JP2009043227A - 車線内走行支援装置、自動車および車線内走行支援方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動車1は、車線内走行支援のための操舵反力による運転者への報知と、車輪の転舵制御あるいは各車輪の制動制御による車線内走行支援制御あるいは車線逸脱防止制御とが、それぞれ異なる条件で実行される。そのため、運転者への報知動作と車両挙動に影響が現れる車両制御動作との整合を図りながら、車線内走行支援のための制御を行うことができる。したがって、運転者に与える違和感を防ぎつつ、車線内走行を支援することが可能となる。
【選択図】図1
Description
このような運転支援装置では、自車両が走行する車線内の横位置等に応じて、操舵反力あるいはその他の手段により、運転者に車線内を走行させるための支援情報を提示している。
例えば、特許文献1に記載された技術は、シート形状を変化させることによって、運転者に対し、自車両が走行する車線内の横位置および自車角度を知らせている。
特に、操舵反力等、操舵系統を介して支援情報を提示するシステムにおいては、運転者が行う操舵操作と支援情報を提示するために支援装置が行う制御とが整合しない場合があり、運転者が覚える違和感がさらに強いものとなる。
このように、従来の技術においては、運転者に違和感を与えることを防ぎつつ、車線内走行を支援することが困難であった。
本発明の課題は、運転者に与える違和感を防ぎつつ、車線内走行を支援することである。
運転者による操舵操作が行われる操舵入力手段と、前記操舵入力手段に入力された操舵操作の内容を検出する操舵入力検出手段と、運転者による操舵操作に対して、前記操舵入力手段を介した報知動作を行う報知手段と、前記操舵入力手段と機械的に切り離した状態とされ、操向輪を転舵させる転舵出力手段と、前記操舵入力検出手段によって検出された操舵操作の内容に応じて、前記転舵出力手段による操向輪の転舵を制御する転舵出力制御手段と、自車両の走行状況に関する情報を取得する走行状況取得手段と、自車両が車線内を走行するように、前記走行状況取得手段によって取得された自車両の走行状況に関する情報に基づいて前記転舵出力手段および前記報知手段を制御する車線内走行支援手段とを有する。そして前記転舵出力制御手段による操向輪の転舵と、前記報知手段による報知動作とを、それぞれ異なる条件で制御することを特徴としている。
車体と、車体に設置された複数の車輪と、前記車体に設置され、運転者による操舵操作が行われる操舵入力手段と、前記操舵入力手段に入力された操舵操作の内容を検出する操舵入力検出手段と、運転者による操舵操作に対して、前記操舵入力手段を介した報知動作を行う報知手段と、前記操舵入力手段と機械的に切り離した状態とされ、操向輪を転舵させる転舵出力手段と、前記操舵入力検出手段によって検出された操舵操作の内容に応じて、前記転舵出力手段による操向輪の転舵を制御する転舵出力制御手段と、自車両の走行状況に関する情報を取得する走行状況取得手段と、自車両が車線内を走行するように、前記走行状況取得手段によって取得された自車両の走行状況に関する情報に基づいて前記転舵出力手段および前記報知手段を制御する車線内走行支援手段とを有する。そして、車線内走行支援手段は、前記転舵出力制御手段による操向輪の転舵と、前記報知手段による報知動作とを、それぞれ異なる条件で制御することを特徴としている。
また、本発明に係る車線内走行支援方法は、
自車両の走行状況に関する情報を基に、車線内走行支援のための操向輪の転舵制御と、ステアリングホイールを介した運転者への報知動作とを、それぞれ異なる条件で制御し、車線内走行の支援を行うことを特徴としている。
転舵出力制御手段による操向輪の転舵と、報知手段による報知動作とが、それぞれ異なる条件で実行される。
そのため、車両挙動に影響が現れる操向輪の転舵と運転者への報知動作との整合を図りながら、車線内走行支援のための制御を行うことができる。
したがって、運転者に与える違和感を防ぎつつ、車線内走行を支援することができる。
そのため、車両挙動に影響が現れる操向輪の転舵と、操舵入力手段を操作する運転者への報知動作との整合を図りながら、車線内走行支援のための制御を行うことができる。
したがって、運転者に与える違和感を防ぎつつ、車線内走行を支援する自動車とすることができる。
したがって、運転者に与える違和感を防ぎつつ、車線内走行を支援する車線内走行支援方法とすることができる。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車1の構成を示す概略図である。
図1において、自動車1は、車体1Aと、ステアリングホイール2と、入力側ステアリング軸3と、ハンドル角度センサ4と、操舵トルクセンサ5と、操舵反力アクチュエータ6と、操舵反力アクチュエータ角度センサ7と、転舵アクチュエータ8と、転舵アクチュエータ角度センサ9と、出力側ステアリング軸10と、転舵トルクセンサ11と、ピニオンギア12と、ピニオン角度センサ13と、ラックギア14と、タイロッド15と、タイロッド軸力センサ16と、車輪17FR,17FL,17RR,17RLと、ブレーキディスク18と、ホイールシリンダ19と、圧力制御ユニット20と、車両状態パラメータ取得部21と、外界認識部22と、方向指示スイッチ23と、車輪速センサ24FR,24FL,24RR,24RLと、車線内走行支援コントローラ25と、コントロール/駆動回路ユニット26と、メカニカルバックアップ27とを備えている。
ハンドル角度センサ4は、入力側ステアリング軸3に備えられ、入力側ステアリング軸3の回転角度(即ち、運転者によるステアリングホイール2への操舵入力角度)を検出する。そして、ハンドル角度センサ4は、検出した入力側ステアリング軸3の回転角度をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
操舵反力アクチュエータ6は、モータ軸と一体に回転するギアが入力側ステアリング軸3の一部に形成されたギアに噛合しており、コントロール/駆動回路ユニット26の指示に従って、ステアリングホイール2による入力側ステアリング軸3の回転に対して反力を付与する。
転舵アクチュエータ8は、モータ軸と一体に回転するギアが出力側ステアリング軸10の一部に形成されたギアに噛合しており、コントロール/駆動回路ユニット26の指示に従って、出力側ステアリング軸10を回転させる。
出力側ステアリング軸10は、転舵アクチュエータ8を備えており、転舵アクチュエータ8によって入力された回転をピニオンギア12に伝達する。
ピニオンギア12は、ラックギア14と噛合しており、出力側ステアリング軸10から入力された回転をラックギア14に伝達する。
ラックギア14は、ピニオンギア12と噛合する平歯を有し、ピニオンギア12の回転を車幅方向の直線運動に変換する。
タイロッド軸力センサ16は、ラックギア14の両端部に設置されたタイロッド15それぞれに備えられており、タイロッド15に作用している軸力を検出する。そして、タイロッド軸力センサ16は、検出したタイロッド15の軸力をコントロール/駆動回路ユニット26に出力する。
ブレーキディスク18は、車輪17FR,17FL,17RR,17RLと一体に回転し、ホイールシリンダ19の押圧力によってブレーキパッドが押し当てられると、その摩擦力によって制動力を発生する。
圧力制御ユニット20は、車線内走行支援コントローラ25の指示に従って、各車輪17FR,17FL,17RR,17RLに備えられたホイールシリンダ19の圧力を制御する。
車輪速センサ24FR,24FL,24RR,24RLは、各車輪の回転速度を示すパルス信号を、車両状態パラメータ取得部21および車線内走行支援コントローラ25に出力する。
そして、コントロール/駆動回路ユニット26は、操舵入力の状態および転舵出力の状態に関する情報を車線内走行支援コントローラ25に出力する。
なお、メカニカルバックアップ27は、例えばケーブル式ステアリング機構等によって構成することができる。
図2は、車線内走行支援コントローラ25が実行する車線内走行支援処理を示すフローチャートである。
図2において、車線内走行支援処理は、自動車1を制御するオペレーティングシステムによって、一定時間毎に割り込み処理として実行される。
図2において、車線内走行支援処理が開始されると、車線内走行支援コントローラ25は、まず、そのステップS100で、各装置、センサによって出力される各種データを読み込む。
なお、以下、ステップS100において読み込まれる各種情報を含め、車線内走行支援処理において用いられる各種情報を「車両パラメータ」と言う。
具体的には、通常走行時にあっては、各車輪17FR、17FL、17RR、17RLの車輪速Vwiに基づき、下記(1)式または(2)式に従って車速Vを算出する。
(前輪駆動の場合)
V=(Vw3+Vw4)/2 ・・・(1)
(後輪駆動の場合)
V=(Vw1+Vw2)/2 ・・・(2)
なお、ABS(Antilock Brake System)制御が作動している場合には、車速Vとして、ABS制御において推定された推定車体速を用いる。
VAT=(2π・R)・W・(60/1000) ・・・(3)
次に、ステップS102に移行して、車線内走行支援コントローラ25は、車両パラメータに基づいて、前方車線に自車を追従させるために必要な目標転舵角θoptを算出する。
図3は、横変位Xについて設定された横変位ゲインKLを示す図、図4は、ヨー角φrについて設定されたヨー角ゲインKYを示す図、図5は、車線の曲率ρについて設定された曲率ゲインKR示す図、図6は、転舵角θtについて設定された転舵角ゲインKDを示す図である。
さらに、ステップS103に移行して、車線内走行支援コントローラ25は、推定横変位Xsを算出する。
Xs=Tt・V・(φr+Tt・V・ρ)+X ・・・(4)
ここで、Ttは前方注視距離算出用の車頭時間であり、車頭時間Ttに自車両の車速Vを乗じると前方注視距離となる。つまり、車頭時間Tt後の走行車線中央からの横変位推定値が将来の推定横変位Xsとなる。
即ち、車線内走行支援コントローラ25は、走行車線中央からの横変位について設定された操舵反力判定しきい値XL1と推定横変位Xsとを比較する。そして、車線内走行支援コントローラ25は、
|Xs|≧XL1 ・・・(5)
となった場合、操舵反力制御を開始するものと判定し、車線内走行支援のための操舵反力制御を行うか否かを示す操舵反力制御開始判定フラグFstrを、操舵反力制御を行うことを示す状態(Fstr=ON)に設定する。一方、
|Xs|<XL1 ・・・(6)
となった場合、車線内走行支援コントローラ25は、操舵反力制御を行わないものと判定し、操舵反力制御開始判定フラグFstrを、操舵反力制御を行わないことを示す状態(Fstr=OFF)に設定する。
具体的には、まず、車線逸脱傾向の強さについて設定された逸脱判定しきい値XLと、前記ステップS104で算出された推定横変位Xsとを比較する。そして、車線内走行支援コントローラ25は、
|Xs|≧XL ・・・(7)
となった場合、車線逸脱傾向が高いものと判定し、車線逸脱防止制御を行うか否かを示す逸脱判定フラグFoutを、車線逸脱防止制御を行うことを示す状態(Fout=ON)に設定する。一方、
|Xs|<XL ・・・(8)
となった場合、車線内走行支援コントローラ25は、車線逸脱傾向が高くないものと判定し、逸脱判定フラグFoutを、車線逸脱防止制御を行わないことを示す状態(Fout=OFF)に設定する。
なお、逸脱判定しきい値XLと操舵反力判定しきい値XL1とを等しくすると、操舵反力制御開始と車線逸脱防止制御のタイミングが同時となる。
具体的には、まず、前記ステップS100で読み込まれた方向指示スイッチ23の動作信号に基づいて、方向指示スイッチ23が操作されているか否かを判定する。
そして、方向指示スイッチ23が操作されている場合、車線内走行支援コントローラ25は、方向指示スイッチ23の信号が示す方向Qと前記ステップS104で判定された変位方向パラメータDstrとが等しいか否かを判定する。
また、車線内走行支援コントローラ25は、操舵反力制御開始判定フラグFstrと同様に、逸脱判定フラグFoutについても、方向指示スイッチ23の信号が示す方向Qと前記ステップS105で判定された逸脱方向パラメータDoutが等しいか否かを判定する。
具体的には、前記ステップS105で設定された逸脱判定フラグFoutがON状態であるか否かを判定し、ON状態である場合、つまり、将来の推定横変位Xs≧XLで且つ車線逸脱が運転車の意図によるものではない場合には警報を行う。
また、逸脱防止制御に制動制御を用いた場合には、制動による加速度が運転者にかかるため、この制御自体に警報としての効果を持たせることができる。
具体的には、まず、前記ステップS104で設定された操舵反力制御開始判定フラグFstrがON状態であるか否かを判定し、ON状態である場合には、前記ステップS103で算出された将来の推定横変位Xsと操舵反力判定しきい値XL1とを基に、次式に従って、車両の横変位を報知するための操舵制御トルクTstrを算出する。
Tstr=Kstr1・Kstr2・(|Xs|−XL1) ・・・(9)
ここで、Kstr1は車両諸元から決まる比例ゲイン、Kstr2は車速Vに応じて変動する比例ゲインである。
なお、ステップS108において、操舵反力制御開始判定フラグFstr=OFFであるときには、車両の横変位を報知するための操舵制御トルクTstrは0(即ち、通常の操舵反力特性に従う操舵反力のみ)とする。
次に、ステップS109に移行して、車線内走行支援コントローラ25は、車両に発生させる目標ヨーモーメントMsを算出する。
本実施例では、将来の推定横変位Xsと逸脱判定しきい値XLを基に、次式に従って目標ヨーモーメントMsを算出する。
Ms=K1・K2・(|Xs|−XL) ・・・(10)
ここで、K1は車両諸元から決まる比例ゲイン、K2は車速Vに応じて変動する比例ゲインである。
図8は、車速Vに応じて変動する比例ゲインK2を示す図である。
なお、ステップS109において、逸脱判定フラグFout=OFFであるときには、目標ヨーモーメントMsは0とする。
一方、逸脱判定フラグFoutがOFF状態である場合には、車線内走行支援コントローラ25は、目標ヨーモーメントMsを「0」とし、ヨーモーメントが「0」となるように左右輪のホイールシリンダ19に圧力差を与える指示を圧力制御ユニット20に出力する。
次に、動作を説明する。
自動車1の運転者が、自車両の走行車線内を走行しているものとする。
このとき、自動車1は、車線内走行支援処理を実行しており、車線内走行支援コントローラ25に自動車1における各部のセンサ等から各種データが読み込まれている。
そして、自動車1は、各車輪の車輪速Vwiを用いて車速Vを算出し、また、車両パラメータ(横変位X、ヨー角φr、車線の曲率ρ、転舵角θt)から、目標転舵角θoptを算出する。
さらに、自動車1は、将来(車頭時間Tt後)の推定横変位Xsを算出し、その推定横変位Xsを操舵反力判定しきい値XL1と比較して、車線内走行支援のための操舵反力制御を行うか否かを判定する。
続いて、自動車1は、推定横変位Xsを逸脱判定しきい値XLと比較して、車線逸脱防止制御を行うか否かを判定する。
同様に、自動車1は、運転者による意図的な車線逸脱が行われているか否かの判定(運転者意図判定)を行い、例えば、方向指示スイッチ23の指示方向と車線逸脱方向とが同一である状態、あるいは、方向指示スイッチ23が操作されておらず、車線逸脱傾向を増大させる操作が行われている状態等、運転者の意図的な車線逸脱が行われているものと判定した場合には、車線逸脱防止制御が不要であることから、車線逸脱防止制御を行わない状態となる。
また、自動車1は、自車両が車線逸脱傾向にあることを運転者に知らせる警報を行うか否かを判定する。即ち、将来の推定横変位Xsが逸脱判定しきい値XLよりも大きい状態で、かつ、運転者による意図的な車線逸脱が行われていない場合に、運転者に対する警報を行うものと判定する。
そして、自動車1は、車線内走行支援のための操舵反力制御を行う設定(操舵反力制御開始判定フラグFstrがON状態)となっている場合には、目標転舵角θoptに転舵角を一致させるよう転舵アクチュエータ8を制御し、また、操舵反力が操舵制御トルクTstrに操舵反力が一致するよう操舵反力アクチュエータ6を制御する。
これにより、車線内走行支援のための転舵角制御および運転者への情報提示となる操舵反力制御が行われる。
さらに、自動車1は、自車両に運転者の意図しない車線逸脱傾向がある(逸脱判定フラグFoutがON状態である)場合、目標ヨーモーメントMsにヨーモーメントを一致させるよう圧力制御ユニット20に指令を行い、自車両に運転者の意図しない車線逸脱傾向がない(逸脱判定フラグFoutがOFF状態である)場合、目標ヨーモーメントMsを「0」とする指令を圧力制御ユニット20に出力する。
即ち、自動車1は、通常、目標転舵角θoptに応じた転舵角の制御により車線内走行を支援し、推定横変位Xsが操舵反力判定しきい値XL1以上となると、操舵反力制御によって、運転者の操舵により車線内を走行させるための走行支援を行う。
そのため、車線逸脱傾向が大きくなった場合には、操舵系統による車線内走行支援に加えて、各車輪の制動制御によるヨーモーメント制御が行われ、車線逸脱防止が図られる。
そのため、運転者への報知動作と車両挙動に影響が現れる車両制御動作との整合を図りながら、車線内走行支援のための制御を行うことができる。
したがって、運転者に与える違和感を防ぎつつ、車線内走行を支援することが可能となる。
また、運転者への報知と車線逸脱防止制御とが開始されるタイミングを異ならせることができるため、運転者に対し、車線内走行支援における制御の方向性を知らせた上で、実際に車線逸脱防止制御を行うといったことができ、より高い割合で、運転者への報知と車両への車線逸脱防止制御との整合を図りながら、車線内走行支援のための車両制御を行うことができる。
(1)転舵出力制御手段による操向輪の転舵と、報知手段による報知動作とが、それぞれ異なる条件で実行される。
そのため、車両挙動に影響が現れる操向輪の転舵と運転者への報知動作との整合を図りながら、車線内走行支援のための制御を行うことができる。
したがって、運転者に与える違和感を防ぎつつ、車線内走行を支援することができる。
例えば、本実施形態にあっては、車線内走行支援処理が開始されると、操向輪の転舵角の制御が開始される。この制御にあっては、走行車線中心を走行するように操向輪が転舵される。そのため、微少な横変位が生じても、自車両は自動的に車線中央に復帰する。
その結果、横変位が生じるたびに運転者への報知動作を行う方法と異なり、運転者に与える違和感を防ぐことができる。また、転舵角の制御と報知動作とを適宜行うことによって、自車両の車線内走行を支援することができる。
(3)簡単な構成で走行支援制御と報知動作とを個別に機能させることができる。また、現在の横変位に基づく操舵反力制御を行うため、運転者の違和感を低減することができる。
(5)将来の横変位を基準として走行支援制御を行うため、さらなる高速域における堅実な走行支援を行うことができる。また、将来の横変位を基準として操舵反力制御を行うため、将来を見越して適切な情報提供を行うことができる。
(7)初めに、運転者への報知を行った後、各車輪の制動力によって、走行車線中心に車両を向けるヨーモーメントを発生させるため、走行状況に応じた報知動作を行うことができるようになる。また、運転者への報知が行われた後に、制動力を用いた走行支援が行われるため、運転者が感じる違和感を低減できる。
そのため、車両挙動に影響が現れる操向輪の転舵と、操舵入力手段を操作する運転者への報知動作との整合を図りながら、車線内走行支援のための制御を行うことができる。
したがって、運転者に与える違和感を防ぎつつ、車線内走行を支援する自動車とすることができる。
上記車線内走行支援処理は、車速に応じて制御則を切り替えるよう応用することができる。
このようにすると、自車両の車速に応じて、車線内走行の支援を行う制御則が切り替えられるため、走行状況により適した運転支援制御を行うことが可能となる。
例えば、自車両の車速が設定された車速(例えば50km/h)以上であるか否かを判定し、設定された車速以上である場合には、車線逸脱防止制御を迅速に行う必要があることから、操舵反力による運転者への報知を行うと同時に、各車輪の制動力を制御して走行車線中心に車両を向けるヨーモーメントを発生させる。また、設定された車速未満である場合には、運転者が感じる違和感を低下させるために、操舵反力による運転者への報知を行った後、各車輪の制動力を制御して走行車線中心に車両を向けるヨーモーメントを発生させるといったことができる。
また、他の例として、自車両の車速域を判定し、高速域(例えば90km/h前後)であるか、低速域(例えば40km/h前後)であるかに応じて、操舵反力、操向輪の転舵制御あるいは各車輪の制動力制御を切り替えることができる。
このような制御とすると、高速域として設定された車速の範囲内にあるか、あるいは、低速域として設定された車速の範囲内にあるかによって、現在または将来の横変位に応じて、操舵反力、操向輪あるいは各車輪の制動力の制御が切り替えられるため、走行状況により適した運転支援制御を行うことが可能となる。
次に、第2実施形態を説明する。
この第2実施形態は、推定横変位Xsが逸脱判定しきい値XL以上であるときに、操舵反力制御によって走行支援を行う点が前記第1実施形態と異なる。
具体的には、第2実施形態にあっては、第1実施形態とは、車線内走行支援処理における操舵反力制御開始判定フラグFstrの設定方法、および、操舵制御トルクTstrの算出方法が異なる。
|Xs|≧XL ・・・(11)
となった場合、操舵反力制御を開始するものと判定し、車線内走行支援のための操舵反力制御を行うか否かを示す操舵反力制御開始判定フラグFstrを、操舵反力制御を行うことを示す状態(Fstr=ON)に設定する。一方、
|Xs|<XL ・・・(12)
となった場合、車線内走行支援コントローラ25は、操舵反力制御を行わないものと判定し、操舵反力制御開始判定フラグFstrを、操舵反力制御を行わないことを示す状態(Fstr=OFF)に設定する。
Tstr=Kstr1・Kstr2・(|Xs|−XL) ・・・(13)
このような処理とすると、自動車1は、推定横変位Xsが逸脱判定しきい値XL以上となると、操舵反力制御によって、運転者の操舵により車線内を走行させるための走行支援を行う。また、同時に、自動車1は、各車輪の制動力を制御し、自車両を車線内走行させるためのヨーモーメントを発生させる走行支援を行う。
次に、第3実施形態を説明する。
この第3実施形態は、自車両が走行車線を区切る境界線に到達するまでの時間(境界線到達時間Tk)を算出し、その時間を基に、操向輪の転舵と操舵反力制御とを、それぞれ異なる条件で制御する点が前記第1実施形態と異なる。
具体的には、第3実施形態にあっては、第1実施形態とは、コントロール/駆動回路ユニット26およびメカニカルバックアップ27の構成、ならびに、車線内走行支援処理の処理内容が異なる。
すなわち、コントロール/駆動回路ユニット26は、車線内走行支援コントローラ25から入力される前記制御信号による操舵反力に加え、転舵アクチュエータ8の目標転舵角θoptと実際の転舵角θdとの差に応じた操舵反力トルクを発生させる制御信号も操舵反力アクチュエータ6に出力する。
さらに、コントロール/駆動回路ユニット26は、操舵反力アクチュエータ角度センサ7によって検出された操舵反力アクチュエータ6の回転角度に応じて、前輪17FL、17FRの転舵角を制御させる制御信号を転舵アクチュエータ8に出力する。
図9は、車線内走行支援処理を示すフローチャートである。
この車線内走行支援処理は、図9に示すように、まず、そのステップS200で、各部に設置されたセンサおよび装置から入力される信号を読み込む。
具体的には、車輪速センサ24FR,24FL,24RR,24RLから各車輪17FR,17FL,17RR,17RLの回転速度を示すパルス信号、方向指示スイッチ23から方向指示の動作信号、外界認識部22から車線内走行支援情報(車両のヨー角φr、車線中心からの横変位Xおよび走行車線の曲率ρ)、コントロール/駆動回路ユニット26から操舵入力の状態(操舵角θs、操舵入力トルク等)および転舵出力の状態(転舵角θd、転舵トルク等)を読み込む。また、読み込んだパルス信号に基づいて各車輪17FR,17FL,17RR,17RLの車輪速Vwi(i=1〜4)を算出する。
次にステップS202に移行して、車両が走行車線を区切る境界線に到達するまでの時間(境界線到達時間)Tkを算出する。
具体的には、まず、前記ステップS200で読み込んだヨー角φr、車線中心からの横変位X、走行車線の曲率ρおよび前記ステップS201で算出した車両の車速Vに基づき、下記(14)式に従って将来の推定横変位Xsを算出する。
Xs=Tt・V・(φr+Tt・V・ρ)+X ・・・(14)
Tk=(Xs2+Xz2)1/2/V ・・・(15)
次にステップS203に移行して、車両が車線内の目標走行軌道を走行するように転舵角を制御する転舵制御に用いられるパラメータ(目標転舵角θopt)を算出する。
具体的には、前記ステップS202で算出した境界線到達時間Tk、前記ステップS200で読み込んだヨー角φr、曲率ρおよび転舵角θdに基づき、下記(16)式に従って目標転舵角θoptを算出する。
θopt=KL・Tk+KY・φr+KR・ρ+KD・θt ・・・(16)
具体的には、まず、前記ステップS202で算出した境界線到達時間Tkが操舵判定しきい値TL1以下であるか否かを判定し、TL1以下である場合には(Tk≦TL1)操舵制御を行うか否かを示す操舵反力制御開始判定フラグFstrをON状態、つまり、操舵制御を行うことを示す状態とする。境界線到達時間Tkが操舵判定しきい値TL1より大きい場合には(Tk>TL1)、操舵反力制御開始判定フラグFstrをOFF状態、つまり、操舵制御を行わないことを示す状態とする。
具体的には、まず、前記ステップS202で算出した境界線到達時間Tkが逸脱判定しきい値TL(<TL1)以下であるか否かを判定し、TL以下である場合には(|Tk|≦TL)車線逸脱傾向の有無を示す逸脱判定フラグFoutをON状態、つまり、車線逸脱傾向があることを示す状態とする。境界線到達時間Tkが逸脱判定しきい値TLより大きい場合には(|Tk|>TL)逸脱判定フラグFoutをOFF状態、つまり、車線逸脱傾向がないことを示す状態とする。
具体的には、まず、前記ステップS200で読み込んだ方向指示スイッチ23の信号に基づいて、方向指示スイッチ23が操作されているか否かを判定する。方向指示スイッチ23が操作されている場合には、方向指示スイッチ23の信号が示す方向Qと前記ステップS204で判定された変位方向パラメータDstrが示す方向とが等しいか否かを判定し、等しい場合には、車線中心からの横変位Xを増大させる操作を運転者が意図的に行っていると判定し、前記ステップS204で設定された操舵反力制御開始判定フラグFstrをOFF状態に変更する。方向Qと変位方向パラメータDstrが示す方向とが異なる場合には、運転者が意図的に行っていないと判定し、操舵反力制御開始判定フラグは変更しない。
なお、車線中心からの横変位Xを増大させる操作を運転者が意図的に行っているか否かを判定する方法としては、例えば、操舵角θsおよび操舵角変化量△θsに代えて、操舵トルクセンサ5から得られる操舵トルクTsを用いて判定する方法も挙げられる。
具体的には、前記ステップS205で設定された逸脱判定フラグFoutがON状態であるか否かを判定し、ON状態である場合、つまり、境界線到達時間Tk≦TLで且つ車線逸脱が運転車の意図によるものではない場合には、車内に備えられているスピーカ(不図示)から車両が車線逸脱傾向にあることを知らせる警報音声を出力する。
また、音声による警報に加えて制動力制御を行うようにしてもよい。そのようにすれば、制動によって運転者にGが作用し、警報効果を向上させることができる。
具体的には、まず、前記ステップS204またはS206で設定された操舵反力制御開始判定フラグFstrがON状態であるか否かを判定し、ON状態である場合には、前記ステップS202で算出した境界線到達時間Tkに基づき、下記(17)式に従って操舵制御トルクTstrを算出する。
Tstr=Kstr1・Kstr2/Tk ・・・(17)
操舵反力制御開始判定フラグFstrがOFF状態である場合には、操舵制御トルクTstrを値「0」とする。
次に、算出した操舵制御トルクTstrが予め定められた最大値Tmaxより大きいかまたは最小値Tminより小さいかを判定し、最大値Tmaxより大きい場合には操舵制御トルクTstrの値をTmaxに補正し、最小値Tminより小さい場合には操舵制御トルクTstrの値をTminに補正する。
具体的には、まず、前記ステップS205またはS206で設定された逸脱判定フラグFoutがON状態であるか否かを判定し、ON状態である場合には、前記ステップS202で算出した境界線到達時間Tkに基づき、下記(18)式に従って目標ヨーモーメントMsを算出する。
Ms=K1・K2/Tk …(18)
逸脱判定フラグFoutがOFF状態である場合には、目標ヨーモーメントMsを値「0」とする。
次に、算出した目標ヨーモーメントMsが予め定められた最大値Mmaxより大きいかまたは最小値Mminより小さいかを判定し、最大値Mmaxより大きい場合には目標ヨーモーメントMsの値をMmaxに補正し、最小値Mminより小さい場合には目標ヨーモーメントMsの値をMminに補正する。
具体的には、前記ステップS204またはS206で設定された操舵反力制御開始判定フラグFstrがON状態であるか否かを判定し、ON状態である場合には、前記ステップS202で算出した目標転舵角θoptに転舵角が一致するように転舵アクチュエータ8を制御するパラメータを算出するとともに、操舵反力が前記ステップS208で算出した操舵制御トルクTstrだけ増大するように操舵反力アクチュエータ6を制御するパラメータを算出する。
次にステップS211に移行して、各車輪17FR,17FL,17RR,17RLの制動力の制御に関するパラメータを算出する。
次に、本実施形態の動作を具体的状況に基づいて説明する。
まず、車両が直進路で走行車線の中心付近を走行していたとする。すると、車線内走行支援コントローラ25で実行される走行支援制御によって、図9に示すように、まず、そのステップS200で、各部に設置されたセンサおよび装置から入力される信号が読み込まれ、ステップS201で、読み込まれた各車輪17FR,17FL,17RR,17RLの車輪速Vwiに基づいて車速Vが算出される。また、ステップS202で、算出された車速Vに基づいて境界線到達時間Tkが比較的大きい値に算出され、ステップS203で、算出された境界線到達時間Tkに基づいて目標転舵角θoptが算出される。
また、コントロール/駆動回路ユニット26によって、転舵アクチュエータ8の目標転舵角θoptと実際の転舵角θdとの差に応じた操舵反力を発生させる指示に加え、入力側ステアリング軸3にトルク「0」を付与させる指示が出力され、操舵反力アクチュエータ6によって、入力側ステアリング軸3に当該差に応じた操舵反力のみが出力される。
上記フローが繰り返されるうちに、車線中心からの横変位Xを増大させる操作を運転者が意図せずに行ってしまい、車両が走行車線の中心付近から外れていったとする。すると、走行支援制御によって、前記ステップS200およびS201を経て、前記ステップS202で、境界線到達時間Tkが比較的小さい値に算出され、前記ステップS203で、目標転舵角θoptが算出される。
また、コントロール/駆動回路ユニット26によって、転舵アクチュエータ8の目標転舵角θoptと実際の転舵角θdとの差に応じた操舵反力を発生させる指示に加え、操舵反力を増大させる指示も出力され、操舵反力アクチュエータ6によって、前記差に応じた操舵反力よりも操舵制御トルクTstrだけ大きい操舵反力が出力される。
(1)このように、本実施形態の車線内走行支援装置にあっては、車両の走行状況に関する情報に基づいて当該車両が走行車線を区切る境界線に到達するまでの時間(境界線到達時間Tk)を算出し、その時間を基に、操向輪の転舵と操舵入力手段を介した報知動作と(転舵制御、反力制御)を、それぞれ異なる条件で制御し、車線内走行の支援を行うようにした。そのため、通常時には、操舵入力手段を介した報知動作を行わず、車線内の目標走行軌道(車線中心)を走行するように操向輪の転舵のみを行い、車線逸脱までの時間的余裕がないときにのみ前記転舵に加えて報知動作を行って、運転者に車線内を走行させるための支援情報を提供することで、操舵操作と支援情報とを整合させることができ、運転者の違和感を防止しつつ、車線内走行を支援することができる。
なお、操舵入力手段を介した報知動作としては、操舵反力を増大する方法の他に、ステアリングホイール2に振動を与える方法を挙げることができる。
(3)さらに、車両が走行車線を区切る境界線に到達するまでの時間(境界線到達時間Tk)が設定値(操舵判定しきい値TL1)よりも長い場合には、操向輪(前輪17FR,17FL)の転舵角の制御のみを行い、報知動作としての操舵反力の増大を行わないようにした。そのため、目標走行軌道付近を走行している場合には、報知動作としての操舵反力の増大が行われないので、運転者の操舵操作への影響をなくすことができ、運転者の違和感をより適切に防止することができる。また、目標走行軌道を走行するように操向輪を転舵することで、運転者に直進性が向上したように感じさせることができる。
ここで、転舵制御を開始してから、反力制御を開始する方法としては、例えば、車線内走行支援処理において、ステップS202で算出した境界線到達時間Tkが転舵判定しきい値TL2(>TL1)以下であるか否かを判定し、TL2以下である場合には(Tk≦TL2)転舵制御を行い、TL2より大きい場合には(Tk>TL2)転舵制御を行わないようにするステップを設ける方法が挙げられる。
なお、転舵制御および反力制御を同時に行う方法としては、例えば、操舵判定しきい値TL1および転舵判断しきい値TL2を等しい値とする方法が挙げられる。
Claims (19)
- 運転者による操舵操作が行われる操舵入力手段と、
前記操舵入力手段に入力された操舵操作の内容を検出する操舵入力検出手段と、
運転者による操舵操作に対して、前記操舵入力手段を介した報知動作を行う報知手段と、
前記操舵入力手段と機械的に切り離した状態とされ、操向輪を転舵させる転舵出力手段と、
前記操舵入力検出手段によって検出された操舵操作の内容に応じて、前記転舵出力手段による操向輪の転舵を制御する転舵出力制御手段と、
自車両の走行状況に関する情報を取得する走行状況取得手段と、
自車両が車線内を走行するように、前記走行状況取得手段によって取得された自車両の走行状況に関する情報に基づいて前記転舵出力手段および前記報知手段を制御する車線内走行支援手段と、を有し、
前記車線内走行支援手段は、前記転舵出力制御手段による操向輪の転舵と、前記報知手段による報知動作とを、それぞれ異なる条件で制御することを特徴とする車線内走行支援装置。 - 前記報知手段は、前記報知動作として、前記操舵入力手段における操舵反力を増大することを特徴とする請求項1記載の車線内走行支援装置。
- 前記走行状況取得手段は、走行車線中心に対する現在の自車両の横変位を取得し、
前記車線内走行支援手段は、前記報知手段によって、前記現在の横変位に応じて増大させた操舵反力を付与することを特徴とする請求項2記載の車線内走行支援装置。 - 前記走行状況取得手段は、走行車線中心に対する現在および将来における自車両の横変位を取得し、
前記車線内走行支援手段は、前記将来の横変位に基づいて、前記転舵出力制御手段によって走行車線中心を走行するよう操向輪を転舵し、前記報知手段によって前記現在の横変位に応じて増大させた操舵反力を付与することを特徴とする請求項2記載の車線内走行支援装置。 - 前記走行状況取得手段は、走行車線中心に対する将来における自車両の横変位を取得し、
前記車線内走行支援手段は、前記将来の横変位に基づいて、前記転舵出力制御手段によって走行車線中心を走行するよう操向輪を転舵し、前記報知手段によって前記将来の横変位に応じて増大させた操舵反力を付与することを特徴とする請求項2記載の車線内走行支援装置。 - 各車輪の制動力を個別に制御可能な制動力制御手段を備え、
前記車線内走行支援手段は、前記報知手段によって報知を行うと同時に、前記制動力制御手段によって走行車線中心に車両を向けるヨーモーメントを発生させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車線内走行支援装置。 - 各車輪の制動力を個別に制御可能な制動力制御手段を備え、
前記車線内走行支援手段は、前記報知手段によって報知を行った後、前記制動力制御手段によって走行車線中心に車両を向けるヨーモーメントを発生させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車線内走行支援装置。 - 前記車線内走行支援手段は、自車両の車速に応じて、車線内走行の支援を行う制御則を切り替えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の車線内走行支援装置。
- 各車輪の制動力を個別に制御可能な制動力制御手段を備え、
前記車線内走行支援手段は、設定された車速以上である場合、前記報知手段によって報知を行うと同時に、前記制動力制御手段によって走行車線中心に車両を向けるヨーモーメントを発生させ、設定された車速未満である場合、前記報知手段によって報知を行った後、前記制動力制御手段によって走行車線中心に車両を向けるヨーモーメントを発生させることを特徴とする請求項8記載の車線内走行支援装置。 - 前記走行状況取得手段は、走行車線中心に対する現在および将来における自車両の横変位を取得し、
前記車線内走行支援手段は、高速域として設定された車速の範囲内にある場合、現在の横変位に応じた操舵反力の制御と前記将来の横変位に応じた操向輪の制御、あるいは、前記現在または将来の横変位に応じた操舵反力の制御と各車輪の制動力制御を行い、低速域として設定された車速の範囲内にある場合、前記現在の横変位に応じた操舵反力の制御と前記現在の横変位に応じた操向輪の制御、あるいは、前記将来の横変位に応じた操舵反力の制御と前記将来の横変位に応じた操向輪の制御を行うことを特徴とする請求項8記載の車線内走行支援装置。 - 前記車線内走行支援手段は、
前記走行状況取得手段によって取得された車両の走行状況に関する情報に基づいて前記車両が走行車線を区切る境界線に到達するまでの時間を算出する到達時間算出手段と、
前記到達時間算出手段で算出された時間を基に、前記転舵出力制御手段による操向輪の転舵と、前記報知手段による報知動作とを、それぞれ異なる条件で制御し、車線内走行の支援を行う車線内走行支援実行手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の車線内走行支援装置。 - 前記報知手段は、前記報知動作として、前記操舵入力手段における操舵反力を増大し、
前記車線内走行支援実行手段は、前記到達時間算出手段で算出された時間が設定値よりも長い場合には、前記転舵出力制御手段による操向輪の転舵のみを行い、前記報知手段による前記報知動作としての操舵反力の増大を行わないことを特徴とする請求項11記載の車線内走行支援装置。 - 前記報知手段は、前記報知動作として、前記操舵入力手段における操舵反力を増大し、
前記車線内走行支援実行手段は、前記到達時間算出手段で算出された時間が設定値よりも長い場合には、前記転舵出力制御手段による操向輪の転舵を開始してから、前記報知手段による前記報知動作としての操舵反力の増大を開始することを特徴とする請求項11記載の車線内走行支援装置。 - 前記報知手段は、前記報知動作として、前記操舵入力手段における操舵反力を増大し、
前記車線内走行支援実行手段は、前記到達時間算出手段で算出された時間が設定値以下である場合には、前記転舵出力制御手段による操向輪の転舵および前記報知手段による前記報知動作としての操舵反力の増大を同時に開始することを特徴とする11から13のいずれか1項に記載の車線内走行支援装置。 - 前記報知手段は、前記報知動作として、前記操舵入力手段における操舵反力を増大し、
前記車線内走行支援実行手段は、前記到達時間算出手段で算出された時間が設定値以下である場合には、前記報知手段による前記報知動作としての操舵反力の増大を開始してから、前記転舵出力制御手段による操向輪の転舵を開始することを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の車線内走行支援装置。 - 運転者の操舵操作方向を検出する操舵方向検出手段を備え、
前記報知手段は、前記報知動作として、前記操舵入力手段における操舵反力を増大し、
前記車線内走行支援実行手段は、前記到達時間算出手段で算出された時間が設定値よりも長い場合には、前記動作方向検出手段で検出された操作方向が前記車両の車線逸脱傾向を抑制する方向であると、前記転舵出力制御手段による操向輪の転舵のみを行い、前記報知手段による前記報知動作としての操舵反力の増大を行わない制御則を選択し、
前記動作方向検出手段で検出された操作方向が前記車両の車線逸脱傾向を助長する方向であると、前記転舵出力制御手段による操向輪の転舵を開始してから、前記報知手段による前記報知動作としての操舵反力の増大を開始する制御則を選択することを特徴とする請求項11記載の車線内走行支援装置。 - 運転者が操舵操作中であるか否かを判定する操舵判定手段を備え、
前記報知手段は、前記報知動作として、前記操舵入力手段における操舵反力を増大し、
前記車線内走行支援実行手段は、前記到達時間算出手段で算出された時間が設定値以下である場合には、前記操舵判定手段で操舵操作中であると判定されると、前記到達時間算出手段で算出された時間が設定値以下である場合には、前記報知手段による前記報知動作としての操舵反力の増大を開始してから、前記転舵出力制御手段による操向輪の転舵を開始する制御則を選択し、
前記操舵判定手段で操舵操作中でないと判定されると、前記転舵出力制御手段による操向輪の転舵および前記報知手段による前記報知動作としての操舵反力の増大を同時に開始することを特徴とする請求項11記載の車線内走行支援装置。 - 車体と、
車体に設置された複数の車輪と、
前記車体に設置され、運転者による操舵操作が行われる操舵入力手段と、
前記操舵入力手段に入力された操舵操作の内容を検出する操舵入力検出手段と、
運転者による操舵操作に対して、前記操舵入力手段を介した報知動作を行う報知手段と、
前記操舵入力手段と機械的に切り離した状態とされ、操向輪を転舵させる転舵出力手段と、
前記操舵入力検出手段によって検出された操舵操作の内容に応じて、前記転舵出力手段による操向輪の転舵を制御する転舵出力制御手段と、
自車両の走行状況に関する情報を取得する走行状況取得手段と、
自車両が車線内を走行するように、前記走行状況取得手段によって取得された自車両の走行状況に関する情報に基づいて前記転舵出力手段および前記報知手段を制御する車線内走行支援手段と、を有し、
前記車線内走行支援手段は、前記転舵出力制御手段による操向輪の転舵と、前記報知手段による報知動作とを、それぞれ異なる条件で制御することを特徴とする自動車。 - 自車両の走行状況に関する情報を基に、車線内走行支援のための操向輪の転舵制御と、ステアリングホイールを介した運転者への報知動作とを、それぞれ異なる条件で制御し、車線内走行の支援を行うことを特徴とする車線内走行支援方法。
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