中間相を介して転流することで、電圧変化を低減(高調波・損失低減)する。
常に中間相で構成された零ベクトルを利用する。
また請求項6に記載の発明は、請求項1において、1制御周期あたり5つの空間ベクトルが配列され、前記第2の条件および第5の条件を満たさない、制約条件を一部解除した第1のスイッチングパターンを生成しておき、前記スイッチングパターンを決定する処理は、出力セクターが2つ以上移行する過渡時に、1制御周期のみ、前記制約条件を一部解除した第1のスイッチングパターンを選択することを特徴としている。
(2)また請求項2に記載の発明によれば、入力セクターが移行する過渡時に、スイッチング回数が3回となる移行パターンを完全になくすことができ、スイッチング回数を低減することができるとともに、3相同時スイッチングによる電流・電圧の脈動成分を低減することができる。
(3)また請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、さらにスイッチング回数を低減、すなわち1回以下にすることができる。
(4)また請求項4に記載の発明によれば、1制御周期遅延処理を行うことにより、出力セクターが移行する過渡時に、スイッチング回数ゼロ回で移行することができる。
(5)また請求項5に記載の発明によれば、急激な負荷変動やトルク指令/速度指令値のステップ変化などにより出力電圧指令値ベクトルが急変し、過渡的に出力セクターが2つ以上変化する場合に、前記1制御周期遅延処理を行わないので、当該急変時の過渡応答を優先することができ、且つ出力セクターが1つ変化する場合のスイッチング回数を低減することができる。
(6)また請求項6に記載の発明によれば、出力セクターが2つ以上移行する過渡時に、スイッチング回数を1回以下にすることができるとともに、出力応答性を悪化させることがない。
(7)また請求項7に記載の発明によれば、入力セクターと出力セクターが同時に移行する過渡時に、スイッチング回数が3回となる移行パターンを完全になくすことができ、スイッチング回数を低減することができるとともに、3相同時スイッチングによる電流・電圧の脈動成分を低減することができる。
(8)また請求項8に記載の発明によれば、入力セクターと出力セクターが同時に移行する過渡時に、スイッチング回数を1回以下に低減することができる。
前記表2において、スイッチングパターンとデューティの更新タイミングとしては、v1(スイッチングパターンの一端に配置されたベクトル)もしくはv5(スイッチングパターンの他端に配置されたベクトル)のタイミングである。すなわち、通常の折り返しスイッチング順序では、例えばセレクションパターン1のベクトルv1→v2→v3→v4→v5→(v5更新)→セレクションパターン2のベクトルv5→v4→v3→v2→v1→(v1更新)→セレクションパターン3のベクトルv1→v2→v3→v4→v5→…といった順序と更新タイミングでスイッチングパターンを遷移している(通常更新処理)。
実施例1の表4に従って入力セクターの移行を行えば、スイッチング回数を2回以下に低減できるが、さらにスイッチング回数を1回以下に抑えたい場合、セクターモードが変化せずに入力セクターが変化しつつv1で更新するモード(sm1→sm1のv1更新、およびsm2→sm2のv1更新)を禁止する必要がある。
実施例1,2は入力セクターの移行時に着目していたが、本実施例では出力セクターの移行パターンに着目する。正転方向(U→V→W)、逆転方向(U→W→V)のいずれでも、表1の定義により、出力セクターが1つ移行するとセクターモードも変化する。
入力セクターに変化がなく、出力セクターが1つ飛んで2つ移行するときは表1のようにセクターモードに変化がない。通常、セクターは1つずつ変化するが、出力側に関しては過渡応答時にセクターが2個以上飛ぶことも予想される。その場合、実施例3の表6で定義した移行モード以外も発生し得る。
実施例5では、出力セクターが2つ以上変化するときに2回のスイッチングを伴い、一時的ではあるが前記制約条件(3)を満たすことができない。これは負荷急変状態のみで発生するモードであるため、通常運転では問題にならない。しかし、負荷急変時にも制約条件(3)を満たしたい場合は、代わりに制約条件(2)の線間電圧変動低減と制約条件(5)のコモンモード電圧低減を一時的に犠牲にすることで実現することが可能である。
(2)STT→RTT→RST→RSS→RRS
(3)STT→SST→RST→RRT→RRS
(4)STT→SST→RST→RSS→RRS
(5)TTT→STT→RTT→RST→RRT
(6)TTT→STT→RTT→RST→RSS
(7)TTT→STT→SST→RST→RRT
(8)TTT→STT→SST→RST→RSS
(9)RRR→RRS→RRT→RST→RTT
(10)RRR→RRS→RRT→RST→SST
(11)RRR→RRS→RSS→RST→RTT
(12)RRR→RRS→RSS→RST→SST
上記のうち、(1)から(4)は元々存在する移行パターンである。(5)から(8)は、TTTによるパターン、(9)から(12)はRRRによるパターンである。つまり、(5)から(12)が増えている。v1とv5の組み合わせとしては、(1)から(4)は「v1=Xs,v5=YM」、(5)から(8)は「v1=Z(TTT)、v5=XM」もしくは「v1=Z(TTT)、v5=YL」、(9)から(12)は「v1=Z(RRR)、v5=XL」もしくは「v1=Z(RRR)、v5=YS」となる。以後、この関係に着目する。
「v1=STT、v5=RRS」(通常モード)
「v1=TTT、v5=RSS」(セクター2つ以上変化モード)
「v1=TTT、v5=RRT」(セクター2つ以上変化モード)
「v1=RRR、v5=RTT」(セクター2つ以上変化モード)
「v1=RRR、v5=SST」(セクター2つ以上変化モード)
入力セクター1&出力セクター3のとき
「v1=TST、v5=SRR」(通常モード)
「v1=TTT、v5=SRS」(セクター2つ以上変化モード)
「v1=TTT、v5=TRR」(セクター2つ以上変化モード)
「v1=RRR、v5=TRT」(セクター2つ以上変化モード)
「v1=RRR、v5=TSS」(セクター2つ以上変化モード)
上記を参考に、「通常モード」から「セクター2つ以上変化モード」に切り替えて、その際のスイッチング回数を1回以下に低減する。例えば出力セクター1→3に切り替わった場合、
「v1=STT、v5=RRS」(通常モード)→「v1=TTT、v5=SRS」(セクター2つ以上変化モード:制約条件を一部解除した第1のスイッチングパターン)
とすることで、v1更新、v5更新時ともに1回のスイッチングで移行することができる。
「v1=STT、v5=RRS」(通常モード)→「v1=TST、v5=SRR」(通常モード)
となって、v1更新、v5更新時ともに2回のスイッチングとなってしまうので、上記のように「セクター2つ以上変化モード:制約条件を一部解除した第1のスイッチングパターン」を用いた方が良い。ただし、この瞬時においては入力の中間相でない零ベクトルを用いることになるので、コモンモード電圧値としては瞬間的に大きくなる。
「v1=TTT、v5=SRS」(セクター2つ以上変化モード)→「v1=TST、v5=SRR」(通常モード)
といった形に戻す。戻す際もスイッチング回数は1回以下で実現できる。
運転状態によっては、入出力のセクターが同時に変化する場合も想定される。ここで、例として入力セクター1&出力セクター1の状態から入力セクター2&出力セクター2〜6のいずれかに移行する場合を考える。
「v1=STT、v5=RRS」
である。この状態から、
入力セクター2&出力セクター2に移行するときは(sm1)
「v1=RRS、v5=TST」なので、移行パターンはv1→v5、v5→v1(更新時切替処理)とする。
「v1=SRR、v5=TST」なので、移行パターンはv1→v5、v5→v1(更新時切替処理)とする。
「v1=SRR、v5=TTS」なので、移行パターンはv1→v5、v5→v1(更新時切替処理)とする。
「v1=RSR、v5=TTS」なので、移行パターンはv1→v5、v5→v1(更新時切替処理)とする。
「v1=RSR、v5=STT」なので、移行パターンはv1→v5、v5→v1(更新時切替処理)とする。
入出力セクターが同時に変化する場合について、実施例5と実施例6の効果を組み合わせることも可能である。以下、一例として入力セクター1&出力セクター1→入力セクター2&出力セクター3に変化する場合を考える。中間相はどちらの場合もS相であるので、通常モードでは零ベクトルSSSを用いる。一方、「入出力同時変化モード」として制約条件(5)を解除した零ベクトルRRRとTTTを含むパターン(制約条件を一部解除した第2のスイッチングパターン)を考え、そのときのスイッチングパターンv1とv5について以下にまとめる。
「v1=STT、v5=RRS」(通常モード)
「v1=TTT、v5=RSS」(入出力同時変化モード)
「v1=TTT、v5=RRT」(入出力同時変化モード)
「v1=RRR、v5=RTT」(入出力同時変化モード)
「v1=RRR、v5=SST」(入出力同時変化モード)
入力セクター2&出力セクター3のとき
「v1=SRR、v5=TST」(通常モード)
「v1=TTT、v5=SRS」(入出力同時変化モード)
「v1=TTT、v5=TRR」(入出力同時変化モード)
「v1=RRR、v5=TRT」(入出力同時変化モード)
「v1=RRR、v5=TSS」(入出力同時変化モード)
通常モードでの移行時は、
「v1=STT、v5=RRS」(通常モード)→「v1=SRR、v5=TST」(通常モード)
となるので、v1更新、v5更新時にどのような移行モードをとってもスイッチング回数は2回伴う。
「v1=STT、v5=RRS」(通常モード)→「v1=TTT、v5=SRS」(入出力同時変化モード)
を使用すると、v1→v1、v5→v5でスイッチング回数を1回に低減できる。
Claims (8)
- 空間ベクトルによる変調で双方向スイッチをPWM制御する多相交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法であって、
多相交流出力の線間電圧を2相の静止αβ軸上に展開したベクトルの状態とし、出力電圧指令値ベクトルVo*が存在するセクターの位相が遅れている単振動ベクトル軸をX軸、進んでいる単振動ベクトル軸をY軸と定義して、それぞれの軸で最大のベクトルXL、YLと、中間のベクトルXM、YMと、最小のベクトルXS、YSと、相電圧の中間電圧となる零ベクトルZと、セクター内に1つ存在する回転ベクトルRを基本ベクトルとし、
仮想間接形の空間ベクトルを用いたスイッチングパターンを、1制御周期あたり5つの空間ベクトルが配列された直接変換形の空間ベクトルを用いたスイッチングパターンに変換し、
前記変換されたスイッチングパターンのうち、第1の条件として入力波形と出力波形を同時に正弦波化することができること、第2の条件として線間電圧ベクトル方向に見て指令値との電圧差が最も大きいベクトルは選択しないこと、第3の条件として1相ごとのスイッチング遷移が可能なこと、第4の条件としてスイッチング遷移に電源の最大電圧相と最小電圧相間の直接転流がないこと、第5の条件として常に電源の中間電圧相の零ベクトルを用いること、を各々満たすスイッチングパターンを選択し、
前記入、出力側空間ベクトルの空間を各々複数に区切って構成される、入力電流指令値ベクトル、出力電圧指令値ベクトルが各々存在する領域を入、出力セクターと定義し、前記入力セクター、出力セクターの状態に基づいて、スイッチング回数を低減させるためのスイッチングパターンを決定する処理を行い、該決定されたスイッチングパターンによって前記双方向スイッチをPWM制御することを特徴とする交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。 - 前記スイッチングパターンを決定する処理は、
前記入力セクターが移行する過渡時に、前記選択されたスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルに移行し、前記スイッチングパターンの他端に配置された空間ベクトルのタイミングでスイッチングパターンを更新するときは、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの一端に配置された空間ベクトルに移行する更新時切替処理か、又は前記選択されたスイッチングパターンのいずれか一方の端部に配置された空間ベクトルから、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの前記と同一端部に配置された空間ベクトルに移行する通常更新処理の、いずれかスイッチング回数の少ない方の処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。 - 前記スイッチングパターンを決定する処理は、
入力セクターが移行する過渡時に、スイッチングパターンを更新することによりスイッチング回数が2回となるモード時は、移行前のセクター状態を維持しながら、更新前のスイッチングパターンを折り返してPWM制御し、その後前記セクター維持を解除し、スイッチングを伴わない、次のPWM制御に供されるスイッチングパターンの端部に配置された空間ベクトルに移行する1制御周期遅延処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。 - 前記スイッチングパターンを決定する処理は、
出力セクターが1つ移行する過渡時に、前記請求項3に記載の1制御周期遅延処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。 - 前記スイッチングパターンを決定する処理は、
出力セクターが2つ以上移行する過渡時には、前記請求項2に記載の通常更新処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。 - 1制御周期あたり5つの空間ベクトルが配列され、前記第2の条件および第5の条件を満たさない、制約条件を一部解除した第1のスイッチングパターンを生成しておき、
前記スイッチングパターンを決定する処理は、
出力セクターが2つ以上移行する過渡時に、1制御周期のみ、前記制約条件を一部解除した第1のスイッチングパターンを選択することを特徴とする請求項1に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。 - 前記スイッチングパターンを決定する処理は、
出力セクターが移行し、且つ入力セクターが奇数セクターから偶数セクターに移行する過渡時に、前記請求項2に記載の更新時切替処理を行い、出力セクターが移行し、且つ入力セクターが偶数セクターから奇数セクターに移行する過渡時に、前記請求項2に記載の通常更新処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。 - 1制御周期あたり5つの空間ベクトルが配列され、前記第5の条件を満たさない、制約条件を一部解除した第2のスイッチングパターンを生成しておき、
前記スイッチングパターンを決定する処理は、
入力セクターおよび出力セクターが移行する過渡時に、1制御周期のみ、前記制約条件を一部解除した第2のスイッチングパターンを選択することを特徴とする請求項1に記載の交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法。
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