JP2009044035A - 電界効果半導体装置 - Google Patents

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Koji Yano
浩司 矢野
Takashi Matsumoto
俊 松本
Osamu Machida
修 町田
Ryohei Baba
良平 馬場
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Abstract

【課題】HEMTの漏れ電流を低減すること及び集積度を高めることが困難であった。
【解決手段】HEMT又はこれに類似の電界効果半導体装置は、第1の半導体層(3)と、第1の半導体層(3)に2次元電子ガス層を生じさせるために第1の半導体層(3)の一部上に配置された第2の半導体層(4)と、第1の半導体層(3)の主面(14)上に配置された第3の半導体層(5)と、第3の半導体層(5)の上に配置され且つ第3の半導体層(5)よりも低い抵抗率を有している第4の半導体層(6)と、第2の半導体層(4)の上に配置された第1の主電極(7)と、第4の半導体層(6)の上に配置された第2の主電極(8)と、第3の半導体層(5)の側面を被覆している絶縁膜(9)と、絶縁膜(9)を介して第3の半導体層(5)に対向配置されたゲート電極(10)とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、オン抵抗の低減又は漏れ電流の低減が可能な電界効果半導体装置に関する。
典型的な高電子移動度トランジスタ即ちHEMT( High Electron Mobility Transistor)は、例えばアンドープGaNから成る電子走行層と、AlGaNから成る電子供給層又はバリア層と、電子供給層の上に形成されたソース電極、ドレイン電極及びゲート電極とから成る。このHEMTにおいては、電子走行層と電子供給層とのヘテロ接合に基づいて電子走行層と電子供給層との界面に沿って周知の2次元電子ガス層即ち2DEG層が生じる。2DEG層は周知のようにドレイン電極とソース電極との間の電流通路(チャネル)として利用され、この電流通路を流れる電流はゲート電極に印加されるバイアス電圧で制御される。
ところで、典型的なHEMTは、ゲート電極に電圧を印加しない状態(ノーマリ状態)でソース電極とドレイン電極との間に電流が流れる特性即ちノーマリオン(normally−on)特性を有する。ノーマリオン特性のHEMTをオフ状態に保つためにはゲート電極を負電位にするための負電源が必要になり、電気回路が必然的に高価になる。従って、ノーマリオン特性を有するHEMTの使い勝手は良くない。
典型的なHEMTのショットキーゲート構造を絶縁ゲート構造(MISゲート構造)に変形した電界効果トランジスタがWO2003/071607公開公報(特許文献1)に開示されている。この特許文献1の電界効果トランジスタでは、ゲート電極の下の電子供給層又はバリア層が除去され、ゲート電極は絶縁膜を介して電子走行層に対向している。従って、ゲート電極に電圧を印加しない状態、即ちゲート・ソース間電圧VGSがゼロの状態(ノーマリ状態)でソース電極とドレイン電極との間に電流が流れないノーマリオフ(normally−off)特性が得られる。
ところで、特許文献1の電界効果トランジスタは、ソース電極とドレイン電極とゲート電極とが同一平面上に配置されたプレーナ構造を有するので、電界効果トランジスタの集積度の向上が困難であるという第1の問題点、及びオフ時にソース電極とドレイン電極との間に電圧が印加されていると、電子走行層のゲート電極に基づく内蔵電界が及ばないゲート電極から離れた部分を通って漏れ電流が流れ、良好なノーマリオフ状態を得ることが困難であるという第2の問題点を有する。
この種の問題は、2DEG層の代わりに2次元ホールガス層を使用するHEMT及びHEMTに類似の電界効果半導体装置にもある。
WO2003/071607公開公報
本発明が解決しようとする課題は、上記第1の問題点と上記第2の問題点との一方又は両方の解決が要求されていることであり、本発明の目的は上記要求に応えることが可能な電界効果半導体装置を提供することである。
次に、上記課題を解決し、上記目的を達成するための本発明を、実施形態を示す符号を参照して説明する。なお、特許請求の範囲及び本発明の説明において参照する符号は、本発明の理解を助けるためのみのものであって本発明を限定するものではない。
本発明に係わる電界効果半導体装置は、
互いに対向する第1及び第2の主面(14,15)を有する第1の半導体層(3)と、
前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)の一部上に配置され且つ2次元キャリアガス層を前記第1の半導体層に生じさせる性質を有している材料で形成されている第2の半導体層(4)と、
前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)における前記第2の半導体層(4)が配置された位置(14a)から離間した位置(14c)上に配置され且つ頂面と側面とを有している第3の半導体層(5)と、
前記第3の半導体層(5)の前記頂面上に配置され且つ前記第3の半導体層(5)よりも低い抵抗率を有している第4の半導体層(6又は6´)と、
前記第1の半導体層(3)と前記第2の半導体層(4)との界面に沿って生じている2次元キャリアガス層に電気的に接続された第1の主電極(7)と、
前記第4の半導体層(6又は6´)の上に配置され且つ前記第4の半導体層(6又は6´)に電気的に接続された第2の主電極(8)と、
少なくとも前記第3の半導体層(5)の側面及び前記第2の半導体層(4)と前記第3の半導体層(5)との間における前記第1の半導体層(3)の露出面を被覆している絶縁膜(9)と、
前記絶縁膜(9)を介して少なくとも前記第3の半導体層(5)及び前記第1の半導体層(3)の露出面に対向配置されたゲート電極(10)と
を備えている。
なお、請求項2に示すように、前記第2の半導体層(4)は互いに離間している第1及び第2の部分(4a,4b)を有し、前記第3の半導体層(5)は、前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)における前記第2の半導体層(4)の前記第1及び第2の部分(4a,4b)が配置された位置(14a,14e)の間に配置され、前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)における、前記第2の半導体層(4)の前記第1及び第2の部分(4a,4b)と前記第3の半導体層(5)との間に露出している部分(14b、14d)は、前記絶縁膜(9)を介して前記ゲート電極(10)で覆われ、前記第1の主電極(7)は、前記第2の半導体層(4)の前記第1及び第2の部分(4a,4b)と前記第1の半導体層(3)との界面に沿って生じる2次元キャリアガス層に電気的に接続された第1及び第2の部分(7a,7b)を有していることが望ましい。
また、請求項3に示すように別の形態の電界効果半導体装置は、
互いに対向する第1及び第2の主面(14,15)を有する第1の半導体層(3)と、
前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)の一部上に配置され且つ2次元キャリアガス層を前記第1の半導体層に生じさせる性質を有している材料で形成されている第2の半導体層(4)と、
前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)の前記第2の半導体層(4)が配置された第1の部分(14a´)に隣接する第2の部分(14c´)上に配置され且つ前記第2の半導体層(4)に隣接する部分を有し且つ前記第2の半導体層(4)よりも厚く形成され且つ頂面と側面とを有している第3の半導体層(5a)と、
前記第3の半導体層(5a)の前記頂面上に配置され且つ前記第3の半導体層(5a)よりも低い抵抗率を有している第4の半導体層(6又は6´)と、
前記第1の半導体層(3)と前記第2の半導体層(4)との界面に沿って生じる2次元キャリアガス層に電気的に接続された第1の主電極(7)と、
前記第4の半導体層(6又は6´)の上に配置され且つ前記第4の半導体層(6又は6´)に電気的に接続された第2の主電極(8)と、
前記第3の半導体層(5)の側面を被覆している絶縁膜(9)と
前記絶縁膜(9)を介して前記第3の半導体層(5)に対向配置されたゲート電極(10)と、
を備えている。
また、請求項4に示すように、請求項3の電界効果半導体装置において、前記第2の半導体層(4)は、互いに離間している第1及び第2の部分(4a,4b)を有し、前記第3の半導体層(5a)は前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)における前記第2の半導体層(4)の前記第1の部分(4a)と前記第2の部分(4b)との間の部分(14c´)上に配置され、前記第1の主電極(7)は、前記第2の半導体層(4)の前記第1及び第2の部分(4a,4b)と前記第1の半導体層(3)との間の界面に沿って生じる2次元キャリアガス層に電気的に接続された第1及び第2の部分(7a,7b)を有していることが望ましい。
また、請求項5に示すように、請求項〜4の電界効果半導体装置において、前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)が延びる方向における前記第3の半導体層(5)の幅(W)及び前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)に対して垂直方向における前記第3の半導体層の高さ(H)は、ノーマリ状態において前記ゲート電極(10)と前記絶縁膜(9)と前記第3の半導体層(5)とからなる絶縁ゲート構造に起因して生じる空乏層によって電流通路がピンチオフ状態になるように設定されていることが望ましい。
また、請求項6に示すように、請求項3又は4の電界効果半導体装置において、前記第3の半導体層(5a)は、前記第1の半導体層(3)及び前記第2の半導体層(4)に隣接配置され且つ2次元キャリアガス層が生じる材料から成る第1の層(5a1)と、前記第1の層(5a1)の上に配置され且つ前記ゲート電極(10)に電圧が印加された時にチャネルが生じる材料から成る第2の層(5a2)とから成ることが望ましい。
また、請求項7に示すように別の形態の電界効果半導体装置は、
互いに対向する第1及び第2の主面(14,15)を有し且つ導電型決定不純物が添加されている第1の半導体層(3a)と、
前記第1の半導体層(3a)の前記第1の主面(14)の一部(14c´)上に配置され且つ頂面と側面とを有している第2の半導体層(5)と、
前記第2の半導体層(5)の前記頂面上に配置され且つ前記第2の半導体層(5)よりも低い抵抗率を有している第3の半導体層(6又は6´)と、
前記第1の半導体層(3a)の前記第1の主面(14)における前記第2の半導体層(5)から離間した部分(14a´)上に直接に又はオーミックコンタクト層(4a´)を介して配置され且つ前記第1の半導体層(3a)に電気的に接続されている第1の主電極(7)と、
前記第3の半導体層(6又は6´)の上に配置され且つ前記第3の半導体層(6又は6´)に電気的に接続されている第2の主電極(8)と、
前記第2の半導体層(5)の側面を被覆している絶縁膜(9)と、
前記絶縁膜(9)に隣接配置されたゲート電極(10)と
を備えている。
また、請求項8に示すように、請求項7の電界効果半導体装置において、前記第1の半導体層(3a)の前記第1の主面(14)は第1、第2、第3、第4及び第5の部分(14a´、14b´、14c´、14d´、14e´)を順次に有し、前記第2の半導体層(5)は前記第1の半導体層(3a)の前記第1の主面(14)の前記第3の部分(14c´)上に配置され、前記第1の主電極(7)は、前記第1の半導体層(3a)の前記第1の主面(14)の前記第1及び第5の部分(14a´、14e´)の上に直接に又はオーミックコンタクト層(4a´、4b´)を介して配置された第1及び第の部分(7a,7b)を有していることが望ましい。
また、請求項9に示すように、請求項7〜8の電界効果半導体装置において、前記第1の半導体層(3a又は3b)の前記第1の主面(14)が延びる方向における前記第2の半導体層(5)の幅(W)及び前記第1の半導体層(3a又は3b)の前記第1の主面(14)に対して垂直方向における前記第2の半導体層(5)の高さ(H)は、ノーマリ状態において前記ゲート電極(10)と前記絶縁膜(9)と前記第2の半導体層(5)とからなる絶縁ゲート構造に起因して生じる空乏層によって電流通路がピンチオフ状態になるように設定されていることが望ましい。
また、請求項10に示すように、請求項1〜9の電界効果半導体装置において、前記第2の主電極(8)の上に電気的分離用絶縁膜(9及び/又は31)が形成され、前記電気的分離用絶縁膜の上に前記ゲート電極(10)の相互接続導体(24)が配置されていることが望ましい。
また、請求項11に示すように、請求項1〜6の電界効果半導体装置において、前記第4の半導体層(6´)は前記第3の半導体層(5又は5´)の頂面の一部のみに配置され、前記頂面の残部に前記第4の半導体層(6´)と逆の導電型を有する第5の半導体層(53)が配置され、前記第5の半導体層(53)は前記第2の主電極(8)に接続されていることが望ましい。
また、請求項12に示すように、請求項6〜7の電界効果半導体装置において、前記第3の半導体層(6´)は前記第2の半導体層(5)の頂面の一部のみに配置され、前記頂面の残部に前記第3の半導体層(6´)と逆の導電型を有する第4の半導体層(53)が配置され、前記第4の半導体層(53)は前記第2の主電極(8)に接続されていることが望ましい。
また、請求項13に示すように、請求項1〜6の電界効果半導体装置において、前記第3の半導体層(5又は5´)は、p型又はn型又は真性の半導体から成ることが望ましい。
また、請求項14に示すように、請求項6〜7の電界効果半導体装置において、前記第2の半導体層(5)は、p型又はn型又は真性の半導体から成ることが望ましい。
また、請求項15に示すように、請求項1〜6の電界効果半導体装置において、前記第4の半導体層(6又は6´)は前記第3の半導体層(5又は5´)と反対の導電型を有する半導体から成ることが望ましい。
また、請求項16に示すように、請求項6〜7の電界効果半導体装置において、前記第3の半導体層(6又は6´)は前記第2の半導体層(5又は5´)と反対の導電型を有する半導体から成ることが望ましい。
また、請求項17に示すように、請求項1〜6の電界効果半導体装置において、前記第4の半導体層(6又は6´)を、前記第3の半導体層(5又は5´)と同一の導電型を有する半導体にすることができる。
また、請求項18に示すように、請求項6〜7の電界効果半導体装置において、前記第3の半導体層(6又は6´)を、前記第2の半導体層(5又は5´)と同一の導電型にすることができる。
各請求項の発明によれば、ゲート電極(10)が第3の半導体層(5)の側面に設けられているので、平面的に見たゲート電極(10)の面積が従来の特許文献1の構造に比べて小さくなり、電界効果半導体装置の小型化を図ることができる。また、電界効果半導体装置の平面的に見た面積を従来と同一にした場合には、集積度の向上を図ることができる。これにより、電流通路の幅を大きくすることが可能になり、オン抵抗の低減を図ることができる。
請求項5の発明によれば、ノーマリ状態において第3の半導体層(5)の対の側面(18a、18b)に沿って生じる空乏層によって第3の半導体層(5)をピンチオフ状態にすることができ、漏れ電流の低減を図ることができる。また、第3の半導体層(5)の幅Wを狭くして電界効果半導体装置の小型化を図ることができる。また、電界効果半導体装置の平面的に見た面積が従来と同一で良い場合には、集積度の向上を図ることができる。
請求項1〜6の発明によれば、絶縁ゲート構造と2次元キャリア層との組み合わせにより、高耐圧であってもオン抵抗が比較的小さい電界効果半導体装置を提供できる。
請求項9の発明によれば、ノーマリ状態において第2の半導体層(5)の対の側面(18a、18b)に沿って生じる空乏層によって第3の半導体層(5)をピンチオフ状態にすることができ、漏れ電流の低減を図ることができる。また、第3の半導体層(5)の幅Wを狭くして電界効果半導体装置の小型化を図ることができる。また、電界効果半導体装置の平面的に見た面積が従来と同一で良い場合には、集積度の向上を図ることができる。
請求項11,12の発明によれば、逆方向電圧が印加された時に導通するダイオードを内蔵した又ボデイーコンタクトを有する電界効果半導体装置を提供できる。
次に、本発明の実施形態を図1〜図13を参照して説明する。
層間絶縁膜等を省いて概略的に示す図1の実施例1に従うノーマリオフ型電界効果半導体装置は、複数の微小素子(単位素子)を並列接続したものから成る。図2には図1の1つの微小素子(単位素子)部分がA−A線断面によって示されている。図2に示す微小素子(単位素子)のみでもHEMT又はこれに類似の素子として動作可能であるので、図2に示すものも電界効果半導体装置と呼ぶことにする。
図2に示す実施例1に従う電界効果半導体装置は、絶縁ゲート構造即ちMISゲート構造を有するHEMTと呼ぶこともできるものであって、基板1と、バッファ層2と、第1の半導体層3と、第2の半導体層4と、第3の半導体層5と、第4の半導体層6と、第1の主電極7と、第2の主電極8と、絶縁膜9と、ゲート電極10、背面電極11とを備えている。次に、各部を詳しく説明する。
実施例1の基板1は半導体基板と呼ぶこともできるものであって、単結晶シリコン半導体から成る。なお、基板1を、単結晶シリコン以外のSiC、GaN、AlN等の半導体、又はサファイア、セラミックス等の絶縁体で形成することもできる。この基板1は、一方の主面12とこれに対向する他方の主面13とを有し、半導体をエピタキシャル成長させるための基板として機能する。
バッファ層2は、基板1と第1の半導体層3との格子不整合や熱膨張係数の違いによって第1の半導体層3に結晶欠陥が生じること、及び基板1が湾曲すること等を防ぐための緩衝領域である。図2において図示を簡略化するためにバッファ層2が1つの層で示されているが、この実施例のバッファ層2は、周知のMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法即ち有機金属気相成長法等で基板1の一方の主面12上にエピタキシャル成長されたAlN(窒化アルミニウム)層とGaN(窒化ガリウム)層との積層体から成る。なお、バッファ層2を、AlN層とGaN層とを交互に複数回繰り返して積層した多層構造バッファとすることもできる。また、バッファ層2の半導体材料をAlN、GaN以外の3−5族化合物半導体に置き換えること、又は単層構造のバッファ層にすることもできる。また、バッファ層2は電界効果半導体装置の動作に直接に関係していないので、これを省くこともできる。
第1の半導体層3は電子走行層と呼ぶこともできるものであり、バッファ層2の上に例えばMOCVD法で成長させた第1の窒化物半導体から成り、例えば0.5〜7μmの厚さを有する。第1の窒化物半導体は、アンドープのAlxInyGa1-x-yN(0≦x<1、0≦y<1、0≦x+y<1 )で示すことができる材料であることが望ましく、本実施例の第1の半導体層3は、上記組成式のx=0、y=0に相当するアンドープのGaN(窒化ガリウム)である。なお、第1の半導体層3をGaN以外のAlGaN、AlInGaN、InGaN等の別の窒化物半導体で形成することもできる。また、第1の半導体層3をn型不純物又はp型不純物が添加された半導体で形成することもできる。
第1の半導体層3は基板1に対して平行な第1及び第2の主面14、15を有する。第1の半導体層3の第1の主面14は、右端から左端に向って第1、第2、第3、第4及び第5の部分14a、14b、14c、14d、14eを有する。本実施例では、第1の半導体層3の第1の主面14の第1及び第5の部分14a、14eに沿って点線で示す2次元電子ガス層即ち2DEG層16が生じる。この2DEG層16は電流通路即ちチャネルとして機能する。
第2の半導体層4は電子供給層又はバリア層と呼ぶことができるものであり、第1の半導体層3の第1の主面14の第1及び第5の部分14a、14eの上に配置されている。更に詳しく説明すると、第2の半導体層4は、第1の半導体層3の第1の主面14の全体に第1の窒化物半導体よりも広いバンドギャップを有する第2の窒化物半導体を例えばMOCVD法で例えば10〜50nmの厚さに形成し、その後、第1の半導体層3の第1の主面14の第2、第3及び第4の部分14b、14c、14dの上から第2の窒化物半導体の成長層を選択的に除去することによって形成されている。
第2の半導体層4を形成する第2の窒化物半導体は、ノーマリ状態において第1の半導体層3に2DEG層16を生じさせるために第1の半導体層3の第1の窒化物半導体よりも広いバンドギャップを有する
AlaInbGa1-a-bN(0<a<1、0≦b<1、0<a+b<1、x<a)
であることが望ましい。本実施例では、上の組成式のb=0に相当するAlaGa1-aN(0<a<1且つx<a)が第2の窒化物半導体として使用されている。上記組成式におけるaの好ましい値は0.2〜0.4であり、より好ましい値はは0.3であり、前述の第1の窒化物半導体を示す組成式のxよりも大きい。なお、第2の半導体層4をAlGaN以外の、AlInGaN等の別の窒化物半導体で形成することもできる。また、第2の半導体層4をn型不純物又はp型不純物が添加された半導体とすることもできる。
第1の半導体層3を構成する第1の窒化物半導体(GaN)よりも広いバンドギャップを有し且つ第1の窒化物半導体(GaN)よりも小さい格子定数を有する第2の半導体層4が第1の半導体層3に対してヘテロ接合すると、両者の界面に沿って2DEG層16が生じる。2DEG層16は周知のように抵抗が極めて小さい電流通路として機能する。
第3の半導体層5は、ゲート構成半導体領域と呼ぶことができるものであり、第1の半導体層3の第1の主面14の第3の部分14c上に配置されている。更に詳しく説明すると、第3の半導体層5は、好ましくは第1の半導体層3と同一の第1の窒化物半導体にp型不純物を添加された第3の窒化物半導体から成り、例えばMOCVD法で形成されている。第3の半導体層5等を含むゲート領域を形成する時には、先ず第3の半導体層5を得るための第3の窒化物半導体を非選択的に成長させ、次に、第4の半導体層6を得るためにドナー不純物即ちn型不純物を添加した第4の窒化物半導体を非選択的に成長させ、次に、第2の主電極6を得るための金属層を非選択的に形成し、しかる後、フォトリソグラフィ技術等で第3の窒化物半導体、第4の窒化物半導体及び金属層を選択的に除去して第3の半導体層5、第4の半導体層6及び第2の主電極6を得る。この時、第1の半導体層3の第1の主面14の第2及び第4の部分14b、14dを露出させる。
第3の半導体層5を構成するp型不純物が添加された第3の窒化物半導体は、第1の半導体層3を構成する第1の窒化物半導体と同一のAlxInyGa1-x-yN(0≦x<1、0≦y<1、0≦x+y<1)で示すことができる材料にp型不純物を添加したものであることが望ましい。本実施例の第3の半導体層5は、上記組成式のx=0、y=0に相当するGaN(窒化ガリウム)にp型不純物(例えばMg)を例えば濃度1×1016cm-3〜1×1019cm-3にドープしたものから成る。なお、第3の半導体層5をGaN以外のAlGaN、AlInGaN、InGaN等の別の窒化物半導体で形成することもできる。また、第3の半導体層5をn型不純物が添加された半導体、又はアンドープの半導体とすることもできる。
第3の半導体層5は、第1の半導体層3の第1の主面14を基準にしてこれよりも高く且つ第2の半導体層4よりも高い頂面17、及び4つの側面18a、18b、18c、18dを有し、第1の半導体層3の第1の主面14の第3の部分から第1の主面14に対して垂直に突出している。第3の半導体層5はゲート電極10に電圧を印加しないノーマリ状態において第1及び第2の主電極7,8間の電流通路を遮断するように形成されている。この実施例におけるゲート電極10と絶縁膜9と第3の半導体層5とから成る絶縁ゲート構造即ちMISゲート構造により第3の半導体層5に空乏層が生じる。従って、ノーマリ状態において電流通路をピンチオフ状態即ち遮断状態することができるように第3の半導体層5の高さHと長手の対の側面18a、18b間の幅Wとを決定することが望ましい。高さHと幅Wとの比H/Wの値が大きいほど電流通路のピンチオフ状態が得られ易い。なお、この実施例では第3の半導体層5の長手の対の側面18a、18bに絶縁膜9を介してゲート電極10が設けられているので、対の側面18a、18bの両方から中心に向って延びるように空乏層が生じる。これにより電流通路のピンチオフ状態が容易に得られる。なお、第3の半導体層5に空乏層による電流通路のピンチオフ状態が得られないように第3の半導体層5の高さH、幅W及び不純物濃度を決定することもできる。この場合であっても、第3の半導体層5が比較的抵抗値が大きく且つ第1の半導体層3の第1の主面14の第2及び第4の部部14b、14dの近傍に2DEG層が形成されないので、漏れ電流は比較的小さい。
ゲート電極10に電圧を印加すると、第3の半導体層5の長手の対の側面18a、18bに沿って反転層から成るnチャネルが形成され、これが電流通路となる。
第4の半導体層6はオーミックコンタクト層と呼ぶこともできるものであり、第3の半導体層5の頂面17上に配置されている。この実施例の第4の半導体層6は、n型不純物を添加した窒化物半導体によって構成されている。即ち、第4の半導体層6は、AlxInyGa1-x-yN(0≦x<1、0≦y<1、0≦x+y<1)で示すことができる材料にn型不純物を添加したものであることが望ましい。本実施例の第4の半導体層6は、上記組成式のx=0、y=0に相当するGaN(窒化ガリウム)にn型不純物(例えばSi)を例えば濃度1×1018〜1×1020cm-3にドープしたものから成る。なお、第4の半導体層6をGaN以外のAlGaN、AlInGaN、InGaN等の別の窒化物半導体で形成することもできる。
第1の主電極7は例えばドレイン電極として機能するものであり、図2に示すように第1及び第2の部分7a、7bを有する。第1の主電極7の第1及び第2の部分7a、7bは、第2の半導体層4の第1及び第2の部分4a、4bの上に配置され且つオーミック接触している。第2の半導体層4の第1及び第2の部分4a、4bは極めて薄く、その縦方向の抵抗は無視できるほど小さいので、第1の主電極7の第1及び第2の部分7a、7bは、第2の半導体層4を介して2DEG層16に電気的に接続されている。第1の主電極7の第1及び第2の部分7a、7bは、図1に示すように接続導体21によって共通の第1のボンディングパッド端子T1(例えばドレインボンディングパッド端子)に接続されている。第1のボンディングパッド端子T1には図2に示す単位素子以外の素子の第1の主電極(例えばドレイン電極)も接続されている。
第2の主電極8は例えばソース電極として機能するものであり、第4の半導体層6の上に配置され且つ第4の半導体層6にオーミック接触している。この実施例では、第3の半導体層5の図1における上下の対の側面18c、18d及びこれ等に連続する第4の半導体層6の側面は絶縁膜9で覆われているがゲート電極10で覆われていない。そこで、第2の主電極8は、図1に示す接続導体22によって共通の第2のボンディングパッド端子T2(例えばソースボンディングパッド端子)に接続されている。第2のボンディングパッド端子T2には図2に示す単位素子以外の素子の第2の主電極(例えばソース電極)も接続されている。なお、第3の半導体層5の図1に示す対の側面18c、18d及びこれ等に連続する第4の半導体層6の側面を覆うように絶縁膜9が配置され、接続導体22は絶縁膜9によって第3の半導体層5及び第4の半導体層6から電気的に分離されている。
絶縁膜9は、絶縁ゲート構造即ちMISゲート構造のため及び半導体の保護のため及び層間絶縁のために設けられており、SiO2等のシリコン酸化物又はSi24等のシリコン窒化物で形成される。この実施例での絶縁膜9は、第3の半導体層5の図2に示す対の側面18a、18bのみでなく、第3の半導体層5の図1に示す別の対の側面18c、18d、第3の半導体層5の4つの側面18a〜18dに連続する第4の半導体層6の4つの側面、第2の主電極8の上面及び側面、第1の半導体層3の第1の主面14の露出面である第2及び第4の部分14b、14d、及び第2の半導体層4の露出面(上面及び側面)にも形成されている。図2の実施例において、絶縁膜9の第3の半導体層5の側面及び第2の半導体層4と第3の半導体層5との間における第1の半導体層3の露出面を被覆する部分は周知のMISゲート機能が得られる厚さに形成され、MISゲート構造の絶縁膜として使用されている。なお、絶縁膜9の第2の半導体層4を覆う部分を、MISゲートに使用する第3の半導体層5の側面を覆う部分よりも厚く形成することが望ましい。
ゲート電極10は金属層から成り、第3の半導体層5の図2に示す対の側面18a、18bを絶縁膜9を介して覆う第1及び第2の部分10a、10bの他に、第1の半導体層3の第1の主面14の露出面である第2及び第4の部分14b、14dを覆う第3及び第4の部分10c、10dを有する。本実施例では、既に説明したように第3の半導体層5の図1に示す別の対の側面18c、18dを、絶縁膜9を介して覆うようにゲート電極10が形成されていない。しかし、第3の半導体層5の図1に示す別の対の側面18c、18dにも絶縁膜及びゲート電極10を設けることができる。この場合には、接続導体22とゲート電極10との間に層間絶縁膜を配置する。ゲート電極10の第3の半導体層5の図2に示す対の側面18a、18bを絶縁膜9を介して覆う第1及び第2の部分10a、10bは、第2の主電極8の上に絶縁膜9を介して配置された接続導体24によって相互に接続されている。接続導体24はゲート電極10と同時に形成されている。ゲート電極10は、図1に示すように接続導体23を介してゲートボンディングパッド端子Gに接続されている。
本実施例の電界効果半導体装置はゲート電極10の延長部として設けられたフィルドプレート25を有する。このフィルドプレート25は第2の半導体層4の第1及び第2の部分4a、4bの上に絶縁膜9を介して配置され、第1及び第2の半導体層3、4における電界集中を緩和して耐圧を向上させるために寄与する。
背面電極11は電界効果半導体装置の動作安定化に寄与させるものであり、例えば第2の主電極(ソース電極)8に接続される。なお、背面電極11を省くこともできる。
次に、HEMTに類似した実施例1に従うノーマリオフ型電界効果半導体装置の動作を説明する。電子走行層としての第1の半導体層3の第1の主面14の第1及び第5の部分14a,14eには電子供給層としての第2の半導体層4が隣接配置されているので、第1の半導体層3の第1の主面14の第1及び第5の部分14a,14eに沿って、ゲート電極10に対する電圧印加の有無に無関係に2DEG層16が生じる。これに対し、第1の半導体層3の第1の主面14の第2、第3及び第4の部分14b、14c、14dには電子供給層が接していないので、これ等の近傍に2DEG層が生じない。また、第1の半導体層5にも2DEG層が生じない。
ゲート電極10と第2の主電極(ソース電極)8との間に電圧を印加しないノーマリ状態(VGS=0)においては、既に説明したように第3の半導体層5に空乏層が生じ、縦方向電流通路のピンチオフ状態が生じる。また、第1の半導体層3の主面14の第2及び第4の部分14b、14dに沿って2DEG層が形成されない。このため、第1及び第2の主電極7,8間に駆動電圧が印加されていても、第1及び第2の主電極7,8間の電流はオフと見なせるレベル以下になり、第1及び第2の主電極7,8間に流れる漏れ電流は極めて小さい。
図3はゲート・ソース間電圧VGSが零の状態(ノーマリ状態)で第3の半導体層5の高さHと幅Wとの比H/Wを2段階に変化させた時のドレイン・ソース間電圧VDSとドレイン電流IDとの関係を示す。即ち、図3において、
特性線A1はH=0.25μm、W=0.5μm、H/W=0.5の時のVDSーID特性を示し、
特性線A2はH=0.5μm、W=0.5μm、H/W=1の時のVDSーID特性を示す。
この図3の特性線A1、A2の比較から明らかなように、比H/Wが大きくなるに従ってVGS=0の時のドレイン電流ID即ち漏れ電流が小さくなる。各特性線A1、A2において、ドレイン・ソース間電圧VDSが20V以下の時のドレイン電流IDは零又は微小である。従って、ドレイン・ソース間電圧VDSが20V以下の時には完全又はほぼ完全なノーマリオフ特性が得られる。
また、ドレイン・ソース間電圧VDSが比較的高い領域であってもドレイン電流ID即ち漏れ電流は比較的小さい。
ゲート電極10と第2の主電極(ソース電極)8との間にしきい値以上の所定の電圧VGSを印加した状態においては、MISゲート構造の原理に従って第3の半導体層5の側面及び第1の半導体層3の一方の主面14の第2及び第4の部分14b、14dに沿ってチャネルが生じ、第1及び第2の主電極7,8間に駆動電圧が印加されている時には、第1の主電極7、第2の半導体層4、第1の半導体層3の表面領域、第3の半導体層5の側面領域、第4の半導体層6及び第2の主電極8の経路でドレイン電流IDが流れる。
図4はゲート・ソース間電圧VGSがしきい値以上の7.5Vの状態で第3の半導体層5の高さHと幅Wとの比H/Wを2段階に変化させた時のドレイン・ソース間電圧VDSとドレイン電流IDとの関係を示す。即ち、図4において、
特性線B1はH=0.25μm、W=0.5μm、H/W=0.5の時のVDSーID特性を示し、
特性線B2はH=0.5μm、W=0.5μm、H/W=1の時のVDSーID特性を示す。
この図4の特性線B1及びB2の比較から明らかなように、ドレイン・ソース間電圧VDSが10V以下の範囲では比H/Wの大小にさほど関係なく図3の漏れ電流よりも十分に大きいドレイン電流IDが流れる。
本実施例の電界効果半導体装置は次の効果を有する。
(1)ゲート電極10の一部を第3の半導体層5の側面に設けることによって、平面的に見たゲート電極10の占有面積が従来の特許文献1の構造に比べて小さくなる。このため電界効果半導体装置の小型化を図ることができる。また、電界効果半導体装置の平面的に見た面積が従来と同一の場合には、電界効果半導体装置における互いに並列に接続される微小素子(単位素子)の数の増大(集積度向上)を図ることができ、オン抵抗の低減を図ることができる。
(2)第3の半導体層5の幅Wの半分(1/2)を、オン時における対の側面18a、18bに沿って生じる各反転層(チャネル)の深さまで狭くすることができる。このため、電界効果半導体装置の小型化を図ることができる。また、電界効果半導体装置の平面的に見た面積が従来と同一の場合には、電界効果半導体装置における互いに並列に接続される微小素子(単位素子)の数の増大(集積度向上)を図ることができ、オン抵抗の低減を図ることができる。
(3)ゲート電極10と第1の主電極7との間の距離は高耐圧を得るためには長い程良い。本実施例の電界効果半導体装置では、ゲート電極10と第1の主電極7との間に2DEG層16が生じているので、高耐圧に構成してもオン抵抗が比較的小さくなり、低損失の電界効果半導体装置を提供できる。
(4)第3の半導体層5の対の側面18a、18bに絶縁膜9を介してゲート電極10が設けられているので、対の側面18a、18bの両方から空乏層が第3の半導体層5の中心に向って広がり、電流通路がピンチオフ状態又は狭くなり、漏れ電流が低減し、良好なノーマリオフ特性を得ることができる。
なお、図2の第3の半導体層5を真性半導体(アンドープ半導体)又はn型半導体で形成することもできる。この場合もp型半導体の場合と同様な効果を得ることができる。
次に、図5に示す実施例2に従う電界効果半導体装置を説明する。但し、図5及び後述する図6〜図13において図1及び図2と実質的に同一の部分には同一の参照符号を付してその説明を省略する。図5の電界効果半導体装置は、図2に示されている実施例1に従う電界効果半導体装置における第1の半導体層3の第1の主面14の第2及び第3の部分14b、14dを露出させないで第2の半導体層4で覆う点、及び第1の半導体層3と同一のアンドープの半導体(GaN)から成る変形された第3の半導体層5aを設けた点を除いて、図2と実質的に同一に構成したものである。
図5においては、第1の半導体層3の第1の主面14の第1及び第3の部分14a´、14e´の上に第2の半導体層4の第1及び第2の部分4a、4bが配置され、第1の半導体層3の第1の主面14の第2の部分14c´の上にアンドープの半導体(GaN)即ち真性半導体から成る第3の半導体層5aが配置されている。従って、第3の半導体層5aの側面は第2の半導体層4にヘテロ接合し、このヘテロ接合面に沿っても2DEG層16が生じている。なお、第3の半導体層5aと第2の半導体層4にヘテロ接合面に沿って2DEG層が生じなくとも電界効果半導体装置は動作する。従って、第3の半導体層5aと第2の半導体層4にヘテロ接合面に沿った2DEG層は本発明の必須要件ではない。
図5の実施例2に従う電界効果半導体装置のオフ時には、図2の実施例1と同様に第3の半導体層5aが電流を阻止する。オン時には、第1の主電極7、第2の半導体層4、第1の半導体層3の表面領域、第3の半導体層5aの側面領域のチャネル、第4の半導体層6及び第2の主電極8の経路でドレイン電流IDが流れる。
なお、第3の半導体層5aの側面に沿って2DEG層が生じない場合であっても、第3の半導体層5aにおける第2の半導体層4の側面に隣接する部分の厚みは、第2の半導体層4と同様に極めて薄いので、ここの縦方向の抵抗は無視できるほど極めて小さい。このため、ドレイン電流IDの通路のオン抵抗はさほど大きくならならず、オン時にドレイン電流IDが流れる。
図5の実施例2に従う電界効果半導体装置は、図2の実施例1と実質的に同一のゲート構造を有するので、図2の実施例1と同様な効果を有する。
図6に示す実施例3に従う電界効果半導体装置は、第1の半導体層3の第1の主面14に露出面を設けないで第2の半導体層4を第3の半導体層5a´に隣接させた点、及び第3の半導体層5a´をアンドープのGaNから成る第1の層5a1とp型のGaNから成る第2の層5a2とで構成した点を除いて図2と同一に構成したものである。
図6においては、第1の半導体層3の第1の主面14の第1及び第3の部分14a´、14e´の上に第2の半導体層4の第1及び第2の部分4a、4bが配置され、第1の半導体層3の第1の主面14の第2の部分14c´の上に真性半導体の第1の層5a1とp型の第2の層5a2とから成る第3の半導体層5a´が配置されている。追加された第1の層5a1は、第1の半導体層3と同一のアンドープの窒化物半導体(GaN)から成る。従って、第1の層5a1の側面は第2の半導体層4にヘテロ接合し、2DEG層16が第1の層5a1の側面に沿っても生じる。第1の層5a1は第1の半導体層3と同一材料から成るので、第1の半導体層3と一体に示すこともできる。
なお、第1の層5a1の側面に沿って2DEG層が生じない場合であっても、第1の層5a1の厚みは、第2の半導体層4と同様に極めて薄いので、ここの縦方向の抵抗は無視できるほど極めて小さい。このため、ドレイン電流IDの通路のオン抵抗はさほど大きくならない。従って、第1の層5a1の側面に沿う2DEG層は本発明の必須要件ではない。
図6の実施例3に従う電界効果半導体装置のオフ時には、図2の実施例1と同様に第3の半導体層5a´のp型の第2の層5a2が電流を阻止する。オン時には、第1の主電極7、第2の半導体層4、第1の半導体層3の表面領域、第3の半導体層の第1の層5a1側面領域、第2の層5a2の側面領域、第4の半導体層6及び第2の主電極8の経路でドレイン電流IDが流れる。
図6の実施例3に従う電界効果半導体装置は、図2の実施例1と実質的に同一のゲート構造を有するので、図2の実施例1と同様な効果を有する。
なお、図6において、第2の半導体層4の第1及び第2の部分4a、4bの間隔を第3の半導体層5a´の幅Wよりも狭くすることができる。また、第3の半導体層5a´の第1の層5a1を第1の半導体層3と別な半導体で形成することもできる。また、第2の層5a2をn型又は真性半導体で形成することもできる。
図7に示す実施例4に従う電界効果半導体装置は、図2に示されている実施例1に従う電界効果半導体装置における第2の主電極(ソース電極)8とゲート接続部分24との間に絶縁膜9に加えて層間絶縁膜31を配置し、第2の主電極8とゲート接続部分24との間の絶縁性を高めた点、及び第1の主電極(ドレイン電極)から絶縁膜9の上に延びたドレインフィルドプレート32を設けて電界集中を緩和した点を除いて、図2と同一に構成されている。
図7に示す実施例4に従う電界効果半導体装置のゲート構造は、図2と同一であるので、実施例4によっても実施例1と同一の効果を得ることができる。
なお、図7に示す層間絶縁膜31及びフィルドプレート32を図2に示されている実施例1のみでなく、これ以外の全ての実施例にも適用することができる。
図8に示す実施例5に従う電界効果半導体装置は、図2に示されている実施例1に従う電界効果半導体装置におけるゲート電極10の代りに導電性を有する多結晶シリコン層41とこれを覆う金属層42とから成るゲート電極10´を設けた点、第1の半導体層(電子走行層)3と第2の半導体層(電子供給層)4との間にアンドープの窒化物半導体(例えばAlN)から成る周知のスペーサー層43を配置した点、及び斜線を付して説明的に示す低抵抗接触性改善用のn型不純物注入領域44a、44bを第1の主電極7の第1及び第2の部分7a、7bの下に設けた点を除いて、図2に示されている実施例1の電界効果半導体装置と実質的に同一構成されている。なお、図8に示すスペーサー層43を第2の半導体層の一部と見なすこともできる。この場合には、本願の請求項おける第2の半導体層は、スペーサー層43から成る第1の層と図8における第2の半導体層4から成る第2の層との積層体で構成される。
ゲート電極10´として高不純物濃度の多結晶シリコン層41を設けると、MISゲート構造の品質を高めることができる。
スペーサー層43は、第2の半導体層(電子供給層)4と第1の半導体層(電子走行層)3との界面におけるバンド端オフセットを大きくし、より大きな移動度を得る効果を有する。
n型不純物注入領域44a、44bは、第1の主電極7の第1及び第2の部分7a、7bの接触抵抗の低減に寄与する。これにより、第1の主電極7の第1及び第2の部分7a、7bは2DEG層16に良好に接続される。
図8の実施例5の電界効果半導体装置は、図2と同一の基本構成を有しているので、図2の実施例1と同様な効果を有する。
なお、図8の多結晶シリコン層41、スペーサー層43、及びn型不純物注入領域44a、44bを図2の実施例1のみでなく、これ以外の全ての実施例にも適用できる。
図9に示す実施例6に従う電界効果半導体装置は、図2に示されている実施例1に従う電界効果半導体装置におけるアンドープのGaNから成る第1の半導体層3の代りにn+型の窒化物半導体(GaN)から成る第1の半導体層3aを設けた点、及び図2に示されている第2の半導体層(電子供給層)4に相当するものを設けないで第1の主電極7の第1及び第2の部分7a、7bを第1の半導体層3aにオーミック接触させた点を除いて、図2に示されている実施例1の電界効果半導体装置と実質的に同一構成されている。なお、図9の電界効果半導体装置は図2に示されている第2の半導体層(電子供給層)4に相当するものを有さないので、参照符号5で示すものが第2の半導体層となり、参照符号6で示すものが第3の半導体層となる。
図9においては、第1の半導体層3aの一方の主面14は第1、第2、第3、第4及び第5の部分14a´、14b´、14c´、14d´、14e´を順次に有する。第1の主電極7の第1及び第2の部分7a、7bは第1及び第5の部分14a´、14e´にオーミック接触し、第1の半導体層3aの一方の主面14の第3の部分14c´の上に第2の半導体層5が配置されている。
この実施例6に従う電界効果半導体装置の第1の半導体層3aには2DEG層が生じないので、オン時に第1の主電極7、第1の半導体層3a、第2の半導体層5の側面領域、第3の半導体層6及び第2の主電極8の経路で第1の主電極7と第2の主電極8との間の電流が流れる。
図9に示す実施例6に従う電界効果半導体装置のゲート構造は、図2と同一であるので、実施例6によっても実施例1と同一の効果を得ることができる。
なお、図9に示す第1の半導体層3aを図2に示されている実施例1のみでなく、これ以外の全ての実施例にも適用することができる。
図10に示す実施例7に従う電界効果半導体装置は、図2に示されている実施例1に従う電界効果半導体装置におけるアンドープのGaNから成る第1の半導体層3の代りにn型の窒化物半導体(GaN)から成る第1の半導体層3bを設けた点、及び図2に示されている第2の半導体層(電子供給層)4に相当するものを設ける代りに第1の主電極7の第1及び第2の部分7a、7bと第1の半導体層3bとの間にn+型半導体(GaN)から成るオーミックコンタクト層4´の第1及び第2の部分4a´、4b´を設けた点を除いて、図2に示されている実施例1の電界効果半導体装置と実質的に同一構成されている。観点を変えると、図10に示す実施例7に従う電界効果半導体装置は、図9に示されている実施例6に従う電界効果半導体装置にオーミックコンタクト層4´の第1及び第2の部分4a´、4b´を付加したものに相当する。
図10においては、第1の半導体層3bの一方の主面14は第1、第2、第3、第4及び第5の部分14a´、14b´、14c´、14d´、14e´を順次に有する。オーミックコンタクト層4´の第1及び第2の部分4a´、4b´は第1及び第5の部分14a´、14e´に配置されている。第1の主電極7の第1及び第2の部分7a、7bは第1及び第5の部分14a´、14e´にオーミック接触している。第2の半導体層5は第1の半導体層3bの一方の主面14の第3の部分14c´の上に配置されている。
オーミックコンタクト層4´の第1及び第2の部分4a´、4b´は、第1の主電極7の第1及び第2の部分7a、7bのオーミック接触に寄与する。
図10に示す実施例6に従う電界効果半導体装置の第1の半導体層3bには2DEG層が生じないので、オン時に第1の主電極7、オーミックコンタクト層4´、第1の半導体層3b、第2の半導体層5の側面領域、第3の半導体層6及び第2の主電極8の経路で第1の主電極7と第2の主電極8との間の電流が流れる。
図10に示す実施例7に従う電界効果半導体装置のゲート構造は、図2と同一であるので、実施例7によっても実施例1と同一の効果を得ることができる。
なお、図10に示す第1の半導体層3b、オーミックコンタクト層4´を図2に示されている実施例1のみでなく、これ以外の全ての実施例にも適用することができる。
図11に示す実施例8に従う電界効果半導体装置は、ゲート電極10に電圧が印加されていない時に電流通路を形成することができる抵抗値を有する第3の半導体層5´を設けた点、第4の半導体層6´を第3の半導体層5´の頂面17の一部に形成した点、第3の半導体層5´の頂面17の残部(中央部)に第4の半導体層6´と逆の導電型を有する第5の半導体層53を形成した点を除いて、図2に示されている実施例1の電界効果半導体装置と実質的に同一構成されている。
図11の第3の半導体層5´は、第1の半導体層3と同一のアンドープの窒化物半導体(GaN)からなる第1の層51と、p型不純物が添加された窒化物半導体(GaN)からなる第2の層52との積層から成る。なお、第3の半導体層5´の全部を図2と同様にp型不純物が添加された窒化物半導体(GaN)とすることもできる。
第5の半導体層53は、内蔵ダイオードを形成するため及びボデイーコンタクトを形成するためにn型の第4の半導体層6´と逆のp型を有し、第3の半導体層5´の頂面17の中央に配置され、第2の主電極8に接続されている。内蔵ダイオードは等価的に第1の主電極7と第2の主電極8とに対して逆方向に接続され、第1の主電極7の電位が第2の主電極8よりも低い時に導通する。第3の半導体層5´は第5の半導体層53を介して第2の主電極8に接続されているので、オフ時にアバランシェ効果で発生したキャリアを周知のボデイーコンタクトの作用で第2の主電極8を介して外部に吐き出す機能を有する。
なお、第3の半導体層5´が第2の主電極8に対してオーミックコンタクトする場合にはP+で示されている第5の半導体層53を特別に設けたいで第3の半導体層5´に第2の主電極8を直接に接続することもできる。換言すれば、第5の半導体層53を第3の半導体層5´の延長部で形成することができる。
図11の第1の主電極7の電位が第2の主電極8よりも高く、且つゲート電極10に電圧が印加されていない時には、nライク半導体と見なせる第1の半導体層3とp型の第2の層52との間が逆バイアス状態となり、更に空乏層によるピンチオフが生じるので、第1の主電極7から第2の主電極8への電流が阻止され、漏れ電流が比較的小さいオフ状態が得られる。図11の第1の主電極7の電位が第2の主電極8よりも高く、且つゲート電極10に制御電圧が印加された時には、第3の半導体層5´の側面及び第1の半導体層3の露出面に沿って反転層(チャネル)が形成され、第1の主電極7、第2の半導体層4、第1の半導体層3の表面領域、第3の半導体層5´の側面領域、第4の半導体層6´及び第2の主電極8の経路で電流が流れる。
図11の第1の主電極7の電位が第2の主電極8よりも低く、且つゲート電極10に電圧が印加されていない時には、nライク半導体と見なせる第1の半導体層3とp型の第2の層52との間が順バイアス状態となり、第2の主電極、ダイオード用半導体層53、第3の半導体層5´、第1の半導体層3の表面領域、第2の半導体層4、及び第1の主電極7の経路で逆方向電流が流れる。従って、図11に示す実施例8に従う電界効果半導体装置は、MISトランジスタと逆方向ダイオードとの並列接続回路と等価であって、回生電流が流れるインバータ回路等に有用である。
図11に示す実施例8に従う電界効果半導体装置は、上記効果の他に実施例1と同様な効果も有する。
なお、図11に示す第2の主電極8を、第5の半導体層53を介して第3の半導体層5´(ボデイー領域)に接続する構成を、図11の実施例以外の全ての実施例にも適用することができる。即ち、全ての実施例において、ボデイー領域としての第3の半導体層5、5aを第2の主電極8に接続することができる。
図12に示す実施例9に従う電界効果半導体装置は、図9のn+型の第3の半導体層6を分割された2つのn+型の第3の半導体層6´に変えた点、及び逆方向ダイオード及びボデイーコンタクト用の第4の半導体層53を設けた点を除いて図9と同一に構成したものである。従って、図12において図9及び図11と同一の部分には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図12の第1の主電極7の電位が第2の主電極8よりも高く、且つゲート電極10に電圧が印加されていない時には、n+型の第1の半導体層3aとp型の第2の半導体層5との間が逆バイアス状態となり、更に空乏層によるピンチオフにより第1の主電極7から第2の主電極8への電流が阻止され、漏れ電流が比較的小さいオフ状態が得られる。図12の第1の主電極7の電位が第2の主電極8よりも高く、且つゲート電極10に制御電圧が印加された時には、第3の半導体層5の側面に沿って反転層(チャネル)が形成され、第1の主電極7、第1の半導体層3a、第3の半導体層5の側面領域、第4の半導体層6´及び第2の主電極8の経路で電流が流れる。
図12の第1の主電極7の電位が第2の主電極8よりも低く、且つゲート電極10に電圧が印加されていない時には、n型第1の半導体層3aとp型の第2の半導体層5との間が順バイアス状態となり、第2の主電極、第4の半導体層53、第2の半導体層5、第1の半導体層3a及び第1の主電極7の経路で逆方向電流が流れる。従って、図12に示す実施例9に従う電界効果半導体装置は、図11に示す実施例8に従う電界効果半導体装置と同様な効果を得ることができる。
なお、なお、図12に示す逆方向ダイオードを得る構成を、図9に示されている実施例6のみでなく、図10に示す実施例7等にも適用することができる。また、図12の第2の半導体層5を図11の第1及び第2の層51,52から成る第2の半導体層5´に変形することができる。
図13に示す実施例10に従う電界効果半導体装置は、図2のp型の第3の半導体層5の代わりにn型の第3の半導体層5bを設け、この他は図2の実施例1と同一に構成したものである。即ち、第4の半導体層6と同一の導電型を有する第3の半導体層5bを設け、この他は図2の実施例1と同一に構成したものである。n型の第3の半導体層5bはn+型の第4の半導体層6よりも低いn型不純物濃度を有する。ノーマリ状態では図2の実施例1と同様に空乏層によってピンチオフ又はこれに近い状態になるように第3の半導体層5bが形成されている。これにより漏れ電流の小さいノーマリオフ特性が得られる。ゲート電極10と第2の主電極8との間に正の制御電圧が印加された時には、空乏層が消滅し、また第3の半導体層5bに電子が誘起され、第3の半導体層5bが電流通路として機能し、第1の主電極7と第2の主電極8との間にドレイン電流が流れる。
図13の実施例10に従う電界効果半導体装置は図2の実施例1と同様なMISゲート構造を有するので、図2の実施例1と同様な効果を得ることができる。
なお、図13の第3の半導体層5bと第4の半導体層6とをそれぞれp型半導体にすることもできる。
また、図7及び図8の第3の半導体層5、図5の第3の半導体層5a、図6の第3の半導体層5a´の第2の部分5a2並びに図9及び図10の第2の半導体層5を電流通路となり得るn型半導体にすることができる。この場合には、図13と同様にノーマリ状態においてMISゲート構造による空乏層により半導体層5又は5a又は5a´の電流通路がピンチオフ状態になり、ゲート電極10にゲート電圧を印加した時に空乏層が消滅し、半導体層5又は5a又は5a´が電流通路となる。また、図5〜10において、n+で示す第5の半導体層6又は第3の半導体層6をp型又はp+型半導体にすることが出来る。
本発明は、上述の実施例に限定されるものでなく、例えば、次の変形が可能なものである。
(1)各層3、3a、3b、4、4´、5、5´、5a、6、6´、53を、GaN、AlGaN以外のInGaN、AllnGaN、AlN、InAlN、AlP、GaP、AllnP、GalnP、AlGaP、AlGaAs、GaAs、AlAs、InAs、InP,InN、GaAsP等の別の3−5族化合物半導体、又は更に別の化合物半導体で形成することができる。
(2)各実施例の基板1をシリコン以外のSiC、GaN、AlN等の半導体、又はサファイア、セラミックス等絶縁体で形成することができる。
(3) 各実施例の第2の半導体層4をp型半導体から成る正孔供給層に置き換えることができる。この場合には、2DEG層16に対応する領域に2次元キャリアガス層として2次元正孔ガス層が生じる。
(4)第2の半導体層(電子供給層)4と第1の主電極7との間にコンタクト層を設けることができる
(5)ノーマリオン型の電界効果装置にも本発明を適用することができる。
(6) 各実施例の電界効果半導体装置を、図2、及び図5〜図13に示す単位素子のみで構成することができる。また、図2、及び図5〜図13において、第2の半導体層(電子供給層)4の第2の部分4b、及び第1の主電極7の第2の部分7bを省いた構成の電界効果半導体装置とすることができる。
本発明の実施例1の電界効果半導体装置の一部を概略的に示す平面図である。 図1のA−A線を拡大して示す断面図である。 ゲート・ソース間電圧VGSが零のドレイン・ソース間電圧VDSとドレイン電流IDとの関係を示す図である。 ゲート・ソース間に所定の電圧を印加した時のドレイン・ソース間電圧VDSとドレイン電流IDとの関係を示す図である。 実施例2の電界効果半導体装置を図2と同様に示す断面図である。 実施例3の電界効果半導体装置を図2と同様に示す断面図である。 実施例4の電界効果半導体装置を図2と同様に示す断面図である。 実施例5の電界効果半導体装置を図2と同様に示す断面図である。 実施例6の電界効果半導体装置を図2と同様に示す断面図である。 実施例7の電界効果半導体装置を図2と同様に示す断面図である。 。 実施例8の電界効果半導体装置を図2と同様に示す断面図である。 実施例9の電界効果半導体装置を図2と同様に示す断面図である。 実施例10の電界効果半導体装置を図2と同様に示す断面図である。
符号の説明
1 基板
3 第1の半導体層(電子走行層)
4 第2の半導体層(電子供給層)
5 第3の半導体層
6 第4の半導体層
7 第1の主電極
8 第2の主電極
9 絶縁膜
10 ゲート電極

Claims (18)

  1. 互いに対向する第1及び第2の主面(14,15)を有する第1の半導体層(3)と、
    前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)の一部上に配置され且つ2次元キャリアガス層を前記第1の半導体層に生じさせる性質を有している材料で形成されている第2の半導体層(4)と、
    前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)における前記第2の半導体層(4)が配置された位置(14a)から離間した位置(14c)上に配置され且つ頂面と側面とを有している第3の半導体層(5)と、
    前記第3の半導体層(5)の前記頂面上に配置され且つ前記第3の半導体層(5)よりも低い抵抗率を有している第4の半導体層(6又は6´)と、
    前記第1の半導体層(3)と前記第2の半導体層(4)との界面に沿って生じている2次元キャリアガス層に電気的に接続された第1の主電極(7)と、
    前記第4の半導体層(6又は6´)の上に配置され且つ前記第4の半導体層(6又は6´)に電気的に接続された第2の主電極(8)と、
    前記第3の半導体層(5)の側面及び前記第2の半導体層(4)と前記第3の半導体層(5)との間における前記第1の半導体層(3)の露出面を被覆している絶縁膜(9)と、
    前記絶縁膜(9)を介して前記第3の半導体層(5)及び前記第1の半導体層(3)の露出面に対向配置されたゲート電極(10)と
    を備えていることを特徴とする電界効果半導体装置。
  2. 前記第2の半導体層(4)は互いに離間している第1及び第2の部分(4a,4b)を有し、
    前記第3の半導体層(5)は、前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)における前記第2の半導体層(4)の前記第1及び第2の部分(4a,4b)が配置された位置(14a,14e)の間に配置され、
    前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)における、前記第2の半導体層(4)の前記第1及び第2の部分(4a,4b)と前記第3の半導体層(5)との間に露出している部分(14b、14d)は、前記絶縁膜(9)を介して前記ゲート電極(10)で覆われ、
    前記第1の主電極(7)は、前記第2の半導体層(4)の前記第1及び第2の部分(4a,4b)と前記第1の半導体層(3)との界面に沿って生じる2次元キャリアガス層に電気的に接続された第1及び第2の部分(7a,7b)を有していることを特徴とする請求項1記載の電界効果半導体装置。
  3. 互いに対向する第1及び第2の主面(14,15)を有する第1の半導体層(3)と、
    前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)の一部上に配置され且つ2次元キャリアガス層を前記第1の半導体層に生じさせる性質を有している材料で形成されている第2の半導体層(4)と、
    前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)の前記第2の半導体層(4)が配置された第1の部分(14a´)に隣接する第2の部分(14c´)上に配置され且つ前記第2の半導体層(4)に隣接する部分を有し且つ前記第2の半導体層(4)よりも厚く形成され且つ頂面と側面とを有している第3の半導体層(5a)と、
    前記第3の半導体層(5a)の前記頂面上に配置され且つ前記第3の半導体層(5a)よりも低い抵抗率を有している第4の半導体層(6又は6´)と、
    前記第1の半導体層(3)と前記第2の半導体層(4)との界面に沿って生じる2次元キャリアガス層に電気的に接続された第1の主電極(7)と、
    前記第4の半導体層(6又は6´)の上に配置され且つ前記第4の半導体層(6又は6´)に電気的に接続された第2の主電極(8)と、
    前記第3の半導体層(5)の側面を被覆している絶縁膜(9)と
    前記絶縁膜(9)を介して前記第3の半導体層(5)に対向配置されたゲート電極(10)と、
    を備えていることを特徴とする電界効果半導体装置。
  4. 前記第2の半導体層(4)は、互いに離間している第1及び第2の部分(4a,4b)を有し、
    前記第3の半導体層(5a)は前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)における前記第2の半導体層(4)の前記第1の部分(4a)と前記第2の部分(4b)との間の部分(14c´)上に配置され、
    前記第1の主電極(7)は、前記第2の半導体層(4)の前記第1及び第2の部分(4a,4b)と前記第1の半導体層(3)との間の界面に沿って生じる2次元キャリアガス層に電気的に接続された第1及び第2の部分(7a,7b)を有していることを特徴とする請求項3記載の電界効果半導体装置。
  5. 前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)が延びる方向における前記第3の半導体層(5)の幅(W)及び前記第1の半導体層(3)の前記第1の主面(14)に対して垂直方向における前記第3の半導体層の高さ(H)は、ノーマリ状態において前記ゲート電極(10)と前記絶縁膜(9)と前記第3の半導体層(5)とからなる絶縁ゲート構造に起因して生じる空乏層によって電流通路がピンチオフ状態になるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の電界効果半導体装置。
  6. 前記第3の半導体層(5a)は、前記第1の半導体層(3)及び前記第2の半導体層(4)に隣接配置され且つ2次元キャリアガス層が生じる材料から成る第1の層(5a1)と、前記第1の層(5a1)の上に配置され且つ前記ゲート電極(10)に電圧が印加された時にチャネルが生じる材料から成る第2の層(5a2)とから成ることを特徴とする請求項3又は4記載の電界効果半導体装置。
  7. 互いに対向する第1及び第2の主面(14,15)を有し且つ導電型決定不純物が添加されている第1の半導体層(3a)と、
    前記第1の半導体層(3a)の前記第1の主面(14)の一部(14c´)上に配置され且つ頂面と側面とを有している第2の半導体層(5)と、
    前記第2の半導体層(5)の前記頂面上に配置され且つ前記第2の半導体層(5)よりも低い抵抗率を有している第3の半導体層(6又は6´)と、
    前記第1の半導体層(3a)の前記第1の主面(14)における前記第2の半導体層(5)から離間した部分(14a´)上に直接に又はオーミックコンタクト層(4a´)を介して配置され且つ前記第1の半導体層(3a)に電気的に接続されている第1の主電極(7)と、
    前記第3の半導体層(6又は6´)の上に配置され且つ前記第3の半導体層(6又は6´)に電気的に接続されている第2の主電極(8)と、
    前記第2の半導体層(5)の側面を被覆している絶縁膜(9)と、
    前記絶縁膜(9)に隣接配置されたゲート電極(10)と、
    を備えていることを特徴とする電界効果半導体装置。
  8. 前記第1の半導体層(3a)の前記第1の主面(14)は第1、第2、第3、第4及び第5の部分(14a´、14b´、14c´、14d´、14e´)を順次に有し、
    前記第2の半導体層(5)は前記第1の半導体層(3a)の前記第1の主面(14)の前記第3の部分(14c´)上に配置され、
    前記第1の主電極(7)は、前記第1の半導体層(3a)の前記第1の主面(14)の前記第1及び第5の部分(14a´、14e´)の上に直接に又はオーミックコンタクト層(4a´、4b´)を介して配置された第1及び第2の部分(7a,7b)を有していることを特徴とする請求項7記載の電界効果半導体装置。
  9. 前記第1の半導体層(3a又は3b)の前記第1の主面(14)が延びる方向における前記第2の半導体層(5)の幅(W)及び前記第1の半導体層(3a又は3b)の前記第1の主面(14)に対して垂直方向における前記第2の半導体層(5)の高さ(H)は、ノーマリ状態において前記ゲート電極(10)と前記絶縁膜(9)と前記第2の半導体層(5)とからなる絶縁ゲート構造に起因して生じる空乏層よって電流通路がピンチオフ状態になるように設定されていることを特徴とする請求項7又は8記載の電界効果半導体装置。
  10. 前記第2の主電極(8)の上に電気的分離用絶縁膜(9及び/又は31)が形成され、前記電気的分離用絶縁膜の上に前記ゲート電極(10)の相互接続導体(24)が配置されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1つに記載の電界効果半導体装置。
  11. 前記第4の半導体層(6´)は前記第3の半導体層(5又は5´)の頂面の一部のみに配置され、
    前記頂面の残部に前記第4の半導体層(6´)と逆の導電型を有する第5の半導体層(53)が配置され、
    前記第5の半導体層(53)は前記第2の主電極(8)に接続されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の電界効果半導体装置。
  12. 前記第3の半導体層(6´)は前記第2の半導体層(5)の頂面の一部のみに配置され、
    前記頂面の残部に前記第3の半導体層(6´)と逆の導電型を有する第4の半導体層(53)が配置され、
    前記第4の半導体層(53)は前記第2の主電極(8)に接続されていることを特徴とする請求項7又は8記載の電界効果半導体装置。
  13. 前記第3の半導体層(5又は5´)は、p型又はn型又は真性の半導体から成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の電界効果半導体装置。
  14. 前記第2の半導体層(5)は、p型又はn型又は真性の半導体から成ることを特徴とする請求項7又は8記載の電界効果半導体装置。
  15. 前記第4の半導体層(6又は6´)は前記第3の半導体層(5又は5´)と反対の導電型を有する半導体から成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の電界効果半導体装置。
  16. 前記第3の半導体層(6又は6´)は前記第2の半導体層(5又は5´)と反対の導電型を有する半導体から成ることを特徴とする請求項7又は8記載の電界効果半導体装置。
  17. 前記第4の半導体層(6又は6´)は前記第3の半導体層(5又は5´)と同一の導電型を有する半導体から成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の電界効果半導体装置。
  18. 前記第3の半導体層(6又は6´)は前記第2の半導体層(5又は5´)と同一の導電型を有する半導体から成ることを特徴とする請求項7又は8記載の電界効果半導体装置。
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