JP2009035689A - 撥水耐油剤組成物、撥水耐油紙およびその製造方法 - Google Patents

撥水耐油剤組成物、撥水耐油紙およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ペルフルオロアルキル基が短鎖であるフッ素系材料を用いて、水および油に対して高いバリア性を実現できる撥水耐油剤組成物を提供する。
【解決手段】炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を有する単量体(a)に基づく重合単位(a’)を有する含フッ素共重合体と、カチオン性デンプンと、水性媒体を含有する撥水耐油剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は撥水耐油剤組成物、該組成物を用いて処理された撥水耐油紙、および該組成物を用いて撥水耐油紙を製造する方法に関する。
ポリフルオロアルキル基を有する化合物で処理された耐油紙(以下、フッ素系耐油紙という。)はよく知られており、その水や油などの液体に対するバリア性を利用して食品包装容器、ファーストフードの包装、鮮度保持剤包装、脱酸素剤包装、飼料包装など広い範囲で使用されている。
特にフッ素系耐油紙は、フッ素系以外の耐油紙であるグラシン紙、パーチメント紙、コーティング紙、ラミネート紙あるいはプラスチックフィルムと異なり、通気性を有したまま良好な耐水性、耐油性を有することから湿度が内部にこもることを嫌うフライ類などの食品包装、機能上通気性が必要な鮮度保持剤包装または脱酸素剤包装において好適に用いられる。
さらに、水のかかりやすい条件に置かれる魚類用飼料包装や様々な食品と接触する可能性がある脱酸素剤包装においては、水に対するバリア性が単なる耐水性だけでなく、撥水性(水滴転落性)と耐油性を同時に与えるような高いバリア性を有する撥水耐油紙が使用されている。
例えば、下記特許文献1には、紙の処理剤としてフルオロアクリルポリマーをデンプンまたはポリビニルアルコールと組み合わせて用いることにより、脂肪に対するバリヤー効果を改善する方法が記載されている。
従来のフッ素系耐油剤に用いられるポリフルオロアルキル基は主に炭素数が8以上である。近年、環境への影響の観点から、ペリフルオロアルキル基を有する化合物にあっては、ペリフルオロアルキル基の炭素原子数を8未満とすることが推奨されている。
これに対して下記特許文献2では、従来のフッ素系耐油剤に代わって、長いペルフルオロアルキル基を使用せず炭素原子数6以下の短いペルフルオロアルキル基またはポリフルオロポリエーテルを使用した新しい代替フッ素系耐油剤が提案されている。
特開平9−209294号公報 国際公開2005/090423号パンフレット
しかしながら、特許文献2に記載されている耐油剤では耐油性は十分であるものの、撥水性と耐油性を同時に与えるようなより高いバリア性を発現することは難しい。
さらに、撥水性を有する炭化水素系ワックス類、たとえばパラフィンやモンタン酸類をフッ素系耐油剤と併用する方法も考えられるが、この方法では、撥水性と耐油性の両立は困難である。むしろ、加工時や保管時における紙のスリップといったすべり性の増加、接着性または印刷性の悪化などの問題が発生するおそれもあり実用的ではない。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、ペルフルオロアルキル基が短鎖であるフッ素系材料を用いて、水および油に対して高いバリア性を実現できる撥水耐油剤組成物、該撥水耐油剤組成物を用いて処理された撥水耐油紙、および該撥水耐油剤組成物を用いて撥水耐油紙を製造する方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明の撥水耐油剤組成物は、下記単量体(a)に基づく重合単位(a’)、下記単量体(b)に基づく重合単位(b’)および下記単量体(c)に基づく重合単位(c’)を含む含フッ素共重合体、カチオン性デンプン、および水性媒体を含有することを特徴とする。
単量体(a):(Z−Y)Xで表される化合物。
ただし、式中Zは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基またはC2m+1O(CFWCFO)CFK−(mは1〜6の整数、dは1〜4の整数、WおよびKはそれぞれ独立にフッ素原子またはトリフルオロメチル基。)で表される1価の基を表し、Yは2価の有機基または単結合を表し、nは1または2であり、nが1のとき、Xは−CR=CH、−COOCR=CH、−OCOCR=CH、−OCH−φ−CR=CHまたは−OCH=CHを表し、nが2のとき、Xは−CH[−(CHCR=CH]−、−CH[−(CHCOOCR=CH]−、−CH[−(CHOCOCR=CH]−、または−OCOCH=CHCOO−を表し、Rは水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、φはフェニレン基であり、pは0〜4の整数である。nが2のとき、1分子内に存在する2つの(Z−Y)は互いに同じでもよく、異なっていてもよい。
単量体(b):CH=CR−G−(RO)−Rで表される化合物。
ただし、式中のRは水素原子またはメチル基を表わし、Rは炭素原子数2〜4のアルキレン基、または水素原子の一部または全部が水酸基で置換された炭素原子数2〜3のアルキレン基を表わし、qは1〜50の整数であり、Gは−COO(CH−または−COO(CH−NHCOO−(rは0〜4の整数、tは1〜4の整数。)を表わし、Rは水素原子、メチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基またはアリル基を表わす。
単量体(c):CH=CR−M−Q−NRまたはCH=CR−M−Q−N(O)Rで表される化合物。
ただし、式中のRは水素原子またはメチル基を表わし、Mは−COO−または−CONH−を表わし、Qは炭素原子数2〜4のアルキレン基または水素原子の一部または全部が水酸基で置換された炭素原子数2〜3のアルキレン基を表わし、R、Rはそれぞれ独立に、ベンジル基、炭素原子数1〜8のアルキル基または水素原子の一部が水酸基で置換された炭素原子数2〜3のアルキル基を表わす。
前記単量体(a)の(Z−Y)Xにおいて、Zが炭素原子数1〜6のペルフルオロアルキル基であり、Yが2価の有機基であり、Xが−OCOCR=CHまたは−OCOCH=CHCOO−(Rは水素原子、メチル基またはハロゲン原子を表す。)であることが好ましい。
前記含フッ素共重合体が、前記重合単位(a’)の70〜90質量%、前記重合単位(b’)の4〜20質量%、および前記重合単位(c’)の8〜25質量%を含むことが好ましい。
前記カチオン性デンプンの、下記式(A)で表されるカチオン化度が0.1〜1.0%であることが好ましい。
Figure 2009035689
また本発明は、本発明の撥水耐油剤組成物を用いて処理された撥水耐油紙を提供する。
また本発明は、本発明の撥水耐油剤組成物を、原紙に塗工または含浸させる工程を有する撥水耐油紙の製造方法を提供する。
上記原紙のステキヒトサイズ度が30秒以下であることが好ましい。
本発明によれば、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を有する含フッ素共重合体を有効成分とし、水および油に対して高いバリア性を実現できる撥水耐油剤組成物が得られる。
また本発明によれば、水および油に対して高いバリア性を有する撥水耐油紙が得られる。
本発明の撥水耐油剤組成物に含まれる含フッ素共重合体は、単量体(a)に基づく重合単位(a’)、単量体(b)に基づく重合単位(b’)および単量体(c)に基づく重合単位(c’)を含有する。該含フッ素共重合体は水分散性含フッ素共重合体である。
<単量体(a)・重合単位(a’)>
重合単位(a’)は、単量体(a)の重合性不飽和基の二重結合が開裂して形成される重合単位である。単量体(a)は、(Z−Y)Xで表される化合物である。
(Z−Y)XにおけるZは、炭素原子数1〜6のペルフルオロアルキル基(以下、R基ということもある。)またはC2m+1O(CFWCFO)CFK−(mは1〜6の整数。dは1〜4の整数。W、Kはそれぞれ独立にフッ素原子またはトリフルオロメチル基(−CF)。)で表される基である。
Zとしては、炭素原子数1〜6のR基が好ましく、F(CF−、F(CF−、F(CF−、F(CF−、F(CF−、(CFCF(CF−がより好ましく、F(CF−、F(CF−、F(CF−が最も好ましい。
Yは、2価の有機基または単結合である。Yは2価の有機基が好ましい。Yは、−R−T−R−で表される2価の基がより好ましい。式中、R、Rはそれぞれ独立して、単結合、または1個以上のエーテル性の酸素原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜22の飽和または不飽和の炭化水素基を示す。Tは単結合、−OCONH−、−CONH−、−SONH−、−SONR’−(R’は炭素原子数1〜6のアルキル基)または−NHCONH−を示す。
Yとしての上記−R−T−R−は、炭素原子数1〜10のアルキレン基、−CH=CHCH−、−(CHCHR''O)CHCH−(jは1〜10の整数、R''は水素原子またはメチル基を示す。)、−COCONHC−、−COCOOC−、または−COOC−が好ましく、炭素原子数1〜10のアルキレン基がより好ましく、−CH−、−CHCH−、−(CH11−または−CHCHCH(CH)−さらに好ましい。
nは1または2である。
Xは、重合性不飽和基であって、nが1の場合は−CR=CH、−COOCR=CH、−OCOCR=CH、−OCH−φ−CR=CHまたは−OCH=CHであり、nが2の場合は−CH[−(CHCR=CH]−、−CH[−(CHCOOCR=CH]−、−CH[−(CHOCOCR=CH]−、または−OCOCH=CHCOO−(Rは水素原子、メチル基またはハロゲン原子。φはフェニレン基。pは0〜4の整数。)である。nが2のとき、1分子内に存在する2つの(Z−Y)は互いに同じでもよく、異なっていてもよい。
Xとしては、−OCOCR=CHまたは−OCOCH=CHCOO−が好ましく、溶媒に対する溶解性に優れ、乳化重合が容易に行えることから、−OCOCR=CHがより好ましい。Rとしては、重合性に優れることから、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)または炭素原子数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
単量体(a)としては、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルメタクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメタクリレートが好ましい。
単量体(a)は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
<単量体(b)・重合単位(b’)>
重合単位(b’)は単量体(b)のエチレン性二重結合が開裂して形成される重合単位である。単量体(b)はCH=CR−G−(RO)−Rで表される化合物である。
は、水素原子またはメチル基であり、Rは水素原子、メチル基、(メタ)アクリロイル基またはアリル基であり、Rは炭素原子数2〜4のアルキレン基または水素原子の一部または全部が水酸基で置換された炭素原子数2〜3のアルキレン基である。一分子中に炭素原子数が互いに異なる2種以上のアルキレン基が含まれていてもよい。
単量体(b)において、−(RO)−として炭素原子数が互いに異なる2種以上のアルキレン基が含まれる場合には、それらの繰り返し単位の配列は、ブロック状でもよくランダム状でもよい。qは1〜50の整数であり、1〜30が好ましく、1〜15がより好ましい。
Gは−COO(CH−または−COO(CH−NHCOO−(rは0〜4の整数、tは1〜4の整数。)である。
単量体(b)は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
としては水素原子または(メタ)アクリロイル基が好ましい。Rとしては炭素原子数2〜4のアルキレン基が好ましい。Gとしては−COO(CH−(rは0〜4の整数。)が好ましい。Rが(メタ)アクリロイル基である場合は、含フッ素共重合体が3次元の網目構造となりやすく、含フッ素共重合体が基材に強固に密着し、耐久性に優れる。単量体(b)として、Rが(メタ)アクリロイル基である化合物とRが水素原子である化合物を併用してもよい。
単量体(b)の具体例としては、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
ポリオキシプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
メトキシポリオキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、
トリオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
アクリロイルオキシポリオキシエチレングリコールメタアクリレート、
2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、
ポリ(オキシプロピレン−オキシブチレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリ(オキシエチレン−オキシブチレン)グリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのうちでも、単量体(b)としては、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
トリオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)グリコールジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
さらに好ましいのは、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
トリオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレートである。
<単量体(c)・重合単位(c’)>
重合単位(c’)は単量体(c)のエチレン性二重結合が開裂して形成される重合単位である。単量体(c)は、CH=CR−M−Q−NRまたはCH=CR−M−Q−N(O)Rで表される化合物である。
式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Mは−COO−(エステル結合)または−CONH−(アミド結合)であり、Qは炭素原子数2〜4のアルキレン基または水素原子の一部または全部が水酸基で置換された炭素原子数2〜3のアルキレン基であり、R、Rはそれぞれ独立に、ベンジル基、炭素原子数1〜8のアルキル基または水素原子の一部が水酸基で置換された炭素原子数2〜3のアルキル基である。
Mとしては−COO−が好ましい。Qとしては炭素原子数2〜4のアルキレン基が好ましい。R、Rとしては炭素原子数1〜8のアルキル基が好ましい。
単量体(c)は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
単量体(c)としては、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、
N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、
N,N−ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
N−(メタ)アクリロイルモルホリン、
N−(メタ)アクリロイルピペリジン、
N,N−ジメチルアミノオキシドエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
これらのうちでも、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートまたはN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートがより好ましい。
<他の単量体(d)>
含フッ素共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記単量体(a)〜(c)以外の単量体であって単量体(a)〜(c)と共重合可能な他の単量体(d)に基づく重合単位(d’)を有していてもよい。
<含フッ素共重合体>
含フッ素共重合体は、
単量体(a)として3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルメタクリレート、および3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメタクリレートから選ばれる1種以上、
単量体(b)としてポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、およびポリオキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上、
単量体(c)としてN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、およびN,N−ジエチルアミノオキシドエチルメタクリレートから選ばれる1種以上を用いて重合させた含フッ素共重合体が好ましい。
含フッ素共重合体は、単量体(a)に基づく重合単位(a’)の70〜90質量%、単量体(b)に基づく重合単位(b’)の4〜20質量%、および単量体(c)に基づく重合単位(c’)の8〜25質量%を含むことが好ましい。
各重合単位の含有量のより好ましい範囲は、重合単位(a’)は72〜80質量%、重合単位(b’)は8〜16質量%、および重合単位(c’)は9〜18質量%である。
含フッ素共重合体が上記他の単量体(d)に基づく重合単位(d’)を含む場合、該他の単量体(d)に基づく重合単位(d’)の含有割合は、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。
上記の範囲内であると、本発明の撥水耐油剤組成物を用いて処理された紙において、良好な撥水性および耐油性が得られる。また重合単位の組成が上記の範囲内である含フッ素共重合体は紙との接着性に優れる。
本発明における各重合単位の含有割合は、含フッ素共重合体における重合開始剤および連鎖移動剤由来の重合単位の質量を0(ゼロ)とみなして、各単量体の仕込み量から求められる値である。
含フッ素共重合体の質量平均分子量(Mw)は5000〜100000が好ましく、20000〜90000がより好ましい。該質量平均分子量が上記範囲の下限値以上であると撥水性および耐油性に優れ、上限値以下であると造膜性や液安定性に優れる。
本明細書における含フッ素共重合体の質量平均分子量は、標準ポリメチルメタアクリレート試料を用いて作成した検量線を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定することによって得られるポリメチルメタアクリレート換算分子量である。
<含フッ素共重合体の製造方法>
本発明における含フッ素共重合体は、たとえば、下記(i)または(ii)の方法により得られる。
(i)必要に応じて界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中にて単量体(a)〜(c)を重合して共重合体の溶液、分散液またはエマルションを得た後、必要に応じて、他の媒体、他の界面活性剤、添加剤を加える方法。
(ii)必要に応じて界面活性剤、重合開始剤の存在下、媒体中にて単量体(a)〜(c)を重合して共重合体の溶液、分散液またはエマルションを得た後、共重合体を分離し、共重合体に媒体、界面活性剤、必要に応じて添加剤を加える方法。
重合法としては、分散重合法、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられる。
重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤、放射線重合開始剤、ラジカル重合開始剤、イオン性重合開始剤等が挙げられ、水溶性または油溶性のラジカル重合開始剤が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤、レドックス系開始剤等の汎用の開始剤が、重合温度に応じて用いられる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系化合物が特に好ましく、水系媒体中で重合を行う場合、アゾ系化合物の塩がより好ましい。重合温度は20〜150℃が好ましい。
単量体の重合の際には、分子量調整剤を用いてもよい。分子量調節剤としては、芳香族系化合物またはメルカプタン類が好ましく、アルキルメルカプタン類が特に好ましい。
<カチオン性デンプン>
本発明におけるカチオン性デンプンはカチオン性のデンプンであればよく特に限定されない。原料デンプンを、カチオン性の置換基を導入することによりカチオン化した、公知のカチオン化デンプンを適宜使用できる。
原料デンプンは特に限定されない。例えばコーン、ポテト、米、小麦、タピオカなどの未加工デンプン;これらの未加工デンプンに公知の方法によりアセチル化、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化などの変性処理を施した変性デンプンなどが挙げられる。
原料デンプンのカチオン化には公知の技術を適宜用いることができる。カチオン化剤としてはジエチルアミノエチルクロライド等の三級アミン;3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩等が好ましく用いられる。これらのカチオン化剤は単独又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
カチオン性デンプンは市販品からも入手可能である。
カチオン性デンプンの、上記式(A)で表されるカチオン化度が0.1〜1.0%であることが好ましい。
またカチオン性デンプンは加熱あるいは酵素により低粘度化処理を施されたものが好ましい。
撥水耐油剤組成物中に含まれる含フッ素共重合体およびカチオン性デンプンの含有割合は、カチオン性デンプンの含有量1質量部に対して、含フッ素共重合体の含有量が0.1〜3質量部の範囲が好ましく、0.2〜2質量部の範囲がより好ましく、さらには0.4〜1.0質量部が好ましい。
<水性媒体>
本発明の撥水耐油剤組成物は水性媒体を含んでおり、含フッ素共重合体およびカチオン性デンプンは該水性媒体に分散または溶解されている。
該水性媒体は、水を含み、揮発性有機溶媒の含有量が1質量%以下である液体であればよく、具体的には水または水を含む共沸混合物が好ましい。
本発明において、撥水耐油剤組成物中の揮発性有機溶媒とは、撥水耐油剤組成物を常温で保存したときに揮発する有機溶媒を意味しており、具体的には1×10Paにおける沸点(以下、単に「沸点」という。)が100℃以下である有機溶媒である。なお、水と共沸混合物を作る溶媒は該揮発性有機溶媒には含まれないものとする。
<撥水耐油剤組成物>
本発明の撥水耐油剤組成物は、含フッ素共重合体およびカチオン性デンプンを水性媒体とともに混合することにより得られる。
本発明の撥水耐油剤組成物は、撥水耐油紙を製造する際に原紙を処理する処理剤として好適に用いられる。本発明の撥水耐油剤組成物を、実際に紙の加工処理に適用する際の固形分濃度は、基材、処理方法等により適当に選択すればよい。例えば、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
撥水耐油剤組成物には、必要に応じて、公知の添加剤を適宜含有させることができる。例えば、ポリビニルアルコール、ポリアミドアミン、ポリアミドアミンエピクロロヒドリン変性体、尿素またはメラミンホルムアルデヒドの縮合物または予備縮合物、メチロール−ジヒドロキシエチレン−尿素およびその誘導体、ウロン、メチロール−エチレン−尿素、メチロール−プロピレン−尿素、メチロール−トリアゾン、ジシアンジアミド−ホルムアルデヒドの縮合物などの樹脂;デンドリマー型アルコール系浸透剤、アセチレングリコール系浸透剤などの浸透剤;シリコーン系消泡剤、デンドリマー型アルコール系消泡剤、アセチレングリコール系消泡剤などの消泡剤が挙げられる。
<撥水耐油紙>
本発明の撥水耐油紙は、原紙を、本発明の撥水耐油剤組成物を用いて処理したものである。原紙はサイズ剤で処理されたサイズ原紙でもよく、無サイズ原紙でもよい。
原紙はステキヒトサイズ度が30秒以下であることが好ましい。該ステキヒトサイズ度はJIS P−8122に準処する方法で測定される値であり、この値が大きいほど耐水性が高いことを示す。原紙のステキヒトサイズ度が30秒を超えると、撥水耐油剤組成物の浸透が不均一になり、良好な撥水耐油性が得られないおそれがある。
サイズ剤は公知のものを適宜使用できる。例えば、原紙が酸性抄紙の場合はロジンサイズ剤、強化ロジンサイズ剤、石油樹脂サイズ剤、ワックスサイズ剤等を硫酸バンドでパルプに定着させることができる。
原紙が中性抄紙の場合は、アルキルケテンダイマー、アルケニルコハク酸をカチオン性デンプンで定着させることができる。
サイズ剤の使用量は、ステキヒトサイズを30秒以下にするためには、パルプの種類、灰分、サイズ剤の性能にもよるが、一般的にはパルプに対して0.5質量%以下の添加量が望ましい。
<撥水耐油紙の製造方法>
撥水耐油紙は、原紙に本発明の撥水耐油剤組成物を塗工または含浸させる工程を経て製造される。塗工方法としては、例えばオンマシン、オフマシンでのサイズプレス法、またはコーティング法で行うことが好ましい。サイズプレス法は、類似のゲートロールコーター、メタリングサイズプレス、フィルムサイズプレスなどを利用できる。コーティング法、グラビアコーター、フレキソコーター、ロールコーター、ナイフコーター、エアコーターなどのコーティングシステムを利用できる。
原紙に本発明の撥水耐油剤組成物を塗工または含浸した後、室温またはそれ以上の温度で乾燥し、必要な場合には熱処理を施すことが好ましい。乾燥、熱処理等を行うことで、より優れた耐油性、撥水性を発現できる。
本発明によれば、含フッ素共重合体に含まれるペルフルオロアルキル基が、従来よりも短鎖のペルフルオロアルキル基であるにもかかわらず、原紙を本発明の撥水耐油剤組成物で処理した撥水耐油紙は、撥水性および耐油性に優れており、水および油に対して高いバリア性を有する。また後述の実施例にも示されるように、本発明の撥水耐油剤組成物で処理した撥水耐油紙は、平面部分においても折り目部分においても、良好な撥水性および耐油性が得られる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において「%」は特に断りのない限り「質量%」である。
性能評価は、以下の方法で行った。
[耐水度:サイズ度]
JIS P−8122に準拠する方法でステキヒトサイズ度(単位:秒)を測定した。この値が大きいほど耐水度が高いことを示す。
[耐油性:キット試験]
TAPPI T559cm−02法に準じた下記の方法でキット試験を行った。試験結果は表1に示すキット番号で表し、数字が大きい方が耐油性に優れる。キット試験は、試験紙の耐油性の傾向をごく短時間(15秒間)で知ることができ、紙の耐油性の評価に広く用いられている。この評価結果は、紙の表面の表面張力に対する指標としての意味を持つ。
まず、試験紙を、汚れのない平らな黒色の表面に置き、キット番号12の混合溶液の1滴を13mmの高さから試験紙上に滴下する。滴下した15秒後(接触時間:15秒間)、清潔な吸取り紙で滴下した混合溶液を除去し、混合溶液が接触した紙の表面を目視で観察する。表面の色が濃くなっていたら、キット番号11の混合溶液で同様の操作を行う。表面の色が濃くならないキット番号まで、キット番号を順次小さくしながら同様の操作を繰り返す。表面の色が濃くならない最初の(最も大きい)キット番号で評価する。
Figure 2009035689
[耐油性:サラダ油試験]
より現実的な使用条件における評価を充分に行うために、植物性食用油脂である「サラダ油」に対する耐性を以下の方法で評価した。
まず、5cm×5cmの試験紙を用い、一方の対角線に沿って折り目をつけ、もう一方の対角線については逆向きに第2の折り目をつけた。折り目の交点部分にサラダ油の約0.5mLを滴下し、オーブンに入れて60℃で15時間保持した。オーブンから取り出した後、試験紙からサラダ油を除去し、目視によりサラダ油の試験紙への染み具合を観察した。
染みた痕跡がないものを○、ところどころ染みた痕跡が残るものを△、サラダ油と接触した形状に染みが残るものを×、試験紙の面積の半分以上に染み広がっているものを××、試験紙全体に染み広がっているものを×××の5段階で評価した。
[撥水性:水滴転落性試験]
JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.68:2000に準拠する方法により、試験紙上で水滴を転落させ、下記表2に示す評価基準で評価した。値が大きいほど撥水性が良好であることを示す。
Figure 2009035689
(調製例1:含フッ素共重合体の調製)
1Lのステンレス製反応容器に、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルメタクリレート(純度99.6%)の114.0g、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートの16.5g、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートの18.0g、2,2’エチレンジ゛オキシジエチルジメタクリレートの1.5g、アセトンの350gおよびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)の1.2gを仕込み、窒素置換を3回繰り返した。撹拌回転数350rpmにて65℃で16時間重合反応を行い重合させた。固形分濃度30%の淡黄色溶液を得た。得られた共重合体の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーで調べたところ質量平均分子量は80,000であった。
得られた淡黄色溶液の100gに酢酸2gとイオン交換水120gを添加し、攪拌機で攪拌して乳化分散した。引き続き、減圧条件下にて温度65℃から95℃の範囲に加熱してアセトンを留去し、淡橙色透明な共重合体水分散液を得た。この水分散液をイオン交換水を用いて固形分濃度が20質量%である水分散液を調製した。
(参考例1:試験用原紙の作製)
原料パルプとして、NBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)およびLBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)を用いた。
LBKPとNBKPの混合パルプ(LBKP/NBKPの質量比が7/3)および水(ろ過後の水量が400mLc.s.f)を含むパルプスラリーに、表3に示す添加剤を添加量で添加した。表3に記載されている添加剤の添加量は、混合パルプ全体を100質量%としたときの、添加剤(固形分)の割合(単位:質量%)である。
こうして調製したパルプスラリーを用い、抄紙機による手漉きにより、坪量が約50g/mの紙を抄紙し、さらにドラムドライヤーを用いて100℃にて100秒間乾燥を行い、試験用原紙とした。
上記「c.s.f」とは、カナダ標準ろ水度(Canadian Standard Freeness)が1000mLである水分散パルプを、所定のろ過装置でろ過した時の水量を意味する単位である。
こうして得られた5種の試験用原紙について、それぞれステキヒトサイズを測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2009035689
(実施例1〜4および比較例1〜4)
実施例および比較例で用いた含フッ素共重合体、カチオン性デンプン、酸化デンプンおよび添加剤は以下の通りである。
・含フッ素共重合体(1):上記調整例1で得られた含フッ素重合体の水分散液(固形分濃度20質量%)。
・カチオン性デンプン(1):エキセルDH(製品名、日澱化学製、カチオン化度0.55%以上0.75%以下)。
・カチオン性デンプン(2):マーメイドC−50(製品名、敷島スターチ社製、カチオン化度0.21%以上0.45%以下)。
・酸化デンプン:MS−3600(製品名:日本食品化工社製)。
・浸透剤:メイカサーフS−28(製品名:明成化学社製)。
試験液中における固形分濃度(単位:質量%)が表4に示す値となるように、含フッ素共重合体、カチオン性デンプン、浸透剤、およびイオン交換水を混合して試験液を調製した。
参考例1で作製した各試験用原紙のそれぞれに対し、得られた試験液の200gを、サイズプレス法により、ウェットピックアップ70%にて塗工した後、105℃で1分間加熱乾燥を行い試験紙を得た。
得られた各試験紙について、撥水性(水滴転落性試験)、耐油性(キット試験)、および耐油性(サラダ油試験)の評価を行った。その結果を表4に示す。
Figure 2009035689
表4の結果に示されるように、本発明にかかる実施例1〜4で得られた試験紙は、撥水性(水滴転落性試験)、耐油性(キット試験)、および耐油性(サラダ油試験)のいずれの評価も良好であった。
実施例1、3と比較例1、3をそれぞれ比べると、実施例1,3において撥水性(水滴転落性試験)および耐油性(キット試験)の向上がみられる。耐油性(サラダ油試験)はほぼ同等であった。
実施例2、4と比較例2、4をそれぞれ比べると、実施例2,4において耐油性(キット試験)の向上がみられ、実施例2では撥水性(水滴転落性試験)の向上もみられる。実施例4の撥水性および実施例2、4の耐油性(サラダ油試験)は比較例2、4と同等であった。
本発明の撥水耐油紙あるいは本発明の製造方法で製造された撥水耐油紙は、耐油性ばかりではなく撥水性にも優れるので、魚類飼料包装や脱酸素剤包装など水、油両方に高いバリア性を必要とする広い分野に優れた効果を有する。

Claims (7)

  1. 下記単量体(a)に基づく重合単位(a’)、下記単量体(b)に基づく重合単位(b’)および下記単量体(c)に基づく重合単位(c’)を含む含フッ素共重合体、カチオン性デンプン、および水性媒体を含有することを特徴とする撥水耐油剤組成物。
    単量体(a):(Z−Y)Xで表される化合物。ただし、式中Zは炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基またはC2m+1O(CFWCFO)CFK−(mは1〜6の整数、dは1〜4の整数、WおよびKはそれぞれ独立にフッ素原子またはトリフルオロメチル基。)で表される1価の基を表し、Yは2価の有機基または単結合を表し、nは1または2であり、nが1のとき、Xは−CR=CH、−COOCR=CH、−OCOCR=CH、−OCH−φ−CR=CHまたは−OCH=CHを表し、nが2のとき、Xは−CH[−(CHCR=CH]−、−CH[−(CHCOOCR=CH]−、−CH[−(CHOCOCR=CH]−、または−OCOCH=CHCOO−を表し、Rは水素原子、メチル基またはハロゲン原子であり、φはフェニレン基であり、pは0〜4の整数である。nが2のとき、1分子内に存在する2つの(Z−Y)は互いに同じでもよく、異なっていてもよい。
    単量体(b):CH=CR−G−(RO)−Rで表される化合物。ただし、式中のRは水素原子またはメチル基を表わし、Rは炭素原子数2〜4のアルキレン基、または水素原子の一部または全部が水酸基で置換された炭素原子数2〜3のアルキレン基を表わし、qは1〜50の整数であり、Gは−COO(CH−または−COO(CH−NHCOO−(rは0〜4の整数、tは1〜4の整数。)を表わし、Rは水素原子、メチル基、アクリロイル基、メタクリロイル基またはアリル基を表わす。
    単量体(c):CH=CR−M−Q−NRまたはCH=CR−M−Q−N(O)Rで表される化合物。ただし、式中のRは水素原子またはメチル基を表わし、Mは−COO−または−CONH−を表わし、Qは炭素原子数2〜4のアルキレン基または水素原子の一部または全部が水酸基で置換された炭素原子数2〜3のアルキレン基を表わし、R、Rはそれぞれ独立に、ベンジル基、炭素原子数1〜8のアルキル基または水素原子の一部が水酸基で置換された炭素原子数2〜3のアルキル基を表わす。
  2. 前記単量体(a)の(Z−Y)Xにおいて、Zが炭素原子数1〜6のペルフルオロアルキル基であり、Yが2価の有機基であり、Xが−OCOCR=CHまたは−OCOCH=CHCOO−(Rは水素原子、メチル基またはハロゲン原子を表す。)である、請求項1に記載の撥水耐油剤組成物。
  3. 前記含フッ素共重合体が、前記重合単位(a’)の70〜90質量%、前記重合単位(b’)の4〜20質量%、および前記重合単位(c’)の8〜25質量%を含む、請求項1または2に記載の撥水耐油剤組成物。
  4. 前記カチオン性デンプンの、下記式(A)で表されるカチオン化度が0.1〜1.0%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の撥水耐油剤組成物。
    Figure 2009035689
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の撥水耐油剤組成物を用いて処理された撥水耐油紙。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の撥水耐油剤組成物を、原紙に塗工または含浸させる工程を有することを特徴とする撥水耐油紙の製造方法。
  7. 上記原紙のステキヒトサイズ度が30秒以下である、請求項6に記載の撥水耐油紙の製造方法。
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