JP2009049216A - 半導体装置の製造方法と製造装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法と製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 半導体ウェーハの反りを調整して、半導体ウェーハから半導体装置を製造する方法を提供する。
【解決方法】 図示番号6は半導体ウェーハの一部を示す。半導体ウェーハ6は全体では図示番号8Aに示すように、上向きに凸の反りが形成されている。この場合に、半導体ウェーハ6の表面6aにトレンチ2を形成する。ゲート絶縁膜4を形成後、トレンチ2内部を含む範囲にアモルファスシリコン層10を形成し、続いてアモルファスシリコン層10の表面10aにポリシリコン層12を形成する。これによりアモルファスシリコン層10は結晶化し、体積が収縮する。トレンチ2内部に形成されたアモルファスシリコン層10も体積が収縮し、半導体ウェーハ6には下向きに凸の反りを生じる応力14が働く。この結果、半導体ウェーハ6の反り8Cは、半導体ウェーハ6に生じた応力14と打ち消しあい、半導体ウェーハ6は平面状態8Dとなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体ウェーハから半導体装置を製造する方法と製造装置に関する。特に、半導体ウェーハの反りを調整して、半導体ウェーハから半導体装置を製造する方法と製造装置に関する。
半導体ウェーハから半導体装置を製造する方法が知られている。半導体ウェーハから半導体装置を製造する工程では、半導体ウェーハの表面及び/又は裏面に各種の膜を形成したり、形成した膜の一部又は全部を除去する工程が用いられる。半導体ウェーハの表面及び/又は裏面に膜を形成した場合、又は膜を除去した場合、膜の応力によって半導体ウェーハに反りが生じることが知られている。半導体ウェーハに不純物イオンを注入することによって半導体ウェーハが反ることもある。
半導体ウェーハに生じる反りが大きいと、半導体装置を製造する工程で問題が生じる。問題が生じる工程の1例に、露光工程がある。露光工程では、エネルギービーム(以下、単にビームと呼ぶ)照射装置のビーム照射口から、例えば焦点距離などの一定距離だけ離れた位置に半導体ウェーハを対向して配置し、ビーム照射口から半導体ウェーハにビームを照射する。半導体ウェーハに部分的に非照射範囲を形成する場合には、ビーム照射口と半導体ウェーハが対向する中間の位置に、開口パターンが形成されたマスクを配置する場合もある。半導体ウェーハに生じる反りが大きい場合、半導体ウェーハは例えば焦点位置などの所望の位置から大きく移動した位置に存在する。その為、半導体ウェーハに所望の露光をすることができない。例えば半導体ウェーハ支持テーブルに下に凸に反っている半導体ウェーハを配置して露光する場合、半導体ウェーハの周辺付近で所望の露光をすることができない。逆に半導体ウェーハ支持テーブルに上に凸に反っている半導体ウェーハを配置して露光する場合、半導体ウェーハの中央付近で所望の露光をすることができない。
問題が生じる工程の他の例に、搬送工程がある。半導体装置の製造では、多くの装置を用いて製造が行われる。その為、装置間で半導体ウェーハを搬送する必要があり、搬送装置が用いられる。搬送装置では、半導体ウェーハの在荷をセンサによって識別する。半導体ウェーハが反っている場合、センサによって半導体ウェーハの在荷を識別することができない場合がある。例えば下に凸に反っている場合、半導体ウェーハの周辺付近では、半導体ウェーハが予定された位置よりも上方に存在している。下からの距離により在荷を特定するセンサでは、半導体ウェーハの在荷を特定できない。逆に上に凸に反っている場合、半導体ウェーハの中央付近では、半導体ウェーハが予定された位置よりも上方に存在している。下からの距離により在荷を特定するセンサでは、半導体ウェーハの在荷を特定できない。このような場合、搬送エラーとなり、半導体ウェーハの破損の原因又は工程中断の原因となる。大きく反っている半導体ウェーハの場合、そもそも搬送装置に収容できないことや、あるいは搬送中の半導体ウェーハが他の物体に触れて損傷することもある。
その為、半導体ウェーハから半導体装置を製造する段階に、半導体ウェーハの反りを調整するための工程が含まれていることが望ましい。半導体ウェーハの反りを予防する技術が特許文献1に開示されている。また、半導体ウェーハの反りを抑制する技術が特許文献2及び3に開示されている。
特許文献1では、半導体ウェーハの表面に金属膜を形成する際に、金属膜に不活性ガスを注入する技術が開示されている。これにより金属膜の形成によって生じる半導体ウェーハの反りを予防することができる。また特許文献2では、半導体ウェーハの表面側に形成する膜によって生じる反りを抑制するために、半導体ウェーハの裏面側に反りを相殺する膜を形成する技術が開示されている。また特許文献3では、半導体ウェーハの表面側に形成する膜によって生じる反りを抑制するために、半導体ウェーハの表裏両面に膜を形成し、裏面に形成する膜の厚さを薄くすることで反りを相殺する技術が開示されている。
特開2000−223493号公報 特開平11−163309号公報 特開2005−26404号公報
特許文献1の技術では、不活性ガスを注入する工程を新たに付加する必要があり、現状の半導体装置を製造する工程に組み込むことが難しい。反りの発生を完全に予防することは難しい。特許文献2及び3の技術は有効な技術であるが、半導体ウェーハの反りを抑制できる能力に限界がある。
一方、半導体ウェーハから半導体装置を製造する工程で、半導体ウェーハに生じる反り量は増大している。半導体ウェーハの大型化により、半導体ウェーハに生じる反り量は増大している。また半導体装置を製造する工程では、薄板化された半導体ウェーハが使用する場合があり、半導体ウェーハ自体の強度も弱くなり、半導体ウェーハに生じる反り量は増大している。半導体ウェーハに大きな反り量が生じた場合、前記従来技術では半導体ウェーハの反りを修復することができないことがある。半導体ウェーハから半導体装置を問題なく製造するには、半導体ウェーハに生じる反り量を数十μm以内に収めることが望ましい。その為、半導体ウェーハを積極的に反らせることによって、反り量を調整できる技術が必要とされている。既に生じた反りを修正する技術、あるいはこの後の工程で生じる反りを見越して予め一定の反り量に調整しておく技術が必要とされている。
本発明は、上記の問題意識に基づいて創作された。本発明では、半導体ウェーハに生じた反りを調整する技術を実現する。特に半導体ウェーハに大きな反りが生じた場合に、その反りを修正できる技術を提供する。
本発明は、半導体ウェーハから半導体装置を製造する方法に関する。本発明の方法では、半導体装置を製造する工程で生じた半導体ウェーハの反りや、半導体ウェーハにもともと生じていた反りを調整して、半導体ウェーハから半導体装置を製造する。その後の工程で生じる反りを見越して予め一定量の反りに調整しておくことに活用することもできる。
本発明の製造方法は、半導体ウェーハの一方の面に、表面部から内部に至るトレンチを形成する工程と、トレンチ内部を含む範囲にアモルファス層を充填する工程と、アモルファス層の表面に、アモルファス層を構成する物質と同一又は類似の格子定数をもつ物質で構成されるポリ層を形成する工程を備えている。
本発明の製造方法では、半導体ウェーハの一方面に、表面部から内部に至るトレンチを形成し、形成したトレンチ内部を含む範囲にアモルファス層を充填する。半導体ウェーハの少なくともトレンチが形成された領域には、アモルファス層が露出している。続けてアモルファス層の表面上にポリ層を形成する。ポリ層を構成する物質は、アモルファス層を構成する物質と同一又は類似の格子定数をもつ物質が選定されている。その為、アモルファス層の表面上にポリ層が形成され、両層の形成後に冷却される過程で、アモルファス層はポリ層との界面から結晶化される。一般にアモルファスが結晶化される場合、体積が収縮する。その為、トレンチ内部を充填しているアモルファス層が結晶化する場合、アモルファス層の体積収縮に伴いトレンチの体積も収縮する。この結果、半導体ウェーハを反らせることができる。
本発明の製造方法は、体積収縮が起こるアモルファス層の表面にポリ層を形成することによって半導体ウェーハに大きな反りを実現することが可能となった。即ち反り量の調整幅を広く取ることができる。
トレンチ内部を充填したアモルファス層を結晶化する場合、例えば熱処理を用いてアモルファス層を結晶化することも可能である。この場合も結晶化によりアモルファス層の体積は収縮する。しかしこの場合、アモルファス層の結晶化がトレンチの底面と側面から進行する。この結果、アモルファス層の体積収縮によって、最も変形しやすく、最も結晶化の遅いアモルファス層の表面が大きく窪んでしまう。これによって、アモルファス層の体積収縮によるトレンチ体積の収縮は小さく抑えられる。つまり半導体ウェーハをあまり反らせることができない。反り量の調整幅が小さくなってしまう。
これに対して本発明では、アモルファス層の表面にポリ層を形成する。アモルファス層の結晶化がポリ層との界面から進行する。この結果、アモルファス層の表面が大きく窪んでしまうことを防ぐことができる。これによって、アモルファス層の体積収縮によるトレンチの体積を大きく収縮することができる。つまり半導体ウェーハを大きく反らせることができる。
また、本発明では半導体ウェーハのトレンチ構造を利用して反りを形成している。トレンチ構造が存在する場合、トレンチ構造が存在しない場合に比べて半導体ウェーハは変形し易い。この点においても、本発明の製造方法は半導体ウェーハを大きく反らせることができる。大きな調整量を得ることができる。
本発明の製造方法では、半導体ウェーハにトレンチを形成する面は限定されない。例えばトレンチを半導体ウェーハの表面側に形成すると、半導体ウェーハを下向きに凸に反らせることができる。半導体ウェーハが上向きに凸に反っていた場合、半導体ウェーハを下向きに凸に反らせることで半導体ウェーハの反りを相殺することができる。逆に、トレンチを半導体ウェーハの裏面側に形成すると、半導体ウェーハを上向きに凸に反らせることができる。半導体ウェーハが下向きに凸に反っていた場合、半導体ウェーハを上向きに凸に反らせることで半導体ウェーハの反りを相殺することができる。
トレンチ構造を含んだ半導体装置を形成する場合には、半導体装置内のトレンチを形成する工程を利用して半導体ウェーハの反りを調整しても良い。
本発明の製造方法では、アモルファス層とトレンチの間に他の層が形成されていても構わない。例えばアモルファス層と半導体ウェーハの絶縁を確保するための絶縁膜が形成されていても構わない。この場合でも、アモルファス層が前記他の層によって充填されていない範囲のトレンチ内部に充填されることによって、半導体ウェーハの反りを調整することができる。
本発明の製造方法では、アモルファス層とポリ層を形成する工程の前に、半導体ウェーハの反り量を特定する工程と、特定した半導体ウェーハの反り量から、アモルファス層を充填する際の温度とポリ層を形成する際の温度との差を決定する工程を更に備えていることが好ましい。
半導体ウェーハの反り量を特定し、アモルファス層を結晶化することによって半導体ウェーハを反らせる量を決定することができる。半導体ウェーハから半導体装置を製造する工程が決まっており、その工程によって半導体ウェーハに生じる反り量が予め解っている場合には、製造する工程から反り量を特定してもよい。また半導体ウェーハ毎に反り量を測定して、反り量を特定してもよい。
特定した反り量からアモルファス層とポリ層を形成する際の温度差を決定する。図3にシリコンを用いた例を示す。アモルファス層とポリ層を形成する際の温度差が大きい場合、半導体ウェーハに生じる反り量は大きくなる。逆にアモルファス層とポリ層を形成する際の温度差が小さい場合、半導体ウェーハに生じる反り量は小さくなる。アモルファス層とポリ層を形成する際の温度差によって半導体ウェーハに生じる反り量を調整することができる。特定した半導体ウェーハの反り量からアモルファス層とポリ層を形成する際の温度差を決定することで、半導体ウェーハの反り量を精度良く調整することが可能となる。
本発明では、半導体ウェーハに複数個のトレンチを形成することが望ましい。トレンチを複数個形成することで、半導体ウェーハに生じる反り量を大きくすることができる。半導体ウェーハに形成される複数個のトレンチは、ストライプ状に伸びるトレンチ群を平行に配置してもよいし、深さ方向に柱状に伸びるトレンチ群を格子状に配置してもよい。
また、半導体ウェーハに形成される複数のトレンチの幅と深さと間隔のうちの少なくとも一種類が、一枚の半導体ウェーハの中で不均一に調整されていることが望ましい。
半導体ウェーハに生じる反り量は前述したように半導体ウェーハに形成するトレンチの個数に起因するが、同時に形成したトレンチの幅と深さと間隔にも起因して変化する。例えばトレンチの幅と深さを大きくすれば半導体ウェーハに生じる反り量は大きくなる。トレンチの幅と深さを小さくすれば半導体ウェーハに生じる反り量は小さくなる。また、トレンチの間隔を大きくすれば半導体ウェーハに生じる反り量は小さくなる。トレンチの間隔を小さくすれば半導体ウェーハに生じる反り量は大きくなる。以上のことを利用して、半導体ウェーハの場所毎に、形成するトレンチの幅と深さと間隔の少なくとも一種類を変えることで、半導体ウェーハの場所毎に生じる反り量を変えることができる。例えば半導体ウェーハでは、半導体ウェーハの端部近傍で反りが大きくなりやすい。この場合、半導体ウェーハの端部近傍に形成するトレンチの幅と深さの少なくとも一方を大きくするか、或いは間隔を狭めることで、半導体ウェーハの端部近傍で生じる反りを大きくすることができる。半導体ウェーハ全体で反りを最適に調整することができる。
本発明はまた、半導体ウェーハから半導体装置を製造する装置にも具現化される。この半導体装置の製造装置は、半導体ウェーハの一方の面に、表面部から内部に至るトレンチを形成するトレンチ形成部と、半導体ウェーハの反り量を測定する反り量測定部と、トレンチ内部を含む範囲にアモルファス層を充填し、アモルファス層の表面にポリ層を形成する層形成部と、反り量測定部の測定結果に基づいて、層形成部で形成するアモルファス層とポリ層の形成温度差を決定する形成温度差決定部を備えている。
この製造装置では、半導体ウェーハの一方の面にトレンチを形成する。形成したトレンチ内部にアモルファス層を充填し、続いてアモルファス層の表面にポリ層を形成する。アモルファス層の表面に形成したポリ層によってアモルファス層は結晶化する。アモルファス層は結晶化することによって体積が収縮し、トレンチの体積が収縮する。これによって、半導体ウェーハに反りを生じることができる。
この製造装置では、半導体ウェーハの反り量を測定し、その測定結果に基づいてアモルファス層とポリ層を形成する際の温度差を決定する。これによりアモルファス層の結晶化により生じる半導体ウェーハの反り量を調整し、半導体ウェーハに生じた反りを精度よく調整することができる。
本発明の製造方法によれば、半導体ウェーハの一方の面にトレンチを形成し、トレンチ内部にアモルファス層を充填し、充填したアモルファス層を結晶化する。結晶化によってトレンチ内部に形成したアモルファス層の体積が収縮し、トレンチの体積が収縮し、半導体ウェーハを反らせることができる。アモルファス層を結晶化する際に、アモルファス層の表面にポリ層を形成する。これによりアモルファス層の体積収縮によって、トレンチの体積を効果的に収縮することができ、半導体ウェーハを大きく反らせることができる。またトレンチ構造を有する半導体ウェーハは変形し易く、この点においても半導体ウェーハを大きく反らせることができる。本発明によると、半導体ウェーハの反りの修正量を大きくすることができる。大きく反った半導体ウェーハの反りを修正することができる。
以下に説明する実施例の主要な特徴を最初に整理する。
(特徴1)半導体ウェーハの表面側にトレンチを形成する。形成されたトレンチは半導体装置のトレンチゲートを形成するトレンチに利用する。半導体装置の製造に不可欠な工程だけで反りを調整することができる。コスト増を避けながら反りを調整することが可能となる。
(特徴2)アモルファス層としてアモルファスシリコン層を形成する。また、ポリ層としてポリシリコン層を形成する。
(特徴3)アモルファス層はトレンチ内部を充填するだけでなく、半導体ウェーハのトレンチが形成された面の表面上にも形成される。
(特徴4)半導体装置と半導体装置を分断するダイシングラインに沿ってトレンチを形成する。
(特徴5)格子状に伸びるダイシングライン上に、2次元パターンを持つトレンチ群を形成する。
(第一実施例)
図1に、本発明の半導体装置の製造方法の第1実施例を示す。図示番号6は半導体ウェーハの一部を示している。半導体ウェーハ6は半導体装置(図示されていない)を形成するために、既に熱処理や膜形成(共に図示されていない)が行われている。その為、半導体ウェーハ6全体では図示番号8Aに示すように、上向きに凸の反りが形成されている。本発明の第1実施例では、半導体ウェーハ6に下向きに凸の反りを発生させることで、半導体ウェーハ6の反りを調整する。
第一実施例では、図1Aに示すように、半導体ウェーハ6の表面6aに複数個のトレンチ2(2a、2b、2c、2d・・・)を形成する。その後、半導体ウェーハ6の表面6a及びトレンチ2の底面と側面にゲート酸化膜4を形成する。この時点で、半導体ウェーハ6には上向きに凸の反り8Aが形成されている。なお、半導体ウェーハ全体サイズに比べて半導体装置のサイズは小さく、図1Aのように半導体装置の一部を図示する場合、反りの影響は図示できないほど小さい。
次に、図1Bに示すように、ゲート酸化膜4の表面4aにアモルファスシリコン層10を形成する。これによりトレンチ2の内部にアモルファスシリコン層10が充填され、半導体ウェーハ6の表面6a側にもアモルファスシリコン層10が形成される。この時点では、反り8Aと同様に半導体ウェーハ6には上向きに凸の反り8Bが形成されている。
続いて、図1Cに示すように、アモルファスシリコン層10の表面10aにポリシリコン層12を形成する。この時点では、反り8Bと同様に半導体ウェーハ6には上向きに凸の反り8Cが形成されている。アモルファスシリコン層10とポリシリコン層12は同一の格子定数を物質である。その為、アモルファスシリコン層10の表面10aにポリシリコン層12が形成され、両層の形成後に冷却される過程で、アモルファスシリコン層10はポリシリコン層12との界面から結晶化される。冷却が進むにつれて、アモルファスシリコン層10の結晶化はアモルファスシリコン層10のゲート酸化膜4の表面4a近傍を経てトレンチ2内部へと進行する。シリコンをはじめとする多くの材料では、アモルファス状態が結晶状態になるときに体積が収縮する。冷却によって体積収縮などの体積変動が起こる場合、遅くに冷却される範囲で大きな体積変動による歪みが生じ、大きな応力が働く。本発明では、トレンチ2内部のアモルファスシリコン層10が遅くに冷却される。その為、トレンチ2内のアモルファスシリコン層10に大きな体積変動による歪みが生じ、トレンチ2の幅を狭める向きの大きな応力14が働く。
冷却が終了した状態の半導体ウェーハ6の様子を図1Dに示す。アモルファスシリコン層10の冷却時の応力14により、半導体ウェーハ6には下向きに凸の反りが発生する。これによって図1Dの半導体ウェーハ6全体では図示番号8Dに示すように、点線で示す上向きに凸の反り8Cが打ち消されて、平面状態8Dとなることができる。
本発明の実施例では、ポリシリコン層12との界面であるアモルファスシリコン層10の表面10aから冷却が始まり、トレンチ2内部が遅くに冷却される。従来技術のように半導体ウェーハ6の表面6a近傍から冷却が始まらない。これによりトレンチ2内部に大きな応力14を加えることができ、図3に示すように、半導体ウェーハ6に大きな反りを生じることができる。
また本発明の実施例では、半導体ウェーハ6の表面6aにトレンチ2を形成する。半導体ウェーハはトレンチ2を形成することで変形し易くなり、その点においても半導体ウェーハ6に大きな反りを生じることができる。
本発明では、半導体ウェーハ6にトレンチを形成する面は表面6aに限られない。図2Aに示すように、半導体ウェーハ6全体で図示番号28Aに示すように、下向きに凸の反りが形成されている場合には、半導体ウェーハ6に上向きに凸の反りを加える為に、半導体ウェーハ6の裏面6bに複数個のトレンチ22(22a、22b、22c、22d)を形成する。次に、半導体ウェーハ6の裏面6bとトレンチ22の内部にアモルファスシリコン層10を形成する。続いてアモルファスシリコン層10の裏面10bにポリシリコン層12を形成する。
アモルファスシリコン層10はポリシリコン層12との界面であるアモルファスシリコン層10の裏面10bから結晶化する。結晶化が進行し、トレンチ22内部のアモルファスシリコン層10が結晶化することでトレンチ22の体積が収縮し、トレンチ22の幅を狭める向きの応力14が働く。この応力14により、半導体ウェーハ6には上向きに凸の反りが発生する。図2Bの半導体ウェーハ6全体では図示番号28Bに示すように、点線で示す下向きに凸の反り28Aが打ち消されて、平面状態28Bとなることができる。
また本発明では、ゲート酸化膜4の形成は必ずしも必要ではない。図2に示すようにゲート酸化膜4を形成しない場合でも、同様の効果を実現することができる。
(第2実施例)
本発明の半導体装置の製造方法では、アモルファスシリコン層10及びポリシリコン層12を形成する前に、半導体ウェーハ6の反り量を特定する工程と、特定した半導体ウェーハの反り量から、アモルファスシリコン層10とポリシリコン層12を形成する際の温度差を決定する工程を更に備えていることが好ましい。具体的には、図1Bに示すアモルファスシリコン層10の形成工程の前に、図1Aに示す反り8Aを特定し、それによって図1Bで形成するアモルファスシリコン層10、及び図1Cで形成するポリシリコン層12を形成する際の温度差を決定する。半導体ウェーハ6の反り量を特定する工程は、図1Aに示すトレンチ2を形成する工程の前に行われても後に行われても構わない。但しトレンチ2の形成により半導体ウェーハ6の反り量が変わってしまう場合は、トレンチ2を形成する工程の前に行われることが好ましい。
半導体ウェーハ6の反り量を特定することによって、半導体ウェーハ6を反らせる量を決定することができる。また、アモルファスシリコン層10とポリシリコン層12を形成する際の温度差を決定することによって、所望の量だけ半導体ウェーハ6を反らせることができる。
半導体ウェーハ6の反り量を特定する工程では、半導体ウェーハ6の反り量を測定することが好ましい。これにより半導体ウェーハ6の反り量を正確に特定することができる。具体的には、光学的又は触針式変位計によって半導体ウェーハの反り量を測定する。また、半導体ウェーハ6が現在までに通過した製造工程によって反り量が正確に特定できる場合は、測定は特に必要ではない。
また、アモルファスシリコン層10とポリシリコン層12を形成する際の温度差を決定する工程では、特定された反り量をもとにアモルファスシリコン層10とポリシリコン層12を形成する際の温度差が決定される。図3にアモルファスシリコン層10とポリシリコン層12を形成する際の温度差と半導体ウェーハ6に生じる反り量の関係を示す。特定された反り量が大きい場合、図3に示すようにアモルファスシリコン層10とポリシリコン層12を形成する際の温度差を大きくする。これにより半導体ウェーハ6に生じる反り量は大きくなり、半導体ウェーハ6の反りを精度よく相殺することができる。また、特定された反り量が小さい場合、図3に示すようにアモルファスシリコン層10とポリシリコン層12を形成する際の温度差を小さくする。これにより半導体ウェーハ6に生じる反り量は小さくなり、半導体ウェーハ6を精度よく相殺することができる。
(第3実施例)
半導体ウェーハ6に形成される複数のトレンチ32は、その幅と深さと間隔の少なくとも一種類が半導体ウェーハ6の場所により不均一に調整されていることが好ましい。つまり、半導体ウェーハ6の場所により一様でないことが好ましい。これにより、半導体ウェーハ6の場所により反りが異なる場合でも、場所に合せてトレンチ32を形成することによって、半導体ウェーハ6に生じた反りを精度よく調整することができる。具体的には、半導体ウェーハ6の端部近傍では反りが大きくなりやすい。その為、半導体ウェーハ6の中心付近に比べて、本発明の技術で相殺する必要のある反り量が大きい。この為、半導体ウェーハ6の端部近傍では、図4に示すように、半導体ウェーハ6の端部近傍に形成するトレンチ32の幅34bを広くし、深さ38bを深くし、間隔36bを狭める。これにより相殺する半導体ウェーハ6の反り量を大きくすることができる。これに対し、半導体ウェーハ6の中心付近では、相殺する必要のある反り量が小さい。この為、半導体ウェーハ6の中心付近に形成するトレンチ32の幅34aを狭くし、深さ38aを浅くし、間隔36bを広める。これにより相殺する半導体ウェーハ6の反り量を小さくすることができる。幅と深さと間隔の全部を調整する必要はなく、少なくとも一種類を調整すれば足りることもある。
本発明は、半導体装置の製造装置に具象化することもできる。本発明の製造装置40は、反り量測定部42、トレンチ形成部44、形成温度差決定部46、層形成部48を備える。層形成部48にはアモルファス層形成部50とポリ層形成部52を備えている。層形成部48では半導体ウェーハに、アモルファス層形成部50でアモルファス層を形成した後に、形成したアモルファス層の表面にポリ層形成部52でポリ層を形成する。本発明の製造装置40に備えられている前記各構成部は必ずしも1つの製造装置内に形成される必要はない。複数の製造装置に亘って形成され、複数の製造装置によって製造装置40が形成されていても良い。その形態には捕われない。
反り量測定部42は、半導体ウェーハの反り量を測定する。具体的な測定手段としては、光学的変位計又は触針式変位計などが存在する。反り量測定部42で測定された反り量情報54は測定した半導体ウェーハと対応付けられて、トレンチ形成部44及び形成温度差決定部46へと伝達される。
形成温度差決定部46は、反り量情報54を基に、層形成部48のアモルファス層形成部50及びポリ層形成部52で形成されるアモルファス層及びポリ層の形成温度差を決定する。具体的には、図3に示すように、反り量情報54が大きかった場合には、アモルファス層とポリ層を形成する温度差が大きくなるように形成温度差を決定する。逆に、反り量情報54が小さかった場合には、アモルファス層とポリ層を形成する温度差が小さくなるように形成温度差を決定する。決定した形成温度差情報56は半導体ウェーハと対応付けられて、層形成部48へと伝達される。
トレンチ形成部44は、半導体ウェーハの反り量情報54を基に、半導体ウェーハの一方の面にトレンチを形成する。具体的には、半導体ウェーハが下向きに凸に反っている場合、半導体ウェーハの表面側にトレンチを形成する。逆に、半導体ウェーハが上向きに凸に反っている場合、半導体ウェーハの裏面側にトレンチを形成する。前述した形成温度差決定部46とトレンチ形成部44による処理はどちらが先に行われてもよい。また同時に行われてもよい。トレンチが形成された半導体ウェーハが次の層形成部で層を形成されるまでに、層を形成する温度が決定していればよい。
層形成部48では、形成温度差情報56に基づいて、図1B及び図1Cに示したように、半導体ウェーハにアモルファス層及びポリ層をその順で形成する。これにより図1Dに示すように半導体ウェーハを反らせることができ、半導体ウェーハに生じていた反りを調整することができる。本発明の製造装置40では、形成温度差情報56に基づいてアモルファス層及びポリ層を形成する。半導体ウェーハに生じていた反り精度よく調整することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えばアモルファス層を構成する物質として、結晶化する際に体積が増大する物質を使用しても良い。その場合、本発明の実施により半導体ウェーハに生じる反りは前記実施例の逆になる。
また、半導体ウェーハに形成されるトレンチの形状も様々である。例えば、図6Aに示すように、半導体ウェーハ6にストライプ状に伸びるトレンチ群62が並列に配置されていてもよい。これにより、半導体ウェーハ6面内のトレンチ群62と直行する方向に、半導体ウェーハ6を反らせることができる。また、図6Bに示すように、深さ方向に柱上に伸びるトレンチ群64が格子状に配置されていてもよい。これにより、半導体ウェーハ6面内の2次元方向に半導体ウェーハ6を反らせることができる。
更に、半導体ウェーハにトレンチが形成される場所も限定されない。半導体装置内にトレンチが形成されてもよい。また、図7Aに示すように、半導体装置68同士を分断するダイシングラインに沿ってトレンチ群66を形成してもよい。また、図7Bに示すように、半導体装置68の間を格子状に伸びるダイシングライン70上に2次元パターンを持つトレンチ群72を形成してもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本発明の製造方法の第1実施例を実行する過程を示す。 本発明の製造方法の第2実施例を実行する過程を示す。 アモルファスシリコン層10とポリシリコン層12を形成する温度の差と半導体ウェーハ6に生じる反り量の関係を示す。 本発明の製造方法の第3実施例により製造された半導体ウェーハの断面図を示す。 本発明の製造装置のブロック図を示す。 本発明により製造された半導体ウェーハ6を斜視した図を示す。 本発明により製造された半導体ウェーハ6を斜視した図を示す。
符号の説明
2・・・・・トレンチ
2a、2b、2c、2d・・・トレンチ
4・・・・・ゲート酸化膜
4a・・・・ゲート酸化膜の表面
6・・・・・半導体ウェーハ
6a・・・・半導体ウェーハの表面
6b・・・・半導体ウェーハの裏面
8A・・・・反り
8B・・・・反り
8C・・・・反り
8D・・・・平面状態
10・・・・アモルファスシリコン層
10a・・・アモルファスシリコン層の表面
10b・・・アモルファスシリコン層の裏面
12・・・・ポリシリコン層
14・・・・応力
22・・・・トレンチ
22a、22b、22c、22d・・・トレンチ
28A・・・反り
28B・・・平面状態
32・・・・トレンチ
32a、32b、32c、32d・・・トレンチ
34a、34b・・・トレンチの幅
36a、36b・・・トレンチの間隔
38a、38b・・・トレンチの深さ
40・・・・製造装置
42・・・・反り量測定部
44・・・・トレンチ形成部
46・・・・形成温度差決定部
48・・・・層形成部
50・・・・アモルファス層形成部
52・・・・ポリ層形成部
54・・・・反り量情報
56・・・・形成温度差情報
62・・・・トレンチ群
64・・・・トレンチ群
66・・・・トレンチ群
68・・・・半導体装置
70・・・・ダイシングライン
72・・・・トレンチ群

Claims (6)

  1. 半導体ウェーハから半導体装置を製造する方法であり、
    半導体ウェーハの一方の面に、表面部から内部に至るトレンチを形成する工程と、
    トレンチ内部を含む範囲にアモルファス層を充填する工程と、
    アモルファス層の表面に、アモルファス層を構成する物質と同一又は類似の格子定数をもつ物質で構成されるポリ層を形成する工程と、
    を備えていることを特徴とする半導体装置を製造する方法。
  2. トレンチを形成する工程とアモルファス層を充填する工程との間に、トレンチの底面と側面を含む範囲に絶縁膜を形成する工程が付加されており、
    アモルファス層を充填する工程では、絶縁膜によって充填されていない範囲のトレンチ内部にアモルファス層を充填することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置を製造する方法。
  3. アモルファス層を充填する工程とポリ層を形成する工程の前に、
    半導体ウェーハの反り量を特定する工程と、
    特定した半導体ウェーハの反り量から、アモルファス層を充填する際とポリ層を形成する際の温度差を決定する工程が付加されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置を製造する方法。
  4. 半導体ウェーハに複数のトレンチを形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置を製造する方法。
  5. 半導体ウェーハに形成される複数のトレンチの幅と深さと間隔のうちの少なくとも一種類が、同一半導体ウェーハの中で不均一に調整されていることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置を製造する方法。
  6. 半導体ウェーハの一方の面に、表面部から内部に至るトレンチを形成するトレンチ形成部と、
    半導体ウェーハの反り量を測定する反り量測定部と、
    トレンチ内部を含む範囲にアモルファス層を充填し、アモルファス層の表面にポリ層を形成する層形成部と、
    反り量測定部の測定結果に基づいて、層形成部で形成するアモルファス層とポリ層の形成温度差を決定する形成温度差決定部を備え、
    層形成部では、形成温度差決定部にて決定された形成温度差でアモルファス層とポリ層を形成することを特徴とする半導体装置の製造装置。
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