JP2009034634A - 吸着材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明はリグニン含有化合物から吸着性能の優れた吸着材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
加水分解リグニン、オルガノソルブリグニン、アルカリリグニン、リグニンスルホン酸塩、爆砕リグニン、砕木リグニンから選ばれるリグニン含有化合物と、
一分子内に反応性官能基として働く二以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、を架橋反応させて得られることを特徴とする吸着材およびその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、吸着材およびその製造方法に係り、特に親水性および疎水性を有する化学物質やイオン性の化学物質の吸着に優れた吸着材およびその製造方法に関する。
界面活性剤をはじめとする水質汚濁物質は、洗浄剤をはじめとして化粧品・食品・薬品、分散剤など幅広い分野で利用されており、我々の生活に欠かせないものとなっている。このような界面活性剤は有用である反面、富栄養化・ヘドロ化を誘引し、海域、湖沼、河川など様々な水環境に深刻な汚染を引き起こしている。これら水環境の汚染を防ぐために生分解性を有する界面活性剤への代替化や、汚水排出源において界面活性剤を除去する技術などが望まれている。
特許文献1にはカルボキシアルキル化リグニン誘導体による金属キレート剤が記載されている。本明細書の比較例に記載する通り、カルボキシアルキルリグニン誘導体に対しエポキシを用いて架橋した吸着材は優れた吸着性能は得られない。
特許文献2にはリグニン架橋体とその製造方法が記載されているが、本明細書の比較例に記載する通り、その吸着率は50%台に留まっている程度であり、リグニン単独での吸着材は優れた吸着性能は得られなかった。
一方、化石燃料の代替資源として期待される植物資源のうち、木質系材料は廃材として、または未利用材として多く存在しており、これら木質系材料を有効利用すべく多くの研究が行われている。しかし、未加工木質系材料はセルロース、ヘミセルロース、およびリグニンが高度に絡み合った構造をとっているため、その分離技術を含めた応用研究が進められている段階で、石油資源の代替として活用するためには未だ多くの課題が残されている。
このような木質系材料は古くから紙へと加工され、我々の生活に欠かせないものとして利用されてきた。このように紙へと加工する際、リグニンとセルロース・ヘミセルロースを分離した上でセルロースのみが紙の材料として用いられている。現状では、不要となって排出される大量のリグニンは、燃料・分散剤等として用いられているが、今後更なる高付加価値を有する新たな用途が求められている。
特開平5−302097号公報 特開2004−238593公報
このように、リグニン含有化合物を由来とする吸着材はその吸着性能の点において優れたものを得ることができなかった。
本発明は、係る問題点に対してなされたものであり、リグニン含有化合物から吸着性能の優れた吸着材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の吸着材によると、加水分解リグニン、オルガノソルブリグニン、アルカリリグニン、リグニンスルホン酸塩、爆砕リグニン、砕木リグニンから選ばれるリグニン含有化合物と、一分子内に反応性官能基として働く二以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、を架橋反応させて得られることを特徴とする吸着材が提供される。
本発明の第2の吸着材によると、少なくとも下記化学式1で表される構造式を分子中の一部に含有することを特徴とする吸着材が提供される。ここでX、Yは同種または異種のリグニン含有化合物、Rは芳香族または脂肪族化合物である。
Figure 2009034634
本発明の吸着材の製造方法によると、加水分解リグニン、オルガノソルブリグニン、アルカリリグニン、リグニンスルホン酸塩、爆砕リグニン、砕木リグニンから選ばれるリグニン含有化合物と、一分子内に反応性官能基として働く二以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、を架橋反応させることを特徴とする吸着材の製造方法が提供される。
本発明により、リグニン含有化合物から吸着性能の優れた吸着材およびその製造方法が提供できる。
以下、本発明の実施の形態に係る吸着材および吸着材の製造方法について説明する。
〔リグニン含有化合物〕
リグニンは、木質系材料中に含まれる芳香族化合物であり、通常はセルロース、ヘミセルロースと共に木質系材料の重要な構成要素を担っている。リグニンは木質系材料からの分離方法や純度により、リグニンスルホン酸塩、アルカリリグニン(クラフトリグニン)、加水分解リグニン、オルガノソルブリグニン、爆砕リグニン、リグノセルロース、砕木リグニンなどと呼ばれる。
本発明に係る吸着材を構成するリグニンはこれら分離方法に関わらず、いかなるリグニンをも用いることが可能であるが、純度および反応性の点でリグニンスルホン酸塩、アルカリリグニン、加水分解リグニン、オルガノソルブリグニン、爆砕リグニン、砕木リグニンが好ましい。
ここで、リグニンスルホン酸塩とは木材、草本類に亜硫酸を添加し、蒸解した際に得られるリグニンであり、アルカリリグニンとは木材、草本類に苛性ソーダ、硫酸塩(もしくは硫化ソーダ)を添加して得られるリグニンであり、加水分解リグニンとは木材、草本類に酸、もしくは水を添加し、加水分解した際に得られるリグニンであり、オルガノソルブリグニンとは木材、草本類にエタノール等アルコールを用いた可溶媒分解によって得られるリグニンであり、爆砕リグニンとは木材・草本類から急激な圧力変化によって得られるリグニンであり、砕木リグニンとは木材・草本類を機械的に磨砕することによって得られるリグニンである。
以下、リグニン含有化合物とは、リグニンスルホン酸塩、アルカリリグニン、加水分解リグニン、オルガノソルブリグニン、爆砕リグニン、砕木リグニンのうちから選ばれるリグニンを含んだ化合物をいう。本発明では、ここでリグニン含有化合物はそれぞれを単独のリグニン含有化合物で用いることも出来るし、数種類のリグニン含有化合物を混ぜて用いることも出来る。
〔エポキシ化合物〕
分子内に二以上のエポキシ基を含有するエポキシ化合物としては、一般にエポキシ樹脂として知られているビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール系のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリまたはテトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンから誘導されるエポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物、トリグリシジールイソシアネートやヒダントインエポキシの如き含複素環エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレングリコールジグリシジルエーテルやペンタエリスリトール−ポリ−グリシジルエーテルなどの脂肪族系エポキシ樹脂、脂肪族もしくは芳香族カルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、オルソ−アリル−フェノールノボラック化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのそれぞれの水酸基のオルソ位にアリル基を有するジアリルビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などが挙げられる。エポキシ化合物は分子内に二以上の反応性エポキシ基を有していれば、これらに限定されることなく用いることが出来る。
これら分子内に二以上のエポキシ基を含有する化合物のうち、より優れた吸着性能が得られる点で脂肪族化合物および植物由来化合物を用いることが好ましい。また、特に、石油資源由来のエポキシの使用量を減少できる点から、植物由来化合物を用いることが好ましい。
好ましい脂肪族化合物、すなわち脂肪族エポキシ化合物の例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、プロパンジオールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ペンタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルが挙げられる。
また、植物由来化合物の誘導体、すなわち植物由来エポキシの具体例としては、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化大豆油をはじめとするエポキシ化植物油、1,2,8,9−ジエポキシリモネン、テルペンジオキサイド等が挙げられる。
ただし、ここに記載されていないエポキシ化合物であっても、一分子内に反応性官能基として働くエポキシ基を二以上含有するエポキシ化合物を本発明の目的・作用効果を奏する範囲で含んでいれば、他のエポキシ化合物や、他の化合物を含んでいてもよい。
〔架橋反応〕
本発明に係るリグニン含有化合物を、一分子内に反応性官能基として働く二以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物を用いて架橋させて得られる吸着材の製造方法は、リグニン含有化合物とエポキシ化合物の間で架橋反応が進行するいかなる方法を用いてもよい。このとき、溶媒を用いずにリグニン含有化合物とエポキシ化合物のみによって架橋反応を進行させることも可能であるし、溶媒としてアルカリ水溶液等水系溶媒や各種有機溶媒を用いることも可能であるが、作業性向上、廃棄物低減などの観点から、無溶媒系で架橋反応を進めることが好ましい。
架橋反応は、下記化学式2に示すように進行し、得られるリグニン架橋体は少なくともその一部に下記化学式2右辺に示す構造を有していることが好ましい。このような構造を有することにより、リグニン単独では得られない、優れた吸着性能を有する吸着材を得ることが出来るからである。なお、ここでX、Yは同種または異種のリグニン含有化合物、Rは芳香族または脂肪族化合物である。
Figure 2009034634
また、架橋反応を促進するために、一般的なフェノールとエポキシ反応に用いられるいかなる触媒も用いることが可能である。具体的には、各種アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩、イミダゾールとその誘導体、リン化合物等が挙げられるが、ここに記載されていない硬化触媒、及びこれらを組み合わせて用いることも可能であり、これらに限定されるものではない。
更に、必要に応じて一般に樹脂・吸着材の添加剤として知られるその他添加剤、および反応に支障ない限り公知のフェノール樹脂を加えることも可能である。
反応温度はリグニン含有化合物およびエポキシ化合物が分解しない温度範囲であれば、任意に設定することができる。このうち、反応を分解反応なく効率的に行うために、25℃以上220℃以下の範囲で行うことが好ましい。25℃より低温では架橋反応の進行が遅くなり、また220℃より高温では熱分解が生じる恐れがあり、また反応速度の制御が困難になるためである。
リグニンとエポキシの混合比はリグニン化合物の水酸基当量、およびエポキシ化合物のエポキシ当量によって任意に設定されるが、両者を効果的に反応させるため、リグニン含有化合物10重量部に対しエポキシ化合物1重量部以上50重量部以下であることが好ましい。このうちリグニン含有化合物10重量部に対して、エポキシ化合物3重量部以上25重量部がより好ましい。1重量部よりエポキシが少ないと未反応のリグニン含有化合物が残存してしまい、また50重両部より多いと未反応のエポキシ化合物が残存してしまうからである。このように未反応のリグニン含有化合物やエポキシ化合物を有する吸着材は、吸着性能が劣ることに加え、未反応成分が被処理対象である水溶液中に溶出するおそれがある。
〔吸着材の形態〕
吸着材の形態は膜状、多孔質、粉体状、顆粒状、シート状、成型体、またはこれらを組み合わせたものを用いることができるが、ここに記載されていない形態のものを用いることも可能であり、これらの記載によって何ら限定されるものではない。しかし、本発明に係る吸着システムの小型化のためには、単位重量当たりまたは単位体積当たりの吸着性能の向上させることが好ましく、比表面積の大きい膜状、多孔質、粉体状が好ましい。
多孔質の製法は、一般に有機化合物の多孔質化の方法として知られる方法を用いることが出来る。具体的には揮発性有機液体、不活性ガス、分解型発泡剤、気泡剤、反応生成ガス等による発泡・多孔質化が挙げられるが、ここに挙げられていない発泡方法、及びこれらを組み合わせて用いることも可能であり、これらの記載によって何ら限定されるものではない。
製膜法は、一般に有機化合物の製膜方法として知られる方法を用いることが出来る。具体的には、溶液製膜法、溶融製膜法、微孔形成材抽出法、延伸法、複合膜製膜法、ポリマーコーティング法、モノマー重合法、ポリマー表面架橋法、などが挙げられるが、ここに挙げられていない製膜方法及びこれらを組み合わせて用いることも可能であり、上記の記載によって何ら限定されるものではない。
〔被処理対象〕
このようにして得られる吸着材は、例えば水質汚濁物質浄化用として用いることができる。水質汚濁物質には種々の化学物質があるが、本発明に係る吸着材は分子構造に親水性および疎水性を有する化学物質やイオン性の化学物質をよく吸着する。このような例として界面活性剤が挙げられるが、本発明に係る吸着材はこのような界面活性材に対して特に優れた吸着特性を有する。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
加水分解リグニン2重量部を1mol/L水酸化ナトリウム水溶液10重量部に溶解させた。その後、一分子内に反応性官能基として働く二以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物として2官能性脂肪族エポキシであるエチレングリコールジグリシジルエーテルを4重量部添加し、5分間攪拌した。25℃において24時間架橋反応を進めて硬化させた後、純水洗浄による中和処理により未反応エポキシ化合物、リグニン含有化合物を除去し、60℃で乾燥を行い、吸着材を得た。
得られた吸着材を10μm以上1000μm以下の粒径を有する粒子になるように粉砕し、この1重量部を被吸着媒体として1×10−4mol/Lドデシル硫酸ナトリウム水溶液10重量部に添加し、5分間攪拌後2時間静置した。その後、ろ過して吸着処理後の水溶液を回収し、高速液体クロマトグラフィー(装置名:LC/MS HP1000、アジレントテクノロジー社製)を用いて水溶液中のドデシル硫酸ナトリウムの残留濃度を測定した。その結果を表1に示す。表1に示す通り、吸着率は98.6%と優れたものであった。
Figure 2009034634
(実施例2)
リグニン含有化合物としてアルカリリグニンとした以外は実施例1と同様の方法で吸着材を製造した。得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示す通り、吸着率は98.8%と優れた吸着性能を示した。
(実施例3)
リグニン含有化合物としてリグニンスルホン酸塩とした以外は実施例1と同様の方法で吸着材を製造した。得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示す通り、吸着率は99.1%と優れた吸着性能を示した。
(実施例4)
リグニン含有化合物として爆砕リグニンを用い、実施例1の方法で吸着材を製造した。得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示す通り、吸着率は99.3%と優れた吸着性能を示した。
(実施例5)
オルガノソルブリグニン4重量部をジメチルアセトアミド10重量部に溶解させた。その後、エポキシ化合物として2官能性エポキシである1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル5重量部をリグニンに対して当量、イミダゾール触媒(1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール)を1重量部添加し、150℃にて3時間反応させた。反応後、100℃にてジメチルアセトアミドを除去し、吸着材を得た。
得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示す通り、その吸着率は99.1%と優れた吸着性能を示した。
(実施例6)
オルガノソルブリグニン10重量部をエチレングリコールジグリシジルエーテル10重量部に添加し溶解させた。溶解後イミダゾール触媒(1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール)を1重量部添加し150℃にて10時間硬化させた。
得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示す通り、その吸着率は99.4%と優れた吸着性能を示した。
(実施例7)
エポキシ化合物として1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルとした以外は実施例6と同様の方法で吸着材を製造した。得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示すとおり、その吸着率は99.2%と優れた吸着性能を示した。
(実施例8)
エポキシ化合物としてネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルとした以外は実施例6と同様の方法で吸着材を製造した。得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示すとおり、その吸着率は98.7%と優れた吸着性能を示した。
(実施例9)
エポキシ化合物としてトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルとした以外は実施例6と同様の方法で吸着材を製造した。得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示すとおり、その吸着率は98.5%と優れた吸着性能を示した。
(実施例10)
エポキシ化合物としてペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルとした以外は実施例6と同様の方法で吸着材を製造した。得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示すとおり、その吸着率は98.3%と優れた吸着性能を示した。
(実施例11)
エポキシ化合物としてレゾルシノールジグリシジルエーテルとした以外は実施例6と同様の方法で吸着材を製造した。得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示すとおり、その吸着率は90.0%と優れた吸着性能を示した。
(実施例12)
エポキシ化合物としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828(商品名))とした以外は実施例6と同様の方法で吸着材を製造した。得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示すとおり、その吸着率は90.2%と優れた吸着性能を示した。
(実施例13)
エポキシ化合物としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(エピコート807(商品名))とした以外は実施例6と同様の方法で吸着材を製造した。得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示すとおり、その吸着率は90.5%と優れた吸着性能を示した。
(実施例14)
エポキシ化合物としてエポキシ化亜麻仁油(ダイマックL−500(商品名))とした以外は実施例6と同様の方法で吸着材を製造した。得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示すとおり、その吸着率は98.9%と優れた吸着性能を示した。
(実施例15)
実施例7と同様の方法で得られた吸着材について被吸着媒体をステアリン酸ナトリウムとした以外は実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示すとおり、その吸着率は99.1%と優れた吸着性能を示した。
(実施例16)
実施例7と同様の方法で得られた吸着材について被吸着媒体を4級トリメチルアンモニウムクロライドとした以外は実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示すとおり、その吸着率は98.8%と優れた吸着性能を示した。
(実施例17)
実施例7と同様の方法で得られた吸着材について被吸着媒体をショ糖ステアリン酸エステルとした以外は実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示すとおり、その吸着率は99.0%と優れた吸着性能を示した。
(実施例18)
実施例7と同様の方法で得られた吸着材について被吸着媒体をアルキルアミノ脂肪酸ナトリウムとした以外は実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示すとおり、その吸着率は99.1%と優れた吸着性能を示した。
(実施例19)
リグニン含有化合物を爆砕リグニンとした以外は実施例7と同様の方法で得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示すとおり、その吸着率は99.0%と優れた吸着性能を示した。
(実施例20)
リグニン含有化合物を砕木リグニンとした以外は実施例7と同様の方法で得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示すとおり、その吸着率は99.0%と優れた吸着性能を示した。
(実施例21)
エポキシ含有化合物として1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルを8重量部用い、実施例6と同様の方法で吸着材を製造した。ただし、吸着材は膜状(溶解物を10μm厚に成型後、150℃で10時間硬化)とした。得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示す通り、吸着率は99.3%と優れた吸着性能を示した。
(実施例22)
溶媒としてアセトンを用い、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルを5重量部用いること以外は実施例5と同様の方法で吸着材を製造した。反応後にアセトンを揮発・除去することにより吸着材は多孔質となった。得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示す通り、吸着率は99.4%と優れた吸着性能を示した。
(比較例1)
エポキシ化合物として1の官能基しか有さないエポキシであるフェニルグリシジルエーテル14重量部について、リグニン含有化合物10重量部と実施例6と同様の方法で吸着材を製造した。得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示す通り、吸着率45.0%であった。
(比較例2)
エポキシ化合物として1の官能基しか有さないエポキシであるプロピレンオキサイド6重量部について、リグニン含有化合物10重量部と実施例6と同様の方法で吸着材を製造した。得られた吸着材について実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示す通り、吸着率46.0%であった。
(比較例3)
オルガノソルブリグニン10重量部に無水酢酸100重量部、酢酸ナトリウム5重量部添加し、室温(25℃)で2時間攪拌した後、1000重量部の水で洗浄、乾燥を行い、吸着材としてアセチル化リグニンを得た。得られたアセチル化リグニンについて実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示す通り、吸着率は48.0%であった。
(比較例4)
いかなる架橋も修飾処理も行っていない加水分解リグニンについて、実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示す通り、吸着率52.0%であった。
(比較例5)
いかなる架橋も修飾処理も行っていないオルガノソルブリグニンついて、実施例1と同様の方法で吸着性能を評価した。この結果を表1に示す。表1に示す通り、吸着率58.0%であった。

Claims (6)

  1. 加水分解リグニン、オルガノソルブリグニン、アルカリリグニン、リグニンスルホン酸塩、爆砕リグニン、砕木リグニンから選ばれるリグニン含有化合物と、
    一分子内に反応性官能基として働く二以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、
    を架橋反応させて得ることを特徴とする吸着材。
  2. 前記エポキシ化合物が脂肪族化合物であることを特徴とする請求項1に記載の吸着材。
  3. 前記脂肪族化合物が植物由来化合物の誘導体であることを特徴とする請求項2に記載の吸着材。
  4. 前記吸着材が多孔質または膜状であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の吸着材。
  5. 少なくとも下記に示す化学式1で表される分子をその一部に有することを特徴とする吸着材。(ここでX、Yは同種または異種のリグニン含有化合物、Rは芳香族または脂肪族化合物を表す。)

    Figure 2009034634
  6. 加水分解リグニン、オルガノソルブリグニン、アルカリリグニン、リグニンスルホン酸塩、爆砕リグニン、砕木リグニンから選ばれるリグニン含有化合物と、
    一分子内に反応性官能基として働く二以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と、
    を架橋反応させることを特徴とする吸着材の製造方法。
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