JP2009035603A - ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】加工性や作業性を損ねることなく、高い破壊特性と耐摩耗性を維持し、廃ゴム製品のリサイクル化を向上しうる微粒径ゴム含有のゴム組成物を得る。
【解決手段】廃ゴムを200メッシュの篩を通過するように微粒径化した粉ゴムを含有し、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩又は脂肪酸エステル及び脂肪酸金属塩の混合物からなる加工助剤を配合したゴム組成物。
【選択図】なし
【解決手段】廃ゴムを200メッシュの篩を通過するように微粒径化した粉ゴムを含有し、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩又は脂肪酸エステル及び脂肪酸金属塩の混合物からなる加工助剤を配合したゴム組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、微粒径粉ゴム含有ゴム組成物に関するものであり、特に使用済みタイヤ等の廃ゴム製品の微粒径粉ゴムを含有し、加工性を損ねることなく、高い破壊特性および耐摩耗性を維持した廃ゴム製品のリサイクル化を向上しうるゴム組成物に関するものである。
廃タイヤは、一般のプラスチック製品と比較しても回収率は高く、特にセメント工場を中心として燃料として再利用されている。近年、環境問題の高まりとともに、タイヤゴム片あるいはゴム粉末をそのまま使用するいわゆるマテリアルリサイクル率の向上が求められている。
しかしながら、ゴム粉末を得るために通常用いられる手法のうちで代表的なロール粉砕法では、粉砕時の熱履歴が大きいことに加えて、微粒径化が困難で、この方法によって得られた粉ゴムをゴム成分(新ゴム)にただ添加するだけでは、ゴム物性(特に破壊特性)の低下は避けられず、また、ゴム組成物の粘度上昇を避けることもできず、加工性の悪化を招く。特に、粉ゴムの添加量が多い場合には加工性が著しく悪化し、粉ゴムの分散が悪く、ゴム物性が低下するので、その添加量は少量に制限せざるを得ない。
加工性悪化を回避する方法として、オイルパン法による粉ゴムの加熱脱硫処理が知られているが、ロール粉砕後の粉ゴムをそのまま処理するのが通常の手法であり、やはりゴム物性の低下は避けられない。
上記のように、これまでは市販の粉ゴムや再生ゴムをゴム組成物に配合した場合、加工性とゴム物性(破壊特性、耐摩耗性)共に低下を避けることが極めて困難であった。
上記のように、これまでは市販の粉ゴムや再生ゴムをゴム組成物に配合した場合、加工性とゴム物性(破壊特性、耐摩耗性)共に低下を避けることが極めて困難であった。
他方、特開2000−230055号公報(特許文献1)には、微細エラストマー粒子を効率よく得るための方法について、エラストマーと添加剤を懸濁液中で粉砕する方法が述べられているが、ゴム組成物として使用することとその加工性については記載がない。
また、特開2001−89601号公報(特許文献2)や特開2001−89603号公報(特許文献3)には、シート加工性と破断特性の両立のため、特定ゴム組成の加硫ゴムを二軸押出機又はロールにより粉砕して得た再生ゴムを配合することが開示されているが、その性能は未だ満足のいかぬものである。しかも、これらの方法では、十分な加工性を確保するためには、粉砕ゴムを加硫系マスターバッチとすることが必要とされている。
しかし、加硫系マスターバッチとした場合、一般には追加の調整加硫剤と共に、これを混練する必要があり、混練工程における練り温度上限の制約が大きい。すなわち、一般には、再生ゴムをゴム成分(新ゴム)に混合分散させるためには、新ゴムを加硫剤と共に混練する場合より一般に高い温度で混練することが望ましく、加硫系マスターバッチを用いて、それを実施することは高温を必要とし、混練中にスコーチやゴム焼けが生じるという問題がある。
特開2000−230055号公報
特開2001−89601号公報
特開2001−89603号公報
本発明は、かかる実情に鑑み、加工性や作業性を損ねることなく、高い破壊特性と耐摩耗性を維持し、従来の再生ゴムおよび粉ゴムに比べ、使用済みタイヤ等の廃ゴム製品のリサイクル化を向上しうる微粒径ゴム含有のゴム組成物を得ることを目的とする。
本発明者は、上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、廃ゴムを従来法で粉砕した粉ゴムに微粒径化処理を施し、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩又は脂肪酸エステル及び脂肪酸金属塩の混合物からなる加工助剤を配合することにより、加工性を損ねることなく、高い破壊特性と耐摩耗性を有するゴム組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、微粒径化処理を施し、200メッシュの篩を通過した粉ゴムを新ゴム100重量部に5〜40重量部(5〜40phr)、好ましくは5〜20phr、より好ましくは5〜15phr添加したゴム成分に脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩又は脂肪酸エステル及び脂肪酸金属塩の混合物からなる加工助剤を適用することで、加工性を損ねることなく、高い破壊特性を有する微粒径粉ゴム含有ゴム組成物である。
また、本発明は、上記ゴム組成物をタイヤ構成部材に用いたタイヤである。
また、本発明は、上記ゴム組成物をタイヤ構成部材に用いたタイヤである。
本発明により、廃ゴムの配合割合を大きくしても加工性、を損ねることなく、高い破壊特性と耐摩耗性を維持することができ廃ゴムリサイクル率を高くできるゴム組成物を得る。
本発明において、微粒径粉ゴム製造に用いられる粉ゴム中のゴム成分は、原料となる廃ゴムに含まれているものであり、その種類は特に限定されるものではなく、天然ゴム及び合成ゴムの中から選ばれる少なくとも1種を含むものであればよい。合成ゴムとしては、ジエン系ゴムが好ましく、例えば、シス−1,4−ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、低シス−1,4−ポリブタジエン、高シス−1,4−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなど例示できる。
また、前記粉ゴムの原料となる廃ゴムには、ゴム工業で通常使用されている硫黄、過酸化物などの架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、酸化防止剤,オゾン劣化防止剤、老化防止剤、プロセス油、亜鉛華(ZnO)、ステアリン酸、シランカップリング剤などが配合されていてもよい。
本発明で用いる粉ゴムの原料としては、加硫ゴムからなる廃タイヤ・チューブ等を従来の方法で粉砕して得られる粉ゴムに限らず、タイヤ製造時に発生する未加硫スクラップ物、タイヤ加硫時に発生するスピュー片なども使用できる。
次に、本発明で使用する微粒径ゴムの製造方法(微粒径化処理)について説明する。
なお、微粒径ゴムの製造方法については、特開2006−176560に記載の方法が参照される。
微粒径化処理は、下記の3工程を備えている。
予備粉砕工程:ゴムチップを予備粉砕手段である予備粉砕機によって細粉砕ゴムに加工する。
微粉砕工程 :上記細粉砕ゴムを微粉砕手段である微粉砕機によって固着防止剤を添加しながら段階的に粉砕して最終的に微粉砕ゴムに仕上げる。
分級回収工程:分級手段である分級機により上記微粉砕ゴムを所定の粒径を有する微粉ゴム(所定の粒径より小さい粒径を有する微粉ゴムを含む)とそれ以外のものに分級(選別)して回収する。
なお、後述するように、予備粉砕工程は必要に応じて上記製法に組み込むものであり、選択的な工程である。
なお、微粒径ゴムの製造方法については、特開2006−176560に記載の方法が参照される。
微粒径化処理は、下記の3工程を備えている。
予備粉砕工程:ゴムチップを予備粉砕手段である予備粉砕機によって細粉砕ゴムに加工する。
微粉砕工程 :上記細粉砕ゴムを微粉砕手段である微粉砕機によって固着防止剤を添加しながら段階的に粉砕して最終的に微粉砕ゴムに仕上げる。
分級回収工程:分級手段である分級機により上記微粉砕ゴムを所定の粒径を有する微粉ゴム(所定の粒径より小さい粒径を有する微粉ゴムを含む)とそれ以外のものに分級(選別)して回収する。
なお、後述するように、予備粉砕工程は必要に応じて上記製法に組み込むものであり、選択的な工程である。
予備粉砕工程においては、例えば廃タイヤ(ビードワイヤーなどタイヤ補強材除去処理済)を幾つかに切断したカットタイヤを所定の大きさに破砕したゴムチップ(タイヤチップ)を粉ゴム原料として予備粉砕機に投入し、粉砕室内に設けられている粉砕部によって細粉砕ゴムに加工する。予備粉砕機に供給するゴムチップは適宜であるが、1mm〜8mm程度の大きさにカットしておくことが、細粉砕ゴムの粒径を小さくするのに役立つ。ゴムチップに対して予め加熱しておくことによって、予備粉砕機による細粉砕を円滑にするが、通常の温度で処理することに何等の問題はなく、予熱の付加作業をするか否かは適宜選択される。
ゴムチップを予備粉砕機で複数回繰り返して粉砕することにより、小さい粒径の細粉砕ゴムを生産することができる。
予備粉砕機としては、ゴムチップを攪拌粉砕する押出機、ロールによって粉砕するロール粉砕機など適宜のものが選択される。
ゴムチップを予備粉砕機で複数回繰り返して粉砕することにより、小さい粒径の細粉砕ゴムを生産することができる。
予備粉砕機としては、ゴムチップを攪拌粉砕する押出機、ロールによって粉砕するロール粉砕機など適宜のものが選択される。
微粉砕工程においては、予備粉砕機で処理された上記細粉砕ゴムが、微粉砕機によって荒粉砕から中粉砕を経て仕上げ粉砕されて微粉砕ゴムに加工される。微粉砕機は、荒粉砕部、中粉砕部及び仕上げ粉砕部を上流から下流に向けて連続的に配置しているロール粉砕手段である。荒粉砕部、中粉砕部及び仕上げ粉砕部は、いずれも対になっているロールを一段又は複数段に配置している構成である。
ゴムチップ又は予備粉砕ゴムは、荒粉砕ロールによって荒粉砕され、ふるい機によって予め計画されている所定の粒径の粉砕ゴムのみが、荒粉砕ゴムとして中粉砕工程へ送られ、所定値を超えるものは非荒粉砕ゴムとして荒粉砕部に戻されて再び処理される。そして荒粉砕ゴムは中粉砕ロールに供給されて中粉砕され、ふるい機によって所定の粒径の粉砕ゴムのみが、中粉砕ゴムとして仕上げ工程へ送られ、所定値を超えるものは非中粉砕ゴムとして中粉砕部に戻されて再び処理される。さらに、中粉砕ゴムは仕上げ粉砕ロールによって微粉砕ゴムに仕上げられる。仕上げ粉砕工程で処理された微粉砕ゴムは、分級回収工程における分級機へ送られる。
ゴムチップ又は予備粉砕ゴムは、荒粉砕ロールによって荒粉砕され、ふるい機によって予め計画されている所定の粒径の粉砕ゴムのみが、荒粉砕ゴムとして中粉砕工程へ送られ、所定値を超えるものは非荒粉砕ゴムとして荒粉砕部に戻されて再び処理される。そして荒粉砕ゴムは中粉砕ロールに供給されて中粉砕され、ふるい機によって所定の粒径の粉砕ゴムのみが、中粉砕ゴムとして仕上げ工程へ送られ、所定値を超えるものは非中粉砕ゴムとして中粉砕部に戻されて再び処理される。さらに、中粉砕ゴムは仕上げ粉砕ロールによって微粉砕ゴムに仕上げられる。仕上げ粉砕工程で処理された微粉砕ゴムは、分級回収工程における分級機へ送られる。
微粉砕機による荒粉砕及び中粉砕の各過程で排出される非荒粉砕ゴム及び非中粉砕ゴムに含まれている金属は、荒粉砕部及び中粉砕部にそれぞれ戻される直前に、金属除去装置によって除去される。
微粉砕工程において添加される固着防止剤は、荒粉砕部、中粉砕部及び仕上げ粉砕部の上部に配置してある攪拌器に供給され、攪拌器内で粉砕ゴムと均一に攪拌されて、上記荒粉砕部、中粉砕部及び仕上げ粉砕部にそれぞれ投入される。
微粉砕工程において添加される固着防止剤は、荒粉砕部、中粉砕部及び仕上げ粉砕部の上部に配置してある攪拌器に供給され、攪拌器内で粉砕ゴムと均一に攪拌されて、上記荒粉砕部、中粉砕部及び仕上げ粉砕部にそれぞれ投入される。
固着防止剤は、充填材(炭酸カルシウム、アルミナ、酸化亜鉛等)や補強材(カーボンブラック、タルク、シリカなど)が適当である。固着防止剤の種類は、製造コスト、微粉砕ゴムの用途などを考慮して適宜選択される。
固着防止剤を添加することによって粉砕ゴムの表面がコーティングされ、粉砕ゴム同士が再び付着結合することが抑制され、ふるい機による選別や分級機による分級(選別)が効率的にかつ容易となる利点がある。
固着防止剤を添加することによって粉砕ゴムの表面がコーティングされ、粉砕ゴム同士が再び付着結合することが抑制され、ふるい機による選別や分級機による分級(選別)が効率的にかつ容易となる利点がある。
分級回収工程は、微粉砕工程において固着防止剤が添加された微粉砕ゴムを分級機によって分級して回収する工程である。
分級回収工程において、仕上げ粉砕部で処理された仕上げ粉砕ゴムは、分級機へ送られて、所定粒径の微粉砕ゴムとそれ以外のものとに選別され、所定粒径の微粉砕ゴムのみが微粒径ゴムとして回収され、所定粒径を超えた微粉砕ゴム(非微粒径ゴム)は仕上げ粉砕部へ戻されて、再度仕上げ粉砕ゴムにするための粉砕が繰り返される。
仕上げ粉砕部から排出される非微粒径ゴムに含まれている金属は、上記仕上げ粉砕部に戻される前に金属除去装置によって除去される。
分級機としてふるい機などが用いられる。
分級回収工程において、仕上げ粉砕部で処理された仕上げ粉砕ゴムは、分級機へ送られて、所定粒径の微粉砕ゴムとそれ以外のものとに選別され、所定粒径の微粉砕ゴムのみが微粒径ゴムとして回収され、所定粒径を超えた微粉砕ゴム(非微粒径ゴム)は仕上げ粉砕部へ戻されて、再度仕上げ粉砕ゴムにするための粉砕が繰り返される。
仕上げ粉砕部から排出される非微粒径ゴムに含まれている金属は、上記仕上げ粉砕部に戻される前に金属除去装置によって除去される。
分級機としてふるい機などが用いられる。
本発明で使用する微粒径化処理した粉ゴムは、200メッシュの篩を通過したものが好ましい。特に、200メッシュの篩を通過した粉ゴムでも、室温において光散乱式粒度分布計で測定して、75μm以下の粒子サイズが70%以上含む粉ゴムが好ましい。200メッシュの篩を通過したものは、破壊核となる可能性が非常に少なく、破壊強度の低下抑制に対して、特に効果が大きい。
本発明に使用する加工助剤は、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩、又は脂肪酸エステル及び脂肪酸金属塩の混合物からなり、その融点が80〜120℃のものが好ましい。脂肪酸としては、炭素数3〜30の飽和又は不飽和脂肪酸で、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸が挙げられる。
これらの脂肪酸の塩を形成する金属としては、Zn、Na、Mg、Ca、Co、Ni、Ba、Fe、Al、Cu及びMnから選ばれた少なくとも1種が好ましい。特に、Znが好ましい。脂肪酸金属塩は、単独でも、2種以上組合わせて用いてもよい。また、脂肪酸エステルを形成する場合のアルコールとしては、炭素数10以下の低級アルコールなどを挙げることができる。脂肪酸エステルは、単独でも、2種以上組合わせて用いてもよい。
加工助剤は、未加硫ゴム(好ましくは新ゴム)100質量部に対して、0.5〜5質量部の範囲で添加する。好ましくは0.5〜3質量部の範囲である。加工助剤は、粉ゴムの分散に大きな効果があり、この分散性改良効果によって、破壊強度低下の抑制、耐摩耗性低下の抑制、粘度上昇抑制が可能となる。
本発明のゴム組成物において、微粒径粉ゴムの配合量は、新ゴム100質量部に対して40質量部(40phr)以下であることが好ましい。40質量部を超えると、微粒径化の程度によっては、所望の破壊特性、耐摩耗性の維持効果が得られにくくなることがある。好ましい配合量は、5〜40phr、より好ましくは5〜30phrの範囲である。5phrより少ないと、廃ゴムのリサイクル率が上がらない。加工助剤を使用すると、5phr以上の粉ゴムを配合した場合でも、加工助剤が効果的に作用し、粉ゴムの分散を改良するため、加工性がよくなり、破壊強度及び耐摩耗性が、単に再生ゴム及び粉ゴムを配合した場合に比べて大きく向上する。
新ゴムとしてのゴム成分は、特に制限されるものでなく、例えば前記粉ゴム中のゴム成分と同様の天然ゴムや合成ゴムなど各種のゴムを用いることができる。
また、本発明のゴム組成物においては、例えばカーボンブラック、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウムなどの充填剤を含むことができる。
本発明のゴム組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、所望により、通常ゴム工業で用いられる各種薬品、例えば加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、プロセス油、スコーチ防止剤、亜鉛華(ZnO)、ステアリン酸などを含有させることができる。
上記により得られるゴム組成物は、粉ゴムを含有するものであるにも拘わらず、破壊特性及び耐摩耗性の低下を抑制しつつ、ムーニー粘度の上昇も抑制することができる。
また、本発明のタイヤは、前記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。このようにして得られた本発明のタイヤに充填する気体は空気のみに限らず、窒素などの不活性ガスも使用できる。
また、本発明のタイヤは、前記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。このようにして得られた本発明のタイヤに充填する気体は空気のみに限らず、窒素などの不活性ガスも使用できる。
次に、実施例および比較例により、本発明を詳しく説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されない。
以下の実施例、比較例において、未加硫ゴム組成物の加工性および加硫ゴム組成物の破壊特性を下記の方法により測定、評価した。
以下の実施例、比較例において、未加硫ゴム組成物の加工性および加硫ゴム組成物の破壊特性を下記の方法により測定、評価した。
(1)加工性(ムーニー粘度)
JIS K6300により、予熱時間1分、ローター作動時間4分、温度130℃の条件でムーニー粘度(ML1+4)を測定し、比較例1を基準にして、その値を100として指数で表示した。
この指数は小さいほど加工性は優れているが、極端に小さいと逆に密着しやすいゴム組成物となることがある。従って、加工性を損なわないためには、この指数が90〜110の範囲、特に、94〜104の範囲にあることが望ましい。この範囲であれば、耳切れなどの問題も起こらず、一方、110を超えると、加工性が大幅に悪化し、ゴム肌の悪化や耳切れなどの問題が顕著になってくる。
(2)破壊特性
JIS K6301により、破壊強度(Tb)を測定し、比較例1の値を100として指数で表示した。この数値が大きいほど破壊特性良好である。
(3)耐摩耗性
ランボーン摩耗試験機を用いて、室温下でスリップ率25%の条件で試験を行い、摩耗量の逆数を比較例1のゴム組成物を100として指数で表示した。この数値が大きいほど耐摩耗性が良好である。
JIS K6300により、予熱時間1分、ローター作動時間4分、温度130℃の条件でムーニー粘度(ML1+4)を測定し、比較例1を基準にして、その値を100として指数で表示した。
この指数は小さいほど加工性は優れているが、極端に小さいと逆に密着しやすいゴム組成物となることがある。従って、加工性を損なわないためには、この指数が90〜110の範囲、特に、94〜104の範囲にあることが望ましい。この範囲であれば、耳切れなどの問題も起こらず、一方、110を超えると、加工性が大幅に悪化し、ゴム肌の悪化や耳切れなどの問題が顕著になってくる。
(2)破壊特性
JIS K6301により、破壊強度(Tb)を測定し、比較例1の値を100として指数で表示した。この数値が大きいほど破壊特性良好である。
(3)耐摩耗性
ランボーン摩耗試験機を用いて、室温下でスリップ率25%の条件で試験を行い、摩耗量の逆数を比較例1のゴム組成物を100として指数で表示した。この数値が大きいほど耐摩耗性が良好である。
<粉ゴムの製造例>
粉ゴムは次のような方法により、製造した。
予め60℃に加熱した3mmゴムチップを予備粉砕機に5回通して細粉砕ゴムに加工してから、微粉砕機に供給し、細粉砕ゴムの供給量に対して固着防止剤として炭酸カルシウムを4重量%を添加しながら微粉砕機によって段階的に粉砕し、荒粉砕、中粉砕及び仕上げ粉砕の各工程を経るまでに合計150回の粉砕をし、分級機によって選別し、200メッシュ(0.075mm)を通過した粉ゴムを回収した。最終的に回収した微粒径ゴムは、原料ゴムチップの56.6%であり、残りは再度荒粉砕部に戻した。
粉ゴムは次のような方法により、製造した。
予め60℃に加熱した3mmゴムチップを予備粉砕機に5回通して細粉砕ゴムに加工してから、微粉砕機に供給し、細粉砕ゴムの供給量に対して固着防止剤として炭酸カルシウムを4重量%を添加しながら微粉砕機によって段階的に粉砕し、荒粉砕、中粉砕及び仕上げ粉砕の各工程を経るまでに合計150回の粉砕をし、分級機によって選別し、200メッシュ(0.075mm)を通過した粉ゴムを回収した。最終的に回収した微粒径ゴムは、原料ゴムチップの56.6%であり、残りは再度荒粉砕部に戻した。
実施例1〜3および比較例1〜7
スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR:新ゴム)100重量部に対して、第1表に示す種類と量の配合剤を添加してゴム組成物を得た。第1表では、廃ゴム(再生ゴム又は粉ゴム)、加工助剤および硫黄の配合量は変量となっているが、各実施例、比較例におけるそれぞれの配合量は第2表に示した。
ゴム組成物の混練りは90ccブラストミルを用いて行い、次のように二工程に分けて実施した。まず、第一工程で再生ゴムまたは粉ゴムを、新ゴム、カーボンブラック、ステアリン酸、老化防止剤および加工助剤と共に最高温度160℃にて混練した。次いで、第二工程で、第一工程で得られたゴム組成物と亜鉛華、加硫促進剤A、加硫促進剤B、加硫促進剤Cおよび硫黄を最高温度105℃にて混練した。
第二工程で得られたゴム組成物について、加工性(ムーニー粘度ML1+4)を測定するとともに、160℃で13分間、加圧加硫したゴム組成物の破壊特性、耐摩耗性を測定した。評価結果を第2表に示す。
スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR:新ゴム)100重量部に対して、第1表に示す種類と量の配合剤を添加してゴム組成物を得た。第1表では、廃ゴム(再生ゴム又は粉ゴム)、加工助剤および硫黄の配合量は変量となっているが、各実施例、比較例におけるそれぞれの配合量は第2表に示した。
ゴム組成物の混練りは90ccブラストミルを用いて行い、次のように二工程に分けて実施した。まず、第一工程で再生ゴムまたは粉ゴムを、新ゴム、カーボンブラック、ステアリン酸、老化防止剤および加工助剤と共に最高温度160℃にて混練した。次いで、第二工程で、第一工程で得られたゴム組成物と亜鉛華、加硫促進剤A、加硫促進剤B、加硫促進剤Cおよび硫黄を最高温度105℃にて混練した。
第二工程で得られたゴム組成物について、加工性(ムーニー粘度ML1+4)を測定するとともに、160℃で13分間、加圧加硫したゴム組成物の破壊特性、耐摩耗性を測定した。評価結果を第2表に示す。
1)新ゴム:SBR#1712〔ジェイエスアール(株)製〕
ゴム成分100質量部と伸展油37.5質量部を含む
2)カーボンブラック:シースト7HM〔東海カーボン(株)製〕
3)老化防止剤:ノクラック6C〔大内新興化学(株)製〕
4)加硫促進剤A:ノクセラーDM−P〔大内新興化学(株)製〕
5)加硫促進剤B:ノクセラーNS−P〔大内新興化学(株)製〕
6)加硫促進剤C:ノクセラーD〔大内新興化学(株)製〕
7)硫黄:粉末硫黄
8)加工助剤:アクチプラストPP〔ラインケミー社製〕、飽和脂肪酸亜鉛塩の混合物、融点102℃
比較例1〜3は、市販の再生ゴムを配合したものであり、加工性は維持できるが、破壊強度、耐摩耗性が低い。比較例4〜6は、200メッシュ通過の粉ゴムを用い、加工助剤を配合しないもので、微粒径のため、破壊強度、耐摩耗性の低下は再生ゴムに比べて大幅に抑制されるが、加工性が悪い。比較例7は、粉ゴムの量が少ないため、破壊特性、耐摩耗性は他の例に比べ高い値が得られているが、加工性は低下している。実施例1〜3は、200メッシュ通過の粉ゴムと加工助剤が配合されたもので、加工助剤の効果が顕著で、粉ゴムが同量の比較例に比べて破壊強度、耐摩耗性の低下の抑制に大きく寄与していることが判る。また、比較例7と実施例1では、加工助剤の配合で粉ゴムが多くても破壊強度、耐摩耗性の低下はなく、加工性は改善されている。
Claims (8)
- 微粒径化して、200メッシュの篩を通過した粉ゴムを含み、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩、又は脂肪酸エステル及び脂肪酸金属塩の混合物からなる加工助剤を含むことを特徴とするゴム組成物。
- 請求項1記載の粉ゴムのうち、室温において光散乱式粒度分布計で75μm以下の粒子サイズを70%以上含む請求項1記載のゴム組成物。
- 粉ゴムを、新ゴム100質量部に対して5質量部以上、40質量部以下含有する請求項1または2記載のゴム組成物。
- 加工助剤は、炭素数3〜30の直鎖または分岐の飽和または不飽和の脂肪酸エステルまたはその金属塩である請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
- 加工助剤の脂肪酸金属塩が、Zn、Na、Mg、Ca、Co、Ni、Ba、Fe、Al、CuおよびMnから選ばれた少なくとも1種の金属の塩である請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
- 加工助剤の脂肪酸エステルが、炭素数10以下のアルコールとの脂肪酸エステルである請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
- 加工助剤は、その融点が80〜120℃である請求項4〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物をタイヤ構成部に用いたタイヤ。
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