JP2009036079A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルコールを含む燃料を使用したときに潤滑油の燃料による希釈を的確に抑制する。
【解決手段】アルコールを含んだ燃料を使用する場合、同アルコールの低温時の揮発性の低さ、及び、エンジン出力を確保するための燃料の必要量の増量に伴う燃料噴射量増量の関係から、エンジン1の低温時にはシリンダ内壁に付着する燃料の量が増える。このため、アルコールを含まない燃料の使用時と同じように希釈抑制制御を実行したのでは、上記シリンダ内壁に付着した燃料に起因する潤滑油の燃料による希釈を抑制しきれないおそれがある。しかし、エンジン1の低温時であって且つアルコールを含む燃料の使用時には、それ以外のときに比べて希釈抑制制御による希釈の抑制がより強く行われる。このため、エンジン1の低温時であって且つアルコールを含む燃料の使用時、シリンダ内壁への燃料の付着に起因する潤滑油の同燃料による希釈が的確に抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
ガソリンを燃料として燃焼室に噴射供給する筒内噴射式の内燃機関においては、機関低温時などに燃焼室内に噴射された燃料が多量にシリンダ内壁に付着し、その燃料がピストンの往復動作時にピストンリングによってシリンダ内壁からオイルパン側にかき落とされる。その結果、内燃機関の潤滑油に上記燃料が混入し、同潤滑油がより粘度の低い燃料によって希釈されることとなる。このように潤滑油が燃料により希釈されて粘度低下を引き起こすと、その潤滑油による同機関の各所の潤滑が不十分になるおそれがある。
このため、特許文献1では、内燃機関での潤滑油の希釈度合いを推定し、その希釈度合いが許容レベル以上になったときに燃料噴射態様を前記潤滑油の燃料による希釈を抑制可能な態様に変更する希釈抑制制御が実行される。
より詳しくは、内燃機関の停止毎に、前回の機関運転が潤滑油の燃料による希釈が生じるものであったか否か、すなわち低温状態での短期間の機関運転であったか否かを判断し、肯定であれば希釈度合いカウンタを「1」だけ増加させる。一方、機関運転中に同機関の冷却水温がある程度高くなると、潤滑油に混入した燃料が蒸発して同潤滑油の燃料による希釈が低減されることから、機関運転中には所定タイミング毎に冷却水温がある程度高くなっているか否かを判断し、肯定であれば希釈度合いカウンタを「1」だけ減少させる。この希釈度合いカウンタは、内燃機関における潤滑油の燃料による希釈度合いを示す値となる。このため、同希釈度合いカウンタが予め定められた基準値以上になることに基づき上記希釈度合いが許容レベル以上である旨判断され、潤滑油の燃料による希釈を抑制すべく上記希釈抑制制御が実行される。
以上のように、希釈抑制制御を実行することにより、低温状態での短時間の機関運転が繰り返されて潤滑油の燃料による許容レベル以上の希釈が生じたとしても、その希釈は上記希釈抑制制御を通じて抑制される。
特開2003−322044公報(段落[0013]、[0070]、[0071]、[0074]、[0075])
ところで、近年はガソリンとアルコールとを混合したものを燃料として用いる筒内噴射式の内燃機関が実用化されており、こうした内燃機関では上記希釈抑制制御が実行されても潤滑油の燃料による希釈を抑制しきれないおそれがある。これは、以下の[1]及び[2]の理由によると推測される。
[1]アルコールはガソリンと比較して低温時の揮発性が低いことから、アルコールの含まれている燃料を使用すると、ガソリンのみを燃料として使用した場合と比較して機関低温時にシリンダ内壁に付着する燃料の量が増え、機関低温時における潤滑油の燃料による希釈が進みやすくなる。
[2]アルコールの含まれている燃料を使用する際には、ガソリンのみを燃料として使用した場合と比較して機関出力を確保するために必要とされる燃料噴差量が多くなり、それに応じて燃料噴射量が増加されることでシリンダ内壁に付着する燃料の量が増え、内燃機関における潤滑油の燃料による希釈が進みやすくなる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、アルコールを含む燃料を使用したときに潤滑油の燃料による希釈を的確に抑制することのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、燃料としてアルコールとガソリンとを混合したものを使用可能であり、その燃料を燃焼室に噴射供給する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、同機関における潤滑油の燃料による希釈の度合いが許容レベル以上である旨判断されたとき、同機関の燃料噴射態様を前記潤滑油の燃料による希釈を抑制可能な態様に変更する希釈抑制制御を実行する内燃機関の燃料噴射制御装置において、機関低温時であって且つアルコールを含んだ燃料の使用時には、それ以外のときに比べて、前記希釈抑制制御による前記希釈の抑制をより強く行うことを要旨とした。
アルコールを含んだ燃料を使用する場合、同アルコールの低温時の揮発性の低さ、及び、機関出力を確保するための燃料の必要量の増量に伴う燃料噴射量増量の関係から、機関低温時には内燃機関のシリンダ内壁に付着する燃料の量が増える。このため、アルコールを含まない燃料(ガソリンのみ)の使用時と同じように希釈抑制制御を実行したのでは、上記シリンダ内壁に付着した燃料に起因する潤滑油の燃料による希釈を抑制しきれないおそれがある。上記構成によれば、機関低温時であって且つアルコールを含む燃料の使用時には、それ以外のときに比べて希釈抑制制御による希釈の抑制がより強く行われるため、機関低温時であって且つアルコールを含む燃料の使用時にシリンダ内壁に付着する燃料が増えたとしても、その燃料の付着に起因する潤滑油の燃料による希釈を上記希釈抑制制御を通じて的確に抑制することができる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、機関低温時でないときには、アルコールを含まない燃料の使用時に対応した強さで前記希釈抑制制御が行われ、機関低温時にあって且つアルコールを含んだ燃料が使用されていないときには、その状況に対応した強さでの前記希釈抑制制御が行われ、機関低温時であって且つアルコールを含んだ燃料の使用されているときには、機関低温時でないとき、及び機関低温時であって且つアルコールを含んだ燃料が使用されていないときに比べて、前記希釈抑制制御がより強く行われることを要旨とした。
アルコールに関しては、低温時の揮発性は低いものの、ある程度高温になると揮発性が急に高くなる性質を有する。このため、機関低温時でないときには、アルコールを含む燃料の使用に伴い機関出力の確保のために燃料噴射量が増量されてシリンダ内壁に付着する燃料が増えたとしても、その燃料はアルコールの揮発のし易さに起因して速やかに蒸発し、潤滑油の燃料による希釈が進みやすくなることはない。このような状況下では、アルコールを含まない燃料の使用時に対応した強さで前記希釈抑制制御が行われるため、その希釈抑制制御が過剰な強さで実行されて内燃機関の全開性能に悪影響を及ぼすことが抑制される。一方、機関低温時においては、燃料にアルコールが含まれているときには、同アルコールが含まれていないときに比べ、同アルコールの低温時の揮発性の低さ、及び、機関出力を確保するための燃料の必要量の増量に伴う燃料噴射増量の関係から、内燃機関のシリンダ内壁に付着する燃料の量が増え、それに起因して潤滑油の燃料による希釈が進みやすくなる。このような状況下では、機関低温時でないとき、及び、機関低温時であって且つアルコールを含んだ燃料が使用されていないときに比べて、希釈抑制制御がより強く行われるため、潤滑油の燃料による希釈が的確に抑制される。以上により、希釈抑制制御の実行による内燃機関の全開性能の悪化を抑制しつつ、潤滑油の燃料による希釈を的確に抑制することができるようになる。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明において、機関低温時であって且つアルコールを含む燃料が使用されているときには、燃料中のアルコール含有率に応じて、そのアルコール含有率が高くなるほど前記希釈抑制制御がより強く行われることを要旨とした。
燃料のアルコール含有率が高くなるほど、シリンダ内壁への燃料の付着が起こりやすくなり、潤滑油の燃料による希釈が生じやすくなる。一方、こうした潤滑油の燃料による希釈を抑制すべく希釈抑制制御が強く行われるほど、同制御の実行時における内燃機関の全開性能への影響も無視できなくなる。上記構成によれば、機関低温時であって且つアルコールを含む燃料が使用されているときには、燃料中のアルコール含有率が高くなるほど希釈抑制制御がより強く行われるため、同制御を通じて潤滑油の燃料による希釈を的確に抑制できるとともに、同制御による上記希釈の抑制が過剰に強く行われることが的確に抑制されるようになる。従って、希釈抑制制御の実行による内燃機関の全開性能への影響の抑制と同制御による潤滑油の燃料による希釈の抑制とを高いレベルで両立させることができる。
請求項4記載の発明では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、内燃機関の低回転高負荷での燃料噴射量の増量補正中における燃料噴射量もしくはそれに対応するパラメータを累積した値である積算値に基づき、前記潤滑油の燃料による希釈度合いを求める希釈度合い推定手段を備え、前記潤滑油の燃料による希釈の度合いが許容レベル以上である旨の判断は、その積算値が予め定められた基準値以上になることに基づき内燃機関の低回転高負荷での燃料噴射量の増量補正中に限ってなされることを要旨とした。
潤滑油の燃料による希釈は、低回転高負荷運転での燃料噴射量の増量補正時に生じるおそれがある。ここで、機関低回転時には内燃機関のピストンスピードが遅くなることから燃焼室内に生じる空気の流れが弱くなり、燃焼室に噴射供給された燃料が空気の流れにより拡散することなくシリンダ内壁に向かうため、そのシリンダ内壁に付着する燃料が多くなる。また、加速時など、機関高負荷での燃料噴射量の増量補正時には、燃焼室に噴射供給される燃料の量が増えるため、シリンダ内壁に付着する燃料も多くなる。以上により、低回転高負荷運転での燃料噴射量の増量補正時には、シリンダ内壁に付着する燃料が増え、潤滑油の燃料による希釈が生じることとなる。こうした傾向は、機関低温時であって且つアルコールを含む燃料の使用時に一層顕著なものとなる。上記構成によれば、低回転高負荷での燃料噴射量の増量補正中における燃料噴射量、もしくはそれに対応するパラメータを累積した値である積算値に基づき潤滑油の燃料による希釈度合いが推定され、その積算値が基準値以上になることに基づき内燃機関の低回転高負荷での燃料噴射量の増量補正中に限って希釈抑制制御が実行される。従って、低回転高負荷での燃料噴射量の増量補正によって潤滑油の燃料による希釈が生じる場合にも、その希釈を上記希釈抑制制御の実行によって抑制することができる。また、低回転高負荷での燃料噴射量の増量補正中以外のときには上記希釈抑制制御が実行されないため、上記希釈を抑制するうえで同制御が無駄に実行されることを抑制できる。
請求項5記載の発明では、請求項4記載の発明において、前記希釈抑制制御による前記希釈の抑制をより強く行うことは、前記基準値をより小さく設定することによって実現されることを要旨とした。
上記構成によれば、潤滑油の燃料による希釈度合いが許容レベル以上であるか否かの判断に用いられる基準値を小さくすることで、潤滑油の燃料による希釈度合いが低レベルのうちに希釈抑制制御が実行される。これにより、希釈抑制制御による上記希釈の抑制が的確により強く行われるようになる。
請求項6記載の発明では、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記内燃機関の燃料噴射は、同機関の吸気行程で行われるものであり、前記希釈抑制制御は、内燃機関の燃料噴射を吸気行程前期と吸気行程後期とに分割して行うことによって実現され、前記希釈抑制制御による前記希釈の抑制をより強く行うことは、前記吸気行程前期での燃料噴射の量を前記吸気行程後期での燃料噴射の量に対しより多くすることによって実現されることを要旨とした。
吸気行程においては、ピストンが下死点に向かうにつれてシリンダ内壁が露出してゆく。このため、吸気行程で燃焼室に燃料を噴射するに際し、その燃料噴射を吸気行程前期と吸気行程後期とに分割して行うことで、シリンダ内壁の露出が少ない状態でより多くの燃料噴射が行われる。その結果、シリンダ内壁への燃料の付着が起こりにくくなって、潤滑油の燃料による希釈が抑制される。更に、上記分割した燃料噴射においては、吸気行程前期での燃料噴射の量を前記吸気行程後期での燃料噴射の量に対し多くするほど、潤滑油の燃料による希釈が効果的に抑制される。上記構成によれば、吸気行程における燃料噴射を吸気行程前期と吸気行程後期とに分割して行い、吸気行程前期での燃料噴射の量を前記吸気行程後期での燃料噴射の量に対しより多くすることで、希釈抑制制御による上記希釈の抑制が的確により強く行われるようになる。
請求項7記載の発明では、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記内燃機関の燃料噴射は、同機関の吸気行程で行われるものであり、前記希釈抑制制御は、内燃機関の燃料噴射時期を進角させることによって実現され、前記希釈抑制制御による前記希釈の抑制をより強く行うことは、前記燃料噴射時期をより進角させることによって実現されることを要旨とした。
吸気行程においては、ピストンが下死点に向かうにつれてシリンダ内壁が露出してゆく。このため、吸気行程で燃焼室に燃料を噴射するに際しては、燃料噴射時期を進角させるほどシリンダ内壁の露出が少ない状態で燃料噴射が行われることになり、シリンダ内壁への燃料の付着が起こりにくくなって、潤滑油の燃料による希釈が抑制される。上記構成によれば、吸気行程における燃料噴射時期をより進角させることで、希釈抑制制御による上記希釈の抑制が的確により強く行われるようになる。
以下、本発明を自動車用の筒内噴射式エンジンの燃料噴射装置に具体化した一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1に示されるエンジン1においては、その燃焼室2に繋がる吸気通路3にスロットルバルブ13が開閉可能に設けられ、同バルブ13の開度に対応した量の空気が吸気通路3を介して燃焼室2に吸入される。また、エンジン1には燃焼室2に直接燃料を噴射供給する燃料噴射弁4が設けられており、燃料噴射弁4には燃料タンク9内の燃料が燃料ポンプ10の駆動により送り込まれる。なお、このエンジン1においては、上記燃料としてガソリンやアルコールなどの単一の燃料や、それらを混合した燃料が用いられる。そして、燃料噴射弁4から燃焼室2内に噴射された燃料と、吸気通路3を通じて燃焼室2内に吸入された空気とからなる混合気に対し、点火プラグ5による点火が行われると、同混合気が燃焼してピストン6が往復移動し、エンジン1の出力軸であるクランクシャフト7が回転する。また、燃焼室2にて燃焼した後の混合気は、排気として各燃焼室2から排気通路8に送り出される。
次に、本実施形態における燃料噴射制御装置の電気的構成について説明する。
この燃料噴射制御装置は、エンジン1に関する各種制御を実行する電子制御装置21を備えている。電子制御装置21は、上記制御に係る各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果等が一時記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成されている。
電子制御装置21の入力ポートには、以下に示す各種センサ等が接続されている。
・エンジン1における排気中の酸素濃度に応じた検出信号を出力する空燃比センサ17。
・燃料噴射弁4に供給される燃料の圧力を検出する燃圧センサ18。
・エンジン1の冷却水温を検出する水温センサ19。
・自動車の運転者によって踏み込み操作されるアクセルペダル27の踏み込み量(アクセル踏込量)を検出するアクセルポジションセンサ28。
・スロットルバルブ13の開度(スロットル開度)を検出するスロットルポジションセンサ30。
・吸気通路3を通じて燃焼室2に吸入される空気の量を検出するエアフローメータ32。
・クランクシャフト7の回転に対応する信号を出力し、エンジン回転速度の算出等に用いられるクランクポジションセンサ34。
・エンジン1における吸気カムシャフト11の回転位置に対応した信号を出力するカムポジションセンサ35。
電子制御装置21の出力ポートには、燃料噴射弁4、及びスロットルバルブ13の駆動回路等が接続されている。
そして、電子制御装置21は、上記各種センサから入力した検出信号に基づき、エンジン回転速度やエンジン負荷(エンジン1の1サイクル当たりに燃焼室2に吸入される空気の量)といったエンジン運転状態を把握する。なお、エンジン回転速度はクランクポジションセンサ34からの検出信号に基づき求められる。また、エンジン負荷は、アクセルポジションセンサ28、スロットルポジションセンサ30、及び、エアフローメータ32等の検出信号に基づき求められるエンジン1の吸入空気量と上記エンジン回転速度とから算出される。電子制御装置21は、上記各種センサからの検出信号に基づき把握されるエンジン運転状態に応じて、上記出力ポートに接続された各種駆動回路に指令信号を出力する。こうしてエンジン1における燃料噴射制御、及びスロットル開度制御等が電子制御装置21を通じて実施される。
スロットルバルブ13の開度は、エンジン1のスロットル開度制御を通じて、アクセル踏込量に基づき、そのアクセル踏込量が大きくなるほど開き側の開度となるよう調整される。このようにスロットルバルブ13の開度が調整されると、その開度に応じてエンジン1の吸入空気量が変化し、それに合わせて燃料噴射弁4から噴射される燃料の量が調整されるようになる。
燃料噴射弁4からの燃料噴射は、エンジン1の燃料噴射制御を通じて、吸気行程の後期に行われる。これは、吸気行程の後期には吸気通路3から燃焼室2に勢いよく空気が吸入された状態にあり、その状態で燃料噴射弁4からの燃料噴射を行うことで上記空気の流れを乱して燃料と空気とを効果的に混合することができ、混合気の燃焼状態を良好なものとすることができるためである。そして、上記エンジン1の燃料噴射制御は、エンジン回転速度及びエンジン負荷等に基づき、そのときに必要とされる燃料噴射量が指示噴射量Qとして算出され、その指示噴射量Qに対応する量の燃料が吸気行程で噴射されるよう燃料噴射弁4を駆動することによって実現される。
より詳しくは、燃圧センサ18によって検出される燃料噴射弁4に送り込まれる燃料の圧力(燃圧)に基づき、その燃圧で上記指示噴射量Qに対応する量の燃料を噴射するために必要な時間である燃料噴射時間tが算出される。また、混合気の燃焼状態を良好なものとするうえでの燃料噴射弁4からの燃料噴射の理想的な終了時期として予め実験等によって定められる噴射終了時期Tfから、上記燃料噴射時間t分だけ進角した時期を燃料噴射弁4からの燃料噴射の開始時期である噴射開始時期Tsとして設定する。そして、この噴射開始時期Tsを迎えたときに燃料噴射弁4を開弁して燃料噴射を開始し、上記燃料噴射時間tを経過した時点(噴射終了時期Tf)で燃料噴射弁4を閉弁して燃料噴射を終了する。
以上により、吸気行程の後期に指示噴射量Qに対応した量の燃料が燃料噴射弁4から噴射される。なお、エンジン1の燃料噴射制御においては、アクセル踏込量の急増時など加速要求がなされたとき、その加速要求を満たすために燃料噴射量の増量補正が行われることとなる。具体的には、アクセル踏込量の増加加速度等に応じて指示噴射量Qが大きくされ、その指示噴射量Qに対応した量の燃料が燃料噴射弁4から噴射されることにより、加速時におけるエンジン1の燃料噴射量の増量補正が行われる。
ところで、燃料噴射弁4から噴射された燃料が燃焼室2内のシリンダ内壁に多量に付着すると、その燃料がピストン6の往復動作時にピストンリングによってシリンダ内壁から潤滑油の貯められたオイルパン側にかき落とされる。その結果、エンジン1の潤滑油に上記燃料が混入し、同潤滑油がより粘度の低い燃料によって希釈されることとなる。このように潤滑油が燃料により希釈されて粘度低下を引き起こすと、その潤滑油によるエンジン1の各所の潤滑油が不十分になるおそれがある。
こうした不具合の発生を抑制するため、エンジン1での潤滑油の燃料による希釈度合いを推定し、その希釈度合いが許容レベル以上になったときに燃料噴射弁4の燃料噴射態様を上記潤滑油の燃料による希釈を抑制可能な態様に変更する希釈抑制制御が実行される。ちなみに、上記潤滑油の燃料による希釈を抑制可能な燃料噴射弁4の燃料噴射態様としては、燃料噴射時期(燃料噴射の開始時期)を上記噴射開始時期Tsよりも進角させるという燃料噴射時期進角や、燃料噴射を吸気行程前期と吸気行程後期とに分割して行う分割噴射といった態様を採用することが考えられる。こうした燃料噴射態様により希釈を抑制できる理由について図2及び図3を参照して説明する。
図2は、吸気行程において通常の燃料噴射が実行された状態を模式的に示したものである。吸気行程においては、ピストン6が下死点に向かうにつれて、すなわち図中の下方向に向かうにつれてシリンダ内壁が露出してゆく。このため、吸気行程後期にて燃料噴射弁4から燃料が噴射される通常の燃料噴射は、シリンダ内壁の露出の大きい状態で実行されることとなる。その結果、燃料噴射弁4から噴射された燃料(二点鎖線)が燃焼室2内のシリンダ内壁に多量に付着する可能性が高くなり、その付着した燃料に起因する潤滑油の燃料による希釈が生じやすくなる。
図3は、吸気行程において希釈抑制制御に基づく燃料噴射が実施された状態を模式的に示したものである。希釈抑制制御では、潤滑油の燃料による希釈を抑制可能な態様での燃料噴射、言い換えればシリンダ内壁への燃料の付着を抑制可能な態様での燃料噴射が行われる。具体的には、上述した燃料噴射進角や分割噴射を通じて、通常の燃料噴射(図2)と比較して図3に二点鎖線で示されるような吸気行程のより早期側での燃料噴射が行われる。吸気行程においては、上述したようにピストン6が下死点に向かうにつれてシリンダ内壁が露出してゆく。従って、吸気行程のより早期側での燃料噴射を行うことで、シリンダ内壁の露出が少ない状態で燃料噴射弁4からの燃料噴射が行われることになり、シリンダ内壁への燃料の付着が起こりにくくなって、潤滑油の同燃料による希釈が抑制されるようになる。
ただし、エンジン1の燃料に関係なく希釈抑制制御を実行したのでは、使用する燃料によっては希釈抑制制御による潤滑油の燃料による希釈を抑制しきれないおそれがある。これは、エンジン1の燃料として、ガソリンにアルコールを混合したものや、アルコール100%のものを使用した場合、ガソリン100%のものを使用した場合に比べて、シリンダ内壁への燃料の付着が多くなり潤滑油の燃料による希釈が生じやすくなるためである。このように燃料にアルコールが用いられる場合に潤滑油の燃料による希釈が生じやすくなるのは、[発明が解決しようとする課題]の欄に記載した[1]及び[2]の理由による。
なお、上記[2]の理由において、アルコールの含まれる燃料(アルコール100%のものを含む)を使用する際、ガソリンのみを燃料として使用する場合よりも燃料噴射量を多くすることは、上記燃料噴射制御を通じて実現される。より詳しくは、燃料のアルコール含有率が高くなるほど、燃料噴射量の制御に用いられる指示噴射量Qが大きくなるよう算出される。これにより、燃料噴射弁4から噴射される燃料の量が同燃料におけるアルコール含有率の増加に伴い多くなってゆく。なお、燃料におけるアルコール含有率は、それに応じて排気中の酸素濃度が変化することを利用して、空燃比センサ17の検出信号に基づき求めることが可能である。
次に、燃料のアルコールの含有率から影響を受けることなく的確に潤滑油の燃料による希釈を抑制する本実施形態の希釈抑制制御の実行手順について、希釈抑制制御ルーチンを示す図4のフローチャートを参照して説明する。この希釈抑制制御ルーチンは、電子制御装置21を通じて、例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
同ルーチンにおいては、まず空燃比センサ17の検出信号に基づき燃料におけるアルコール含有率が算出される(S101)。その後、燃料噴射弁4から噴射された燃料のシリンダ内壁への付着が生じる状況であるか否かの判断が、次の各判断に基づいて行われる。エンジン回転速度がエンジン1のアイドル回転速度を含む低回転領域にあるか否か(S102)。エンジン1が高負荷運転状態にあるか否か、より詳しくはスロットルバルブ13の開度が全開を含む開側の開度領域にあるか否か(S103)。加速時など燃料噴射量の増量補正が実行されている状態か否か(S104)。
そして、上記各判断全てで肯定判定がなされると、燃料噴射弁4から噴射された燃料のシリンダ内壁への付着が生じる状況である旨判断される。これは、エンジン低回転時には、エンジン1の吸入空気量が少なくなって燃焼室2内に生じる空気の流れが弱くなり、燃料噴射弁4から燃焼室2に噴射供給された燃料が空気の流れにより拡散することなくシリンダ内壁に向かうためである。また、加速時など、エンジン1の高負荷運転での燃料噴射量の増量補正時には、燃料噴射弁4から燃焼室2に噴射供給される燃料の量が増えるため、シリンダ内壁に付着する燃料も多くなるためである。そして、上記各判断全てで肯定判定がなされると、上記シリンダ内壁への燃料の付着する状況での燃料噴射量を累積した値である積算値ΣQが次の式「(今回の積算値ΣQ)←(前回の積算値ΣQ)+指示噴射量Q」に基づき算出される(S105)。
一方、上記各判断のいずれか一つでも否定判定がなされると、燃料噴射弁4から噴射された燃料のシリンダ内壁への付着が生じる状況でない旨判断される。この場合、エンジン1の温度を表す同エンジン1の冷却水温が高いこと、具体的には潤滑油に混入した燃料の蒸発により同潤滑油の燃料による希釈の度合いが低減する値以上であるか否かが判断される(S106)。ここで肯定判定であれば、潤滑油の燃料による希釈の度合いが低減する分だけ積算値ΣQを減らすべく、次の式「(今回の積算値ΣQ)←(前回の積算値ΣQ)+減量値j」を用いて積算値ΣQが算出される(S107)。この積算値ΣQは、「0」未満にならないよう下限ガードされる(S108)。以上のステップS106〜S108の処理に進んだ場合には、希釈抑制制御は実行されず、通常の燃料噴射態様での燃料噴射、すなわち吸気行程後期での燃料噴射弁4からの一回の燃料噴射が実行される(S109)。
上記二つの式により増減する積算値ΣQは、潤滑油の燃料による希釈度合いを表す値となる。そして、上記ステップS105の処理が行われた後、積算値ΣQの大きさに基づく希釈抑制制御を行うための処理(S110〜S114)が実行される。
この一連の処理では、まずエンジン1の温度を表す同エンジン1の冷却水温が低いか否か、より詳しくは同冷却水温がアルコールの揮発性の急に高くなる値(例えば70℃)未満であるか否かが判断される(S110)。ここで否定判定であって冷却水温がアルコールの揮発性の急に高くなる値以上である旨判断されると、エンジン1の高温時における潤滑油の燃料による希釈を抑制するための温間時希釈抑制処理が実行される(S112)。一方、ステップS110で肯定判定がなされ、冷却水温がアルコールの揮発性の急に高くなる値未満である旨判断されると、燃料にアルコールが含まれているか否かが判断される(S111)。なお、燃料にアルコールが含まれているか否かは、例えば燃料のアルコール含有率が「0%」もしくは「アルコールが含まれていないと見なせるほど0%に近い所定値」以上であるか否かに基づき判断される。そして、ステップS110で否定判定がなされ、燃料にアルコールが含まれていない旨判断されると、エンジン1の低温時における潤滑油の燃料による希釈を抑制するための冷間時希釈抑制処理が実行される(S113)。また、ステップS110で肯定判定がなされ、燃料にアルコールが含まれている旨判断されると、エンジン1の低温時かつアルコールの含まれた燃料の使用時における潤滑油の燃料による希釈を抑制するための冷間アルコール使用時希釈抑制処理が実行される(S114)。
以下、上記温間時希釈抑制処理(S112)、冷間時希釈抑制処理(S113)、及び冷間アルコール使用時希釈抑制処理(S114)について、個別に詳しく説明する。
[温間時希釈抑制処理(S112)]
この処理では、潤滑油の燃料による希釈度合いが許容レベル以上であるか否かの判断として、積算値ΣQが予め定められた基準値a1未満であるか否か判断される。そして、積算値ΣQが基準値a1未満であって潤滑油の燃料による希釈度合いが許容レベル未満である旨判断された場合には、希釈抑制制御は実行されず、上記ステップS109と同じく通常の燃料噴射態様での燃料噴射、すなわち吸気行程後期での燃料噴射弁4からの燃料噴射が実行される。一方、積算値ΣQが基準値a1以上であって潤滑油の燃料による希釈度合いが許容レベル以上である旨判断された場合には、潤滑油の燃料による希釈を抑制する希釈抑制制御が実行される。
ちなみに、この実施形態での希釈抑制制御は、燃料噴射弁4の燃料噴射態様を吸気行程後期での一回の燃料噴射から上述した分割噴射に変更することにより実現される。こうした分割噴射において、吸気行程後期での燃料噴射は通常の燃料噴射を行う際の燃料噴射制御と同様の態様で実施される。また、吸気行程前期での燃料噴射は次のように実施される。すなわち、吸気行程前期で噴射すべき燃料噴射量が求められると、その分の燃料を噴射するために必要な燃料噴射時間が燃圧に基づき算出され、吸気上死点に近い時期として定められた分割噴射開始時期Tbに達した時点から上記燃料噴射時間が経過するまで燃料噴射弁4が開弁される。なお、上記分割噴射開始時期Tbは、ピストン6への燃料噴射弁4からの噴射燃料の付着を許容レベル未満に抑えることが可能であり且つ最も進角した時期として設定される。
こうした温間時希釈抑制処理での燃料噴射態様の変化を図5(a)〜(c)に示す。温間時希釈抑制処理において、積算値ΣQが基準値a1以上になると、燃料噴射態様が図5(a)に示される吸気行程後期での一回の燃料噴射から、図5(b)に示される吸気行程前期と吸気行程後期とでの分割噴射へと変更される。このときの分割噴射では、吸気行程前期での燃料噴射量Bと吸気行程後期での燃料噴射量Cとの合計が通常の燃料噴射(一回噴射)を行ったときの燃料噴射量A(図5(a)と等しい値になり、且つ、それら燃料噴射量Bと燃料噴射量Cとが等しい値になるようにされる。
また、積算値ΣQが基準値a1よりも大きい値である基準値a2以上になると、燃料噴射態様が図5(b)に示される分割噴射から図5(c)に示される分割噴射へと変更される。このときの分割噴射でも、吸気行程前期での燃料噴射量Dと吸気行程後期での燃料噴射量Eとの合計が通常の燃料噴射(一回噴射)を行ったときの燃料噴射量A(図5(a)と等しい値になる。ただし、吸気行程前期での燃料噴射量Dが吸気行程後期での燃料噴射量Eよりも多くされる。このように吸気行程前期での燃料噴射量を吸気行程後期での燃料噴射量に対しより多くするほど、吸気行程前期というシリンダ内壁の露出の少ない時期により多くの燃料噴射が行われるようになる。その結果、シリンダ内壁への燃料の付着が起こりにくくなって、潤滑油の燃料による希釈を抑制する希釈抑制制御での上記希釈の抑制がより強く行われる。
温間時希釈抑制処理における上記希釈抑制制御に関しては、アルコールの含まれる燃料が使用されているか否かに関わりなく、希釈を抑制する強さがアルコールを含まない燃料(ガソリン100%)の使用時に対応した強さとされる。ここで、アルコールに関しては、低温時の揮発性は低いものの、ある程度高温(70℃以上)になると揮発性が急に高くなる性質を有する。このため、エンジン1の低温でないとき、すなわち図4のステップS110で冷却水温が高いと判断されるときには(S106:NO)、アルコールを含む燃料の使用に伴いエンジン出力の確保のために燃料噴射量を増量しシリンダ内壁に付着する燃料が増えたとしても、その燃料はアルコールの揮発のしやすさに起因して速やかに蒸発する。このため、アルコールの含まれている燃料を使用しても、潤滑油の燃料による希釈が進みやすくなることはない。従って、温間時希釈抑制処理での希釈抑制制御における上記希釈を抑制する強さに関しては、アルコールを含まない燃料(ガソリン100%)の使用時に対応した強さとすることで、潤滑油の燃料による希釈を抑制することが可能である。
図6(a)及び(b)は、上記希釈抑制制御の実施の有無により燃料噴射時期(噴射開始時期)が変化したときの潤滑油の燃料による希釈の度合いの進み方の違い、及び、エンジン1の全開性能(最高性能)の違いを示したものである。同図において、タイミングT1は、希釈抑制制御の実行されていないとき、すなわち吸気行程後期での一回の燃料噴射を行うときの燃料噴射弁4からの燃料噴射の開始時期を示している。また、タイミングT2は、希釈抑制制御の実行されているとき、すなわち分割噴射における吸気行程前期での燃料噴射を行うときの燃料噴射弁4からの燃料噴射の開始時期を示している。同図から分かるように、希釈抑制制御を実施した場合(T2)には実施しない場合(T1)に比べて潤滑油の燃料による希釈の進行を抑制できるようにはなるものの、エンジン1の全開性能に関しては悪化することとなる。これは、エンジン1の全開性能を良好に維持するうえでは、可能な限り吸気行程後期に燃料噴射を行い、その燃料噴射により燃焼室2に流れ込む空気の流れを乱して燃料と空気とを効果的に混合し、混合気の燃焼状態を良好なものとすることが好ましいためである。なお、希釈抑制制御の実施に伴うエンジン1の全開性能の悪化は、分割噴射における吸気行程前期での燃料噴射の量を吸気行程後期での燃料噴射の量に対しより多くするほど、言い換えれば希釈抑制制御による上記希釈の抑制をより強く行うほど顕著になる。
温間時希釈抑制処理における上記希釈抑制制御に関しては、上述したように、アルコールの含まれる燃料が使用されているか否かに関わりなく、希釈を抑制する強さがアルコールを含まない燃料(ガソリン100%)の使用時に対応した強さに抑えられ、その強さでの希釈抑制制御により上記希釈が抑制される。このように希釈抑制制御での上記希釈を抑制する強さを設定することで、その希釈の抑制が過剰な強さで行われることは抑制され、上記希釈抑制制御の実行がエンジン1の全開性能に悪影響を及ぼすことが抑制される。
[冷間時希釈抑制処理(S113)]
この処理では、潤滑油の燃料による希釈度合いが許容レベル以上であるか否かの判断として、積算値ΣQが基準値a1よりも小さい基準値a3未満であるか否か判断される。そして、積算値ΣQが基準値a3未満であって潤滑油の燃料による希釈度合いが許容レベル未満である旨判断された場合には、希釈抑制制御は実行されず、上記ステップS109と同じく通常の燃料噴射態様での燃料噴射、すなわち吸気行程後期での燃料噴射弁4からの燃料噴射が実行される。一方、積算値ΣQが基準値a3以上であって潤滑油の燃料による希釈度合いが許容レベル以上である旨判断された場合には、潤滑油の燃料による希釈を抑制する希釈抑制制御が実行される。ここでの希釈抑制制御も、燃料噴射弁4の燃料噴射態様を分割噴射に変更することにより実現される。
こうした冷間時希釈抑制処理での燃料噴射形態の変化を図5(a)及び(d)に示す。冷間時希釈抑制処理において、積算値ΣQが基準値a3以上になると、燃料噴射態様が図5(a)に示される吸気行程後期での一回の燃料噴射から、図5(d)に示される吸気行程前期と吸気行程後期とでの分割噴射へと変更される。このときの分割噴射では、吸気行程前期での燃料噴射量Fと吸気行程後期での燃料噴射量Gとの合計が通常の燃料噴射(一回噴射)を行ったときの燃料噴射量A(図5(a)と等しい値になる。
冷間時希釈抑制処理においては、上記基準値a3の大きさ、及び燃料噴射量Fの燃料噴射量Gに対する大きさによって、希釈抑制制御における潤滑油の燃料による希釈を抑制する強さが設定される。すなわち、基準値a3の大きさを小さくするほど、また燃料噴射量Fの燃料噴射量Gに対する大きさを大きくするほど、希釈抑制制御での上記希釈の抑制が強く行われることとなる。なお、ここでの希釈抑制制御による上記希釈の抑制の強さは、同希釈を的確に抑制しつつ、エンジン1の全開性能への影響を許容レベル未満に抑えることの可能な限り強さとされている。
[冷間アルコール使用時希釈抑制処理(S114)]
この処理では、潤滑油の燃料による希釈度合いが許容レベル以上であるか否かの判断として、積算値ΣQが基準値a3よりも小さい基準値a4未満であるか否か判断される。そして、積算値ΣQが基準値a4未満であって潤滑油の燃料による希釈度合いが許容レベル未満である旨判断された場合には、希釈抑制制御は実行されず、上記ステップS109と同じく通常の燃料噴射態様での燃料噴射、すなわち吸気行程後期での燃料噴射弁4からの燃料噴射が実行される。一方、積算値ΣQが基準値a4以上であって潤滑油の燃料による希釈度合いが許容レベル以上である旨判断された場合には、潤滑油の燃料による希釈を抑制する希釈抑制制御が実行される。ここでの希釈抑制制御も、燃料噴射弁4の燃料噴射態様を分割噴射に変更することにより実現される。
こうした冷間アルコール使用時希釈抑制処理での燃料噴射態様の変化を図5(a)、(e)、(f)に示す。冷間アルコール使用時希釈抑制処理において、積算値ΣQが基準値a4以上になると、燃料噴射態様が図5(a)に示される吸気行程後期での一回の燃料噴射から、図5(e)に示される吸気行程前期と吸気行程後期とでの分割噴射へと変更される。このときの分割噴射では、吸気行程前期での燃料噴射量Hと吸気行程後期での燃料噴射量Iとの合計が通常の燃料噴射(一回噴射)を行ったときの燃料噴射量A(図5(a)と等しい値になるようにされる。更に、燃料噴射量Hの燃料噴射量Iに対する大きさは、図5(c)に示される燃料噴射量Dの燃料噴射量Eに対する大きさ、及び、図5(d)に示される燃料噴射量Fの燃料噴射量Gに対する大きさと比較して、より大きいものとされる。
また、積算値ΣQが基準値a4よりも大きい値である基準値a5以上になると、燃料噴射態様が図5(e)に示される分割噴射から図5(f)に示される分割噴射へと変更される。このときの分割噴射でも、吸気行程前期での燃料噴射量Jと吸気行程後期での燃料噴射量Kとの合計が通常の燃料噴射(一回噴射)を行ったときの燃料噴射量A(図5(a)と等しい値になるようにされる。更に、燃料噴射量Jの燃料噴射量Kに対する大きさは、図5(e)に示される燃料噴射量Hの燃料噴射量Iに対する大きさと比較して、より大きいものとされる。
冷間アルコール使用時希釈抑制処理においては、上記基準値a4の大きさ、燃料噴射量Hの燃料噴射量Iに対する大きさ、及び燃料噴射量Jの燃料噴射量Kに対する大きさによって、希釈抑制制御における潤滑油の燃料による希釈を抑制する強さが設定される。すなわち、基準値a4の大きさを小さくするほど、また燃料噴射量Hの燃料噴射量Iに対する大きさを大きくするほど、更には燃料噴射量Jの燃料噴射量Kに対する大きさを大きくするほど、希釈抑制制御での上記希釈の抑制が強く行われることとなる。なお、ここでの希釈抑制制御による上記希釈の抑制の強さは、温間時希釈抑制処理での希釈抑制制御、及び冷間時同希釈抑制処理での希釈抑制制御と比較して、より強くされている。これは、基準値a4が基準値a1,a4よりも小さくされており、且つ、燃料噴射量Hの燃料噴射量Iに対する大きさが、燃料噴射量Dの燃料噴射量Eに対する大きさ、及び燃料噴射量Fの燃料噴射量Gに対する大きさよりも大きくされているためである。
ここで、エンジン1の低温時(この例では冷却水温70℃未満のとき)において、燃料にアルコールが含まれているときには、同アルコールが含まれていないときに比べ、燃料噴射弁4からの燃料噴射に際してシリンダ内壁に付着する燃料の量が増え、それに起因して潤滑油の燃料による希釈が進みやすくなる。このような状況下では、エンジン1の低温時でないとき、及び、エンジン1の低温時であって且つアルコールを含んだ燃料が使用されていないときに比べて、希釈抑制制御による上記希釈の抑制がより強く行われる。言い換えれば、冷間アルコール使用時希釈抑制制御での希釈抑制制御が、温間時希釈抑制処理での希釈抑制制御、及び冷間時希釈抑制制御での希釈抑制制御に比べて、より強く行われることとなる。これにより、エンジン1の低温時であって、且つアルコールが含まれた燃料が使用されているときでも、希釈抑制制御を通じて潤滑油の燃料による希釈が的確に抑制される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)アルコールを含んだ燃料を使用する場合、同アルコールの低温時の揮発性の低さ、及び、エンジン出力を確保するための燃料の必要量の増量に伴う燃料噴射量増量の関係から、エンジン1の低温時にはシリンダ内壁に付着する燃料の量が増える。このため、アルコールを含まない燃料(ガソリン100%)の使用時と同じように希釈抑制制御を実行するだけでは、上記シリンダ内壁に付着した燃料に起因する潤滑油の燃料による希釈を抑制しきれないおそれがある。しかし、エンジン1の低温時であって且つアルコールを含む燃料の使用時には、それ以外のときに比べて希釈抑制制御による希釈の抑制がより強く行われる。このため、エンジン1の低温時であって且つアルコールを含む燃料の使用時にシリンダ内壁に付着する燃料が増えたとしても、その燃料の付着に起因する潤滑油の燃料による希釈を上記希釈抑制制御を通じて的確に抑制することができる。
(2)エンジン1の低温時でないとき、すなわちエンジン1がある程度高温であるときには、アルコールを含む燃料の使用に起因してエンジン出力の確保のために燃料噴射量が増量されてシリンダ内壁に付着する燃料が増えたとしても、その燃料はアルコールの揮発のし易さに起因して速やかに蒸発し、潤滑油の燃料による希釈が進みやすくなることはない。このような状況下では、燃料にアルコールが含まれているか否かに関わらず、アルコールを含まない燃料(ガソリン100%)の使用時に対応した強さで希釈抑制制御が行われるため、その希釈抑制制御が過剰な強さで実行されてエンジン1の全開性能に悪影響を及ぼすことが抑制される。一方、エンジン1の低温時であって且つアルコールを含まれた燃料の使用時においては、それ以外のときに比べて、言い換えればエンジン1の低温時でないとき、及び、エンジン1の低温時であって且つアルコールを含んだ燃料が使用されていないときに比べて、希釈抑制制御がより強く行われるため、潤滑油の燃料による希釈が的確に抑制される。以上により、希釈抑制制御の実行によるエンジン1の全開性能の悪化を抑制しつつ、潤滑油の燃料による希釈を的確に抑制することができるようになる。
(3)潤滑油の燃料による希釈は、エンジン1の低回高負荷運転での燃料噴射量の増量補正時に生じるおそれがある。ここで、エンジン1の低回転時には同エンジン1のピストンスピードが遅くなることから燃焼室2内に生じる空気の流れが弱くなり、燃焼室2に噴射供給された燃料が空気の流れにより拡散することなくシリンダ内壁に向かうため、そのシリンダ内壁に付着する燃料が多くなる。また、加速時など、エンジン1の高負荷運転での燃料噴射量の増量補正時には、燃焼室2に噴射供給される燃料の量が増えるため、シリンダ内壁に付着する燃料も多くなる。以上により、低回転高負荷運転での燃料噴射量の増量補正時には、シリンダ内壁に付着する燃料が増え、潤滑油の燃料による希釈が生じることとなる。こうした傾向は、エンジン1の低温時であって且つアルコールを含む燃料の使用時に一層顕著なものとなる。潤滑油の燃料による希釈を抑制するための希釈抑制制御に関しては、エンジン1の低回転高負荷での燃料噴射量の増量補正中における燃料噴射量(指示噴射量Q)を累積した値である積算値ΣQが基準値以上になり、潤滑油の燃料による希釈の度合いが許容レベル以上である旨判断されることに基づき実行される。ただし、こうした希釈抑制制御は、図4のステップS102〜S104及びステップS110以降の処理から分かるように、エンジン1の低回高負荷運転での燃料噴射量の増量補正中であることに限って行われ、それ以外のときには実行されない。従って、エンジン1の低回転高負荷での燃料噴射量の増量補正によって潤滑油の燃料による希釈が生じたときには、その希釈を上記希釈抑制制御の実行によって抑制することができる。また、エンジン1の低回転高負荷での燃料噴射量の増量補正中以外のときには上記希釈抑制制御が実行されないため、上記希釈を抑制するうえで同制御が無駄に実行されることを抑制できる。
(4)希釈抑制制御において、潤滑油の燃料による希釈の抑制をより強く行うことは、同制御の実行の有無を決定するための基準値をより小さくすること、及び、分割噴射における吸気行程前期での燃料噴射量を吸気行程後期での燃料噴射量に対しより多くすることによって実現される。ここで、上記基準値は潤滑油の燃料による希釈度合いが許容レベル以上であるか否かの判断に用いられるものであり、この基準値を小さくすれば上記希釈度合いがより低レベルのうちに希釈抑制制御が実行される。従って、上記基準値を小さくすることにより、希釈抑制制御における上記希釈の抑制が的確により強く行われるようになる。また、分割噴射においては、吸気行程前期での燃料噴射量を吸気行程後期での燃料噴射量に対しより多くするほど、吸気行程前期というシリンダ内壁の露出の少ない時期に、より多くの燃料噴射が行われるようになる。従って、分割噴射においては、吸気行程前期での燃料噴射量を吸気行程後期での燃料噴射量に対しより多くすることにより、シリンダ内壁への燃料の付着が起こりにくくなって、希釈抑制制御における上記希釈の抑制が的確により強く行われるようになる。
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・希釈抑制制御を燃料噴射時期(噴射開始時期)の進角によって実現してもよい。こうした希釈抑制制御の実行の有無に基づく燃料噴射態様の変化を図7(a)及び(b)に示す。図7(a)は、上記希釈抑制制御が実行されておらず、吸気行程後期での一回の燃料噴射が行われるときの燃料噴射態様を示している。そして、上記希釈抑制制御が実行されると、燃料噴射態様が図7(b)に示されるように燃料噴射時期(噴射開始時期)を図7(a)での噴射開始時期Tsよりも進角側に移行させた態様へと変更される。なお、この場合は燃料噴射時期を進角させるほど、希釈抑制制御における潤滑油の燃料による希釈の抑制がより強く行われるようになる。上記のように希釈抑制制御を行ったとしても上記実施形態と同等の効果が得られる。
・希釈抑制制御による上記希釈の抑制の強さの変更に関しては、基準値の設定のみで実現したり、燃料噴射の設定(分割噴射における吸気行程前期での燃料噴射量の吸気行程後期での燃料噴射量に対する大きさの設定、燃料噴射時期の進角度合いの設定)のみで実現したりしてもよい。
・積算値ΣQとして、指示噴射量Qを累積した値を用いる代わりに、燃料噴射量に対応するパラメータを累積した値、例えばエンジン1の吸入空気量を累積した値を用いてもよい。
・希釈抑制制御における潤滑油の燃料による希釈の抑制の強さを、その希釈の度合いが大となることに比例して、より強くするようにしてもよい。具体的には、積算値ΣQが大となるほど、分割噴射における吸気行程前期での燃料噴射量を吸気行程後期での燃料噴射量に対しより多くしたり、燃料噴射時期の進角度合いを大きくしたりしてもよい。
・冷間アルコール使用時希釈抑制処理において、希釈抑制制御における潤滑油の燃料による希釈の抑制の強さを、燃料におけるアルコール含有率に応じて、そのアルコール含有率が高くなるほどより強くなるようにしてもよい。
ここで、燃料のアルコール含有率が高くなるほど、シリンダ内壁への燃料の付着が起こりやすくなり、潤滑油の燃料による希釈が生じやすくなる。一方、こうした潤滑油の燃料による希釈を抑制すべく希釈抑制制御が強く行われるほど、同制御の実行時におけるエンジン1の全開性能への影響も無視できなくなる。
しかし、上述したように燃料のアルコール含有率に応じた希釈抑制制御を行うことにより、同制御を通じて潤滑油の燃料による希釈を的確に抑制できるとともに、同制御により上記希釈を抑制するうえで過剰に強く行うことを的確に抑制できるようになる。従って、希釈抑制制御の実行によるエンジン1の全開性能への影響の抑制と同制御による潤滑油の燃料による希釈の抑制とを高いレベルで両立させることができる。
なお、上記希釈抑制制御の具体例としては、燃料のアルコール含有率が高くなるほど、基準値a4を小さくしたり、分割噴射における吸気行程前期での燃料噴射量を吸気行程後期での燃料噴射量に対しより多くしたりすることがあげられる。また、希釈抑制制御として燃料噴射時期の進角を採用した場合には、燃料のアルコール含有率が高くなるほど、燃料噴射時期の進角度合いを大とすることが考えられる。
本実施形態の燃料噴射制御装置の適用されるエンジン全体を示す略図。 吸気行程において通常の燃料噴射が実行された状態を示す模式図。 吸気行程において希釈抑制制御に基づく燃料噴射が実施された状態を示す模式図。 希釈抑制制御の実行手順を示すフローチャート。 (a)〜(f)は、温間時希釈抑制処理、冷間時希釈抑制処理、及び冷間アルコール使用時希釈抑制処理での燃料噴射態様の変化を示す説明図。 (a)及び(b)は、上記希釈抑制制御の実施の有無により燃料噴射時期が変化したときの潤滑油の燃料による希釈の度合いの進み方の違い、及び、エンジンの全開性能の違いを示すタイミングチャート。 (a)及び(b)は、希釈抑制制御に基づく燃料噴射態様の変化の他の例を示すタイミングチャート。
符号の説明
1…エンジン、2…燃焼室、3…吸気通路、4…燃料噴射弁、5…点火プラグ、6…ピストン、7…クランクシャフト、8…排気通路、9…燃料タンク、10…燃料ポンプ、11…吸気カムシャフト、13…スロットルバルブ、17…空燃比センサ、18…燃圧センサ、19…水温センサ、21…電子制御装置(希釈度合い推定手段)、27…アクセルペダル、28…アクセルポジションセンサ、30…スロットルポジションセンサ、32…エアフローメータ、34…クランクポジションセンサ、35…カムポジションセンサ。

Claims (7)

  1. 燃料としてアルコールとガソリンとを混合したものを使用可能であり、その燃料を燃焼室に噴射供給する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、同機関における潤滑油の燃料による希釈の度合いが許容レベル以上である旨判断されたとき、同機関の燃料噴射態様を前記潤滑油の燃料による希釈を抑制可能な態様に変更する希釈抑制制御を実行する内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    機関低温時であって且つアルコールを含んだ燃料の使用時には、それ以外のときに比べて、前記希釈抑制制御による前記希釈の抑制をより強く行う
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 機関低温時でないときには、アルコールを含まない燃料の使用時に対応した強さで前記希釈抑制制御が行われ、
    機関低温時にあって且つアルコールを含んだ燃料が使用されていないときには、その状況に対応した強さでの前記希釈抑制制御が行われ、
    機関低温時であって且つアルコールを含んだ燃料の使用されているときには、機関低温時でないとき、及び、機関低温時であって且つアルコールを含んだ燃料が使用されていないときに比べて、前記希釈抑制制御がより強く行われる
    請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 機関低温時であって且つアルコールを含む燃料が使用されているときには、燃料中のアルコール含有率に応じて、そのアルコール含有率が高くなるほど前記希釈抑制制御がより強く行われる
    請求項2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    内燃機関の低回転高負荷での燃料噴射量の増量補正中における燃料噴射量もしくはそれに対応するパラメータを累積した値である積算値に基づき、前記潤滑油の燃料による希釈度合いを求める希釈度合い推定手段を備え、
    前記潤滑油の燃料による希釈の度合いが許容レベル以上である旨の判断は、その積算値が予め定められた基準値以上であることに基づき内燃機関の低回転高負荷での燃料噴射量の増量補正中に限ってなされる
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 前記希釈抑制制御による前記希釈の抑制をより強く行うことは、前記基準値をより小さく設定することによって実現される
    請求項4記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記内燃機関の燃料噴射は、同機関の吸気行程で行われるものであり、
    前記希釈抑制制御は、内燃機関の燃料噴射を吸気行程前期と吸気行程後期とに分割して行うことによって実現され、
    前記希釈抑制制御による前記希釈の抑制をより強く行うことは、前記吸気行程前期での燃料噴射の量を前記吸気行程後期での燃料噴射の量に対しより多くすることによって実現される
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 前記内燃機関の燃料噴射は、同機関の吸気行程で行われるものであり、
    前記希釈抑制制御は、内燃機関の燃料噴射時期を進角させることによって実現され、
    前記希釈抑制制御による前記希釈の抑制をより強く行うことは、前記燃料噴射時期をより進角させることによって実現される
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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