JP2009045793A - コントロールチューブ - Google Patents

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Abstract

【課題】ノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物を用いたコントロールチューブにおいて、難燃性能を維持しつつ、耐屈曲疲労性及び耐磨耗性を改善する。
【解決手段】内芯チューブ及び被覆保護カバーからなるコントロールチューブにおいて、内芯チューブが、少なくとも、主に軟質ポリウレタン及び/又は軟質ナイロンからなる層を含み、被覆保護カバーが水酸化マグネシウム、シリコーン系難燃剤、及び炭化水素から構成される熱可塑性エラストマーを含有するノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物からなることを特徴とするコントロールチューブ。
【選択図】図1

Description

本発明は、コントロールチューブに関する。
コントロールチューブは耐スパッターチューブ、スパッター用チューブ、カバーホース等の名称でも呼ばれている製品であり、内芯チューブと被覆保護カバー(被覆外層)の2層構造で構成されている。実際に空気や水等の流体を流す内芯チューブ自体が、外部からの紫外線や火気、熱源(溶接スパッター等)、衝撃及び擦過等からの影響を受けないように保護する目的で被覆保護カバーはカバー掛けされている。また、実際の配管にあたっては、継手と本2層構造チューブの接続時は、継手に挿入されるのは内芯チューブのみであるため、継手挿入部の被覆保護カバーは、カッター等で容易に切り裂くことができ、手で簡単に剥離できなければならない。
従って、実際のチューブとしてのパフォーマンスが必要なのは、内芯チューブであり、被覆保護カバーはあくまで内芯チューブの保護材として供され、不要な部分は簡単に剥がせることが必要なため、内芯チューブと被覆保護カバーは異種材質原料(異なった樹脂原料)が用いられる。以下に、実際に製作されている製品について紹介する。
内芯のチューブ材料は機械特性や柔軟性等の性能が重視されるため、主にナイロン(ナイロン11或いは12)チューブやポリウレタンチューブが用いられ、被覆保護カバーには、ポリ塩化ビニル樹脂やクロロプレンゴム及び塩素化ポリオレフィン樹脂が使用されている。前記被覆保護カバーに使用されている材料は、黒色配合することにより飛躍的に耐紫外線性が向上するため、特に屋外配管用のチューブとして有効となる。また、前記被覆原料には全て塩素分が含まれているハロゲン系化合物が使用されているが、保護材として用いられる理由は、溶接スパッター等が飛散、付着しても燃えにくい難燃性が必要であるからである。更に、その難燃性の向上を目的として、臭素系難燃剤等のハロゲン系物質や、アンチモン系物質等の環境負荷物質が加えられることも実例として多々ある。また、前記保護材には、内芯チューブの柔軟性を阻害しないような硬度の低い柔軟なものが求められるため、所謂可塑剤が配合されており、その可塑剤はフタル酸エステル系(フタル酸ジオクチル(DOP)等)のものが多用されている。DOPは近年所謂環境ホルモン(内分泌攪乱物質)の問題で、各種規制が行われている物質の代表的なものではある。DOP等の可塑剤を添加しなければいけない理由の一つとしては、柔軟性の他、前記の説明の如く、本製品の通常の使用に際しては、継手への配管時、被覆保護カバーの部分をカッター等で切り裂き、手で剥離し、内芯部分を露出させて継手に挿入する必要性があることからきている。
そのため、内芯チューブと被覆保護カバーは剥離し易くなければならず、内芯と被覆保護カバーは異材質で接着することがなく、被覆保護カバーは柔らかく切り裂き易いことが必要とされるため、可塑剤等が配合された前記材質の柔軟性があり、裂け易く、剥離し易いものが用いられてきた。
被覆保護カバーについては、前述したようにポリ塩化ビニル樹脂(PVC)等の塩素系化合物が使用されており、チューブ成形時には、溶融による塩素ガスが発生し、作業環境を悪化させるばかりでなく、製品使用時も外部の火気や熱を受けた場合には、同じく塩素ガスの発生による環境悪化を引き起こす。
前記従来のコントロールチューブの問題点を解決するものとして、本発明者は、先に、被覆保護カバー材料として被覆保護カバー水酸化マグネシウム及びシリコーン系難燃剤を含有するノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物を用いたコントロールチューブを特許文献1に開示している。
特許文献1に開示されているコントロールチューブは、優れた難燃性能を有するが、用途によっては、耐屈曲疲労性及び耐磨耗性が十分とはいえず、更なる改善が望まれる。
特開2006−315338号公報
本発明は、ノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物を用いたコントロールチューブにおいて、難燃性能を維持しつつ、耐屈曲疲労性及び耐磨耗性を改善することを目的とする。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)内芯チューブ及び被覆保護カバーからなるコントロールチューブにおいて、内芯チューブが、少なくとも、主に軟質ポリウレタン及び/又は軟質ナイロンからなる層を含み、被覆保護カバーが水酸化マグネシウム、シリコーン系難燃剤、及び炭化水素から構成される熱可塑性エラストマーを含有するノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物からなることを特徴とするコントロールチューブ。
(2)軟質ポリウレタンがエーテル系ポリウレタンである前記(1)に記載のコントロールチューブ。
(3)内芯チューブが、主にエーテル系ポリウレタンからなる層の内側に、主に可塑剤が配合されていないエーテルエラストマー系軟質ナイロンからなる層を有する前記(1)に記載のコントロールチューブ。
(4)被覆保護カバーに含まれる炭化水素から構成される熱可塑性エラストマーが水素添加スチレン系エラストマーを含む前記(1)〜(3)のいずれかに記載のコントロールチューブ。
(5)被覆保護カバーに含まれる炭化水素から構成される熱可塑性エラストマーがポリプロピレン及び水素添加スチレン系エラストマーを含む前記(4)に記載のコントロールチューブ。
(6)被覆保護カバーを構成するノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物のベース樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のコントロールチューブ。
(7)自動車の生産工程で使用される溶接装置関連の配管材料として用いられる前記(1)〜(6)のいずれかに記載のコントロールチューブ。
本発明によれば、ノンハロゲン・ノンリンの材料を用いて、難燃性、耐屈曲疲労性及び耐磨耗性を兼ね備えたコントロールチューブを提供することができる。
本発明のコントロールチューブは、内芯チューブと、該内芯チューブの外側を覆う被覆保護カバーから構成される。内芯チューブの本数は、特に制限はないが、通常1〜10本、好ましくは1〜7本である。本発明のコントロールチューブの外径は、内芯チューブの本数、外径等により異なるが、通常5〜22mmである。内芯チューブの外径及び内径は、通常3.5〜13mm×2〜9.5mmである。本発明のコントロールチューブの断面の形状は、内芯チューブの本数等により異なり、通常、内芯チューブ1本の場合は円形、内芯チューブ2本の場合はトラック形、内芯チューブ3本の場合は三角形、内芯チューブ7本の場合は六角形である。内芯チューブ1本で、内芯チューブが2層からなるコントロールチューブの断面図を図1に示す。
本発明においては、柔軟性を有し、かつチューブの細化・硬化のおそれがないことから、内芯チューブは、少なくとも、主に軟質ポリウレタン及び/又は軟質ナイロンからなる層を含む構造を有する。本明細書において、「主に軟質ポリウレタン及び/又は軟質ナイロンからなる層」とは、当該層を構成する成分中、「軟質ポリウレタン及び/又は軟質ナイロン」が最も多い層を意味し、当該層を構成する成分中、軟質ポリウレタン及び/又は軟質ナイロンが75重量%以上であることが好ましい。
特に、主にエーテル系ポリウレタンからなる層の内側に、主に可塑剤が配合されていないエーテルエラストマー系軟質ナイロンからなる層を有する内芯チューブは、加水分解のおそれがなく、かつ水等の流体への可塑剤の溶出がないためチューブ細化現象が発生しないことから、冷却水用配管として最適である。また、溶接装置配管の流体として、機器作動の潤滑性及び防錆のために給油エアーが用いられることがあり、流体の接する内層側に耐油性を有する軟質ナイロンが配されていることは、より安全性が向上することになる。
また、エーテル系ポリウレタンとエーテルエラストマー系軟質ナイロンの接着性能においては、両者のソフトセグメントがエーテル系であることにより、接着性樹脂等を用いる必要性がなく、強固な接着力が得られ、屈曲可動を行っても層どうしの剥離現象は発生しない。本性能については、JIS B8381(空気圧たわみ管の管継手)に準拠した、「屈曲耐久試験」を行い、規定の500万回経過後、層剥離等のトラブルは発生せず、試験前のチューブ性能が維持されていたことにより確認された。
本発明において、内芯チューブ材料として用いられる軟質ポリウレタンとは、熱可塑性
ポリウレタンであり、分子中にウレタン基(−NH−COO−)をもつ材料で、(i)ポリオール(長鎖ジオール)、(ii)ジイソシアネート、(iii)短鎖ジオールの3成分の分子間反応によって生成される。ポリオールと短鎖ジオールは、ジイソシアネートと付加反応して線上ポリウレタンを生成する。この中でポリオールはエラストマーの柔軟な部分(ソフトセグメント)になり、ジイソシアネートと短鎖ジオールは硬い部分(ハードセグメント)になる。
熱可塑性ポリウレタンの性質は、原料の性状、重合条件、配合比によって左右され、この中でポリオールのタイプ(型)がポリウレタンの性質に大きく影響を与え、基本的特性の多くは、このポリオールの種類で決定されるが、硬さはハードセグメントの割合で調整される。
前記ポリオールの種類としては、(i)カプロラクトン型(カプロラクトンを開環して得られるポリラクトンエステルポリオール)、(ii)アジペート型(アジピン酸とグリコールとのアジピン酸エステルポリオール)、(iii)エーテル型=PTMG(ポリテトラメチレングリコール)型(テトラヒドロフランの開環重合で得られたポリテトラメチレングリコール)等があり、種々の特性を有しているが、本発明に最適なポリオールのタイプは、耐加水分解性、及び低温柔軟性に優れた、エーテル型であるため、エーテル系熱可塑性ポリウレタンを採用することが好ましい。
内芯チューブ材料として用いられる軟質ポリウレタンの硬度は、通常ショアA硬度(JIS K 6253;以下同様)80〜98(ショアD硬度(JIS K 6253;以下同様)30〜52)、好ましくはショアA硬度(JIS K 6253;以下同様)85〜95(ショアD硬度(JIS K 6253;以下同様)35〜48)である。
本発明において、内芯チューブ材料として用いられる軟質ナイロンとは、主鎖に酸アミド結合(−CO−NH−)を持つポリアミド樹脂(PA)を意味する。本発明に用いられる軟質ナイロンとしては、環状ラクタムやω−アミノ酸の自己縮合によって得られるポリアミド又は二塩基酸とジアミンの重縮合によって得られるポリアミド、あるいはこれらの共重合ポリアミドなど、より具体的にはナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6Tなどが挙げられる。これらの中では特にナイロン11(ポリアミド11)やナイロン12(ポリアミド12)が好ましい。
内芯チューブ材料として用いられる軟質ナイロンの硬度は、通常ショアA硬度(JIS K 6253;以下同様)88〜100(ショアD硬度(JIS K 6253;以下同様)37〜65)、好ましくはショアA硬度(JIS K 6253;以下同様)92〜99(ショアD硬度(JIS K 6253;以下同様)40〜60)である。
内芯チューブの材料には、必要に応じて、前記の成分以外に、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤や、耐候性を向上させるための紫外線吸収剤、光安定剤等を配合することができる。前記可塑剤としては、例えばN−n−ブチルベンゼンスルフォンアミド、パラヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシルエステルが挙げられる。前記光安定剤としては、内芯チューブのベース樹脂との相溶性がよく、耐紫外線が効果的で、ベース樹脂の特性も低下させない点で、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えばジブチルアミン−1,3,5−トリアジン−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられる。これらの各種ヒンダードアミン系光安定剤は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上のものが併用されてもよい。ヒンダードアミン系光安定剤を配合する場合の配合割合は、ベース樹脂100重量部に対して、通常0.3〜1重量部であり、耐紫外線効果が優れ、ベース樹脂特性及び成形バランスに影響を及ぼさない点から、0.5〜0.8重量部が好ましい。内芯チューブの材料に光安定剤、好ましくはヒンダードアミン系光安定剤を配合することにより、継手挿入用に被覆保護カバーが剥離された内心チューブ部分の紫外線劣化を防止することができる。
前記被覆保護カバーは水酸化マグネシウム、シリコーン系難燃剤、及び炭化水素から構成される熱可塑性エラストマーを含有するノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物からなる。
前記ノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物のベース樹脂(前記炭化水素から構成される熱可塑性エラストマーは含まない)としては、ノンハロゲン樹脂であれば特に制限はないが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等のノンハロゲンビニル樹脂;ノンハロゲンオレフィン系樹脂が挙げられ、可塑剤を使用せずに柔軟性が得られる点で、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体が好ましく、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とするものが更に好ましい。本明細書において、「エチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とする」とは、当該ベース樹脂を構成する成分中、エチレン−酢酸ビニル共重合体が最も多いことを意味し、当該ベース樹脂を構成する成分中、エチレン−酢酸ビニル共重合体が80重量%以上であることが好ましい。また、耐磨耗性改善の点で、ベース樹脂の5〜20重量%が接着性ポリエチレンであることが好ましい。前記ノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物におけるベース樹脂の配合割合は、通常20〜50重量%、好ましくは25〜45重量%である。
本発明においては、ハロゲン系化合物等の環境負荷物質を使用せずに、難燃性とするために、被覆保護カバー材料であるノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物中に水酸化マグネシウムを配合させる。水酸化マグネシウムは、難燃性が良好であり、ベース樹脂であるノンハロゲン樹脂との相溶性及び分散性に優れ機械特性を低下させない。水酸化マグネシウムの配合割合は、ノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物中、通常35〜60重量%、好ましくは40〜53重量%であり、ベース樹脂100重量部に対して、通常100〜160重量部、好ましくは110〜150重量部である。
また、本発明においては、被覆保護カバーの引き裂き易さ及び剥離性の点で、被覆保護カバー材料であるノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物中に、シリコーン系難燃剤を配合することが必要であり、更に無機充填剤を配合することが好ましい。
前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限はなく、例えばシリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂が挙げられる。前記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイルが挙げられる。前記シリコーンゴムとしては、例えばメチルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴムが挙げられる。前記シリコーン樹脂としては、例えばメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、フェニルシリコーンが挙げられる。また前記ケイ素原子を含有する有機化合物は、−OH、−NH、−NCO、−COOH、−CHO、−SH、メチロール基、アクリレート基、メタクリレート基、シリル基、グリシジル基又はエポキシ基等の官能基を有していてもよい。
前記シリコーン系難燃剤の配合割合は、ノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物中、通常1.0〜2.0重量%、好ましくは1.2〜1.3重量%であり、ベース樹脂100重量部に対して、通常2.3〜4.7重量部、好ましくは2.8〜3.0重量部である。
前記無機充填剤としては、難燃性樹脂組成物に配合することができる、水酸化マグネシウム以外の無機充填剤であれば特に制限はなく、例えばスズ酸亜鉛に代表される無機酸化物類、ケイ酸塩類、炭酸塩類、モリブデン類等が挙げられ、好ましくはスズ酸亜鉛、炭酸マグネシウム等の剥離性改善効果等の改質効果を有する無機充填剤が挙げられる。
前記無機充填剤の配合割合は、ノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物中、通常2.0〜10.0重量%、好ましくは3.0〜5.0重量%であり、ベース樹脂100重量部に対して、通常4.6〜23.2重量部、好ましくは7.1〜11.6重量部である。
前記ノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物には、耐屈曲疲労性及び耐磨耗性を改善するため、炭化水素から構成される熱可塑性エラストマーを配合することが必要である。
前記炭化水素から構成される熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。熱可塑性エラストマーの分子構造は、特に制限されず、トリブロック共重合体、星型ブロック共重合体、マルチブロック共重合体、グラフト共重合体、イオン架橋重合体等であってもよい。
スチレン系エラストマーとしては、軟質相が共役ジエン単位で構成され、かつ硬質相が芳香族ビニル単位で構成されていれば、特に限定されないが、なかでも、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのブロック共重合体、又はその水添物(水素添加物)が好適に使用される。このブロック共重合体は、具体的には、分子中にビニル芳香族化合物から得られた重合体ブロックAを2個以上有し、かつ共役ジエン化合物から得られた重合体ブロックBを1個以上有するブロック共重合体であり、ブロック構造は、例えば、以下の式(1)〜(3)で表される構造を有している。
(A−B)m (1)
[式中、mは1〜10の整数を表す]
(A−B)n−A (2)
[式中、nは1〜10の整数を表す]
[(A−B)m]p−X (3)
[式中、Xはカップリング剤残基を表し、mは1〜10の整数を表し、pは2〜4の整数を表す]
式(1)及び(2)で表される構造は、通常、リニア(直鎖状)型構造であり、式(3)で表される構造は、2〜4価のXから、2〜4個の(A−B)mブロック重合体が分岐して派生した星型(ラジアルテレブロック型など)構造である。なお、重合体ブロックAと重合体ブロックBの結合様式はこれらの形式に限定されず、線状と分岐状とを任意に組み合わせた構造であってもよい。
式(1)において、ブロックA及びブロックBの繰り返し数mは1〜10であるが、好ましくは1〜5、更に好ましくは2〜4程度である。
式(2)において、ブロックA及びBの繰り返し数nは1〜10であり、好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜3程度である。
式(3)において、ブロックA及びブロックBの繰り返し数mは1〜10であるが、好ましくは1〜5、更に好ましくは2〜4程度である。カップリング剤残基を構成するカップリング剤としては、ジカルボン酸アルキルエステル(例えば、アジピン酸ジエチル、安息香酸ジエチルなど)、ビニル基を有する炭化水素類(例えば、ジビニルベンゼンなど)、ハロゲン化無機化合物(例えば、四塩化ケイ素、四塩化スズ、ジメチルジクロロケイ素など)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、1,2−ジブロモエタン、4−クロロ−1−メチルベンゼンなど)などが挙げられる。
このようなブロック共重合体において、芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、アルキル置換スチレン[例えば、ビニルトルエン(o−,m−又はp−メチルスチレン)、ビニルキシレン、p−エチルスチレン、p−イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなど]、α位にアルキル基が置換したα−アルキル置換スチレン(例えば、α−メチルスチレンなど)、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどが挙げられる。これらの芳香族ビニル化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの芳香族ビニル化合物のうち、スチレン及び/又はα−メチルスチレンが好ましい。
共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−又は1,4−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらの共役ジエン化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの共役ジエン化合物のうち、1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンが好ましい。
共役ジエン化合物で構成された重合体ブロックBのミクロ構造(付加形式)は、特に限定されないが、重合体ブロックBがポリブタジエンで構成されたブロックである場合には、1,4結合量(シス−及びトランス−1,4付加)と、1,2結合量(1,2付加)との割合(重量比)が、例えば、1,4結合量/1,2結合量=95/5〜20/80、好ましくは90/10〜30/70、更に好ましくは80/20〜40/60程度である。
また、重合体ブロックBがポリイソプレンで構成されている場合には、実質的に1,4−結合のみから構成されている場合であってもよく、また、3,4−結合が主体となり、1,4−結合が含まれている場合であってもよい。1,4結合量と、3,4結合量との割合(重量比)は、例えば、1,4結合量/3,4結合量=100/0〜20/80、好ましくは99/1〜25/75、更に好ましくは97/3〜30/70程度である。更に、3,4−結合以外に、1,2−結合が含まれていてもよい。1,2結合量の割合は、結合量の全体に対して、80重量%以下(例えば、1〜70重量%)、好ましくは5〜50重量%程度である。
芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との割合(重量比)は、例えば、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物=1/99〜89/20、好ましくは5/95〜75/25、更に好ましくは10/90〜65/35(特に15/85〜50/50)程度である。
本発明では、これらのスチレン系エラストマーのなかでも、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのブロック共重合体の水添物(水添ジエン系ブロック共重合体)が特に好ましい。
水添ジエン系ブロック共重合体の製造においては、耐熱性、耐候性の観点から、水素添加前のブロック共重合体における共役ジエン化合物に由来する不飽和二重結合の70%以上(好ましくは75〜99.9%、更に好ましくは80〜99%程度)を水素添加することが好ましい。水添ブロック共重合体における重合体ブロックB中の不飽和二重結合量は、ヨウ素化測定、赤外分光光度計、核磁気共鳴装置などにより求めることができる。
更に、水添ジエン系ブロック共重合体には、本発明の効果を損なわない限り、分子鎖中又は分子末端に、カルボキシル基、水酸基、酸無水物基、アミノ基、エポキシ基などの官能基を導入してもよい。
水添ジエン系ブロック共重合体は、例えば、次のような慣用のアニオン重合法によって製造できる。すなわち、開始剤(アルキルリチウム化合物など)を用いて、不活性有機溶媒(例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類など)中で、芳香族ビニル化合物、共役ジエン化合物を逐次重合する方法や、更に、前述の多官能性カップリング剤を用いてラジアル型ブロック共重合体を形成する方法などにより、ジエン系ブロック共重合体が得られる。更に、得られたジエン系ブロック共重合体を、慣用の方法に従って不活性有機溶媒(炭化水素類など)中で、水素添加触媒(オクテン酸ニッケル−トリエチルアルミニウムなど)の存在下で、水素添加することにより、水素添加ブロック共重合体を製造することができる。
このようにして得られた水添ジエン系ブロック共重合体は、硬度調整などの点から、オレフィン系樹脂、非芳香族系ゴム用軟化剤などを含んでいてもよい。オレフィン系樹脂としては、例えば、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂などが挙げられる。これらのオレフィン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。非芳香族系ゴム用軟化剤としては、慣用の非芳香族系のゴム用軟化剤のいずれもが使用でき、なかでも、鉱物油、又は液状もしくは低分子量の合成軟化剤が好適に使用できる。市販品には、通常、このようなオレフィン系樹脂や軟化剤が含まれており、本発明では、このようなオレフィン系樹脂やゴム用軟化剤を含む水添ジエン系ブロック共重合体組成物も、水添ジエン系ブロック共重合体の概念に含める。
このような水添ジエン系ブロック共重合体の市販品としては、例えば、(株)クラレ製「セプトン」、「ハイブラー」などが挙げられ、このような水添ジエン系ブロック共重合体にポリオレフィン樹脂を配合した樹脂組成物として、クラレプラスチックス(株)製「セプトンコンパウンド」、リケンテクノス社製「レオストマー」、「アクティマー」、三菱化学(株)製「ラバロン」、住友化学社製「エスポレックスSBシリーズ(旧:住友TPE−SB)」、アロン化成社製「エラストマーAR」、旭化成社製「タフテック」、クレイトンポリマージャパン社製「クレイトンG」、JSR社製「ダイナロンSEBC」(いずれも商品名)などが挙げられる。
オレフィン系エラストマーとしては、ソフトセグメントであるゴム成分と、ハードセグメントであるオレフィン系樹脂(エチレン系樹脂やプロピレン系樹脂など)とを主成分として有するエラストマーであれば特に限定されないが、本発明では、特に、オレフィン系ゴムとプロピレン系重合体とを主成分として有する組成物が好適である。
オレフィン系ゴムとしては、エチレン−プロピレン系共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)、エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体ゴム、プロピレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体ゴムなどのオレフィンを主成分とする弾性共重合体が挙げられる。
これらのオレフィン系ゴムを構成する非共役ジエンとしては、例えば、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネンなどが挙げられる。これらの非共役ジエンのうち、エチリデンノルボルネンが好ましい。
これらのオレフィン系ゴムは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのオレフィン系ゴムのうち、エチレン−プロピレン系共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムが好ましい。オレフィン系ゴムのより好ましい具体例としては、エチレン含量が55〜75重量%、非共役ジエン含有量が1〜10重量%のEPDMである。エチレン含量がこの範囲にあるEPDMは、押出成形性と柔軟性とのバランスに優れている。
プロピレン系重合体としては、プロピレンを主成分とする重合体であれば特に限定されないが、なかでも、ポリプロピレン、プロピレンと炭素数が2以上のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。炭素数が2以上のα−オレフィンの具体例としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどが挙げられる。これらのα−オレフィンは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
オレフィン系エラストマーにおいて、オレフィン系ゴムとプロピレン系重合体との割合(重量比)は、例えば、オレフィン系ゴム/プロピレン系重合体=20/80〜80/20、好ましくは30/70〜70/30程度である。
オレフィン系エラストマーは、硬度調整などの点から、可塑剤として、非芳香族系の鉱物油又は低分子量の合成軟化剤などを含んでいてもよい。市販品には、通常、このような可塑剤が含まれており、本発明では、このような可塑剤を含むオレフィン系エラストマー組成物も、オレフィン系エラストマーの概念に含める。
オレフィン系エラストマーのメルトフローレート値(230℃、10kg荷重(98N))は、例えば、1〜50g/10分、好ましくは3〜40g/10分、更に好ましくは5〜30g/10分程度である。
このようなオレフィン系エラストマーの市販品としては、例えば、三菱化学(株)製「サーモラン」(商品名)、三井化学(株)製「ミラストマー」(商品名)、住友化学(株)製「住友TPE」、AESジャパン社製「サントプレーン」(商品名)、サンアロマ一(株)製「Adflex(キャタロイ)」(商品名)などが挙げられる。
前記熱可塑性エラストマーは、経済性、ゴム弾性特性などの点から、水添ジエン系ブロック共重合体を含むのが好ましい。特に、流動性及び成形性の点から、水添ジエン系ブロック共重合体とオレフィン系重合体(特に、前記プロピレン系重合体など)との組み合わせを好ましく使用でき、両者の割合(重量比)は、例えば、水添ジエン系ブロック共重合体/オレフィン系重合体=100/0〜10/90、好ましくは90/10〜20/80、更に好ましくは80/20〜30/70程度である。
前記ノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物には、必要に応じて、前記の成分以外に、加工性改良剤、酸化防止剤、改質剤、架橋剤、顔料、紫外線吸収剤、熱安定剤等を配合することができる。
本発明のコントロールチューブは、例えば、次のようにして製造することができる。
先ず、内芯チューブ用の軟質ポリウレタン又は軟質ナイロン等からなるチューブを、予め、押出成形機を用いて生産する。内芯チューブが軟質ポリウレタン層(外層)と軟質ナイロン層(内層)の2層からなる場合は、両層を複層押出成形(共押出成形)することにより内芯チューブを生産する。
次いで、大気中で十分に冷却安定するまで保管された、前記内芯チューブをクロスヘッド型押出成形機出口の金型内に導き入れ、クロスヘッド型押出機により、ノンハロゲン・ノンリン難燃樹脂組成物からなる樹脂原料を用いて被覆保護カバー掛け成形を行う。本2段階の生産方式によらずに、例えば、2層同時押出成形方式を用いると、内芯チューブ用樹脂と、被覆保護カバー樹脂が、互いに溶融し合い、被覆保護カバーの剥離自体が不可能となる。
本発明のコントロールチューブは、例えば、自動車のボディ等の生産工程で使用されている溶接装置関連の配管材料(流体:無給油エアー、給油エアー、冷却水)として用いられる。
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。実施例で得られたチューブの性能評価の測定方法を以下に示す。
[最高使用圧力]
破壊耐圧×30%(安全率)として、最高使用圧力を設定した。
[最小曲げ半径]
JIS B8381に準拠して作製したチューブの最小曲げ半径を測定した。
(実施例1〜16及び比較例1〜2)コントロールチューブの製造
1.内芯チューブの製造
(1)2層内芯チューブの製造
内芯チューブ外層の材料として、ダウ・ケミカル社製のエーテル系熱可塑性ポリウレタン(商品名:ペレセンAE2103−90AE、ショアA硬度90)、内芯チューブ内層の材料として、可塑剤が配合されていないエーテルエラストマー系軟質ナイロンであるダイセル・デグサ社製のエーテル系軟質ナイロンエラストマー(ナイロン12系 商品名:ダイアミドZE0001、ショアD硬度47)を用いて、複層型押出成形機(共押出成形機)により、2層構成の内芯チューブを製造した。通常内芯チューブは、カバー剥離部分の耐紫外線及びリサイクルの容易性(黒色であれば、製品不良の際、粉砕及びリペレットにして再生産可能)の理由から、チューブ色は黒色が用いられるが、内芯が2層構成であることにより、肉厚等の管理上、内層ナイロンは着色しないナチュラル色(透明)のままとし、外層ポリウレタンのみに黒色マスターバッチを用いて黒色とした。(表1参照)。
(2)水用軟質ナイロン製単層内芯チューブの製造
内芯チューブの材料として、ダイセル・デグサ社製のナイロン12(ポリアミド12)系軟質ナイロン(商品名:ダイアミドZL4100、ショアD硬度57)に黒色マスターバッチを配合し、単層押出機により寸法の異なる4種類の単層内芯チューブを製造した(表2参照)。
(3)軟質ナイロン(ナイロン11)製単層内芯チューブの製造
内芯チューブの材料として、フランス、アルケマ社製のナイロン11(ポリアミド11)系軟質ナイロン(商品名:BESN F15 TL、ショアD硬度52、可塑剤:N−n−ブチルベンゼンスルフォンアミド、パラヒドロキシ安息香酸2−エチルヘキシルエステルを配合)に黒色マスターバッチを配合し、単層押出機により寸法の異なる4種類の単層内芯チューブを製造した(表3参照)。
(4)軟質ポリウレタン製単層内芯チューブの製造
内芯チューブの材料として、大日精化製のエーテル系熱可塑性ポリウレタン(商品名:レザミンP−2494、ショアA硬度92)に黒色マスターバッチを配合し、単層押出機により寸法の異なる4種類の単層内芯チューブを製造した(表4参照)。
2.被覆保護カバー掛け成形
前記の内芯チューブが十分に冷却し、内部物性的に十分に安定してから、クロスヘッド型押出成形機の出口側金型に、チューブを導き入れ、表5に示す組成のノンハロゲン・ノンリン難燃樹脂組成物からなるカバー用原料で被覆保護カバー掛け成形することにより白色の被覆保護カバーを形成し、コントロールチューブを製造した。
また、実施例3と同様の内芯チューブを用いて、表5に示す比較例1及び2の組成のノンハロゲン・ノンリン難燃樹脂組成物からなるカバー用原料で被覆保護カバー掛け成形することにより白色の被覆保護カバーを形成し、コントロールチューブを製造した。
Figure 2009045793
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Figure 2009045793
Figure 2009045793
*1:エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンケミカル社製、商品名:エバフレックスEV40LX、ショアA硬度50)
*2:エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井・デュポンケミカル社製、商品名:エバフレックスEV460、ショアA硬度90)
*3:接着性ポリエチレン(日本ユニカー社製、商品名:ナックエースGA−004、ショアD硬度51)
*4:シリコーン系難燃剤(ダウ・コーニング社製、4−7105)
*5:その他
酸化防止剤:2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト
酸化防止剤:テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
酸化防止剤:テトラキス[メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート]メタン
加工性改良剤:メタクリル酸メチル・アクリル酸アルキル・ジメチルシロキサン・コポリマー
架橋剤:1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン
*6:水添ブロック共重合体((株)クラレ製、商品名「ハイブラー7125」、スチレン−水添ビニルイソプレン−スチレンブロック共重合体、3,4−結合:約60%、1,4−結合:約40%、スチレン含有量20%)60重量%とポリプロピレン(三井化学(株)製、商品名「三井ポリプロピレンF327」、エチレンランダム共重合体、MFR:6g/10分(230℃、2.16kg荷重(約21.2N)))40重量%との配合物
(実施例17)屈曲耐久試験
実施例3並びに比較例1及び2で製造したチューブについて、JIS B8381(空気圧用たわみ管の管継手)に準拠した「屈曲耐久試験」を実施した。
(1)試験方法
図2に示すように、JIS耐久性試験機に供試チューブを設置し、0.8MPaの空気圧を0.5秒加圧、0.5秒排気のサイクルで与え、同時にプラグ側をストロークによる全振幅Dmmを毎秒1往復与え、何回で被覆保護カバーに亀裂等が発生するか調査した。
また、供試チューブには図2に示すように、インシュロックを5箇所に取り付け、曲げた時に、負荷が掛かるようにした。インシュロックは、手締めで止まるまで締めた。
・比較例1及び2:n=3組
・実施例3:n=5組
・供試継手:株式会社アオイ製ワンタッチ継手ZH−103
(2)試験結果
比較例1のチューブは20万回〜38万回にて亀裂が発生した(n=3、20万回にて1本、32万回にて1本、38万回にて1本)。比較例2のチューブは全て10万回程度で亀裂が発生した。
実施例3のチューブは150万回経過後も、サンプル(n=5)全てにおいて亀裂発生なく、現在も試験継続中である。
(実施例18)磨耗試験
1.テーバー磨耗輪使用磨耗試験
比較例1及び2で製造したチューブのカバー材料を剥離した後、プレスシートを作成し、JIS K7204に準拠した「テーバー磨耗輪使用磨耗試験」を実施したところ、比較例2のチューブは比較例1のチューブよりも磨耗量が30%減少した。
2.滑り磨耗試験
実施例3及び比較例1で製造したチューブのカバー材料を剥離した後、プレスシートを作成し、JIS K7218に準拠した「滑り磨耗試験」を実施したところ、実施例3のチューブは比較例1のチューブよりも磨耗量が60%減少した。
3.磨耗耐久試験
(1)試験方法
図3に示すように、供試チューブ(実施例3並びに比較例1及び2で製造したチューブ)をJIS耐久性試験機に設置し、チューブの接触部をインシュロックにて軽く束ねた。
ストレートで設置した供試チューブは、JIS耐久性試験機に設置した供試チューブに常に接触し、軽く押すように設置して固定した。
また、JIS耐久性試験機に設置した供試チューブには、0.8MPaの空気圧を0.5秒加圧0.5秒排気のサイクルで与え、同時にプラグ側をストロークによる全振幅70mmを毎秒1往復のサイクルで作動させ、2本の供試チューブ(外皮)を擦り合わせ、外皮に穴が発生した時の回数を確認した。
※インシュロックにて、2本のチューブを束ねないとどちらか一方のチューブが逃げてしまい、うまく擦れないため、チューブが動く程度に束ねた。
n=1組
供試継手:株式会社アオイ製ワンタッチ継手ZH−103
(2)試験結果
比較例1のチューブは1万回にて内芯チューブが露出し、比較例2のチューブは3万回にて内芯チューブが露出し、実施例3のチューブは20.5万回にて内芯チューブが露出した。
4.本発明品(実施例3)と他社製品との磨耗試験比較
本発明品(実施例3)及び他社製品(ポリ塩化ビニル等のハロゲン系カバー材料を使用)のカバー材料を剥離した後、プレスシートを作成し、JIS K7218A法に準拠した「滑り磨耗試験」を実施した。
(1)測定方法及び条件
相手材料:S45Cリング(#240研磨、接触面積:2cm)、荷重:20N
摺動速度:0.5m/s、規定摺動距離:3km、規定摺動時間:100分
試験片寸法:30mm×30mm×t3mm、試験雰囲気:室温、大気中
試験装置:回転動型摩擦磨耗試験機IIIt−2000−5000n(高千穂精機製)
(2)磨耗試験供試サンプル
(a)本発明品
実施例3(2層内芯チューブタイプのカバー材料)
(b)内芯ナイロンチューブタイプカバー材料
A社製TRBカバー材料
B社製FWカバー材料
C社製SP4カバー材料
(c)内芯ウレタンチューブタイプカバー材料
A社製TRBUカバー材料
B社製FWUカバー材料
D社製LEカバー材料
(3)結果
結果を表6に示す。
Figure 2009045793
※1)平均値
※2)摩擦係数の変化が少なく比較的安定
※3)摩擦係数の数値の変化が大きく安定しない
※4)規定の摺動距離3km(100分)に達し試験が完了したもの
※5)規定の摺動距離3km(100分)に達する前に磨耗量上限となり試験停止
表6から明らかなように、本発明品(実施例3)は、磨耗質量が最も少なく、かつ動摩擦係数も最も小さい値となり、目的の製品性能を示した。
(実施例19)難燃性試験
実施例において被覆保護カバー材料として用いたスチレン系エラストマーは難燃性能を有していないため、難燃性の尺度として酸素指数を用いて、難燃性能を確認した。実施例3のチューブの酸素指数44であり、難燃性能の点で問題はなかった。なお、UL94 V−0規格は全てクリアしており、耐スパッター性においても問題はなかった。
内芯チューブ1本で、内芯チューブが2層からなるコントロールチューブの断面図である。 屈曲耐久試験における供試チューブの設置状態を示す図である。 磨耗耐久試験における供試チューブの設置状態を示す図である。
符号の説明
1 被覆保護カバー
2 内芯チューブ外層
3 内芯チューブ内層

Claims (7)

  1. 内芯チューブ及び被覆保護カバーからなるコントロールチューブにおいて、内芯チューブが、少なくとも、主に軟質ポリウレタン及び/又は軟質ナイロンからなる層を含み、被覆保護カバーが水酸化マグネシウム、シリコーン系難燃剤、及び炭化水素から構成される熱可塑性エラストマーを含有するノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物からなることを特徴とするコントロールチューブ。
  2. 軟質ポリウレタンがエーテル系ポリウレタンである請求項1記載のコントロールチューブ。
  3. 内芯チューブが、主にエーテル系ポリウレタンからなる層の内側に、主に可塑剤が配合されていないエーテルエラストマー系軟質ナイロンからなる層を有する請求項1記載のコントロールチューブ。
  4. 被覆保護カバーに含まれる炭化水素から構成される熱可塑性エラストマーが水素添加スチレン系エラストマーを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のコントロールチューブ。
  5. 被覆保護カバーに含まれる炭化水素から構成される熱可塑性エラストマーがポリプロピレン及び水素添加スチレン系エラストマーを含む請求項4記載のコントロールチューブ。
  6. 被覆保護カバーを構成するノンハロゲン・ノンリン難燃性樹脂組成物のベース樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のコントロールチューブ。
  7. 自動車の生産工程で使用される溶接装置関連の配管材料として用いられる請求項1〜6のいずれか1項に記載のコントロールチューブ。
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