JP2009049322A - 記憶素子および記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン源層中の一の元素の組成比調整を行う際にトレードオフの関係にある複数の特性を同時に向上させることの可能な記憶素子を提供する。
【解決手段】下部電極11、高抵抗層12、イオン源層13および上部電極14がこの順に配置して形成されている。イオン源層13は、高抵抗層12側に設けられた第1イオン源層13Aと、上部電極14側に設けられた第2イオン源層13Bとの2層を有する。第1イオン源層13Aには少なくともZrが含まれ、第2イオン源層13BにはCu、AgおよびZnのうち少なくとも一種類の金属元素と、Te、SおよびSeのうち少なくとも一種類のカルコゲン元素とが含まれている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電圧の印可により電気的特性が変化する記憶素子およびそれを備えた記憶装置に関する。
コンピュータ等の情報機器においては、高速動作の可能な高密度のDRAM(Dynamic Random Access Memory)が広く用いられている。しかし、DRAMにおいては、電子機器に用いられる一般的な論理回路や信号処理回路などと比較して製造プロセスが複雑なため、製造コストが高いという問題がある。また、DRAMは、電源を切ると情報が消えてしまう揮発性メモリであり、頻繁にリフレッシュ動作を行う必要がある。
そこで、電源を切っても情報の消えない不揮発性メモリとして、例えば、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory;強誘電体メモリ)や、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory;磁気記憶素子)などが提案されている。これらのメモリでは、電力を供給しなくても書き込んだ情報を長時間保持し続けることが可能であり、また、リフレッシュ動作を行う必要がないので、その分だけ消費電力を低減することができる。しかし、上記した不揮発性メモリでは、メモリセルの縮小化に伴い、メモリとしての特性を確保することが困難となっている。そこで、メモリセルの縮小化に適したメモリとして、例えば、特許文献1、非特許文献1,2に記載されているような新しいタイプの記憶素子が提案されている。
例えば、特許文献1および非特許文献1に記載の記憶素子では、2つの電極の間に、Cu、AgおよびZnのうちいずれか一種類の金属元素と、SおよびSeのうちいずれか一種類のカルコゲン元素とを含むイオン源層が設けられており、一方の電極にイオン源層に含まれる金属元素が含まれている。このような構成の記憶素子では、2つの電極間に電圧が印加されると、一方の電極に含まれる上記金属元素がイオン源層中にイオンとして拡散し、イオン源層の抵抗値あるいは容量値などの電気特性が変化するので、その電気特性の変化を利用して、メモリ機能を発現させることができる。
また、例えば、非特許文献2に記載の記憶素子では、2つの電極の間に、例えば、CrがドープされたSrZrOからなる結晶酸化物材料層が設けられており、一方の電極がSrRuOあるいはPtからなり、他方の電極がAuあるいはPtからなる。ただし、この記憶素子の動作原理の詳細については不明である。
特表2002−536840号公報 日経エレクトロニクス 2003年1月20日号(第104頁) A.Beck et al.,Appl.Phys.Lett.,77,(2000年),p.139
ところで、特許文献1および非特許文献1に記載したような記憶素子では、イオン源層そのものの特性がメモリ特性の良否を決定する。メモリ特性としては、例えば、動作速度(書込速度、消去速度)、消去特性(繰り返し動作における書込消去を行う前の抵抗と書込消去を行った後の抵抗との比、消去抵抗の戻り特性とも言う)、記録特性、データ保持特性(記録抵抗および消去抵抗の加熱加速試験前後における変化)、繰り返し動作回数、記録消去時消費電力などが挙げられるが、これらの中には、イオン源層中の一の元素の組成比調整を行う際にトレードオフの関係となるものが多い。そのため、例えば、書込速度を良くする目的でイオン源層中の一の元素の組成比調整を行うと、消去特性が悪化することがある。このように、イオン源層中の一の元素の組成比調整を行うだけでは、トレードオフの関係にある特性を同時に向上させることは容易ではないという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、イオン源層中の一の元素の組成比調整を行う際にトレードオフの関係にある複数の特性を同時に向上させることの可能な記憶素子およびそれを備えた記憶装置を提供することにある。
本発明の記憶素子は、第1電極、高抵抗層、イオン源層および第2電極をこの順に配置して形成されたものである。ここで、イオン源層は、高抵抗層側に設けられた第1イオン源層と第2電極側に設けられた第2イオン源層との2層を有しており、第1イオン源層には少なくともZrが含まれており、第2イオン源層にはCu、AgおよびZnのうち少なくとも一種類の金属元素と、Te、SおよびSeのうち少なくとも一種類のカルコゲン元素とが含まれている。
本発明の記憶装置は、上記記憶素子と、第1電極および第2電極のいずれか一方の電極に電気的に接続された第1配線と、第1電極および第2電極のうち第1配線に電気的に接続された電極とは異なる電極に電気的に接続された第2配線と、第1配線に直列挿入され、かつ第1電極および第2電極の間に印加する電圧を制御するスイッチング素子とを備えたものである。
本発明の記憶素子および記憶装置では、イオン源層に含まれる2層のうち高抵抗層側に設けられた第1イオン源層に少なくともZrが含まれ、第2電極側に設けられた第2イオン源層にCu、AgおよびZnのうち少なくとも一種類の金属元素と、Te、SおよびSeのうち少なくとも一種類のカルコゲン元素とが含まれている。これにより、高抵抗層側に設けられた第1イオン源層によって書込速度を改善することができ、他方、第2電極側に設けられた第2イオン源層によって消去特性を改善することができる。
本発明の記憶素子および記憶装置によれば、高抵抗層側に設けられた第1イオン源層によって書込速度を改善すると共に、第2電極側に設けられた第2イオン源層によって戻り特性を改善するようにしたので、イオン源層中の一の元素の組成比調整を行う際にトレードオフの関係にある複数の特性を同時に向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施の形態に係る記憶装置1は、メモリセルを記憶単位としてマトリクス状に配置したものである。図1は、この記憶装置1のメモリセルを拡大して表したものである。このメモリセルは、記憶素子10と、トランジスタ20(スイッチング素子)とを備えている。
図2は、記憶素子10の断面構成を表したものである。記憶素子10は、下部電極11(第1電極)、高抵抗層12、イオン源層13および上部電極14(第2電極)をこの順に積層して形成されたものである。下部電極11がソース線Sに電気的に接続され、上部電極14がトランジスタ20のドレイン(図示せず)に電気的に接続されている。トランジスタ20のソース(図示せず)がビット線Bに電気的に接続され、トランジスタ20のゲート(図示せず)がワード線Wに電気的に接続されている。
ここで、下部電極10および上部電極14は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、タングステン(W)などの金属材料により構成されている。高抵抗層12は、例えば、金属材料、希土類元素、これらの混合物の酸化物あるいは窒化物、または半導体材料からなる。
イオン源層13は、高抵抗層12側に設けられた第1イオン源層13Aと、上部電極14側に設けられた第2イオン源層13Bとの2層を有している。
第1イオン源層13Aは、Zrと、Cu、AgおよびZnのうち少なくとも一種類の金属元素と、Te、SおよびSeのうち少なくとも一種類のカルコゲン元素とを含んで構成されており、例えば、CuTeSiZr、GeSbTeSiZr、CuGeTeSiZr、AgGeTeSiZr、AgTeSiZr、ZnTeSiZr、ZnGeTeSiZr、CuSSiZr、CuGeSSiZr、CuSeSiZr、CuGeSeSiZr等からなる。
また、第2イオン源層13Bは、Cu、AgおよびZnのうち少なくとも一種類の金属元素と、Te、SおよびSeのうち少なくとも一種類のカルコゲン元素とを含んで構成されており、例えば、CuTeSi、GeSbTeSi、CuGeTeSi、AgGeTeSi、AgTeSi、ZnTeSi、ZnGeTeSi、CuSSi、CuGeSSi、CuSeSi、CuGeSeSi等からなる。
つまり、イオン源層13は、Cu、AgおよびZnのうち少なくとも一種類の金属元素と、Te、SおよびSeのうち少なくとも一種類のカルコゲン元素とを含んで構成された層のうち高抵抗層12側にZrを含んで構成されている。
ここで、Cu、Ag、Znは、陽イオンとなったときに、イオン源層13内や、高抵抗層12内を移動しやすい元素である。また、Teは、イオン源層13の抵抗値を、記憶素子10がオンしたときの高抵抗層12の抵抗値よりも小さくすることの可能な元素である。そのため、イオン源層13において、カルコゲン元素としてTeを用いた場合には、抵抗値が大きく変化する部分を高抵抗層12に限定することができ、メモリ動作の安定性を向上させることができる。また、イオン源層13において、陽イオンとなる元素としてCuを用い、さらに、カルコゲン元素としてTeを用いた場合には、イオン源層13の抵抗値を、記憶素子10がオンしたときの高抵抗層12の抵抗値よりも十分に小さくすることができるので、メモリ動作の安定性をより向上させることができる。
また、Siは、イオン源層13を非晶質化し、イオン源層13の結晶化温度を上昇させることの可能な元素である。そのため、イオン源層13にSiを適当量含有させた場合には、プロセス時に受ける熱などによる結晶化等の状態変化が抑制され、メモリ動作の安定性を向上させることができる。
本実施の形態の記憶装置1の動作について説明する。
(書き込み)
上部電極14に正電位(+電位)を印加すると共に、下部電極11に負電位(−電位)またはゼロ電位を印加すると、イオン源層13から、Cu、AgおよびZnのうち少なくとも一種類の金属元素がイオン化して高抵抗層12内を拡散していき、下部電極11側で電子と結合して析出したり、あるいは、高抵抗層12の内部に拡散した状態で留まる。その結果、高抵抗層12の内部に、Cu、AgおよびZnのうち少なくとも一種類の金属元素を多量に含む電流パスが形成されたり、もしくは、高抵抗層12の内部に、Cu、AgおよびZnのうち少なくとも一種類の金属元素による欠陥が多数形成され、高抵抗層12の抵抗値が低くなる。このとき、イオン源層13の抵抗値は、高抵抗層12の記録前の抵抗値に比べて元々低いので、高抵抗層12の抵抗値が低くなることにより、記憶素子10全体の抵抗値も低くなる(つまり、記憶素子10がオンする)。なお、このときの記憶素子10全体の抵抗が書込抵抗となる。
その後、上部電極14および下部電極11に印加されている電圧をゼロにして、記憶素子10にかかる電圧をゼロにすると、記憶素子10の抵抗値が低くなった状態で保持される。このようにして、情報の記録(書き込み)が行われる。
(消去)
次に、上部電極14に負電位(−電位)を印加すると共に、下部電極11に正電位(+電位)またはゼロ電位を印加すると、高抵抗層12内に形成されていた電流パス、あるいは不純物準位を構成する、Cu、AgおよびZnのうち少なくとも一種類の金属元素がイオン化して、高抵抗層1内を移動してイオン源層13側に戻る。その結果、高抵抗層12内から、電流パス、もしくは、欠陥が消滅して、高抵抗層12の抵抗値が高くなる。このとき、イオン源層13の抵抗値は元々低いので、高抵抗層12の抵抗値が高くなることにより、記憶素子10全体の抵抗値も高くなる(つまり、記憶素子10がオフする)。なお、このときの記憶素子10全体の抵抗が消去抵抗となる。
その後、上部電極14および下部電極11に印加されている電圧をゼロにして、記憶素子10にかかる電圧をゼロにすると、記憶素子10の抵抗値が高くなった状態で保持される。このようにして、記録された情報の消去が行われる。
そして、このような過程を繰返し行うことにより、記憶素子10に情報の記録(書き込み)と、記録された情報の消去を繰り返し行うことができる。
このとき、例えば、記憶素子10全体の抵抗が書込抵抗となっている状態(抵抗値の高い状態)を「1」の情報に、記憶素子10全体の抵抗が消去抵抗となっている状態(抵抗値の低い状態)を「0」の情報に、それぞれ対応させると、上部電極14に正電位(+電位)を印加することによって、記憶素子10の情報を「0」から「1」に変え、上部電極14に負電位(−電位)を印加することによって、記憶素子10の情報を「1」から「0」に変えることができる。
このように、本実施の形態では、下部電極11、高抵抗層12、イオン源層13および上部電極14をこの順に積層しただけの簡易な構造からなる記憶素子10を用いて、情報の記録および消去を行うようにしたので、記憶素子10を微細化していった場合であっても、情報の記録および消去を容易に行うことができる。また、電力の供給がなくても、高抵抗層12の抵抗値を保持することができるので、情報を長期に渡って保存することができる。また、読み出しによって高抵抗層12の抵抗値が変化することはなく、フレッシュ動作を行う必要がないので、その分だけ消費電力を低減することができる。
また、本実施の形態では、イオン源層13に含まれる2層のうち高抵抗層12側に設けられた第1イオン源層13Aに少なくともZrが含まれており、上部電極14側に設けられた第2イオン源層13BにCu、AgおよびZnのうち少なくとも一種類の金属元素と、Te、SおよびSeのうち少なくとも一種類のカルコゲン元素とが含まれている。これにより、高抵抗層12側に設けられた第1イオン源層13Aによって書込速度を改善することができ、他方、上部電極14側に設けられた第2イオン源層13Bによって戻り特性を改善することができる。従って、イオン源層13中の一の元素の組成比調整を行う際にトレードオフの関係にある複数の特性(ここでは、書込速度と戻り特性)を同時に向上させることができる。
[実施例]
次に、上記実施の形態の記憶装置1の実施例について、比較例と対比しつつ説明する。
まず、タングステン(W)からなる直径0.3μmの円板形状の下部電極11上に、ガドリニウム(Gd)酸化物からなる直径0.3μm、厚さ3nmの円板形状の高抵抗層12と、CuTeGeSiZrからなる直径0.3μm、厚さ30nmの円板形状のイオン源層130(単層)と、Wからなる直径0.3μm、厚さ200nmの円板形状の上部電極14とを形成した記憶素子30を備えた記憶装置2を比較例として作製した(図3、図4参照)。ただし、比較例としてイオン源層130のZrの添加量(原子%)を20、15、10、5、0にしたものをそれぞれ用意した(表1参照)。なお、以下の実験を行う前に、イオン源層130に対して200℃1時間の熱処理を行った。
Figure 2009049322
<実験1>
比較例に係る記憶装置2において書込速度を調べるために、書き込み可能な最短パルス幅を計測した。その結果を図5に示す。なお、パルス幅を1n秒(10−9秒)から1m秒(10−5秒)へ徐々に大きくしていったときに、記憶素子30の抵抗が最初に書込抵抗となったときのパルス幅を、書き込み可能な最短パルス幅とした。また、書き込みパルスを印加したときの最大電流を300μAから30μAとした。
図5から、イオン源層130のZr含有量が増えるにつれて、記録可能な最短パルス幅が短くなっており、動作速度が速くなっていることがわかる。
<実験2>
比較例に係る記憶装置2において消去特性(消去抵抗の戻り特性)を調べるために、一度も電圧が印加されていない記憶素子30の抵抗(初期抵抗)と、記録消去をそれぞれ一回ずつ行った記憶素子30の抵抗(消去抵抗)を計測した。その結果を図6に示す。なお、図6の縦軸を、消去抵抗を初期抵抗で除算することにより得られた値(比)で表した。したがって、比が1に近いほど、消去抵抗が初期抵抗に近いことを意味し、消去性が良好であることを表している。なお、記録時のパルス幅を10μ秒から1m秒の間とし、消去時のパルス幅を1m秒とした。また、記録時の最大電流を300μAから30μAとし、消去時の最大電流を200μAとした。
図6から、イオン源層130のZr含有量が増えるにつれて、消去抵抗/初期抵抗の値が低くなっており、消去性能が低下していることがわかる。
<実験3>
比較例に係る記憶装置2においてデータ保持性能を調べるために、加熱加速試験の前後における、記録抵抗と消去抵抗を計測した。その結果を図7〜図11に示す。なお、図7はイオン源層130のZr含有量が20%のときの結果であり、図8はイオン源層130のZr含有量が15%のときの結果であり、図9はイオン源層130のZr含有量が10%のときの結果であり、図10はイオン源層130のZr含有量が5%のときの結果であり、図11はイオン源層130のZr含有量が0%のときの結果である。また、図7〜11の横軸を加熱加速試験前の記録抵抗および消去抵抗のそれぞれの値とし、図7〜11の縦軸を加熱加速試験後の記録抵抗および消去抵抗のそれぞれの値とした。したがって、それぞれの図中に示した傾き1の破線に近い点ほど、加熱加速試験前後の、記録抵抗および消去抵抗の変化量が少ないことを意味しており、図中の点がこの破線付近に集中しているほど、保持性能が高いことを表している。なお、合計20個のサンプルを用意し、各サンプルに対して記録消去を1000回行った。このうち10個のサンプルを記録の状態で終了し、残りの10個のサンプルを消去の状態で終了した。また、加熱加速試験の条件を130度1時間とした。また、記録消去時のパルス幅を10μ秒とした。また、記録時の最大電流を120μAとし、消去時の電流を120μAから200μAの間で変化させたので、図中には広範な抵抗値が現れる結果となった。
図7〜図11から、イオン源層130のZr含有量が増えるにつれて、計測点が点線から離れる割合が小さくなっており、保持性能が向上していることがわかる。
以上をまとめると、各実験結果から、比較例において、イオン源層130のZr含有量を増やすと、動作速度が速くなり、保持性能が向上するものの、消去性能が低下してしまい、その逆に、イオン源層130のZr含有量を減らすと、消去性能が高くなるものの、動作速度が遅くなり、保持性能が低下してしまうことがわかる。このことから、単層のイオン源層130のZr含有量を変化させたとしても、3つの特性を同時に向上させることができないことがわかる。
次に、実施例に係る記憶装置を作製した。具体的には、まず、タングステン(W)からなる直径0.3μmの円板形状の下部電極11上に、ガドリニウム(Gd)酸化物からなる直径0.3μm、厚さ3nmの円板形状の高抵抗層12と、ZrCuTeSiGeからなる直径0.3μm、厚さDの円板形状の第1イオン源層13Aと、CuTeSiGeからなる直径0.3μm、厚さDの円板形状の第2イオン源層13Bと、Wからなる直径0.3μm、厚さ200nmの円板形状の上部電極14とを形成した記憶素子30を備えた記憶装置2を比較例として作製した(図1、図2参照)。ただし、実施例として、第1イオン源層13Aの厚さDと、第2イオン源層13Bの厚さDとの合計Dが30nmとなるようにした上で、厚さDを5nm、3nm、1nmとしたものをそれぞれ用意した。また、厚さDを30nm、0nmとしたものを参考例として用意した。ここで、厚さDが30nmとなっている場合には、第2イオン源層13Bが存在していないことを意味しており、厚さDが0nmなっている場合には、第1イオン源層13Aが存在していないことを意味している。
本実施例および本参考例に対しても、比較例と同様の実験を行った。ただし、可変パラメータをイオン源層130のZr含有量の代わりに、第1イオン源層13Aの厚さDとした。実験1の結果を図12に、実験2の結果を図13に、実験3の結果を図14〜図18にそれぞれ示した。
図12から、第1イオン源層13Aの厚さDが厚くなるにつれて、記録可能な最短パルス幅が短くなっており、動作速度が速くなっていることがわかる。特に、厚さDが3nm以上において、記録可能な最短パルス幅が1n秒(10−9秒)と、ほぼ一定となっていることがわかる。なお、第1イオン源層13AのZr含有量が20%を下回る場合においても、厚さDが3nm以上において、記録可能な最短パルス幅がほぼ一定となっていた。
図13から、第1イオン源層13Aの厚さDが1.5nm以上12.5nm以下の範囲内において、消去抵抗/初期抵抗の値が高くなっており、消去性能が向上していることがわかる。なお、図6の結果からZr含有量が減少するにつれて消去性能が向上することがわかっているので、第1イオン源層13AのZr含有量が20%を下回る場合には、第1イオン源層13AZr含有量が20%のときの結果よりも、消去性能は向上すると考えられる。
また、図13から、第1イオン源層13Aの厚さDが3nm以上5nm以下の範囲内において、消去抵抗/初期抵抗の値がほぼ一定となっており、消去性能が安定して高いことがわかる。つまり、この範囲内においては、消去性能がほとんど変化しないので、第1イオン源層13Aの厚さDが個々の記憶装置1においてばらついたとしても、個々の記憶装置1の特性を一定に保つことができる。
図14〜図18から、第1イオン源層13Aの厚さDが厚くなるにつれて、計測点が点線から離れる割合が小さくなっており、保持性能が向上していることがわかる。
以上をまとめると、各実験結果から、実施例において、第1イオン源層13Aの厚さDが1.5nm以上12.5nm以下の範囲内において、動作速度が速く、保持性能が高く、さらに、消去性能も高いことがわかる。特に、第1イオン源層13Aの厚さDが3nm以上5nm以下の範囲内においては、消去性能が安定して高いことがわかる。このように、実施例においては、第1イオン源層13Aの厚さDを所定の範囲内に設定することにより、3つの特性を同時に向上させることができることがわかる。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明の記憶素子および記憶装置について説明したが、本発明は上記実施の形態等に限定されるものではなく、本発明の記憶素子および記憶装置の構成は、上記実施の形態等と同様の効果を得ることが可能な限りにおいて自由に変形可能である。
例えば、イオン源層13に含まれる層数は2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。また、第1イオン源層13Aは、Zrと、Cu、AgおよびZnのうち少なくとも一種類の金属元素と、Te、SおよびSeのうち少なくとも一種類のカルコゲン元素とを全て含んでいる必要はなく、例えば、Zr単層であってもよい。ただし、この場合には、第1イオン源層13Aの厚さは1nm程度であることが好ましい。
本発明の一実施の形態に係る記憶装置の回路構成図である。 図1の記憶素子の断面構成図である。 比較例に係る記憶装置の回路構成図である。 図3の記憶素子の断面構成図である。 比較例に係る記憶素子の記録速度について説明するための特性図である。 比較例に係る記憶素子の戻り特性について説明するための特性図である。 Zr含有量が20%のときの比較例に係る記憶素子のデータ保持特性について説明するための特性図である。 Zr含有量が15%のときの比較例に係る記憶素子のデータ保持特性について説明するための特性図である。 Zr含有量が10%のときの比較例に係る記憶素子のデータ保持特性について説明するための特性図である。 Zr含有量が5%のときの比較例に係る記憶素子のデータ保持特性について説明するための特性図である。 Zr含有量が0%のときの比較例に係る記憶素子のデータ保持特性について説明するための特性図である。 実施例に係る記憶素子の記録速度について説明するための特性図である。 実施例に係る記憶素子の戻り特性について説明するための特性図である。 第1イオン源層の厚さが20nmのときの参考例に係る記憶素子のデータ保持特性について説明するための特性図である。 第1イオン源層の厚さが5nmのときの実施例に係る記憶素子のデータ保持特性について説明するための特性図である。 第1イオン源層の厚さが3nmのときの実施例に係る記憶素子のデータ保持特性について説明するための特性図である。 第1イオン源層の厚さが1nmのときの実施例に係る記憶素子のデータ保持特性について説明するための特性図である。 第1イオン源層の厚さが0nmのときの参考例に係る記憶素子のデータ保持特性について説明するための特性図である。
符号の説明
1,2…記憶装置、10,30…記憶素子、11…下部電極、12…高抵抗層、13,130…イオン源層、13A…第1イオン源層、13B…第2イオン源層、14…上部電極、20…トランジスタ、1A,2A…シャントFET、1B,2B…シリーズFET,10…基板、11…バッファ層、12…下部電子供給層、13…下部スペーサ層、14…チャネル層、15…上部スペーサ層、16…上部電子供給層、17,18,46…コンタクト層、18A,46A…第1コンタクト層、18B,46B…第2コンタクト層、46C…第3コンタクト層、19…素子分離絶縁膜、30,37,41…ゲート電極、31,38,42…ソース電極、32,39,43…ドレイン電極、33,44…反応領域、34,45…ゲート領域、35,36,40…リセス。

Claims (6)

  1. 第1電極、高抵抗層、イオン源層および第2電極をこの順に配置してなる記憶素子であって、
    前記イオン源層は、
    前記高抵抗層側に設けられ、少なくともZrを含む第1イオン源層と、
    前記第2電極側に設けられ、Cu、AgおよびZnのうち少なくとも一種類の金属元素と、Te、SおよびSeのうち少なくとも一種類のカルコゲン元素とを含む第2イオン源層と
    を有する
    ことを特徴とする記憶素子。
  2. 前記第1イオン源層は、Cu、AgおよびZnのうち少なくとも一種類の金属元素と、Te、SおよびSeのうち少なくとも一種類のカルコゲン元素とを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の記憶素子。
  3. 前記第1イオン源層の厚さは、1.5nm以上12.5nm以下である
    ことを特徴とする請求項2に記載の記憶素子。
  4. 前記第1イオン源層の厚さは、3nm以上である
    ことを特徴とする請求項2に記載の記憶素子。
  5. 前記第1イオン源層の厚さは、3nm以上5nm以下である
    ことを特徴とする請求項2に記載の記憶素子。
  6. 第1電極、高抵抗層、イオン源層および第2電極をこの順に配置してなる記憶素子と、
    前記第1電極および前記第2電極のいずれか一方の電極に電気的に接続された第1配線と、
    前記第1電極および前記第2電極のうち前記第1配線に電気的に接続された電極とは異なる電極に電気的に接続された第2配線と、
    前記第1配線に直列挿入され、かつ前記第1電極および前記第2電極の間に印加する電圧を制御するスイッチング素子と
    を備え、
    前記イオン源層は、
    前記高抵抗層側に設けられ、少なくともZrを含む第1イオン源層と、
    前記第2電極側に設けられ、Cu、AgおよびZnのうち少なくとも一種類の金属元素と、Te、SおよびSeのうち少なくとも一種類のカルコゲン元素とを含む第2イオン源層と
    を有する
    ことを特徴とする記憶装置。
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