JP2009046592A - 熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、一般式(IV)で表されるジヒドロベンゾキサジン構造を有する熱硬化性樹脂と、層状珪酸塩とを含む熱硬化性樹脂組成物。
実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、一般式(I)で示される多官能フェノール化合物、一般式(II)で示されるジアミン化合物、アルデヒド化合物とを加熱して反応させて、一般式(IV)で表されるジヒドロベンゾキサジン構造を有する熱硬化性樹脂を得て、さらに層状珪酸塩を添加することからなる。得られる熱硬化性樹脂は、耐熱性に優れ、電気特性が良好で、脆性が大きく改善されたものである。
一般式(I)で示される多官能フェノール化合物は、二官能またはそれ以上の多官能フェノールである限り、特に制限されるものではない。また、これらの二官能またはそれ以上の多官能フェノールは、使用に際して一種または二種以上で用いられる。
また、Xは、特に熱硬化性樹脂合成時の反応性、硬化体の耐熱性、力学特性、電気特性の点で、下記で示される構造であることも好ましい。
また、Xは、特に熱硬化性樹脂合成時の反応性、硬化体の耐熱性、力学特性、電気特性の点で、下記で示される構造であることも好ましい。
このような多官能フェノール化合物の具体例としては、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、2,6−ビス((2−ヒドロキシフェニル)メチル)フェノール、4,4‘−[1,4−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスフェノール(三井化学製:ビスフェノールP)、4,4‘−[1,3−フェニレンビス(1−メチル−エチリデン)]ビスフェノール(三井化学製:ビスフェノールM)、ビフェニルノボラック型フェノール樹脂(明和化成製:MEH7851)、キシリレンノボラック型フェノール樹脂(明和化成製:MEH7800)、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂(新日本石油製:日石特殊フェノール樹脂DPPシリーズ)等が挙げられる。これら多官能フェノール化合物は、使用に際して一種又は二種以上で用いられる。
一般式(II)で示されるジアミン化合物は、主に可撓性向上の観点より用いられる。
アルデヒド化合物としては、特に限定されるものではないが、ホルムアルデヒドが好ましく、該ホルムアルデヒドとしては、その重合体であるパラホルムアルデヒドや、水溶液の形であるホルマリン等の形態で使用することが可能である。パラホルムアルデヒドを使用する方が反応の進行は穏やかである。また、その他のアルデヒド化合物としてアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等も用いることができる。
層状珪酸塩(=クレイ)としては、特に制限なく種々のものを用いることができる。例えば、天然もしくは合成のNa型テトラシリシックフッ素雲母、Li型テトラシリシックフッ素雲母、Na型フッ素テニオライト、もしくはLi型フッ素テニオライト等の膨潤性雲母族粘土鉱物、バーミキュライトやスメクタイト、サポナイト、スチブンサイト、バイテライト、モンモリナイト、ノントロナイト、もしくはベントナイト等のスメクタイト族粘土鉱物、又はこれらの置換体、誘導体もしくはこれらの混合物が挙げられる。なお、前記置換体には、層間イオンのNa+もしくはLi+イオンの一部がK+イオン置換されているもの、又は四面体シートのSi+イオンの一部がMg2+イオンで置換されているものが含まれる。
実施形態に係る製造方法の他の実施形態として、前述した成分とともに、一般式(III)で示される単官能フェノール化合物をさらに使用する方法を好ましくは提供することができる。この(e)成分の単官能フェノール化合物を用いると、溶解性等の加工性を確保することができる。
単官能フェノール化合物は、側鎖分子量が大きいものであり、一般式(III)中のZは炭素数4以上、好ましくは炭素数6以上、更に好ましくは8〜20の有機基である。炭素数が大きくなると自由体積が大きくなり、誘電率が低くなる場合もある。なお、Zがヘテロ原子として、N、O、Fを有していてもよい。
中でも、上記のZは、OH基に対してパラ位に置換されており、かつ下記式で示される基であることが好ましい。
エポキシ系樹脂としては、特に制限なく種々のものを使用できるが、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、置換ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノール・ビフェニレン型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等の環式脂肪族エポキシ樹脂、アジピン酸ジグリシジルエステル型、フタル酸ジグリシジルエステル型等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジグリシジルアニリン型、アミノフェノール型、脂肪族アミン型、ヒダントイン型等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒドロキシ安息香酸型エステル型、α―メチルスチルベン型等の液晶エポキシ樹脂、感光性、分解性等の機能を有するエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、チイラン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、フェノール・ビフェニレン型エポキシ樹脂(例えば、日本化薬(株)製NC3000シリーズ)を用いることが可撓性・耐熱性の面から好ましい。
無機充填剤の材質としては、熱硬化性樹脂組成物の硬化成形体を粗化した際に、硬化成形体の表面粗さが小さく、銅めっきと硬化成形体との接着強度が大きくなるものであれば、特に制限なく種々の無機充填剤を用いることができる。例えば、シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、シリカが好ましい。具体的にはアドマテックス社製、商品名「アドマフィン」を用いることができる。シランカップリング処理された無機充填剤の配合量(溶媒重量を除く)は、熱硬化性樹脂組成物の全重量を100重量部としたときに、10重量部から40重量部が好ましく、20重量部から30重量部がより好ましい。
実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、一般式(IV)で示される構造を有する熱硬化性樹脂と、層状珪酸塩と、を含む。実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、前述した熱硬化性樹脂組成物の製造方法により得ることもできる。
上記構造は、IR,NMR、GC−MS他の手法にて同定できる。
実施形態に係る成形体は、前述した熱硬化性樹脂、又はそれを含む熱硬化性組成物を、半硬化させて、もしくは硬化させずに得られるものである。
実施形態に係る成形体としては、前述した熱硬化性樹脂が硬化前にも成形性を有しているため、その寸法や形状は特に制限されず、例えば、シート状(板状)、ブロック状等が挙げられ、さらに他の部位(例えば粘着層)を備えていてもよい。また、シート状のものは支持フィルム上に形成されていてもよい。
実施形態に係る硬化体は、熱硬化性を持つ熱硬化性樹脂、熱硬化性を持つ前基組成物、熱硬化性を持つ成形体に熱をかけて、硬化したものである。その硬化方法としては、従来公知の任意の硬化方法を用いることができ、一般には120〜300℃程度で数時間加熱すればよいが、加熱温度がより低かったり、加熱時間が不足したりすると、場合によっては、硬化が不十分となって機械的強度が不足することがある。また、加熱温度がより高すぎたり、加熱時間が長すぎたりすると、場合によっては、分解等の副反応が生じて機械的強度が不都合に低下することがある。よって、用いる熱硬化性化合物の特性に応じた適正な条件を選択することが望ましい。
クロロホルム中に、ビスフェノールM(三井化学製、99.5%)27.86g(0.08mol)、ビスアニリンM(三井化学製、99.98%)27.57g(0.08mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)10.73g(0.34mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を31.21g得た。得られた樹脂のGPCによる分子量測定では、重量平均分子量は16,600であった。
層状珪酸塩としてジメチルジオクタデシルアンモニウム塩で有機処理が施された合成スメクタイト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)0.30gをトルエン9.50g、メチルエチルケトン0.50gの中に投入し、IUCHI社製シェイカーにて撹拌・振とうし、溶解した。この溶解液にBO1を9.70g投入し、IKA社製ディスパーにて60分、回転・溶解して、溶解液を得た。得られた溶解液を、更にシンキー社製撹拌脱泡器を用いて3分撹拌・脱泡した。脱泡した溶液を100μmのスリットに調整したテスター産業社製アプリケーターと共にテスター産業社製型番PI−1210の塗工機を用いて5cm毎秒で引いて、溶媒入りのフィルムとした。前記フィルムを60℃10分、80℃20分、100℃30分、160℃30分、180℃2時間、と順次熱をかけて硬化フィルムとした。硬化フィルムは58μmの厚みであった。
得られた58μm厚のフィルムを幅4mmに調製し、セイコーインスツルメンツ社(SII)製TMA6100にて温度に対するのびを測定し、CTE(=α)を評価した。αは23℃〜100℃で56ppm/℃であった。
また、得られたフィルムを細かく裁断し、SII製TG/DTA6200を用いて、10℃/minの昇温速度で空気雰囲気下での5%重量減少温度(Td5)を評価したところ394℃であった。
上記実施例で用いた熱硬化性樹脂の他にも、以下に示すような熱硬化性樹脂に、層状珪酸塩を添加することにより、熱硬化性樹脂組成物並びにそれらから得られた成形体及び硬化成形体を調製することができる。以下に熱硬化性樹脂等の参考例を示す。
クロロホルム中に、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)21.21g(0.06mol)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(東京化成製、98%)25.13g(0.06mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)8.05g(0.25mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応スキームを以下に示す。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を40.78g得た。
参考例1で得られた重合体を熱プレス法により180℃で1時間保持し、0.5mmtのシート状の硬化体を得た。得られた硬化体は褐色透明で均一なものであり、屈曲性に優れるものであった。
得られた成形体について、誘電率測定装置(AGILENT社製、商品名「RFインピーダンス/マテリアル アナライザ E4991A」)を用いて容量法により、23℃、100MHz及び1GHzにおける誘電率及び誘電正接を測定した。結果を表1に示す。参考例2の硬化体は、誘電率、誘電正接ともに良好な特性を示した。
また得られたシートを細かく裁断し、島津製作所製、商品名「DTG−60」を用いてTGA法により、10℃/minの昇温速度で空気雰囲気下での5%重量減少温度(Td5)を評価した。参考例2の硬化体はTd5が415℃と良好な値を示した。
参考例1において、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼンの代わりにビスフェノールM(三井化学製)21.21g(0.06mol)を使用した以外は参考例1と同様にして熱硬化性樹脂を合成した。収量は40.56gであった。得られた樹脂のGPCによる分子量測定では、重量平均分子量は10,600であった。
クロロホルム中に、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)20.68g(0.0585mol)、4−α−クミルフェノール(東京化成製、98%)2.82g(0.013mol)、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)22.85g(0.065mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)8.72g(0.27mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を37.21g得た。得られた樹脂のGPCによる分子量測定では、重量平均分子量は7,200であった。
クロロホルム中に、ビフェニルノボラック型フェノール樹脂(明和化学製「MEH7851SS」、OH当量204)30.00g、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)21.08g(0.061mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)8.13g(0.25mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、ベンゾキサジン構造を有する熱硬化性樹脂を45.52g得た。
参考例7において、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)の代わりに、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(和歌山精化製、99.9%)24.90g(0.061mol)に変更した以外は、参考例7と同様にしてベンゾキサジン構造を有する熱硬化性樹脂を合成した。収量は45.80gであった。
クロロホルム中に、ビスフェノールM(三井化学製、99.5%)27.86g(0.08mol)、ビスアニリンM(三井化学製、99.98%)27.57g(0.08mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)10.73g(0.34mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を31.21g得た。得られた樹脂のGPCによる分子量測定では、重量平均分子量は16,600であった。
クロロホルム中に、DPP6085(新日本石油製、99%)30.0g(0.086mol)、ビスアニリンP(三井化学製、99%)29.91g(0.086mol)を加え攪拌し、ついでパラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)11.53g(0.344mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を36.27g得た。
クロロホルム中に、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)20.68g(0.0585mol)、4−t−オクチルフェノール(東京化成製、95%)2.82g(0.013mol)、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)22.85g(0.065mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)8.72g(0.27mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を41.95g得た。
クロロホルム中に、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)13.85g(0.040mol)、ビスアニリンM(東京化成製、98%)13.78g(0.040mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)5.04g(0.168mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を34.52g得た。
bis−A/MDA(2核+2核)
クロロホルム中に、ビスフェノールA(東京化成製、98%)18.45g(0.08mol)、4,4‘−ジアミノジフェニルメタン(和光純薬製、98%)16.19g(0.08mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)10.73g(0.336mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を26.44g得た。
bis−A/BAPP(2核+4核)
クロロホルム中に、ビスフェノールA(東京化成製、98%)18.27g(0.08mol)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(東京化成製、98%)32.89g(0.08mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)10.73g(0.336mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を39.62g得た。
クロロホルム中に、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(東京化成製、98%)22.98g(0.065mol)、ビスアニリンP(東京化成製、98%)22.85g(0.065mol)、パラホルムアルデヒド(和光純薬製、94%)8.72g(0.273mol)を投入し、発生する水分を除去しながら還流下で6時間反応させた。反応後の溶液を多量のメタノールに投じて生成物を析出させた。その後、ろ別により生成物を分離し、メタノールで洗浄した。洗浄した生成物を減圧乾燥することにより、下記構造のベンゾキサジン化合物を主成分とする熱硬化性樹脂を34.52g得た。得られた重合体は、トルエンやDMFをはじめとして汎用の溶剤には不溶であった。また、熱プレスを行っても不融のためフィルム化できなかった。
トルエンを溶媒として、20,30,40,50,60の各重量%になるように各参考例で合成したベンゾキサジン樹脂を投入し、室温にて24時間撹拌して、溶解するかの確認を行った。
参考例1,3,5,7,8,11,13,15,17、参考比較例1,3の合成物に対して、幅10mm、厚み75μになるようにサンプルフィルムを作製した。サンプルフィルム作製に当たり、各樹脂と同重量のトルエンにより50重量%の溶液を調製し、アプリケーターにて引いて塗工した後、オーブンにて溶媒を乾燥して除去してサンプルを作製した。上記作製フィルムに対して屈曲試験を行った。屈曲試験では、サンプルフィルムを、2つ折りにして、3kgfの力で両側から押さえた後にフィルムを広げ、折り目が付いているのみで透明:○、フィルムが白化している:△、フィルムが割れる:×、の評価を行った。
Claims (22)
- 一般式(I)で示される多官能フェノール化合物と、
一般式(II)で示されるジアミン化合物と、
アルデヒド化合物とを加熱して反応させて、
一般式(IV)で表されるジヒドロベンゾキサジン構造を有する熱硬化性樹脂を得て、さらに層状珪酸塩を添加することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 前記層状珪酸塩は、層状珪酸塩を第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤で有機変性させた有機変性層状珪酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 前記層状珪酸塩は、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩で有機処理が施された合成スメクタイトであることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 前記層状珪酸塩は、熱硬化性樹脂の全重量を100重量部としたときに、0.1〜5重量部の量で配合されることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 一般式(I)で示される多官能フェノール化合物と、一般式(II)で示されるジアミン化合物と、アルデヒド化合物と、一般式(III)で示される単官能フェノールと、を加熱して反応させることを特徴とするジヒドロベンゾキサジン環構造を有することを特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 前記一般式(II)におけるYが、ベンゼン環を一つ含むことを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 前記一般式(II)におけるYが、ベンゼン環を少なくとも二つ含むことを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項17に記載の熱硬化性組成物を、半硬化させて、もしくは硬化させずに得られることを特徴とする成形体。
- 請求項17に記載の熱硬化性樹脂組成物より得られることを特徴とする硬化体。
- 請求項20記載の硬化体を含むことを特徴とする電子部品。
- 請求項17に記載の熱硬化性組成物を、半硬化させて、もしくは硬化させずに得られることを特徴とする成形体。
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