JP2009046537A - ラミネート金属板di成形用水性クーラント - Google Patents

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Abstract

【課題】ラミネート金属板のDI成形を可能とし、耐久性に優れたラミネートDI缶を得ることが可能なラミネート金属板DI成形用水性クーラントを提供する。
【解決手段】本発明の水性クーラントは、50℃におけるpHが6〜8であり、50℃における粘度が0.3〜1mPa・sである。例えば、カルボン酸、カルボン酸エステルおよびカルボン酸の金属塩の中から選ばれる1種以上を0.03〜1質量%含むことができる。このような水性クーラントを用いることで、ラミネート金属板をDI成形した場合、成形性および耐久性が劣ることなく、DI缶が製造可能となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ラミネートDI缶を製造する際に用いられるクーラント(潤滑・冷却剤)に関し、詳しくはラミネート金属板をしごき成形または再絞り・しごき成形してDI缶を製造する際に用いられる水性しごき成形用クーラントに関するものである。
DI缶は、ビール、清涼飲料などの飲料用容器やスープ缶などの食缶用容器として使用され、金属板を絞り成形(カッピング)して作製した絞り缶をしごき成形または再絞り・しごき成形して加工される缶であり、その胴体と底の部分はつなぎ目の無い構造になっており、2ピース缶と呼ばれる。
ここで、絞り成形とは、円盤状に切り抜いた金属板をしわ押さえ装置により固定し、ポンチとダイスの組み合わせからなる工具で底付きのカップ状に成形する加工方法である。
また、しごき成形とは、絞り成形したカップの側壁を薄く伸ばす加工である。絞り成形において、円盤状に切り抜かれた金属板の直径がしごきポンチの直径に比べて大きすぎる場合には1回の絞り成形では所要の形状のカップを得ることが困難なことがあり、その場合2回の絞り成形(絞り−再絞り成形)で所要の形状に成形することが一般に行われる。この工程では、カッピングプレスと称される絞り成形機により比較的直径の大きなカップが製造され、次いでボディメーカー(缶体成形機)において先ず再絞り成形が行われ、その後しごき成形を実施することになる。
DI缶の素材としては、これまでは錫めっき鋼板またはアルミ薄板の金属板が一般に用いられてきた。そして、これらの金属板をDI成形により所望の形状に成形にした後に洗浄、表面処理、塗装等の後処理が行われ、製品(DI缶)となる。しかし、最近は、このような洗浄、表面処理、塗装等の後処理を省略または簡略化できるようにと、フィルムをラミネートした金属板(以下、ラミネート金属板と称することもある)を用いてDI成形することで後処理すること無しに容器製品とする方法が検討されている。
フィルムがラミネートされた金属板をDI成形する場合と、従来の金属板を素材とする場合とではDI成形方法が大きく異なる。
従来の金属板を素材としたDI缶の製造では、一般には乳化液型クーラントが用いられる。また、最近では、特許文献1〜3に記載されるように、脱脂性、洗浄性に優れる水溶性クーラントが開発され一般的になってきた。この水溶性クーラントは、金属板を素材とするため、金属表面と成形工具の間の摩擦を低減し成形性を高める目的で粘度を高くしており、また、成形工具及び金属板の防錆目的でアミン系の防錆剤を加えてアルカリ性に調整されている。しかし、上記水溶性クーラントをラミネート金属板を素材とするDI成形に適用しようとすると、さまざまな問題があり適用できない。
特開昭59−166595号公報 特開平10−85872号公報 特開平10−88176号公報
ラミネート金属板をDI成形する場合は、金属板表面がラミネートフィルムで被覆されているために従来の金属板のDI成形とは成形方法が根本的に異なる。
ラミネートフィルムの表面は金属表面に比べ柔らかくまた潤滑性もあるため、金属板に使用されるような高分子を含んだ高粘性のクーラントを使用すると逆に成形性が低下することになる。
さらに、ラミネート金属板に使用されるポリエステルフィルムは酸性では安定だがアルカリ性ではやや耐久性に劣る。特に、従来の金属板用DIクーラントに防錆剤として使用されるアミン系成分に対しては耐久性が劣るため、アミン類を含むアルカリ性クーラントはラミネート金属板には使用できない。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、ラミネート金属板のDI成形を可能とし、耐久性に優れたラミネートDI缶を得ることが可能なラミネート金属板DI成形用水性クーラントを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、以下の知見を得た。
ラミネート金属板のDI成形に適するクーラントを検討したところ、金属板のDI用クーラントに含まれる高分子成分を含まずに非常に粘性が低いもので、また、溶液成分としてアミン系成分を含まずほぼ中性のpHの水性クーラントを使用することにより、ラミネート金属板のDI成形性が非常に高まることを見出した。
また、クーラント中に防錆成分として、特定の物質を特定量含有させることにより、成形装置内および素材の防錆性が高まるとともに、DI成形後の缶の洗浄も従来のクーラントに比べ非常に容易になることも見出した。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
[1]50℃におけるpHが6〜8であり、50℃における粘度が0.3〜1mPa・sであるラミネート金属板DI成形用水性クーラント。
[2]前記[1]において、カルボン酸、カルボン酸エステルおよびカルボン酸の金属塩の中から選ばれる1種以上を0.03〜1質量%含むことを特徴とするラミネート金属板DI成形用水性クーラント。
[3]前記[1]または[2]において、スルホン酸、スルホン酸エステルおよびスルホン酸の金属塩の中から選ばれる1種以上を0.03〜1質量%含むことを特徴とするラミネート金属板DI成形用水性クーラント。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかにおいて、下記の中から選ばれる1種以上を0.03〜1質量%含むことを特徴とするラミネート金属板DI成形用水性クーラント。
ホウ酸、ケイ酸、リン酸、ホウ酸エステル、ケイ酸エステル、リン酸エステル、ホウ酸の金属塩、ケイ酸の金属塩、リン酸の金属塩
本発明の水性クーラントをDI成形に用いることにより、ラミネート金属板のDI成形を可能とし、耐久性に優れたラミネートDI缶を得ることが可能となる。また、成形後の洗浄工程も簡略されるため、生産性も非常に高まる。
本発明のラミネート金属板DI成形用水性クーラントは、50℃におけるpHが6〜8であり、50℃における粘度が0.3〜1mPa・sであることを特徴とする。以下、これについて、詳細に説明する。
50℃におけるpHが6〜8
ラミネート金属板のDI成形におけるクーラント温度は50℃前後に調節される。そのため、その温度域でのクーラント物性が重要となる。金属板の場合はアミン等を加えてアルカリ性に調節されるのに対し、本発明で用いるラミネート金属板に適当なpHとしては、ほぼ中性の領域のpH6〜8が最適である。pHが8より高いとフィルムが劣化しやすく、pHが6より低いと下地の金属板が腐食しやすい。
50℃における粘度が0.3〜1mPa・s
ラミネート金属板DI成形用に最適な粘度は50℃で0.3〜1mPa・sである。この粘度はほぼ水の粘度に近く、水に高分子成分を入れて粘度を高めること、すなわち、粘度が50℃で1mPa・sを超えると、金属板のDI成形には有効であるが、ラミネート金属板のDI成形の場合は逆に潤滑性等が低下して成形性を低下させる。一方、粘度が0.3mPa・sよりも低い場合は粘度が低すぎてフィルムが傷付きやすくなり成形性はやはり低下する。
また、動粘度についても、クーラントの密度がほぼ水に近い1g/cmなので、0.3〜1mm/sの範囲のものが好ましい。
なお、上記粘度の測定は、JIS−Z8803に基づき行うことができ、例えば、キャノン-フェンスケ型毛細管式粘度計を用いて測定することができる。
上記範囲内のpHおよび粘度を有する本発明のラミネート金属板DI成形用水性クーラントの成分組成としては、水をベースとした組成となる。水道水、イオン交換水、蒸留水などをそのまま使用することも可能であるが、本発明の範囲内で防錆剤およびその他の添加剤を添加することにより、成形工具及び金属板の腐食の問題がなくなり、またラミネート金属板のDI成形性がより最適なものになる。
防錆剤
ラミネート金属板および装置の両方の腐食を抑制するため、本発明のラミネート金属板DI成形用水性クーラント中には、防錆剤を含有するのが好ましい。
防錆成分としては、1)オクタン酸、ナフテン酸、アルケニルコハク酸、セバシン酸、オレイン酸、ラノリン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリン酸、リシノール酸、(4−ノニルフェノキシ)酢酸等のカルボン酸類、上記カルボン酸類のエステル、または上記カルボン酸類の金属塩(Na、K、Ca、Mg等)の中から選ばれる1種以上、2)石油スルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸等のスルホン酸類、上記スルホン酸類のエステル、または上記スルホン酸類の金属塩(Na、K、Ca、Mg等)の中から選ばれる1種以上、3)ホウ酸、ケイ酸、リン酸等の酸類、ホウ酸、ケイ酸、リン酸等の各々のエステル、またはホウ酸、ケイ酸、リン酸等の各々の金属塩(Na、K、Ca、Mg等)の中から選ばれる1種以上が好適に用いられる。そして、上記1)〜3)を添加するにあたっては、1)〜3)の中から選ばれる1種を単独で添加してもよいし、1)〜3)の中から選ばれる1種以上を複合添加してもよい。
上記成分はポリエステルフィルムを劣化させず、またフィルム中にも残留しにくいので簡易の洗浄で十分洗い落とすことができる。そして、ラミネート金属板および装置両方の腐食を抑制することが十分に可能である。
上記防錆成分の含有量は0.03〜1質量%が好ましい。0.03質量%未満では腐食の抑制効果が低い。一方、1質量%超えでも防錆効果にあまり変わりなく、一方で、簡易洗浄では洗い落としにくくなり、コスト面からも不適である。さらに好ましくは、0.05〜0.5質量%である。
さらに、本発明では、上記に加え、所望により他の添加剤、例えば、油性剤、界面活性剤、清浄剤、分散剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、金属イオン封止剤等を適宜配合してもよい。添加剤の配合量は、特に限定されず、常法に従って適宜調製すればよい。
油性剤
油性剤としては、脂肪酸、脂肪酸エステル、高級アルコール等があり、脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸等の直鎖飽和脂肪酸、オレイン酸等のモノエン不飽和脂肪酸、ポリエン不飽和脂肪酸、脂環式脂肪酸、モノヒドロキシ脂肪酸、ジヒドロキシ脂肪酸等が挙げられ、脂肪酸エステルとしては、例えば、上記脂肪酸のアルキルアルコ−ルとのエステル(メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、オクチルエステル、ノニルエステル、デカンエステル、ウンデカンエステル、ドデカンエステル、テトラデカンエステル、ヘキサデカンエステル、オクタデカンエステル)やトリメチロ−ルプロパン、ペンタリスリト−ルとのエステル等が挙げられる。また、高級アルコールとしては、ラウリルアルコールやオレイルアルコールが挙げられる。
界面活性剤
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系または両性系界面活性剤を用いることができ、これらの中でも、特に、ノニオン系界面活性剤が好ましい。ノニオン系界面活性剤としては、具体的には、アルキルポリエチレンオキサイドエーテル、アルキルポリプロピレンオキサイドポリエチレンオキサイドエーテル、プルロニック、テトロニック等のポリエチレンオキサイドエーテル系界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸シュガーエステル、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル系界面活性剤、ポリエチレンオキサイド脂肪酸エステル、ソルビタンポリエチレンオキサイド脂肪酸エステル、ソルビトールポリエチレンオキサイド脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールポリエチレンオキサイド脂肪酸エステル、ひまし油ポリエチレンオキサイド等のポリエチレンオキサイドエステル系界面活性剤等が挙げられる。
上記ノニオン系界面活性剤とアニオン系界面活性剤を併用することもできる。さらに公知のカチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤を用いることもできる。
清浄剤
清浄剤としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属またはアルカリ土類金属サルシレート、アルカリ金属またはアルカリ土類金属フェネート、脂肪酸石けん等が挙げられる。
分散剤
分散剤としては、アルケニルコハク酸イミド、非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
酸化防止剤
酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(DBPC)等のフェノール化合物、4,4‘メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)等のビスフェノール化合物などが挙げられる。
防腐剤
防腐剤としては、フェノール系、トリアジン系又はイソチアゾリン系等が代表的であるが、具体的には、フェノール系としては、o−フェニルフェノール、Na−o−フェニルフェノール、2,3,4,6−テトラクロロフェノール等が挙げられる。トリアジン系としては、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。イソチアゾリン系としては、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−イソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。
消泡剤
消泡剤としては、シリコーンのエマルション、高級アルコール、金属石けん、エチレン−プロピレンコポリマー等を挙げることができる。
本発明におけるラミネート金属板の素材としては、鋼板、アルミニウム素材が使用可能であるが、経済性から安価な鋼板が好ましい。ラミネート下地用の鋼板としては、クロムめっき鋼板またはぶりき鋼板が使用可能である。クロムめっき鋼板(ティンフリースチール)としては、表面に付着量50〜200mg/mの金属クロム層と、金属クロム換算の付着量が3〜30mg/mのクロム酸化物層を前記金属クロム層の表面に有することが好ましい。ぶりきは、0.5〜15g/mのめっき量を有するものが好ましい。板厚は、特に限定されないが、例えば、0.15〜0.30mmの範囲のものが好適に使用できる。
次いで、本発明におけるラミネート金属板を構成する樹脂層について説明する。本発明のラミネート金属板を構成する樹脂層はポリエステル樹脂を基本とする。ポリエステル樹脂フィルムは、機械的強度に優れ、摩擦係数が小さく潤滑性が良好で、ガスや液体に対する遮蔽効果すなわちバリア性に優れ、かつ安価である。従って、DI成形のように、伸び率が300%にもなる加工度の高い成形にも十分に耐えることができ、皮膜は成形後も健全である。
ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分はテレフタル酸を主成分とし、ジオール成分は、エチレングリコールを主成分とする。そして、ポリエステル樹脂層の加工性と強度のバランスから、共重合成分として、8mol%以上20mol%以下のイソフタル酸成分を含有することが好ましい。また、結晶化温度は120〜160℃であることが好ましい。
共重合成分比率が低い場合、分子が配向し易く、加工度が高くなると、フィルム剥離が発生したり、缶高さ方向に平行な亀裂(破断)が生じる傾向にある。また、加工後の缶体に熱処理を施した場合も同様に配向が進む。配向のし難さの点からは、共重合成分の比率は高いほど良いが、20mol%を超えるとフィルムコストが高くなるため経済性が劣る他、フィルムが柔軟になり傷付き性や耐薬品性が低下する可能性がある。
結晶化温度については、120℃より低いと非常に結晶化しやすいため高加工度の加工ではフィルム樹脂にクラックやピンホールが発生する場合がある。一方、160℃より高い場合は結晶化スピードが非常に遅いため、150℃以上の熱処理でも十分に結晶化せずフィルムの強度や耐久性が損なわれる場合がある。
さらに、樹脂層中には顔料や滑剤、安定剤などの添加剤を加えて用いても良いし、他の機能を有する樹脂層を上層または下地鋼板との中間層に配置して2層以上の樹脂層にしても良い。樹脂層の厚みについては、5μm以上50μm以下のものが好適に使用できる。
本発明におけるラミネート金属板は、前述した金属板に前述したポリエステル樹脂層を両面に有する。金属板への樹脂のラミネート方法は特に限定されない。2軸延伸フィルム、あるいは無延伸フィルムを熱圧着させる熱圧着法、Tダイなどを用いて金属板上に直接樹脂層を形成させる押し出し法など適宜選択することができる。さらに、ポリエステルウレタン系、飽和ポリエステル系等の接着剤を使用して、ポリエステル樹脂フィルムを下地金属板に貼り合わせることも可能であり、いずれの方法でも十分な効果が得られることが確認されているが、特に熱圧着法が、下地金属との密着性にも優れ、また接着剤を必要としない等の理由で経済的にも有利である。
本発明のDI成形では、市販のカッピングプレス、およびDIプレス装置が使用可能であり、その仕様による差はない。本発明のラミネート金属板DI成形用水性クーラントはDIプレス装置でのしごき成形(および再絞り成形)に用いられ、装置内を循環して成形時の冷却を行う。一方、カッピングプレスの絞り加工時の潤滑としては、ラミネート金属板表面にワックスを塗布することが好ましく、融点30〜80℃のパラフィンや脂肪酸エステル系のワックスを10〜500mg/m塗布したものが良好な成形性を示す。
DIプレス装置での成形後は、洗浄すること無しにそのまま乾燥処理を行って使用することもできるが、洗浄して使用する場合は水による洗浄で十分である。洗浄水に界面活性剤や防さび剤等の添加剤を添加して、洗浄性をさらに高めることや腐食の抑制を行うことも可能である。
また、その後に乾燥とフィルムの密着性向上のために60℃以上樹脂層融点以下での乾燥処理を行うことが好ましく、さらに好ましくは200℃以上で乾燥処理することが好ましい。
以下、本発明の実施例について説明する。
「ラミネート鋼板の作製」
厚さ0.20mmのテンパー度T3のクロムめっき鋼板(金属Cr層:120mg/m、Cr酸化物層:金属Cr換算で10mg/m)を下地原板として用い、この原板に対して、2軸延伸法で作製された厚さ25μmのイソフタル酸10%共重合ポリエチレンテレフタレートフィルムを、240℃に加熱した鋼板上にニップロールを用いて圧着し、その後1秒以内に水冷、乾燥することにより、ラミネートDI缶用ラミネート鋼板を作製した。
「缶体成形」
上記により得られたラミネート鋼板を用いて、以下に示す条件によりDI成形して缶を成形した。また、DI成形後に、ストリッピング性、DI成形性(成形後の缶外面フィルム健全性)、耐食性(缶内面の健全性)を、以下に述べる性能試験によって評価した。なお、上記DI成形性、上記耐食性の評価については、DI成形で作られたDI缶に対し、50℃のイオン交換水で2分間スプレーして表面を洗浄し、次いで、200℃の乾燥炉で30秒間乾燥した後に、下記の試験を行った。得られた結果を表1に示す。
「DI成形」
DI成形は、まずラミネート鋼板の両面に融点45℃のパラフィンワックスを50mg/m塗布した後に、123mmφのブランクを打ち抜き、そのブランクを市販のカッピングプレスで、内径71mmφ、高さ36mmのカップに絞り成形した。次いでこのカップを市販のDIプレス装置に装入して、ポンチスピード200mm/s、ストローク560mmで、再絞り加工及び3段階のアイアニング加工(それぞれのリダクション20%、19%、23%)を行い、最終的に缶内径52mm、缶高さ90mmの缶を成形した。なお、DI成形中には、表1に示す組成のクーラントを50℃の温度で循環させた。また、表1に記載のクーラントは基本組成を水(水道水)とし、例えば表1のC1において、その他での組成および防錆剤の組成が「無し」とは、水であることを示す。
(1)ストリッピング性
DI成形時に、成形された缶体からポンチが引抜かれる際に、缶体の開口端がストリッパーにひっかかり缶の開口部端が歪む現象を、下記のように評価した。
(評価)
開口端に発生した歪みがトリミング部にまで達する:×
開口端に歪みが発生するが、その歪みがトリミング部にまで達しない:△
開口端に歪みが発生するが、その歪みが開口端の耳の部分に留まる:○
開口端に歪み無し:◎
(2)DI成形性(成形後の缶外面フィルム健全性)
成形後の缶外面フィルムの健全性(フィルム欠陥の少ないものが良好)により評価を行った。洗浄、乾燥後のDI缶について、DI缶の鋼板に通電できるように缶口にやすりで傷をつけた後に、電解液(NaCl1%溶液、温度25℃)を入れた容器(DI缶よりやや大きい)にDI缶を、底を下にして入れて缶の外面だけが電解液に接するようにした。その後缶体と電解液間に6.2Vの電圧を付与した時に測定される電流値に応じて下記のように評価した。
(評価)
5mA超:×
0.5mA超、5mA以下:△
0.05mA超、0.5mA以下:○
0.05mA以下:◎
(3)耐食性(缶内面の健全性)
缶内面フィルムの健全性(フィルム欠陥の少ないものが良好)については、洗浄、乾燥後のDI缶について、DI缶の鋼板に通電できるように、やすりで缶口に傷をつけた後に、缶内に電解液(NaCl1%溶液、温度25℃)を注ぎ缶口まで満たし、その後缶体と電解液間に6.2Vの電圧を付与した。この時測定される電流値に応じて下記のように評価した。
(評価)
1mA超:×
0.1mA超、1mA以下:△
0.01mA超、0.1mA以下:○
0.01mA以下:◎
Figure 2009046537
表1より、本発明例であるクーラントC1〜C14を用いた場合は、ストリッピング性、DI成形性、耐食性のいずれも良好であった。一方、比較例であるクーラントC15〜C19を用いた場合は、ストリッピング性、DI成形性、耐食性のいずれか1つ以上が劣っていた。

Claims (4)

  1. 50℃におけるpHが6〜8であり、50℃における粘度が0.3〜1mPa・sであるラミネート金属板DI成形用水性クーラント。
  2. カルボン酸、カルボン酸エステルおよびカルボン酸の金属塩の中から選ばれる1種以上を0.03〜1質量%含むことを特徴とする請求項1に記載のラミネート金属板DI成形用水性クーラント。
  3. スルホン酸、スルホン酸エステルおよびスルホン酸の金属塩の中から選ばれる1種以上を0.03〜1質量%含むことを特徴とする請求項1または2に記載のラミネート金属板DI成形用水性クーラント。
  4. 下記の中から選ばれる1種以上を0.03〜1質量%含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のラミネート金属板DI成形用水性クーラント。
    ホウ酸、ケイ酸、リン酸、ホウ酸エステル、ケイ酸エステル、リン酸エステル、ホウ酸の金属塩、ケイ酸の金属塩、リン酸の金属塩
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