JP2009046735A - スパッタ装置およびプラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜レートの安定化、面内均一性の向上およびターゲットの長寿命化を図る。
【解決手段】プラズマ形成空間21aを形成する真空槽21と、この真空槽の上部を閉塞する天板29と、プラズマ形成空間にプラズマを発生させる高周波コイル23と、磁気コイル群24と、プラズマ形成空間に設置された基板支持用のステージ26と、プラズマ形成空間へプロセスガスを導入するガス導入部33と、天板に固定されたスパッタリング用のターゲット40とを備え、エッチング処理とスパッタ処理を交互に行って基板の表面に高アスペクト比の孔又は溝を形成するプラズマ処理装置20であって、ターゲット40の外周部をプラズマ形成空間に向かって突出形成することによって、ターゲットの外周部の集中的な摩耗による成膜レートのバラツキ、面内均一性の低下およびターゲットの寿命の低下を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、長期に亘るスパッタレートの安定化、面内分布の改善およびターゲットの長寿命化を図ることができるスパッタ装置およびプラズマ処理装置に関する。
従来、シリコン基板の表面の加工には、プラズマエッチング(ドライエッチング)方法が広く用いられている。室温における原子状(ラジカル)フッ素とシリコンの反応は自発的であり、比較的高いエッチングレートが得られることから、シリコン基板のエッチングでは、エッチングガスとしてSF6、NF3、COF2、XeF2等のフッ素を含むガスが多用されている。
一方、フッ素を含むエッチングガスを用いたシリコン基板のドライエッチングは等方的であるため、形成された凹部(エッチングパターン)の側面にもエッチングが進行する。このため、スルーホールやディープトレンチなどの微細でアスペクト比の高いビアを高精度に形成することが困難であった。
そこで近年、パターンの側面に保護膜を形成しながらエッチングを行うことで、エッチングの横方向の広がりを抑え、パターン側面の垂直性を維持できるシリコン基板の深掘り加工技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、エッチング工程と保護膜形成工程を交互に繰り返して行うことで、エッチング工程で露出したパターンの底部および側面にポリマー層からなる保護膜を形成しながらエッチングを行う方法が開示されている。保護膜形成工程で凹部の側面に形成されたポリマー層は、パターンの底部に形成されたポリマー層に比べて、エッチング工程において除去される量が少ないため、このパターンの側面に形成されたポリマー層がエッチング保護膜として機能し、エッチング方向をパターン深さ方向に制限する異方性エッチングが実現可能となる。
特に、特許文献1に記載の方法では、保護膜の成膜に、基板に対向配置されたターゲット材に対するアルゴンガスを用いたスパッタ法が採用されている。
図6に従来のプラズマ処理装置10の概略構成を示す。プラズマ処理装置10は、NLD(磁気中性線放電:magnetic Neutral Loop Discharge)型のプラズマエッチング装置としての機能と、NLDを利用したスパッタ装置としての機能を有しており、エッチング工程と保護膜形成工程を交互に繰り返し行って、シリコン基板の表面あるいは内部に高アスペクト比の孔やディープトレンチを形成する。
図6において、21は真空槽であり、内部にプラズマ形成空間21aを含む真空チャンバを形成している。真空槽21にはターボ分子ポンプ(TMP)等の真空ポンプが接続され、真空槽21の内部が所定の真空度に真空排気されている。プラズマ形成空間21aは、真空槽21の一部を構成する筒状壁22の内部に形成されている。筒状壁22の外周側には、第1高周波電源RF1に接続されたプラズマ発生用の高周波コイル(アンテナ)23と、この高周波コイル23の外周側に配置された三つの磁気コイル24(24A,24B,24C)がそれぞれ配置されている。
磁気コイル24Aと磁気コイル24Cにはそれぞれ同一方向に電流が供給され、磁気コイル24Bには他の磁気コイル24A,24Cと逆方向に電流が供給される。その結果、プラズマ形成空間21aにおいて、磁場ゼロとなる磁気中性線25がリング状に連続して形成され、高周波コイル23により磁気中性線25に沿って交番電場が形成されることで、磁気中性線25に放電プラズマが発生される。
一方、真空槽21には、シリコン基板(図示略)を支持するステージ26が設置されている。このステージ26は、コンデンサ28を介してバイアス電源としての第2高周波電源RF2に接続されている。また、ステージ26の対向電極としてプラズマ形成空間21aの上部に天板29が設置されている。天板29にはコンデンサ31を介して第3高周波電源RF3が接続されている。天板29のプラズマ形成空間21a側の面には、基板表面にエッチング保護膜を形成するためのターゲット32が取り付けられている。ターゲット32は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂材で形成されている。
天板29の近傍には、真空槽21の内部にプロセスガスを導入するためのガス導入部33が設置されている。プロセスガスは、希ガス、エッチングガスが含まれる。希ガスとしては、Ar、Xe、Kr、N2の少なくとも何れかが用いられ、エッチングガスとしては、SF6、NF3、SiF4、XeF2、COF2の少なくとも何れか又は希ガスとの混合ガスが用いられる。
図7は、従来のプラズマ処理装置10におけるガス導入部33の構成の詳細を示す要部断面図である。ガス導入部33は、プロセスガスの導入ポート34と、この導入ポート34と隔壁22の上端との間にそれぞれ密封部材を介して取り付けられたベース35と、このベース35の下端に取り付けられた第1,第2のガスリング36,37とによって構成されている。第1のガスリング36の内部には、ベース35を介して導入ポート34のガス導入孔34aに連通する連絡通路36aが形成されており、第2のガスリング37の内部には、連絡通路36aに連通するガス供給孔37aが形成されている。導入ポート34、ベース35およびガスリング36,37はそれぞれ金属材料で構成されており、ベース35は接地電位に接続されている。
また、ガス導入部33の内周側と天板29の外周側との間には、それぞれに対して密封部材を介してリング状の絶縁性部材38が取り付けられている。絶縁性部材38は、例えばアルミナ製で、天板29とガス導入部33の間を電気的に絶縁している。絶縁性部材38は断面が略L字形状に形成されており、その下端部は、ガス供給孔37aの開口部よりも上方に位置し、かつ、ターゲット32の表面と略同一高さに位置している。
以上のように構成される従来のプラズマ処理装置10においては、エッチングガスを導入するとともに第1及び第2高周波電源RF1及びRF2をONにしてステージ26上の基板をエッチングするエッチング処理と、スパッタガス(希ガス)を導入するとともに第1及び第3高周波電源RF1及びRF3をONにしてステージ26上の基板にエッチング保護膜を形成するスパッタ処理とを交互に繰り返し行う。これにより、基板表面に高アスペクト比の孔又は溝を形成することができる。
WO2006/003962号公報
しかしながら、従来のプラズマ処理装置10においては、保護膜形成プロセスを繰り返し行うと、図8に示すように、ターゲット32の外周部が集中的に消耗する。このため、同一ロット内において成膜レートが安定せず、膜厚のバラツキが生じるという問題がある。また、成膜レートの面内均一性の向上を図ることができない。更に、ターゲット32の寿命が短くなり、その交換に要する装置ダウンタイムの増大および生産コストの上昇が問題となっている。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、成膜レートの安定化、面内均一性の向上およびターゲットの長寿命化を図ることができるスパッタ装置およびプラズマ処理装置を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明のスパッタ装置は、プラズマ形成空間を形成する真空槽と、この真空槽の上部を閉塞する天板と、前記プラズマ形成空間にプラズマを発生させるプラズマ源と、前記プラズマ形成空間に設置された基板支持用のステージと、前記プラズマ形成空間へプロセスガスを導入するガス導入手段と、前記天板に固定されたスパッタリング用のターゲットとを備えたスパッタ装置において、前記ターゲットは、その外周部が前記プラズマ形成空間に向かって突出していることを特徴とする。
また、本発明のプラズマ処理装置は、プラズマ形成空間を形成する真空槽と、この真空槽の上部を閉塞する天板と、前記プラズマ形成空間にプラズマを発生させるプラズマ源と、前記プラズマ形成空間に設置された基板支持用のステージと、前記プラズマ形成空間へプロセスガスを導入するガス導入手段と、前記天板に固定されたスパッタリング用のターゲットとを備え、エッチング処理とスパッタ処理を交互に行って基板の表面に高アスペクト比の孔又は溝を形成するプラズマ処理装置であって、前記ターゲットは、その外周部が前記プラズマ形成空間に向かって突出していることを特徴とする。
本発明では、ターゲットの外周部がプラズマ形成空間に向かって突出するように形成することによって、ターゲットの外周部の集中的な摩耗による成膜レートのバラツキ、面内均一性の低下およびターゲットの寿命の低下を抑制するようにしている。
ターゲットの突出部の形成位置は特に限定されないが、例えば、ターゲットの直径の4分の1の形成幅で当該突出部がリング状に形成される。また、ターゲットの突出部の突出長(厚み)も特に限定されず、例えば、ターゲットの中央部の厚みと同等の厚みとされる。
以上述べたように、本発明によれば、長期に亘る成膜レートの安定化と面内均一性の向上を図ることができるとともに、ターゲットの長寿命化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態によるプラズマ処理装置20の概略構成図である。図示するプラズマ処理装置20は、NLD型のプラズマエッチング装置としての機能と、NLDを利用したスパッタ装置としての機能を有している。
図1において、21は真空槽であり、内部にプラズマ形成空間21aを含む真空チャンバが形成されている。真空槽21にはターボ分子ポンプ(TMP)等の真空ポンプが接続され、真空槽21の内部が所定の真空度に真空排気されている。
プラズマ形成空間21aの周囲は、真空槽21の一部を構成する筒状壁22によって区画されている。筒状壁22は石英等の透明絶縁材料で構成されている。筒状壁22の外周側には、第1高周波電源RF1に接続されたプラズマ発生源としての高周波コイル(アンテナ)23と、この高周波コイル23の外周側に配置された三つの磁気コイル群24(24A,24B,24C)がそれぞれ配置されている。なお、磁気コイル群24は本発明の「磁場形成手段」を構成している。
特に、NLD方式のプラズマ処理装置においては、磁気コイル24A〜24Cに流す電流の大きさによって、磁気中性線25の形成位置および大きさを調整することができる。すなわち、磁気コイル24A,24B,24Cに流す電流をそれぞれIA,IB,ICとしたとき、IA>ICの場合は磁気中性線25の形成位置は磁気コイル24C側へ下がり、逆に、IA<ICの場合は磁気中性線25の形成位置は磁気コイル24A側へ上がる。また、中間の磁気コイル24Bに流す電流IBを増していくと、磁気中性線25のリング径は小さくなると同時に、磁場ゼロの位置での磁場の勾配が緩やかになる。これらの特性を利用することで、プラズマ密度分布の最適化を図ることができる。
一方、真空チャンバの内部には、シリコン基板(図示略)を支持するステージ26が設置されている。ステージ26は導電体で構成されており、コンデンサ28を介して第2高周波電源RF2に接続されている。なお、ステージ26には、基板を所定温度に加熱するためのヒータ等の加熱源が内蔵されている。
プラズマ形成空間21aの上部には、天板29が設置されている。天板29は、ステージ26の対向電極として構成されており、コンデンサ31を介して第3高周波電源RF3に接続されている。天板29のプラズマ形成空間21a側の面には、スパッタにより基板を成膜するためのターゲット40が取り付けられている。ターゲット40は、本実施形態では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂材が用いられているが、これ以外の合成樹脂材料、あるいは珪素材、炭素材、炭化珪素材、酸化珪素材、窒化珪素材等が適用可能である。
本実施形態において、ターゲット40は、その外周部がプラズマ形成空間21aに向かって突出するように形成されている。このターゲット40の外周部に形成されたリング状の突出部40aは、ターゲット40の本体部分と一体的に形成されている。なお、突出部40aを本体部分と同一の材料で別部材として構成し、これを本体部分に貼り合わせてターゲット40を構成してもよい。
本実施形態において、ターゲット40の突出部40aは、ターゲット40の直径の4分の1程度の形成幅で形成されている。また、突出部40aの突出長(厚み)は、ターゲットの中央部の厚みと同等の厚みとされており、その結果、ターゲット40の外周部の厚みは、中央部の厚みの2倍程度となるように形成されている。
天板29の近傍には、真空槽21の内部にプロセスガスを導入するためのガス導入部33が設置されている。ガス導入部33は、本発明の「ガス導入手段」に対応する。スパッタ用のプロセスガスとしては、アルゴンや窒素等の希ガスあるいは不活性ガスが用いられるが、これ以外にも、C48、CHF3等のフッ素含有ガス、あるいはこれら不活性ガスとフッ素含有ガスとの混合ガスが用いられる。本実施形態では、スパッタ用のプロセスガスとして、Arが用いられる。エッチングガスとしては、SF6、NF3、SiF4、XeF2、COF2の少なくとも何れか又は希ガスとの混合ガスが用いられる。
図2は、プラズマ処理装置20におけるガス導入部33の構成の詳細を示す要部断面図である。ガス導入部33は、プロセスガスの導入ポート34と、この導入ポート34と隔壁22の上端との間にそれぞれ密封部材41,42を介して取り付けられたベース35と、このベース35の下端に取り付けられた第1,第2のガスリング36,37とによって構成されている。ガスリング36,37は、本発明の「ガス導入部材」を構成する。
第1のガスリング36の内部には、ベース35を介して導入ポート34のガス導入孔34aに連通する連絡通路36aが形成されており、第2のガスリング37の内部には、連絡通路36aに連通するガス供給孔37aが形成されている。ガス供給孔37aは、ガスリング37の内周面の複数個所に開口しており、プラズマ形成空間21a内にプロセスガスを均一に導入する。導入ポート34、ベース35およびガスリング36,37はそれぞれ金属材料で構成されており、ベース35は接地電位に接続されている。
また、天板29とガス導入部33との間には、それぞれに対して密封部材43,44を介してリング状の絶縁性部材38が取り付けられている。絶縁性部材38は、例えばアルミナ製で、天板29とガス導入部33の間を電気的に絶縁している。絶縁性部材38は断面が略L字形状に形成されており、その水平壁部は天板29とベース35との間に配置され、その垂直壁部は、ベース35およびガスリング36,37の各々の内周側と天板29およびターゲット40の各々の外周側との間に配置されている。また、絶縁性部材38の下端部は、ガス供給孔37aの開口部よりも上方に位置している。
次に、以上のようにして構成されるプラズマ処理装置20の作用について説明する。
ステージ26の上に載置された基板(図示略)の表面にはあらかじめ、レジストマスクが形成されている。このレジストマスクは有機レジストやメタルマスク等が用いられる。エッチング工程および保護膜形成工程では、プラズマ形成空間21aに、磁気コイル群24により環状磁気中性線25が形成されるとともに、第1高周波電源RF1から高周波コイル23への電力投入により、環状磁気中性線25に沿って誘導結合プラズマが形成される。
エッチング工程において、真空槽21の内部に導入されたエッチングガス(SF6とArの混合ガス)は、プラズマ形成空間21aでプラズマ化し、生成されたイオンとラジカルによりステージ26上の基板をエッチング処理する。このとき、第2高周波電源RF2からの電力投入で基板バイアスがONとなり、イオンをステージ26側へ加速させ、基板上のラジカル生成物をスパッタ除去してエッチング性を高める。すなわち、フッ素ラジカルがシリコンと反応してラジカル生成物を形成し、これをプラズマ中のイオンによるスパッタ作用で除去することで、シリコン基板のエッチング処理が進行する。
一方、エッチング処理を所定時間行った後、真空槽21の内部に残留するエッチングガスが排気される。そして、成膜用のプロセスガス(Ar)が真空槽21の内部に導入されることで保護膜形成工程が開始される。導入されたプロセスガスは、プラズマ形成空間21aでプラズマ化する。このとき、基板バイアス(RF2)はOFFとなり、代わりに、第3高周波電源(RF3)からの電力投入で天板バイアスがONとなる。その結果、天板29に設置されたターゲット40はプラズマ中のイオンによりスパッタされ、そのスパッタ物が基板の表面および上述のエッチング工程で形成された凹部に付着する。以上のようにして、エッチング凹部の底部および側面に、エッチング保護膜として機能するポリマー層が形成される。
ここで、ターゲット40から叩き出されたスパッタ粒子は、プラズマ形成空間21aに形成されているNLDプラズマを通過して基板へ到達する。このとき、スパッタ粒子は、環状磁気中性線25が形成される高密度プラズマ領域で分解、再励起されることにより、化学的蒸着法(CVD法)に類似する成膜形態で、基板の表面に対して等方的に入射する。したがって、本実施形態によって得られるエッチングパターンの段差被膜(保護膜)は、高いカバレッジ性が得られる。
また、保護膜形成工程のプロセスガスとして、例えばArと反応ガス(C48、CHF3等)の混合ガスを用いることで、プロセスガス中の反応ガスがプラズマ形成空間21aにおいてプラズマ化し、そのラジカル生成物が基板表面に堆積することによって、保護膜として機能するポリマー層を形成する。更に、プロセスガスとして上記混合ガスを用いることで、Arガスのみをプロセスガスとして用いる場合に比べてスパッタレートの向上を図ることが可能となる。
保護膜形成工程を所定時間行った後、再び上述したエッチング工程が行われる。このエッチング工程の初期段階は、エッチング凹部の底面を被覆する保護膜の除去作用に費やされる。その後、保護膜の除去により露出したエッチング凹部の底面のエッチング処理が再開される。このとき、プラズマ中のイオンは、基板バイアス作用によって基板に対して垂直方向に入射する。このため、エッチング凹部の側面を被覆する保護膜に到達するイオンは、エッチング凹部の底面に到達するイオンに比べて少ない。したがって、エッチング工程の間、エッチング凹部の側面を被覆する保護膜は完全に除去されることなく残留する。これにより、エッチング凹部の側面とフッ素ラジカルとの接触が回避され、凹部の側面のエッチングによる侵食が防止される。
以後、上述のエッチング工程と保護膜形成工程が交互に繰り返し行われることで、基板表面に対して垂直方向の異方性エッチングが実現される。以上のようにして、基板の内部に高アスペクト比のビア(コンタクトホール、ディープトレンチ)が作製される。
ここで、上記構成のプラズマ処理装置20においては、保護膜形成工程の際、ターゲット40の外周部が集中的に消耗する傾向がある。すなわち、ターゲットの中央部に比べて外周部が消耗する割合が高い。これは、プラズマ形成空間21aにおいて発生したプラズマ中のイオンがターゲットの中央部よりも外周側に多く照射されるためである。このため、図6に示した従来のプラズマ処理装置10においては、同一ロット内において成膜レートが安定せず、膜厚のバラツキが生じていた。また、成膜レートの面内均一性が低下しており、生産性の向上が図れなかった。更に、ターゲットの寿命が短く、その交換に要する装置ダウンタイムの増大および生産コストの上昇が問題となっていた。
そこで本実施形態においては、ターゲット40の外周部に、プラズマ形成空間21aに向かって突出する突出部40aを環状に形成しているので、ターゲットの中央部と外周部との間における消耗バランスの改善を図ることができ、これによりターゲットの長寿命化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、ターゲット40の外周部に突出部40aを設けることによって、同一ロット内における成膜レートの安定化を図ることができるとともに成膜レートの面内均一性を高めることができる。
本発明者らは、従来の平坦な形状のターゲット32を用いたときの成膜特性と、本発明に係る新規形状のターゲット40を用いたときの成膜特性をそれぞれ測定した。実験に用いたターゲット32のサンプルは、図3Aに示すように直径が200mm、厚さが5mmのPTFE製である。一方、ターゲット40のサンプルは、図3Bに示すように直径が200mm、中央部の厚みが5mmのPTFE製であるとともに、その外周部に幅50mm、厚み5mmの環状の突出部40aが設けられている。なお、図3A,Bは模式図であり、図示した寸法と形状は必ずしも対応しない。
図4A,Bは、同一ロット内における各基板の成膜レートの変化を示しており、Aは従来構造のターゲット32を用いたときの成膜レート、Bは本発明のターゲット40を用いたときの成膜レートである。成膜条件は、それぞれ同一であり、ターゲットの形状のみが異なっている。図4に示したように、本発明のターゲット40の方が従来構造のターゲット32に比べて、同一ロット内における成膜レートの安定性に優れている。これは、本発明の方が従来に比べて、ターゲット外周部の消耗が、成膜レートに及ぼす影響を低減できるからである。
また、図5A,Bは、基板の表面における成膜レートの面内均一性を示しており、Aは従来構造のターゲット32を用いたときの成膜レートの面内分布、Bは本発明のターゲット40を用いたときの成膜レートの面内分布である。なお図において、「+」は任意の膜厚基準値に達している領域を示し、「−」は上記膜厚基準値に達していない領域を示している。この実験結果から、従来構造のターゲット32を用いたときの面内均一性は±11.51%であったのに対し、本発明のターゲット40を用いたときの面内均一性は±3.11%であり、従来に比べて面内均一性が向上したことが確認された。
以上述べたように、本実施形態によれば、ターゲット40の長寿命化を図ることができるとともに、長期にわたって成膜レートの安定化と、面内分布の均一性を図ることができる。これにより、例えばシリコン基板の深掘り加工工程において、形状制御に優れた異方性エッチングを面内において高い均一性をもって実施することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施形態では、エッチング処理とスパッタ処理を交互に行ってシリコン基板の表面に高アスペクト比の孔または溝を形成するプラズマ処理装置20に本発明を適用した例について説明したが、これに代えて、同一真空槽内でエッチング処理を行わない、通常のスパッタ装置にも本発明を適用することが可能である。
また、ターゲット40の外周部に形成される突出部40aの形成幅および厚みはそれぞれ上述した値に限定されることはなく、ターゲット外周部の消耗の程度や消耗位置の分布等に応じて、突出部の形成幅、厚みを適宜変更してもよい。
更に、以上の実施形態では、ステージ26上に載置される基板としてシリコン基板を例に挙げて説明したが、これに限らず、スパッタ成膜工程に供される他の基板、例えばガラス基板などを用いてもよい。
本発明の実施形態によるプラズマ処理装置の概略構成図である。 図1におけるガス導入部の要部拡大図である。 ターゲットの形状を比較して示す側断面図であり、Aは従来構造のターゲットの形状を示し、Bは本発明のターゲットの形状を示している。 同一ロット内における成膜レートの変化を示す図であり、Aは従来構造のターゲットを用いたときの成膜レートの変化を示し、Bは本発明のターゲットを用いたときの成膜レートの変化を示している。 基板の成膜レートの面内分布を示す図であり、Aは従来構造のターゲットを用いたときの面内分布を示し、Bは本発明のターゲットを用いたときの面内分布を示している。 従来のプラズマ処理装置の概略構成図である。 図6におけるガス導入部の要部拡大図である。 従来技術の問題点を説明する要部拡大図である。
符号の説明
20 プラズマ処理装置
21 真空槽
21a プラズマ形成空間
22 筒状壁
23 高周波コイル
24 磁気コイル群
25 磁気中性線
26 ステージ
29 天板
33 ガス導入部
36,37 ガスリング(ガス導入部材)
38 絶縁性部材
40 ターゲット
40a 突出部

Claims (6)

  1. プラズマ形成空間を形成する真空槽と、この真空槽の上部を閉塞する天板と、前記プラズマ形成空間にプラズマを発生させるプラズマ源と、前記プラズマ形成空間に設置された基板支持用のステージと、前記プラズマ形成空間へプロセスガスを導入するガス導入手段と、前記天板に固定されたスパッタリング用のターゲットとを備えたスパッタ装置において、
    前記ターゲットは、その外周部が前記プラズマ形成空間に向かって突出している
    ことを特徴とするスパッタ装置。
  2. 前記ガス導入手段は、前記ターゲットの周囲に配置されたリング状のガス導入部材を備え、前記ガス導入部材の内周側と前記ターゲットの外周側の間にはリング状の絶縁性部材が配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のスパッタ装置。
  3. 前記ターゲットは合成樹脂材料からなる
    ことを特徴とする請求項2に記載のスパッタ装置。
  4. 前記プラズマ源は、前記プラズマ形成空間の周囲に配置された高周波アンテナを含んでなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のスパッタ装置。
  5. 前記プラズマ形成空間の周囲には更に、前記プラズマ形成空間に環状磁気中性線を形成する磁場形成手段が配置されている
    ことを特徴とする請求項4に記載のスパッタ装置。
  6. プラズマ形成空間を形成する真空槽と、この真空槽の上部を閉塞する天板と、前記プラズマ形成空間にプラズマを発生させるプラズマ源と、前記プラズマ形成空間に設置された基板支持用のステージと、前記プラズマ形成空間へプロセスガスを導入するガス導入手段と、前記天板に固定されたスパッタリング用のターゲットとを備え、エッチング処理とスパッタ処理を交互に行って基板の表面に高アスペクト比の孔又は溝を形成するプラズマ処理装置であって、
    前記ターゲットは、その外周部が前記プラズマ形成空間に向かって突出している
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
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