JP2009040941A - ゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品〔発明の詳細な説明〕 - Google Patents

ゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品〔発明の詳細な説明〕 Download PDF

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正昭 高嶋
Yoshinori Hayashi
芳紀 林
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Abstract

【課題】
酸化チタン系光触媒は、光がない状態(夜間あるいは暗所)では、抗菌作用、脱臭作用、防汚等の作用が発揮されないかあるいは極めて弱い。また、光触媒を有機質の被着体に混入すると、該被着体自体が劣化してしまう。このような問題点を解決することが強く望まれている。
【解決手段】
ゴム成分(A)100重量部、光触媒(B)0.1重量部〜50重量部、蓄光剤(C)0.1重量部〜50重量部を含むゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品によって上記課題が解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は抗菌,脱臭,防汚、浄水、空気浄化などの光触媒作用と自然発光する蓄光作用を有するゴム組成物とその成形品に関する。
酸化チタン系光触媒は,紫外線を吸収して,空気中の酸素や水から,活性酸素を生成するため,強い酸化力を有する。
このため,酸化チタン系光触媒は,抗菌作用,脱臭作用といった効果が期待でき,近年,住宅建材、医療、玩具等への利用が盛んである。殺菌、たばこのヤニまたは窒素酸化物等の汚染物質の分解、防かび、防曇等を目的とし各種構造部材の表面に光触媒を備えた構成が例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3として提案されている。ただし、これらいずれもが、夜間あるいは暗所ではその機能を発揮することはできない。
一方、夜間あるいは暗所においても蛍光を発する所謂蓄光作用に関しては、特許文献4、特許文献5等が提案されている。ただし、抗菌作用,脱臭作用といった機能は有していない。 最近、光触媒と蓄光を加味した、特許文献6、特許文献7等も提案されてはいるが、これらは、それぞれの機能を製品に層構造をもたせる方法として提案されており、やはり工程上煩雑であり満足すべきものとはいえない。
特開平9−111022号公報 特開平9−173865号公報 特開平9−207263号公報 特開平8−133868号公報 特開平9−134637号公報 特開平11−253544号公報 特開平11−12114号公報
本発明は,夜間,暗所においても優れた抗菌、脱臭、防汚、浄水、空気浄化を半永久的に付与するゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ゴム成分(A)、光触媒(B)、蓄光剤(C)を含むゴム組成物が当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明によれば、以下に示すゴム組成物、及び成形品が提供される。
(1)請求項1記載の発明は、ゴム成分(A)、光触媒(B)、蓄光剤(C)を含むゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品。
(2)請求項2記載の発明は、ゴム成分(A)100重量部、光触媒(B)0.1重量部〜50重量部、蓄光剤(C)0.1重量部〜50重量部を含む請求項1記載のゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品。
(3)請求項3記載の発明は、ゴム成分(A)が、シリコーンゴム単独、あるいはシリコーンゴム/エチレン−プロピレン(ジエン)ゴムのブレンド比率(体積比)=99/1〜20/80からなる請求項1〜請求項2いずれかに記載のゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品。
(4)請求項4記載の発明は、光触媒(B)が、酸化チタン、酸化亜鉛の少なくとも一種であり、その粒子径が0.1μm以下である請求項1〜請求項3いずれかに記載のゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品。
(5)請求項5記載の発明は、蓄光剤(C)がストロンチウムアルミネ−ト系である請求項1〜請求項4いずれかに記載のゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品。
(6)請求項6記載の発明は、蓄光剤(C)がEuドープドストロンチウムアルミネート,Eu・Dyドープドストロンチウムアルミネート及びEu・Ndドープドカルシウムアルミネートの少なくとも一種である請求項1〜請求項5いずれかに記載のゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品。
(7)請求項7記載の発明は、蛍光剤(D)を含有してなる請求項1〜請求項6いずれかに記載のゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品。
(8)請求項8記載の発明は、成形品の表面をレーザー処理、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、ショットブラスト処理のいずれかの処理をしてなる成形品
(9)請求項9記載の発明は、成形品が、フィルムシート、板状体、ブロック体、箱体、球体、角錐体、円錐体、またはその組み合わせ等任意の3次元形状を構成するもの。
(10)請求項10記載の発明は、成形品が、玩具、ネックレス、ペンダントなどの装飾品、眼鏡、タイル、レンガ、洗面台、衛生陶器、バス、流し台、てすり、ドアノブ、などの住宅用品の部材、テレビ、電話機、エアコン室内機、パソコン、カメラ、ビデオカメラ、コピー機、洗濯機、除湿器、電気ポット、掃除機、照明器具などの電子・電気製品の部材、ダッシュボード、ハンドル、レバーなどの自動車用内装部材、エスカレーターの手摺、電車及びバスの吊り輪・握り棒及びこれらの一部あるいは全体のカバー材。
本発明によれば,ゴム成分(A)100重量部、光触媒(B)0.1重量部〜50重量部、蓄光剤(C)0.1重量部〜50重量部を含むゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品を提供することができる。
本発明の成形品は、夜間,暗所においても優れた抗菌、脱臭、防汚、浄水、空気浄化を半永久的に付与することができる。
不特定多数が触れる用途で懸念された問題点が解消される。また、蛍光色を発するため目印としても有効であり安全性の点においてもその効果は大である。
以下、本発明のゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品について具体例に基ずき詳細に説明するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
本発明のゴム組成物を構成するゴム成分(A)としては、ジエン系ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリル-ブタジエンゴム、水素添加ニトリル-ブタジエンゴムなどである。非ジエン系ゴムとしては、ブチルゴム、エチレン−プロピレン(ジエン)ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エチレン-アクリルゴム、ヒドリンゴム、フッ素ゴムなどを挙げることができる。これらは、単独あるいは2種以上を用いることができる。
好ましいゴムとしては、水素添加ニトリル-ブタジエンゴム、アクリルゴム、エチレン-プロピレン(ジエン)ゴム、シリコーンゴムである。特に好ましくは、シリコーンゴムであり、またシリコーンゴムと他種ゴムとのブレンドも好ましい。ブレンド比率(体積比)としては、99/1〜20/80である。シリコーンゴムの比率が20未満では、光触媒(B)によって劣化してしまい好ましくない。他種ゴムとしては、エチレン−プロピレン(ジエン)ゴムが相溶性、価格的に好ましい。
ゴム成分(A)としてのシリコーンゴムは、ジオルガノポリシロキサンを主成分(ベースポリマー)とするものであるが、その硬化方式は特に制限されず、例えば、従来公知の有機過酸化物により加硫する組成物、縮合型硬化性組成物、白金付加加硫型組成物、放射線硬化型組成物等が挙げられる。ここで使用されるジオルガノポリシロキサンとしては、平均組成式RaSiO(4-a)/2で示されるものが好ましい。
このRは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルブチル基、オクチル基などのアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基などのシクロアルキル基、ビニル基、ヘキセニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ジフェニル基などのアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基などのアラルキル基、あるいはこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した基、更にはアミノ基、エーテル基(−O−)、カルボニル基(−CO−)、カルボキシル基(−COOH)、スルフォニル基(−SO2−)などで置換された又は含有する基、例えばクロロメチル基、トリフロロプロピル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基などから選択される同一又は異種の非置換又は置換の好ましくは炭素数1〜12、特に1〜10の一価炭化水素基であり、aは1.90〜2.05である。
この組成物が縮合硬化型の場合には、シリコーンゴム組成物のベースポリマーは分子鎖両末端が水酸基又はオルガノオキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンとされるが、良好なゴム物性を示し、機械強度の優れた硬化物を与える組成物とするには、25℃における粘度が25cs以上、好ましくは100〜1,000,000csのオルガノポリシロキサンを用いることが好ましい。また、このオルガノポリシロキサンの架橋剤としては、加水分解性の基を1分子中に2個以上有するシランあるいはシロキサン化合物が使用されるものである。
この場合、その加水分解性の基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基などのケトオキシム基、アセトキシ基などのアシルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基などのアルケニルオキシ基、N−ブチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基などのアミノ基、N−メチルアセトアミド基などのアミド基などが挙げられる。なお、この架橋剤の配合量は、上記両末端水酸基(又はオルガノオキシ基)封鎖オルガノポリシロキサン100部(重量部、以下同様)に対し、2〜50部、特に5〜20部とすることが好ましい。
この縮合硬化型シリコーンゴムには、通常、硬化触媒が使用され、これにはジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート等のアルキル錫エステル化合物、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル又はチタンキレート化合物、ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛−2−エチルオクトエート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルト、アルコキシアルミニウム化合物等の有機金属化合物、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキル基置換アルコキシシラン、ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等のアミン化合物及びその塩、ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の第4級アンモニウム塩、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、蓚酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等のグアニジル基を含有するシラン又はシロキサン等が例示されるが、これらはその1種に限定されず、2種もしくはそれ以上の混合物として使用してもよい。なお、これら硬化触媒の配合量は、上記オルガノポリシロキサン100重量部に対して0重量部〜10重量部、特に0.01重量部〜5重量部が好ましい。
またシリコーンゴムが付加加硫型シリコーンゴム組成物である場合、ベースポリマーとして使用されるオルガノポリシロキサンとしては、分子鎖末端及び/又は分子鎖中にアルケニル基を少なくとも2個有するものが使用される。その25℃の粘度は100〜10,000,000csであることが好ましい。架橋剤としては、1分子中にSiH基を少なくとも2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いる。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、公知のものを使用することができるが、25℃の粘度が300cs以下であるものが好ましい。その使用量は、主成分のオルガノポリシロキサンのアルケニル基1モル当りSiH基が0.3〜10モル、特に0.5〜5モルとすることが好ましい。この組成物には、更に硬化触媒を触媒量添加することができる。この付加反応触媒としては公知のものでよく、第VIII族の金属又はその化合物、特には白金化合物が好適に用いられる。この白金化合物としては、塩化白金酸、白金とオレフィン等との錯体などを挙げることができる。
上記シリコーンゴム組成物が過酸化物加硫型シリコーンゴム組成物である場合、ベースポリマーとして使用されるオルガノポリシロキサンとしては、25℃における粘度が100,000〜10,000,000csで分子鎖末端及び/又は分子鎖中にビニル基を有するものが好ましく、その硬化触媒としては、有機過酸化物が使用される。有機過酸化物の例としては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等のアルキル系有機過酸化物、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド等のアシル系有機過酸化物が好適な化合物として用いられる。その配合量はオルガノポリシロキサン100重量部に対して0.1重量部〜10重量部、特に0.2重量部〜5重量部が好ましい。
更に、シリコーンゴムが放射線硬化型シリコーンゴムである場合、ベースポリマーとして使用されるオルガノポリシロキサンとしては、分子鎖末端及び/又は分子鎖中にビニル基、アリル基、アルケニルオキシ基、アクリル基、メタクリル基等の脂肪族不飽和基、メルカプト基、エポキシ基、ヒドロシリル基などを有するものが用いられる。また、反応開始剤としては、当業界でよく知られているアセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントール、3,9−ジクロロキサントール、3−クロロ−8−ノニルキサントール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントール等が挙げられる。その配合量は、オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.1重量部〜20重量部、特に0.5重量〜10重量部であることが好ましい。
本発明の光触媒(B)としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドニウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化ロジウム、酸化ニッケル及び酸化レニウム等の金属酸化物の他、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。これらは単独あるいは二種以上を併用してもよい。
上記金属酸化物が、実用的に容易に利用可能な点で好ましく、金属酸化物の中でも酸化チタン、酸化亜鉛が、その光触媒活性、安全性、入手の容易さ及びコストの面で好ましい。これらの光触媒(B)は、銀、銅、ニッケル、ゲルマニウム、パラジウム等の金属微粒子を担持したものであってもよい。
さらに、酸化チタンの結晶構造には、アナタース型とルチル型とブルッカイト型の3種類の結晶構造があることが知られているが、高い触媒活性を有することが知られているアナタース型構造の酸化チタンを使用することが好ましい。ルチル型構造の酸化チタンは、アナタース型のものよりも一般的に光触媒活性が低いことが知られているが、本発明で使用される場合には、酸化チタン粒子はルチル型粒子とアナタース型粒子の混合物であってもよい。アナタース型構造の酸化チタンのバンドギャップは3.2eVであるため、アナタース型酸化チタンが光触媒作用を生じるには、約390nm以下の波長を有する紫外線が必要であり、一方、ルチル型酸化チタンは、約410nm以下の波長を有する紫外線が必要である。
近年、アナタース型又はルチル型酸化チタンに種々の元素をドープすることによって、あるいは上述の銀、銅、ニッケル等の金属微粒子を担持することによって、酸化チタンのバンドギャップを制御してその光触媒作用を高活性化することや光源に応じた所望の波長、例えば可視光波長領域で光触媒作用を発現させることが行なわれており、本発明では、そのような高活性化された酸化チタンを使用することもできる。酸化チタンの粒子の平均粒径が小さいほど高く、粒径0.1μm以下、特に20nm以下のものを使用するのがよい。ここで、平均粒径とは、粒子の粉末X線回折した時の結晶の最大ピークの積分幅からScherrer式により求められる値である。
酸化チタンは、例えば、水、あるいはエタノール及びイソプロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル及びエチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールのモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールのモノアルキルエーテル類;γ-ブチロラクトン等のラクトン類等の極性有機溶剤を分散媒として分散体の形態で使用することが好ましい。
上記光触媒(B)の添加量は、ゴム成分(A)100重量部に対して0.1重量部〜50重量部、特に1重量部〜40重量部、中でも10重量〜30重量部が好ましい。0.1重量部未満では硬化物の表面に与えられる非汚染性が不十分となる場合があり、50部を超えると非汚染性(親水性)が低下する傾向にあり、また成形品(シーリング材、コーティング材、ガスケットなど)が弾性を示さなくなり、シール性が低下するおそれがある。
光触媒作用を示す酸化チタンは、例えば、テイカ株式会社製のTKS−203(TiO2 含有量20.5重量%の水分散液、アナタース型、粒子径6nm)、AMT−100(粒子径6nm)及びAMT−600(粒子径30nm);石原産業株式会社製のST−01(粒子径7nm)及びST−21(粒子径20nm);シーアイ化成株式会社製のNanoTek(粒子径30nm);チタン工業株式会社製のPC−101(粒子径20nm)、PC−102(粒子径50nm)及びPC−101−A(粒子径40nm);昭和タイタニウム株式会社製のスーパータイタニアF−6(粒子径約15nm)、スーパータイタニアF−5(粒子径約20nm)及びスーパータイタニアF−4(粒子径約30nm);古河機械金属株式会社製のDN−22A(粒子径6.8nm)、DN−1−0(粒子径9.0nm)、DN−S1(粒子径14.1nm)及びDN−1(粒子径22.2nm);多木化学株式会社製のA−100(粒子径8nm);日本アエロジル株式会社製のP−90(粒子径15nm)及びP−25(粒子径21nm);堺化学工業株式会社製のSTR−60C(粒子径20nm)、STR−60C−LP(粒子径20nm)及びSTR−100C(粒子径10nm);Sachtleben Chemie製のUV100(粒子径10〜250nm)等が挙げられる。また、アナタース型の表面処理タイプとしては、ガス吸着タイプの酸化チタンとして石原産業株式会社製のST−31が挙げられる。これは、1次粒子径が7nm、表面積が250m/gであり、Zn(OH)によって表面処理がなされているものである。Zn(OH)2修飾TiO2(ST−31)の方は、表面処理していない上記ST−01、ST−21の臭気吸着をより向上を狙ったものである。
本発明の蓄光剤(C)は、太陽光や電灯などの光を受けた際に、その光の照射を止めた後でも自ら発光しつづける機能を有する化合物のことである。
前記蓄光剤(C)としては、特に限定されるものではないが、例えば硫化亜鉛系蓄光剤
、カルシウムアルミネート系蓄光剤、ストロンチウムアルミネート系蓄光剤等が挙げられる。
上記硫化亜鉛系蓄光剤は、残光輝度はある程度得られるものの、カルシウムアルミネート系蓄光剤 、ストロンチウムアルミネ−ト系蓄光剤と比較すると残光時間が相対的に短い。また、硫化亜鉛系は成形加工時に分解しやすいので、成形加工性に若干劣る。更に、防水シート中に含有される水分やPd系安定剤(添加剤)と反応しやすく、この場合には残光特性が低下することとなる。
これに対し、カルシウムアルミネ−ト系蓄光剤およびストロンチウムアルミネ−ト系蓄光剤は、残光輝度が大きくかつ残光時間も長い上に、成形加工時にも分解することがないし、水分やPd系安定剤とも反応しないので、本発明における蓄光剤としてより好適である。中でも、残光輝度が大きくかつ残光時間も長いストロンチウムアルミネ−ト系蓄光剤が好適に用いられる。
上記硫化亜鉛系蓄光剤としては、例えばZnS:Cu(発光色:黄緑色)、ZnS:Cu,Co(発光色:黄緑色)、CaS:Eu,Tm(発光色:赤色)などが挙げられる。
上記カルシウムアルミネート系蓄光剤としては、例えばCaAl24 :Eu,Nd(発光色:紫青色)等が挙げられる。
上記ストロンチウムアルミネ−ト系蓄光剤としては、特に限定されないものの、Sr4 Al1425:Eu,Dy(発光色:青緑色)、SrAl2 4 :Eu,Dy(発光色:黄緑色)、SrAl2 4 :Eu(発光色:黄緑色)が好適に用いられる。中でも、残光輝度が極めて大きく、しかも発光スペクトルのピーク波長が490〜530nm近辺であり人間の眼の視感度に合致して一番明るく見える青緑色〜黄緑色を呈して、その視認性に優れることから、Sr4 Al1425:Eu,Dy、SrAl2 4 :Eu,Dyが特に好適である。なお、この2つの蓄光剤は、前記SrAl2 4 :Euと比較しておおよそ10倍の残光輝度を示す。具体例としては、根元特殊化学株式会社製のルミノーバBG−300シリーズが挙げられる。
なお、上記ストロンチウムアルミネ−ト系蓄光剤は、例えば次のようにして製造できる。即ち、高純度のアルミナに炭酸ストロンチウムを配合し、これに付活剤としてユーロピウムを、さらに付活助剤としてデスプロシウムを添加して、還元性雰囲気において1300℃で3時間焼成することで得られる。これを粉砕、分級することで所望の粒径のものを得ることができる。なお、この発明で使用される蓄光剤 は、上記製造方法で得られるものに特に限定されるものではない。
この発明において、蓄光剤(C)の配合量は、ゴム成分(A)100重量部に対して0.1重量部〜50重量部、好ましくは1重量部〜30重量部である。0.1重量部未満では、視認するのに十分な残光が得られなくなるので好ましくないし、一方50重量部を超えると機械的物性が低下するので好ましくない。
また、蓄光剤の粒径は、0.1μm〜10μmとするのが好ましい。0.1μm未満では均一分散が困難となるので好ましくないし、一方10μmを超えると機械的物性に悪影響を及ぼす傾向にあるので好ましくない。
本発明で用いられる蛍光剤(D)としては、可視光を吸収し長波長光に変換するタイプとしては特開昭62−209172、特開昭62−148571、特開平4−131023、特開平6−40817、特開平6−41524号公報等にあげられる構造の有機化合物などが、さらには紫外線を吸収し長波長光に変換するタイプとしては、特開平3−198721、特開平3−72818、特開平4−141025、特開平6−46684、特開平6−46685、特開平6−38635号公報等にあげられる構造の有機化合物などが、それぞれ好ましく用いられる。
蛍光剤(D)としては、300〜1200nmにスペクトル発光を有し、且つ、溶媒に少なくとも部分的に可溶な蛍光化合物であれば特に制限はない。これらの蛍光化合物としては、アントラセン、置換アントラセン、ベンゾアントラセン、フェナントレン、置換フェナントレン、ナフタセン、置換ナフタセン、ペンタセン、置換ペンタセン、ペリレン、置換ペリレン、ビオラントロン、置換ビオラントロンなどの、少なくとも3つの縮合環を有する共役多環芳香族化合物が例示される。上記化合物の置換基としては、発光反応を妨げない限りにおいて特に制限はなく、フェニル基、低級アルキル基(C〜C16)、クロロ基、ブロモ基、シアノ基、アルコキシ基(C〜C16)、フェニルナフチル基などが例示される。
具体的には、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1−メトキシ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、ペリレン、1,5−ジクロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1,8−ジクロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、モノクロロおよびジクロロ置換9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、5,12−ビス(フェニルエチニル)テトラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、16,17−ジヘキシルオキシビオラントロン、2−メチル−9,10−ビス−(フェニルエチニル)アントラセン、9,10−ビス−(4−メトキシフェニル)−2−クロロアントラセン、9,10−ビス−(4−エトキシフェニル)−2−クロロアントラセン、16,17−ジデシクロキシビオラントロン、ルモゲン・レッド(LUMOGEN RED、赤色を発するペリレンジカルボキシイミド蛍光剤)、(LUMOGEN YELLOW、黄色を発するペリレンジカルボキシイミド蛍光剤)、(LUMOGEN ORANGE、オレンジ色を発するペリレンジカルボキシイミド蛍光剤)、5,12−ビス−(フェニルエチニル)ナフタセン、5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン(ルブレン)およびこれらの混合物が例示される。
蛍光剤(D)の含有量は、所望の蛍光強度により適宜選択すればよいが、ゴム成分(A)100重量部に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、特に0.2重量部〜2重量部である。
が0.001重量部未満の場合、発光性、レーザーマーキング性が十分に得られにくく、10重量%を超えると機械的物性に好ましくない影響を及ぼす傾向が強まることになる。
本発明のゴム組成物には、殺菌、抗菌、消毒、脱臭、防汚あるいは化学物質の分解といった光触媒(B)の効果のほかに、生体活性化を得るために無機ゲルマニウム粉末を添加してもよい。無機ゲルマニウム粉末としては、その平均粒子径が0.1μm〜100μmである。この範囲を超えると、生体活性化作用が不十分であったり、機械的性質が劣ったりし好ましくない。また、その添加量としては、ゴム成分(A)100重量部に対し、1重量部〜50重量部である。1重量部未満では、生体活性化作用が不十分であり、50重量部を超えると機械的性質が劣り好ましくない。
さらに、本発明のゴム組成物には、通常のゴム組成物で使用されている各種の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、加硫剤、加硫促進剤、補強性充填剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、酸化防止剤、加工助剤、活性剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、滑剤、奪水剤、ワックス、活性剤、光安定剤、カップリング剤、内部離型剤、スコーチ防止剤、発泡剤、発泡助剤、抗菌剤、難燃剤、素練り促進剤、蓄熱剤、電子導電付与剤、イオン導電付与剤、熱伝導付与剤、放熱剤、着色剤、熱可塑性樹脂、熱可塑性架橋エラストマー、等を配合することもできる。
補強性充填剤としては、カーボンブラック、重質炭酸カルシウム、胡粉、軽微性炭酸カルシウム、極微細活性化炭酸カルシウム、特殊炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、カオリンクレー、焼成クレー、パイロフライトクレー、シラン処理クレー、天然ケイ酸、合成無水ケイ酸、合成含水ケイ酸、合成ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、フェライト、カオリン、セリサイト、タルク、微粉タルク、ウォラスナイト、ゼオライト、ゾーノトナイト、マイカ、アスベスト、PMF(Processed Mineral Fiber : 加工鉱物繊維)、セピオライト、チタン酸カリウム、エレスタダイト、石膏繊維、ガラスバルン、シリカバルン、ハイドロタルサイト、フライアシュバルン、シラスバルン、カーボン系バルン、フェノール樹脂、尿素樹脂、スチレン系樹脂、サラン樹脂等の有機系バルン、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラス繊維(チョップドストランド、ロービング、ミルドガラス繊維、ガラスフレーク)、カットファイバー、ロックファイバー、ミクロファイバー、炭酸繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、再生ゴム、ゴム粉末、エボナイト粉末、セラック、木粉等が挙げられる。前記充填剤(D)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
加硫剤としては、用いられるゴムの種類により、硫黄系加硫剤、有機過酸化物、キノイド加硫剤、樹脂加硫剤、金属酸化物加硫剤、含硫黄有機化合物、アミン加硫剤、トリアジン系加硫剤、ポリオール加硫剤、金属石けん加硫剤、マレイミド系加硫剤、ヒドロシリル化反応用架橋剤等を適宜選択して使用される。
硫黄系加硫剤としては、例えば粉末硫黄、硫黄華、高分散性硫黄、不溶性硫黄、沈降硫黄、表面処理硫黄、コロイド硫黄、塩化硫黄、一塩化硫黄、二塩化硫黄等が挙げられる。これらの硫黄系加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、加硫・架橋剤として硫黄系加硫剤を使用する場合には、加硫促進剤を併用することもできる。
加硫促進剤としては、例えばヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド・アンモニア等のアルデヒドアンモニア類;n−ブチルアルデヒドーアニリン縮合品、ブチルアルデヒドーモノブチルアミン縮合品、ヘプトアルデヒドーアニリン反応品、トリクロトニリデン・テトラミン等のアルデヒドアミン類;ジフェニルグアニジン、ジーoートリルグアニジン、オルト・トリル・ビグアニド、ジカテコール・ホウ酸のジオルト・トリル・グアニジン塩等のグアニジン塩類;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン類;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジエチルチオ・カルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール、4−モルホニル−2−ベンゾチアジル・ジスルフィド等のチアゾール類;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド等のスフェンアミド類;チオカルバニド、エチレン・チオ尿素(2−メルカプトイミダゾリン)、ジエチル・チオ尿素、ジブチル・チオ尿素、混合アルキルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジラウリルチオ尿素等のチオ尿素類;ジメチル・ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチル・ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ブチル・カルバミン酸ナトリウム、ジメチル・ジチオカルバミン酸鉛、ジアミル・ジチオカルバミン酸鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジーn−ブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジル・ジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレン・ジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチル・ジチオカルバミン酸セレン、ジエチル・ジチオカルバミン酸セレン、ジエチル・ジチオカルバミン酸テルル、ジエチル・ジチオカルバミン酸カドミウム、ジメチル・ジチオカルバミン酸銅、ジメチル・ジチオカルバミン酸鉄、ジメチル・ジチオカルバミン酸ビスマス、ジメチル・ジチオカルバミン酸ピペリジン、メチルペンタメチレン・ジチオカルバミン酸ピペコリン、活性化ジチオカルバメート等のジチオカルバミン酸塩類;テトラメチルチウラム・モノスルフィド、テトラメチルチウラム・ジスルフィド、活性テトラメチルチウラム・ジスルフィド、テトラエチルチウラム・ジスルフィド、テトラブチルチウラム・ジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラム・ジスルフィド、ジペンタメチレンチウラム・ジスルフィド、ジペンタメチレンチウラム・テトラスルフィド、混合アルキル・チウラム・ジスルフィド等のチウラム類;イソプロピル・キサントゲン酸ナトリウム、イソプロピル・キサントゲン酸亜鉛、ブチル・キサントゲン酸亜鉛等のザンテート類;4,4’−ジチオジモルホリン、アミノジアルキルジチオホスフェート、亜鉛−o,o−n−ブチル・ホスホロジチオエート、3−メルカプトイミダゾリン−チオン−2、チオグリコール酸エステル等が挙げられる。これらの加硫促進剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
有機過酸化物としては、例えば1,1−ジ第三ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ第三ブチルパーオキサイド、第三ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルパーオキシ)ヘキサン)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス(第三ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、第三ブチルパーオキシ−イソプロピルカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート、ジプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、ジ(メトキシイソプロピル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、第三ヘキシルパーオキシネオヘキサネート、ジ(3−メチル−3−メチロキシブチル)パーオキシジカーボネート、第三ブチルパーオキシネオデカネート、第三ヘキシルパーオキシネオデカネート、第三ブチルパーオキシネオヘキサネート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、第三ヘキシルパーキシピバレート、第三ブチルパーヘキシピバレート、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クミルパーオキシオクテート、アセチルパーオキサイド、第三ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサネート)、ベンゾイルパーオキサイド、第三ブチルパーオキシイソイソブチレート、1,1−ビス(第三ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、第三ブチルパーオキシマレイックアシッド、第三ブチルパーオキシラウレート、第三ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサネート、シクロヘキサノンパーオキサイド、第三ブチルパーオキシアリルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,2−ビス(第三ブチルパーオキシ)オクタン、第三ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(第三ブチルパーオキシ)ブタン、第三ブチルパーオキシベンゾエート、ブチル−4,4−ビス(第三ブチルパーオキシ)バレレート、ジ第三ブチルジパーオキシイソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、α,α’−ビス(第三ブチルパーオキシーmーイソプロピル)シクロヘキサン、ジイソプロピルベンゼン−ヒドロパーオキサイド、pーメンタンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、第三ブチルヒドロパーオキサイド等が挙げられる。これらの有機過酸化物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、加硫・架橋剤として有機過酸化物を使用する場合には、共架橋剤を併用することもできる。共架橋剤としては、例えば硫黄、pーキノンジオキシム、p−ベンゾキノンジオキシム、p,p’ージベンゾイルキノンジオキシム、NーメチルーN’ー4ージニトロソアニリン、N,N−m−フェニレンビスマレイミド、ジペンタメチレンチウラムペンタスルフィド、ジニトロソベンゼン、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアジンチオール、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメトロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジアリルメラミン、ジビニルアジペート、ビニルブチラート、ビニルステアレート、液状ポリブタジエンゴム、液状ポリイソプレンゴム、液状スチレンーブタジエンゴム、液状アクリロニトリルーブタジエンゴム、(メタ)アクリル酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸カルシウム、(メタ)アクリル酸アルミニウム、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸第一錫、(メタ)アクリル酸マグネシウム等が挙げられる。これらの共架橋剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
キノイド加硫剤としては、例えばp−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロベンゼン等が挙げられる。これらのキノイド加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。樹脂加硫剤としては、例えばアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、メラミンーホルムアルデヒド縮合物、トリアジン−ホルムアルデヒド縮合物、オクチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノール・スルフィド樹脂、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。金属酸化物加硫剤としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、一酸化鉛等が挙げられる。これらの金属酸化物加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
含硫黄有機加硫剤としては、例えばモルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、N、N’−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、チウラムポリスルフィド、2ー(4’ーモルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。これらの含硫黄有機加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
ポリアミン系加硫剤としては、例えばヘキサメチレンジアミンカルバメ−ト、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレン・テトラミン、テトラエチレン・ペンタミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)カルバメ−ト、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、アンモニウムベンゾエ−ト等が挙げられる。これらのポリアミン系加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。トリアジン系加硫剤としては、例えば2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらのトリアジン系加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
ポリオ−ル加硫剤としては、例えばビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAF、ハイドロキノン、ペンタエリトリト−ル等が挙げられる。これらのポリオール系加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。金属石けん加硫剤としては、例えばステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム等が挙げられる。これらの金属石けん加硫剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。マレイミド系加硫剤としては、例えばN,N’−m−フェニレンジマレイミド等が挙げられる。
ヒドロシリル化反応用架橋剤としては、一分子中に平均2個以上のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンである。該オルガノポリシロキサンの分子構造は特に限定されないが、例えば、直鎖状、分岐状、環状、または三次元網状構造の樹脂状物のいずれでもよい。ケイ素原子に結合している有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示され、好ましくは、メチル基である。
このようなオルガノポリシロキサンとしては、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、およびこれらのオルガノポリシロキサンの2種以上の混合物が例示される。
ヒドロシリル化反応を促進させるためのヒドロシリル化反応用触媒としては、白金系触媒、ロジウム系触媒、イリジウム系触媒、パラジウム系触媒、ルテニウム系触媒が例示され、好ましくは、白金系触媒である。具体的には、白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、四塩化白金 、アルコール変性塩化白金酸、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のカルボニル錯体、これらの白金系触媒を含むメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂等の熱可塑性有機樹脂粉末等の白金系触媒である
本発明のゴム組成物は、上記成分の所定量を、密閉式ミキサー(バンバリーミキサー、ニーダーなど)、2軸押出し機、オープンロールによって混練りすることにより得ることができる。
成形工程では、プレス加硫、インジェクション加硫、UHF加硫、UV加硫、HAV加硫、電子線加硫等によって所望の形状に成形可能である。
また、本発明をさらに好ましいものとするために、成形品の表面を粗面化することができる。
これは、成形品の表面積を増やすことと、光触媒(B)、蓄光剤(C)が成形品の表面により多く存在することが期待されることによる。粗面化には例えば、レーザー処理、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、ショットブラスト処理、クロム酸処理、アルカリ処理、UV処理などを挙げることができる。
次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
表1に示したように、ゴム成分(A)として、KCCシリコーン株式会社製のシリコーンゴム「SF3900P」を用い、光触媒(B)として、石原産業株式会社製の酸化チタン「ST−31」、蓄光剤(C)として、根本特殊化学株式会社製の「Sr4Al14O25:Eu,Dy:ルミノーバG−300M」を用い、蛍光剤(D)として、BASF Japan Ltd製のルモゲンF Red 300を用い、その他の成分として、ワッカー株式会社製のシリカ「HDK−H15」、シランカップリング剤としてGE・東芝シリコーン株式会社製の「TSL8370」、これらを順次、ニーダーに投入混練りした。混練り後、排出し、ロールで加硫剤として、GE東芝シリコーン株式会社製の有機過酸化物「TC−8」を添加し均一に混練した。加硫シート成形用にシート出ししたものを、170℃、10分加硫プレス成形し、正方シート160mm×160mm×2mm及び160mm×160mm×0.05mmを得た。
これらのシートについて、抗菌性試験、消臭試験を実施した。結果を表2に示した。なお、各試験は次に記す方法で行った。
・紫外線ランプ使用による抗菌性試験:成形品(50×50×2mm)を試料として、これを温水及びエタノールにて洗浄した。その上に大腸菌の菌液1mlを滴下して、37℃で24時間培養した。その後滅菌済みリン酸緩衝液にて菌を洗い出した。この洗い出した試験液中の生菌数を、菌数測定用培地を用いて混釈手板法にて測定した。培養条件は37℃,24時間であった。 抗菌性試験は大腸菌の菌数を1.0×106個/mlについて実施した。紫外線照射条件としては、5時間実施した直後及びこれを暗所にて6時間静置した後の大腸菌の残存率を求めた。これらの結果を表2に示した。
・消臭試験:アンモニア消臭率:1リットルのテドラーバッグに成形品(50×50×2mm)を試料として入れ、次いで220ppm(初期ガス濃度)のアンモニアガスを500ml入れて密閉し、5時間紫外線照射後及びこれを暗所にて6時間静置した後、北川式ガス検知管で残留ガス濃度を測定した。なお、アンモニア消臭率(%)は次の方法で求めた。
アンモニア消臭率(%)={(初期ガス濃度−残留ガス濃度)/初期ガス濃度}×100
表1に示したようにKCCシリコーン株式会社製のシリコーンゴム「SF3900P」とJSR株式会社製のEPDM「EP43」を併用した他は、実施例1と同様にしてシートを作製し、同様の試験を行った。
表1に示したように、ゴム成分(A)として、GE・東芝シリコーン株式会社製のシリコーンゴム「TSE221−3U」、その他の成分として、東ソーシリカ株式会社製のシリカ「ニップシールLP」を用いた他は、実施例1と同様にしてシートを作製し、同様の試験を行った。
実施例1で得られたシート表面を低温プラズマ処理したものについて同様の試験を行った。
〔比較例1〕
実施例1の蓄光剤(C)を添加しない他は、実施例1と同様にしてシートを作製し、同様の試験を行った。
〔比較例2〕
実施例1の光触媒(B)を添加しない他は、実施例1と同様にしてシートを作製し、同様の試験を行った。
上記の試験の結果(表2)より,本発明の実施例は,光照射時及び暗所のいずれも,優れた抗菌性能、脱臭性を発揮した。一方,蓄光剤を添加しなかった比較例1は,光照射時には,実施例と同等の抗抗菌性、脱臭性を発揮した。しかし,暗所においては,抗菌性能が全く発揮されなかった。また比較例2は、光触媒がないため、全く抗菌性能、脱臭性能はなかった。
以上の結果より,光照射時及び暗所においても,優れた抗菌作用、脱臭作用を長期に亘って発揮することがわかる。
本発明の成形品は、夜間,暗所においても優れた抗菌、脱臭、防汚、浄水、空気浄化を半永久的に付与することができる。不特定多数が触れる用途で懸念された問題点が解消される。また、蛍光色を発するため目印としても有効であり安全性の点においてもその効果は極めて大きい。
Figure 2009040941
Figure 2009040941

Claims (10)

  1. ゴム成分(A)、光触媒(B)、蓄光剤(C)を含むゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品。
  2. ゴム成分(A)100重量部、光触媒(B)0.1重量部〜50重量部、蓄光剤(C)0.1重量部〜50重量部を含む請求項1記載のゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品。
  3. ゴム成分(A)が、シリコーンゴム単独、あるいはシリコーンゴム/エチレン−プロピレン(ジエン)ゴムのブレンド比率(体積比)=99/1〜20/80からなる請求項1〜請求項2いずれかに記載のゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品。
  4. 光触媒(B)が、酸化チタン、酸化亜鉛の少なくとも一種であり、その粒子径が0.1μm以下である請求項1〜請求項3いずれかに記載のゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品。
  5. 蓄光剤(C)が、ストロンチウムアルミネ−ト系である請求項1〜請求項4いずれかに記載のゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品。
  6. 蓄光剤(C)が、Euドープドストロンチウムアルミネート,Eu・Dyドープドストロンチウムアルミネート及びEu・Ndドープドカルシウムアルミネートの少なくとも一種である請求項1〜請求項5いずれかに記載のゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品。
  7. 蛍光剤(D)を含有してなる請求項1〜請求項6いずれかに記載のゴム組成物及び該ゴム組成物を含む成形品。
  8. 成形品の表面をレーザー処理、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、ショットブラスト処理のいずれかの処理をしてなる成形品。
  9. 成形品が、フィルムシート、板状体、ブロック体、箱体、球体、角錐体、円錐体、またはその組み合わせ等任意の3次元形状を構成するもの。
  10. 成形品が、玩具、ネックレス、ペンダントなどの装飾品、眼鏡、タイル、レンガ、洗面台、衛生陶器、バス、流し台、てすり、ドアノブ、などの住宅用品の部材、テレビ、電話機、エアコン室内機、パソコン、カメラ、ビデオカメラ、コピー機、洗濯機、除湿器、電気ポット、掃除機、照明器具などの電子・電気製品の部材、ダッシュボード、ハンドル、レバーなどの自動車用内装部材、エスカレーターの手摺、電車及びバスの吊り輪・握り棒及びこれらの部材の一部あるいは全体のカバー材。
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