JP2009048547A - 車車間通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車車間で生じる混信や通信の混乱等が的確に抑止され、交通事故の回避効果を高いレベルで維持できる車車間通信装置を提供すること。
【解決手段】車両Aに設けられ、車車間での無線通信を行うための車車間通信装置である。車両Aの前方及び後方にそれぞれ配設され、車両の前方側送受信エリアにて電波を選択的に送受信する前方指向性アンテナafと、車両の後方側送受信エリアにて電波を選択的に送受信する後方指向性アンテナabとを備えている。前方及び後方指向性アンテナaf,abを、車両Aの走行速度が30km/h未満であって、且つ、その状態でブレーキ操作がなされたときには、後方指向性アンテナabを無線通信に使用するべく切り替えるアンテナ切替手段としての制御回路11を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】車両Aに設けられ、車車間での無線通信を行うための車車間通信装置である。車両Aの前方及び後方にそれぞれ配設され、車両の前方側送受信エリアにて電波を選択的に送受信する前方指向性アンテナafと、車両の後方側送受信エリアにて電波を選択的に送受信する後方指向性アンテナabとを備えている。前方及び後方指向性アンテナaf,abを、車両Aの走行速度が30km/h未満であって、且つ、その状態でブレーキ操作がなされたときには、後方指向性アンテナabを無線通信に使用するべく切り替えるアンテナ切替手段としての制御回路11を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、一の車両が基地局を介さずに他の車両と無線通信する車車間通信を行うための車車間通信装置に関する。
近年、無線通信装置を有する一の車両が基地局を介さずに他の車両と通信する車車間通信について広く研究されている。そして、主として5.8GHz帯の電波を用いたDSRC(Dedicated Short-Range Communication System:狭域通信)型無線通信システムが具体的に検討されており、例えば、交差点で車両同士が出会い頭に衝突することを回避する技術に応用されつつある(特許文献1参照)。
即ち、各車両に車車間通信用の通信装置(車車間通信装置)が搭載され、この通信装置の通信エリアに互いの車両が入り込むと、これら通信装置を介して互いの現在位置や走行速度等の情報を交換し合うことにより相手車両の走行状態を確認し合う。これにより、交差点等の死角の悪い場所で相手車両の存在を運転者に通知したり、自車両の前方を走行する相手車両の走行速度の加減速の割合を算出することにより、出会い頭の衝突事故や追突事故の発生を予防したり、渋滞を緩和したりする。
このような車車間通信装置では、所謂無指向性のオムニアンテナを用い、電波を受信する受信モードと電波を送信する送信モードとが時系列で周期的に切り替えられ、自車両の周辺領域に存在する相手車両との間で広く車車間の無線通信(車車間通信)が行われている。
特開2004−118608号公報
しかしながら、このように広い範囲(360度)の電波を送受信の媒体としている場合、情報の交換の対象とすべき相手車両以外の他の車両も車車間通信の対象となり、さらに搬送波の周波数が同じであると、混信が生じて通信が成立しなくなることがある。また、そのような混信が生じなくとも、例えば、交差点等で通信の対象となる相手車両の数が多過ぎ、即ち、電波の飛びすぎの問題が発生し、現在、どの車両と走行状態を確認し合っているのか不明となって、混乱が起こることがある。
また、このような場合、車両より送信された電波が建物等の構造物で反射や散乱を受けて発生した反射波を受信することもあり、これにより、スループット(単位時間あたりの通信情報量)が低下することがある。さらに、このような場合、送信モードにおいて車両の前後で同時に電波を発信することで、最短距離以外の経路で自車両が送信した電波を受信して所謂相互干渉が発生し、通信に悪影響が現れることがある。
これらに対して、前記オムニアンテナに代えて、単に指向性の狭いアンテナを用いて通信の対象となる相手車両を制限するのでは、出会い頭や対向車線を走行する車両との衝突事故や追突事故を含む多様な交通事故を的確に防止することができなくなる虞がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、車車間で生じる混信や通信の混乱等が的確に抑止され、交通事故の回避効果を高いレベルで維持できる車車間通信装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両に設けられ、車車間での無線通信を行うための車車間通信装置であって、車両の前方及び後方にそれぞれ配設され、車両の前方側送受信エリアにて電波を選択的に送受信する前方指向性アンテナと、車両の後方側送受信エリアにて電波を選択的に送受信する後方指向性アンテナとを備え、前記前方及び後方指向性アンテナを、前記無線通信に使用すべく車両の走行速度及びブレーキ操作に基づいて切り替えるアンテナ切替手段をさらに備えたこと、を要旨とする。
同構成によれば、前方及び後方指向性アンテナを車車間での無線通信を使用すべく切り替えることにより、電波の送受信の指向性が限定され、従来の無指向性アンテナで通信の妨害となっていた反射波の影響が排除できるとともに、通信の対象となる車両の数や範囲が制限され、換言すれば、交差点等での電波の飛びすぎの問題が解消され、自車両の前方及び後方に接近して位置することが多い本来通信すべき相手車両との通信を高い確率で成立させることできる。また、前方及び後方指向性アンテナの切り替えは、当該車両の走行速度及びブレーキ操作に基づいて行なわれる。したがって、例えば、前方を走行する相手車両の走行速度が所定速度未満であって且つ当該相手車両でブレーキ操作がなされたときに、その相手車両で後方指向性アンテナを車車間の無線通信に使用すべく切り替えれば、該相手車両と後方を走行する自車両との無線通信を高い確率で成立させることができるようになる。そしてこの場合、前方を走行する相手車両の急なブレーキ操作による追突事故をより的確に未然防止できるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車車間通信装置において、前記アンテナ切替手段は、前方及び後方指向性アンテナの内の一方を前記無線通信に使用しているときには他方を当該無線通信に使用しないように当該両アンテナを択一的に切り替えること、を要旨とする。
同構成によれば、前方及び後方指向性アンテナの内の一方を車車間の無線通信に使用しているときには他方を当該無線通信に使用しない、つまり、前方及び後方指向性アンテナを両方同時に用いて無線通信を行わないように当該両アンテナを切り替えるので、同時刻では電波の送受信エリアが車両の前方側又は後方側のいずれかの範囲に限定され、最短距離以外の経路で同一の車両が送信した電波を受信して発生する所謂相互干渉の影響を低減することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車車間通信装置において、前記アンテナ切替手段は、前記前方指向性アンテナを後方指向性アンテナに優先して無線通信を行うようにするとともに、前記車両の走行速度が所定速度未満であって、且つ、その状態で前記ブレーキ操作がなされたときには、前記後方指向性アンテナを使用すること、を要旨とする。
同構成によれば、前方指向性アンテナを後方指向性アンテナに優先して無線通信に用いることで、通常の走行状態では、対向車線を走行する等、自車両と逆方向に走行して衝突事故の原因となることが多い相手車両との車車間通信を高い確率で成立させることができる。その一方で、相手車両の走行速度が所定速度未満であって、且つ、その状態で当該相手車両で急なブレーキ操作がなされたときには、後方指向性アンテナが使用され、これにより後方を走行する自車両との車車間での無線通信を高い確率で成立させることができるようになる。この結果、自車両と相手車両との間で起こる追突事故をより的確に回避することができるようになる。
本発明によれば、車車間で生じる混信や通信の混乱等が的確に抑止され、交通事故の回避効果を高いレベルで維持することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る車車間通信装置10は、自車両としての車両Aに設けられたエンジン制御装置、変速装置、操舵装置、制動装置、照明装置、施錠装置、エアコン等の各種車載装置を制御するためのマイクロコンピュータからなる制御回路11を備えている。尚、この車車間通信装置10は単独の通信装置として車両Aに配設されている。
図1に示すように、本実施形態に係る車車間通信装置10は、自車両としての車両Aに設けられたエンジン制御装置、変速装置、操舵装置、制動装置、照明装置、施錠装置、エアコン等の各種車載装置を制御するためのマイクロコンピュータからなる制御回路11を備えている。尚、この車車間通信装置10は単独の通信装置として車両Aに配設されている。
また、該車車間通信装置10は、前記制御回路11にそれぞれ電気的に接続され、車両Aの現在位置を検出するGPS(Glo bal Positioning System:全地球測位システム)ユニット12aを含む位置情報取得部12、車両Aの車輪軸に配設された車速センサ(図示せず)からの信号に基づいて車両Aの走行速度(車速)を検出する車速検出部13、ステアリング装置に配設された操舵角センサ(図示せず)からの信号に基づいて車両Aの操舵角を検出する操舵角検知部14を備えている。
前記位置情報取得部12には、一般的な地図情報の他、交差点の位置(緯度・経度)、交差点における優先道路と非優先道路の関係を示す道路情報等を含む情報を記憶した不揮発性のメモリ12bが設けられている。
詳しくは、該情報には、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報が含まれる。ここで、リンク情報とは、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標、距離、所要時間、道幅、車線数、法定速度(制限速度)等から構成される。また、ノード情報とは、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標、右左折車線数、接続先道路リンク等から構成される。
また、前記車車間通信装置10は、前記制御回路11にそれぞれ電気的に接続され、車両Aに関し各種制御値を運転者に設定させるタッチスイッチやメカニカルスイッチからなる操作スイッチ群15、前記車両Aの現在位置、走行速度、走行方位等を表示する表示部17、及び、互いに接近する相手車両と衝突する可能性がある場合に警報を発令する警報部18を備えている。
さらに、前記車車間通信装置10は、前記制御回路11に電気的に接続され、相手車両から発信される情報を受信するための送信回路16a、相手車両へ情報を送信するための受信回路16bを備えている。この送受信回路16a,16bは、前記制御回路11によって制御され、外部から電波を受信する受信モードと、外部へ電波を送信する送信モードとが時系列で周期的に切り替えられ、基地局を介することのない車車間通信が行なわれる。本実施形態の車車間通信は、単一の通信チャネル(送受信周波数、例えば5.8GHz帯)を使用して行われる。
図1及び図2に示すように、この送受信回路16a,16bには、車両Aの前方側送受信エリア10aにて電波を選択的に送受信する前方指向性アンテナ(前方ANT)afと、同車両Aの後方側送受信エリア10bにて電波を選択的に送受信する後方指向性アンテナ(後方ANT)abとが切り替えスイッチSWを介して電気的に接続されている。
該切り替えスイッチSWは、アンテナ切替手段としての前記制御回路11によって制御され、前方指向性アンテナafと後方指向性アンテナabのいずれかに択一的に切り替えられる。つまり、前方及び後方指向性アンテナaf,abの内の一方を車車間通信に使用しているときには他方を当該通信に使用しないようにされ、該切り替えられたアンテナaf,abのいずれかを介して前記送受信回路16a,16bにより車車間通信(電波の送受信)が行われる。即ち、前方指向性アンテナafに切り替えられた場合には、前方側送受信エリア10aにおいて受信モード及び送信モードに周期的に切り替えられて電波の送受信が行われる一方、後方指向性アンテナabに切り替えられた場合には、後方側送受信エリア10bにおいて受信モード及び送信モードに周期的に切り替えられて電波の送受信が行われる。このため、同一車両内で送信した電波を受信することで、他の車両から送信された同一周波数の電波との混信が解消されている。また、同時刻では送受信エリアが車両の前方側又は後方側のいずれかの範囲に限定されていることから、最短距離以外の経路で自車両が送信した電波を受信して発生する所謂相互干渉の影響も低減されている。
そして、本実施形態では、例えば、一の車両の前方側送受信エリア10aと他の車両の前方側送受信エリア10a、一の車両の後方側送受信エリア10bと他の車両の前方側送受信エリア10aとが重複するときに車車間通信が行われることになる。
本実施形態では、前記制御回路11による切り替えスイッチSWを介した前方指向性アンテナafと後方指向性アンテナabとの切り替えは、当該車両において、走行速度、ブレーキ操作の有無に基づいて下表1に示すように行われる。
一方、上表1の番号4の場合、即ち、自車両としての車両Aの走行速度が30km/h未満であって、且つ、その状態で当該車両Aにブレーキ操作があった場合には、前方指向性アンテナafと後方指向性アンテナabとを交互に切り替えて車車間通信に使用し、それ以外の場合には、後方指向性アンテナabを使用せず、前方指向性アンテナのみを常時使用するように切り替えられる。
また、前記制御回路11には、前記車車間通信装置10及び各種車載装置によって収集されたデータを記憶するとともに、該データに基づき車両Aの自車両走行情報と相手車両の相手車両走行情報を測定するための計測プログラムの他、当該各情報を表示部17に表示させたり、当該各情報に基づき車両同士の衝突の危険性を判定したり、及び衝突の危険性があると判定された場合に、運転者に注意を喚起する警報を警報部18を介して出力したりするための各種プログラムを格納するROM,RAM等からなるメモリ11aが設けられている。これらのプログラムやデータは、メモリ11aから適宜呼び出され、制御回路11により処理される。
この自車両走行情報には、車車間通信装置10のシリアル番号や車体番号等からなる車両Aに固有の識別情報、前記GPSユニット12aより収集された現在位置、前記車速検出部13により検出された走行速度、前記現在位置等の情報に基づき制御回路11により演算された走行方位、交差点での挙動(減速・停車・操舵・方向転換等)を示す情報、車両Aが、当該車両Aに接近しつつある相手車両の存在を認識した旨の情報等が含まれる。
また、相手車両走行情報には、前記受信回路16bから入力される受信データに含まれる相手車両の走行情報が含まれる。尚、受信データに複数の相手車両の走行情報が含まれる場合、相手車両走行情報には、当該複数の相手車両の走行情報が記憶される。また、相手車両走行情報には、自車両走行情報と同様に、相手車両に固有の識別情報、現在位置、走行速度、走行方位、交差点での挙動を示す情報、相手車両が、当該相手車両に接近しつつある車両Aの存在を認識した旨の情報等が含まれる。
本実施形態の車車間通信装置10は、以上のように構成され、多様な事故を想定したパターンに対応可能である。例えば、図3(a)に示す同一走行車線での前方を走行する車両の急ブレーキ操作による後方を走行する車両(後続車両)の追突事故を想定したパターンAでは、前方を走行する相手車両の車車間通信装置10、及び、後方を走行する自車両としての車両Aの車車間通信装置10が、当該車両Aが相手車両に突っ込んで追突事故を起こすことを回避するために、各車両の現在位置、走行速度、走行方位等からなる前記自車両走行情報を互いに無線で送信し合う。そして、これを受信した各車両の車車間通信装置10(制御回路11)が当該情報に基づいて当該追突の危険性の有無を判定する。さらに、追突の危険性があると判定された場合には、各車両において運転者に注意を喚起する警報が発せられる。これにより、各車両の運転者は、必要に応じて、ブレーキ操作や迂回運転等、危険を回避する行動を未然に採ることができる。
このとき、図3(a)を参照して、相手車両において急ブレーキ操作がなされ、走行速度が30km/h未満となった場合には、上表1に示したとおり、前記制御回路11によって前方指向性アンテナafと後方指向性アンテナabとが交互に切り替えられて車車間通信に使用される。
つまり、前方を走行し、急ブレーキ操作をした相手車両の前方指向性アンテナafと該相手車両の後方を走行する自車両(車両A)の後方指向性アンテナabとの間で確実に電波の交換が行われ、これにより車車間で生じる混信や通信の混乱等が的確に抑止され、当該車車間通信が成立する確率が増大するようになる。
またこのように、相手車両において、前方指向性アンテナafと後方指向性アンテナabとを交互に切り替えて使用することで、特に注意を喚起させるべき車両Aに限らず、さらにその前方を走行する車両や対向車線を走行する車両をも通信の対象に含めることができ、相手車両の周囲に広く存在する車両との交通事故をも回避することができる。
また、図3(b)に示す交差点での右折車両と直進車両の衝突事故を想定したパターンBでは、右折しようとしている自車両としての車両Aの車車間通信装置10、及び、対向車線を直進する相手車両の車車間通信装置10が、当該車両Aが右折時に直進する相手車両に交差点で衝突して事故を起こすことを回避するために、各車両の現在位置、走行速度、走行方位等からなる前記自車両走行情報を互いに無線で送信し合う。そして、これを受信した各車両の車車間通信装置10が当該情報に基づいて当該衝突の危険性の有無を判定する。さらに、衝突の危険性があると判定された場合には、上記パターンAと同様に各車両の運転者に注意が喚起され、交通事故の未然防止が図られる。
このとき、上表1に示したとおり、各車両においては、前記制御回路11によって後方指向性アンテナabを使用することなく前方指向性アンテナafのみが車車間通信に使用される。
つまり、右折待機中の自車両の前方指向性アンテナafと対向車線を走行する相手車両の前方指向性アンテナafとの間で、周辺に存在する他の車両を対象とすることなく、限定的に電波の交換が行われ、これにより車車間で生じる混信や通信の混乱等が的確に抑止され、当該車車間通信が成立する確率が増大するようになる。
また、図3(c)に示す本線を走行する車両と該本線と交差点にて交差する側道を走行する車両との当該交差点での出会い頭の衝突事故を想定したパターンCでは、本線を走行する自車両としての車両Aの車車間通信装置10、及び、側道を走行する相手車両の車車間通信装置10が、車両Aが相手車両に交差点で出会い頭で衝突して事故を起こすことを回避するために、各車両の現在位置、走行速度、走行方位等からなる前記自車両走行情報を互いに無線で送信し合う。そして、これを受信した各車両の車車間通信装置10が当該情報に基づいて当該衝突の危険性の有無を判定する。さらに、衝突の危険性があると判定された場合には、上記パターンAと同様に各車両の運転者に注意が喚起され、交通事故の未然防止が図られる。
このとき、上表1に示したとおり、各車両においては、前記制御回路11によって後方指向性アンテナabを使用することなく前方指向性アンテナafのみが車車間通信に使用される。
つまり、本線を走行する自車両の前方指向性アンテナafと側道から交差点で該本線に進入しようとする相手車両の前方指向性アンテナafとの間で、周辺に存在する他の車両を対象とすることなく、限定的に電波の交換が行われ、これにより車車間で生じる混信や通信の混乱等が的確に抑止され、当該車車間通信が成立する確率が増大するようになる。
また、図3(d)に示す見通しの悪いカーブにて対向して走行する車両同士の正面衝突事故を想定したパターンDでは、車線を走行する自車両としての車両Aの車車間通信装置10、及び、対向車線を走行する相手車両の車車間通信装置10が、互いに対向して走行する車両同士が見通しの悪いカーブで互いの正面で衝突して事故を起こすことを回避するために、各車両の現在位置、走行速度、走行方位等からなる前記自車両走行情報を互いに無線で送信し合う。そして、これを受信した各車両の車車間通信装置10が当該情報に基づいて当該衝突の危険性の有無を判定する。さらに、衝突の危険性があると判定された場合には、上記パターンAと同様に各車両の運転者に注意が喚起され、交通事故の未然防止が図られる。
このとき、上表1に示したとおり、各車両においては、前記制御回路11によって後方指向性アンテナabを使用することなく前方指向性アンテナafのみが車車間通信に使用される。
つまり、車線を走行する自車両の前方指向性アンテナafと対向車線を走行する相手車両の前方指向性アンテナafとの間で、周辺に存在する他の車両を対象とすることなく、限定的に電波の交換が行われ、これにより車車間で生じる混信や通信の混乱等が的確に抑止され、当該車車間通信が成立する確率が増大するようになる。
以上説明したように、本実施形態の車車間通信装置によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、前方及び後方指向性アンテナaf,abを車車間での無線通信(車車間通信)に使用すべく切り替えて使用することより、電波の送受信の指向性が限定され、従来の無指向性アンテナで通信の妨害となっていた反射波の影響が排除できるとともに、通信の対象となる車両の数や範囲が制限され、換言すれば、交差点等での電波の飛びすぎの問題が解消され、自車両(車両A)の前方及び後方に接近して位置することが多い相手車両との通信を高い確率で成立させることできる。また、前方及び後方指向性アンテナaf,abの切り替えは、当該車両の走行速度及びブレーキ操作に基づいて行なわれる。したがって、本実施形態のように、前方を走行する相手車両の走行速度が30km/h未満であって、且つ、その状態で当該相手車両でブレーキ操作がなされたときに、その相手車両で後方指向性アンテナabを車車間通信に使用すべく切り替えれば、該相手車両と後方を走行する自車両との車車間通信を高い確率で成立させることができるようになる。そしてこの場合、前方を走行する相手車両の急なブレーキ操作による追突事故をより的確に未然防止できるようになる。
(1)本実施形態では、前方及び後方指向性アンテナaf,abを車車間での無線通信(車車間通信)に使用すべく切り替えて使用することより、電波の送受信の指向性が限定され、従来の無指向性アンテナで通信の妨害となっていた反射波の影響が排除できるとともに、通信の対象となる車両の数や範囲が制限され、換言すれば、交差点等での電波の飛びすぎの問題が解消され、自車両(車両A)の前方及び後方に接近して位置することが多い相手車両との通信を高い確率で成立させることできる。また、前方及び後方指向性アンテナaf,abの切り替えは、当該車両の走行速度及びブレーキ操作に基づいて行なわれる。したがって、本実施形態のように、前方を走行する相手車両の走行速度が30km/h未満であって、且つ、その状態で当該相手車両でブレーキ操作がなされたときに、その相手車両で後方指向性アンテナabを車車間通信に使用すべく切り替えれば、該相手車両と後方を走行する自車両との車車間通信を高い確率で成立させることができるようになる。そしてこの場合、前方を走行する相手車両の急なブレーキ操作による追突事故をより的確に未然防止できるようになる。
(2)本実施形態では、前方及び後方指向性アンテナaf,abの内の一方を車車間通信に使用しているときには他方を当該通信に使用しない、つまり、前方及び後方指向性アンテナを両方同時に用いて車車間通信を行わないように当該両アンテナを切り替える。このため、同時刻では電波の送受信エリア10a,10bが車両の前方側又は後方側のいずれかの範囲に限定され、最短距離以外の経路で同一の車両が送信した電波を受信して発生する所謂相互干渉の影響を低減することができる。
(3)本実施形態では、前方指向性アンテナafを後方指向性アンテナabに優先して無線通信を行うことで、通常の走行状態では、対向車線を走行する等、自車両と逆方向に走行して衝突事故の原因となることが多い相手車両との車車間通信を高い確率で成立させることができる。その一方で、相手車両の走行速度が30km/h未満であって、且つ、その状態で当該相手車両で急なブレーキ操作がなされたときには、後方指向性アンテナが使用され、これにより後方を走行する自車両との車車間通信を高い確率で成立させることができるようになる。この結果、自車両と相手車両との間で起こる追突事故をより的確に回避することができるようになる。
尚、上記実施形態は以下のように変形してもよい。
・上記実施形態では、車車間通信装置10を単独で車両に配設するようにした。しかし、本発明の技術的思想はこれに限られず、該車車間通信装置10は、例えば、車両用ナビゲーション装置と一体化して構成することもできる。この場合、位置情報取得部12、操作スイッチ群15、送受信回路16a,16b、表示部17、警報部18は車両用ナビゲーション装置に一体的に組み込むことができ、車車間通信装置10をコンパクト且つ取り扱い容易とすることができる。また、車両用ナビゲーション装置が有するGPS機能を活用でき、装置の構成上合理的なものとなる。
・上記実施形態では、車車間通信装置10を単独で車両に配設するようにした。しかし、本発明の技術的思想はこれに限られず、該車車間通信装置10は、例えば、車両用ナビゲーション装置と一体化して構成することもできる。この場合、位置情報取得部12、操作スイッチ群15、送受信回路16a,16b、表示部17、警報部18は車両用ナビゲーション装置に一体的に組み込むことができ、車車間通信装置10をコンパクト且つ取り扱い容易とすることができる。また、車両用ナビゲーション装置が有するGPS機能を活用でき、装置の構成上合理的なものとなる。
・上記実施形態では、単一の通信チャネル(送受信周波数、例えば5.8GHz帯)を使用して車車間通信を行った。しかしこれに限られず、該車車間通信には、複数の通信チャネルを所定の条件に応じて切り替えて使用することもできる。この場合の所定の条件としては、車両の走行方位、走行速度、ブレーキ操作の有無などが挙げられる。これにより、車車間通信が成立する確率がさらに増大し、交通事故の回避効果がさらに高いレベルで維持できるようになる。
・上記実施形態では、車両Aの走行速度が所定速度(30km/h)未満であって、且つ、その状態で当該車両Aにブレーキ操作があった場合には、前方指向性アンテナafと後方指向性アンテナabとを交互に切り替えて車車間通信に使用するようにした。しかし、これに限られず、車両Aの走行速度が所定速度(30km/h)未満であって、且つ、その状態で当該車両Aにブレーキ操作があった場合において、前方指向性アンテナafは一切使用せず、後方指向性アンテナabのみを使用するように構成することもできる。これにより、相手車両において、特に注意を喚起させるべき当該相手車両に後続する車両Aのみを通信の対象とし、後続車両が関与する追突事故をより高い確率で回避できるようになる。
さらに、前記した実施形態および変形例より把握できる技術的思想について以下に記載する。
○請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車車間通信装置において、前記前方指向性アンテナに切り替えられた場合には、前方側送受信エリアにおいて電波を受信する受信モード及び電波を送信する送信モードに周期的に切り替えられて電波の送受信が行われる一方、前記後方指向性アンテナに切り替えられた場合には、後方側送受信エリアにおいて前記受信モード及び送信モードに周期的に切り替えられて電波の送受信が行われる車車間通信装置。同構成によれば、同一車両内で送信した電波を受信することによる他の車両から送信された同一周波数の電波との混信を解消することができるようになる。
○請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車車間通信装置において、前記前方指向性アンテナに切り替えられた場合には、前方側送受信エリアにおいて電波を受信する受信モード及び電波を送信する送信モードに周期的に切り替えられて電波の送受信が行われる一方、前記後方指向性アンテナに切り替えられた場合には、後方側送受信エリアにおいて前記受信モード及び送信モードに周期的に切り替えられて電波の送受信が行われる車車間通信装置。同構成によれば、同一車両内で送信した電波を受信することによる他の車両から送信された同一周波数の電波との混信を解消することができるようになる。
○請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車車間通信装置において、前記アンテナ切替手段は、前記車両の走行速度が所定速度未満であって、且つ、その状態で当該車両にブレーキ操作があった場合には、前記前方指向性アンテナと後方指向性アンテナとを交互に切り替えて前記無線通信に使用する車車間通信装置。同構成によれば、特に注意を喚起させるべき当該車両に後続する車両を確実に通信の対象とすることができ、しかも、その前方を走行する車両や対向車線を走行する車両との通信が絶たれることもなく、自車両の周囲に広く存在する車両との間に想定される交通事故をも回避の対象に含めることができる。
○請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車車間通信装置において、前記アンテナ切替手段は、前記車両の走行速度が所定速度未満であって、且つ、その状態で当該車両にブレーキ操作があった場合には、前記前方指向性アンテナを使用することなく後方指向性アンテナのみを使用する車車間通信装置。同構成によれば、特に注意を喚起させるべき当該車両に後続する車両のみを通信の対象とすることができ、後続車両が関与する追突事故をより高い確率で回避できるようになる。
A…車両(自車両)、ab…後方指向性アンテナ、af…前方指向性アンテナ、SW…切替スイッチ、10…車車間通信装置、10a…前方側送受信エリア、10b…後方側送受信エリア、11…制御回路(アンテナ切換手段)。
Claims (3)
- 車両に設けられ、車車間での無線通信を行うための車車間通信装置であって、
車両の前方及び後方にそれぞれ配設され、車両の前方側送受信エリアにて電波を選択的に送受信する前方指向性アンテナと、車両の後方側送受信エリアにて電波を選択的に送受信する後方指向性アンテナとを備え、
前記前方及び後方指向性アンテナを、前記無線通信に使用すべく車両の走行速度及びブレーキ操作に基づいて切り替えるアンテナ切替手段をさらに備えたことを特徴とする車車間通信装置。 - 請求項1に記載の車車間通信装置において、
前記アンテナ切替手段は、前方及び後方指向性アンテナの内の一方を前記無線通信に使用しているときには他方を当該無線通信に使用しないように当該両アンテナを択一的に切り替える車車間通信装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の車車間通信装置において、
前記アンテナ切替手段は、前記前方指向性アンテナを後方指向性アンテナに優先して無線通信を行うようにするとともに、前記車両の走行速度が所定速度未満であって、且つ、その状態で前記ブレーキ操作がなされたときには、前記後方指向性アンテナを使用する車車間通信装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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