(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
<全体構成>
スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄(「7」、「リプレイ」、「俵」等:図示省略)が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。
なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部のあいだを、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
告知ランプ121は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(例えば、ボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。スタートランプ122は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ123は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要)を遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。リールパネルランプ125は、演出用のランプである。
貯留枚数表示器126は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。表示器127は、各種の内部情報を数値で表示するための表示器である(例えば、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BB遊技中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示する)。払出枚数表示器128は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもでき、投入とは両者を含む意味である。
精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口134に所望するメダル枚数を投入するか、メダル投入ボタン130、131を操作して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110〜112が回転を開始し、遊技が開始される。ストップボタンユニット136には、ストップボタン137、138、139が設けられている。ストップボタン137、138、139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチである。なお、各ストップボタン137、138、139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137、138、139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
ドアキー140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施形態では発光可能な受皿を採用しており、以下受け皿ランプ156と呼ぶこともある。
音孔160はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ156は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。タイトルパネル162はそのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルである。
液晶表示装置(LCD)157は、遊技に関する各種の情報を表示することができる(例えば、ゲームを盛り上げるためのキャラクター等を登場させたり、リーチ目等を表示させたり、スロットマシンの内部で異常が発生したときのエラーの内容を表示させたりする)。もちろん、液晶表示装置157のかわりに、複数のLEDを2次元に配置したドットマトリックス式表示装置等、他の表示手段を用いてもよい。
扉装置163は、液晶表示装置157の左右それぞれに設けられた1対の扉であり、液晶表示装置157の演出に合わせて、扉を開閉させて、演出を行うようになっている。
<本体内部構造>
次に、図2を参照してスロットマシン100の筐体内部の構成を、制御部を中心に説明する。ここで、図2は、前面扉102を開いた状態におけるスロットマシン100の外観斜視図である。
本体102の内部における背面上部(リール110〜112を支持するリールユニット上方となる部位)には、主制御基板210が配設されている。主制御基板210はスロットマシン100の主要部分の制御(遊技の進行に関する制御)を行う制御基板である。また、本体101の側面上部には、副制御基板220が配設されている。副制御基板220は、スロットマシン100の主要部分以外の補助的部分の制御(演出に関する制御)を行う制御基板である。また、前面扉102の背面上方(LCD157が配置されている位置後方)には、表示制御基板230が配設されている。表示制御基板230は、主としてLCD157を制御する制御基板である。
ここで、本実施形態の副制御基板220と表示制御基板230は、可撓性を有するフレキシブル基板240を介して接続されている。詳しくは、副制御基板220、表示制御基板230、及びフレキシブル基板240は、リジッド基板とフレキシブル基板を一体化したフレックスリジッド基板250により構成されている。
<フレックスリジッド基板>
次に、図3を参照して、本実施形態に係るフレックスリジッド基板250について説明する。図3(a)は、フレックスリジッド基板250の断面構成図である。フレックスリジッド基板250は、硬質材料からなり不撓性を有するリジッド部分251(図2においては、副制御基板220及び表示制御基板230が相当する)と、可撓性を有するフレキシブル部分252(図2においては、フレックス基板240が相当する)からなる。一例としては、フレキシブル部分252は、ポリイミドフィルム261(25〜50μm)の層をベースに上下に銅箔262(9〜35μm)の層が形成され、さらに各銅箔261の外側に柔軟性絶縁性材料のカバーレイフィルム263(ポリイミドフィルム;25〜50μm)で被覆されている。よって、絶縁体として柔軟性のある基体(ポリイミドフィルム261)と、導電体(銅箔262)と、絶縁性の保護膜体(カバーレイフィルム263)とで、構成されており、本実施形態では、複数の導電体層で回路配線を構成(両面フレキシブル基板)としている。また、リジッド部分251は、上述したフレキシブル部分252の層の外側にさらに、エポキシ系のボンディングシート264(35〜60μm)、FR−4等の基材265、及びオーバーコート266(ソルダレジスト;25〜50μm)がそれぞれ積層されている。よって、フレキシブル部分252の層の外側に、絶縁体として柔軟性のない基体(ボンディングシート264およびFR−4等の基材265)と、絶縁性の保護膜体(オーバーコート266)と、で構成されており、本実施形態では、複数の導電体層で回路配線を構成(4層リジッド基板)としている。本実施形態では、リジッド部分251は、副制御基板220及び表示制御基板230となっているので、リジッド部分251には、各種電子デバイス(CPU、RAM、ROMなど)が搭載されている。なお、本実施形態では、フレキシブル部分252は両面フレキシブル基板としたが、片面フレキシブル基板や、多層フレキシブル基板としてもよい。さらに、リジッド部分251は4層リジッド基板としたが、フレキシブル部分252と同様の構成としてもよいし、4層よりさらに多い多層リジッド基板としてもよい。また、各層の材質も上述したものに限定されず、フレックスリジッド基板を構成するのであれば、他の材質でもよいのは勿論である。
図3(b)は、従来と本実施形態の制御基板間の相違を示す図である。従来においては、リジッド部分(所定の制御基板)とリジッド部分(所定の制御基板)の間は、フレキシブル部分としてのハーネスを介してコネクタで接続されていた。それゆえに、制御基板間を結ぶハーネスに不正な部品を取り付けるという不正行為が横行していた。これは、上述したように、予め不正な部品を取り付けたハーネスを正規のものと交換、すなわち、制御基板に接続するコネクタを挿抜して、不正行為を働くものである。また、コネクタ内部に不正な部品を取り付けるという不正行為も可能であった。このように、基板接続用のコネクタを有する構成では、コネクタに対する不正行為が行われる可能性が存在する。
これに対して、本実施形態では、リジッド部分とフレキシブル部分を一体化し、コネクタレスの構成を採用しているため、コネクタに対する不正行為は不可能である。すなわち、本実施形態では、制御基板に接続するコネクタを挿抜して、不正な部品を取り付けたハーネスに取り換える不正行為や、コネクタ内部に不正な部品を取り付けるという不正行為を行うことができないので、制御基板間における不正行為を確実に防止することができる。
また、別の効果としては、コネクタレスの構成を採用するため、コネクタ接続工程を削減でき、制御基板の軽量化及び小型化を実現することができる。この結果、スロットマシン100の基板点数や部品点数を削減することができ、組み立て労力を軽減することができる。
なお、フレックスリジッド基板の構成は、図3に示す構成に限定されず、硬質材料からなり不撓性を有するリジッド部分251と可撓性を有するフレキシブル部分252を備える基板を具備するものであれば、いかなる構成であってもよい。例えば、図4に示すようなフレックスリジッド基板250Aでもよい。フレックスリジッド基板250Aにおいては、フレキシブル部分252は、ポリイミドフィルム261の層の下方に銅箔262の層が形成され、ポリイミドフィルム261の層の上方及び銅箔262の層の下方にカバーレイ263がそれぞれ形成されている。よって、絶縁体として柔軟性のある基体(ポリイミドフィルム261)と、導電体(銅箔262)と、絶縁性の保護膜体(カバーレイフィルム263)とで、構成されており、本実施形態では、単数の導電体層で回路配線を構成(片面フレキシブル基板)としている。また、リジッド部分251は、上述したフレキシブル部分252の層の上方にさらに、基材(FR−4等)265、銅箔262、及びソルダレジスト266の各層がそれぞれ形成されている。よって、フレキシブル部分252の上方に、絶縁体として柔軟性のない基体(FR−4等265)と、導電体(銅箔262)と、基板を保護・絶縁する保護体(ソルダレジスト266)と、で構成されており、本実施形態では、複数の導電体層で回路配線を構成(2層リジッド基板)としている。このように、基材265が銅箔262間に形成されるようにしてもよい。なお、図4に示すフレックスリジッド基板250Aにおいて、フレキシブル部分252の右側にさらにリジッド部分251を設けてよいのは勿論である(図3(a)に示すように、リジッド部分251間にフレキシブル部252を設ける)。
また、リジッド部分251とフレキシブル部分252が物理的に一体化されている基板であれば、フレックスリジッド基板でなくてもよく、例えば、図5に示すような折り曲げ可能なセミフレックス基板250Bを用いてもよい。セミフレックス基板250Bは、通常のリジッド部分251(リジッド基板)の一部を高精度ルータで削って、折り曲げ可能なフレキシブル部分252を形成するものである。よって、フレキシブル部分252およびリジッド部分251は、絶縁体として柔軟性のない基体(FR−4等265)と、導電体(銅箔261)と、で構成され、フレキシブル部分252とリジッド部分251とでは、基体の厚みを異ならせている(フレキシブル部分252折り曲げ可能程度に薄い)。さらに、リジッド部分251は両面に導電体(銅箔262)を備えるようにし、複数の導電体層で回路配線を構成(両面リジット基板)している。図示はしないが、フレキシブル部分252およびリジッド部分251は、さらに最表面に絶縁性の保護膜体(カバーレイフィルム263)を備える構成としてもよい。
このように本実施形態のスロットマシン100の副制御基板220及び表示制御基板230(副制御基板220と表示制御基板230の間も含む)は、リジッド部分251とフレキシブル部分252が物理的に一体化されている基板で形成され、かつ、リジッド部分251に各制御基板を機能させる電子デバイスが搭載されているならば、いかなる構成を採用してもよい。
なお、本実施形態では、フレックスリジッド基板を副制御基板220及び表示制御基板230に適用したが、勿論、従来はコネクタ付ハーネスを介して接続されていた基板間に適用してもよく、副制御基板220と表示制御基板230の間に中継基板を介在させて副制御基板220と中継基板とがコネクタ付ハーネスを介して接続され、中継基板と表示制御基板230がコネクタ付ハーネスを介して接続されている場合は、副制御基板220と中継基板に適用があってもよいし、中継基板と表示制御基板230に適用があってもよい。さらに、電子デバイスとしてランプが実装されている基板であってもよく、例えば、副制御基板220とバックライトを配設したバックライト基板に適用してもよいし、副制御基板220と扉周辺に設けられた扉中継基板などに適用してもよい。また、主制御基板210と副制御基板220の間に中継基板を介在させて主制御基板210と中継基板とがコネクタ付ハーネスを介して接続され、中継基板と副制御基板220とがコネクタ付ハーネスを介して接続されている場合は、主制御基板210と中継基板に適用があってもよいし、中継基板と副制御基板220に適用があってもよい。また、主制御基板210と副制御基板220の間に中継基板を介在させないで主制御基板210と副制御基板220とがコネクタ付ハーネスを介して接続されている場合は、主制御基板210と副制御基板220に適用があってもよい。
<制御部>
次に、図6を参照してスロットマシン100の制御部の機能構成について説明する。本実施形態における制御部は、遊技の中枢部分の制御、すなわち、スロットマシン100の遊技進行に関する処理を実行する主制御部300(具体的には、上述した主制御基板210により実装されている)と、主制御部300より送信された信号(制御コマンド)に応じて各種機器を制御する副制御部400(具体的には、上述した副制御基板220により実装されている)と、副制御部400から送信された信号に応じてLCD157及び扉装置163を制御する表示制御部500(具体的には、上述した表示制御基板230により実装されている)と、から構成されている。副制御部400と表示制御部500とは、演出に関する処理を実行する。尚、制御部の構成は、これに限定されることはなく、例えば、主制御部300と副制御部400をひとつにしても何ら問題ない。
主制御部300のマイクロプロセッサ(以下、MainCPUと称す)310は、スロットマシン100における制御の中枢となるものであり、バス370を介して、周辺部との間で制御信号やデータの受渡しが行われる。
乱数発生器311は、内部抽選等に用いられる乱数を発生するもので、複数のカウンタ、クロック発振器、分周器及びラッチ回路等で構成される。乱数発生器311が発生した乱数値は、バス370を介して、RAM313の乱数記憶領域に記憶され、必要に応じてMainCPU310へ送られる。
MainCPU310には、入力インターフェース360およびバス370を介して、メダル投入口134より投入されたメダルを検知するメダルセンサ321、スタートレバー135の操作を検知するスタートレバーセンサ322、ストップボタンユニット136のいずれかのストップボタンが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するストップボタンセンサ323、メダル投入ボタン130及び131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するメダル投入ボタンセンサ324、精算ボタン132の操作を検知する精算ボタンセンサ325、払い出されるメダルを検知するメダル払い出しセンサ326、インデックスセンサ327、及びリセットスイッチ328が接続されている。インデックスセンサ327は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ327を通過するたびにHレベルになる。MainCPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。リセットスイッチセンサ328は、RAM313に記憶されている情報を初期化するためのリセットスイッチ(主制御部リセットスイッチ)の操作を検知するセンサである。
ROM312は、各種制御を行うためのプログラムや、後述する各種テーブルデータ等を記憶している。RAM313は、MainCPU310によって処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する。
また、リール110〜112の回転と停止を行うモータを制御するモータ駆動部330、及び、メダル払出装置(図示せず)を制御するホッパー駆動部331が、出力インターフェース350及びバス370を介してMainCPU310に接続されている。
遊技ランプ340は、具体的には、入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ121、スタートランプ122、再遊技ランプ123、メダル投入ランプ124、ストップボタンユニット136のストップボタン137〜139に内蔵されているランプ等であり、出力インターフェース350およびバス370を介してMainCPU310に接続されており、MainCPU310の指示に従って、点灯/点滅/消灯する。また、7セグメント表示器341は、具体的には、貯留枚数表示器126、表示器127、払出枚数表示器128等であり、出力インターフェース350およびバス370を介してMainCPU310に接続されており、MainCPU310の指示に従って、表示を行う。
また、出力インターフェース350は、MainCPU310の指示に基づき、各種のコマンドを副制御部400の入力インターフェース430へ送信する。コマンドには、例えば、メダルが投入されたことを示すコマンド、スタートレバーが操作されたことを示すコマンド、押されたストップボタンを示すコマンド、バックライト、上部ランプ、音声出力、LCD等による演出の内容を規定したコマンド等がある。
副制御部400のマイクロプロセッサ(以下、SubCPUと称す)410は、主制御部300から送信された各種コマンドを入力インターフェース430およびバス470を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じて副制御部400全体を制御する。
ROM411は、副制御部400全体を制御するためのプログラムやデータ等を記憶している。RAM412は、SubCPU410で処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する。 リセットスイッチ413は、RAM412に記憶されている情報を初期化するためのリセットスイッチ(副制御部リセットスイッチ)の操作を検知するセンサである。
演出用発光表示部421は、具体的には、リールの絵柄を照らすバックライト、上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、受皿ランプ156等の遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、出力インターフェース420及びバス470を介してSubCPU410と接続されており、SubCPU410の指示に従って、点灯/点滅/消灯する。
楽音信号形成部460は、SubCPU410から受け渡された制御信号やデータに基づいて、楽音信号を形成して出力する。この楽音信号は、アンプ461で増幅された後、スピーカ462から音として出力される。
出力インターフェース450は、SubCPU410の指示に基づき、各種制御データを表示制御部500へ送信する。表示制御部500は、制御データに基づき、LCD157及び扉装置163を制御する。本実施形態では、図6に示すように、副制御部400及び表示制御部500をフレックスリジッド基板250で実装する。
<遊技の基本的制御>
図7は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示す主制御部メイン処理のフローチャートである。遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図のステップS102からS109の処理を繰り返し実行する。
ステップS101では、電源投入が行われると、まず、各種の初期化処理が行われる。
ステップS102では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。
ステップS103では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定する。また、副制御部400に対してスタートレバー受付コマンドを送信する。副制御部400は、このスタートレバー受付コマンドを受信することによって遊技の開始を把握する。
ステップS104では、有効な入賞ラインを確定する。
ステップS105では、乱数発生器311で発生させた乱数を取得する。
ステップS106では、ステップS105で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルの抽選データを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグが内部的にONになる。また、副制御部400に対して内部当選結果コマンドを送信する。例えば、再遊技当選、BB(ビッグボーナス)当選、小役1当選、小役2当選、小役3当選などの内部当選結果コマンドを送信する。副制御部400は、この内部当選結果コマンドを受信することによって内部抽選の結果を把握する。また、このステップS106では、内部抽選結果等に基づき、リール停止制御データを選択する。
ステップS107では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS108では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能となり、リール制御処理により、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。この際、各リール110〜112を、ステップS106で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。また、このステップS108では、副制御部400に対して停止位置図柄コマンドを送信する。副制御部400は、この停止位置図柄コマンドを受信することによって、各リール110〜112が、どの図柄位置で停止しているかを把握する。
ステップS109では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効ライン上に、内部当選した入賞役またはフラグ持越し中の入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効ライン上に、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が揃っていたならば再遊技入賞と判定する。また、ステップS109では、副制御部400に対して判定結果コマンドを送信する。例えば、本実施形態においては、BB入賞、再遊技入賞、小役1入賞などの判定結果コマンドを送信する。副制御部400は、この判定結果コマンドを受信することによって入賞の結果を把握する。
ステップS110では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出し(配当)のある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS111では、遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞の場合に次回からBB遊技を開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。また、ステップS111では、副制御部400に対して現在の遊技状態を示す状態コマンドを送信する。副制御部400は、この状態コマンドを受信することによって現在の遊技状態を把握する。
以上により1遊技が終了し、以降、ステップS102〜S111を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
以上述べたように、本実施形態のスロットマシン100によれば、硬質材料からなり不撓性を有するリジッド部分と可撓性を有するフレキシブル部分を一体化して形成したフレックスリジッド基板250を制御基板に適用しているため、制御基板間をコネクタレスの構成とすることができる。このため、制御基板間に対する不正行為を防止することができる。すなわち、従来、横行していた制御基板に接続するコネクタを挿抜して、不正な部品を取り付けたハーネスに取り換える不正行為や、コネクタ内部に不正な部品を取り付けるという不正行為を防止することができる。
また、本実施形態のスロットマシン100によれば、フレックスリジッド基板の形状の自由度が高いため、筐体内における設置場所を広範とすることができる。
さらには、本実施形態のスロットマシン100によれば、スロットマシン100の基板点数や部品点数を削減することができ、組み立て労力を軽減することができる。
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施形態に対して種々の変形や変更を施すことができる。
例えば、上記実施形態のフレックスリジッド基板では、2つのリジッド部分251の間にフッレクス部分252を設ける構成であったが、図8(a)に示すように、3つのリジッド部分251を設け、3つのリジッド部分251間それぞれにフレックス部分252を設けるようにしてもよい。勿論、リジッド部分251は4つ以上であってもよい。また、図8(a)に示すフレックスリジッド基板250Cでは、各リジッド部分251すべてに電子デバイスEDが搭載されているが、電子デバイスEDが搭載されていないリジッド部分251が存在してもよい。また、電子デバイスEDの搭載は基板の一方の面に限定されず、他方の面に搭載するようにしてもよい。
また、図8(b)に示すフレックスリジッド基板250Dに示すように、フレキシブル部252上に電子デバイスED(例えば、LEDなど)を搭載するようにしてもよい。
なお、上記実施形態のフレックスリジッド基板の各リジッド部分251をそれぞれ基板収納ケースに収納するようにしてもよい。図8(c)に示すフレックスリジッド基板250Eの各リジッド部分251は、それぞれ透明な基板収納ケース270a、270bに収納されている。このようにそれぞれのリジッド部分251を覆う基板収納ケースを設けて、セキュリティレベルを高めるようにしてもよい。ここで、基板収納ケース270a(270b)は、遊技台側に取り付けられるベース270a−1(270b−1)と、ベースに取り付けられるカバー270a−2(270b−2)とで構成され、リジッド部分251(制御基板)は、ベース及びカバーの間に形成される空間内に収納されるようになっている。なお、基板収納ケース270a及び270bは、同一の構成でも、異なる構成でもよい。例えば、リジッド部分251の制御基板の重要性に応じて、セキュリティレベルが異なる場合には、一方の基板収納ケース270aは封印構造(例えば、かしめ部材により基板収納ケースのベースとカバーを封印するような構造)を採用し、他方の基板収納ケースは封印構造を採用しないようにしてもよい。例えば、制御基板に取り付けられたROM等の記憶装置が他の記憶装置に交換されてしまうことで遊技の公平性を害するおそれがあるからであるので、制御基板に設けた電子デバイスの重要性が高いものは、少なくとも基板収納ケースの一部を破壊しないと基板収納ケース自体を開封することができない構造とすることが好ましい。また、2つのリジッド部分251のうち、一方だけを基板収納ケースに収納するようにしてもよい。なお、基板収納ケースの開口部、すなわちフレキシブル部分252が挿入される部分は、異物等を挿入されないように、例えば、ゴム部材などの密着性を有する部材により、開口部周縁を覆い、開口部に対する不正行為を防止する構成を採用してもよい。
なお、上記実施形態及び図8に示す変形例においては、リジッド部分251を複数備え、複数のリジッド部分251の間にフレキシブル部分252を備える構成としたが、1つのリジッド部分251と1つのフレキシブル部分252を備えたフレックスリジッド基板としてもよい。この場合には、フレキシブル部分252を屈曲した部位に用いるため、リジッド部分251に重要な電子デバイス(ROM、CPUなど)を設け、かつ、この重要な電子デバイスを設けたリジッド部分251を封印構造(例えば、かしめ部材により封印され、破壊しないと開封することができない構造)を有する基板収納ケースで収容するようにしてもよい。重要な電子デバイスを基板収納ケース内に収容することにより、不正行為を防止することができる。
また、図8(c)に示すように、各リジッド部分251を覆う基板収納ケースをそれぞれ設けるのではなく、リジッドフレキ基板全体(リジッド部分251及びフレキシブル部分252のすべて)を1つの基板収納ケースで収納するようにしてもよい。図9はリジッドフレキ基板全体を1つの基板収納ケースで収納する場合の一例としてのリジッドフレキ基板及び基板収納ケースの構成を示している。図9(a)はリジッドフレキ基板を基板収納ケースに収納する前の状態、図9(b)はリジッドフレキ基板を基板収納ケースに収納した後の状態の外観斜視図である。
基板収納ケース280のベース271及びカバー272は、透明なL字状の樹脂ケースで形成され、リジッドフレキ基板250はL字状に折り曲げられた状態で、基板収納ケース280の内部空間に収容される。そのため、基板収納ケース280の外側からリジッドフレキ基板250に設けられた電子デバイスEDを視認可能である。また、基板収納ケース280においては、L字状のカバー272の一面、すなわち、電子デバイスEDが搭載されたリジッド部分251側のカバー272上には、かしめ部材により封印可能なかしめ部273が複数設置されている。
図10は、内部空間にリジッドフレキ基板250(制御基板)を収納した基板収納ケース280の設置場所の一例を示す図である。図10(a)は、本体101の背面と側面が形成するL字状の角に合わせて、基板収納ケース280を設置した場合を示している。すなわち、基板収納ケース280のL字状の二面(詳しくは、ベース271のリジッドフレキ基板250を収容しない側、つまり外側に形成されたL字状の二面)は、それぞれ本体101の背面及び側面に当接して固定されている。図10(a)の場合には、カバー272を介して、前方(A方向)及び右側方(B方向)から、リジッドフレキ基板250(制御基板)を視認することが可能である。
一方、図10(b)は、基板収納ケース280のL字状の一方の面(詳しくは、ベース271においてリジッドフレキ基板250を収容しない側、つまりベース271の外側に形成されたL字状の二面のうちの一面)を本体101の背面に当接して固定した場合を示している(基板収納ケース280のL字状の他方の面(詳しくは、ベース271の外側に形成されたL字状の二面のうちの他面、つまり、本体101の背面に当接して固定された、ベース271の一面から垂直に立設された一面)を本体101の側面に当接して固定していない)。図10(b)の場合には、基板収納ケース280のL字状の他方の面は、背面に略垂直に立設した状態であるため、カバー272を介して、前方(A方向)及び右側方(B方向)から、リジッドフレキ基板250(制御基板)を視認可能であるほか、ベース271を介して、左側方(C方向)から、リジッドフレキ基板250(制御基板)を視認可能である。すなわち、図10(b)の場合には、図10(a)においては視認できなかった基板収納ケース280の裏側(ベース側)からの視認が可能となっているため、裏面から制御基板に設けられた電子デバイス(例えば、ROMなど)を確認することも可能である。
図11は、リジッドフレキ基板全体を1つの基板収納ケースで収納する場合の別の一例の構成を示している。図11に示す基板収納ケース280Aは、透明な箱体の収納ケースで形成されており、3つのリジッド部分251及び2つのフレキシブル部分252を備えるリジッドフレキ基板250Cをコ字状に折り曲げて、電子デバイスEDが搭載されていない外側の面を基板収納ケースの内面にそれぞれ当接して固定している。このような構成においては、図10(b)と同様に、リジッド部分251の何れかを本体101の背面に略垂直に立設した状態とすることで、リジッド部分251の内側の面に搭載された電子デバイスの確認も容易であるとともに、リジッド部分251の外側の面の確認も容易である。
なお、図9〜11に示す基板収納ケースは、リジッドフレキ基板全体を収納する場合として説明したが、図9〜11に示す基板収納ケースを、リジッドフレキ基板の一部を収納する基板収納ケースとしてもよい。すなわち、この場合には、リジッドフレキ基板の一部であるリジッド部分251及びフレキシブル部分252を基板収納ケースに収容し、リジッドフレキ基板の残りのリジッド部分251及びフレキシブル部分252は基板収納ケースに収納しない。
また、上記実施形態におけるリジッドフレキ基板250は、動作を伴わない場所に固定されたが、動作を伴うような場所に設置するようにしてもよい。図12は、動作を伴うような場所に設置したリジッドフレキ基板250Dを示している。リジッドフレキ基板250Dは、一のリジッド部分251(以下、固定部位に設置されたリジッド部分を251aと称する)を固定部位である本体101の側面に設置し、他のリジッド部分251(以下、動作部位に設置されたリジッド部分を251bと称する)を動作部位である前面扉102の内側に設置している。すなわち、リジッドフレキ基板250Dのリジッド部分251bは、第1の位置(前面扉102を閉じた位置)と第2の位置(前面扉102を開放した位置)との間を移動するようになっておいる。また、フレキシブル部分252上にはLEDなどの電子デバイスEDを視認可能な位置に搭載しており、リジッド部分251bが第2の位置に存在するときには、視認することができる。すなわち、前面扉102を開けた状態においては、フレキシブル部分252に搭載されたLEDの点灯/消灯(例えば、前面扉102の開閉状況を示唆する)を確認することができる。このように、リジッドフレキ基板250Dにおいては、前面扉102を開けた状態において、リジッド部分251の制御基板を視認可能とするほか、フレキシブル部分252に搭載された電子デバイスEDを視認可能としている。
図13は、動作部位に取り付けられたリジッドフレキ基板の他の例を示している。図13に示すLCD157は、駆動機構を備え、移動可能となっている。ここで、図13(a)は、LCD157及び駆動機構の構成を右側面から見た図、図13(b)は、LCD157の移動動作を示す図である。
リジッドフレキ基板250は、リジッド部分251a(副制御基板220)、リジッド部分251b(表示制御部230)、及びフレキシブル部分252(副制御基板220と表示制御部230の間)からなり、リジッド部分251bはLCD157の背面に装着されている。そのため、LCD157が移動するとリジッド部分251bもLCD157の移動に合わせて移動するようになっている。詳しくは、LCD157は、第1の位置(LCD157の表示画面が水平面に対して略平行な状態にあり、表示画面が下を向いている位置)と第2の位置(LCD157の表示画面が水平面に対して略垂直な状態にあり、LCD157の表示画面が正面に露出している位置)との間を回動可能であるため、リジッド部分251bも第1の位置と第2の位置との間を回動可能となっている。なお、第1の位置においては、水平面に対して略45度の傾斜を有しているハーフミラー158が、正面に露出しているため、LCD157からハーフミラー158に投影された画像(虚像)が遊技者に提示されることになる。この虚像は図13(a)に示すように遊技者から見ると、ハーフミラー158の背後に浮かんでいるように見え、立体的感のある、3次元的な画像となる。一方、第2の位置においては、遊技者からはハーフミラー158はLCD157の背後に隠れて見えないので、LCD157による2次元画像が遊技者に提示されることになる。
このように、上記実施形態及び上記変形例に用いられたフレックスリジッド基板は、フレックスリジッド基板の形状に自由度が高いため、動作を伴う部位にも設置が可能であり、筐体内における設置場所を広範とすることができる。
また、上記実施形態においてはメダルを用いるスロットマシンに対して本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンやパチンコ遊技機などにも適用可能である。
例えば、上記実施形態及び上記変形例で用いたフレックスリジッド基板やセミフレックス基板を「所定の遊技領域に球を発射する発射装置と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口と、入賞口に入球した球を検知する検知手段と、検知手段が球を検知した場合に球を払出す払出手段と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ遊技機」の制御基板に適用してもよい。