JP2009033894A - スイッチング電源回路 - Google Patents

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好幸 阿久澤
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Abstract

【課題】過電流の保護精度を高めることができるスイッチング電源回路を得ることを目的とする。
【解決手段】整流回路5の出力端子5a,5b間にコンデンサ6を接続するとともに、整流回路5の出力端子5aと負荷接続端子8a間にカレントトランス7の一次巻線を接続し、電流検出回路10がカレントトランス7の二次巻線から出力される電流を検出し、制御回路12がカレントトランス7の二次巻線から出力される電流の値が閾値Ithより高くなると、スイッチング回路3のスイッチングを停止する。
【選択図】図1

Description

この発明は、負荷に流れる過電流を検出して、故障の発生を防止する機能を備えているスイッチング電源回路に関するものである。
従来のスイッチング電源回路では、図7に示すように、スイッチング回路が直流電源から出力される直流電流Iinをスイッチングしてパルス電流I1を生成する。
スイッチング電源回路のトランスT1は、スイッチング回路により生成されたパルス電流が一次巻線に与えられると、二次巻線から当該パルス電流に比例するパルス電流I2を整流回路に出力する。
整流回路は、トランスT1の二次巻線からパルス電流I2を受けると、そのパルス電流I2を整流して直流電流Ioutを負荷に供給する。
スイッチング電源回路には、負荷に流れる過電流を検出するため、トランスT1の一次巻線とスイッチング回路間に、カレントトランスの一次巻線が接続されている。
電流検出回路は、カレントトランスの二次巻線から出力される電流を検出し、その電流値を過電流保護回路に出力する。
過電流保護回路は、電流検出回路から出力される電流値と予め設定されている閾値Ith(スイッチング回路のターンオン時に発生する突入電流の値より大きい値の閾値)を比較し、電流検出回路から出力された電流値が閾値Ithより高くなると、スイッチング停止指令を制御回路に出力する。
制御回路は、過電流保護回路からスイッチング停止指令を受けると、スイッチング回路のスイッチングを停止して、過電流が負荷に流れないようにする。
ここで、過電流保護回路の閾値Ithが、スイッチング回路のターンオン時に発生する突入電流の値より大きい値に設定されている理由は、突入電流の値より小さい値に設定すると、スイッチング回路のターンオン時に電流検出回路から出力される電流値が閾値Ithより高くなり、過電流が発生していないにもかかわらず、スイッチング停止指令を制御回路に出力してしまうことになるからである。
図7のスイッチング電源回路の他に、トランスT1の一次巻線とスイッチング回路間にカレントトランスの一次巻線を接続して、カレントトランスの二次巻線から出力される電流を検出することにより、過電流を検出しているスイッチング電源回路が以下の特許文献1,2に開示されている。
特開2002−58254号公報(図1) 特開2006−158091号公報(図1)
従来のスイッチング電源回路は以上のように構成されているので、過電流保護回路の閾値をスイッチング回路のターンオン時に発生する突入電流の値より大きな値に設定しなければない。このため、突入電流の値より小さい値の過電流を検出することができず、過電流の保護が不十分である課題があった。
また、負荷に流れる過電流は、コンデンサC2や整流回路で平滑化されるため、トランスT1の一次巻線とスイッチング回路間にカレントトランスの一次巻線を接続しても、コンデンサC2にディスチャージされて、負荷接続端子に出力されるような短時間の過電流や、高周波数の過電流を検出することができず、過電流の保護が不十分である課題があった。
さらに、直流電圧Vinが変化しても、直流電流Ioutを同じにするために、スイッチング回路が直流電圧Vinの変化に応じてパルス電流I1のパルス幅を調整する。しかし、パルス電流I1のパルス幅を変えると、パルス電流I1の振幅と予め設定されている閾値Ithとの差分ΔIが変化してしまうため、過電流の検出感度が変化してしまうなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、過電流の保護精度を高めることができるスイッチング電源回路を得ることを目的とする。
この発明に係るスイッチング電源回路は、整流回路の出力端子間にコンデンサを接続するとともに、整流回路の出力端子と負荷接続端子間にカレントトランスの一次巻線を接続し、スイッチング制御手段がカレントトランスの二次巻線から出力される電流を検出し、その電流の値に応じてスイッチング回路のスイッチングを制御するようにしたものである。
この発明によれば、整流回路の出力端子間にコンデンサを接続するとともに、整流回路の出力端子と負荷接続端子間にカレントトランスの一次巻線を接続し、スイッチング制御手段がカレントトランスの二次巻線から出力される電流を検出し、その電流の値に応じてスイッチング回路のスイッチングを制御するように構成したので、過電流の保護精度を高めることができる効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるスイッチング電源回路を示す構成図であり、図において、直流電源1は直流電圧Vinの直流電流Iinを出力する電源である。
コンデンサ2は平滑化用のコンデンサであり、スイッチング回路3の入力端子3a,3b間に接続されている。
スイッチング回路3は例えばFETなどの半導体スイッチがブリッジ接続されて構成されており、制御回路12の指示の下、半導体スイッチがオン/オフすることにより、直流電源1から出力される直流電流Iinを断続してパルス電流I1を生成する。
トランス4は例えば絶縁用のトランスであり、スイッチング回路3により生成されたパルス電流I1が一次巻線に与えられ、二次巻線からパルス電流I1に比例するパルス電流I2を出力する。
整流回路5は例えばダイオードがブリッジ接続されて構成されており、トランス4の二次巻線から出力されたパルス電流I2を整流して直流電流Ioutを出力する。
コンデンサ6は平滑化用のコンデンサであり、整流回路5の出力端子5a,5b間に接続されている。
カレントトランス7は整流回路5の出力端子5aと負荷接続端子8a間に一次巻線が接続され、整流回路5の出力端子5aと負荷接続端子8a間を流れる電流に相当する電流を二次巻線から出力する。
図1の例では、カレントトランス7の一次巻線が整流回路5の出力端子5aと負荷接続端子8a間に接続されているが、カレントトランス7の一次巻線が整流回路5の出力端子5bと負荷接続端子8b間に接続されているようにしてもよい。
負荷接続端子8a,8b間には負荷9が接続されている。
電流検出回路10はカレントトランス7の二次巻線から出力される電流を検出し、その電流値を過電流保護回路11に出力する。
過電流保護回路11は電流検出回路10から出力される電流値と予め設定されている閾値Ith(スイッチング回路3のターンオン時に発生する突入電流の値より小さい値の閾値)を比較し、電流検出回路10から出力された電流値が閾値Ithより高くなると、スイッチング停止指令を制御回路12に出力する。
制御回路12は過電流保護回路11からスイッチング停止指令を受けると、スイッチング回路3のスイッチングを停止して、過電流が負荷9に流れないようにする。
なお、電流検出回路10、過電流保護回路11及び制御回路12からスイッチング制御手段が構成されている。
次に動作について説明する。
スイッチング回路3は、直流電源1から直流電圧Vinの直流電流Iinを受けると、制御回路12の指示の下で、内部の半導体スイッチがオン/オフすることにより、その直流電流Iinを断続してパルス電流I1を生成する。
ここで、図2はスイッチング回路3により生成されるパルス電流I1を示す説明図である。
トランス4は、一般的に、スイッチング回路3と負荷9を絶縁するために設けられており、スイッチング回路3により生成されたパルス電流I1が一次巻線に与えられると、二次巻線からパルス電流I1に比例するパルス電流I2を整流回路5に出力する。
整流回路5は、トランス4の二次巻線からパルス電流I2を受けると、そのパルス電流I2を整流して直流電流Ioutを出力する。
なお、整流回路5の出力端子5a,5b間にはコンデンサ6が接続されているので、整流回路5から出力される直流電流Ioutの一部は、コンデンサ6にディスチャージされてから負荷接続端子8a,8bに出力される。
これにより、直流電流Ioutが平滑化されるため、スイッチング回路3のターンオン時に発生する突入電流の成分が直流電流Ioutから除去されることになる。
したがって、負荷9にはスイッチング回路3のターンオン時に発生する突入電流の成分を含まない直流電流Ioutが供給される。
カレントトランス7は、整流回路5の出力端子5aと負荷接続端子8a間に一次巻線が接続され、整流回路5の出力端子5aと負荷接続端子8a間を流れる電流の交流成分IAC(当該交流成分は、負荷接続端子8aから出力される直流電流Ioutに重畳されている過電流に相当し、スイッチング回路3のターンオン時に発生する突入電流の成分を含まない)に相当する電流IAC’を二次巻線から出力する。
AC’=K・IAC
ただし、Kはカレントトランス7の巻線比である。
なお、整流回路5の出力端子5aと負荷接続端子8a間にカレントトランス7の一次巻線が接続されると、カレントトランス7が飽和してしまう可能性があるが、負荷9との関係を考慮して、適正なカレントトランス7を選定すれば、カレントトランス7の飽和を防止することができる。
例えば、直流電流Ioutが0A〜25Aの範囲であれば、コア材料がフェライト、コア外形が直径20mm×内径14.5mm×厚さ7.5mm、検出巻線が200ターンのカレントトランス7を選定すれば、カレントトランス7が飽和しないことが検証されている。
電流検出回路10は、カレントトランス7の二次巻線から出力される電流IAC’を検出し、その電流値を過電流保護回路11に出力する。
なお、カレントトランス7の二次巻線には、整流回路5の出力端子5aと負荷接続端子8a間を流れる電流の交流成分のみが伝達されるため、負荷接続端子8aに出力される過電流の瞬時値を非接触で直接的に検出することができる。
即ち、負荷接続端子8aに出力される短時間又は高周波数の過電流を直接的に検出することができる。
ここで、過電流保護回路11には、図3に示すように、スイッチング回路3のターンオン時に発生する突入電流の値より小さい値の閾値Ithが設定されている。
この閾値Ithは、従来のスイッチング電源回路と異なり、直流電圧Vinが変化しても、過電流の検出感度に影響を与えることはない。
即ち、直流電圧Vinが変化しても、負荷9に供給する直流電流Ioutを一定に保つため、スイッチング回路3がターンオン期間を調整して、パルス電流I1のパルス幅を調整する。
スイッチング回路3がパルス電流I1のパルス幅を調整すると、図4に示すように、スイッチング回路3から出力されるパルス電流I1の振幅が変化する。
従来のスイッチング電源回路の場合、トランスT1の一次巻線とスイッチング回路間に、カレントトランスの一次巻線が接続されており(図7を参照)、スイッチング回路のターンオン時に発生する突入電流によってスイッチング停止指令が出力されないようにするために、例えば、ターンオン時に発生する突入電流(突入電流の成分を含むパルス電流I1)の値よりΔIだけ大きい値の閾値Ithが設定される。
しかし、スイッチング回路から出力されるパルス電流I1の振幅が直流電圧Vinの変化に伴って変化することにより、パルス電流I1の振幅と予め設定されている閾値Ithとの差分ΔIが変化してしまうため、過電流の検出感度が変化する。
これに対して、この実施の形態1のスイッチング電源回路では、カレントトランス7の一次巻線が整流回路5の出力端子5aと負荷接続端子8a間に接続されており、整流回路5の出力端子5aと負荷接続端子8a間を流れる電流は、上述したように、スイッチング回路3のターンオン時に発生する突入電流の成分を含まず、直流電圧Vinが変化しても変化しないため、過電流の検出感度が変化することはない。
過電流保護回路11は、電流検出回路10がカレントトランス7の二次巻線から出力される電流IAC’を検出すると、その電流IAC’の電流値と閾値Ithを比較し、その電流IAC’の電流値が閾値Ithより高くなると、過電流の発生を認定し、スイッチング停止指令を制御回路12に出力する。
制御回路12は、過電流保護回路11からスイッチング停止指令を受けると、スイッチング回路3のスイッチングを停止して、過電流が負荷9に流れないようにする。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、整流回路5の出力端子5a,5b間にコンデンサ6を接続するとともに、整流回路5の出力端子5aと負荷接続端子8a間にカレントトランス7の一次巻線を接続し、電流検出回路10がカレントトランス7の二次巻線から出力される電流を検出し、制御回路12がカレントトランス7の二次巻線から出力される電流の値が閾値Ithより高くなると、スイッチング回路3のスイッチングを停止するように構成したので、過電流の保護精度を高めることができる効果を奏する。
即ち、スイッチング回路3のターンオン時に発生する突入電流より小さい値の過電流を検出することができるとともに、短時間の過電流や、高周波数の過電流を検出することができるため、過電流の保護を高めることができる効果を奏する。
また、直流電圧Vinが変化しても、過電流の検出感度に影響がなく、十分な過電流保護を継続することができる効果を奏する。
なお、この実施の形態1では、カレントトランス7の二次巻線から出力される電流IAC’の電流値が閾値Ithより高くなると、過電流保護回路11がスイッチング停止指令を制御回路12に出力するものについて示したが、その電流IAC’の電流値が閾値Ithより高くなると、過電流保護回路11がターンオン期間の短縮指令を制御回路12に出力して、制御回路12がスイッチング回路3のターンオン期間を短縮するようにしてもよい。
この場合も、過電流が負荷9に流れなくなり、過電流保護を実現することができる。
また、この実施の形態1では、非接触絶縁型の電流検出手段として、カレントトランス7を用いることにより、整流回路5の出力端子5aと負荷接続端子8a間を流れる電流を検出するものについて示したが、非接触絶縁型の電流検出手段はカレントトランス7に限るものではなく、例えば、フォトカプラなどを用いることにより、整流回路5の出力端子5aと負荷接続端子8a間を流れる電流を検出するようにしてもよい。
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2によるスイッチング電源回路を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
カレントトランス21は直流電源1とスイッチング回路3の入力端子3a間に一次巻線が接続され、直流電源1とスイッチング回路3の入力端子3a間を流れる電流に相当する電流を二次巻線から出力する。
図5の例では、カレントトランス21の一次巻線が直流電源1とスイッチング回路3の入力端子3a間に接続されているが、カレントトランス21の一次巻線が直流電源1とスイッチング回路3の入力端子3b間に接続されているようにしてもよい。
電流検出回路22はカレントトランス21の二次巻線から出力される電流を検出し、その電流値を過電流保護回路23に出力する。
過電流保護回路23は電流検出回路22から出力される電流値と予め設定されている閾値Ith(スイッチング回路3のターンオン時に発生する突入電流の値より小さい値の閾値)を比較し、電流検出回路22から出力された電流値が閾値Ithより高くなると、スイッチング停止指令を制御回路24に出力する。
制御回路24は過電流保護回路23からスイッチング停止指令を受けると、スイッチング回路3のスイッチングを停止して、過電流が負荷9に流れないようにする。
なお、電流検出回路22、過電流保護回路23及び制御回路24からスイッチング制御手段が構成されている。
次に動作について説明する。
スイッチング回路3は、直流電源1から直流電圧Vinの直流電流Iinを受けると、制御回路24の指示の下で、内部の半導体スイッチがオン/オフすることにより、その直流電流Iinを断続してパルス電流I1を生成する(図2を参照)。
トランス4は、一般的に、スイッチング回路3と負荷9を絶縁するために設けられており、スイッチング回路3により生成されたパルス電流I1が一次巻線に与えられると、上記実施の形態1と同様に、二次巻線からパルス電流I1に比例するパルス電流I2を整流回路5に出力する。
整流回路5は、トランス4の二次巻線からパルス電流I2を受けると、上記実施の形態1と同様に、そのパルス電流I2を整流して直流電流Ioutを出力する。
なお、整流回路5の出力端子5a,5b間にはコンデンサ6が接続されているので、整流回路5から出力される直流電流Ioutの一部は、コンデンサ6にディスチャージされてから負荷接続端子8a,8bに出力される。
これにより、直流電流Ioutが平滑化されるため、スイッチング回路3のターンオン時に発生する突入電流の成分が直流電流Ioutから除去されることになる。
したがって、負荷9にはスイッチング回路3のターンオン時に発生する突入電流の成分を含まない直流電流Ioutが供給される。
カレントトランス21は、直流電源1とスイッチング回路3の入力端子3a間に一次巻線が接続され、直流電源1とスイッチング回路3の入力端子3a間を流れる電流の交流成分IAC(当該交流成分は、負荷接続端子8aから出力される直流電流Ioutに重畳されている過電流に相当し、スイッチング回路3のターンオン時に発生する突入電流の成分を含まない)に相当する電流IAC”を二次巻線から出力する。
AC”=K・IAC
ただし、Kはカレントトランス7の巻線比である。
直流電源1とスイッチング回路3の入力端子3a間を流れる電流は、整流回路5の出力端子5aと負荷接続端子8a間を流れる電流と比例した値となり、短時間や高周波数の過電流が流れる。
また、直流電源1とスイッチング回路3の入力端子3a間には、トランス4、整流回路5及びコンデンサ2,6等の故障による短絡電流も流れる。
なお、直流電源1とスイッチング回路3の入力端子3a間にカレントトランス21の一次巻線が接続されると、カレントトランス21が飽和してしまう可能性があるが、負荷9との関係を考慮して、適正なカレントトランス21を選定すれば、カレントトランス21の飽和を防止することができる。
例えば、直流電流Iinが0A〜25Aの範囲であれば、コア材料がフェライト、コア外形が直径20mm×内径14.5mm×厚さ7.5mm、検出巻線が200ターンのカレントトランス21を選定すれば、カレントトランス21が飽和しないことが検証されている。
電流検出回路22は、カレントトランス21の二次巻線から出力される電流IAC”を検出し、その電流値を過電流保護回路23に出力する。
なお、カレントトランス21の二次巻線には、直流電源1とスイッチング回路3の入力端子3a間を流れる電流の交流成分のみが伝達されるため、負荷接続端子8aに出力される過電流と比例した過電流の瞬時値を非接触で検出することができる。
即ち、負荷接続端子8aに出力される短時間又は高周波数の過電流を間接的に検出することができる。
ここで、過電流保護回路23には、図3に示すように、スイッチング回路3のターンオン時に発生する突入電流の値より小さい値の閾値Ithが設定されている。
この閾値Ithは、従来のスイッチング電源回路と異なり、直流電圧Vinが変化しても、過電流の検出感度に影響を与えることはない。
即ち、直流電圧Vinが変化しても、負荷9に供給する直流電流Ioutを一定に保つため、スイッチング回路3がターンオン期間を調整して、パルス電流I1のパルス幅を調整する。
スイッチング回路3がパルス電流I1のパルス幅を調整すると、図4に示すように、スイッチング回路3から出力されるパルス電流I1の振幅が変化する。
従来のスイッチング電源回路の場合、トランスT1の一次巻線とスイッチング回路間に、カレントトランスの一次巻線が接続されており(図7を参照)、スイッチング回路のターンオン時に発生する突入電流によってスイッチング停止指令が出力されないようにするために、例えば、ターンオン時に発生する突入電流(突入電流の成分を含むパルス電流I1)の値よりΔIだけ大きい値の閾値Ithが設定される。
しかし、スイッチング回路から出力されるパルス電流I1の振幅が直流電圧Vinの変化に伴って変化することにより、パルス電流I1の振幅と予め設定されている閾値Ithとの差分ΔIが変化してしまうため、過電流の検出感度が変化する。
これに対して、この実施の形態2のスイッチング電源回路では、カレントトランス21の一次巻線が直流電源1とスイッチング回路3の入力端子3a間に接続されており、直流電源1とスイッチング回路3の入力端子3a間を流れる電流は、上述したように、スイッチング回路3のターンオン時に発生する突入電流の成分を含まず、直流電圧Vinが変化しても変化しないため、過電流の検出感度が変化することはない。
過電流保護回路23は、電流検出回路22がカレントトランス21の二次巻線から出力される電流IAC”を検出すると、その電流IAC”の電流値と閾値Ith(図1の過電流保護回路11に設定される閾値Ithと同一、または、略同一の閾値)を比較し、その電流IAC”の電流値が閾値Ithより高くなると、過電流の発生を認定し、スイッチング停止指令を制御回路24に出力する。
制御回路24は、過電流保護回路23からスイッチング停止指令を受けると、スイッチング回路3のスイッチングを停止して、過電流が負荷9に流れないようにする。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、整流回路5の出力端子5a,5b間にコンデンサ6を接続するとともに、直流電源1とスイッチング回路3の入力端子3a間にカレントトランス21の一次巻線を接続し、電流検出回路22がカレントトランス21の二次巻線から出力される電流を検出し、制御回路24がカレントトランス21の二次巻線から出力される電流の値が閾値Ithより高くなると、スイッチング回路3のスイッチングを停止するように構成したので、過電流の保護精度を高めることができる効果を奏する。
即ち、スイッチング回路3のターンオン時に発生する突入電流より小さい値の過電流を検出することができるとともに、短時間の過電流や、高周波数の過電流を検出することができるため、過電流の保護を高めることができる効果を奏する。
また、直流電圧Vinが変化しても、過電流の検出感度に影響がなく、十分な過電流保護を継続することができる効果を奏する。
また、トランス4、整流回路5及びコンデンサ2,6等の故障による短絡電流を検出することができるため、保護を高めることができる効果を奏する。
なお、この実施の形態2では、カレントトランス21の二次巻線から出力される電流IAC”の電流値が閾値Ithより高くなると、過電流保護回路23がスイッチング停止指令を制御回路24に出力するものについて示したが、その電流IAC”の電流値が閾値Ithより高くなると、過電流保護回路23がターンオン期間の短縮指令を制御回路24に出力して、制御回路24がスイッチング回路3のターンオン期間を短縮するようにしてもよい。
この場合も、過電流が負荷9に流れなくなり、過電流保護を実現することができる。
また、この実施の形態2では、非接触絶縁型の電流検出手段として、カレントトランス21を用いることにより、直流電源1とスイッチング回路3の入力端子3a間を流れる電流を検出するものについて示したが、非接触絶縁型の電流検出手段はカレントトランス21に限るものではなく、例えば、フォトカプラなどを用いることにより、直流電源1とスイッチング回路3の入力端子3a間を流れる電流を検出するようにしてもよい。
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3によるスイッチング電源回路を示す構成図であり、図において、図1及び図5と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
制御回路31は過電流保護回路11からスイッチング停止指令が出力された場合、あるいは、過電流保護回路23からスイッチング停止指令が出力された場合、スイッチング回路3のスイッチングを停止して、過電流が負荷9に流れないようにする。なお、制御回路31はスイッチング制御手段を構成している。
上記実施の形態1では、制御回路12がカレントトランス7の二次巻線から出力される電流の値が閾値Ithより高くなると、スイッチング回路3のスイッチングを停止し、上記実施の形態2では、制御回路24がカレントトランス21の二次巻線から出力される電流の値が閾値Ithより高くなると、スイッチング回路3のスイッチングを停止するものについて示したが、カレントトランス7の二次巻線から出力される電流の値が閾値Ithより高くなった場合、あるいは、カレントトランス21の二次巻線から出力される電流の値が閾値Ithより高くなった場合に、制御回路31がスイッチング回路3のスイッチングを停止して、過電流が負荷9に流れないようにしてもよい。
この場合、上記実施の形態1,2よりも、更に、過電流の保護精度を高めることができる効果を奏する。
なお、この実施の形態3では、過電流保護回路11,23がスイッチング停止指令を制御回路31に出力するものについて示したが、電流IAC’、IAC”の電流値が閾値Ithより高くなると、過電流保護回路11,23がターンオン期間の短縮指令を制御回路31に出力して、制御回路31がスイッチング回路3のターンオン期間を短縮するようにしてもよい。
この場合も、過電流が負荷9に流れなくなり、過電流保護を実現することができる。
この発明の実施の形態1によるスイッチング電源回路を示す構成図である。 スイッチング回路3により生成されるパルス電流I1を示す説明図である。 スイッチング電源回路の過電流保護回路11に設定される閾値Ithを示す説明図である。 パルス電流I1の振幅の変化と閾値Ithの関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態2によるスイッチング電源回路を示す構成図である。 この発明の実施の形態3によるスイッチング電源回路を示す構成図である。 従来のスイッチング電源回路を示す構成図である。
符号の説明
1 直流電源、2,6 コンデンサ、3 スイッチング回路、3a,3b スイッチング回路の入力端子、4 トランス、5 整流回路、5a,5b 整流回路の出力端子、7,21 カレントトランス、8a,8b 負荷接続端子、9 負荷、10,22 電流検出回路(スイッチング制御手段)、11,23 過電流保護回路(スイッチング制御手段)、12,24,31 制御回路(スイッチング制御手段)。

Claims (6)

  1. 直流電源から出力される直流電流をスイッチングしてパルス電流を生成するスイッチング回路と、上記スイッチング回路により生成されたパルス電流が一次巻線に与えられ、二次巻線から当該パルス電流に比例するパルス電流を出力するトランスと、上記トランスの二次巻線から出力されたパルス電流を整流して直流電流を出力する整流回路と、上記整流回路の出力端子間に接続されたコンデンサと、上記整流回路の出力端子と負荷接続端子間に一次巻線が接続されたカレントトランスと、上記カレントトランスの二次巻線から出力される電流を検出し、上記電流の値に応じて上記スイッチング回路のスイッチングを制御するスイッチング制御手段とを備えたスイッチング電源回路。
  2. 直流電源から出力される直流電流をスイッチングしてパルス電流を生成するスイッチング回路と、上記スイッチング回路により生成されたパルス電流が一次巻線に与えられ、二次巻線から当該パルス電流に比例するパルス電流を出力するトランスと、上記トランスの二次巻線から出力されたパルス電流を整流して直流電流を出力する整流回路と、上記整流回路の出力端子間に接続されたコンデンサと、上記直流電源と上記スイッチング回路の入力端子間に一次巻線が接続されたカレントトランスと、上記カレントトランスの二次巻線から出力される電流を検出し、上記電流の値に応じて上記スイッチング回路のスイッチングを制御するスイッチング制御手段とを備えたスイッチング電源回路。
  3. スイッチング制御手段は、カレントトランスの二次巻線から出力される電流の値が予め設定された閾値より高くなると、スイッチング回路のスイッチングを停止、あるいは、上記スイッチング回路のターンオン期間を短縮することを特徴とする請求項1または請求項2記載のスイッチング電源回路。
  4. 直流電源から出力される直流電流をスイッチングしてパルス電流を生成するスイッチング回路と、上記スイッチング回路により生成されたパルス電流が一次巻線に与えられ、二次巻線から当該パルス電流に比例するパルス電流を出力するトランスと、上記トランスの二次巻線から出力されたパルス電流を整流して直流電流を出力する整流回路と、上記整流回路の出力端子間に接続されたコンデンサと、上記整流回路の出力端子と負荷接続端子間に一次巻線が接続された第1のカレントトランスと、上記直流電源と上記スイッチング回路の入力端子間に一次巻線が接続された第2のカレントトランスと、上記第1及び第2カレントトランスの二次巻線から出力される電流を検出し、上記電流の値に応じて上記スイッチング回路のスイッチングを制御するスイッチング制御手段とを備えたスイッチング電源回路。
  5. スイッチング制御手段は、第1のカレントトランスの二次巻線から出力される電流の値、あるいは、第2のカレントトランスの二次巻線から出力される電流の値が予め設定された閾値より高くなると、スイッチング回路のスイッチングを停止、あるいは、上記スイッチング回路のターンオン期間を短縮することを特徴とする請求項4記載のスイッチング電源回路。
  6. スイッチング回路のターンオン時に発生する突入電流の値より小さい値の閾値がスイッチング制御手段に設定されていることを特徴とする請求項3または請求項5記載のスイッチング電源回路。
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