JP2009046634A - 可視光硬化型組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着性が良好な可視光硬化型組成物を提供する。
【解決手段】下記の(A)、(B)、(C)、及び(D)の成分を含み、(A)と(B)との合計量に対する(B)の比率が10〜90質量%である可視光硬化型組成物。
(A)分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物
(B)分子中に2個以上のチオール基を有する化合物
(C)可視光領域の波長の光の照射により、チオール化合物(B)のラジカル発生を開始させる光ラジカル重合開始剤
(D)光ラジカル重合開始剤を増感させる光増感色素
【選択図】なし

Description

本発明は、光学部品や電子部品の接着又は被覆などに有用な可視光硬化型組成物に関する。
放射線エネルギーにより速やかに硬化を終了し、所定の接着力を発現する電子線(EB)硬化型組成物や紫外線(UV)硬化型組成物は、硬化速度が速いため高生産性であるなどの利便性により、広く使用されている。しかし、これらの組成物は、電子線や紫外線を発生する特殊な装置を必要とする。また、強い電子線や紫外線の使用は人体に悪影響を及ぼす場合がある。
上記問題を解決する可視光硬化型組成物としては、例えば特許文献1に記載されたものが挙げられる。同文献には、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とエポキシ樹脂と芳香族オニウム塩(重合開始剤)とケトクマリン化合物(増感剤)とを含む可視光硬化型の接着剤組成物が開示されている。この組成物に可視光が照射されると、開始剤が活性ラジカルとカチオンを発生し、これによりエチレン性不飽和二重結合を有する化合物およびエポキシ樹脂が重合して所定の接着力が発現する。
しかし、ラジカル重合型の反応による硬化を行った場合、硬化に伴う硬化収縮が大きく、接着力の低下を招く原因となる。また、ラジカル重合は酸素により阻害される。酸素によるラジカル重合の阻害は、空気中の酸素のみならず組成物中に溶存する酸素によっても引き起こされ、接着力の低下および不安定の原因となる。特許文献1の発明は、その接着力の低下をエポキシ樹脂の重合によって補おうとするものであるが、カチオン重合は、酸が発生し、また重合が遅いため、樹脂組成物の物性が経時変化して、硬化物の特性が安定しない。
特開平7−82544号
本発明は、接着性が良好な可視光硬化型組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記の(A)、(B)、(C)、及び(D)の成分を含み、(A)と(B)との合計量に対する(B)の比率が10〜90質量%である組成物は、可視光により重合させることができ、かつ高い接着力が得られることを見出した。
(A)分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物
(B)分子中に2個以上のチオール基を有する化合物
(C)可視光領域の波長の光の照射により、チオール化合物(B)のラジカル発生を開始させる光ラジカル重合開始剤
(D)光ラジカル重合開始剤を増感させる光増感色素
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、下記の組成物、及び硬化物の製造方法を提供する。
項1. 下記の(A)、(B)、(C)、及び(D)の成分を含み、(A)と(B)との合計量に対する(B)の比率が10〜90質量%であることを特徴とする可視光硬化型組成物。
(A)分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物
(B)分子中に2個以上のチオール基を有する化合物
(C)可視光領域の波長の光の照射により、チオール化合物(B)のラジカル発生を開始させる光ラジカル重合開始剤
(D)光ラジカル重合開始剤を増感させる光増感色素
項2. (B)が、下記の一般式〔5〕
Figure 2009046634
(式中、Zはr個の官能基を有する有機残基を示し、rは2〜6の整数を示す。)
で表される化合物、下記の一般式〔6〕
Figure 2009046634
(式中、Zはt個の官能基を有する有機残基を示し、tは2〜6の整数を示し、sは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物、及び下記の一般式〔7〕
Figure 2009046634
(式中、Zはv個の官能基を有する有機残基を示し、vは2〜6の整数を示し、uは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である項1に記載の組成物。
項3. (C)が有機過酸化物又はジアリールヨードニウム塩である項1又は2に記載の組成物。
項4. (C)の含有量が、(A)と(B)との合計に対して、0.1〜15質量%である項1〜3のいずれかに記載の組成物。
項5. (D)がシアニン誘導体である項1〜4のいずれかに記載の組成物。
項6. 項1〜5のいずれかに記載の組成物に可視光を照射することにより硬化させる工程を含む硬化物の製造方法。
本発明の組成物は、可視光により速やかに硬化させることができる。これにより、特殊な照射装置を必要とせず、かつ安全に作業を行うことができる。
また、本発明の組成物は接着性が良好であるとともに、広範囲の被着物に対して、高い接着性を示す。また、硬化に伴う体積収縮が少なく、酸素による硬化阻害がないため、これらの点でも接着性が高いものとなる。
可視光はエネルギーが低いため、一般に、可視光硬化型組成物はラジカル重合開始剤を大量に含む必要がある。この点、本発明の組成物は、可視光照射により増感剤が励起され、これがラジカル重合開始剤を励起し、これがチオール化合物を励起するため、高価なラジカル重合開始剤の使用量が少なくて済む。
また、本発明の組成物の硬化物は、耐湿性が良好である。また、本発明の組成物の硬化物は、チオール化合物の屈折率が高いために屈折率が高く、チオール化合物を比較的多く含むことから、その含有比率を調整することにより高精度の屈折率調整が可能である。
このように、本発明の組成物は、接着強度や表面硬化性に優れ、高屈折率であり、高精度で屈折率を調整できることから、光学部品や電子部品の接着や被覆に好適に使用できる。
(I)可視光硬化型組成物
成分(A)
成分(A)である、分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、下記の一般式〔1〕で表される物質である。
Figure 2009046634
(式中、mは2〜6の整数を示す。Rは、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてよい炭素数1〜8のアルキル基、置換基を有していてよい炭素数1〜3のアルコキシ基、又は置換基を有していてよいフェニル基を示す。Yは、(CH(式中、nは0〜10の整数を示す。)、(OCH(式中、pは1〜10の整数を示す。)、−O−(CH(式中、qは1〜10の整数を示す。)又は−O−CO−を示す。Xは、Yと結合可能であって、m個の官能基を有する原子団を示す。)
Rのアルキル基、アルコキシ基、及びフェニル基が有することがある官能基は、特に限定されないが、例えば、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基等が挙げられる。置換基の数は特に限定されず、重合可能な単量体となる数であればよい。
Xは、特に限定されないが、例えば約1〜25個の炭素原子を有する官能基であればよい。このような官能基として、フェニル基、t−ブチル基、メチル基、エチル基、シクロへキシル基、ラウリル基、ステアリル基などが挙げられる。
成分(A)の具体例としては、X側の末端から数えて9番目の炭素原子と10番目の炭素原子との結合、又はそれよりXに近い炭素−炭素結合の何れか2個以上が炭素−炭素二重結合であるアルケン類が挙げられる。中でも好ましいものとして、以下の一般式〔2〕
Figure 2009046634
で表される化合物、以下の一般式〔3〕
Figure 2009046634
で表される化合物、及び以下の一般式〔4〕
Figure 2009046634
で表される化合物が挙げられる。
一般式〔2〕〜〔4〕中のX及びmは一般式〔1〕の式におけるものと同一である。一般式〔4〕中のR1は、水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基である。
成分(A)のより具体的な例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレエート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、テトラアリロキシエタン、ポリオキシプロピレンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、スチレンなどが挙げられる。
また、成分(A)であるオリゴマー又はモノマーの市販品としては、東亞合成社製「アロニックス」、日本化薬社製「カヤラッド」、日本化薬社製「カヤマー」、信越化学社製「KBE1003 」及び「KBM503」などが挙げられる。「カヤマー」は、分子中に燐原子を含有するオリゴマーであり、金属の接着に有効である。また、「KBE1003 」及び「KBM503」は、分子中に珪素原子を含有するシランカップリング剤であり、ガラスの接着に有効である。
なお、成分(A)の中でもモノマーは、硬化後の架橋密度の調整に有用であり、例えばスチレンなどを使用することができる。
成分(A)として、 分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合と1個以上のエポキシ基とを有する化合物を使用することも好ましい。この化合物は、硬化に寄与の大きいエチレン性不飽和二重結合と、接着に寄与の大きいエポキシ基とを、同一分子内に持っている点において有用である。このような成分(A)を用いることにより、組成物の接着性が向上する。また、カチオン重合開始剤を使用しなくても、エポキシ樹脂を含む場合のような接着性向上効果が得られるため、カチオン重合に見られる発生した酸や重合遅延による物性の不安定性を回避できる。
このような化合物としては、例えば下記の(1)〜(3)の反応操作により得られる高分子化合物が挙げられる。
(1) 分子中にエポキシ基を2個以上有する樹脂、例えば、ビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製「エピコート828」「エピコート1001」等)の1個のエポキシ基と、エチレン性不飽和二重結合と、カルボキシル基を有するアクリル酸、メタアクリル酸等の化合物のカルボキシル基とを反応させる。
(2) 無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和二重結合を有するジカルボン酸から得られるポリエステル樹脂のカルボキシル基と、分子中にエポキシ基を2個有する化合物(例えば、「エピコート 828」「エピコート1001」)の1個のエポキシ基とを反応させる。
(3) グリシジル(メタ)アクリレートを1成分とする共重合アクリル樹脂と、そのエポキシ基を平均 0.2個以上残す量のアクリル酸のカルボキシル基とを反応させる。さらに、低分子化合物として、グリシジル(メタ)アクリレートや脂環式エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマー(ダイセル化学工業社製「CYCLOMER」等)を反応させることができる。
成分(A)は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
成分(B)
成分(B)である、分子中に2個以上のチオール基を有する化合物の数平均分子量は約50〜15,000であればよい。
成分(B)の化合物としては、下記の一般式〔5〕
Figure 2009046634
(式中、Zはr個の官能基を有する有機残基を示し、rは2〜6の整数を示す。)
で表される化合物、下記の一般式〔6〕
Figure 2009046634
(式中、Zはt個の官能基を有する有機残基を示し、tは2〜6の整数を示し、sは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物、及び下記の一般式〔7〕
Figure 2009046634
(式中、Zはv個の官能基を有する有機残基を示し、vは2〜6の整数を示し、uは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物が挙げられる。
上記の一般式〔5〕〜〔7〕の化合物の中では、式〔6〕の化合物が好ましい。
一般式〔5〕において、中でも、rは2〜4の整数が好ましい。一般式〔6〕において、中でも、tは2〜4の整数が好ましく、sは1〜3の整数が好ましい。一般式〔7〕において、中でも、vは2〜4の整数が好ましく、uは0〜2の整数が好ましい。
Zは、特に限定されないが、例えば約1〜25個の炭素原子を有する官能基が挙げられる。
具体的には、Zとしては、下記の式〔8〕
Figure 2009046634
(式中、aは1〜6の整数を示す。)
で表される官能基、下記の式〔9〕
Figure 2009046634
(式中、b、c、及びdは、それぞれ独立して、0〜6の整数を示す。)
で表される官能基、下記の式〔10〕
Figure 2009046634
(式中、e、f、g、及びhは、それぞれ独立して、0〜6の整数を示す。)
で表される官能基、下記の式〔11〕
Figure 2009046634
で表される官能基、及び下記の式〔12〕
Figure 2009046634
で表される官能基が挙げられる。
式〔8〕〜式〔12〕の官能基の中では、式〔8〕、式〔10〕の官能基が好ましい。
中でも、式〔8〕において、aは2〜6の整数であることが好ましい。また、式〔9〕において、bは1〜3の整数であることが好ましく、cは1〜3の整数であることが好ましく、dは1〜3の整数であることが好ましい。また、式〔10〕において、eは1〜3の整数であることが好ましく、fは1〜3の整数であることが好ましく、gは1〜3の整数であることが好ましく、hは1〜3の整数であることが好ましい。
成分(B)の好ましい例としては、ジメルカプトブタン、トリメルカプトヘキサンのような2〜4個のチオール基で置換された炭素数4〜10のアルキル化合物;ジメルカプトベンゼンのような2〜4個のチオール基で置換されたアリール化合物;チオグリコール酸、チオプロピオン酸のような、炭素数1〜4のヒドロキシ脂肪酸エステルと硫化水素の反応生成物、又は炭素数2〜6の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と硫化水素の反応生成物などが挙げられる。
成分(B)として、特に好ましい化合物の具体例としては、トリメチロールプロパン−トリス−(β−チオプロピオネート)、トリス−2−ヒドロキシエチル−イソシアヌレート、トリス−β−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレート、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカブトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタンなどが挙げられる。
成分(B)は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
成分(A)と成分(B)との比率
成分(A)と成分(B)との合計に対する成分(B)の比率は、約10〜90質量%であればよい。中でも、約30〜70質量%が好ましく、約40〜60質量%がより好ましい。
また、成分(A)の化合物の炭素−炭素二重結合の1モル当量に対する、成分(B)の化合物のチオール基のモル当量が0.5〜2モル当量であることが好ましく、0.8〜1.2モル当量であることがより好ましい。中でも、成分(A)の炭素−炭素二重結合と成分(B)のチオール基が化学当量であるのが最も好ましい。ここで言う化学当量とは、[成分(A)のモル数/成分(A)1分子の二重結合の数]と、[成分(B)のモル数/成分(B)1分子のSH基の数]が等しいことを意味する。
成分(B)の使用量が上記範囲であれば、可視光を用いても、実用上十分な速度で組成物を硬化させることができる。また、成分(B)の使用量が多くなるほど得られる硬化物が柔らかくなるが、上記範囲であれば、実用上十分な強度が得られる。
成分(C)
成分(C)である光ラジカル重合開始剤は、可視光照射によりラジカルを発生して、チオール化合物(B)のラジカル発生を助長することにより、可視光硬化性組成物の光硬化を促進する。
光ラジカル重合開始剤の種類は特に限定されず、公知の光ラジカル重合開始剤を制限無く使用できる。このような公知の光ラジカル重合開始剤としては、カルボニル化合物、アミン化合物、アリールアミノ酢酸化合物、有機錫化合物、アルキルアリールホウ素塩、有機過酸化物、トリ置換トリアジン化合物、ビスイミダゾール誘導体、チタノセン化合物、ジアリールヨードニウム塩類等が挙げられる。中でも、有機過酸化物、トリ置換トリアジン化合物、ビスイミダゾール誘導体、チタノセン化合物、ジアリールヨードニウム塩類が好ましく、有機過酸化物、及びジアリールヨードニウム塩類がより好ましい。
有機過酸化物としては、3,3′,4,4′−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが例示される。
2,4,6−置換−1,3,5−トリアジン化合物としては、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4'−メトキシ−1'−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが例示される。
ビスイミダゾール誘導体としては、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾリルなどが例示される。
チタノセン化合物としては、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムなどが例示される。
ジアリールヨードニウム塩類としては、ジフェニルヨードニウム、4,4'−ジクロロジフェニルヨードニウム、4,4'−ジメチルジフェニルヨードニウム、4,4'−ジエチルジフェニルヨードニウム、4,4'−ジメトキシジフェニルヨードニウム、4,4'−ジターシャリーブチルジフェニルヨードニウム、4−メチル−4'−イソプロピルジフェニルヨードニウム、3,3'−ジニトロジフェニルヨードニウムなどのクロリド、ブロミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネートなどが例示される。ジアリールヨードニウム塩類の中ではジフェニルヨードニウム、4−メチル−4'−イソプロピルジフェニルヨードニウム、4,4'−ジターシャリーブチルジフェニルヨードニウムが特に好ましい。
成分(C)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
成分(C)の使用量は、成分(A)と成分(B)との合計量に対して約0.001〜20質量%が好ましく、約0.1〜15質量%がより好ましく、約0.1〜2質量%がさらにより好ましい。上記範囲であれば、可視光照射によっても、実用上十分な速度で組成物を硬化させることができる。
成分(D)
成分(D)の光増感色素は、組成物の硬化性を促進するものである。光増感色素としては、可視光領域の光を吸収する公知の光増感色素を制限なく使用できる。このような公知の光増感色素としては、ミヒラケトン、アクリジンイエロー、メロシアニン、メチレンブルー、カンファーキノン、エオシン、脱カルボキシル化ローズベンガル、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、フタロシアニン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、アクリジン誘導体、ポルフィリン誘導体、クマリン誘導体、ベーススチリル誘導体、ケトクマリン誘導体、キノロン誘導体、スチルベン誘導体、オキサジン誘導体、チアジン系色素などが挙げられる。更には「色素ハンドブック」(大河原信他編、講談社、1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編、シーエムシー、1983年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編、シーエムシー、1986年)に記載される光増感色素も用いることができる。
中でも、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、ベーススチリル誘導体が好ましく、シアニン誘導体がより好ましい。
シアニン誘導体としては、アンヒドロ−3,3'−ジカルボキシメチル−9−エチル−2,2'チアカルボシアニンベタイン、アンヒドロ−3−カルボキシメチル−3',9−ジエチル−2,2’チアカルボシアニンベタイン、3,3',9−トリエチル−2,2'−チアカルボシアニン・ヨウ素塩、3,9−ジエチル−3'−カルボキシメチル−2,2'−チアカルボシアニン・ヨウ素塩、3,3',9−トリエチル−2,2'−(4,5,4',5'−ジベンゾ)チアカルボシアニン・ヨウ素塩、2−[3−(3−エチル−2−ベンゾチアゾリデン)−1−プロペニル]−6−[2−(3−エチル−2−ベンゾチアゾリデン)エチリデンイミノ]−3−エチル−1,3,5−チアジアゾリウム・ヨウ素塩、2−{[3−アリル−4−オキソ−5−(3−n−プロピル−5,6−ジメチル−2−ベンゾチアゾリリデン)−エチリデン−2−チアゾリニリデン]メチル}3−エチル−4,5−ジフェニルチアゾリニウム・ヨウ素塩、1,1',3,3,3',3'−ヘキサメチル−2,2'−インドトリカルボシアニン・ヨウ素塩、3,3'−ジエチル−2,2'−チアトリカルボシアニン・過塩素酸塩、アンヒドロ−1−エチル−4−メトキシ−3'−カルボキシメチル−5'−クロロ−2,2'−キノチアシアニンベタイン、アンヒドロ−5,5'−ジフェニル−9−エチル−3,3'−ジスルホプロピルオキサカルボシアニンヒドロキシド・トリエチルアミン塩、2−[3−(3−エチル−2−ベンゾチアゾリデン)−1−プロペニル]−6−[2−(3−エチル−2−ベンゾチアゾリデン)エチリデンイミノ]−3−エチル−1,3,5−チアジアゾリウム・ヨウ素塩などが挙げられる。中でも、後述する構造式13〜23の化合物、DBC、DEAW、及びジメトキシ−JDIがより好ましい。
シアニン系色素は一般に光によって分解しやすいため、硬化後に後露光したり、室内光や太陽光の下に数時間から数日間放置することにより分解されて可視域に吸収を持たなくなり、無色透明な硬化物が得られる。
メロシアニン誘導体としては、3−エチル−5−[(3−エチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)エチリデン]−2−チオキソ−4−オキサゾリジノン、5−[(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)エチリデン]−3−エチル−2−チオキソ−4−オキサゾリジノンが挙げられる。
クマリン誘導体としては、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジブチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジオクチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンジミダゾリル)−7−ジエチルアミノ)クマリンなどが挙げられる。
ケトクマリン誘導体としては、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3,3’−カルボニルビス−7−ジエチルアミノクマリン−7’−ビス(ブトキシエチル)アミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジブチルアミノクマリン)などが挙げられる。
ベーススチリル誘導体としては、2−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]ベンゾチアゾール、2−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]ナフト[1,2−d]チアゾール、2−[(m−ヒドロキシ−p−メトキシ)スチリル]ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
成分(D)の使用量は、成分(A)と成分(B)との合計量に対して約0.01〜0.5質量%が好ましく、約0.02〜0.2質量%がより好ましく、約0.02〜0.1質量%がさらにより好ましい。上記範囲であれば、可視光照射によっても、実用上十分な速度で組成物を硬化させることができる。また、上記範囲であれば、成分(D)による硬化物の着色が実用上十分に抑えられ、また、成分(D)が不純物となって硬化物の機械的特性を悪化させることがない。
成分(D)は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
成分(C)と成分(D)との好ましい組み合わせ
成分(C)である光ラジカル重合開始剤と、成分(D)である光増感色素との好ましい組み合わせとしては、3,3′,4,4′−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンのような有機過酸化物、又はジフェニルヨードニウム、4−メチル−4'−イソプロピルジフェニルヨードニウム、若しくは4,4'−ジターシャリーブチルジフェニルヨードニウムのようなジアリールヨードニウム塩類と、下記構造式〔13〕〜〔23〕の光増感色素の何れかとの組み合わせが挙げられる。
Figure 2009046634
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有機過酸化物、又はジアリールヨードニウム塩類と、2,5−ビス{〔4−(ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル〕メチレン}シクロペンタノン(DBC)、2,5−ビス{〔4−(ジエチルアミノ)フェニル〕メチレン}シクロペンタノン(DEAW)、又は2,3−ジヒドロ−5,6−ジメトキシ−2−〔(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ〔i,j〕キノリジン−9−イル)メチレン〕−1H−インデン−1−オン(ジメトキシ−JDI)との組み合わせも好ましい。DBC、DEAW、及びジメトキシ−JDIの構造式を以下に示す。
Figure 2009046634
エポキシ樹脂
本発明の組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、エポキシ樹脂が含まれていてもよい。エポキシ樹脂が含まれることにより、接着性、及び屈折率を一層向上させることができる。エポキシ樹脂は、成分(A)の化合物にエポキシ基が含まれる場合も、含まれない場合も、使用することができる。
エポキシ樹脂の種類は特に限定されず、公知のものを制限なく使用できる。公知のエポキシ樹脂 としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−ドデシレンオキサイド、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、リモネンオキサイド、α−ピネンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイドなどの単官能のモノマー、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルペンチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂 、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂 、ビスフェノールF型エポキシ樹脂 、o−,m−,p−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 、フェノールノボラック型エポキシ樹脂 、ナフタレン環含有エポキシ樹脂 、ビフェニル型エポキシ樹脂 、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂 、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂 、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂 、ビスフェノールF型エポキシ樹脂 、o−,m−,p−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂がより好ましい。
エポキシ樹脂が含まれる場合の使用量は、重合性化合物全体に対して、約50質量%以下が好ましく、約5〜30質量%がより好ましい。上記範囲であれば、接着性及び屈折率が十分に向上する。また、上記範囲であれば、実用的な時間内に硬化させることができ、また物性的にも脆くなることがない。
また、エポキシ樹脂が含まれる場合は、エポキシ樹脂の硬化剤も含まれていればよい。硬化剤としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、メチルナジック酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、水素化メチルナジック酸無水物などが挙げられる。
エポキシ樹脂及びその硬化剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
その他の成分
本発明の組成物には、必要に応じて、シランカップリング剤や酸性リン酸エステル等の密着性向上剤、酸化防止剤、硬化促進剤、染料、充填剤、顔料、チキソトロピー付与剤、可塑剤、界面活性剤、滑剤、帯電防止剤などの添加剤が含まれていてよい。
調製方法
本発明の組成物は、各成分を混合することにより得ることができる。混合順序は特に限定されないが、成分(C)の光重合開始剤を、予め成分(A)又は成分(B)と混合しておくことにより、硬化を均一に速く行なえる。また、成分(A)、(B)、及び(C)を予め混合しておくことにより、硬化を一層均一にかつ一層速く行なえる。
用途
本発明の組成物は、光学部品や電子部品などの接着剤、被覆剤、封止剤、シール剤などの用途に好適に使用できる。
(II)硬化物の製造方法
本発明の硬化物の製造方法は、上記説明した本発明の組成物に可視光を照射することにより硬化させる工程を含む方法である。
可視光の光源としては、ハロゲンランプ、蛍光灯、メタルハライドランプなどの、樹脂の硬化に通常用いられている光源を用いればよい。照射強度は、例えば0.1〜10J/cm程度とすればよい。
実施例
以下、本発明を、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の「部」は、特に断りのない限り「重量部」を示す。
〔実施例1〕
以下の成分を充分に攪拌して、可視光硬化型組成物を得た。
成分(A):ペンタエリスリトールトリアリルエーテル 20部
成分(B):ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート) 28.6部
成分(C):3,3’, 4 , 4’−テトラ−(t −ブチルペルオキシカルボニル)べンゾフェノン(BTTB) 0.8部
成分(D):2,5−ビス{〔4−(ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル〕メチレン}(DBC) 0.029部
成分(A)と成分(B)との合計量に対する成分(B)の比率は、58.8質量%であり、成分(A)と成分(B)との合計量に対する成分(C)の比率は、1.6質量%であり、成分(A)と成分(B)との合計量に対する成分(D)の比率は、0.06質量%である。
〔実施例2〕
以下の成分を充分に攪拌して、可視光硬化型組成物を得た。
成分(A):トリメチロールプロパントリアクリレート 30部
ペンタエリスリトールトリアリルエーテル 21部
成分(B):トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレート 113部
成分(C):3,3’,4 ,4 ’−テトラ−(t−ブチルペルオキシカルボニル)べンゾフェノン(BTTB) 1.6部
成分(D):2,5−ビス{〔4−(ジエチルアミノ)−フェニル〕メチレン}(DEAW) 0.06部
成分(A)と成分(B)との合計量に対する成分(B)の比率は、68.9質量%であり、成分(A)と成分(B)との合計量に対する成分(C)の比率は、1.0質量%であり、成分(A)と成分(B)との合計量に対する成分(D)の比率は、0.04質量%である。
〔実施例3〕
以下の成分を充分に攪拌して、可視光硬化型組成物を得た。
成分(A):ペンタエリスリトールトリアリルエーテル 20部
成分(B):トリメチロールプロパン−トリス−β−メルカプトプロピオネート 30部
成分(C):ジフェニルヨードニウム・トリフルオロメタンスルホン酸塩 0.5部
成分(D):上記の構造式〔19〕で表される化合物 0.05部、
エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂「エピコート 828」 12部
成分(A)と成分(B)との合計量に対する成分(B)の比率は、60.0質量%であり、成分(A)と成分(B)との合計量に対する成分(C)の比率は、1.0質量%であり、成分(A)と成分(B)との合計量に対する成分(D)の比率は、0.1質量%である。
〔実施例4〕
以下の成分を充分に攪拌して、可視光硬化型組成物を得た。
成分(A):トリアリルイソシアヌレート 38部
成分(B):トリメチロールプロパン−トリス−(β−メルカプトプロピオネート) 62部
成分(C):ジフェニルヨードニウム・ヘキサフルオロホスフォニウム塩 0.4部
成分(D):ジメトキシJDI 0.05部
エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂「エピコート 828」 8部
成分(A)と成分(B)との合計量に対する成分(B)の比率は、62質量%であり、成分(A)と成分(B)との合計量に対する成分(C)の比率は、0.8質量%であり、成分(A)と成分(B)との合計量に対する成分(D)の比率は、0.05質量%である。
〔比較例1〕
実施例1において、成分(D)の2,5−ビス{〔4−(ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル〕メチレン}(DBC)を使用しない他は、実施例1と同様にして硬化型組成物を得た。
〔比較例2〕
実施例1において、成分(B)のペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)を使用しない他は、実施例1と同様にして可視光硬化型組成物を得た。
物性の評価
実施例1、2、3、4及び比較例1、2で得られた硬化型組成物について、塗工性、硬化性、並びにPETフィルムを接着したときの定性的な接着性、接着強度、及び耐湿性を評価した。
<塗工性>
各組成物をガラス基板上にワイヤーバーで塗工時の膜厚が1mm程度となるように塗布した。塗布後の表面均一性、付着性を目視で確認した。良好な場合は(○)、欠陥が発生した場合は(×)と評価した。
<硬化性>
各組成物をガラス基板上に膜厚が1mm程度となるように塗布した。その塗布物を、太陽光に10秒暴露後の流動性を目視で確認した。流動性がある(×)、又は流動性がない(○)の2段階で評価した。
<PETシート接着性の定性評価>
1mm厚みのPETシート2枚の間に光硬化型組成物を塗布し、圧着後、「プリズマライト」(コ−ルク社製、ハロゲンランプ)にて照射距離15cmで10分間光照射して、試料片を作製した。5人の試験者が両手で2枚のフィルムを剥離する方向に力を加え、3人以上剥離できた場合(×)、3人以上剥離できなかった(○)の2段階で評価した。
<PETフィルム接着強度>
100μm厚みのPETフィルム2枚の間に光硬化型組成物を塗布し、圧着後、緑色のYAGレーザー光(波長532nm)を5J/cm照射して、試料片を作製した。この試料片の接着強度を、万能引っ張り試験器(ミネビア社製、テクノグラフTG−200N)により評価した。剥離時の強度が10N/cm以上(○)、又は10N/cm未満(×)の2段階で評価した。
<耐湿性>
上記のようにして作製した、PETフィルム試験片を、40℃の熱水中に100時間浸漬した後、上記と同様にして接着強度を測定した。剥離時の強度が5N/cm以上(○)、又は5N/cm未満(×)の2段階で評価した。
物性の評価結果を以下の表1に示す。表1中の接着性の項目は、PETシート接着性の定性評価を示す。
Figure 2009046634
実施例の光硬化型組成物については、全ての項目について良好な結果が得られたが、成分(D)の増感色素を有しない比較例1の光硬化型組成物は、硬化せず、接着力も低いものであった。また、成分(B)のチオール化合物を有しない比較例2の光硬化型組成物は、硬化したがPETフィルムへの接着性が不充分であった。

Claims (6)

  1. 下記の(A)、(B)、(C)、及び(D)の成分を含み、(A)と(B)との合計量に対する(B)の比率が10〜90質量%であることを特徴とする可視光硬化型組成物。
    (A)分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物
    (B)分子中に2個以上のチオール基を有する化合物
    (C)可視光領域の波長の光の照射により、チオール化合物(B)のラジカル発生を開始させる光ラジカル重合開始剤
    (D)光ラジカル重合開始剤を増感させる光増感色素
  2. (B)が、下記の一般式〔5〕
    Figure 2009046634
    (式中、Zはr個の官能基を有する有機残基を示し、rは2〜6の整数を示す。)
    で表される化合物、下記の一般式〔6〕
    Figure 2009046634
    (式中、Zはt個の官能基を有する有機残基を示し、tは2〜6の整数を示し、sは0〜3の整数を示す。)
    で表される化合物、及び下記の一般式〔7〕
    Figure 2009046634
    (式中、Zはv個の官能基を有する有機残基を示し、vは2〜6の整数を示し、uは0〜3の整数を示す。)
    で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の組成物。
  3. (C)が有機過酸化物又はジアリールヨードニウム塩である請求項1又は2に記載の組成物。
  4. (C)の含有量が、(A)と(B)との合計に対して0.1〜15質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. (D)がシアニン誘導体である請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の組成物に可視光を照射することにより硬化させる工程を含む硬化物の製造方法。
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